(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6236533
(24)【登録日】2017年11月2日
(45)【発行日】2017年11月22日
(54)【発明の名称】差分アップデートパッケージの作成方法及び装置、システム差分アップデート方法及び装置
(51)【国際特許分類】
G06F 11/00 20060101AFI20171113BHJP
G06F 13/00 20060101ALI20171113BHJP
【FI】
G06F9/06 630B
G06F13/00 530B
【請求項の数】20
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-538627(P2016-538627)
(86)(22)【出願日】2014年5月22日
(65)【公表番号】特表2017-504879(P2017-504879A)
(43)【公表日】2017年2月9日
(86)【国際出願番号】CN2014078183
(87)【国際公開番号】WO2014180388
(87)【国際公開日】20141113
【審査請求日】2016年8月23日
(31)【優先権主張番号】201310684083.6
(32)【優先日】2013年12月13日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】509024525
【氏名又は名称】ゼットティーイー コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】特許業務法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,スーリヤン
【審査官】
杉浦 孝光
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−095952(JP,A)
【文献】
特開2012−234563(JP,A)
【文献】
特開2006−293512(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0220326(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 11/00
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
差分アップデートパッケージからパーティション情報を取得するステップと、
旧パーティションデータのデータバックアップを行うステップと、
前記パーティション情報に基づいて旧パーティションを再区分化することで、新パーティションを得てフォーマットするステップと、
バックアップされたデータを前記新パーティションに復元させるステップと、
前記差分アップデートパッケージを用いてシステムの差分アップデートを行うステップと、
を含むパーティションが変更可能なシステム差分アップデート方法。
【請求項2】
前記差分アップデートパッケージからパーティション情報を取得するステップの前に、前記差分アップデートパッケージの安全性を検証し、前記差分アップデートパッケージが検証に合格した後、パーティション情報を取得する過程に進むステップをさらに含む
請求項1に記載のパーティションが変更可能なシステム差分アップデート方法。
【請求項3】
前記差分アップデートパッケージからパーティション情報を取得する中、前記パーティション情報が目標バージョンのパーティション状況情報である場合、初期バージョンにおけるパーティションテーブルと目標バージョンのパーティション情報とを比較して、初期バージョンに対する目標バージョンのパーティション変更情報を取得する
請求項1に記載のパーティションが変更可能なシステム差分アップデート方法。
【請求項4】
旧パーティションデータのデータバックアップにあたり、変更のある旧パーティションデータのみについてデータバックアップを行う
請求項1に記載のパーティションが変更可能なシステム差分アップデート方法。
【請求項5】
旧パーティションデータのデータバックアップを行う中、パーティションファイルのバックアップを含む
請求項4に記載のパーティションが変更可能なシステム差分アップデート方法。
【請求項6】
旧パーティションデータのデータバックアップにあたり、パーティション内の全データコピーによってデータバックアップを行う
請求項1に記載のパーティションが変更可能なシステム差分アップデート方法。
【請求項7】
旧パーティションデータのデータバックアップにあたり、バックアップされたデータに対して圧縮処理を行う
請求項6に記載のパーティションが変更可能なシステム差分アップデート方法。
【請求項8】
旧パーティションデータのデータバックアップを行う中、データをバックアップして検証することをさらに含む
請求項6に記載のパーティションが変更可能なシステム差分アップデート方法。
【請求項9】
旧パーティションデータのデータバックアップを行う中、継続可能とする失敗が発生する場合、次回電源を入れた後に改めて差分アップデートパッケージからパーティション情報を取得する過程に進み、継続不可能とする失敗が発生する場合、アップデート失敗をユーザに通知する
請求項1に記載のパーティションが変更可能なシステム差分アップデート方法。
【請求項10】
旧パーティションデータのデータバックアップを行う中、外付け記憶装置を用いてバックアップされたデータを記憶する
請求項1に記載のパーティションが変更可能なシステム差分アップデート方法。
【請求項11】
再区分化又はフォーマットする中、継続可能とする失敗が発生する場合、次回電源を入れた後に改めて差分アップデートパッケージからパーティション情報を取得する過程に進み、継続不可能とする失敗が発生する場合、この前にバックアップされたデータに基づいて元のシステムに戻る
請求項1に記載のパーティションが変更可能なシステム差分アップデート方法。
【請求項12】
バックアップされたデータを前記新パーティションに復元させる中、継続可能とする失敗が発生する場合、次回電源を入れた後に改めて差分アップデートパッケージからパーティション情報を取得する過程に進み、継続不可能とする失敗が発生する場合、この前にバックアップされたデータに基づいて元のシステムに戻る
請求項1に記載のパーティションが変更可能なシステム差分アップデート方法。
【請求項13】
差分アップデートパッケージからパーティション情報を取得する中、バックアップされるべき旧パーティションデータを全て新パーティションに投入可能であるか否かを判定するステップと、
旧パーティションデータのデータバックアップを行う中、バックアップされるべき旧パーティションデータを全て新パーティションに投入できない場合、差分アップデートパッケージから特定した削除すべきファイルの情報を取得し、差分アップデートパッケージにおける特定した削除すべきファイルをバックアップしないままバックアップを行うステップと、
システムの差分アップデート中に、特定した削除すべきファイルのデータを取り除くステップと、をさらに含む
請求項1乃至12のうち何れか一項に記載のパーティションが変更可能なシステム差分アップデート方法。
【請求項14】
差分アップデートパッケージからパーティション情報を取得する中、バックアップされるべき旧パーティションデータを全て新パーティションに投入可能であるか否かを判定するステップと、
旧パーティションデータのデータバックアップを行う中、バックアップされるべき旧パーティションデータを全て新パーティションに投入できない場合、バックアップされるべき旧パーティションデータを完全バックアップするステップと、
バックアップされたデータを新パーティションに復元させる中、差分アップデートパッケージを用いたシステムの差分アップデートも行うステップと、をさらに含む
請求項1乃至12のうち何れか一項に記載のパーティションが変更可能なシステム差分アップデート方法。
【請求項15】
差分アップデートパッケージからパーティション情報を取得するように構成されパーティション情報取得ユニットと、
旧パーティションデータのデータバックアップを行うように構成されるデータバックアップユニットと、
前記パーティション情報に基づいて旧パーティションを再区分化することで、新パーティションを得てフォーマットするように構成される区分化ユニットと、
バックアップされたデータを前記新パーティションに復元させるように構成されるデータ復元ユニットと、
前記差分アップデートパッケージを用いてシステムの差分アップデートを行うように構成される差分アップデートユニットと、
を備えるパーティションが変更可能なシステム差分アップデート装置。
【請求項16】
前記データバックアップユニットは、パーティション内の全データコピーによってデータバックアップを行うように構成されるデータコピーサブユニットを含む
請求項15に記載のパーティションが変更可能なシステム差分アップデート装置。
【請求項17】
前記データバックアップユニットは、バックアップされたデータに対して圧縮処理を行うように構成されるデータ圧縮サブユニットをさらに含む
請求項16に記載のパーティションが変更可能なシステム差分アップデート装置。
【請求項18】
前記データバックアップユニットは、データをバックアップして検証するように構成されるデータ検証サブユニットをさらに含む
請求項16に記載のパーティションが変更可能なシステム差分アップデート装置。
【請求項19】
前記データバックアップユニットは、バックアップされたデータを記憶するように構成される外付け記憶装置をさらに含む
請求項15に記載のパーティションが変更可能なシステム差分アップデート装置。
【請求項20】
前記差分アップデートパッケージの安全性を検証するように構成される安全性検証ユニットをさらに備える
請求項15乃至19のうち何れか一項に記載のパーティションが変更可能なシステム差分アップデート装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は移動通信分野に関し、特に、差分アップデートパッケージの作成方法及び装置並びにシステム差分アップデート方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートモバイル端末システムがますます普及していくにつれ、端末機器のメーカーや事業者による新機能や新業務の提供周期が短くなる一方、システムのソフトウェアバージョンが多くかつ複雑になり、ユーザの使用中に多くの未知問題が次々と出てくる。これら問題を解決して、ユーザにより優れたユーザ体験をもたらすために、端末メーカーや事業者が、通常、OTA(Over the Air、オーバー・ディ・エア)によってユーザのためにバージョンアップデートを達成する。
【0003】
OTAにて無線ネットワークが用いられるが、無線ネットワーク自体における小帯域幅、不良なネットワーク安定性等の特性によって、OTAによるファイル伝送の場合、過大ファイルを伝送してはいけないことが決定される。OTAアップデート方式でのネットワーク伝送通信量を減少するために、OTAアップデートパッケージとして、通常、差分アップデートパッケージを用い、このようなアップデート技術を差分アップデート技術という。Androidシステムのアップデートにあたり、現在、業界で使用されている差分アップデート技術により、端末システムのパーティションが変更されていない場合のシステムバージョンアップデートを可能にする。
【0004】
システムソフトウェアが新たに最適化され、そしてアプリケーションが新規追加されたりアップデートされたりする中、従来の端末システムのパーティションが現在のシステム実行環境に満足できなくなるおそれがあり、新ニーズに応じてシステムを再区分化することが必要となる。従来技術としてのシステム差分アップデート方法は、
図1に示すように、アップデートパッケージが検証に合格した後、目標バージョンが初期バージョンに対してパーティション情報に変更があるか否かを判定し、変更がなければ、差分アップデートを行い、変更があれば、アップデート失敗をユーザに通知する。
【0005】
したがって、システムのパーティションが変更されていれば、差分アップデート技術によるシステムアップデートができなくなり、全バージョンの方式でなければ、アップデートを達成することができない。しかし、このような全バージョンのアップデートパッケージが通常大きなものであり、OTAによってユーザのためにバージョンアップデートを行うとすれば、現在からみれば、無線ネットワークの帯域幅が厳しく制限されているため、ネットワークの高負荷を招き、アップデートパッケージのダウンロード時間及びネットワークの安定性等におけるユーザ体験が劣る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施例は、従来技術において、目標バージョンが初期バージョンに対してパーティション情報に変更がある場合に差分アップデートできないとの問題を解決するための、差分アップデートパッケージの作成方法及び装置並びにシステム差分アップデート方法及び装置を提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、一態様によれば、本発明の実施例にて、パーティション情報付きの差分アップデートパッケージの作成方法が提供され、前記方法は、
アップデート対象システムの初期バージョンと目標バージョンとに基づいて、パーティション情報が付いている差分アップデートパッケージを作成するステップ、を含む。
【0008】
前記パーティション情報は、目標バージョンのパーティション状況情報又は初期バージョンに対する目標バージョンのパーティション変更情報を含むことが好ましい。
【0009】
前記差分アップデートパッケージは、特定した削除すべきファイルの情報がさらに付いていることが好ましい。
【0010】
他の一態様によれば、本発明の実施例にて、
アップデート対象システムの初期バージョンを記憶するように構成される初期バージョン記憶ユニットと、
アップデート対象システムの目標バージョンを記憶するように構成される目標バージョン記憶ユニットと、
前記初期バージョン記憶ユニットに記憶されるアップデート対象システムの初期バージョンと、目標バージョン記憶ユニットに記憶されるアップデート対象システムの目標バージョンとに基づいて、パーティション情報が付いている差分アップデートパッケージを作成するように構成されるアップデートパッケージ作成ユニットと、を備えるパーティション情報付きの差分アップデートパッケージの作成装置がさらに提供される。
【0011】
前記パーティション情報は、目標バージョンのパーティション状況情報又は初期バージョンに対する目標バージョンのパーティション変更情報を含むことが好ましい。
【0012】
前記差分アップデートパッケージは、特定した削除すべきファイルの情報がさらに付いていることが好ましい。
【0013】
他の一態様によれば、本発明の実施例にて、パーティションが変更可能なシステム差分アップデート方法がさらに提供され、前記方法は、
差分アップデートパッケージからパーティション情報を取得するステップと、
旧パーティションデータのデータバックアップを行うステップと、
前記パーティション情報に基づいて旧パーティションを再区分化することで、新パーティションを得てフォーマットするステップと、
バックアップされたデータを前記新パーティションに復元させるステップと、
前記差分アップデートパッケージを用いてシステムの差分アップデートを行うステップと、を含む。
【0014】
前記差分アップデートパッケージからパーティション情報を取得するステップの前に、前記差分アップデートパッケージの安全性を検証し、前記差分アップデートパッケージが検証に合格した後、パーティション情報を取得する過程に進むステップをさらに含むことが好ましい。
【0015】
前記差分アップデートパッケージからパーティション情報を取得する中、前記パーティション情報が目標バージョンのパーティション状況情報である場合、初期バージョンにおけるパーティションテーブルと目標バージョンのパーティション情報とを比較して、初期バージョンに対する目標バージョンのパーティション変更情報を取得することが好ましい。
【0016】
旧パーティションデータのデータバックアップにあたり、変更のある旧パーティションデータのみについてデータバックアップを行うことが好ましい。
【0017】
旧パーティションデータのデータバックアップを行う中、パーティションファイルのバックアップを含むことが好ましい。
【0018】
旧パーティションデータのデータバックアップにあたり、パーティション内の全データコピーによってデータバックアップを行うことが好ましい。
【0019】
旧パーティションデータのデータバックアップにあたり、バックアップされたデータに対して圧縮処理を行うことが好ましい。
【0020】
旧パーティションデータのデータバックアップを行う中、データをバックアップして検証することをさらに含むことが好ましい。
【0021】
旧パーティションデータのデータバックアップを行う中、継続可能とする失敗が発生する場合、次回電源を入れた後に改めて差分アップデートパッケージからパーティション情報を取得する過程に進み、継続不可能とする失敗が発生する場合、アップデート失敗をユーザに通知することが好ましい。
【0022】
旧パーティションデータのデータバックアップを行う中、外付け記憶装置を用いてバックアップされたデータを記憶することが好ましい。
【0023】
再区分化又はフォーマットする中、継続可能とする失敗が発生する場合、次回電源を入れた後に改めて差分アップデートパッケージからパーティション情報を取得する過程に進み、継続不可能とする失敗が発生する場合、この前にバックアップされたデータに基づいて元のシステムに戻ることが好ましい。
【0024】
バックアップされたデータを前記新パーティションに復元させる中、継続可能とする失敗が発生する場合、次回電源を入れた後に改めて差分アップデートパッケージからパーティション情報を取得する過程に進み、継続不可能とする失敗が発生する場合、この前にバックアップされたデータに基づいて元のシステムに戻ることが好ましい。
【0025】
差分アップデートパッケージからパーティション情報を取得する中、バックアップされるべき旧パーティションデータを全て新パーティションに投入可能であるか否かを判定するステップと、
旧パーティションデータのデータバックアップを行う中、バックアップされるべき旧パーティションデータを全て新パーティションに投入できない場合、差分アップデートパッケージから特定した削除すべきファイルの情報を取得し、差分アップデートパッケージにおける特定した削除すべきファイルをバックアップしないままバックアップを行うステップと、
システムの差分アップデート中に、特定した削除すべきファイルのデータを取り除くステップと、をさらに含むことが好ましい。
【0026】
差分アップデートパッケージからパーティション情報を取得する中、バックアップされるべき旧パーティションデータを全て新パーティションに投入可能であるか否かを判定するステップと、
旧パーティションデータのデータバックアップを行う中、バックアップされるべき旧パーティションデータを全て新パーティションに投入できない場合、バックアップされるべき旧パーティションデータを完全バックアップするステップと、
バックアップされたデータを新パーティションに復元させる中、差分アップデートパッケージを用いたシステムの差分アップデートも行うステップと、をさらに含むことが好ましい。
【0027】
他の一態様によれば、本発明の実施例にて、
差分アップデートパッケージからパーティション情報を取得するように構成されパーティション情報取得ユニットと、
旧パーティションデータのデータバックアップを行うように構成されるデータバックアップユニットと、
前記パーティション情報に基づいて旧パーティションを再区分化することで、新パーティションを得てフォーマットするように構成される区分化ユニットと、
バックアップされたデータを前記新パーティションに復元させるように構成されるデータ復元ユニットと、
前記差分アップデートパッケージを用いてシステムの差分アップデートを行うように構成される差分アップデートユニットと、を備えるパーティションが変更可能なシステム差分アップデート装置がさらに提供される。
【0028】
前記データバックアップユニットは、パーティション内の全データコピーによってデータバックアップを行うように構成されるデータコピーサブユニットを含むことが好ましい。
【0029】
前記データバックアップユニットは、バックアップされたデータに対して圧縮処理を行うように構成されるデータ圧縮サブユニットをさらに含むことが好ましい。
【0030】
前記データバックアップユニットは、データをバックアップして検証するように構成されるデータ検証サブユニットをさらに含むことが好ましい。
【0031】
前記データバックアップユニットは、バックアップされたデータを記憶するように構成される外付け記憶装置をさらに含むことが好ましい。
【0032】
前記差分アップデートパッケージの安全性を検証するように構成される安全性検証ユニットをさらに備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0033】
本発明の実施例は以下の有利な効果を有する。
【0034】
本発明の実施例によると、目標バージョンが初期バージョンに対してパーティション情報に変更がある場合の差分アップデート問題を効果的に解決することができ、目標バージョンと初期バージョンとを比較することで、パーティション情報付きの差分アップデートパッケージを生成し、アップデート時に当該パーティション情報によりシステムの処理を完成し、システムの区分化を達成するとともにアップデートを完成するようにし、そして、本発明では、初期システムデータのバックアップ及び復元過程を追加するとともに、バックアップ又は復元中において、パーティション変更に起因する初期データの非互換を解消することにより、従来技術において、変更されたパーティションに対処する場合に差分アップデートすることができないとの問題を解決し、これにより、アップデートパッケージのサイズを効果的に小さくし、OTAダウンロードでのネットワーク性能への需要を大いに減らし、ユーザ体験を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】従来技術に係わるシステム差分アップデート方法のフローチャートである。
【
図2】本発明の実施例に係わるパーティション情報付きの差分アップデートパッケージの作成装置の構造図である。
【
図3】本発明の実施例に係わるパーティションが変更可能なシステム差分アップデート装置の構造図である。
【
図4】本発明の実施例に係わるパーティションが変更可能なシステム差分アップデート方法のフローチャートである。
【
図5】本発明の実施例に係わる他のパーティションが変更可能なシステム差分アップデート方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
従来技術において、目標バージョンが初期バージョンに対してパーティション情報に変更がある場合に差分アップデートできないとの問題を解決するために、本発明は差分アップデートパッケージの作成方法及び装置並びにシステム差分アップデート方法及び装置を提供し、以下、図面及び6つの実施例を結合しながら本発明をさらに詳しく説明する。ここで説明する具体的な実施例は本発明を説明するためのものに過ぎず、本発明を限定するものではないことは理解されるべきである。
【0037】
(実施例1)
本発明の実施例に係わるパーティション情報付きの差分アップデートパッケージの作成装置は、
図2に示すように、初期バージョン記憶ユニット21と、目標バージョン記憶ユニット22と、初期バージョン記憶ユニット21及び目標バージョン記憶ユニット22にそれぞれ接続されるアップデートパッケージ作成ユニット23と、を備える。
【0038】
初期バージョン記憶ユニット21はアップデート対象システムの初期バージョンを記憶するように構成され、目標バージョン記憶ユニット22はアップデート対象システムの目標バージョンを記憶するように構成され、アップデートパッケージ作成ユニット23は、初期バージョン記憶ユニット21に記憶されるアップデート対象システムの初期バージョンと、目標バージョン記憶ユニット22に記憶されるアップデート対象システムの目標バージョンとに基づいて、差分アップデートパッケージを作成するように構成される。前記差分アップデートパッケージは、目標バージョンのパーティション状況情報又は初期バージョンに対する目標バージョンのパーティション変更情報を含むパーティション情報と、特定した削除すべきファイルの情報とが付いている。
【0039】
(実施例2)
実施例1に記載のパーティション情報付きの差分アップデートパッケージの作成装置を用いる場合、本発明の実施例に係わるパーティション情報付きの差分アップデートパッケージの作成方法は、アップデート対象システムの初期バージョンと目標バージョンとに基づいて、目標バージョンのパーティション状況情報又は初期バージョンに対する目標バージョンのパーティション変更情報を含むパーティション情報と、特定した削除すべきファイルの情報とが付いている差分アップデートパッケージを作成するステップを含む。
【0040】
(実施例3)
本発明の実施例に係わるパーティションが変更可能なシステム差分アップデート装置は、
図3に示すように、安全性検証ユニット31と、パーティション情報取得ユニット32と、データバックアップユニット33と、区分化ユニット34と、データ復元ユニット35と、差分アップデートユニット36と、を備える。パーティション情報取得ユニット32は安全性検証ユニット31、データバックアップユニット33、及び区分化ユニット34にそれぞれ接続され、データ復元ユニット35はデータバックアップユニット33に接続される。
【0041】
安全性検証ユニット31は差分アップデートパッケージの安全性を検証するように構成され、パーティション情報取得ユニット32は差分アップデートパッケージからパーティション情報を取得し、パーティション変更の解析を完成し、変更のあるパーティション及び変更程度を決定するように構成され、データバックアップユニット33は旧パーティションデータのデータバックアップを行うように構成され、区分化ユニット34は前記パーティション情報に基づいて旧パーティションを再区分化することで、新パーティションを得てフォーマットするように構成され、データ復元ユニット35はバックアップされたデータを前記新パーティションに復元させるように構成され、差分アップデートユニット36は前記差分アップデートパッケージを用いてシステムの差分アップデートを行うように構成される。
【0042】
データバックアップユニット33は、外付け記憶装置331と、データコピーサブユニット332と、データ圧縮サブユニット333と、データ検証サブユニット334と、を含み、外付け記憶装置331はデータコピーサブユニット332と、データ圧縮サブユニット333と、データ検証サブユニット334とにそれぞれ接続される。
【0043】
外付け記憶装置331はバックアップされたデータを記憶するように構成され、データコピーサブユニット332はパーティション内の全データコピーによってデータバックアップを行うように構成され、データ圧縮サブユニット333はバックアップされたデータに対して圧縮処理を行うように構成され、データ検証サブユニット334はデータをバックアップして検証するように構成される。
【0044】
(実施例4)
実施例3に記載のパーティションが変更可能なシステム差分アップデート装置を用いる場合、本発明の実施例に係わるパーティションが変更可能なシステム差分アップデート方法は、
図4に示すように、以下のステップs401〜s408を含む。
【0045】
ステップs401:OTA方式によって、パーティション情報が付いている差分アップデートパッケージをダウンロードする。
【0046】
ステップs402:前記差分アップデートパッケージの安全性を検証し、前記差分アップデートパッケージが、マッチングしているか、歪曲されているかとの検証に合格するか否かを判定し、合格していれば、ステップs403に移行し、合格していなければ、アップデート失敗が表示される。
【0047】
ステップs403:差分アップデートパッケージからパーティション情報を取得する。前記パーティション情報は目標バージョンのパーティション状況情報又は初期バージョンに対する目標バージョンのパーティション変更情報を含み、本実施例において、前記パーティション情報が目標バージョンのパーティション状況情報である場合、初期バージョンにおけるパーティションテーブルと目標バージョンのパーティション情報とを比較して、初期バージョンに対する目標バージョンのパーティション変更情報を取得する。
【0048】
ステップs404:パーティション情報が変更されているか否かを判定し、変更されていれば、ステップs405に移行し、変更されていなければ、ステップs408に移行する。
【0049】
ステップs405:旧パーティションデータのデータバックアップを行う。本実施例において、旧パーティションデータのデータバックアップにあたり、全データのバックアップを行わず、変更のある旧パーティションデータのみについてデータバックアップしてもよく、これにより、バックアップに必要な容量や時間を効果的に低減することができる。そして、異常が発生したら復元できるように、変更のあるパーティションデータに加え、パーティションファイルのバックアップも必要となる。本実施例において、パーティション内の全データコピーによってデータバックアップを行うことにより、バックアップされたデータを圧縮処理して占有容量を小さくし、データをバックアップして検証することでバックアップエラーを回避することができる。
【0050】
旧パーティションデータのデータバックアップを行う中、異常による失敗が発生すれば、具体的な失敗原因によって、継続可能か否かを確認することができ、継続可能とする失敗、例えば電源切れが出る場合、次回電源を入れた後に改めてステップs403に進み、また、継続不可能とする失敗が発生する場合、アップデート失敗をユーザに通知する。
【0051】
旧パーティションデータのデータバックアップを行う中、外付け記憶装置を用いてバックアップされたデータを記憶することで、システム自体の容量を占有しないとともに、再区分化後にバックアップされたデータに影響を与えないように保証することができる。
【0052】
ステップs406:前記パーティション情報に基づいて旧パーティションを再区分化することで、新パーティションを得てフォーマットし、具体的な実現方法としては、システムの実状に応じて選択することができる。再区分化又はフォーマットする中に異常による失敗が発生すれば、具体的な失敗原因によって、継続可能とする失敗であるか否かを確認することができる。再区分化又はフォーマットする中に、継続可能とする失敗、例えば電源切れが出る場合、次回電源を入れた後に改めてステップs403に進み、また、継続不可能とする失敗が発生する場合、この前にバックアップされたデータに基づいて元のシステムに戻る。
【0053】
ステップs407:バックアップされたデータを前記新パーティションに復元させる。データを復元する中、異常による失敗が発生すれば、具体的な失敗原因によって、継続可能とする失敗であるか否かを確認することができ、バックアップされたデータを新パーティションに復元させる中、継続可能とする失敗、例えば電源切れが出る場合、次回電源を入れた後に改めてステップs403に進み、また、継続不可能とする失敗が発生する場合、この前にバックアップされたデータに基づいて元のシステムに戻る。
【0054】
ステップs408:前記差分アップデートパッケージを用いてシステムの差分アップデートを行う。この過程は従来の方式で行われることができ、変更されたファイルをシステムに書き込むことにより、全面的なアップデートを終了する。
【0055】
(実施例5)
本発明の実施例に係わるパーティションが変更可能なシステム差分アップデート方法は、
図5に示すようなものであり、本実施例に記載の方法は、実施例4の方法に類似しているが、実施例4の方法に対して、主として以下の点で相違する。
【0056】
差分アップデートパッケージからパーティション情報を取得し、パーティション情報が変更されていると判定した後に、バックアップされるべき旧パーティションデータを全て新パーティションに投入可能であるか否かを判定するステップs505が追加され、可能であれば、ステップs506に移行し、不可であれば、ステップs510に移行する。
【0057】
ステップs510:差分アップデートパッケージから特定した削除すべきファイルの情報を取得する。
【0058】
ステップs511:差分アップデートパッケージにおける特定した削除すべきファイルをバックアップしないまま、ステップs506に移行してデータバックアップを行い、この場合、削除の必要のないファイルのみについてデータバックアップを行う。
【0059】
上記ステップにより、データの復元時に容量不足による復元失敗を回避することができる。
【0060】
そして、バックアップ中において、差分アップデートパッケージにおける特定した削除すべきファイルを操作しているため、システムの差分アップデート中に、特定した削除すべきファイルのデータを取り除く必要がある。
【0061】
(実施例6)
本実施例においてパーティションが変更可能なシステム差分アップデート方法が提供され、前記方法でも、実施例5の方法に類似して、差分アップデートパッケージからパーティション情報を取得する中、バックアップされるべき旧パーティションデータを全て新パーティションに投入可能であるか否かを判定するようにする。本実施例の方法は、主として以下の点で実施例5の方法と相違する。
【0062】
バックアップされるべき旧パーティションデータを全て新パーティションに投入できない場合、旧パーティションデータのデータバックアップを行う中、バックアップされるべき旧パーティションデータを完全バックアップするようにし、また、バックアップされたデータを新パーティションに復元させる中、差分アップデートパッケージを用いたシステムの差分アップデートも行い、即ち、データ復元作業と差分アップデートパッケージの実装作業とを同時に行う。
【0063】
本発明によると、目標バージョンが初期バージョンに対してパーティション情報に変更がある場合の差分アップデート問題を効果的に解決することができ、目標バージョンと初期バージョンとを比較することで、パーティション情報付きの差分アップデートパッケージを生成し、アップデート時に当該パーティション情報によりシステムの処理を完成し、システムの区分化を達成するとともにアップデートを完成するようにし、そして、本発明では、初期システムデータのバックアップ及び復元過程を追加するとともに、バックアップ又は復元中において、パーティション変更に起因する初期データの非互換を解消することにより、従来技術において、変更されたパーティションに対処する場合に差分アップデートすることができないとの問題を解決し、これにより、アップデートパッケージのサイズを効果的に小さくし、OTAダウンロードでのネットワーク性能への需要を大いに減らし、ユーザ体験を向上させる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明の実施例によると、目標バージョンが初期バージョンに対してパーティション情報に変更がある場合の差分アップデート問題を効果的に解決することができ、目標バージョンと初期バージョンとを比較することで、パーティション情報付きの差分アップデートパッケージを生成し、アップデート時に当該パーティション情報によりシステムの処理を完成し、システムの区分化を達成するとともにアップデートを完成するようにし、そして、本発明では、初期システムデータのバックアップ及び復元過程を追加するとともに、バックアップ又は復元中において、パーティション変更に起因する初期データの非互換を解消することにより、従来技術において、変更されたパーティションに対処する場合に差分アップデートすることができないとの問題を解決し、これにより、アップデートパッケージのサイズを効果的に小さくし、OTAダウンロードでのネットワーク性能への需要を大いに減らし、ユーザ体験を向上させる。
【0065】
例示のために本発明の好適な実施例を開示しているが、様々な改良、追加や置換も可能であることは当業者に意識されるべきであるため、本発明の範囲は上述した実施例に限定されるべきではない。