【課題を解決するための手段】
【0006】
本主題は、動作リソースの状態を動作の各時点で工程の記述に基づいて判定できる、包装機を制御する方法および包装機を提供するという目的に基づいたものであった。
【0007】
こうした目的は、本主題に関して、動作リソースへのアクセス許可が動作状態に応じて工程シーケンスに排他的に特定的に割り当てられることによって実現される。したがって、機械の動作状態の情報に基づいて、どの工程シーケンスがそれぞれのシーケンスを制御するかを述べることが可能であり、その後に、それぞれの動作リソースを評価する必要なしに、工程シーケンスの記述および現在の工程シーケンスステップに基づいてその状態を判定することが可能である。
【0008】
その結果、機械をメンテナンスする保守技術者またはエンジニアが、各時点で任意の動作リソースの(目標)状態を判定することができる。そのとき、実際の状態が目標の状態からずれている場合は、明白ですぐ分かる目標の状態の状況に基づいてすぐに誤差解析を実行することができる。
【0009】
本文献のために、たとえば弁などのアクティブな要素(アクチュエータ)だけでなく、たとえば温度、流量または圧力を判定するセンサが、動作リソースと称される。したがって、センサを能動的に切り替えるかまたは駆動することも、アクチュエータを起動するのと同じシステムの影響下にある。また、工程シーケンスでこのように一時的に駆動されるセンサが、有効な工程シーケンスに、そのメッセージ、たとえば決められた限界値を超える場合のエラーメッセージを能動的に取り入れることができる。しかし、工程シーケンスは、センサが後のステップで再びオフに切り替えられるための準備をすることができる。本文献のために、論理リンクも動作リソースと呼ぶことができる。このように、たとえば、シグナル交換(インポートシグナルおよびエクスポートシグナル)またはある一定の事象をリンクさせるための機能を、駆動するかまたは再びオフに切り替えることができる。その後、アクチュエータ、センサまたはリンクも部分的にだけ関係する場合は、説明した機能は適切な場合は別の動作リソースに割り当てることもできる。
【0010】
本主題の方法の結果、どの工程シーケンスが動作リソースへのアクセスを有する可能性があるかをチェックする必要がなくなる。こうしたチェックが可能な場合であっても、それぞれの工程シーケンスがある一定の時点でどのシーケンスステップを実施したのか、工程シーケンスがどの状態を有するのか、どの工程シーケンスが動作リソースに最後にアクセスしたのかが分からないので、複数の工程シーケンスが動作リソースにアクセスする場合、やはりあいまいなところがないようにその状態を判定することはできない。
【0011】
たとえば、包装機が「スタートアップ」、「生産」および「シャットダウン」状態を有する。これらの3つの動作状態に加えて、さらなる機械動作状態を本願により定義することができる。食料製品用の充填機の場合、これらは、たとえば、「H
2O
2殺菌」および/またはさらに「CIP洗浄」とすることができる。他の機械では、「殺菌」状態はたとえば省略することができる。たとえば、「再編成」状態で機械を再編成することも可能であり、最初に、機械を再編成するための適切な位置に、そのために設計されたアクチュエータを組み込まなければならない。
【0012】
各動作状態の間は、機械は中間の状態をとることもできる。工程シーケンスへの動作リソースのアサインに関してより高い精度を可能にするために、動作状態のうちの少なくとも1つが少なくとも2つの中間の状態を有し、動作リソースへの工程シーケンスの排他的アクセスが中間の状態によって決まることが提案される。
【0013】
本主題のように、動作リソースへのアクセス許可は、動作状態に応じて工程シーケンスに排他的に特定的に割り当てられ、ある一定の動作状態を決定できる状況を事前に定義することができ、本文献のために、このような可能な中間の状態も動作状態と称される。
【0014】
動作状態、好ましくは全ての動作状態が、動作リソースから、好ましくは全ての動作リソースによるある一定の作用を必要とし、これらの作用はそれぞれの工程シーケンスにおいて定義される。これらの動作状態はそれぞれ、少なくとも1つのそれぞれの動作リソースへの排他的アクセスを有する、少なくとも1つのアサインされた工程シーケンスを有する。異なる動作リソースまたは異なるグループについて、動作状態ではいずれの場合にも他の工程シーケンスが役割を担うこともできる。これは、単なる「効力のない作用」であっても好ましくは各時点で各動作リソースに作用がアサインされることを意味する。しかし、どの工程シーケンスがそれぞれの動作リソースをその現在の作用に排他的にアサインしたかについてのこうした役割は、工程シーケンスによって許可される場合に機械の制御システムに格納された依存性にしたがって変化することができる。
【0015】
一実施形態によれば、包装機内のそれぞれの機能に応じた少なくとも2つの動作リソースをグループに割り当てでき、グループの動作リソースへのアクセスの排他的許可を工程シーケンスに割り当てできることが提案される。動作リソースのグループが定義される場合に排他的アクセス許可の割当ての複雑さを大幅に軽減できることが明らかになっている。いずれの場合にも、動作リソースを1つのグループにだけ特定的に割り当てることができる。グループを機能ユニットに関連付けることができる。したがって、たとえば、換気ユニットは通風機および調節弁から構成することができる。換気するためには、調節弁は開いていなければならず、通風機はスイッチがオンに切り替えられていなければならない。したがって、こうしたユニットの機能性を利用可能にするために、2つの動作リソースを駆動しなければならない。したがって、通風機および調節弁を組み合わせて「換気ユニット」グループにすることができる。
【0016】
ガス処理ユニットは、たとえば、絞り弁および調整弁ならびに温度監視されたフィルタおよび弁から構成することができる。そのとき、この装置の機能性に必要な全ての動作リソースを組み合わせて1つのそれぞれのグループにすることができる。機械が動作するときは、各動作状態について1つまたは複数の工程シーケンスを定義することができ、これらの工程シーケンスは、いずれの場合にも、動作リソースおよび/またはグループのうちの1つへの、したがって、グループに属する全ての動作リソースへの排他的なアクセス許可を有する。こうした動作状態ではそれぞれのグループの動作リソースにアクセスすることが許容される他の工程シーケンスはない。いずれの場合にも区別できる工程シーケンスが各グループについて役割を担うことができ、そのため、動作状態で異なる工程シーケンスを異なる動作リソースおよび/またはグループに割り当てることもできる。
【0017】
工程シーケンス中に、機械がどのステップを実行すべきかを定義する必要がある。それは、たとえば、アクチュエータを調節および設定すること、たとえば、弁を開閉することまたは特定の温度までヒータを加熱することを含む。通風機またはポンプを起動することは、アクチュエータの設定として分類することもできる。排他的にアクセスが許可された工程シーケンスだけが動作リソースの状態を変え、特定的に制御または調整することができることが提案される。すなわち、排他的アクセス許可を有する工程シーケンスによってのみ、動作リソースの状態を変えるか、特定的に制御するかまたは調整できることが提案される。したがって、それぞれ排他的にアクセスが許可された工程シーケンスおよび適切な場合は現在の工程シーケンスステップをチェックすることによって、動作リソースの状態が分かる。本主題に関しては定義された動作状態の間に動作リソースの状態に介入するのが許容される工程シーケンスは他にないので、この工程シーケンスに応じて動作リソースの状態を判定することができる。
【0018】
動作中に機械は動作状態間で変化することができる。アクセス許可は本主題に関して動作状態によって決まる。したがって、動作状態間でそれぞれの変化がある場合、動作リソースまたはグループの現在のアクセス許可をチェックする必要がある。動作状態間で変化があるときは、以前にアクセスが許可された工程シーケンスを有する排他的アクセス許可が残ることができるか、または変化が必要になることがある。これは、アクセス許可の変化が必要な場合に、それぞれ動作リソースまたはグループについて別の工程シーケンスにアサインすることができる。したがって、動作状態間の変化の後に、それぞれ役割を担う工程シーケンスが動作リソースまたはグループへの排他的アクセスを確実に有する。
【0019】
本主題の包装機は、各時点で1つの動作状態だけを特定的に有する。本主題の包装機が1つの時点で異なる2つの動作状態を有することができないことが提案される。
【0020】
たとえば、工程シーケンスを異なる動作状態に割り当てることもできる。このように、たとえば、「生産」動作状態でも「CIP洗浄」動作状態でも蒸気バリア工程が必要である。したがって、両方の動作状態で「蒸気バリア」工程シーケンスを実行することもできる。たとえば蒸気バリア工程の工程シーケンスがどの動作状態で呼び出されるかに応じて、動作リソースへのその割当ては変化することができる。したがって、動作リソースまたはグループへの工程シーケンスの排他的アクセス許可は、工程動作がどの動作状態で実行されるかによって決まる。動作状態に応じて、全く同一の工程シーケンスが、動作リソースへの異なる割当て、したがって異なるアクセス許可を有することができる。
【0021】
本主題に関して、各工程シーケンスに少なくとも2つの下位工程を定義することができる。下位工程はそれぞれ、個々の工程ステップに分割することができる。ここで、各工程ステップに継続時間を割り当てることが可能であり、このことは工程ステップに必要である。この工程ステップに割り当てられる作用は、この継続時間内にそれぞれの動作リソースに対して実行される。
【0022】
動作リソースのグループを組み合わせて1つのグループにすることができる。このグループ内では、互いに調整されるように個別の動作リソースを設定することが可能である。他の動作リソースも定義された状態を取得すると、個々の動作リソースの状態がようやく可能になることが予想される。この点において、グループ内で動作リソースの状態を調整することが必要になることがある。そのときに、その状態を有するグループの全ての動作リソースが対応するテーブルに維持される場合は、好ましくは、依存性は最良に追跡することができる。工程シーケンスの下位工程はそれぞれ、それぞれのテーブルに定義されるグループに関する状態の組み合わせのうちの1つを参照することができ、したがって、状態の依存性が常に確実に付随する。
【0023】
各グループについて1つの専用のアクセステーブルを定義することができる。全ての動作リソースについて共通のアクセステーブルを定義することも可能である。アクセステーブルは、複数の動作リソースについて、さらに、グループについてのアクセステーブルも定義することもできる。状態はアクセステーブル内で定義することができる。具体的には、全ての可能な(許容される)状態の順列または組み合わせはアクセステーブルにおいて定義することができる。工程シーケンスまたは下位工程は、アクセステーブルによってグループの全ての動作リソースへのアクセスを得る可能性を有する。ここで、状態の可能な各組み合わせについて、たとえば、単一のラインを定義することができ、工程シーケンスまたは下位工程は、アクセステーブルの組み合わせ(たとえばそれぞれのライン)への参照を有することができる。このような手法により、許容される状態だけが工程シーケンス中に確実に得られる。このようにして、包装機は許容されない状態にはならない。
【0024】
このように、プログラム制御は、その内容を用いて動作リソースを制御するためにアクセステーブルにアクセスする。したがって、アクセステーブルは最後に制御テーブルとして扱うこともできる。
【0025】
各工程シーケンスについて、区別できるアクセステーブルを定義することができる。それにより、明快さは大幅に向上される。このようにして、後からより簡単に変更を実行および追跡することも可能である。さらに、ケースバイケースで、区別できる複数のアクセステーブルが少なくとも1つの工程シーケンスについて定義されることがさらに意味を成す。特に実践指向の変形体が、弁のためのアクセステーブルおよび他の動作リソースのためのさらなるアクセステーブルを提供するように準備することができる。
【0026】
すなわち、第1の工程シーケンスでは少なくとも1つの第1のアクセステーブルが第1のグループのために定義され、第2の工程動作では少なくとも1つの第2のアクセステーブルが第1のグループのために定義される。様々な工程シーケンスならびに異なる動作状態の動作リソースの状態は、工程シーケンスによって決まるアクセステーブルを定義できるように変化することができる。
【0027】
少なくとも2つの動作リソースの状態は、アクセス記述によってそれぞれアクセステーブルに記載することができる。このようにして、状態の組み合わせの許容値ごとにアクセス記述を定義することができる。アクセス記述は全てアクセステーブルに格納することができる。したがって、許容される状態の組み合わせを得るために、工程シーケンス内で、1つからN個のアクセステーブルおよびそれぞれのアクセス記述の参照が可能である。しかし、好ましくは、アクセス記述は、工程シーケンス内で少なくとも1つのアクセステーブルおよびそれぞれのアクセス記述への参照が可能になるように、少なくとも1つのアクセステーブルに工程シーケンスごとに格納される。
【0028】
動作中には、包装機が、たとえば、以下の動作状態を実施することができる。最初は、機械は「スタートアップ」状態にある。次いで、食料製品用の機械の場合、包装機は「殺菌の準備の完了」状態に変化することができる。ここで、包装機は、無菌ユニットにおける殺菌のために準備される。その後、具体的には無菌ユニットにおける「殺菌」を行うことができる。「殺菌」を実行した後は、機械は「生産」動作状態に変化することができる。生産が終了した後で、「洗浄の準備の完了」動作状態をとることができ、その後、「CIP洗浄」動作状態をとることができる。「CIP洗浄」の後には、機械は、再度、「殺菌の準備の完了」状態またはたとえばシャットダウンにも変化することができる。「シャットダウン」は区別できる動作状態とすることができる。
【0029】
上記で言及した動作状態の途中で、たとえば様々な動作状態で実施することもできる様々な工程シーケンスが可能である。工程シーケンスがどの動作状態で実施されるかに応じて、異なるグループへの割当てを行うことができる。
【0030】
食料製品用の包装機における最も頻度の高い工程シーケンスは、「H
2O
2殺菌」、「生産中のH
2O
2殺菌」、「蒸気殺菌」、「生産」、「コンベヤチェーン洗浄」、「蒸気バリア」および「CIP洗浄」である。上記ですでに説明したように、他の工程シーケンスも可能であり、必要になることがある。しかし、説明を単純にするために、これらはここに列挙しない。
【0031】
包装機内には広範囲に及ぶ異なるタイプの動作リソースがある。様々なタイプの選択が、調節弁、ヒータ、サーボモータ、ポンプ、通風機、流量調節弁、温度センサおよび空圧ドライブを含む。他の動作リソースも可能であり、必要に応じて必要なときに起動することができる。
【0032】
さらなる態様は請求項15に記載の包装機である。そのときに、制御装置が動作状態に応じて工程シーケンスのうちの1つにアクチュエータへのアクセス許可を排他的にだけ付与する場合は、包装機の状態の定義された記述は、どの時点においても可能である。
【0033】
本主題は、例示的な実施形態を示す図によって以下により詳細に説明する。