(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記保持面は、前記第一ワークのサイズよりも小さな略矩形に形成され、前記第一ワークの前記表面が下向きとなるように裏面の中央部位を着脱自在に保持するチャック機構を有し、前記チャック機構が吸着チャックであることを特徴とする請求項1記載のワーク貼り合わせ装置。
表面にディスプレイの機能部が形成された略矩形フィルム状の第一ワークを移送し、前記第一ワークが着脱自在に保持される下向きの保持面を有する上側の第一ステージと、第二ワークを保持する第二ステージの相対的な接近移動により、前記第一ワークと前記第二ワークを位置合わせして貼り合わせるワーク貼り合わせ方法であって、
前記第一ワークにおいて少なくとも一組の対辺を、受け取り位置で複数のハンド部材の挟持部によりそれぞれ挟み込む挟持工程と、
前記複数の挟持部により前記第一ワークの少なくとも前記一組の対辺を挟み込んだ状態で前記複数のハンド部材を前記受け取り位置から、前記第一ワークの裏面が前記保持面と交差する方向へ離隔して配置される中間位置に向け移動させる第一移送工程と、
前記挟持部により前記第一ワークの少なくとも前記一組の対辺を挟み込んだ状態で前記複数のハンド部材を前記中間位置から、前記保持面と交差する方向へ前記保持面の延長平面を越えて配置された受け渡し位置に向け移動して前記ワークが引っ張られ、前記第一ワークの引っ張りに伴い前記保持面に沿って前記第一ワークが全体的に張った状態で、前記裏面の中央部位を前記保持面に保持する第二移送工程と、
前記保持面による前記第一ワークの保持完了後に前記受け渡し位置において前記複数のハンド部材の前記挟持部による前記第一ワークの少なくとも前記一組の対辺の挟み込みを解除する挟持解除工程と、を含むことを特徴とするワーク貼り合わせ方法。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施形態に係るワーク搬送装置Aは、
図1〜
図12に示すように、フレキシブルディスプレイなどのフィルム基板(プラスチックフィルム)や、フラットパネルディスプレイなどのカバーフィルムなどからなるフィルム状のワークWを受け取って着脱自在に保持し、平滑な保持面hなどに向け移送して受け渡す枚葉式のフィルム搬送装置である。
フィルム状のワークWは、後述する保持面hのサイズよりも大きな矩形(長方形及び正方形を含む角が直角の四辺形)やこれと類似する形状(略矩形)に形成される。ワークWの表面Wa又は裏面Wbのいずれか一方においてその外周部を除く中央のアクティブエリアには、TFTパターンやCFパターンなどの機能部(図示しない)が形成される。図示例の場合には、機能部が形成される面を表面Waとしている。
ワークWは、相対する二組の対辺Wc,Wdを有し、そのうちいずれかの対辺Wc,Wdが後述する複数のハンド部材1と対向するように供給される。
保持面hは、ワークWのサイズよりも小さな矩形やこれと類似する略矩形に形成され、ワークWを着脱自在に保持するために後述するチャック機構を有している。
【0008】
本発明の実施形態に係るワーク貼り合わせ装置Bは、液晶ディスプレイ(LCD)や有機ELディスプレイ(OLED)等のフレキシブルディスプレイ又はフラットパネルディスプレイなどを含む貼合デバイスDの製造装置である。ワーク貼り合わせ装置Bに向けて貼合デバイスDを構成する第一ワークW1と第二ワークW2がワーク搬送装置Aにより供給される。
ワーク貼り合わせ装置Bは、第一ワークW1を第一ステージ11に保持し、第二ワークW2を第二ステージ12に保持し、第一ステージ11と第二ステージ12の相対的な接近移動により第一ワークW1及び第二ワークW2を高精度に位置合わせして貼り合わせる。
詳しく説明すると、ワーク貼り合わせ装置Bは、
図2〜
図11に示すように、第一ワークW1が保持される第一ステージ11と、第一ステージ11と対向して第二ワークW2が保持される第二ステージ12と、第一ステージ11又は第二ステージ12のいずれか一方若しくは両方を相対的に接近移動させる接離用駆動部21と、第一ステージ11又は第二ステージ12のいずれか一方若しくは両方を対向方向と交差する方向へ相対的に調整移動させるアライメント用駆動部22と、を主要な構成要素として備えている。
第一ワークW1又は第二ワークW2のいずれか一方か若しくは第一ワークW1及び第二ワークW2の両方は、フィルム状のワークWである。第一ワークW1又は第二ワークW2のいずれか一方のみがフィルム状のワークWである場合には、第一ワークW1又は第二ワークW2の他方がガラス基板などの板状ワークとなる。
第一ステージ11又は第二ステージ12のいずれか一方か若しくは第一ステージ11及び第二ステージ12の両方は、第一ワークW1又は第二ワークW2のいずれか一方若しくは両方を保持する保持面hを有している。
保持面hには、第一ワークW1や第二ワークW2を着脱自在に保持するチャック機構13が設けられる。チャック機構13としては、真空吸着方式の吸着チャックや静電チャックや粘着チャックなどが用いられる。吸着チャックと静電チャックを併用することが好ましい。
なお、第一ステージ11及び第二ステージ12は、通常上下方向へ対向するように配置され、上側の第一ステージ11と下側の第二ステージ12により第一ワークW1及び第二ワークW2が貼り合わされる方向を以下「Z方向」という。Z方向と交差する第一ワークW1及び第二ワークW2に沿った方向を以下「XY方向」や「XYθ方向」という。
【0009】
ワーク貼り合わせ装置Bの具体例として
図2〜
図11に示される場合には、貼合デバイスDとしてフレキシブルディスプレイなどを生産するため、第一ワークW1及び第二ワークW2の両方がフィルム状のワークWである。上側の第一ステージ11の保持面hに対して第一ワークW1をその表面Waが下向きとなるように保持するとともに、下側の第二ステージ12の保持面hに対して第二ワークW2をその表面Waが上向きとなるように保持している。
第一ステージ11及び第二ステージ12は、真空チャンバ30の内部に配設して、第一ステージ11の保持面hに保持された第一ワークW1と、第二ステージ12の保持面hに保持された第二ワークW2とを貼り合わせることが好ましい。真空チャンバ30の内部には、減圧可能な貼り合わせ空間Sが形成され、減圧雰囲気において、第一ステージ11にの保持面hに保持された第一ワークW1と、第二ステージ12の保持面hに保持された第二ワークW2とを重ね合わせる。
真空チャンバ30は、真空ポンプや圧縮機などの減圧用駆動源30aを有し、貼り合わせ空間Sを大気雰囲気から所定真空度の減圧雰囲気まで調整可能にしている。特に、第一ワークW1と第二ワークW2の貼り合わせ後に、貼り合わせ空間Sを大気雰囲気に戻すことで、貼合デバイスDの封止空間の内圧と圧力差が生じ、この圧力差により貼合デバイスDを所定ギャップまで均等に加圧することが好ましい。
さらに、真空チャンバ30は、貼り合わせ空間Sに第一ワークW1及び第二ワークW2を出し入れするためにその全体又は一部が開閉自在に構成され、貼り合わせ空間Sと真空チャンバ30の外部空間Oに亘りワーク搬送装置Aを設けている。
図示例の場合には、真空チャンバ30の一部に出入口31が開設され、出入口31を通ってワーク搬送装置Aが移動可能に配設されるとともに、ワーク貼り合わせ時には出入口31を開閉扉32で密閉している。
また、その他の例として図示しないが、特開2009−265265号公報に記載されるように真空チャンバ30を複数に分割して開閉自在に連結させることも可能である。
【0010】
一方、本発明の実施形態に係るワーク搬送装置Aは、ワークWにおいて二組の対辺Wc,Wdのうち少なくとも一組の対辺Wcに沿って設けられる複数のハンド部材1と、複数のハンド部材1を保持面hに向けて移動させるハンド駆動機構2と、ハンド駆動機構2などを作動制御する制御部3と、を主要な構成要素として備えている。
ハンド部材1は、ワークWにおいて各辺Wc,Wdの略全長に沿った帯板状に形成される。
複数のハンド部材1は、ワークWにおいて一組の対辺Wcに沿って略平行状に形成されるか、二組の対辺Wc,Wdに沿って四角枠状に形成されるか、若しくは連続する三辺(一組の対辺Wc及び両者間のいずれか一方の辺Wd)に沿ってコの字状に形成される。
複数のハンド部材1には、対辺Wc,Wdをその厚み方向(Z方向)にそれぞれ挟み込む複数の挟持部1aが設けられ、複数の挟持部1aによってワークWを保持(吊持)する。
特に、複数のハンド部材1が略平行状又はコの字状に形成される場合には、ワークWを全体的に均一な吊り下げ状態又は均一なテンション状態で保持するため、複数のハンド部材1において対向する一端側をワークWの幅方向(X方向)へ揺動自在に支持するなど、調整移動可能することが好ましい。
【0011】
複数の挟持部1aは、保持面hの幅方向(X方向又はY方向のいずれか一方若しくは両方)の寸法よりも長い間隔を空けて配設される。
複数の挟持部1aの間隔は、ワークWにおいて少なくとも一組の対辺Wcよりも中央部位Weを吊り下げるように固定配置することが好ましい。
また、その他の例として図示しないが、保持面hに対するワークWの移送に連動して複数の挟持部1aを保持面hの幅方向(X方向)へ互いに接近又は隔離するように移動可能に配置したり、ワークWの全体的な吊り下げ状態やテンション状態を調整するために複数の挟持部1aをワークWの幅方向(X方向)へ接近又は隔離するように移動可能に配置したり変更可能である。
複数の挟持部1aには、ワークWの各辺Wc,Wdにおいて表面Wa又は裏面Wbのいずれか一方か若しくは表面Wa及び裏面Wbの両方と対向当接する可動部位1cを有することが好ましい。
可動部位1cは、駆動源1bによりワークWの厚み方向(Z方向)へ移動自在に支持されている。
駆動源1bは、ロータリーアクチュエータなどの回転式駆動部からなり、後述する制御部3で作動制御される。駆動源1bは、可動部位1cの基端に装着し、可動部位1cの先端側をZ方向へ回転して開閉移動させることが好ましい。
さらに、複数の挟持部1aには、可動部位1cを常時閉動方向へ付勢する押圧手段(図示しない)がそれぞれ設けられて、ワークWの抜け落ちを防止することが好ましい。これらの押圧手段としては、例えば永久磁石などを用いることが好ましい。
また、複数の挟持部1aのワーク当接面には、滑り止め手段(図示しない)がそれぞれ設けられて、ワークWの抜け落ちを防止することが好ましい。この滑り止め手段としては、例えばウレタン樹脂やシリコーン樹脂などからなる弾性変形可能な緩衝材を用いることが好ましい。
【0012】
複数のハンド部材1の具体例として
図1〜
図12に示される場合には、複数のハンド部材1がワークWの一組の対辺Wcに沿って二本それぞれ略平行状に配置される。複数の挟持部1aの可動部位1cとして回動片を、一組の対辺Wcの裏面Wbに向けそれぞれ開閉移動自在に当接させ、一組の対辺Wcを挟んで反対側には、移動不能な不動部位1dが設けられている。
二本の略平行状なハンド部材1には、両者間に亘って連結片1e,1fを架け渡して枠状に組み付けることにより、複数の挟持部1aの間隔がワークWの一組の対辺Wcよりも中央部位Weを吊り下げる状態で固定配置されている。このため、ワークWは、複数の挟持部1aで挟み込まれる(挟持される)一組の対辺Wcよりも中央部位Weを低くした曲面状に吊持される。
また、その他の例として図示しないが、複数のハンド部材1を二組の対辺Wc,Wdが挟持される四角枠状や、連結片1e,1fのいずれか一方を外して連続する三辺Wc,Wdが挟持されるコの字状に変更したり、不動部位1dを設けずに各辺Wc,Wdにおいて表面Wa及び裏面Wbの両方に対し一対の可動部位1cをそれぞれ当接させたりなど変更可能である。
【0013】
ハンド駆動機構2は、複数のハンド部材1をワークWの受け取り位置P1から中間位置P2を経て保持面hに対する受け渡し位置P3に向けてXY方向及びZ方向へ往復動させるアクチュエータなどの駆動部2aを有し、後述する制御部3により作動制御している。
ワークWの受け取り位置P1とは、フィルム状のワークWをワーク貼り合わせ装置Bなどの搬送先に向けて供給するため、搬送元となる機器などが配置される箇所をいう。搬送元となる機器の具体例としては、複数のワークWを一時的に蓄えるワークストッカーなどの貯蔵庫Cが挙げられる。貯蔵庫Cについては後述する。
中間位置P2は、複数のハンド部材1の挟持部1aで挟み込んだワークWの裏面Wbが、保持面hと交差する方向(Z方向)へ所定間隔だけ離れるように配置される。
受け渡し位置P3は、複数のハンド部材1の挟持部1aで挟み込んだワークWの一組の対辺Wcが、保持面hと交差する方向(Z方向)へ保持面hの延長線
(延長平面)を越えるように配置される。
【0014】
制御部3は、挟持部1aの駆動源1bやハンド駆動機構2の駆動部2aだけでなく、保持面hに設けられるチャック機構13の駆動源(図示しない)、接離用駆動部21、アライメント用駆動部22、真空チャンバ30の減圧用駆動源30a、開閉扉32の駆動源32aなどにも電気的に接続するコントローラである。
接離用駆動部21は、第一ステージ11又は第二ステージ12のいずれか一方か若しくは第一ステージ11及び第二ステージ12の両方をZ方向へ往復動させるアクチュエータなどで構成される。
アライメント用駆動部22は、第一ステージ11又は第二ステージ12のいずれか一方か若しくは第一ステージ11及び第二ステージ12の両方をXY方向やXYθ方向へ調整移動させるアクチュエータなどで構成される。
制御部3となるコントローラは、その制御回路(図示しない)に予め設定されたプログラムに従って、予め設定されたタイミングで順次それぞれ作動制御している。
【0015】
そして、制御部3の制御回路に設定されたプログラムを、ワークWを受け取って着脱自在に保持し、ワークWが保持された状態で平滑な保持面hへ移送するワーク搬送方法、及び、貼合デバイスDを生産するためのワーク貼り合わせ方法として説明する。
本発明の実施形態に係るワーク搬送方法は、ワークWの一組の対辺Wcを受け取り位置P1で複数のハンド部材1の挟持部1aにより挟み込む挟持工程と、複数のハンド部材1を受け取り位置P1から中間位置P2に向け移動させる第一移送工程と、複数のハンド部材1を中間位置P2から受け渡し位置P3に向け移動させる第二移送工程と、保持面hによるワークWの保持完了後に受け渡し位置P3において複数のハンド部材1の挟持部1aによるワークWの一組の対辺Wcの挟み込みを解除する挟持解除工程と、を主要な工程として含んでいる。
【0016】
前記挟持工程では、
図1(a)(b)に示されるように、制御部3が受け取り位置P1において挟持部1aの駆動源1bを作動させ、挟持部1a(可動部位1c)が挟み込み方向へ移動する。
このため、複数のハンド部材1において複数の挟持部1a(可動部位1c)が、ワークWにおいて少なくとも保持面hの幅寸法よりも長い間隔が空くように配置される一組の対辺Wcをそれぞれ挟み込んで脱落不能に保持する。
前記第一移送工程では、
図2(a)(b)及び
図5(a)(b)に示されるように、制御部3がハンド駆動機構2の駆動部2aを作動させて、複数のハンド部材1が受け取り位置P1から中間位置P2に向けY方向又はX方向のいずれか一方若しくは両方などへ移動する。
このため、複数の挟持部1aで両者間に亘って保持したワークWは、受け取り位置P1から中間位置P2まで移送され、ワークWの裏面Wbが保持面hとZ方向へ離れて対向する。
【0017】
前記第二移送工程では、
図3(a)(b)及び
図6(a)(b)に示されるように、制御部3がハンド駆動機構2の駆動部2aを作動させて、複数のハンド部材1と共に複数の挟持部1aが中間位置P2から受け渡し位置P3に向けZ方向へ方向転換し、保持面hの延長線を越えて保持面hよりも奥側の受け渡し位置P3まで移動する。
このため、複数の挟持部1aに亘って保持したワークWは、中間位置P2から少なくとも一組の対辺Wcが保持面hの延長線を越えて、保持面hよりも奥側の受け渡し位置P3まで移送される。
これにより、ワークWにおいて少なくとも一組の対辺Wcが保持面hよりも奥側に向けZ方向へそれぞれ引っ張られるため、ワークWの裏面Wbの中央部位Weが保持面hに接近し、保持面hに沿ってワークWが全体的に張った状態となる。
この状態で、保持面hのチャック機構13が作動して、保持面hに対しワークWの裏面Wbの中央部位Weを移動不能に保持する。
特に、ワークWのサイズが大型化した場合は、
図3(a)(b)及び
図6(a)(b)に示されるように、複数の挟持部1aによりワークWを少なくともその一組の対辺Wcよりも中央部位Weが曲面状に吊り下がった状態で保持すると、ワークWの重力で裏面Wbの中央部位Weが保持面hに対してスムーズに接近しないことも考えられる。
そこで、このような場合には、複数の挟持部1aをワークWの幅方向(X方向)へ隔離移動させて、ワークWをその一組の対辺Wcと中央部位Weが略同一高さの張った状態にすることが好ましい。これにより、ワークWの裏面Wbの中央部位Weを保持面hに対して強制的に接近させることができる。
このため、チャック機構13が真空吸着方式の吸着チャックなどであっても、ワークWの裏面Wbの中央部位Weを確実に吸着保持することが可能になる。
【0018】
前記挟持解除工程では、
図4(a)(b)及び
図7(a)(b)に示されるように、保持面hに対するワークWの保持完了後に、制御部3が受け渡し位置P3において挟持部1aの駆動源1bを作動させ、挟持部1a(可動部位1c)が挟み込み方向と逆の挟み込み解除方向へ移動する。
このため、挟持部1a(可動部位1c)が、ワークWの一組の対辺Wcをそれぞれ開放して、ワークWは張った状態で保持面hに受け渡される。
また、前記挟持解除工程の後工程としては、制御部3がハンド駆動機構2の駆動部2aを作動させて、複数のハンド部材1が受け渡し位置P3から中間位置P2を経て受け取り位置P1に向けY方向又はX方向のいずれか一方若しくは両方などへ逆移動し、初期状態に戻る。
【0019】
本発明の実施形態に係るワーク貼り合わせ方法は、前述したワーク搬送方法により搬送された第一ワークW1や第二ワークW2を第一ステージ11や第二ステージ12の保持面hに保持して受け渡すワーク保持工程と、第一ステージ11と第二ステージ12の相対的な接近移動により第一ワークW1及び第二ワークW2を重ね合わせる貼り合わせ工程と、第一ステージ11と第二ステージ12の相対的な調整移動により第一ワークW1及び第二ワークW2を位置合わせするアライメント工程と、を主要な工程として含んでいる。
さらに、貼り合わせが完了した貼合デバイスDを第一ステージ11や第二ステージ12から前述したワーク搬送方法により取り外して移送する搬出工程を含むことが好ましい。
前記ワーク保持工程の具体例として
図2(a)(b)〜
図7(a)(b)に示される場合には、先ず第一ステージ11の保持面hに向け前述のワーク搬送方法でフィルム状の第一ワークW1が移送された後に、制御部3が吸着チャックや静電チャック又は粘着チャックなどからなるチャック機構13の駆動源を作動させて、第一ステージ11の保持面hに対し第一ワークW1の裏面Wbが移動不能に保持して受け渡される。次に第二ステージ12の保持面hに向け前述のワーク搬送方法でフィルム状の第二ワークW2が移送された後に、チャック機構13により第二ステージ12の保持面hに対し第二ワークW2の裏面Wbが移動不能に保持して受け渡される。
また、その他の例として図示しないが、第一ステージ11又は第二ステージ12のいずれか一方の保持面hに対して前述のワーク搬送方法で移送されたフィルム状の第一ワークW1や第二ワークW2を受け渡し、第一ステージ11又は第二ステージ12の他方の保持面hに対しては、搬送ロボットなどでガラス基板などの板状ワークを受け渡すことも可能である。
【0020】
前記貼り合わせ工程では、
図8(a)(b)に示されるように、制御部3が接離用駆動部21を作動させて、第一ステージ11又は第二ステージ12のいずれか一方か若しくは第一ステージ11及び第二ステージ12の両方がZ方向へ相対的に接近移動する。
このため、第一ステージ11に保持した第一ワークW1の表面Waと、第二ステージ12に保持した第二ワークW2の表面Waとがシール材(図示しない)などを挟んでZ方向へ重ね合わされる。
この際、第一ステージ11及び第二ステージ12が真空チャンバ30の内部に配設される場合には、前記貼り合わせ工程の前工程として制御部3が開閉扉32の駆動源32aを作動させて、貼り合わせ空間Sが密閉される。これに加えて、制御部3が真空チャンバ30の減圧用駆動源30aを作動させて、貼り合わせ空間Sが大気雰囲気から減圧され、所定真空度の減圧雰囲気に達した時点で第一ワークW1及び第二ワークW2の重ね合わせを行う。
また、この重ね合わせと略同時、すなわち第一ワークW1及び第二ワークW2の表面Wa同士の貼り合わせが完了する直前に前記アライメント工程が行われる。
前記アライメント工程では、制御部3が接離用駆動部21を作動させて、第一ステージ11又は第二ステージ12のいずれか一方を他方に対しXY方向やXYθ方向へ相対的に調整移動する。
このため、第一ワークW1と第二ワークW2の相対的な位置合わせが高精度に行われる。この位置合わせ完了後に、接離用駆動部21による第一ワークW1と第二ワークW2の重ね合わせが完了するように作動制御している。
【0021】
前記搬出工程では、
図9(a)(b)〜
図11(a)(b)に示されるように、貼合デバイスDを前述のワーク搬送方法で移送するが、制御部3による接離用駆動部21などの作動制御を前述した作動制御と逆にしている。
先ず、前記貼り合わせ工程の完了状態で、制御部3が上側の第一ステージ11の保持面hに設けられるチャック機構13を作動停止させる。
このため、上側の第一ステージ11の保持面hから第一ワークW1が剥離可能になる。
その次に、
図9(a)(b)に示されるように、制御部3が接離用駆動部21を逆向きに作動させて、第一ステージ11又は第二ステージ12のいずれか一方か若しくは第一ステージ11及び第二ステージ12の両方がZ方向へ相対的に隔離移動する。
このため、貼合デバイスDは、下側の第二ステージ12に載置された状態で残される。
この際、第一ステージ11及び第二ステージ12が真空チャンバ30の内部に配設される場合には、制御部3が開閉扉32の駆動源32aを開動させて、貼り合わせ空間Sが出入口31を通して大気開放される。
【0022】
これに続いて、前述したワーク搬送方法と同様に、制御部3がハンド駆動機構2の駆動部2aを作動させて、複数のハンド部材1を初期状態から第二ステージ12上の貼合デバイスDに向けY方向又はX方向のいずれか一方若しくは両方などへ移動する。
この際、貼合デバイスDにおいて第一ワークW1及び第二ワークW2が重なり合った一組の対辺Wcは、
図9(a)に示されるように、第二ステージ12からY方向へそれぞれ突出して自重により垂れ下がる。このため、複数のハンド部材1において挟持部1aの可動部位1cを開動させ、その先端が第二ステージ12の保持面hの延長線を越えて、対辺Wcの先端よりも奥側(下方)に位置させている。
その後、
図10(a)(b)に示されるように、制御部3が挟持部1aの駆動源1bを作動させ、挟持部1aの可動部位1cが挟み込み方向へ移動する。
これにより、第二ステージ12の保持面hから垂れ下がった貼合デバイスDの貼合デバイスDの一組の対辺Wcを挟持部1aの可動部位1cがそれぞれ挟み込んで脱落不能に保持する。
これに続いて、
図11(a)(b)に示されるように、制御部3がハンド駆動機構2の駆動部2aを作動させて、複数のハンド部材1がZ方向へ保持面hから離れるように移動する。
これにより、複数のハンド部材1は、第二ステージ12から貼合デバイスDを受け取り、貼合デバイスDは複数の挟持部1aに亘って保持される。このため、それ以降はハンド駆動機構2の駆動部2aで、複数のハンド部材1をY方向又はX方向のいずれか一方若しくは両方などへ移動しても、貼合デバイスDが第二ステージ12の保持面hと接触せずに貼合デバイスDの回収位置に向けて搬出可能となる。
【0023】
ところで、本発明の実施形態に係るワーク搬送装置Aは、フィルム状のワークWをワーク貼り合わせ装置Bに向けて供給することのみに限定されず、それ以外に用いることが可能である。
その一例として、フィルム状のワークWをワークストッカーなどの貯蔵庫Cに適用した場合について説明する。
貯蔵庫Cの具体例として
図12(a)〜(c)に示される場合には、前述したワーク搬送方法と同様に、フィルム状のワークWを貯蔵庫Cの棚板C1に向け移送して受け渡している。
図12(a)では、前述したワーク搬送方法の第一移送工程と同様に、複数のハンド部材1を受け取り位置(図示しない)から中間位置P2に向けへ移動させている。
これにより、複数の挟持部1aに亘って保持したワークWの裏面Wbが搬送先の棚板C1とZ方向へ離れて対向する。
図12(b)では、前述したワーク搬送方法の第二移送工程と同様に、複数のハンド部材1を中間位置P2から受け渡し位置P3に向けZ方向へ移動させている。
このため、複数の挟持部1aに亘って保持したワークWは、中間位置P2から受け渡し位置P3まで移送したワークWの一組の対辺Wcが棚板C1の表面の延長線を越えて、棚板C1よりも奥側まで移送される。これにより、棚板C1の表面に対しワークWの裏面Wbが接触した状態でワークWの一組の対辺Wcが更に引っ張られる。
図12(c)では、前述したワーク搬送方法の挟持解除工程と同様に、挟持部1a(可動部位1c)を挟み込み方向と逆の挟み込み解除方向へ移動させている。
このため、挟持部1a(可動部位1c)が、ワークWの一組の対辺Wcをそれぞれ開放して、ワークWは張った状態で棚板C1に受け渡される。
また、その他の例として図示しないが、上述した
図12(a)〜(c)の順序を逆に動作させることにより、貯蔵庫Cの棚板C1上に載置されたワークWを複数の挟持部1aで受け取って、ワーク貼り合わせ装置Bの第一ステージ11や第二ステージ12に向けて移動(搬入)することが可能になる。
【0024】
このような本発明の実施形態に係るワーク搬送装置A及びワーク搬送方法によると、受け取り位置P1において複数の挟持部1aの駆動源1bの作動により、複数のハンド部材1の複数の挟持部1aがそれぞれ挟み込み方向へ移動して、ワークWの一組の対辺Wcを脱落不能に保持する。
その後、ハンド駆動機構2の作動により複数のハンド部材1が受け取り位置P1から中間位置P2まで移動して、複数の挟持部1aで保持したワークWの裏面Wbが保持面hと交差する方向(Z方向)へ対向するように移送される。
これに続いて、ハンド駆動機構2の作動により複数のハンド部材1が中間位置P2から受け渡し位置P3まで移動して、複数の挟持部1aで保持したワークWの一組の対辺Wcが保持面hの延長線を越えるように移送される。
これにより、ワークWの裏面Wbが保持面hに接近し、保持面hに沿ってワークWが全体的に張った状態となる。
これに続いて保持面hでワークWが保持された後に、受け渡し位置P3において複数の挟持部1aの駆動源1bの作動により、複数のハンド部材1の複数の挟持部1aがそれぞれ挟み込み解除方向へ移動して、ワークWの一組の対辺Wcを開放する。
これにより、保持面hに対してワークWが張った状態のまま受け渡される。
したがって、保持面hに対してフィルム状のワークWをサイズに関係なく機能部が張った状態のまま均一に受け渡すことができる。
その結果、気体の流入により凸状に膨らんだシートフィルムをその中心部から外周に向かって上ステージに吸着させる従来のものに比べ、フィルム状のワークWが大型化しても、保持面hに対する受け渡し時においてフィルム状のワークWにシワが発生せず、表面WfのTFTパターンやCFパターンなどの機能部にダメージを与えることがなく、高品質な受け渡しが実現できる。
さらに、完全な密閉構造にする必要がないため、フィルム状のワークWが大型化しても、これに伴い複数の挟持部1aを含む複数のハンド部材1の含む重量が著しく重くならず、ハンド駆動機構2も大型化する必要がない。これによって、大型化のフレキシブルディスプレイなどのサブミクロン精度の高精度な貼合デバイスDを簡単に製造できる。
【0025】
特に、複数の挟持部1aをワークWの一組の対辺Wcよりも中央部位Weが吊り下げられる間隔で固定配置することが好ましい。
この場合には、複数の挟持部1aが所定の間隔で移動不能に固定されるため、ワークWの移送中にワークWが変形せず、ワークWの振動や位置ズレが発生しない。
したがって、簡素な構造で保持面hに対しフィルム状のワークWを安定して受け渡すことができる。
その結果、フィルム状のワークWの高品質な受け渡しが実現でき、サブミクロン精度の高精度な貼合デバイスDをより簡単に製造できる。
【0026】
また、このような本発明の実施形態に係るワーク貼り合わせ装置B及びワーク貼り合わせ方法によると、第一ステージ11や第二ステージ12の保持面hに対して、ワーク搬送装置Aにより移送したフィルム状の第一ワークW1や第二ワークW2が受け渡される。
したがって、第一ステージ11や第二ステージ12に対して第一ワークW1,第二ワークW2をサイズに関係なく張った状態のまま均一で且つ正確に受け渡すことができる。
その結果、シートフィルムの膨出形状が不安定であるため上ステージの表面に対するシートフィルムの受け渡し時においてシートフィルムが位置ズレし易い従来のものに比べ、第一ステージ11や第二ステージ12に対して第一ワークW1,第二ワークW2を正確に受け渡すことができる。特にサブミクロン精度を要求される貼り合せに対しても、面内を均一な状態で貼り合せることができる。このため、サブミクロン精度の高精度な貼合デバイスDを製造できる。
【0027】
なお、前示の実施形態において図示例では、第一ワークW1及び第二ワークW2の両方がフィルム状のワークWであり、貼合デバイスDとしてフレキシブルディスプレイを生産する場合を説明したが、これに限定されず、第一ワークW1又は第二ワークW2のいずれか一方のみがフィルム状のワークWであってもよい。
この場合には、第一ワークW1又は第二ワークW2の他方がガラス基板などの板状ワークとなり、フィルム状のワークWと板状ワークが貼り合わされることで、フラットパネルディスプレイの生産が可能となる。
また、複数の挟持部1aによりワークWを少なくともその一組の対辺Wcよりも中央部位Weが曲面状に吊り下がった状態で保持し、この吊り下げ状態のまま保持面hに向けてZ方向へ移動させたが、これに限定されず、複数の挟持部1aによりワークWを少なくともその一組の対辺Wcと中央部位Weが略同一高さの張った状態で保持し、この張った状態のまま保持面hに向けてZ方向へ移動させてもよい。
この場合には、保持面hに対するワークWの移送に連動して、ワークWの裏面Wbの中央部位Weが保持面hに接触した後、前記第二移送工程で少なくとも一組の対辺Wcが保持面hの延長線を越えて保持面hよりも奥側の受け渡し位置P3へ移動すると、これに連動して少なくとも一組の対辺Wc及び複数の挟持部1aの間隔が保持面hの幅方向(X方向)へ互いに接近移動する。このため、保持面hにワークWの裏面Wbの中央部位Weが圧接してワークWが全体的に張った状態となり、前述した曲面状の吊り下げ状態と同様に保持面hに対してワークWが張った状態のまま受け渡すことができる。
【解決手段】少なくとも一組の対辺を着脱自在に挟み込む複数の挟持部を有する複数のハンド部材1と、複数のハンド部材1をワークWの受け取り位置から中間位置を経て保持面に対する受け渡し位置に向け移動させるハンド駆動機構と、複数の挟持部1aの駆動源及びハンド駆動機構を夫々作動制御する制御部と、を備え、制御部は、受け取り位置で複数の挟持部1aを対辺の挟み込み方向へ移動させ、複数の挟持部1aが挟み込み方向へ移動した状態で複数のハンド部材1を、受け取り位置からワークWの裏面が保持面と交差する方向へ離隔して配置される中間位置に向け移動し、中間位置からワークWの少なくとも一組の対辺が保持面の延長線を越える受け渡し位置に向け移動し、受け渡し位置にて複数の挟持部1aを挟み込み解除方向へ移動させるように制御する。