【課題を解決するための手段】
【0007】
より良好な効力および効能、迅速な作用の発現、より良好な持続性、およびより短いRNA二重鎖の長さを有する新規のsiRNAの設計により、非特異的なインターフェロン様反応を回避し、RNAi治療薬の研究および医薬開発のための合成経費を軽減する、哺乳動物細胞における有効なRNAiへの新たな手法を開発する必要が存在する。
【0008】
本明細書で引用される参考文献は、優先権が主張される本発明に対する先行技術として容認されるわけではない。
【0009】
本発明は、哺乳動物細胞における強力な遺伝子サイレンシングを誘導することが可能であり、本明細書では非対称性干渉RNA(aiRNA)と称する、新たなクラスの低分子二重鎖RNAの驚くべき発見についての発明である。この新たなクラスのRNAi誘導剤の特徴は、2本のRNA鎖の長さの非対称性である。このような新たな構造設計は、遺伝子サイレンシングを実施するのに機能的に強力であるだけでなく、現在の技術水準で最新のsiRNAを上回る複数の利点ももたらす。aiRNAは、現行のsiRNAよりもはるかに短い長さのRNA二重鎖構造を有することが可能であり、これにより、合成の経費が軽減され、長さに依存する非特異的なインターフェロン様反応の誘発が除去/軽減されるという利点がある。加えて、aiRNA構造の非対称性により、センス鎖を介するオフターゲット効果が除去/軽減される。さらに、aiRNAは、遺伝子サイレンシングの誘導において、siRNAよりも有効であり、強力であり、発現が迅速であり、持続性である。aiRNAは、生物学研究、バイオテクノロジー産業および製薬産業におけるR&D研究、ならびにRNAiベースの治療を含む、現行のsiRNAまたはshRNAが適用されているかまたは用いられることが意図されるすべての領域において用いることができる。
【0010】
本発明は、二重鎖RNA分子を提供する。二重鎖RNA分子は、18〜23ヌクレオチドの長さを有する第1鎖と12〜17ヌクレオチドの長さを有する第2鎖とを含み、該第2鎖が該第1鎖と実質的に相補的であり、該第1鎖と二本鎖領域を形成し、該第1鎖が1〜9ヌクレオチドの3’突出と0〜8ヌクレオチドの5’突出とを有し、前記二重鎖RNA分子は、真核生物細胞内における選択的な遺伝子サイレンシングを実施することが可能である。一実施形態において、該第1鎖は標的mRNA配列と実質的に相補的な配列を含む。さらなる実施形態において、該第1鎖は標的mRNA配列と少なくとも70%相補的な配列を含む。別の実施形態において、該真核生物細胞は、哺乳動物細胞または鳥類細胞である。
【0011】
一実施形態において、該5’突出配列の少なくとも1つのヌクレオチドは、A、U、およびdTからなる群から選択される。
【0012】
一実施形態において、該二本鎖領域のGC含量は20%〜70%である。
【0013】
一実施形態において、該第1鎖は19〜22ヌクレオチドの長さを有する。
【0014】
一実施形態において、該第1鎖は21ヌクレオチドの長さを有する。さらなる実施形態において、該第2鎖は14〜16ヌクレオチドの長さを有する。
【0015】
一実施形態において、該第1鎖は21ヌクレオチドの長さを有し、該第2鎖は15ヌクレオチドの長さを有する。さらなる実施形態において、該第1鎖は2〜4ヌクレオチドの3’突出を有する。またさらなる実施形態において、該第1鎖は3ヌクレオチドの3’突出を有する。
【0016】
一実施形態において、二重鎖RNA分子は、少なくとも1つの修飾ヌクレオチドまたはその類似体を含有する。さらなる実施形態において、該少なくとも1つの修飾ヌクレオチドまたはその類似体は、糖修飾リボヌクレオチド、骨格修飾リボヌクレオチド、および/または塩基修飾リボヌクレオチドである。またさらなる実施形態において、該骨格修飾リボヌクレオチドは、別のリボヌクレオチドとのホスホジエステル結合において修飾を有する。一実施形態において、該ホスホジエステル結合は、少なくとも1つの窒素のヘテロ原子または硫黄のヘテロ原子を含むように修飾される。別の実施形態において、該ヌクレオチド類似体は、ホスホチオエート基を含有する骨格修飾リボヌクレオチドである。
【0017】
一実施形態において、該少なくとも1つの修飾ヌクレオチドまたはその類似体は、非天然塩基または修飾塩基である。別の実施形態において、該少なくとも1つの修飾ヌクレオチドまたはその類似体は、イノシンまたはトリチル化塩基を含む。
【0018】
さらなる実施形態において、該ヌクレオチド類似体は、2’−OH基がH、OR、R、ハロ、SH、SR、NH
2、NHR、NR
2、またはCNから選択される基により置換され、各Rが独立にC1〜C6のアルキル、アルケニル、またはアルキニルであり、ハロがF、Cl、Br、またはIである、糖修飾リボヌクレオチドである。
【0019】
一実施形態において、該第1鎖は、少なくとも1つのデオキシヌクレオチドを含む。さらなる実施形態において、該少なくとも1つのデオキシヌクレオチドは、3’突出、5’突出、および二本鎖領域からなる群から選択される1つまたは複数の領域内にある。別の実施形態において、該第2鎖は、少なくとも1つのデオキシヌクレオチドを含む。
【0020】
本発明はまた、細胞または生物における遺伝子発現を調節する方法であって、選択的な遺伝子サイレンシングを行うことができる条件下において、前記細胞または生物を請求項1に記載の二重鎖RNA分子と接触させるステップと、該二本鎖RNAに実質的に対応する配列部分を有する標的の遺伝子または核酸に対して該二重鎖RNA分子により実施される選択的な遺伝子サイレンシングを媒介するステップとを含む方法も提供する。さらなる実施形態において、前記接触させるステップは、選択的な遺伝子サイレンシングを行うことができる培養物中または生物内の標的細胞へと前記二重鎖RNA分子を導入するステップを含む。またさらなる実施形態において、導入するステップは、トランスフェクション、リポフェクション、エレクトロポレーション、感染、注射、経口投与、吸入、局所(topical)投与、または局所(regional)投与からなる群から選択される。別の実施形態において、導入するステップは、医薬担体、正電荷担体、リポソーム、タンパク質担体、ポリマー、ナノ粒子、ナノエマルジョン、脂質、およびリポイドからなる群から選択される、薬学的に許容される賦形剤、担体、または希釈剤の使用を含む。
【0021】
一実施形態において、該調節する方法は、細胞または生物における遺伝子の機能または有用性を決定するのに用いられる。
【0022】
一実施形態において、該調節する方法は、疾患または望ましくない状態を治療または予防するのに用いられる。
【0023】
一実施形態において、該標的遺伝子は、哺乳動物における疾患、病理学的状態、または望ましくない状態と関連する。さらなる実施形態において、該標的遺伝子は病原性微生物の遺伝子である。またさらなる実施形態において、該標的遺伝子はウイルス遺伝子である。別の実施形態において、該標的遺伝子は腫瘍関連遺伝子である。さらに別の実施形態において、該標的遺伝子は、自己免疫疾患、炎症性疾患、変性疾患、感染性疾患、増殖性疾患、代謝性疾患、免疫媒介性障害、アレルギー性疾患、皮膚疾患、悪性疾患、消化管障害、呼吸器障害、心血管障害、腎障害、リウマチ障害、神経障害、内分泌障害、および老化からなる群から選択される疾患と関連する遺伝子である。
【0024】
本発明は、研究用試薬を提供する。該試薬は、二重鎖RNA分子を含む。
【0025】
本発明は、キットをさらに提供する。該キットは、18〜23ヌクレオチドの長さを有する第1のRNA鎖と12〜17ヌクレオチドの長さを有する第2のRNA鎖とを含み、該第2鎖が該第1鎖と実質的に相補的であり、該第1鎖と二重鎖RNA分子を形成することが可能であり、該二重鎖RNA分子が1〜9ヌクレオチドの3’突出と0〜8ヌクレオチドの5’突出とを有し、前記二重鎖RNA分子は、真核生物細胞内における配列特異的な遺伝子サイレンシングを実施することが可能である。
【0026】
本発明はまた、二重鎖RNA分子を調製する方法も提供する。該方法は、該第1鎖および該第2鎖を合成するステップと、該二重鎖RNA分子が形成され、これにより、配列特異的な遺伝子サイレンシングを実施することが可能となる条件下で、合成された鎖を組み合わせるステップとを含む。一実施形態において、請求項35に記載の方法は、合成するステップの間、合成するステップの後から組み合わせるステップの前において、または組み合わせるステップの後において、該二重鎖RNA分子内に少なくとも1種の修飾ヌクレオチドまたはその類似体を導入するステップをさらに含む。別の実施形態において、該RNA鎖は、化学合成されるか、または生物学的に合成される。
【0027】
本発明は、発現ベクターを提供する。該ベクターは、少なくとも1つの発現制御配列に作動可能に連結された二重鎖RNA分子をコードする1つまたは複数の核酸を含む。一実施形態において、ベクターは、第1の発現制御配列に作動可能に連結された、第1鎖をコードする第1の核酸と、第2の発現制御配列に作動可能に連結された、第2鎖をコードする第2の核酸とを含む。別の実施形態において、ベクターは、ウイルスの発現ベクター、真核生物の発現ベクター、または細菌の発現ベクターである。
【0028】
本発明はまた、細胞も提供する。一実施形態において、細胞はベクターを含む。別の実施形態において、細胞は二重鎖RNA分子を含む。さらなる実施形態において、細胞は、哺乳動物、鳥類、または細菌の細胞である。
【0029】
本発明は、二重鎖RNA分子を提供する。該二重鎖RNA分子は、第1鎖および第2鎖を含み、該第1鎖が該第2鎖よりも長く、該第2鎖が該第1鎖と実質的に相補的であり、該第1鎖と二本鎖領域を形成し、前記二重鎖RNA分子は、真核生物細胞内における選択的な遺伝子サイレンシングを実施することが可能である。一実施形態において、該二重鎖RNA分子の該2つの末端は、1〜10ヌクレオチドの3’突出、0〜10ヌクレオチドの5’突出、および平滑末端からなる群から独立に選択される。別の実施形態において、該第1鎖は標的mRNA配列と実質的に相補的である。代替的な実施形態において、該第2鎖は標的mRNA配列と実質的に相補的である。一実施形態において、該真核生物細胞は、哺乳動物細胞または鳥類細胞である。別の実施形態において、該二重鎖RNA分子は、単離二重鎖RNA分子である。
【0030】
一実施形態において、該第1鎖は、1〜8ヌクレオチドの3’突出と1〜8ヌクレオチドの5’突出とを有する。
【0031】
別の実施形態において、該第1鎖は、1〜10ヌクレオチドの3’突出と平滑末端とを有する。
【0032】
さらに別の実施形態において、該第1鎖は、1〜10ヌクレオチドの5’突出と平滑末端とを有する。
【0033】
代替的な実施形態において、該RNA二重鎖は、1〜8ヌクレオチドの2つの5’突出、または1〜10ヌクレオチドの2つの3’突出を有する。
【0034】
一実施形態において、該第1鎖は、12〜100ヌクレオチド、12〜30ヌクレオチド、18〜23ヌクレオチド、19〜25ヌクレオチドの長さを有する。さらなる実施形態において、該第1鎖は、21ヌクレオチドの長さを有する。
【0035】
別の実施形態において、該第2鎖は、5〜30ヌクレオチド、12〜22ヌクレオチド、12〜17ヌクレオチドの長さを有する。さらなる実施形態において、該第2鎖は、15ヌクレオチドの長さを有する。
【0036】
一実施形態において、該二本鎖領域が27bpである場合、該RNA分子の両末端が独立に3’突出または5’突出であるとの条件つきで、該第1鎖は12〜30ヌクレオチドの長さを有し、該第2鎖は10〜29ヌクレオチドの長さを有する。さらなる実施形態において、該第1鎖は18〜23ヌクレオチドの長さを有し、該第2鎖は12〜17ヌクレオチドの長さを有する。
【0037】
別の実施形態において、該第1鎖は19〜25ヌクレオチドの長さを有し、該第2鎖は12〜17ヌクレオチドの長さを有する。
【0038】
代替的な実施形態において、
該第1鎖が
【0039】
【化1】
であり、
該第2鎖が最長で17ヌクレオチドの長さを有するか、または該第1鎖との少なくとも1つのミスマッチを含有するか、または少なくとも1つの修飾を含有するとの条件つきで、
該第1鎖は19〜25ヌクレオチドの長さを有し、該第2鎖は18〜24ヌクレオチドの長さを有する。
【0040】
一実施形態において、該第1鎖は21ヌクレオチドの長さを有し、該第2鎖は12〜17ヌクレオチドまたは14〜16ヌクレオチドの長さを有する。
【0041】
一実施形態において、該第1鎖は、該第2鎖よりも1〜10ヌクレオチド長い。
【0042】
一実施形態において、該3’突出は、2〜6ヌクレオチドの長さを有する。
【0043】
別の実施形態において、該5’突出は、0〜5ヌクレオチドの長さを有する。
【0044】
一実施形態において、該遺伝子サイレンシングは、RNA干渉、翻訳の調節、およびDNAのエピジェネティック調節の1もしくは2つ、または全てを含む。
【0045】
一実施形態において、該二重鎖RNA分子は、前記第1鎖および第2鎖の少なくとも1つにおいてニックをさらに含む。
【0046】
別の実施形態において、該二本鎖領域は、1つまたは複数のヌクレオチドのギャップを含む。
【0047】
一実施形態において、5’突出の少なくとも1つのヌクレオチドは、該標的mRNA配列と相補的ではない。
【0048】
別の実施形態において、該5’突出の少なくとも1つのヌクレオチドは、A、U、およびdTからなる群から選択される。
【0049】
一実施形態において、二重鎖RNA分子は、ペプチド、抗体、ポリマー、脂質、オリゴヌクレオチド、コレステロール、およびアプタマーからなる群から選択される実体とコンジュゲートしている。
【0050】
一実施形態において、RNA分子は、マッチしないかまたはミスマッチする少なくとも1つのヌクレオチドをさらに含む。
【0051】
別の実施形態において、該二本鎖領域のGC含量は20〜70%である。
【0052】
一実施形態において、3’突出および/または5’突出は、分解に対して安定化される。
【0053】
一実施形態において、二重鎖RNA分子は、少なくとも1つの修飾ヌクレオチドまたはその類似体を含有する。さらなる実施形態において、該少なくとも1つの修飾ヌクレオチドまたはその類似体は、糖修飾リボヌクレオチド、骨格修飾リボヌクレオチド、および/または塩基修飾リボヌクレオチドである。さらなる実施形態において、該骨格修飾リボヌクレオチドは、別のリボヌクレオチドとのホスホジエステル結合において修飾を有する。別の実施形態において、該ホスホジエステル結合は、少なくとも1つの窒素のヘテロ原子または硫黄のヘテロ原子を含むように修飾される。さらに別の実施形態において、該ヌクレオチド類似体は、ホスホチオエート基を含有する骨格修飾リボヌクレオチドである。
【0054】
一実施形態において、該少なくとも1つの修飾ヌクレオチドまたはその類似体は、非天然塩基または修飾塩基を含む。別の実施形態において、該少なくとも1つの修飾ヌクレオチドまたはその類似体は、イノシンまたはトリチル化塩基を含む。
【0055】
さらなる実施形態において、該ヌクレオチド類似体は糖修飾リボヌクレオチドであり、2’−OH基はH、OR、R、ハロ、SH、SR、NH
2、NHR、NR
2、またはCNから選択される基により置換され、各Rは独立にC1〜C6のアルキル、アルケニル、またはアルキニルであり、ハロはF、Cl、Br、またはIである。
【0056】
一実施形態において、該第1鎖は、少なくとも1つのデオキシヌクレオチドを含む。さらなる実施形態において、該少なくとも1つのデオキシヌクレオチドは、3’突出、5’突出、および該第1鎖の5’端に近接する二本鎖領域からなる群から選択される1つまたは複数の領域内にある。別の実施形態において、該第2鎖は、少なくとも1つのデオキシヌクレオチドを含む。
【0057】
本発明はまた、細胞または生物における遺伝子発現を調節する方法を提供する。該方法は、選択的な遺伝子サイレンシングを行うことができる条件下において、前記細胞または生物を請求項1に記載の二重鎖RNA分子と接触させるステップと、該二本鎖RNAに実質的に対応する配列部分を有する標的核酸に対して該二本鎖RNAにより実施される選択的な遺伝子サイレンシングを媒介するステップとを含む。さらなる実施形態において、前記接触させるステップは、選択的な遺伝子サイレンシングを行うことができる培養物中または生物内の標的細胞へと前記二重鎖RNA分子を導入するステップを含む。またさらなる実施形態において、導入するステップは、トランスフェクション、リポフェクション、エレクトロポレーション、感染、注射、経口投与、吸入、局所(topical)投与、または局所(regional)投与からなる群から選択される。別の実施形態において、導入するステップは、医薬担体、正電荷担体、リポソーム、タンパク質担体、ポリマー、ナノ粒子、ナノエマルジョン、脂質、およびリポイドからなる群から選択される、薬学的に許容される賦形剤、担体、または希釈剤の使用を含む。一実施形態において、該調節する方法は、細胞または生物における遺伝子の発現を調節するのに用いられる。
【0058】
別の実施形態において、該調節する方法は、疾患または望ましくない状態を治療または予防するのに用いられる。
【0059】
一実施形態において、該標的遺伝子は、ヒトまたは動物の疾患と関連する遺伝子である。さらなる実施形態において、該遺伝子は病原性微生物の遺伝子である。またさらなる実施形態において、該標的遺伝子はウイルス遺伝子である。別の実施形態において、該遺伝子は腫瘍関連遺伝子である。
【0060】
さらに別の実施形態において、標的遺伝子は、自己免疫疾患、炎症性疾患、変性疾患、感染性疾患、増殖性疾患、代謝性疾患、免疫媒介性障害、アレルギー性疾患、皮膚疾患、悪性疾患、消化管障害、呼吸器障害、心血管障害、腎障害、リウマチ障害、神経障害、内分泌障害、および老化からなる群から選択される疾患と関連する遺伝子である。
【0061】
該調節する方法はまた、in vitroまたはin vivoにおける薬物標的を研究するのに用いられる。
【0062】
本発明は、二重鎖RNA分子を含む試薬を提供する。
【0063】
本発明は、キットをさらに提供する。該キットは、第1のRNA鎖および第2のRNA鎖を含み、該第1鎖が該第2鎖よりも長く、該第2鎖が該第1鎖と実質的に相補的であり、該第1鎖と二重鎖RNA分子を形成することが可能であり、前記二重鎖RNA分子が真核生物細胞内における配列特異的な遺伝子サイレンシングを実施することが可能である。
【0064】
本発明はまた、請求項1に記載の二重鎖RNA分子を調製する方法であって、該第1鎖および該第2鎖を合成するステップと、二重鎖RNA分子が形成され、これにより、配列特異的な遺伝子サイレンシングを実施することが可能となる条件下で、合成された鎖を組み合わせるステップとを含む方法も提供する。一実施形態において、それらのRNA鎖は、化学合成されるか、または生物学的に合成される。別の実施形態において、該第1鎖および該第2鎖は、個々にまたは同時に合成される。
【0065】
一実施形態において、該方法は、合成するステップの間、合成するステップの後から組み合わせるステップの前において、または組み合わせるステップの後において、該二重鎖RNA分子内に少なくとも1種の修飾ヌクレオチドまたはその類似体を導入するステップをさらに含む。
【0066】
本発明は、医薬組成物をさらに提供する。医薬組成物は、活性作用物質としての、少なくとも1種の二重鎖RNA分子と、医薬担体、正電荷担体、リポソーム、タンパク質担体、ポリマー、ナノ粒子、コレステロール、脂質、およびリポイドからなる群から選択される1種または複数種の担体とを含む。
【0067】
本発明はまた、治療法も提供する。該方法は、有効量の本発明の医薬組成物を、それを必要とする対象に投与するステップを含む。一実施形態において、該医薬組成物は、静脈内投与、皮下投与、吸入投与、局所投与、経口投与、および局所投与からなる群から選択される経路を介して投与される。
【0068】
一実施形態において、該第1鎖は、発生遺伝子、癌遺伝子、腫瘍抑制遺伝子、および酵素遺伝子、ならびに接着分子、サイクリンキナーゼ阻害剤、Wntファミリーメンバー、Paxファミリーメンバー、ウイングドヘリックスファミリーメンバー、Hoxファミリーメンバー、サイトカイン/リンホカインまたはその受容体、成長/分化因子またはその受容体、神経伝達物質またはその受容体、キナーゼ、シグナル伝達物質の遺伝子、ウイルス遺伝子、感染性疾患の遺伝子、ABL1、BCL1、BCL2、BCL6、CBFA2、CBL、CSF1R、ERBA、ERBB、EBRB2、ETS1、ETS1、ETV6、FGR、FOS、FYN、HCR、HRAS、JUN、KRAS、LCK、LYN、MDM2、MLL、MYB、MYC、MYCL1、MYCN、NRAS、PIM1、PML、RET、SRC、TAL1、TCL3、およびYES、APC、BRCA1、BRCA2、MADH4、MCC、NF1、NF2、RB1、TP53、WT1、ACPデサチュラーゼもしくはヒドロキシラーゼ、ADP−グルコースピロホリラーゼ、ATPアーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、アミラーゼ、アミログルコシダーゼ、カタラーゼ、セルラーゼ、シクロオキシゲナーゼ、デカルボキシラーゼ、デキストリナーゼ、DNAポリメラーゼもしくはRNAポリメラーゼ、ガラクトシダーゼ、グルカナーゼ、グルコースオキシダーゼ、GTPアーゼ、ヘリカーゼ、ヘミセルラーゼ、インテグラーゼ、インベルターゼ、イソメラーゼ、キナーゼ、ラクターゼ、リパーゼ、リポキシゲナーゼ、リゾチーム、ペクチンエステラーゼ、ペルオキシダーゼ、ホスファターゼ、ホスホリパーゼ、ホスホリラーゼ、ポリガラクツロナーゼ、プロテイナーゼもしくはペプチダーゼ、プラナーゼ、リコンビナーゼ、逆転写酵素、トポイソメラーゼ、キシラナーゼ、k−RAS、β−カテニン、Rsk1、PCNA、p70S6K、サバイビン、mTOR、PTEN、Parp1、またはp21からなる群から選択される遺伝子の標的mRNA配列と実質的に相補的な配列を含む。
【0069】
別の実施形態において、二重鎖RNA分子は、
【0070】
【表5-1】
【0071】
【表5-2】
【0072】
【表5-3】
[表中、A、U、G、およびCはヌクレオチドであり、a、t、g、およびcはデオキシヌクレオチドである。]
からなる群から選択される。
【0073】
本発明は、二本鎖領域を形成するアンチセンス鎖およびセンス鎖を有する第1の二重鎖RNA分子を修飾する方法を提供する。該方法は、該アンチセンス鎖が1〜8ヌクレオチドの3’突出と0〜8ヌクレオチドの5’突出とを有するように、センス鎖の長さを短くするステップと、第2の二重鎖RNA分子を形成するステップとを含み、第1の二重鎖RNA分子の少なくとも1つの特性が改善される。一実施形態において、該特性は、サイズ、効力、効能、発現速度、持続性、合成経費、オフターゲット効果、インターフェロン応答、および送達からなる群から選択される。別の実施形態において、該方法は、該第2の二重鎖RNA分子が形成される条件下で、該アンチセンス鎖と該短くしたセンス鎖とを組み合わせるステップをさらに含む。さらなる実施形態おいて、該第1の二重鎖RNA分子は、siRNAであるか、またはdicer基質siRNAであるか、またはsiRNA前駆体である。
【0074】
本発明は、発現ベクターを提供する。該ベクターは、少なくとも1つの発現制御配列に作動可能に連結された請求項1に記載の二重鎖RNA分子をコードする1つまたは複数の核酸を含む。一実施形態において、該発現ベクターは、第1の発現制御配列に作動可能に連結された、該第1鎖をコードする第1の核酸と、第2の発現制御配列に作動可能に連結された、該第2鎖をコードする第2の核酸とを含む。別の実施形態において、該発現ベクターは、ウイルスの発現ベクター、真核生物の発現ベクターであるか、または細菌の発現ベクターである。
【0075】
本発明はまた、細胞も提供する。一実施形態において、細胞は発現ベクターを含む。別の実施形態において、細胞は二重鎖RNA分子を含む。さらに別の実施形態において、細胞は、哺乳動物細胞、鳥類細胞、または細菌細胞である。
【0076】
本発明の他の特徴および利点は、異なる例を含む、本明細書で提供されるさらなる説明から明らかである。提示される例は、本発明を実施するのに有用な、異なる成分および方法を例示する。該例は、優先権が主張される本発明を制限するものではない。本開示に基づき、当業者は、本発明を実施するのに有用な他の成分および方法を同定し、用いることができる。
本発明の好ましい実施形態では、例えば以下が提供される:
(項目1)
18〜23ヌクレオチドの長さを有する第1鎖と12〜17ヌクレオチドの長さを有する第2鎖とを含み、
前記第2鎖が前記第1鎖と実質的に相補的であり、前記第1鎖と二本鎖領域を形成し、
前記第1鎖が1〜9ヌクレオチドの3’突出と0〜8ヌクレオチドの5’突出とを有し、
真核生物細胞内における選択的な遺伝子サイレンシングを実施することが可能な二重鎖RNA分子。
(項目2)
前記第1鎖が、標的mRNA配列と少なくとも70%相補的な配列を含む、項目1に記載の二重鎖RNA分子。
(項目3)
前記5’突出の少なくとも1つのヌクレオチドが、A、U、およびdTからなる群から選択される、項目1に記載のRNA分子。
(項目4)
前記二本鎖領域のGC含量が30%〜70%である、項目1に記載のRNA分子。
(項目5)
前記第1鎖が19〜23ヌクレオチドの長さを有する、項目1に記載の二重鎖RNA分子。
(項目6)
前記第1鎖が21ヌクレオチドの長さを有する、項目1に記載の二重鎖RNA分子。
(項目7)
前記第2鎖が14〜16ヌクレオチドの長さを有する、項目6に記載の二重鎖RNA分子。
(項目8)
前記第2鎖が15ヌクレオチドの長さを有する、項目6に記載の二重鎖RNA分子。
(項目9)
前記第1鎖が2〜4ヌクレオチドの3’突出を有する、項目8に記載の二重鎖RNA分子。
(項目10)
前記第1鎖が3ヌクレオチドの3’突出を有する、項目8に記載の二重鎖RNA分子。
(項目11)
少なくとも1つの修飾ヌクレオチドまたはその類似体を含有する、項目1に記載の二重鎖RNA分子。
(項目12)
前記少なくとも1つの修飾ヌクレオチドまたはその類似体が、糖修飾リボヌクレオチド、骨格修飾リボヌクレオチド、および/または塩基修飾リボヌクレオチドである、項目11に記載の二重鎖RNA分子。
(項目13)
前記骨格修飾リボヌクレオチドが、別のリボヌクレオチドとのホスホジエステル結合において修飾を有する、項目12に記載の二重鎖RNA分子。
(項目14)
前記ホスホジエステル結合が、少なくとも1つの窒素のヘテロ原子または硫黄のヘテロ原子を含むように修飾される、項目13に記載の二重鎖RNA分子。
(項目15)
前記少なくとも1つの修飾ヌクレオチドまたはその類似体が、非天然塩基または修飾塩基である、項目11に記載の二重鎖RNA分子。
(項目16)
前記少なくとも1つの修飾ヌクレオチドまたはその類似体が、イノシンまたはトリチル化塩基を含む、項目11に記載の二重鎖RNA分子。
(項目17)
前記ヌクレオチド類似体が糖修飾リボヌクレオチドであり、その2’−OH基がH、OR、R、ハロ、SH、SR、NH
2、NHR、NR
2、またはCNから選択される基により置換され、各Rが独立にC1〜C6のアルキル、アルケニル、またはアルキニルであり、ハロがF、Cl、Br、またはIである、項目11に記載の二重鎖RNA分子。
(項目18)
前記ヌクレオチド類似体が、ホスホチオエート基を含有する骨格修飾リボヌクレオチドである、項目11に記載の二重鎖RNA分子。
(項目19)
前記第1鎖が、少なくとも1つのデオキシヌクレオチドを含む、項目11に記載の二重鎖RNA分子。
(項目20)
前記少なくとも1つのデオキシヌクレオチドが、3’突出、5’突出、および二本鎖領域からなる群から選択される1つまたは複数の領域内にある、項目19に記載の二重鎖RNA分子。
(項目21)
前記第2鎖が、少なくとも1つのデオキシヌクレオチドを含む、項目11に記載の二重鎖RNA分子。
(項目22)
前記真核生物細胞が、哺乳動物細胞または鳥類細胞である、項目1に記載のRNA分子。
(項目23)
細胞または生物における遺伝子発現を調節する方法であって、
選択的な遺伝子サイレンシングを行うことができる条件下において、前記細胞または前記生物を項目1に記載の二重鎖RNA分子と接触させるステップと、
前記二本鎖RNAに実質的に対応する配列部分を有する標的遺伝子、核酸に対して前記二重鎖RNA分子により実施される選択的な遺伝子サイレンシングを媒介するステップとを含む方法。
(項目24)
前記接触させるステップが、選択的な遺伝子サイレンシングを行うことができる培養物中または生物内の標的細胞へと前記二重鎖RNA分子を導入するステップを含む、項目23に記載の方法。
(項目25)
前記導入するステップが、トランスフェクション、リポフェクション、エレクトロポレーション、感染、注射、経口投与、吸入、局所投与、または局所(regional)投与からなる群から選択される、項目24に記載の方法。
(項目26)
前記導入するステップが、医薬担体、正電荷担体、リポソーム、タンパク質担体、ポリマー、ナノ粒子、ナノエマルジョン、脂質、およびリポイドからなる群から選択される、薬学的に許容される賦形剤、担体、または希釈剤の使用を含む、項目24に記載の方法。
(項目27)
細胞または生物における遺伝子の機能または有用性を決定するための、項目23に記載の方法の使用。
(項目28)
疾患または望ましくない状態を治療または予防するための、項目23に記載の方法の使用。
(項目29)
前記標的遺伝子が、哺乳動物における疾患、病理学的状態、または望ましくない状態と関連する、項目23に記載の使用。
(項目30)
前記標的遺伝子が病原性微生物の遺伝子である、項目23に記載の使用。
(項目31)
前記標的遺伝子がウイルス遺伝子である、項目23に記載の使用。
(項目32)
前記標的遺伝子が腫瘍関連遺伝子である、項目23に記載の使用。
(項目33)
前記標的遺伝子が、自己免疫疾患、炎症性疾患、変性疾患、感染性疾患、増殖性疾患、代謝性疾患、免疫媒介性障害、アレルギー性疾患、皮膚疾患、悪性疾患、消化管障害、呼吸器障害、心血管障害、腎障害、リウマチ障害、神経障害、内分泌障害、および老化からなる群から選択される疾患と関連する遺伝子である、項目23に記載の使用。
(項目34)
項目1に記載の二重鎖RNA分子を含む試薬。
(項目35)
18〜23ヌクレオチドの長さを有する第1のRNA鎖と12〜17ヌクレオチドの長さを有する第2のRNA鎖とを含み、
前記第2鎖が前記第1鎖と実質的に相補的であり、前記第1鎖と二重鎖RNA分子を形成することが可能であり、
前記二重鎖RNA分子が1〜9ヌクレオチドの3’突出と0〜8ヌクレオチドの5’突出とを有し、
前記二重鎖RNA分子が真核生物細胞内における配列特異的な遺伝子サイレンシングを実施することが可能なキット。
(項目36)
項目1に記載の二重鎖RNA分子を調製する方法であって、
前記第1鎖および前記第2鎖を合成するステップと、
前記二重鎖RNA分子が形成され、これにより、配列特異的な遺伝子サイレンシングを実施することが可能となる条件下で、その合成された鎖を組み合わせるステップと
を含む方法。
(項目37)
前記合成するステップの間、前記合成するステップの後から前記組み合わせるステップの前において、または前記組み合わせるステップの後において、前記二重鎖RNA分子内に少なくとも1種の修飾ヌクレオチドまたはその類似体を導入するステップをさらに含む、項目36に記載の方法。
(項目38)
前記RNA鎖が、化学合成されるか、または生物学的に合成される、項目36に記載の方法。
(項目39)
少なくとも1つの発現制御配列に作動可能に連結された項目1に記載の二重鎖RNA分子をコードする1つまたは複数の核酸を含む発現ベクター。
(項目40)
第1の発現制御配列に作動可能に連結された、前記第1鎖をコードする第1の核酸と、第2の発現制御配列に作動可能に連結された、前記第2鎖をコードする第2の核酸とを含む、項目39に記載の発現ベクター。
(項目41)
項目39に記載の発現ベクターは、ウイルスの発現ベクター、真核生物の発現ベクター、または細菌の発現ベクターである。
(項目42)
項目39に記載のベクターを含む細胞。
(項目43)
項目1に記載の二重鎖RNA分子を含む細胞。
(項目44)
哺乳動物の細胞、鳥類の細胞、または細菌の細胞である、項目43に記載の細胞。
(項目45)
第1鎖および第2鎖を含み、
前記第1鎖が前記第2鎖よりも長く、
前記第2鎖が前記第1鎖と実質的に相補的であり、前記第1鎖と二本鎖領域を形成し、
真核生物細胞内における選択的な遺伝子サイレンシングを実施することが可能である、二重鎖RNA分子。
(項目46)
前記二重鎖RNA分子の2つの末端が、1〜10ヌクレオチドの3’突出、0〜10ヌクレオチドの5’突出、および平滑末端からなる群から独立に選択される、項目45に記載の二重鎖RNA分子。
(項目47)
前記第1鎖が標的mRNA配列と実質的に相補的である、項目45に記載のRNA分子。
(項目48)
前記第1鎖が、1〜8ヌクレオチドの3’突出と1〜8ヌクレオチドの5’突出とを有する、項目45に記載のRNA分子。
(項目49)
前記第1鎖が、1〜10ヌクレオチドの3’突出と平滑末端とを有する、項目45に記載のRNA分子。
(項目50)
前記第1鎖が、1〜10ヌクレオチドの5’突出と平滑末端とを有する、項目45に記載のRNA分子。
(項目51)
前記RNA二重鎖が、1〜8ヌクレオチドの2つの5’突出を有する、項目45に記載のRNA分子。
(項目52)
前記RNA二重鎖が、1〜10ヌクレオチドの2つの3’突出を有する、項目45に記載のRNA分子。
(項目53)
前記第1鎖が12〜100ヌクレオチドの長さを有する、項目45に記載のRNA分子。
(項目54)
前記第1鎖が12〜30ヌクレオチドの長さを有する、項目45に記載のRNA分子。
(項目55)
前記第1鎖が18〜23ヌクレオチドの長さを有する、項目45に記載のRNA分子。
(項目56)
前記第1鎖が19〜25ヌクレオチドの長さを有する、項目45に記載のRNA分子。
(項目57)
前記第1鎖が21ヌクレオチドの長さを有する、項目45に記載のRNA分子。
(項目58)
前記第2鎖が5〜30ヌクレオチドの長さを有する、項目45に記載のRNA分子。
(項目59)
前記第2鎖が12〜22ヌクレオチドの長さを有する、項目45に記載のRNA分子。
(項目60)
前記第2鎖が12〜17ヌクレオチドの長さを有する、項目45に記載のRNA分子。
(項目61)
前記第2鎖が15ヌクレオチドの長さを有する、項目45に記載のRNA分子。
(項目62)
前記二本鎖領域が27bpである場合、前記RNA分子の両末端における突出が独立に3’突出または5’突出であるとの条件つきで、前記第1鎖が12〜30ヌクレオチドの長さを有し、前記第2鎖が10〜29ヌクレオチドの長さを有する、項目45に記載のRNA分子。
(項目63)
前記第1鎖が18〜23ヌクレオチドの長さを有し、前記第2鎖が12〜17ヌクレオチドの長さを有する、項目45に記載のRNA分子。
(項目64)
前記第1鎖が19〜25ヌクレオチドの長さを有し、前記第2鎖が12〜17ヌクレオチドの長さを有する、項目45に記載のRNA分子。
(項目65)
前記第1鎖が
【化4】
であり、
前記第2鎖が最長で17ヌクレオチドの長さを有するか、または前記第1鎖との少なくとも1つのミスマッチを含有するか、または少なくとも1つの修飾を含有するとの条件つきで、
前記第1鎖が19〜25ヌクレオチドの長さを有し、前記第2鎖が18〜24ヌクレオチドの長さを有する、項目45に記載のRNA分子。
(項目66)
前記第1鎖が21ヌクレオチドの長さを有し、前記第2鎖が12〜17ヌクレオチドの長さを有する、項目45に記載のRNA分子。
(項目67)
前記第1鎖が21ヌクレオチドの長さを有し、前記第2鎖が14〜16ヌクレオチドの長さを有する、項目45に記載のRNA分子。
(項目68)
前記第1鎖が前記第2鎖よりも1〜10ヌクレオチド長い、項目45に記載のRNA分子。
(項目69)
前記3’突出が2〜6ヌクレオチドの長さを有する、項目46に記載のRNA分子。
(項目70)
前記5’突出が0〜5ヌクレオチドの長さを有する、項目46に記載のRNA分子。
(項目71)
前記遺伝子サイレンシングが、RNA干渉、翻訳の調節、およびDNAのエピジェネティック調節の1もしくは2つ、または全てを含む、項目45に記載の二重鎖RNA分子。
(項目72)
前記第1鎖および前記第2鎖の少なくとも1つにおいてニックをさらに含む、項目45に記載の二重鎖RNA分子。
(項目73)
前記二本鎖領域が1つまたは複数のヌクレオチドのギャップを含む、項目45に記載の二重鎖RNA分子。
(項目74)
5’突出の少なくとも1つのヌクレオチドが、前記標的mRNA配列と相補的ではない、項目47に記載のRNA分子。
(項目75)
5’突出の少なくとも1つのヌクレオチドが、A、U、およびdTからなる群から選択される、項目45に記載のRNA分子。
(項目76)
ペプチド、抗体、ポリマー、脂質、オリゴヌクレオチド、コレステロール、およびアプタマーからなる群から選択される実体とコンジュゲートしている、項目45に記載の二重鎖RNA分子。
(項目77)
マッチしないかまたはミスマッチする少なくとも1つのヌクレオチドをさらに含む、項目45に記載のRNA分子。
(項目78)
前記二本鎖領域のGC含量が20〜70%である、項目45に記載のRNA分子。
(項目79)
3’突出および/または5’突出が、分解に対して安定化される、項目45に記載のRNA分子。
(項目80)
少なくとも1つの修飾ヌクレオチドまたはその類似体を含有する、項目45に記載の二重鎖RNA分子。
(項目81)
前記少なくとも1つの修飾ヌクレオチドまたはその類似体が、糖修飾リボヌクレオチド、骨格修飾リボヌクレオチド、および/または塩基修飾リボヌクレオチドである、項目80に記載の二重鎖RNA分子。
(項目82)
前記骨格修飾リボヌクレオチドが、別のリボヌクレオチドとのホスホジエステル結合において修飾を有する、項目81に記載の二重鎖RNA分子。
(項目83)
前記ホスホジエステル結合が、少なくとも1つの窒素のヘテロ原子または硫黄のヘテロ原子を含むように修飾される、項目82に記載の二重鎖RNA分子。
(項目84)
前記少なくとも1つの修飾ヌクレオチドまたはその類似体が、非天然塩基または修飾塩基を含む、項目80に記載の二重鎖RNA分子。
(項目85)
前記少なくとも1つの修飾ヌクレオチドまたはその類似体が、イノシンまたはトリチル化塩基を含む、項目80に記載の二重鎖RNA分子。
(項目86)
前記ヌクレオチド類似体が糖修飾リボヌクレオチドであり、その2’−OH基がH、OR、R、ハロ、SH、SR、NH
2、NHR、NR
2、またはCNから選択される基により置換され、各Rが独立にC1〜C6のアルキル、アルケニル、またはアルキニルであり、ハロがF、Cl、Br、またはIである、項目80に記載の二重鎖RNA分子。
(項目87)
前記ヌクレオチド類似体が、ホスホチオエート基を含有する骨格修飾リボヌクレオチドである、項目80に記載の二重鎖RNA分子。
(項目88)
前記第1鎖が少なくとも1つのデオキシヌクレオチドを含む、項目80に記載の二重鎖RNA分子。
(項目89)
前記少なくとも1つのデオキシヌクレオチドが、3’突出、5’突出、および前記第1鎖の5’端に近接する二本鎖領域からなる群から選択される1つまたは複数の領域内にある、項目88に記載の二重鎖RNA分子。
(項目90)
前記第2鎖が少なくとも1つのデオキシヌクレオチドを含む、項目80に記載の二重鎖RNA分子。
(項目91)
前記真核生物細胞が哺乳動物細胞または鳥類細胞である、項目45に記載の二重鎖RNA分子。
(項目92)
前記二重鎖RNA分子が単離二重鎖RNA分子である、項目45に記載の二重鎖RNA分子。
(項目93)
細胞または生物における遺伝子発現を調節する方法であって、
選択的な遺伝子サイレンシングを行うことができる条件下において、前記細胞または前記生物を項目1に記載の二重鎖RNA分子と接触させるステップと、
前記二本鎖RNAに実質的に対応する配列部分を有する標的遺伝子または核酸に対して前記二本鎖RNA分子により実施される選択的な遺伝子サイレンシングを媒介するステップと
を含む方法。
(項目94)
前記接触させるステップが、選択的な遺伝子サイレンシングを行うことができる培養物中または生物内の標的細胞へと前記二重鎖RNA分子を導入するステップを含む、項目93に記載の方法。
(項目95)
前記導入するステップが、トランスフェクション、リポフェクション、エレクトロポレーション、感染、注射、経口投与、吸入、局所投与、および局所(regional)投与からなる群から選択される、項目94に記載の方法。
(項目96)
前記導入するステップが、医薬担体、正電荷担体、リポソーム、タンパク質担体、ポリマー、ナノ粒子、ナノエマルジョン、脂質、およびリポイドからなる群から選択される、薬学的に許容される賦形剤、担体、または希釈剤の使用を含む、項目93に記載の方法。
(項目97)
細胞または生物における遺伝子の発現を調節するための、項目93に記載の方法の使用。
(項目98)
疾患または望ましくない状態を治療または予防するための、項目93に記載の方法の使用。
(項目100)
前記標的遺伝子がヒトの疾患または動物の疾患と関連する遺伝子である、項目93に記載の使用。
(項目101)
前記標的遺伝子が病原性微生物の遺伝子である、項目93に記載の使用。
(項目102)
前記標的遺伝子がウイルス遺伝子である、項目93に記載の使用。
(項目103)
前記標的遺伝子が腫瘍関連遺伝子である、項目93に記載の使用。
(項目104)
前記標的遺伝子が、自己免疫疾患、炎症性疾患、変性疾患、感染性疾患、増殖性疾患、代謝性疾患、免疫媒介性障害、アレルギー性疾患、皮膚疾患、悪性疾患、消化管障害、呼吸器障害、心血管障害、腎障害、リウマチ障害、神経障害、内分泌障害、および老化からなる群から選択される疾患と関連する遺伝子である、項目93に記載の使用。
(項目105)
in vitroまたはin vivoにおける薬剤標的の研究のための、項目93に記載の方法の使用。
(項目106)
項目1に記載の二重鎖RNA分子を含む試薬。
(項目107)
第1のRNA鎖および第2のRNA鎖を含み、
前記第1鎖が前記第2鎖よりも長く、
前記第2鎖が前記第1鎖と実質的に相補的であり、前記第1鎖と二重鎖RNA分子を形成することが可能であり、
前記二重鎖RNA分子が真核生物細胞内における配列特異的な遺伝子サイレンシングを実施することが可能なキット。
(項目108)
項目1に記載の二重鎖RNA分子を調製する方法であって、
前記第1鎖および前記第2鎖を合成するステップと、
前記二重鎖RNA分子が形成され、これにより、配列特異的な遺伝子サイレンシングを実施することが可能となる条件下で、その合成された鎖を組み合わせるステップと
を含む方法。
(項目109)
前記合成するステップの間、前記合成するステップの後から前記組み合わせるステップの前において、または前記組み合わせるステップの後において、前記二重鎖RNA分子内に少なくとも1種の修飾ヌクレオチドまたはその類似体を導入するステップをさらに含む、項目108に記載の方法。
(項目110)
前記RNA鎖が化学的に合成されるか、または生物学的に合成される、項目108に記載の方法。
(項目111)
前記第1鎖および前記第2鎖が、個々にまたは同時に合成される、項目108に記載の方法。
(項目112)
活性作用物質としての、少なくとも1種の項目1に記載の二重鎖RNA分子と、医薬担体、正電荷担体、リポソーム、タンパク質担体、ポリマー、ナノ粒子、コレステロール、脂質、およびリポイドからなる群から選択される1種または複数種の担体とを含む医薬組成物。
(項目113)
有効量の項目112に記載の医薬組成物を、それを必要とする対象に投与するステップを含む治療法。
(項目114)
前記医薬組成物が、静脈内投与、経口投与、皮下投与、筋肉内投与、吸入投与、局所投与、および局所(regional)投与からなる群から選択される経路を介して投与される、項目113に記載の方法。
(項目115)
前記第1鎖が、発生遺伝子、癌遺伝子、腫瘍抑制遺伝子、および酵素遺伝子、ならびに接着分子、サイクリンキナーゼ阻害剤、Wntファミリーメンバー、Paxファミリーメンバー、ウイングドヘリックスファミリーメンバー、Hoxファミリーメンバー、サイトカイン/リンホカインまたはその受容体、成長/分化因子またはその受容体、神経伝達物質またはその受容体、キナーゼ、シグナル伝達物質の遺伝子、ウイルス遺伝子、感染性疾患の遺伝子、ABL1、BCL1、BCL2、BCL6、CBFA2、CBL、CSF1R、ERBA、ERBB、EBRB2、ETS1、ETS1、ETV6、FGR、FOS、FYN、HCR、HRAS、JUN、KRAS、LCK、LYN、MDM2、MLL、MYB、MYC、MYCL1、MYCN、NRAS、PIM1、PML、RET、SRC、TAL1、TCL3、およびYES、APC、BRCA1、BRCA2、MADH4、MCC、NF1、NF2、RB1、TP53、WT1、ACPデサチュラーゼもしくはヒドロキシラーゼ、ADP−グルコースピロホリラーゼ、ATPアーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、アミラーゼ、アミログルコシダーゼ、カタラーゼ、セルラーゼ、シクロオキシゲナーゼ、デカルボキシラーゼ、デキストリナーゼ、DNAポリメラーゼもしくはRNAポリメラーゼ、ガラクトシダーゼ、グルカナーゼ、グルコースオキシダーゼ、GTPアーゼ、ヘリカーゼ、ヘミセルラーゼ、インテグラーゼ、インベルターゼ、イソメラーゼ、キナーゼ、ラクターゼ、リパーゼ、リポキシゲナーゼ、リゾチーム、ペクチンエステラーゼ、ペルオキシダーゼ、ホスファターゼ、ホスホリパーゼ、ホスホリラーゼ、ポリガラクツロナーゼ、プロテイナーゼもしくはペプチダーゼ(peptidease)、プラナーゼ、リコンビナーゼ、逆転写酵素、トポイソメラーゼ、キシラナーゼ、k−RAS、β−カテニン、Rsk1、PCNA、p70S6K、サバイビン、mTOR、PTEN、Parp1、またはp21からなる群から選択される遺伝子の標的mRNA配列と実質的に相補的な配列を含む、項目1に記載の二重鎖RNA分子。
(項目116)
【表6-1】
【表6-2】
【表6-3】
[表中、A、U、G、およびCはヌクレオチドであり、a、t、g、およびcはデオキシヌクレオチドである。]
からなる群から選択される、二重鎖RNA分子。
(項目117)
二本鎖領域を形成するアンチセンス鎖およびセンス鎖を有する第1の二重鎖RNA分子を修飾する方法であって、前記アンチセンス鎖が1〜8ヌクレオチドの3’突出と0〜8ヌクレオチドの5’突出とを有するように、前記センス鎖の長さを短くするステップと、第2の二重鎖RNA分子を形成するステップとを含み、
前記第1の二重鎖RNA分子の少なくとも1つの特性が改善される方法。
(項目118)
前記第2の二重鎖RNA分子が形成される条件下で、前記アンチセンス鎖とその短くしたセンス鎖とを組み合わせるステップをさらに含む、項目117に記載の方法。
(項目119)
前記第1の二重鎖RNA分子がsiRNAであるか、またはdicer基質siRNAであるか、またはsiRNA前駆体である、項目117に記載の方法。
(項目120)
少なくとも1つの発現制御配列に作動可能に連結された項目1に記載の二重鎖RNA分子をコードする1つまたは複数の核酸を含む発現ベクター。
(項目121)
第1の発現制御配列に作動可能に連結された、前記第1鎖をコードする第1の核酸と、第2の発現制御配列に作動可能に連結された、前記第2鎖をコードする第2の核酸とを含む、項目120に記載の発現ベクター。
(項目122)
項目120に記載の発現ベクターは、ウイルスの発現ベクター、真核生物の発現ベクター、または細菌の発現ベクターである。
(項目123)
項目120に記載の発現ベクターを含む細胞。
(項目124)
項目1に記載の二重鎖RNA分子を含む細胞。
(項目125)
項目124に記載の細胞は、哺乳動物の細胞、鳥類の細胞、または細菌の細胞である。