特許第6236520号(P6236520)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6236520
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】能動掃気プレチャンバ
(51)【国際特許分類】
   F02B 19/12 20060101AFI20171113BHJP
   F02B 19/08 20060101ALI20171113BHJP
   F02P 13/00 20060101ALI20171113BHJP
   H01T 13/46 20060101ALI20171113BHJP
   H01T 13/54 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
   F02B19/12 A
   F02B19/08 A
   F02P13/00 301J
   F02P13/00 302B
   H01T13/46
   H01T13/54
【請求項の数】19
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-501675(P2016-501675)
(86)(22)【出願日】2014年3月12日
(65)【公表番号】特表2016-512587(P2016-512587A)
(43)【公表日】2016年4月28日
(86)【国際出願番号】US2014024904
(87)【国際公開番号】WO2014165236
(87)【国際公開日】20141009
【審査請求日】2015年11月16日
(31)【優先権主張番号】61/778,266
(32)【優先日】2013年3月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513159376
【氏名又は名称】プロメテウス アプライド テクノロジーズ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ソティロポロ,マリア,エマニュエラ
(72)【発明者】
【氏名】トッツィ,ルイージ,ピー.
【審査官】 中川 康文
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭55−142931(JP,A)
【文献】 特開2010−096089(JP,A)
【文献】 特開昭50−097710(JP,A)
【文献】 米国特許第01930003(US,A)
【文献】 米国特許第01945870(US,A)
【文献】 米国特許第02153598(US,A)
【文献】 実開昭53−101104(JP,U)
【文献】 特開昭56−069416(JP,A)
【文献】 特開昭58−204921(JP,A)
【文献】 米国特許第04646695(US,A)
【文献】 国際公開第88/006231(WO,A1)
【文献】 特開平03−057882(JP,A)
【文献】 実開平04−089864(JP,U)
【文献】 実開平04−100055(JP,U)
【文献】 特開平04−287826(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0100179(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0211217(US,A1)
【文献】 特開2006−144648(JP,A)
【文献】 特開2009−270541(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0309475(US,A1)
【文献】 国際公開第2010/082409(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0125287(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0055986(US,A1)
【文献】 特表2014−502692(JP,A)
【文献】 米国特許第4128081(US,A)
【文献】 米国特許第7243634(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02B 1/00−23/10
F02P 1/00−3/12
F02P 7/00−17/12
H01T 7/00−23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面及びプレチャンバ容積部を囲む内表面を含むプレチャンバと、
燃料空気混合気を前記プレチャンバ容積部内に導入するための、前記外表面と前記内表面との間を連通する1以上の掃気ポートと、
スパークギャップ電極接合体であって、
前記プレチャンバ容積部内に配置された1次電極と、
前記プレチャンバ容積部内に配置され、前記1次電極からずれて、1以上の電極ギャップを形成する、1以上の接地電極と、を含むスパークギャップ電極接合体と、
前記プレチャンバ容積部の全体のより小さな部分を含む割れ目容積部と、
各々が、主燃焼室と連通する入口、及び、前記割れ目容積部と連通する出口を含み、前記割れ目容積部に燃料リッチガス混合気を直接運ぶ1以上の補助掃気ポートと、を含む受動プレチャンバを備え
前記1以上の補助掃気ポートが、前記受動プレチャンバ内の残留ガスで前記燃料空気混合気の混合を引き起こすように構成される、予燃焼室。
【請求項2】
前記1以上の補助掃気ポートが、約1より大きい長さ対直径比を有する、請求項1に記載の予燃焼室。
【請求項3】
前記1以上の補助掃気ポートが、約3より大きい長さ対直径比を有する、請求項2に記載の予燃焼室。
【請求項4】
前記1以上の補助掃気ポートが、前記プレチャンバの長手軸に平行なポート軸を有する、請求項1に記載の予燃焼室。
【請求項5】
前記1以上の補助掃気ポートのうちの少なくとも1つが、収束入口及び閉塞オリフィスを有する、請求項1に記載の予燃焼室。
【請求項6】
前記1以上の補助掃気ポートの各々が、入口角を規定する入口軸、及び、出口角を含む出口軸を有し、前記入口角が前記出口角と異なる、請求項1に記載の予燃焼室。
【請求項7】
前記1以上の補助掃気ポートの各々の前記出口が、前記スパークギャップ電極接合体に近接している、請求項1に記載の予燃焼室。
【請求項8】
前記1以上の補助掃気ポートの各々の前記出口が、前記割れ目容積部内への流動場に直接影響を与えるのに十分に前記スパークギャップ電極接合体に近接している、請求項に記載の予燃焼室。
【請求項9】
前記1以上の補助掃気ポートの各々の前記出口が、前記1以上の掃気ポートから離れている、請求項1に記載の予燃焼室。
【請求項10】
前記1以上の補助掃気ポートが、前記受動プレチャンバ内の燃焼から実質的に勢いを弱めた火炎ジェットを生成するように構成される、請求項1に記載の予燃焼室。
【請求項11】
前記1以上の補助掃気ポートが前記プレチャンバの周辺に配置される、請求項1に記載の予燃焼室。
【請求項12】
前記プレチャンバが、約1000立方ミリメートルより大きいプレチャンバ容積部を規定し、前記スパークギャップ電極接合体が、約100立方ミリメートルより大きい容積部を有する、請求項1に記載の予燃焼室。
【請求項13】
プレチャンバを設けるステップであって、前記プレチャンバが、
表面及びプレチャンバ容積部を囲む内表面と、
燃料空気混合気を前記プレチャンバ容積部内に導入するための、前記外表面と前記内表面との間を連通する1以上の掃気ポートと、
スパークギャップ電極接合体であって、
前記プレチャンバ容積部内に配置された1次電極と、
前記プレチャンバ容積部内に配置され、前記1次電極からずれて、1以上の電極ギャップを形成する、1以上の接地電極と、を含むスパークギャップ電極接合体と、
各々が、主燃焼室と連通する入口、及び、前記プレチャンバの割れ目容積部と連通する出口を含む1以上の補助掃気ポートを備える、プレチャンバを設けるステップであって、前記割れ目容積部は、前記プレチャンバ容積部の全体のより小さな部分を含む、ステップと、
1以上の燃料空気混合気の補充ストリームを、前記1以上の掃気ポートを通じて前記プレチャンバ容積部に導入するステップと、
1以上の燃料リッチ空気混合気の補充ストリームを、前記1以上の補助掃気ポートを通じて前記割れ目容積部に直接導入するステップと、
前記1以上の電極ギャップのうちの少なくとも1つの間にスパークを導入し、前記燃料空気混合気を点火するステップと、を含み、
前記1以上の補助掃気ポートが、前記プレチャンバ内の残留ガスで前記燃料空気混合気の混合を引き起こすように構成される、能動掃気の方法。
【請求項14】
前記1以上の補助掃気ポートが、約1より大きい長さ対直径比を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記1以上の補助掃気ポートが、約3より大きい長さ対直径比を有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記1以上の補助掃気ポートが、前記プレチャンバの長手軸に平行なポート軸を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記1以上の補助掃気ポートの各々が、入口角を規定する入口軸、及び、出口角を含む出口軸を有し、前記1以上の補助掃気ポートのうちの少なくとも1つに対して、前記入口角が前記出口角と異なる、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記1以上の補助掃気ポートのうちの少なくとも1つの前記出口が、前記割れ目容積部内への流動場に直接影響を与えるのに十分に前記スパークギャップ電極接合体に近接している、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記1以上の補助掃気ポートが、前記プレチャンバ内の燃焼から実質的に勢いを弱めた火炎ジェットを生成するように構成される、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2013年3月12日付けで出願された「能動掃気プレチャンバ」と題する米国特許出願第61/778,266号の優先権を主張し、この米国特許出願は、2012年9月1日付けで出願された「Method and apparatus for achieving high power flame jets while reducing quenching and autoignition in prechamber spark plugs for gas engines」と題する米国特許出願第13/602,148号(‘148号出願)、及び2012年9月1日付けで出願された「Method and apparatus for achieving high power flame jets while reducing quenching and autoignition in prechamber spark plugs for gas engines」と題する国際特許出願PCT/US2012/53568号(‘568号出願)に関連する。これらの両出願は、2011年9月3日付けで出願された「Method and apparatus for achieving high power flame jets while reducing quenching and autoignition in prechamber spark plugs for gas engines」と題する米国特許出願第61/573,290号(‘290号出願)の優先権を主張している。本出願はまた、2011年12月30日付けで出願された「Prechamber Ignition System」と題する国際特許出願第PCT/US2011/002012号(‘012号出願)に関連し、この国際特許出願は、2010年12月31日付けで出願された「High efficiency ricochet effect passive chamber spark plug」と題する米国特許出願第61/460,337号の優先権を主張する。先述の各特許出願の全内容が、本開示と一貫性のある範囲で、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、能動掃気プレチャンバのためのシステム及び方法、より詳細には、プレチャンバの燃焼効率を改善し、エンジン出力を高め、エンジン燃焼による汚染物質の排出を削減する能動掃気プレチャンバに関する。
【背景技術】
【0003】
シリンダボアの直径が200mmより大きい大型ガスエンジンは、通常、燃料が豊富に供給される予燃焼室を使用して、主燃焼室内の希薄空気/燃料混合気を用いて火炎伝播速度を増加させる。燃料を直接導入しない予燃焼装置として定義された内燃機関用受動プレチャンバは、ガスエンジンと共に使用され得る。これらの概念は、それほど大規模でないスパークギャップ電極接合体を用いて、比較的小さい排気量のエンジンにおいて非常に有効であることが分かっているが、排気量がより大きく、出力密度がより高いエンジン、及びより大規模なスパークギャップ電極接合体を用いるエンジンの性能は実質的に改善される必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】特定の実施形態に係る受動予燃焼室を示す。
図2a】特定の実施形態に係る例示的受動予燃焼室を示す。
図2b】特定の実施形態に係る別の例示的受動予燃焼室を示す。
図3】特定の実施形態に係る、大型プレチャンバ容積部を備えたプレチャンバスパークプラグを示す。
図4】特定の実施形態に係る、大型スパークギャップ電極接合体を備えたプレチャンバスパークプラグを示す。
図5】特定の実施形態に係る、大型プレチャンバ容積部及び大型スパークギャップ電極接合体を備えたプレチャンバスパークプラグを示す。
図6】特定の実施形態に係る、補助掃気ポートを含むプレチャンバスパークプラグを示す。
図7】特定の実施形態に係る、大型プレチャンバ容積部、大型スパークギャップ電極接合体及び補助掃気ポートを備えたプレチャンバスパークプラグを示す。
図8】特定の実施形態に係る、収束入口及び閉塞オリフィス領域を備えた補助掃気ポートを含むプレチャンバスパークプラグを示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
例示的な受動プレチャンバ(「PPC」)スパークプラグを図1及び図2に示す。図1に示す受動プレチャンバスパークプラグは、’012出願において説明され、特許請求されている。図1は、予燃焼室(13)を提供するプレチャンバユニットを示す。予燃焼室(13)は、中心電極(18)及び接地電極(21)を少なくとも部分的に囲むように外向きに延在するシェル(23)によって形成されることができる。特定の実施形態に関しては、予燃焼室(13)は、予燃焼室構成要素(26)をシェル(23)の基部に結合することによって形成されることができる。予燃焼室(13)の様々な実施形態は、主燃焼室の内部容積部に向かって配置されたプレチャンバ外表面(28)を有する予燃焼室壁(27)を有することができる。予燃焼室内表面(30)は、シェル(23)の対応する内表面、予燃焼室構成要素(26)、中心絶縁体(17)、又は予燃焼室容積部(29)を囲む他の内表面(個別に、及びまとめて「内表面」(30)と呼ぶ)を含む。
【0006】
予燃焼室(13)の内表面(30)は、シェル(23)の拡張によって、又は、予燃焼室構成要素(26)をシェル(23)の基部に結合することによって、又は、他の方法で形成されたかにかかわらず、予燃焼室(13)の予燃焼室外表面(28)と予燃焼室内表面(30)との間を連通する1以上の吸気−排出ポート(31)(「掃気ポート」とも呼ぶ)をさらに設けることができる。1以上の掃気ポート(31)は、ある量の燃料酸化剤混合物(9)を主燃焼室から予燃焼室(13)内に移送し、火炎ジェット(15)を予燃焼室(13)から主燃焼室内に展開させるように構成されることができる。
【0007】
予燃焼室(13)内でのある量の燃料酸化剤混合物(9)の燃焼は、電極ギャップ(22)の間でスパークを発生させることによって開始されることができる。掃気ポート(31)は、主燃焼室内である量の燃料酸化剤混合物(9)の燃焼が生じる、主燃焼室内の場所へ火炎ジェット(15)を展開させるように構成されることができる。
【0008】
図1に示すように、予燃焼室(13)における火炎成長(39)は流動場(14)を有する。まず、電極ギャップ(22)内の流動場の力(16)は、火炎成長(39)を妨害、阻止又は鈍化(まとめて「消炎」)し得る内表面(30)(例えば、中心絶縁体(17)及びシェル(23))から離れるように電極ギャップ(22)内の火炎核(44)を移動させるのに十分であり得る。火炎成長(39)の消炎を行う予燃焼室(13)の内表面(30)と火炎核(44)との相互作用又は巻込みを減少させることによって、予燃焼室(13)における燃料酸化剤混合物(9)の燃焼率が実質的に増加し得る。火炎核(44)が、予燃焼室(13)内部の燃料濃度のより高いところへ移動することにより、予燃焼室(13)の内部での燃料酸化剤混合物(9)の燃焼率が実質的に増加し、エンジンの主燃焼室内に展開される火炎ジェット(15)の勢いが実質的に強くなる。予燃焼室(13)及び掃気ポート(31)の構造によって、電極ギャップ(22)内、かつ第1電極(18)及び第2電極(21)の周りにさらに延在する逆流領域(43)を発生させるのに十分な流動場の力(16)を有する予燃焼室(13)の内部に、本発明の流動場(14)の実施形態を発生させるのに十分な跳ね返り効果を得ることができる。軸方向吸気ポート(32)は、プレチャンバユニット(2)の中心長手軸(33)と実質的に軸方向に整列させることができる。特定の実施形態に関しては、1以上の側方吸気ポート(34)が、中心長手軸(33)の周りに半径方向に離間して配置することができる。
【0009】
本発明の特定の実施形態では、軸方向吸気ポート(32)及び1以上の側方吸気ポート(34)の両方を設けることができる。しかしながら、本発明はそのように限定されず、本発明の特定の実施形態は、用途に応じて軸方向吸気ポート(32)のみ、又は側方吸気ポート(34)のみを設けてもよい。ある量の燃料酸化剤混合物(9)を主燃焼室内で圧縮すると、ある量の燃料酸化剤混合物(9)の一部が、対応する1以上の補充ストリーム(35)として軸方向吸気ポート(32)及び側方吸気ポート(34)を通過することができる。燃料酸化剤混合物(9)の補充ストリーム(35)は、流動場の力(16)を有する流動場(14)(図1において、矢印の頭が流れ方向を示し、矢印本体の長さが長いほど速度が速いことを示し、これにより、従来の流動場と本発明の流動場とを比較することができる)を予燃焼室容積部(29)の内部に形成することができる。
【0010】
図2aは、‘568出願に説明され、特許請求されるような例示的受動プレチャンバスパークプラグを示す。図2aに示すような特定の実施形態では、予燃焼室(200)は、吸気ポート長さ(220)を有する中心吸気ポート(210)を含んでもよい。特定の実施形態では、中心穴長さは、約1mm〜約13mmであってもよい。特定の実施形態では、中心電極(18)からの予燃焼室天井距離(「L」)(230)は、約5mm〜約85mmであってもよい。特定の実施形態では、予燃焼室内径(「D」)(240)は、約4mm〜約35mmであってもよい。特定の実施形態では、シリンダヘッド点火デッキ(260)から予燃焼室(200)の頂部(270)までの予燃焼室挿入深さ(250)は、約0mm〜約25mmであってもよい。
【0011】
図2bは、‘012出願に説明され、特許請求されるような例示的受動プレチャンバスパークプラグを示す。矢印は、本発明の予燃焼室ユニット(13)の実施形態におけるJギャップ電極の電極ギャップ(22)における本発明の流動場の力(49)の実施形態の方向及び速度を示し、Jギャップ電極の電極ギャップ(22)に対して跳ね返り効果が得られている。図示するように、本発明の流動場の力(49)及び対応する本発明の流動場(14)は、秩序又は均一性が比較的より優れており、燃料酸化剤混合物(9)の流れ方向は、実質的に一方向にあり、速度がより速く、かつ電極ギャップ(22)及び消炎面から外向きの方向であり、又はこれらの組合せであり得る。これにより、火炎核(44)を表面から離れるように迅速に移動させるのに十分な流動場の力(16)があるため、火炎核(44)(図1に示す)の消炎を抑制することができる。
【0012】
予燃焼室(13)及び吸気ポート(31)(34)は、上記のような1以上の態様に関して、Jギャップ形態の第1電極(18)及び第2電極(21)を囲む予燃焼室(13)の内表面(30)上の1以上のポイント位置(36)からの補充ストリーム(35)の跳ね返りを生じさせるように構成されることができる。図示するように、特定の実施形態は、補充ストリーム(35)を第2電極(21)(アース用ストラップとも呼ぶ)に向かって方向付ける軸方向吸気ポート(32)を含むことができる。1以上の側方吸気ポート(34)は、シェル(23)の対向内表面(30)上の対応するポイント位置(36)に向かって補充ストリーム(35)を方向付けるように構成されることができる。シェル(23)は、通常、封止面を引き寄せる嵌合螺旋状ねじ山(25)によってエンジンのシリンダヘッドに封止可能に嵌合するように構成されたシェル外表面(24)を設け、プレチャンバユニット(2)の予燃焼室(13)を、主燃焼室に対して、その内部で燃料酸化剤混合物(9)の点火を行うために、適切な関係で配置してもよい。1以上の側方吸気ポート(34)の構成により、電極ギャップ(22)に向かって跳ね返る1以上のポイント位置(36)に対する入射角(37)及び偏向角(38)が生じ得る。さらに、1以上の側方吸気ポート(34)は、電極ギャップ(22)に向かって方向付けられることができる。跳ね返った補充ストリーム(35)と方向付けられた補充ストリーム(35)との複合効果により、Jギャップ形態の第1電極(18)及び第2電極(21)を囲む、有利な本発明の流動場の力(49)及び本発明の流動場(14)を予燃焼室(13)内に発生させることができる。中心絶縁体(17)(図2bに示すようなノーズ(86)、ノーズの下隅部、ノーズの側面のうちの任意の1以上を含む)などの予燃焼室(13)の内表面(30)に向かって移動し、かつ接近する比較的速い速度の燃料酸化剤混合物(9)は(図1の例に示すように)、点火した時に、本発明の流動場の力(16)と比較すると、対応して、中心絶縁体(17)の消炎面に向かって火炎核(44)を移動させるか、又は、位置付けされ得る。本発明の流動場の力(16)は、予燃焼室(13)の内表面(30)に向かって移動し、かつ接近する速度の遅い燃料酸化剤混合物(9)を有し、これにより、点火した時に、火炎核(44)が中心絶縁体(17)の消炎面から比較的さらに離れるように位置付けられる(図2bの例に示す)。
【0013】
PPCスパークプラグの例示的非限定例が、’148出願、’568出願及び’012出願に開示され、これらは参照によって本明細書に組み込まれる。特定の実施形態では、性能の改良は、図3に示すようなより大型のプレチャンバ容積部で、又は、図4に示すようなより大型のスパークギャップ電極接合体(410)で、又は、図5に示すようなより大型のプレチャンバ容積部とより大型のスパークギャップ電極接合体との組合せで達成することができる。しかしながら、これらの構成では、掃気/排出ポートから離れた領域における掃気が不十分であり得る。この状態は、特定の実施形態による「能動掃気」という新規な概念で著しく改善することができる。
【0014】
特定の実施形態では、能動掃気の概念は、排出ポートに対向し、図6に示すように割れ目容積部(610)として識別される、プレチャンバの領域内に燃料リッチガス混合気を導入するための補助掃気ポート(620)の形成に基づいてもよい。大容積プレチャンバ及び/又は大型スパークギャップ電極接合体を備えたプレチャンバでは、燃料リッチガス混合気が、排出/掃気ポートに隣接する領域内のみで得られ得る。この状態は、他の掃気の少ない領域で終端する補助掃気ポートで改善されてもよい。特定の実施形態では、この領域は、図6の右の概略図に示すような大型スパークギャップ電極接合体(410)、又は、図6の左の概略図に示すような従来の排出/掃気ポートから離れた領域内で寸法の大きいプレチャンバによって、又は、図7に示すような大型スパークギャップ電極接合体と大型プレチャンバ容積部との組合せによって形成されてもよい。
【0015】
特定の実施形態では、補助掃気ポート(620)は、より大きい収束入口ポート、及び、プレチャンバ内での燃焼中に音速が得られる図8に示すような、より小さい閉塞オリフィス領域を有するように構成されてもよい。この構成により、プレチャンバ内での燃焼中に、圧力降下を最小化しながら、割れ目容積部(610)に導入される燃料混合気の流れを増加させるというさらなる利点がもたらされてもよい。特定の実施形態では、1以上の補助掃気ポート(620)は収束入口領域(810)を有してもよい。特定の実施形態では、1以上の補助掃気ポート(620)は閉塞オリフィス領域(820)を有してもよい。
【0016】
特定の実施形態では、より大型のプレチャンバ容積部が、高出力火炎ジェットを生成するのに必要とされ、又は、排気量のより大きいエンジンシリンダが備えられていてもよい。さらに、より大型のスパークギャップ電極接合体が、高出力密度エンジンの耐久性を改善するのに必要とされてもよい。しかしながら、寸法の大きいプレチャンバ、及び/又は、大型スパークギャップ電極接合体を有するプレチャンバを用いると、割れ目容積部(610)の掃気が不十分であることから、過早点火マージンが著しく劣化し、次いで、エンジンの出力定格を制限し得る。特定の実施形態では、割れ目容積部(610)の掃気が不十分であることから、燃料空気混合気分布の流速場が過度に不均一となり、結果的に失火限界が低下し得る。
【0017】
特定の実施形態では、1以上の補助掃気ポート(620)によって、燃料リッチ混合気を割れ目容積部(610)に導入することができ、それによって、残留ガスを冷却し、過早点火の発生を防ぐ。特定の実施形態では、より秩序があり、より強力な流速場が、スパークギャップ電極接合体領域内で得られ得る。この状態により、可燃限界が著しく広がり、プレチャンバの燃焼効率が著しく改善され得る。特定の実施形態では、能動掃気の概念を用いる受動プレチャンバによって、エンジン出力が増加し、エンジン燃焼による汚染物質の排出が削減され得る。
【0018】
特定の実施形態では、予燃焼室は、プレチャンバ容積部を囲む外表面及び内表面を含むプレチャンバと、燃料空気混合気をプレチャンバ容積部内へ導入するための、外表面と内表面との間を連通する1以上の排出ポートと、スパークギャップ電極接合体であって、プレチャンバ容積部内に配置された1次電極、及び、プレチャンバ容積部内に配置され、1次電極からずれて1以上の電極ギャップを形成する、1以上の接地電極を含むスパークギャップ電極接合体と、割れ目容積部(610)と、それぞれが、主燃焼室と連通する入口及び割れ目容積部(610)と連通する出口を含む1以上の補助掃気ポート(620)と、を含む受動プレチャンバを含んでもよい。1以上の補助掃気ポート(620)は、新気燃料空気混合気を受動プレチャンバの割れ目容積部(610)に直接導入するように構成されてもよい。1以上の補助掃気ポート(620)は、約1より大きい長さ対直径比を有してもよい。1以上の補助掃気ポート(620)は、約3より大きい長さ対直径比を有してもよい。1以上の補助掃気ポート(620)は、プレチャンバの長手軸に実質的に平行なポート軸を有してもよい。1以上の補助掃気ポート(620)のうちの少なくとも1つは収束入口を有する。1以上の補助掃気ポート(620)のうちの少なくとも1つの出口は閉塞オリフィスを含んでもよい。1以上の補助掃気ポート(620)は、入口角を規定する入口軸及び出口角を含む出口軸を有してもよく、入口角は出口角と異なっていてもよい。1以上の補助掃気ポート(620)は、受動プレチャンバ内の残留ガスで新気燃料空気混合気の混合を引き起こすように構成されてもよい。1以上の補助掃気ポート(620)は、スパークギャップ電極接合体内に、均一で高速の流れを発生させるように構成されてもよい。1以上の補助掃気ポート(620)それぞれの出口は、スパークギャップ電極接合体に近接していてもよい。1以上の補助掃気ポート(620)のそれぞれの出口は、割れ目容積部(610)への流動場に直接影響を与えるのに十分スパークギャップ電極接合体に近接していてもよい。1以上の補助掃気ポート(620)のそれぞれの出口は、1以上の排出ポートから離れていてもよい。1以上の補助掃気ポート(620)は、受動プレチャンバ内の燃焼から実質的に勢いを弱めた火炎ジェットを発生させるように構成されてもよい。1以上の補助掃気ポート(620)は、プレチャンバの周辺に位置付けされてもよい。プレチャンバは、約1000立方ミリメートルより大きいプレチャンバ容積部を規定してもよい。スパークギャップ電極接合体は、約100立方ミリメートルより大きい容積部を有してもよい。
【0019】
特定の実施形態では、能動掃気の方法は、プレチャンバ容積部を囲む外表面及び内表面、燃料空気混合気をプレチャンバ容積部内へ導入するための、外表面と内表面との間を連通する1以上の排出ポート、スパークギャップ電極接合体であって、プレチャンバ容積部内に配置された1次電極と、プレチャンバ容積部内に配置され、1次電極からずれて1以上の電極ギャップを形成する、1以上の接地電極と、を含むスパークギャップ電極接合体、並びに、それぞれが、主燃焼室と連通する入口及びプレチャンバの割れ目容積部(610)に連通する出口を含む1以上の補助掃気ポート(620)を含むプレチャンバを設けるステップと、1以上の燃料空気補充ストリームを、1以上の穴部を通してプレチャンバ容積部に導入するステップと、1以上の電極ギャップのうちの少なくとも1つの間にスパークを導入し、燃料空気混合気を点火するステップと、を含んでもよい。本方法は、1以上の新気燃料空気補充ストリームを、1以上の補助掃気ポート(620)を通して割れ目容積部(610)に導入するステップをさらに含んでもよい。1以上の補助掃気ポート(620)は、約1より大きい長さ対直径比を有してもよい。1以上の補助掃気ポート(620)は、約3より大きい長さ対直径比を有してもよい。1以上の補助掃気ポート(620)はプレチャンバの長手軸に実質的に平行なポート軸を有してもよい。1以上の補助掃気ポート(620)のうちの少なくとも1つは収束入口を有してもよい。1以上の補助掃気ポート(620)のうちの少なくとも1つの出口は閉塞オリフィスを含んでもよい。1以上の補助掃気ポート(620)は、入口角を規定する入口軸及び出口角を含む出口軸を有してもよく、1以上の補助掃気ポート(620)のうちの少なくとも1つに対して、入口角は出口角と異なる。1以上の補助掃気ポート(620)は、プレチャンバ内の残留ガスで、1以上の新気燃料空気補充ストリームの混合を引き起こすように構成されてもよい。1以上の補助掃気ポート(620)は、スパークギャップ電極接合体内に均一で高速の流れを発生させるように構成されてもよい。1以上の補助掃気ポート(620)のうちの少なくとも1つの出口は、スパークギャップ電極接合体に近接していてもよい。1以上の補助掃気ポート(620)のそれぞれの出口は、割れ目容積部(610)内への流動場に直接影響を与えるのに十分スパークギャップ電極接合体に近接していてもよい。1以上の補助掃気ポート(620)のそれぞれの出口は、1以上の排出ポートから離れていてもよい。1以上の補助掃気ポート(620)は、プレチャンバ内の燃焼から実質的に勢いを弱めた火炎ジェットを発生させるように構成されてもよい。1以上の補助掃気ポート(620)は、プレチャンバの周辺に位置付けされてもよい。プレチャンバは、約1000立方ミリメートルより大きいプレチャンバ容積部を規定してもよい。スパークギャップ電極接合体は、約100立方ミリメートルより大きい容積部を有してもよい。
【0020】
本発明について、その特定の実施形態を参照して説明してきたが、様々な変更がなされ得、添付の特許請求の範囲によって定義されるような本発明の真の趣旨及び範囲から逸脱することなく、均等物が代用され得ることを当業者によって理解されたい。さらに、多くの修正を行い、特定の状況、材料、組成物、方法、1以上の操作を本発明の目的、趣旨及び範囲に適応してもよい。そのような修正形態はすべて、本明細書に添付する特許請求の範囲内に入るものとする。特に、本明細書に開示された方法は、特定の順に行われた特定の操作に関して説明してきたが、これらの操作は組み合わされ、細分化され、順序変更されて、本発明の教示から逸脱することなく均等な方法が形成されてもよいことが理解される。したがって、本明細書において特に指示がない限り、操作の順序及びグループ化は、本発明を限定しない。
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6
図7
図8