特許第6236525号(P6236525)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6236525複数の共圧延ラインを有する鉄鋼プラントおよび対応する製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6236525
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】複数の共圧延ラインを有する鉄鋼プラントおよび対応する製造方法
(51)【国際特許分類】
   B22D 11/12 20060101AFI20171113BHJP
   B22D 11/20 20060101ALI20171113BHJP
   B21B 1/46 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
   B22D11/12 A
   B22D11/20 A
   B21B1/46 A
【請求項の数】9
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-520006(P2016-520006)
(86)(22)【出願日】2014年10月3日
(65)【公表番号】特表2016-531756(P2016-531756A)
(43)【公表日】2016年10月13日
(86)【国際出願番号】IB2014065031
(87)【国際公開番号】WO2015049663
(87)【国際公開日】20150409
【審査請求日】2016年5月31日
(31)【優先権主張番号】UD2013A000128
(32)【優先日】2013年10月4日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】510152666
【氏名又は名称】ダニエリ アンド シー.オフィス メカニケ エスピーエー
【氏名又は名称原語表記】DANIELI&C.OFFICINE MECCANICHE SPA
(74)【代理人】
【識別番号】110002295
【氏名又は名称】特許業務法人森脇特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベネデッティ ジャンピエトロ
(72)【発明者】
【氏名】ボルディノン ジュゼッペ
(72)【発明者】
【氏名】ムリナリス ファブリツィオ
(72)【発明者】
【氏名】ポローニ アルフレッド
【審査官】 川崎 良平
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭55−112105(JP,A)
【文献】 特開昭56−045201(JP,A)
【文献】 特開昭51−107254(JP,A)
【文献】 特表2004−520171(JP,A)
【文献】 特表2007−529319(JP,A)
【文献】 特開平04−284954(JP,A)
【文献】 特表2009−525874(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0018114(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21B 1/46
B22D 11/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺金属製品の生産のための鉄鋼プラントであって、
連続鋳造機(11)および、前記連続鋳造機(11)に接触しその下流に直接連続して配置される圧延機(12)を備え、
前記連続鋳造機(11)は少なくとも2つの鋳造ライン(11a、11b)を備え、そして、前記圧延機(12)は、独立した少なくとも2つの圧延ライン(12a、12b)を備え、
前記各鋳造ライン(11a、11b)は、
それぞれの作業方向(F、Fa、Fb)に沿って隣接して配置される少なくとも2つの共圧延ライン(100a、100b)全体を定めるそれぞれの前記圧延ライン(12a、12b)と位置を合わせられ、
前記プラントは、溶融金属を供給するための1つの供給装置(14)を備え、
前記少なくとも2つの鋳造ライン(11a、11b)は、前記1つの供給装置(14)から溶融金属を受け取るように構成され、
前記少なくとも2つの鋳造ライン(11a,11b)の各々の抽出器(16)と、
前記供給装置(14)から前記少なくとも2つの鋳造ライン(11a、11b)の各々に対応する晶析装置(29a、29b)まで、溶融金属の流れを調整する調整装置(32、132)とに、少なくとも結合する中央管理装置(36)を少なくとも備え、
前記中央管理装置(36)は、前記少なくとも2つの鋳造ライン(11a、11b)のうちの少なくとも1つの鋳造ラインの鋳造速度を、他の鋳造ラインの鋳造速度と異ならしめるように、少なくとも前記各抽出器(16)および前記各調整装置(32、132)をそれぞれに独立して制御するように構成されることを特徴とする鉄鋼プラント。
【請求項2】
前記鋳造機(11)から前記圧延機(12)までの、半製品の鋳造品のための搬送路(19)を備え、
前記鋳造ライン(11a、11b)の各々に対応する前記圧延ライン(12a、12b)に接続するよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載の鉄鋼プラント。
【請求項3】
前記1つの供給装置(14)が、前記少なくとも2つの鋳造ライン(11a、11b)の間の、第1の軸間の直線(I1)の距離だけ各々離された対応する供給口(27a、27b)を介して、前記少なくとも2つの鋳造ライン(11a、11b)に材料を供給するように構成されることを特徴とする、請求項1または2に記載の鉄鋼プラント。
【請求項4】
前記少なくとも2つの共圧延ライン(100a、100b)が、共通の作業方向(F)に互いに平行であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の鉄鋼プラント。
【請求項5】
前記少なくとも2つの共圧延ライン(100a、100b)が、前記少なくとも2つの鋳造ライン(11a、11b)の近くの、少なくとも共通の中央の軸に平行な平面上で各々末広がりであることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の鉄鋼プラント。
【請求項6】
前記少なくとも2つの共圧延ライン(100a、100b)が、相互に傾けられて、前記供給装置(14)から始まり、末広がりの作業方向(Fa、Fb)に向けられることを特徴とする、請求項5に記載の鉄鋼プラント。
【請求項7】
前記少なくとも2つの共圧延ライン(100a、100b)が、前記圧延機(12)の
終端域に対応して、前記少なくとも2つの鋳造ライン(11a、11b)における、材料が供給される箇所での離間する距離より大きい、第2の軸間の直線(I2)に等しい距離だけ、各々離されていることを特徴とする、請求項5または6に記載の鉄鋼プラント。
【請求項8】
前記第2の軸間の直線(I2)の長さが、前記少なくとも2つの鋳造ライン(11a、11b)における、材料が供給される箇所での離間する距離より、少なくとも100%大きいことを特徴とする、請求項7に記載の鉄鋼プラント。
【請求項9】
長尺金属製品の生産のための方法であって、
連続鋳造および、連続鋳造の下流に圧延を備え、
1つの供給装置(14)からそれぞれの作業方向(F、Fa、Fb)に沿って、隣接して配置される少なくとも2つの共圧延ライン(100a、100b)へ溶融金属を出力することと、
前記共圧延ライン(100a、100b)の少なくとも2つの隣接する鋳造ライン(11a、11b)に沿って、前記1つの供給装置(14)から受け取る溶融金属を鋳造することと、
前記共圧延ライン(100a、100b)の前記少なくとも2つの隣接する圧延ライン(12a、12b)に沿って、前記少なくとも2つの鋳造ライン(11a、11b)から受け取る鋳物を圧延することと、
少なくとも一つの他の前記鋳造ライン(11a、11b)に対してそれぞれ独立して、前記少なくとも2つの鋳造ライン(11a、11b)のうちの少なくとも1つの鋳造ラインの鋳造速度を、他の鋳造ラインの鋳造速度と異ならしめるために、
中央管理装置(36)を介して、
少なくとも、前記少なくとも2つの鋳造ライン(11a、11b)の各々の抽出器(16)と、そして、
前記供給装置(14)から前記2つの鋳造ライン(11a、11b)の各々の対応する晶析装置(29a、29b)への溶融金属の流れの調整装置(32、132)との機能を、それぞれに独立して制御することとを提供することを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば機械工学または土木工学で使用可能なバー、鉄筋コンクリート用の丸鋼、ワイヤロッド、ビーム、または異形材の、長尺な金属製品を製造するための、鉄鋼プラントおよび対応する方法に関する。
【0002】
特に本発明は、「エンドレス」および「半エンドレス」と定義されるプロセスによる、半製品の連続鋳造品の直送圧延のための、複合鋳造圧延プラントに関する。
【背景技術】
【0003】
金属(例えば鋼)を連続鋳造することにより獲得される長尺な半製品を圧延することにより、横断面より大きい縦のサイズを有する長尺な金属製品が、通常製造されるのは公知である。
【0004】
通常完成品は、正方形、矩形、または丸い断面で、ビレットまたはブルームを変形させ得られる、バー、鉄筋コンクリートのための丸鋼、ロッド、ビーム、またはその他の異形材である。
【0005】
鉄鋼プラントの作業方向の下流で、圧延機を連続鋳造機に連結する、長尺製品の生産のための鉄鋼プラントは公知である。
【0006】
これらの既知のプラントにおいて、圧延ラインは連続鋳造ラインの下流に位置する。そして、例えば並べられ、連続鋳造ラインに直接連結することが可能であり、共圧延ラインを定める。
そのため、中間装置、搬送装置、シャトル、移送面、移動式のフリーローラウエイ、または鋳物を能動的に移送する他のもの(例えば作業方向に対し横断方向に対象物を移動させるもの)を提供しない。
【0007】
これらの既知のプラントは、連続して(「エンドレス」としても知られる)製造プロセスを行うことができる。そこでは単一の半製品の連続鋳造品が、溶鋼が凝固するゾーンから、圧延機に入るゾーンまで延びている。
【0008】
単一の半製品が連続鋳造ラインの下流の圧延ラインに沿って次第に圧延される。そして、圧延列のすべてのスタンドに亘る入口の数を減少させ、従ってコブルの発生確率を減少させ、結果として高い生産性を可能にする。
【0009】
既知の複合プラントもまた、圧延機の最初の部分における必要な圧縮力を減少させ、そして、半製品の鋳造品の高い温度を利用し、切断(クロッピング)の量を減らす。そして、歩留まりが高くなるおかげで運転コストを抑えることができる。
【0010】
さらにまた、共圧延ラインを備えるプラントは、半エンドレス製造プロセスを行うこともでき、圧延機は1つだけの連続な半製品の代わりに、せん断ユニットにより切断される、連続した別々の半製品である材料を連続鋳造から受け取る。
【0011】
鋳造機が開始および停止の段階で、例えば先頭と末尾の切断を行うために、または、例えば保守介入またはプラントの装備のため、もしくはコブルまたは他の問題や何らかの不便があり圧延機が停止するときに、せん断ユニットを用いる。
【0012】
圧延機が圧延する材料を受けることができないような状況において、半製品の鋳造品が上記のせん断ユニットを用いて生産される。その鋳造品は所定の長さを有し、そして、一旦その鋳造品が作業に戻されると、圧延機でその後処理されるよう貯蔵所に送られる。
【0013】
2つの鋳造ラインが鋳造機の下流の圧延ラインに材料を供給し、そして、半エンドレスプロセスで作動するプラントもまた公知である。
【0014】
競争力のある製品を生産するためには、鉄鋼プラントの生産性を高め、また、歩留まりを向上させ生産コストを下げるために、廃物およびエネルギー消費量を抑える必要性が高いと考えられる。
【0015】
既知の複合連続鋳造圧延プラントはこの要件を満たすことができず、予定されたまたは偶発的な圧延機の停止による影響が大きく、既知の複合連続鋳造圧延プラントはこの点において制限される。
【0016】
上記のこの制限は、単一の共圧延ラインを有する鉄鋼プラントの場合、特に重要であり、そこでは、圧延のどんな遅れや問題によっても、上流の連続鋳造機の、そして、最終的には各鉄鋼プラントによる製鉄所全体に遅れを生じさせたり停止させる可能性がある。
【0017】
さらにまた、モノラインの鉄鋼プラントが、毎時間の生産性を上昇させる必要がある場合、鋳造速度を上げるだけで生産性を上昇させることができる。
しかしながら、実際のところあまりにも速度が速いと、半製品の鋳造品の鋳造を不利に、更には不可能にし、そしてその質をも危うくし、結果として圧延プロセスへ悪影響を及ぼし、従って完成品の品質にも悪影響を及ぼすため、鋳造速度の上昇には、各連続鋳造機と各種製品により確定される技術的制限がある。
【0018】
米国特許出願公開第2004/079512号、特開昭56−45201公報および特開昭55-112105公報には、複数ラインの連続鋳造プラントについての記載がある。
【0019】
米国特許出願公開第2004/079512号では、ダブル取鍋回転可能装置に連結するタンディシュが材料を供給する双ロールを有するそれぞれの鋳造装置が、互いに例えば90度の角度で配置される2つの圧延ラインに材料を供給するという、解決策を提供する。
【0020】
特開昭56−45201公報および特開昭55-112105公報には、1つの中間圧延および仕上げ列に合流する、二重の鋳造および粗加工ラインを備えるという解決策が記載されている。そして、粗圧延スタンドと中間および仕上げ圧延スタンド間のループを制御するためのシステムを設ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/079512号
【特許文献2】特開昭56−45201公報
【特許文献3】特開昭55-112105公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明の1つの目的は、高い生産性を保証し、かつ、占有する空間を最低限にする長尺金属製品の生産のための、複合連続鋳造圧延プラントおよび対応する方法を得ることである。
【0023】
本発明の別の目的は、最大限に上流の鉄鋼プラントのサイクルを利用することであり、下流に位置する鋳造機に材料を供給するのに必要な動作の数を最低限にする。
【0024】
本発明の別の目的は、プラントおよび対応する方法の歩留まりを最大にすることであり、加工プロセスの間、材料の廃棄を最低限にする。
【0025】
本発明の別の目的は、プラントのランニングコストおよびエネルギー消費量を抑えるために、特に半製品の連続鋳造品で、最初の溶鋼が含有するエンタルピーを最大まで利用することである。
【0026】
さらにまた、本発明の別の目的は、例えば複数の異なる機能条件または製造される製品のタイプに適応した複数の生産段階が実行できるように、柔軟な長尺金属製品の生産のための鉄鋼プラントおよび製造の対応する方法を得ることである。
【0027】
従来技術の欠点を克服して、これらとその他の目的および利点を得るために、出願人は、本発明を考案してテストして実施した。
【課題を解決するための手段】
【0028】
本発明は独立クレームにおいて記載され特徴づけられる。その一方で、従属クレームでは、本発明の他の特性または主発明概念に対する変形例が記載される。
【0029】
上記の目的に従い、従来技術の限界を克服し、存在する欠陥を除去する本発明の鉄鋼プラントは、連続鋳造機と、連続鋳造機の下流に位置し、隣接して直接そこに連続して配置される圧延機とを備える。
【0030】
本発明の特徴的な特性によれば、連続鋳造機は少なくとも2つの鋳造ラインを備えており、そして、圧延機は少なくとも2つの圧延ラインを備えている。各鋳造ラインはそれぞれの圧延ラインに整列され、それぞれの作業方向に沿って隣接して配置する少なくとも2つの共圧延ラインを全体的に定める。
鉄鋼プラントはまた、溶融金属を供給するための装置を1つだけ含み、そして、少なくとも2つの鋳造ラインはそこから溶融金属を受け取るよう構成される。
【0031】
このようにして、半製品の鋳造品に直送圧延を行うことにより、長尺金属製品を、連続して、2つの独立した共圧延ラインへと続けて生産することができるという利点が得られる。各々は、連続鋳造専用の第1の部分、そして圧延専用の第2の部分両方を有する。
さらにまた本発明によれば、1つの供給装置の存在を前提として、少なくとも前記第1の部分において、少なくとも2つの共圧延ラインは有利には互いに近くある。
【0032】
従って、両方の共圧延ラインが同時に作動中であるときに、例えば150t/hの範囲であっても、高い生産性を得ることができる。
【0033】
本発明のいくつかの特徴によれば、共圧延ラインは、鋳造機から圧延機まで全長に亘って各々平行でありえる。
【0034】
本発明の他の特徴によれば、共圧延ラインは例えば末広がりで、共通の中央の軸に対して相互に傾けられることができる。
本発明によれば、この傾き(例えば末広がり)は、共圧延ラインの一部分にのみ作用することができる。
【0035】
本発明のいくつかの実施例で、共圧延ラインは、前記供給装置に対応して、鋳造ラインの間で第1の軸間が定める距離だけ、互いに遠ざけられる。
【0036】
本発明のいくつかの特徴によれば、共圧延ラインは、圧延機の末端部に対応して、第2の軸間(第1の軸間より大きい)が定める距離だけ、互いに遠ざけられる。
【0037】
本発明によると第二の軸間は、第1の軸間の長さの少なくとも100%を超え、最高300%を超える長さを有する。
【0038】
このようにして、鉄鋼プラントの全幅を収容可能であるという利点が得られる。そして、鋳造圧延装置の位置決めおよび移動の両方を必要とする共圧延ラインの間の軸間を最低限にする。
【0039】
本発明のいくつかの特徴によれば、鉄鋼プラントは少なくとも中央管理装置を含む。そしてその中央管理装置は、少なくとも2つの鋳造ラインの各々の抽出器と、供給装置から各鋳造ラインの対応する晶析装置まで溶融金属の流れを制御する装置とに、少なくとも結合する。
【0040】
中央管理装置は、少なくとも一つの他の鋳造ラインに対してそれぞれに独立して、選択的に各鋳造ラインの鋳造速度を変化させるために、それぞれに独立して少なくとも各抽出器および各調整装置を制御するように構成される。
【0041】
従って、本発明による鉄鋼プラントにおいて大きな柔軟性という利点が得られ、それは、鋳造ラインの独立した管理を許容し、従い、1つのラインおよびもう一方から異なる製品を獲得し、プラントの要件に応じて2つの共圧延ラインの生産性を調整するのを可能にする。
従って、生産要件のいかなる条件においても、常に最高品質の完成品が得られるように、最適な鋳造速度、そしてその結果として圧延速度を保つことができる。
【0042】
それぞれに管理された2つの共圧延ラインがあるので、1つの鋳造ラインまたは1つの圧延ラインを装備することができ、一方で、他の鋳造ラインや圧延ラインの運転を続行することができる。
さらにまた、2つの共圧延ラインのうちの1つの強制停止は、全ての鉄鋼プラントの生産を停止させることなく(モノラインの場合起こる)、個々に実施することができる。
特に、2つの共圧延ラインのうちの1つの圧延機が保守のため、またはコブルにより停止される場合、プラントは2つの別々の方法で機能することができる。
a)機能しているラインが正常に稼働を続ける一方で、停止した圧延機を有するもう一方は鋳造を続ける。そして、それぞれの圧延機に送られる代わりに、所望の長さに切断され、鋳造機の下流側方に排出されるビレットを生じる。このようにして、上流の鉄鋼プラントのサイクルは、不変のままである。
b)上流の鉄鋼プラントの生産は半分となり、そして、機能しているラインにだけ材料が供給される。
【0043】
本発明はまた、連続鋳造および、連続鋳造の下流の圧延を備える、長尺金属製品の生産のための方法に関する。
そして、単一の供給装置からそれぞれの作業方向の少なくとも2つの隣接する共圧延ラインまで溶融金属を供給することと、
少なくとも2つの隣接する鋳造ラインに沿って溶融金属を鋳造することと、
連続した、共圧延ラインの少なくとも2つの隣接する圧延ラインに沿った、2つの鋳造ラインから受け取る鋳物を圧延することとを提供する。
【0044】
本発明のこれら及び他の特徴は、いくつかの実施例の以下の説明より明らかになる。そして、添付の図面を参照して非限定的な実施例として与えられる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
図1】本発明による鉄鋼プラントにおけるいくつかの実施例の概略平面図である。
図2図1のプラントの一部における、正面の略図(一部断面)である。
図3図1の変形例である。
図4図3の変形例である
【0046】
以下の説明では異なる実施例であっても、同じ参照番号が、本発明による鉄鋼プラントの同じ部分を示す。1つの実施例の要素および特性が、更なる説明なしに他の実施例にも適宜組み込まれることができるものと理解される。
【発明を実施するための形態】
【0047】
我々は、本発明のさまざまな実施例を詳細に参照し、その内1つ以上の実施例が添付の図面に示される。各実施例は、本発明の例証として提供され、限定するものと理解すべきではない。例えば、各実施例が1つの実施例の一部である限りは、示されるかまたは記載される特性は、もう一つの実施例を生じる他の実施例に、または、それに関連して採用されることができる。本発明がこの種のすべての変更および変形例を含むものと理解される。
【0048】
添付の図面を参照して、本発明による長尺金属製品の生産のための複数の共圧延ラインを有する鉄鋼プラントは、その全体が参照番号10により示される。
【0049】
本発明によると、語句「共圧延ライン」は、下流のそれぞれの圧延ラインまたは、少なくとも圧延ラインの始まりの部分に対し、鋳造ラインが位置合わせされること(すなわち軸上に)を意味する。
したがって、中間装置、搬送装置、シャトル、移送面、移動式のフリーローラウエイ、または鋳造品を能動的に移動させる他のもの(例えば作業方向に対し横断方向で対象物を移動させるもの)がない。
【0050】
本発明によれば鉄鋼プラントは、さらに、半製品の鋳造片の金属(例えば溶鋼)を凝固させ、前記半製品から始まる長尺金属製品を生じるように構成される。
【0051】
半製品は、バー、丸鋼、ロッド、異形材を生産するために通常使用される、円形、矩形状角、または、多角形断面であるブルームまたはビレットであり得るか、または、それらは、ビームの生産のための実質的にH形の断面を有するビームブランク、または異形材であることもできる。
【0052】
我々は以下、明細書あるいは請求項で、前述の半製品の連続鋳造品のいずれも識別する「ビレット」という語を使用する。
【0053】
いくつかの実施例において、鉄鋼プラント10は最高速度で作動する区分では、毎時間約150t/hで圧延製品の生産性を達成することができ、そして、1〜1.5Mtの年間生産性を超えることさえできる。
【0054】
本発明による鉄鋼プラント10は、連続鋳造機11と、連続鋳造機11の下流に配置する圧延装置または圧延機12とを含む。
【0055】
連続鋳造機11および圧延機12は、接触しており、作業方向または流れの向きで互いに連続して位置する。
【0056】
本発明によれば、鉄鋼プラント10の共圧延ラインにおいてなされる鋳造および圧延プロセスの間、語句「作業方向F」によって、材料の流れの方向および向きが識別される。
【0057】
図1を使用して記載される実施例で、各共圧延ラインの作業方向は、例えば、軸Fで示される。
【0058】
図3および4を参照して記載される、実施例の他の例示形態では、図3および4に軸FaおよびFbにより示される、例えば相互に傾けられた、異なる運転方向があってもよい。
【0059】
いくつかの実施例おいて、連続鋳造機11および圧延機12も同じ運転方向Fを共有する。その結果、半製品の鋳造品をそれぞれの圧延機12から直接受け取ることができる。
このようにして、溶鋼の鋳造から長尺金属製品の獲得まで、連続した(またはエンドレス)の共圧延プロセスを達成することが可能である。
エンドレスプロセスにおいて、語句「半製品の鋳造品」は単一のビレットを意味する。そして、連続鋳造機11の晶析装置の出口から圧延機12の入口まで亘る長さを有する。
【0060】
鉄鋼プラント10はまた、半エンドレス共圧延プロセス、またはビレットごとの処理(完全には連続しておらず、半製品の鋳造品を圧延機12に供給する)を遂行するのにも適している。
半エンドレスプロセスで、所望の長さ(例えば12m〜80m間)の断片のビレットを圧延機12に供給する。
【0061】
ここに記載される実施例すべてと組み合わせ可能な、いくつかの実施例において、鉄鋼プラント10はまた、鋳造機11を圧延機12に結合する1つ以上の搬送方法19を含む。
【0062】
連続鋳造機11が、互いに独立し依存しない、例えば第1の鋳造ライン11aおよび第2の鋳造ライン11bといった、少なくとも2つの鋳造ラインを備える、鉄鋼プラント10の実施例を説明するために添付の図面を用いる。
【0063】
鉄鋼プラント10が占める空間を収容するためには、2つの鋳造ライン11aおよび11bの上流で、少なくとも連続鋳造機11が作用するゾーンにおいて、共通の溶融金属を鋳造ライン11aおよび11b両方に供給するために、記載される鉄鋼プラント10の共圧延ライン100aおよび100bの2つが使用する、単一の供給装置(例えば1つのタンディシュ14)を設けることができる。
単一の共通のタンディシュ14から、第1の鋳造ライン11a及び第2の鋳造ライン11b両方が出発する。
【0064】
溶鋼は例えば連続して、取鍋(レードル)15からタンディシュ14へと鋳造されることができる。そして、通常は、製鋼所全体の運転時間、また結果として鉄鋼プラント10の運転時間を実質的に決定づける溶融炉のサイクルタイムまたはタップツータップ(tap−to−tap)時間でそれぞれ続く。
【0065】
本発明によれば、語句「プラントの軸X」は、2つの共圧延ラインの、そこにある平面を分割する共通のタンディシュの中心を通過する軸を意味する。
【0066】
考えられる実施例では、2つの鋳造ライン11aおよび11bは、各々に対して平行配置で、そして例えばプラント軸Xと平行する配置も可能であり、すなわち、例えば図1を用いて記載される例のように、各々平行である軸Fで示されるそれぞれの運転方向を有する。
【0067】
他の考えられる実施例では、2つの鋳造ライン11aおよび12bは、わずかに傾いた配置が可能であり(傾いた軸FaおよびFbで示されるそれぞれの運転方向で)、明細書にて更に詳細に後述するように、例えばプラント軸Xで定義される理論的な中間の軸に対して、具体的にはそれぞれ末広がりである。(例えば図3および4を参照)
【0068】
いくつかの実施例において、例えば2つの鋳造ライン11aおよび11bのケースで、2つの鋳造ラインの各々(第1の11aおよび第2の11b)は、連続かつ同時に凝固ビレットをインゴットケースから抽出するように構成する抽出器16を含むこともできる。
【0069】
軸F(例えば図1)、FaおよびFb(例えば図3および4)が示す作業方向に進み、鋳造機11のビレットは、例えば水または気水により、通常、強制冷却によって次第に凝固する。
【0070】
鋳造機11は、例えば鋳造ライン11aおよび11bごとに、せん断ユニット17を含むことができる。そして、そのせん断ユニット17は、例えば圧延機12のコブルのような、非常事態が発生した場合には、圧延プロセスを中断する必要があるので、例えば半エンドレス製造プロセスまたは、例えばエンドレス製造プロセスで介入するように構成される。
【0071】
メカニカル式の例えばシェアーであるか、または、熱化学の例えば酸素アセチレン・ブローランプを備える酸素アセチレンシステムでありうるせん断ユニット17は、ビレットを切断するように構成される。そして、格納とその後の圧延に適した、予め定められた長さ(例えば12〜16メートルであるが、最高80メートルまで)を有するビレットを獲得する。
【0072】
各せん断ユニット17は、抽出器16およびせん断ユニット17を繋げる、対応する中間の搬送方法(例えばフリーローラウエイ18)の最後に配置される。
【0073】
実施例のいくつかの例示形態では、プラント軸Xに沿って、各鋳造ライン11aおよび11bに、対応する圧延ライン12a、12bがそれぞれ並べられる。
このようにして、第1の鋳造ライン11aおよび第1の圧延ライン12aは第1の共圧延ライン100aを定め、その一方で、第2の鋳造ライン11bおよび第2の圧延ライン12aは第2の共圧延ライン100bを定める。
従って、通常の加工条件下で、直接かつ連続した圧延機12がビレットを圧延することができる。
エンドレスプロセスにおいて、鉄鋼プラントは、各共圧延ライン100aおよび100bのための例えば単一のビレットを処理することができ、そして、その単一のビレットは、連続鋳造機11の最初の部分から少なくとも圧延機12の中間部分まで延びることができる。
【0074】
図1、3および4を用いて記載される実施例の例示形態を参照して、各共圧延ライン100aおよび100bのために、例えばロールを有し、連続鋳造機11を圧延機12に結合するように構成され、一部は連続鋳造機11に含まれ、そしてまた一部は圧延機12に含まれる搬送路19を備えることができる。
【0075】
例えば搬送路19は、中間の搬送路18と、圧延機12の粗列22の間に配置されることができ、そこで、ビレットの第1の変形が行われる。すなわち、通常は最も大きな動力を必要とするものである。
更に詳細には後述するように、通常は仕上げの上流で、粗列22は圧延機12の予備作業ゾーンを定めることができる。
【0076】
搬送路19は、圧延機12内部で供給部20として機能する末端部を含むことができる。
【0077】
例えば鉄鋼プラント10がエンドレスプロセスで正常に機能している場合、連続鋳造機11の中間の搬送路18から到着するビレットは、搬送路19に沿って引き出され、前記供給部20に対応して存在する急速加熱装置(例えば1つ以上の誘導電気炉21)を介して移動することができる。
【0078】
これに反して、圧延機12が連続鋳造機11から材料を受けることができないときに、例えば予定された圧延機12の保守を実行するための圧延の停止や、生成される断面を変更する準備をする場合、または、例えばコブルまたは故障といった偶発的な出来事が再び起こった場合に、せん断ユニット17は起動され、あらかじめ定義した長さの断片のビレットを生産するために介入することができる。
【0079】
例えば、半エンドレスまたは不連続で機能する場合、誘導電気炉21は、断片のビレットを受け取る。
【0080】
いずれの場合も、粗列22の上流に通常位置する誘導電気炉21は、例えば圧延のスタート温度(通常1050℃〜1200℃間)までビレットを加熱するように構成することができる。
【0081】
いくつかの実施例において、圧延機12は粗列22の下流に、次に続く変形の経路の粗列22から出てくる製品を成形するように構成する中間の圧延列23を有する。そこでは、圧延製品の最終的な断面と鋳造ビレットの最初の断面の中間の断面積を有する製品を獲得できるようにする。
【0082】
圧延機12は、中間の列23の下流に、最終の圧延列24を有し、そこでは、最終的な圧延製品を仕上げて獲得するための1つ以上の圧延作業を行うよう構成する。
【0083】
圧延機12は、仕上げの列24の下流に、圧延製品の移動、収集および貯蔵の装置を有することもできる。
【0084】
出願人は、エンドレスプロセスにより、鉄鋼プラント10が、廃棄物を最小限にして、結果として98%以上、さらに99%以上の歩留まり(完成した金属製品の重量と、最初の溶鋼の量比率)を獲得できることを証明する実験を行った。
【0085】
例えば、製鋼所が1Mt/年の完成した金属製品を生産しなければならない場合(すなわち圧延機12から)、前記歩留まりおよび予定された停止を考慮し、そして約6700の純生産時間の通常の一年のサイクルを考えると、鉄鋼プラント10により保証されなければならない見込まれる1時間当たりの生産性は、約150t/hであり得る。
【0086】
従来は、単一の共圧延ラインでは、こういった生産性を獲得することはできない。
なぜなら、複数のサイズの製品のために、長尺金属製品の製造に通常使用するには、ビレットを10m/minより早い速度で鋳造しなければならない。例えば一辺165mmの断面を有するビレットのためには12m/minである。
これにより、インゴットケースの第一表皮の凝固を得ることが不可能となり、よって、製品を鋳造することができない。
また、内部の微細構造および、従って、ビレット自体の品質、および最終生成物の品質を制御し管理することは不可能である。
【0087】
高い年間生産性を獲得することが必要である構成において、現在の鉄鋼プラント10は少なくとも上記2つの共圧延ライン100aおよび100bを有する。
【0088】
図2は、2つの鋳造ライン11aおよび11bに材料を順に供給するよう構成された、単一のタンディシュ14に溶融金属である内容物を注入するよう構成された取鍋15を有する連続鋳造機11の、最初の部分のあり得る実施形態を、模式的に説明するために用いる。
【0089】
いくつかの実施例において、典型的には取鍋15の底部に配置されたレードルボックス25を設けることができ、そして、取鍋15から一般のタンディシュ14まで鋼を通過させるよう構成される。
レードルボックス25は、取鍋15の底部に配置でき、そして、個々の鋳造物の開始時に開けられ、取鍋15が空であるときや、または場合によっては非常事態の場合にも閉じられる。
【0090】
考えられる実施形態では、レードルボックス25は、取鍋15の下でタンディシュ14のための鋼の流れを調整するように構成されることもできる。
【0091】
いくつかの実施例において、例えば排出装置26(レードルボックス25の下に配置され連結している)といった、流れを守るための要素を設けることができる。
例えば、タンディシュ14の方へ溶融金属を流れさせる流路を定めるために、排出装置26は縦方向に穴があけられている。
【0092】
例えば、排出装置26は、2つの末端部(横長の形状)に、入口と出口を有するパイプ(実質的に形状は管状)として構成されることができ、そして、レードルボックス25の底部からタンディシュ14の方へ延びる。例えば、排出装置26は、セラミック耐熱材で作られることができる。
【0093】
図2を参照すると、使用の際、取鍋15からタンディシュ14への鋼の流れが空気と接触しないように、排出装置26はタンディシュ14に存在する液浴に部分的に浸漬してもよい。
【0094】
上述のように、鋳造ライン11aおよび11b両方に対して1つだけであるタンディシュ14は、その底部に供給口を有する。
2つの鋳造ライン11aおよび11bは、供給口を介して、独立してタンディシュ14から溶鋼を受け取る。
具体的には、第1の鋳造ライン11aに供給予定の鋼が出ていくための第1の供給口27aが設けられ、そして、第2の鋳造ライン11bに供給予定の鋼が出ていく第2の供給口27bが設けられる。
【0095】
2つの供給口27a、27bは、少なくともタンディシュ14に対応して、例えば鋳造ライン11aおよび11bの軸間の直線I1を定める距離で各々離されている。
【0096】
軸間の直線I1は、鋳造品のタイプおよび鋳造設備のタイプに、ならびに圧延機12の特定の要件および大きさに応じて、約2,000mm〜約5,000mm間でありえる。
【0097】
図1を用いて記載される実施例において、共圧延ライン100aおよび100bは各々平行であり、そして、鋳造機11から圧延機12まで、軸間の直線I1はプラント軸Xに沿って一定で、その全長に沿って共圧延ライン100aおよび100bを離す。
【0098】
このような方法で、2つの共圧延ライン100aと100bの間に溶鋼の管理部と共有部を共有することが可能となり、例えばダブルの共圧延ライン100aと100bを伴い、また非常にコンパクトな複数の共圧延ラインを有する鉄鋼プラント10を得ることができる。
【0099】
タンディシュ14から到着する溶鋼は、例えばそれぞれ第1の鋳造ライン11aのための第1の晶析装置29aおよび第2の鋳造ライン11bのための第2の晶析装置29bである、晶析装置に注入されることができ、そこで、ビレットの第一表皮の凝固が起こる。
【0100】
この目的のために、晶析装置29aおよび29bは、冷却液(例えば水)が流れ、例えば冷却回路(例えば、晶析装置29aおよび29bの厚みの軸方向に作られ、あるいは中空空間で確定する1つ以上の冷却チャンネル30)を用いて冷却することができる。
冷却回路およびそこに流れ込む冷却液の搬送は、いわゆる第一表皮の形成のために、素早く表面を冷却させ、そして結果としてビレットの最外側層を凝固させるために、溶鋼から熱を取り除くように構成される。
【0101】
対応する晶析装置29aおよび29bの内部壁に沿って、ビレットの潤滑およびすべりを促進するために、考えられるいくつかの実施形態では、晶析装置29aおよび29bは上下に振動するように構成する。(図2の矢印)
【0102】
図2を用いて記載される考えられる実施形態では、タンディシュ14から晶析装置29aおよび29bまで、鋼の流れを導き保護するために、排出装置またはピストンプランジャ28を設けることができる。排出装置またはピストンプランジャ28は、溶鋼の流れにおける乱流を排除する。
【0103】
ここで記載される実施例のすべてと組み合わせ可能な考えられる実施例では、調整装置(レギュレーション装置)を設けることができ、そして、タンディシュ14から2つの鋳造ライン11aおよび11bの晶析装置29aおよび29bまでの鋼の流れを調整するよう構成される。
例えば、考えられる実施形態では、調整装置はタンディシュボックス32を含むことができる(例えば図2の左側)。または、他の考えられる実施形態では、調整装置は栓止棒またはストッパー132を含むことができる(例えば図2の右側)。
【0104】
タンディシュボックス32が調整装置として存在する考えられる実施形態では、固定式の穴あきプレート33と、可動性の穴あきプレート34と、指令モジュール35とを備えることができる。
指令モジュール35は、それぞれの穴の配列を変化させ、従って大きさが変化する供給路を定めるために、固定式穴あきプレート33に対して可動性の穴あきプレート34を移動するよう構成することができる。供給路の大きさは、獲得する鋳造の速度によって決まる。
【0105】
栓止棒またはストッパー132を調整装置として有する考えられる実施形態では、ストッパー132は可動性であり、そして、獲得する鋳造速度の関数として高さを制御するよう構成される指令モジュール135に連結することができる。
栓止棒またはストッパー132の先端が、対応する供給口27a、27bに近づけられるか、またはそこから離され、それにより隙間を広げたり狭めたりして、結果として溶鋼が通過するために用いられる領域を大きく又は小さく開く。
通過用の領域がより大きいほど、タンディシュ14から鋳造ライン11aおよび11bに渡る鋼の流れは大きくなり、従って鋳造速度を上げる。
【0106】
ここで記載される実施例のすべてと組み合わせ可能な考え得る実施例では、鋳造機11は、電子式の中央管理装置36を備え、図2を用いて記載される連続鋳造機11の少なくとも一部を、例えば、レードルボックス25、タンディシュボックス32またはおそらくストッパー132(それぞれ指令モジュール35、135によって)、晶析装置29aおよび29bの振動および抽出器16、独立に又は結合させて、制御、命令および管理するよう構成され、連結されている。
【0107】
中央管理装置36は、各鋳造ライン11aおよび11bを、他の鋳造ライン11bおよび11aに対してそれぞれに独立して管理することができる。
【0108】
例えば、上記第1の鋳造ライン11aは上記第2のライン11bと同じ速度でビレットを処理することができるか、または、上記第1のライン11aのビレットを上記第2の鋳造ライン11bのビレットより速いかまたは遅い鋳造速度で処理することができる。
【0109】
晶析装置29aおよび29bの出口で、サイズや微細構造の特性が各々異なるビレットを得る必要性や、または、異なる完成品を得るために圧延ライン12a、12bでは異なる速度で動作する必要性や、または、2つの共圧延ライン100aおよび100bのうちの1つに起こる欠陥または事故に対処する必要性があるという事実があり、この鋳造ライン11aおよび11b間では速度を変える必要がある。
【0110】
実際、中央管理装置36は、それぞれの圧延ライン12a、12b、または圧延ライン12aおよび12b両方の圧延条件における変化に応答して、鋳造ライン11aおよび11bの1つまたは両方の速度および鋳造パラメータを変化させることにより、調整することが可能である。
【0111】
このようにして、2つの共圧延ライン100aおよび100b間の異なる完成品、両方の処理の異なる半製品の鋳造品、更には異なる速度の、処理が同一の半製品の鋳造品を得てもよい。
【0112】
これらの可能性により、当該鉄鋼プラント10は相当な操作柔軟性を備える。
【0113】
要求される生産性が、ただ1つの共圧延ライン100a、100bで供給できる生産性に匹敵する場合(例えば最高75t/h)、この要件を満たすために、2つの共圧延ライン100a、100bのうちの1つのみを稼働させていてもよいので、鉄鋼プラント10は更なる柔軟性を備える。
【0114】
共圧延ライン100aおよび100bの内1つだけを稼働させることにより、優良な完成品を得るために最適速度状態の1つのラインだけを作動させるという利点もある。
【0115】
独立して管理される2つの共圧延ライン100aおよび100bが存在するので、鋳造ライン11aおよび11bの1つまたは圧延ライン12a、12bの1つを配備することができ、一方で、他の鋳造ライン(11bまたは11a)または圧延ライン(12bまたは12a)は、その機能を続行することができる。
さらにまた、鉄鋼プラント10の生産を全て停止させること(モノラインの場合には生じ得る)なく、2つの共圧延ライン100aおよび100bのうちの1つの強制停止を、個々に行うことができる。
特に、2つの共圧延ラインのうちの1つの圧延機が保守のために、または、コブルに起因して停止する場合、プラントは2者の代替モードで機能することができる。
【0116】
a)機能しているラインが正常に作動し続ける一方、圧延機が停止したもう一つは鋳造を続け、ビレットを製造する。そのビレットは圧延機に送られる代わりに、所望の長さに切断され、鋳造機の下流に横に排出される。
このように、上流の製鋼所のサイクルは不変のままである。
b)上流の融解工場の生産を半分とし、機能しているラインだけに燃料を供給する。
【0117】
図3および4は、ここで記載される実施例のすべてと組み合わせ可能な実施例を説明するために用いる。共圧延ライン100aおよび100bの少なくとも一つは、少なくともその一部について、特に少なくとも2つの鋳造ライン11aおよび11bについては、共通の中央の軸に対して傾けられる。
考えられる実施形態では、この傾斜は、0度より大きく、最高5度の傾斜角(特に0.5度〜3.5度間、更には、1度〜2度間)であることができる。
【0118】
実施例の考えられる形で、鋳造ライン11aおよび11b両方は、互いに傾けられ、特に、それらは前述の共通の中央の軸に対して水平面で相互に末広がりであり、それぞれの異なる作業方向FaおよびFbを定め、それらは互いに傾き、具体的には末広がりとなっている。
【0119】
この傾斜、具体的に末広がり形状、は有益である。なぜなら、できるだけ小型にするために、タンディシュ14での2つの鋳造ライン11aおよび11b間の距離を最小にすることができ、そして、次に続く圧延ライン12a、12bの間ではより広い距離が取れ、2つの共圧延ライン100aおよび100bを構成するユニットまたはグループに対する、保守、交換、取り外し作業等や、これらの内側での作業に十分な距離となる。
【0120】
図3および4に関する実施例は、2つの鋳造ライン11aおよび11b両方がプラント軸Xに対して相互に反転した関係に傾けられる実施例として記載する。
【0121】
鋳造ライン11aおよび11bがプラント軸Xに対して非対称的に傾けられる解決策、または、鋳造ライン11aおよび11bの内1つだけが傾けられ、そして、もう一方はプラント軸Xと平行である解決策を設けることもできる。
【0122】
可能性がある結果として、鋳造ライン11aおよび11bが相互に傾けられる場合は、圧延ライン12a、12bもまた相互に傾けられ、そして、鋳造ライン11aおよび11bが平行である場合は、圧延ライン12a、12bも平行である。
【0123】
例えば図3を参照して記載する考え得る実施形態によれば、圧延ライン12a、12bは、それらの限られた延長部分または区間のみ(例えば誘導電気炉21の供給部20と粗列22の間、または、供給部20と中間列23の間)、において、作業方向FaおよびFbに、互いに傾けられ、その他の部分がプラント軸Xと平行であってもよい。
【0124】
図4に示すように、他の解決策として、共圧延ライン100aおよび100bを、相互に末広がりな鋳造ライン11aおよび11bと、互いに平行な圧延ライン12a、12bとにより確定しても良い。
【0125】
例えば、図3および4を用いて記載する末広がりの共圧延ライン100aおよび100bを有する実施例では、仕上げの列24に対応する第2の軸間の直線I2は、タンディシュ14の供給口27a、27b間の第1の軸間の直線I1より大きく確定される。
【0126】
第2の軸間の直線I2は、それぞれの圧延ライン12a、12bに亘って圧延装置を収納し、更に圧延ライン12a、12b(例えばキャリブレーションシリンダ)の装備および保守を行うために取り外さなければならない構成要素を移動できるよう構成されている。
【0127】
いくつかの実施例によれば、特定の設計および/または作動要件に応じて、第2の軸間の直線I2の長さは、第1の軸間の直線I1より長く、少なくとも100%〜300%間で長くなる。(第1の軸間の直線I1の長さより長く、例えば少なくとも100%以上、特に少なくとも150%以上、更に特に少なくとも200%以上、更に特に少なくとも250%以上300%以上まで)
【0128】
本発明はまた、長尺金属製品の生産のための方法に関し、連続鋳造および、連続鋳造の下流にある圧延を備える。そして、以下を含む。
【0129】
タンディシュ14から、それぞれの作業方向F、Fa、Fbに沿って隣接して配置する2つの共圧延ライン100aおよび100bへ、溶融金属を供給すること。
【0130】
共圧延ライン100aおよび100bの2つの隣接する鋳造ライン11aおよび11bに沿って、タンディシュ14から受け取る溶融金属を鋳造すること。
【0131】
共圧延ライン100aおよび100bの少なくとも2つの隣接する圧延ライン12a、12bに沿って、2つの鋳造ライン11aおよび11bから受け取る鋳物を圧延すること。
【0132】
ここで記載される方法の考えられる実施形態において、2つの共圧延ライン100aおよび100bは、本発明による長尺金属製品、少なくとも断面形状および/または断面面積について、2つの共圧延ライン100aおよび100b各々で異なるような製品、を生産するよう構成され得る。
【0133】
本発明の分野および範囲を逸脱しない範囲で、これまで記載する鉄鋼プラント10に、部分的な修正または追加が行うことができるということは明白である。
【0134】
いつくかの具体例を参照して本発明について記載したが、当業者が鉄鋼プラントの多くの他の同等のものを確実に達成可能であることは明白である。そして、請求項にて説明するような特性を有し、それ故、全て、そこに定められる保護範囲内となる。
図1
図2
図3
図4