(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6236583
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】自動車のステアリングコラムに対するデッドロック手段を有する盗難防止装置
(51)【国際特許分類】
B60R 25/021 20130101AFI20171120BHJP
E05B 83/00 20140101ALI20171120BHJP
【FI】
B60R25/021
E05B83/00 A
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-561443(P2014-561443)
(86)(22)【出願日】2013年3月13日
(65)【公表番号】特表2015-511555(P2015-511555A)
(43)【公表日】2015年4月20日
(86)【国際出願番号】EP2013055177
(87)【国際公開番号】WO2013135787
(87)【国際公開日】20130919
【審査請求日】2016年3月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】506415218
【氏名又は名称】ヴァレオ セキュリテ アビタクル
(74)【代理人】
【識別番号】100060759
【弁理士】
【氏名又は名称】竹沢 荘一
(74)【代理人】
【識別番号】100087893
【弁理士】
【氏名又は名称】中馬 典嗣
(72)【発明者】
【氏名】パトリス ポッジ
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ ペラン
【審査官】
粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】
特開2012−040951(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0186311(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 25/00−40
E05B 83/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のステアリングコラムに対するデッドロックを有する盗難防止装置であって、
− ステアリングコラムから離れた位置に置かれるようになっているロック解除位置と、前記ステアリングコラムを不動にしているロック位置との間を移動可能なように取り付けられているボルト(4)を備えるロック手段と、
− ボルト(4)をロック位置にブロックするようになっているブロック要素を備え、このブロック要素は、前記ボルト(4)に向かって押圧されて、前記デッドロック手段の解放要素(11)によって、ボルト(4)から離れた位置に保持されているデッドロック手段と、
− 前記デッドロック手段と前記ロック手段とを収容している盗難防止装置ボディ(3,9)とを備える盗難防止装置において、
A:前記デッドロック手段は、解放要素(11)の保護装置(12)を備え、この保護装置(12)は、解放要素(11)と盗難防止装置ボディ(3、9)との間に配置されて、それらの間に遮蔽体を形成していること、及び
B:前記保護装置(12)は、それ自体が閉じて回転軸に沿って延びている表面によって形成されていること;を特徴とする自動車のステアリングコラムに対するデッドロックを有する盗難防止装置
【請求項2】
保護装置(12)は、少なくとも部分的に、解放要素(11)の周囲に配置されている
ことを特徴とする、請求項1に記載の盗難防止装置。
【請求項3】
前記解放要素は、前記保護装置の前記回転軸と概ね共線形な主軸に沿って延びている
ことを特徴とする、請求項1に記載の盗難防止装置。
【請求項4】
前記解放要素の主軸と前記回転軸とは、一直線上に配置されていることを特徴とする、請求項3に記載の盗難防止装置。
【請求項5】
解放要素(11)は、概ね細長い形状を有し、第1の自由端(11a)は、前記ブロック要素の上を押圧して、前記ブロック要素をボルト(4)から離して保持し、第2の端部(11b)は、盗難防止装置(1)のロック(7)に固着するようになっていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の盗難防止装置。
【請求項6】
解放要素(11)は、離脱ゾーンを有していることを特徴とする、請求項5に記載の盗難防止装置。
【請求項7】
解放要素(11)の第2の端部(11b)は、ロック(7)の相補形状と係合する形状を有し、解放要素(11)とロック(7)との間での、回転および並進移動における位置をブロックし、確定していることを特徴とする、請求項5または6に記載の盗難防止装置。
【請求項8】
前記第2の端部の形状と、前記ロックの形状とは、概ね、H形をなしていることを特徴とする、請求項7に記載の盗難防止装置。
【請求項9】
盗難防止装置ボディ(3、9)は、第1の部分と第2の部分と、ロック(7)とを備え、ロック(7)は、盗難防止装置ボディの前記第2の部分(9)の中に挿入されるようになっており、盗難防止装置ボディの前記第1の部分(3)は、ロック手段(4)とデッドロック手段とを収容するようになっており、解放要素(11)を保護するための前記装置(12)は、少なくとも部分的に、解放要素(11)と盗難防止装置ボディの第2の部分(9)との間にスクリーンを形成していることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の盗難防止装置。
【請求項10】
盗難防止装置ボディの前記第2の部分(9)は、プラスチック材料からなっていることを特徴とする、請求項8に記載の盗難防止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のステアリングコラム機構を安全に守るための盗難防止装置に関する。より詳細には、本発明は、デッドロック手段によってロックされるようになっている可動ボルトを使用した盗難防止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
盗難防止装置は、ロック手段を備え、このロック手段は、盗難防止装置ボディの中で、ロック解除位置とロック位置との間で移動可能なように取り付けられている可動ボルトを備えている。ロック解除位置では、可動ボルトは、ステアリングコラムから離れて位置するようになっており、ロック位置では、可動ボルトは、このステアリングコラムをロックするようになっている。このボルトは、盗難防止装置ボディの中に一体化された回転ロックを介して移動される。
【0003】
安全性が強化された、いくつかの盗難防止装置は、不法の強制侵入が試みられた場合に、ボルトをロック位置にロックするようになっているデッドロック手段を更に備えている。悪意ある人間は、ロックを引き抜いて、ボルトにアクセスし、ステアリングコラムを解放して回転させるために、ボルトを機能不全にしようとする可能性がある。デッドロック手段が存在することによって、ロックが引き抜かれた後に、ボルトをそのロック位置に保持することができ、このような場合にも、ステアリングコラムは、回転がロックされた状態に保持される。
【0004】
この目的のために、デッドロック手段は、ボルトをロック位置にブロックするようになっているブロック要素を備えている。このブロック要素は、デッドロック手段の解放要素の第1の端部によって、ボルトから離れた受動位置に保持される。解放要素の第2の端部は、ロックに止着されている。悪意ある人間によって、ロックが引き出された場合には、解放要素の第2の端部は、ロックに不動的に接続され、それにより活性化されて、ブロック要素を保持することはなく、ブロック要素は、ボルトに向かって移動して、ボルトをロック位置にブロックする。
【0005】
しかし、現在、デッドロック盗難防止装置を攻撃するための新たな方法が存在している。例えば、「接着剤」攻撃が知られている。ロックを収容している盗難防止装置ボディは、一般に、プラスチックで作られている。そのため、接着剤攻撃では、解放要素の近くにおける盗難防止装置ボディの個所に、ドリルで孔あけを行う。次いで悪意のある窃盗者は、ドリルであけた孔に、接着剤を充填する。接着剤は、おおむねロッド状をしている解放要素を、盗難防止装置ボディに接着する。解放要素の一部が、盗難防止装置ボディに接着されると、ロックの破裂、および盗難防止装置ボディの残りの部分からロックが取り外されることによって、前記解放要素は、2つの部分に破壊し、その一方の部分は、盗難防止装置ボディに接着されたままになっている。この接着されている部分は、元の位置に残ったままであり、従って、デッドロック手段は、活性化されず、ボルトをロック位置にブロックすることはできない。
【0006】
従って、窃盗者は、デッドロック手段を起動させるという危険性を犯すことなく、ロックを取り外すことができ、引き続き、ボルトを、ボルトの弾性復帰力に逆らって押し返すことにより、ロック手段を非活性にすることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的の一つは、使いやすく、悪意ある人間による攻撃に対して、特に、いわゆる「接着剤」攻撃に対して、優れた耐力を発揮する頑強な盗難防止装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的ために、本発明は、自動車のステアリングコラムに対するデッドロックを有する盗難防止装置を提供するもので、この盗難防止装置は、次に示す要素を備えている。
− ロック解除位置とロック位置との間を移動しうるように取り付けられているボルトを備え、ロック解除位置では、ボルトは、ステアリングコラムから離れた位置に置かれるようになっており、ロック位置では、ボルトは、ステアリングコラムを不動に固定するようになっているロック手段。
− ボルトをロック位置にブロックするようになっており、かつボルトの後方向に押圧されて、デッドロック手段の解放要素によりボルトから離れた位置に保持されるようになっているブロック要素を備えるデッドロック手段。
− デッドロック手段とロック手段とを収容している盗難防止装置ボディ。
また、本発明の盗難防止装置は、デッドロック装置が、解放要素を保護するための装置を備えていることを特徴としている。この保護装置は、解放要素と盗難防止装置ボディとの間に配置され、それらの間にスクリーンを形成している。
【0009】
本発明の盗難防止装置は、次に示す特徴を、単独で、または組み合わせて備えている。
− 保護装置は、少なくとも部分的に、解放要素の周囲に配置され、これにより、解放要素に対してゼロでない角度に有する、ドリル穿孔、および接着剤攻撃に対して、保護することができる。
− 保護要素の表面は、回転軸に沿って延び、かつ閉じている面からなり、製造、および取り付けが容易である。
− 解放要素は、保護装置の回転軸と概ね共線形な主軸に沿って延び、そのため、ドリル穿孔によってアクセス可能と考えられる部分における解放要素の保護が可能である。
− 解放要素の主軸と、回転軸とは、一直線上に位置し、そのため、盗難防止装置の寸法を減少させることができる。
− 解放要素は、概ね、細長い形状を呈し、その第1の自由端は、ブロック要素を押圧して、ブロック要素を、ボルトから離れた位置に保持し、第2の端部は、盗難防止装置のロックに装着されるようになっている。
− 解放要素は離脱ゾーンを有し、そのため、解放要素に若干の荷重が加えられた場合でも、解放要素を破壊することができる。
− 解放要素の第2の端部は、ロックの相補形状と係合する形状を有し、そのため、解放要素の第2の端部は、回転、および、ロックと解放要素との間での、回転、および並進移動における位置を確実に保持することができる。これにより、前記ロックが引き出された場合には、ロックと解放要素とを、良好に結合させることができる。
− ロックの第2の端部の形状とロックの形状とは、概ね、H形を呈している。
− 盗難防止装置ボディは、第1の部分と第2の部分とを備え、ロックは、盗難防止装置ボディの第2の部分の中に挿入されるようになっている。盗難防止装置ボディの前記第1の部分は、ロック手段とデッドロック手段とを収容するようになっている。解放要素を保護するための装置は、少なくとも部分的に、解放要素と盗難防止装置ボディの第2の部分との間にスクリーンを形成している。そのため、盗難防止装置ボディの製造と取り付けを、簡単に、かつ迅速に行うことができる。
− 盗難防止装置ボディの第2の部分は、プラスチック材料を備え、そのため、盗難防止装置ボディの製造を簡単にし、また、盗難防止装置ボディを軽量にすることができる。
【0010】
接着剤攻撃を受けた場合に、本発明においては、盗難防止装置を保護するための装置は、盗難防止装置ボディにドリル穿孔された孔に注入された接着剤を、解放要素の代わりに受け取る。従って、解放要素は、無傷のまま残り、機能することができる。従って、ロックが引き抜かれた場合の、解放要素の並進運動が、接着剤によって妨げられることはない。このように、保護装置は、いわゆる「接着剤」攻撃に直面した場合に対して、簡単で、安価で、かつ小型な保護手段を実現し、盗難防止装置の不正操作防止性能を向上させることができる。
【0011】
本発明の更なる利点および特徴は、添付の図面と共に、本発明の実施形態の非限定的な実施例の説明を読むことにより、明らかになると思う。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】自動車用ステアリングコラムに対するデッドロック手段を有する盗難防止装置の1つの例の斜視図である。
【
図2】
図1に示す盗難防止装置から盗難防止装置ボディの第2部分を取り除いたものを示す図である。
【
図3】
図2に示す盗難防止装置ボディを示す図であり、盗難防止装置ボディの第1の部分と保護装置が取り除かれている。また、ボルトガイドは、透明として、デッドロック手段の動作がよく見えるようにしてある。
【
図4】解放要素、および盗難防止装置を保護するための装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
これらの図において、同一の要素には、同じ符号を付してある。
【0014】
図1〜
図4は、自動車のステアリングコラムに対するデッドロックを有する盗難防止装置1の実施形態の1つの例を示す。盗難防止装置1は、クランプカラーを備え、クランプカラーは、第1のハーフカラー2aと第2のハーフカラー2bとを有している。これらのハーフカラーは、ステアリングコラム(図示せず)の周囲に組み立てられるようになっている。
【0015】
第2のハーフカラー2bは、盗難防止装置ボディの第1の部分3の中に一体化されている。盗難防止装置ボディの第1の部分3は、ステアリングコラムをロックするための手段とデッドロック手段とを収容している。デッドロック手段は、盗難防止装置1に対して強制侵入が行われたたときに、ロック手段をロック位置にロックするようになっている。盗難防止装置ボディの第1の部分3は、例えば、ザマク(Zamak)材料から作られており、ステアリングコラム上の位置において、強い機械的耐力を有し、ロック手段およびデッドロック手段を保護している
【0016】
ロック手段は、ボルト4を備え、ボルト4は、盗難防止装置1のボルトガイド5によって、盗難防止装置ボディの第1の部分3の中で、ロック解除位置とロック位置との間を、摺動可能なように取り付けられている。ロック解除位置では、ボルトは、ステアリングコラムから離れて、後方後退位置にあり、ロック位置(
図1〜
図3)では、ボルトは、第2のハーフカラー2bから突出して、従来通りの要領で、ステアリングコラムの中に入り込むことにより、ステアリングコラムと係合し、これにより、ステアリングコラムをブロックするようになっている。ロック手段は、ボルト4を、ロック位置またはロック解除位置に駆動するようになっている手段(図示せず)を、更に備えている。この駆動手段の運動は、適切な鍵によって回転されられるロックロータ6の回転によって制御される。
【0017】
ロックロータ6を収容しているロック7は、盗難防止装置1(
図1)のボディの第2の部分9の中に挿入されて、そこに固定されるようになっている。盗難防止装置ボディの第2の部分9は、例えば、プラスチック材料からなっている。
【0018】
盗難防止装置1のカムは、公知の要領で、ロックロータの後端部に固定されるようになっている。盗難防止装置ボディの第2部分9の中にロック7が装着された後には、ロックロータ6とカムとは、一緒になって回転し、カムの第1の部分は、駆動手段を駆動して、ボルト4を作動させる。
【0019】
更に、デッドロック手段は、ボルト4をロック位置(
図3)にブロックするようになっているブロック要素10と、解放要素11と、保護装置12(
図2)とを備えている。
【0020】
本発明による盗難防止装置では、悪意ある人間がロック7を取り外した場合には、解放要素11もまた、盗難防止装置から取り外される。従って、ブロック要素10はボルト4をブロックする。
【0021】
解放要素11は、主軸に沿った細長い形状を有し、その第1の自由端11aは、ブロック要素10を押圧してブロック要素10をボルト4から離れた位置に保持するようになっており、また、第2の自由端11bは、ロック7に固着するようになっている。これは、
図3および
図4において、より明確に見ることができる。1つの例として、前記解放要素は、ロッドの形状をしている。
【0022】
解放要素11は、テーパ部によって形成された離脱ゾーン13を有することができる。離脱ゾーン13は、特に、前記解放要素の主軸に沿って配置されている。離脱ゾーン13は、離脱点を形成し、この離脱点によって、解放要素は、砕けやすくなっている。このように、デッドロック手段の解放感度を向上させることができる。
【0023】
第2の端部11bは、例えば、ロック7の相補形状と係合する形状を有しており、その形状のため、解放要素11とロック7との間での、回転、および並進移動における位置を固定することができる。この形状は、概ねH形である。すなわち、概ね縦方向の平行な2つの軸と、これらの縦方向に平行な2つの軸と直交する横方向の1つの軸とで規定されている。
【0024】
保護装置12は、盗難防止装置ボディ3と解放要素との間に配置されており、少なくとも部分的に、解放要素11および盗難防止装置ボディとの間にスクリーンを形成している。図示の例で具体的に説明すると、保護装置12は、少なくとも部分的に、解放要素11と盗難防止装置ボディの第2の部分9との間にスクリーンを形成している。
【0025】
保護装置12は、例えば、少なくとも部分的に、解放要素11の周囲に配置されている。これにより、解放要素に関してゼロでない角度に沿って、ドリルで穿孔し接着剤を使用した攻撃に対して、防護することができる。解放要素11は、板から構成されるか、および/または、例えば、閉じた形状をしている。また、少なくとも部分的に円筒形状で、回転することができる幾何形状を有していてもよい。
【0026】
保護装置は、回転軸に沿って延び、かつ閉じた表面を有していれば、保護装置の製造、および設置を容易にすることができる。
【0027】
解放要素は、保護装置の回転軸と概ね同一線上にある主軸に沿って延びている場合には、ドリルによるアクセス可能な解放要素の部分に対する保護を強化することができる。
【0028】
この場合、解放要素の主軸と回転軸とは、一直線上に配置され、そのため、本発明においては、盗難防止装置の寸法を減少させることができる。
【0029】
図2および
図4は、保護装置12の1つの例を示す。保護装置12は、円筒形を有し、解放要素11の周囲に配置されている。
【0030】
保護装置12は、それ自体が完全に閉じており、筒状を呈するようにすることができる。この筒形状の断面は、任意の形状でよく、例えば、円形、楕円形、正方形、長方形、三角形であってもよい。
【0031】
保護装置12は、表面が、それ自体が閉じている必要はなく、一部が開いたままであってもよい。保護装置12が主軸を有する場合には、前記開口部を、前記主軸に沿って配置することができる。この場合には、保護装置は、解放要素と盗難防止装置ボディとの間に配置された固体部を有し、盗難防止装置ボディによる、任意のタイプの攻撃に対して、前記解放要素を保護することができる。
【0032】
保護装置12は、例えば、プラスチック製、または鋼製である。
【0033】
受動的な位置では、ブロック要素10は、解放要素11の第1の自由端11aによって、離れた位置に保持されている。解放要素11の第1の自由端11aは、前記ブロック要素10を押圧して、保持している。ブロック要素10は、ボルト4(
図3)をブロックしていないので、受動的位置にある。
【0034】
ロック7が悪意ある人物によって引き抜かれた場合には、第2の端部11bがロック7に固定されている解放要素11は、ロック7によって駆動される。ブロック要素10は、もはや保持されず、並進移動して、ボルトをロック位置にブロックする。この目的のために、前記ブロック要素10は、ボルト4の中に形成された空洞の中に収容される。
【0035】
盗難防止装置ボディ9が、「接着剤」攻撃の意図のもとにドリルによって穿孔された場合には、保護要素12は、解放要素11の代わりに、盗難防止装置のボディに穿孔された開口に注入された接着剤を受け取る。これにより、解放要素11は、無傷のままでいることができる。
【0036】
従って、ロック7が引き出された場合には、解放要素11は、もはや、保持されることはなく、ブロック要素10を保持することはできなくなる。従って、ブロック要素10は、ボルトをブロックすることができる。解放要素11に対して保護スクリーンを形成している保護装置12だけが、接着剤を受け取り、これにより接着されることになる。
【0037】
悪意ある人物が、別の孔をあけたり、既にドリルであけられている孔を深くしようとした場合には、前記解放要素11は、軽度の荷重で破壊するようになっている。解放要素11の破壊によって、破壊された第2の端部11bは、ロック7とともに剥離される。第1の自由端部11aは、ブロック要素10に向かって押圧されないので、ブロック要素10は、保持されず、従って、ボルトのロック位置に向かってのブロック要素10の並進移動が駆動される。
【0038】
従って、保護装置12によって、簡単で、安価で、かつ小型な保護手段を提供することができ、特に、いわゆる「接着剤」攻撃に直面した場合に、盗難防止装置1の耐不正操作性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0039】
1 盗難防止装置
2 クランプカラー
2a、2b ハーフカラー
3 盗難防止装置ボディの第1の部分
4 ボルト
5 ボルトガイド
6 ロックロータ
7 ロック
9 盗難防止装置ボディの第2の部分
10 ブロック要素
11 解放要素
11a 解放要素の第1の自由端
11b 解放要素の第2の端部
12 保護装置
13 離脱ゾーン