(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6236587
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】デマンドレスポンス及び分散エネルギーリソースを最適化及び管理するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/06 20120101AFI20171120BHJP
G06Q 10/04 20120101ALI20171120BHJP
H02J 3/00 20060101ALI20171120BHJP
H02J 3/14 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
G06Q50/06
G06Q10/04
H02J3/00 130
H02J3/00 170
H02J3/14
H02J3/14 160
【請求項の数】12
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-530653(P2014-530653)
(86)(22)【出願日】2012年9月14日
(65)【公表番号】特表2014-527247(P2014-527247A)
(43)【公表日】2014年10月9日
(86)【国際出願番号】US2012000399
(87)【国際公開番号】WO2013039554
(87)【国際公開日】20130321
【審査請求日】2015年9月10日
(31)【優先権主張番号】61/535,365
(32)【優先日】2011年9月16日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/535,369
(32)【優先日】2011年9月16日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/535,371
(32)【優先日】2011年9月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517177741
【氏名又は名称】オートグリッド インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ナラヤン、アミット
(72)【発明者】
【氏名】シュワルツ、ヘンリー
(72)【発明者】
【氏名】シング、ラジーヴ、クマール
(72)【発明者】
【氏名】バート、ビジェィ、スリクリシュナ
(72)【発明者】
【氏名】バール、アビシェーク
【審査官】
宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2010/0218108(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0114799(US,A1)
【文献】
特開2011−134325(JP,A)
【文献】
D. Andersson,Intelligent Load Shedding to Counteract Power System Instability,Transmission and Distribution Conference and Exposition: Latin America, 2004 IEEE/PES,2004年,pp.570-574
【文献】
Farrokh Shokooh,An Intelligent Load Shedding (ILS) System Application in a Large Industrial Facility,Industry Applications Conference, 2005. Fortieth IAS Annual Meeting.,2005年,pp.417-425
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−99/00
H02J 3/00
H02J 3/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐負荷リソースの電力潮流をリアルタイムに制御するデマンドレスポンスシステムであって、コンピュータを備え、
前記コンピュータは、
(a)デマンドレスポンスシステムに公益事業者及び顧客エンドポイントからデータを与える手段と、
(b)前記公益事業者及び前記顧客エンドポイントに通信可能に結合され、前記顧客エンドポイントからのデータに対しリソース利用可能性と関連する特性とを追跡/監視して、前記耐負荷リソースの利用可能性に関する情報を抽出するリソースモデラーと、
(c)前記リソースモデラーに通信可能に結合され、前記リソースモデラーから、個々の顧客ごとの前記リソース利用可能性のリストをフェッチし、前記リソース利用可能性の前記リストに基づいて、前記個々の顧客ごとに総負荷及び利用可能な負荷制限に対する短期予測を機械学習(ML)技法を利用して実行する予測エンジンと、
(d)前記リソースモデラーから前記利用可能なリソースと、制約とを受け取り、かつ、前記予測エンジンから前記個々の顧客に対する前記総負荷及び前記利用可能な負荷制限の前記短期予測及び誤差分布を受け取ることによって、所与のコスト関数のもとでデマンドレスポンス信号の最適な発信を決定するオプティマイザーと、
(e)前記予測エンジン及び前記オプティマイザーに通信可能に結合され、利用可能なデマンドレスポンスリソース特有の複数の確率論的モデルを用いて、顧客のグループごとに最適な前記デマンドレスポンス信号を発信する発信エンジンと、
(f)一組の顧客が負荷制限に関する契約上の義務を果たしているか否かを検証するベースラインエンジンであって、スパース信号処理アルゴリズムを展開して、ベースライン電力消費量と、モデル及び予測誤差との背景の中のデマンドレスポンス関連の電力削減を検出するベースラインエンジンと、
(g)前記予測エンジン及び前記オプティマイザーを較正する手段であって前記公益事業者のバックエンドデータシステムからのデータフィードからデマンドレスポンスイベントを実行する手段と、
(h)前記デマンドレスポンスシステムと、前記公益事業者と、前記顧客エンドポイントとの間の接続性を与えるインターフェースと、
を有し、
前記デマンドレスポンスシステムの前記コンピュータはクラウドネットワーク内にホスティングされ、インターネットを通してアクセス可能である、デマンドレスポンスシステム。
【請求項2】
前記システムは、ユーザーをサーバー上のデマンドレスポンスポートフォリオに接続するためにクラウドネットワークを使用する、請求項1に記載のデマンドレスポンスシステム。
【請求項3】
前記リソースモデラーは、デマンドレスポンスイベントに参加するリソースの負荷順序と、クライアントの契約期間及び状態とを監視する、請求項1または2に記載のデマンドレスポンスシステム。
【請求項4】
前記予測エンジンは、先行するデータフィードに基づいて結果を予測するインテリジェントシステムを構築する、請求項1から3の何れか1項に記載のデマンドレスポンスシステム。
【請求項5】
オプティマイザー及び前記発信エンジンは組み合わせされて最適化エンジンを形成し、前記最適化エンジンは、所与の計画対象期間にわたるコスト、信頼性、負荷優先順位、GHG又はこれらの加重和のうちの1つ又は複数を含むコスト関数を計算する、請求項1から4の何れか1項に記載のデマンドレスポンスシステム。
【請求項6】
前記システムは前記インターフェースによって、一方において前記公益事業者のバックエンドデータシステムに結合され、他方において前記顧客エンドポイントに結合される、請求項1から5の何れか1項に記載のデマンドレスポンスシステム。
【請求項7】
デマンドレスポンスシステムにおいてリアルタイムの電力潮流のためにデマンドレスポンスを通信及び制御する方法であって、
(a)コンピュータが、公益事業者メーターによって利用可能なデマンドレスポンスリソースに関する情報を収集し、負荷優先順位の情報に基づいてデマンドレスポンスイベントに参加するのに望ましい前記デマンドレスポンスリソースを決定する手順と、
(b)前記コンピュータが、前記決定する手順により決定された利用可能なリソースのリストに基づいて、個々の顧客ごとに総負荷及び利用可能な負荷制限の短期予測を機械学習(ML)技法を利用して実行する手順と、
(c)前記コンピュータが、前記利用可能なリソースと、前記予測により与えられた前記総負荷及び前記負荷制限の前記短期予測及び誤差分布を入力とした所与のコスト関数のもとで複数の顧客をグループ化して最適化問題を解き、利用可能なリソース特有の確率論的モデルを用いて、グループ化した前記複数の顧客にわたってデマンドレスポンス信号の最適な発信を前記コンピュータが決定する手順と、
(d)前記コンピュータが、公益事業者のバックエンドデータ及び顧客エンドデータを統合することであって、それによりデマンドレスポンスに対する前記複数の顧客の決定履歴に関するフィードバックを生成し、ベースライン電力消費量と、モデル及び予測誤差との背景の中のデマンドレスポンス関連の電力削減を識別する手順と、
を含む、デマンドレスポンスを通信及び制御する方法。
【請求項8】
前記デマンドレスポンスシステムはクラウドネットワークを通してホスティングされる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記利用可能なデマンドレスポンス情報は、グループ化した前記複数の顧客にわたって、対応するデマンドレスポンスイベントに対するリソースのタイプ、場所、関連する特徴、応答時間、ランプ時間、利用可能性を含む、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
最適化エンジンによって計算される個別の前記コスト関数は、所与の計画対象期間にわたるコスト、信頼性、負荷優先順位、GHG又はこれらの加重和を含む、請求項7から9の何れか1項に記載の方法。
【請求項11】
グループ化した前記複数の顧客にわたって、最適なデマンドレスポンス入札、デマンドレスポンスイベントの最適な発信、及び前記複数の顧客に対する価格信号が計算される、請求項7から10の何れか1項に記載の方法。
【請求項12】
請求項7から11のいずれか一項に記載の方法における複数の手順を前記コンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は包括的には、デマンドレスポンス(DR)と、分散エネルギーリソース(DER)の管理のシステムとに関し、より詳細には、配電網への分散再生可能発電の大規模統合をサポートするためにリアルタイムに電力潮流を制御する、デマンドレスポンス(DR)及び分散エネルギーリソース(DER)を最適化及び管理するシステム及び方法に関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2011年9月16日に出願の「Software-as-a-Service (SaaS) for Optimization and Management of Demand Response and Distributed Energy Resources」と題する米国仮特許出願第61/535,369号に対する優先権の恩典を主張し、2011年9月16日に出願の「Multi-Channel Communication of Demand Response Information between Server and Client」と題する米国仮特許出願第61/535,371号に対する優先権の恩典を主張し、2011年9月16日に出願の「System and Method for Optimization of Demand Response and Distributed Energy Resources and Management Thereof」と題する米国仮特許出願第61/535,365号に対する優先権の恩典を主張し、それぞれの内容はその全体を引用することにより本明細書の一部をなすものとする。
【背景技術】
【0003】
エネルギーの需要が伸びていることから、代替のエネルギー源を見つけることが益々重要になっている。1つの解決策は、新たなエネルギー源を作り出すことであり、別の解決策はエネルギーを節約することである。ここ数年で、「デマンドレスポンス(DR)」プログラムの実施が見られてきた。デマンドレスポンスは、供給条件に応じて顧客の電気消費量を管理し、例えば、危機的な時期(critical time)に顧客に電気消費量を低減させるか、又は市場価格に応じて顧客の電気消費量を管理する仕組みである。デマンドレスポンスは一般的に、顧客に需要を低減するように促し、それにより、電気に対するピーク需要を低減するために用いられる。デマンドレスポンスは、一日のうちの電気料金の高い特定の時間帯又は緊急時に、電気使用量を自発的に削減又は低減する能力を顧客に与える。
【0004】
言い換えると、デマンドレスポンスは、価格信号、金銭的なインセンティブ、環境条件又は信頼制御信号に応答して、最終使用の電気利用顧客が、所与の時間においてその電気使用量を削減できるようにするか、又はその使用量を別の時間にシフトできるようにするリソースである。デマンドレスポンスは、高価格であるピーク時間エネルギー使用量を下げることによって、公共料金納付者の金銭を節約する。これは、卸売エネルギーの価格を下げ、ひいては小売価格も下げる。デマンドレスポンスは、更なる発電の必要性を相殺することによって輪番停電を防ぐこともでき、発電者の市場支配力を軽減する。
【0005】
従来、ピーク負荷をシフトするために、価格に基づくDRが使用されてきたが、過負荷(congestion)又は電力品質のような他の電気的特性に十分に対処してこなかった。DROMS−RTはsubLAP(負荷集積点)内の負荷を対象にしており、subLAPの細分性によって過負荷制約付きの配電網を有益に管理できるようにする。配電網の物理現象のそのような検討は、DRの価値を高めるだけでなく、再生可能な需要リソースの市場浸透が拡大するにつれて特に、配電網の不測の事態への信頼性及び回復力を高める。
【0006】
既存のデマンドレスポンスプログラムは、粗削りの応答を与える比較的粗い制御を提供しており、従来のベースライン技法を用いて、通常の全サイトの電気メータープロファイルを区別するのは難しいことが多い。制限は多くの場合「開ループ」であり、全サイトのインターバルメーターデータは最も早くて翌日に入手可能である。閉ループ制御を用いて、特定の制限値を対象とするとき、ランプ速度が依然として実質的に制御されない。従来の遠隔測定装置は、監視される負荷あたり20000ドル以上のコストがかかる。自己較正負荷特有モデルに基づく閉ループ制御を用いるデマンドレスポンスリソースによる
発信は、従来のモデルでは開示されていない。モデル構築、
発信調整、性能最適化のための他の高度な入力を用いる低コスト(200ドル未満)の負荷レベル遠隔測定及び学習アルゴリズムは、これまで一度も行われてこなかった。
【0007】
今日、これらのプログラムは全て別々に連携することなく実施されており、複数の地理的場所及び顧客にわたってこれらのプログラムの実行を協調させる方法はない。この結果、システムの全体効率が大幅に低下する。本発明は全てのプログラムにわたる全てのDRリソースの統一見解を提供し、これらのリソースを用いて最適に
発信することにより、システムを大幅に効率化する。
【発明の概要】
【0008】
したがって、本発明の一態様では、リアルタイムのデマンドレスポンス最適化及び管理システム(DROMS−RT)が提供される。そのシステムは、利用可能なDR(デマンドレスポンス)リソース、そのタイプ、その場所、及び応答時間、ランプ時間等の他の関連する特性を全て追跡するリソースモデラーと、システムに接続される個々の負荷に関する総負荷及び利用可能な負荷制限の短期予測を実行する予測エンジンと、所与のコスト関数のもとでのデマンドレスポンスの最適な
発信を決定するオプティマイザーと、
発信エンジンと、デマンドレスポンスへの参加コストを大幅に削減するために、デマンドレスポンスイベント又は価格通知に応答して、需要削減を検出する能力を提供するベースラインエンジンとを備える。
【0009】
本発明の別の態様では、非常に大きなベースライン信号の背景の中で小さな信号を検出するためにベースライン計算エンジンにおいて用いられる信号処理技法が提供される。その技法は、ベースライン雑音が存在する中で、ベースライン信号を特定し、負荷を削減する。
【0010】
これ以降、本発明の範囲を制限することなく本発明を例示するために与えられる添付の図面とともに、本発明の好ましい実施形態が説明されることになる。図面では、類似の符号は類似の要素を表す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態による、リアルタイムのデマンドレスポンス最適化及び管理システム(DROMS−RT)の動作を示す概略図である。
【0012】
【
図2】本発明の一実施形態による、動的デマンドレスポンスリソースモデルを示す図である。
【0013】
【
図3】本発明の一実施形態による、顧客集積による代替の信号向上方策及びSNR向上を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
DROMS−RTは、配電網への分散発電の大規模統合をサポートするためにリアルタイムに電力潮流を制御する、高度に分散されたデマンドレスポンス最適化及び管理システムである。
【0015】
デマンドレスポンスプログラムは、一年のうちの危機的な数時間(a few critical hours)にわたってエネルギーコストの削減、及びシステム保全を助ける。また、デマンドレスポンスプログラムは、最終顧客が、その設備において負荷を削減し、かつ価格応答プログラムに参加するのを促すか、又はデマンドレスポンスプロバイダを通して先物容量市場(forward capacity market)に参加するのを促す。デマンドレスポンスサービスは、現在利用可能である他の形の付帯的サービスオプションよりも大幅に安価であり、明確である。
【0016】
本発明の一実施形態では、サービスプラットフォームとしての拡張可能なウェブ利用ソフトウェアが提供され、そのソフトウェアは、プログラム設計、リソースモデリング、予測、最適
発信及び測定機能の全てを提供する。本発明は、デマンドレスポンス及び分散エネルギーリソース(DER)を最適化する方法を提供し、サービスモデルとしてのソフトウェアのもとで提供される。そのソフトウェアは、展開及び設備のコストを削減し、かつ全ての小規模の商用及び住宅用顧客がデマンドレスポンスに参加できるようにするプラットフォームを提供する。リアルタイムのデマンドレスポンス最適化及び管理システムは、オープンフレームワーク標準規格に基づくシグナリング及びデータ収集を用いて構築され、デマンドレスポンスに参加するコストを大幅に削減する「ソフトウェアアズアサービス」モデルのもとで提供される。このシステムは、既製の情報及び通信技術(ICT)及び制御装置を用いる。
【0017】
システムが絶えず性能を最適化し、予測可能性を高め、進行しているイベントの解析を通してサービスの損失を最小限に抑えるように、システム内に閉フィードバックループが設けられる。
【0018】
本発明の一実施形態では、サービスモデルとしてのソフトウェアを用いて、デマンドレスポンス及び分散エネルギーリソース(DER)において最大効率を達成するシステムが導入される。
【0019】
そのシステムは、1日前及び概ねリアルタイムの両方の状況にまたがることになる所与の計画対象期間にわたって種々の性能特性のデマンドレスポンスリソースのポートフォリオを管理することができる。そのシステムは配電網の要求を満たす(対象領域内の過負荷を低減する、不測の事態においてピーク低減を実施する、規制及び他の付帯的サービスを与える等)のに最も適しているデマンドレスポンスリソースの組み合わせを自動的に選択することができる。
【0020】
そのシステムは、
オファーの発信に対するリアルタイム及び「個別の」デマンドレスポン
スのために高度な機械学習及びロバストな最適化技法を用いる。このシステムは、全ての利用可能なデマンドレスポンスプログラム、及び個々の顧客場所における異なるデマンドレスポンスイベントへの参加の履歴のもとで、利用可能な需要重視のリソースという統一見解を保つ。デマンドレスポンスリソースモデルは、現在の条件及び種々の高度な通知要件に基づくので動的である。
【0021】
そのシステムは、新たなプログラムを提供することに対する障壁を取り除く。公益事業者は新たなプログラムを容易に、かつ高いコスト効率で試すことができる。さらに、公益事業者はより多くのプログラムを導入することで種々の分野の顧客にも役に立つことができ、それによって高い支持と顧客満足度とを達成する。これによって、システムの効率が改善し、コスト節約が達成される。そのシステムは、配電網に付帯的サービスを提供するのに適した時間枠内で高度に
発信可能なデマンドレスポンスサービスを提供する。そのシステムは、セルラー、ブローバンドインターネット、AMIインフラストラクチャ、RDS、電子メール等の複数のシグナリング技術と、数ある中でもOpenADR、スマートエナジープロファイル1.x/2.xのようなシグナリングプロトコルとを使用することができる。また、そのシステムは、低コストのインターネットプロトコルに基づく遠隔測定による解決策を活用して、ハードウェアのコストを削減する。これにより、そのシステムは、無数のOpenADR(自動デマンドレスポンス)クライアントに動的な価格信号を提供できるようになる。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態による、リアルタイムのデマンドレスポンス最適化及び管理システムの動作を示す概略図である。
図1を参照すると、リアルタイムのデマンドレスポンス最適化及び管理システム(DROMS−RT)100が提供される。そのシステム100は、リソースモデラー102と、予測エンジン104と、最適化エンジン106と、
発信エンジン108と、ベースラインエンジン110とを備える。システム100は、一方では公益事業者のバックエンドデータシステム116に、他方では、顧客エンドポイント114に結合される。
【0023】
システム100内のDRリソースモデラー(DRM)102は、利用可能なDRリソース、そのタイプ、その場所、及び応答時間、ランプ時間等の他の関連する特性を全て追跡する。予測エンジン(FE)104は、DRリソースモデラー102から利用可能なリソースのリストを入手する。予測エンジン104の主眼は、システム100に接続される個々の負荷に関する総負荷及び利用可能な負荷制限の短期予測を実行することにある。最適化エンジン106は、利用可能なリソースと、DRリソースモデラー102からの全ての制約と、予測エンジン104からの個々の負荷及び負荷制限の予測並びに誤差分布とを取り込み、所与のコスト関数のもとでのデマンドレスポンスの最適な
発信を決定する。ベースラインエンジン110は信号処理技法を用いて、非常に大きな基礎信号の背景の中で小さな系統的負荷制限であっても識別する。そのシステムは、顧客エンドデバイスからライブデータフィードを受信するために一方の側において顧客エンドポイント114に結合される。そのシステムは別の側において公益事業者のバックエンドデータシステム116に結合され、公益事業者のバックエンドデータシステム116からのデータは、予測モデル及び最適化モデルを較正し、デマンドレスポンスイベントを実行するために与えられる。システム100は
発信エンジン108を有し、
発信エンジンは、決定を下すのを助け、これらのリソース特有の確率論的モデルを用いて、デマンドレスポンスからISO入札を生成するために顧客のポートフォリオにわたってデマンドレスポンス信号を発送するか、又は通過した入札若しくは配電網の他の制約に基づいて、顧客にデマンドレスポンス信号を最適に発送する。そのシステムは、ベースラインエンジンに接続される顧客/公益事業者インターフェース112を使用し、そのインターフェースは、システムと顧客又は公益事業者との間のインターフェースを提供する。
【0024】
実際には、当然、フィードのうちの幾つかがいつでも又はリアルタイムに利用可能ではない場合がある。これらの場合に、予測エンジン104は、「オフラインで」、又は部分的なデータフィードを用いて動作することができる。システム100の目標は、顧客エンドポイントに概ねリアルタイムにデマンドレスポンスイベントと価格信号とを与え、利用可能なデマンドレスポンスリソースを最適に管理することである。
【0025】
また、DRリソースモデラー102は、イベントへの参加又はイベントの完了によって影響を受けるリソースの利用可能性を絶えず更新する。また、DRリソースモデラー102は、通知時間要件、特定の期間内のイベント数、及び連続的なイベント数のような各リソースに関連付けられる制約も監視する。また、DRリソースモデラー102は、顧客の視点からデマンドレスポンスイベントに参加するのにどのリソースがより望ましいかに関する「負荷順序」を決定するユーザー優先順位と、リソースがイベントへの参加を受け入れる契約期間及び価格とを監視することもできる。また、デマンドレスポンスリソースモデラー102は、クライアントが「オンライン」である(すなわち、リソースとして利用可能である)か、そのイベントを断ったかを判断するために、クライアントからデータフィードを入手する。
【0026】
予測エンジン104は複数の明示的及び暗黙的パラメータを考慮に入れて、機械学習(ML)技法を適用して、短期負荷及び制限予測と、これらの予測に関連付けられる誤差分布とを導出する。予測エンジン104は、ベースラインエンジン110にベースラインサンプル及び誤差分布を与える。さらに、ベースラインエンジン110は、実際の電力消費量データである、メーターからのデータフィードを入手する。
【0027】
図2は、本発明の一実施形態による、動的デマンドレスポンスリソースモデルを示す。
図2を参照すると、動的デマンドレスポンスリソース200の動的デマンドレスポンスリソースモデル入力及びポートフォリオが与えられる。その図は、公益事業者/ISO信号ごとに擬似発電を生成するためにリアルタイムのデマンドレスポンス最適化及び管理システムによって制御される、動的デマンドレスポンスリソースモデル(負荷ごとに固有)204に入力される動的デマンドレスポンスリソースモデル202への種々の入力と、動的デマンドレスポンスリソースのポートフォリオ206とを示す。
【0028】
ベースラインエンジン110は、1組の顧客が全て負荷制限に関する契約上の義務を果たしているか否かを検証する。予測エンジン104は、ベースラインエンジン110にベースラインサンプル及び誤差分布を与える。さらに、ベースラインエンジン110は、実際の電力消費量データである、メーターからのデータフィードを入手する。ベースラインエンジン110は、「イベント検出」アルゴリズムを用いて、その負荷が実際にデマンドレスポンスイベントに関与したか否かを判断し、関与していた場合には、このイベントに起因する需要削減が何であったかを判断する。ベースラインエンジン110は、データを用いてベースライン予測を改善できるように、予測エンジン104にデータをフィードバックする。
【0029】
最適化の全体的なロバスト性は誤差分布の推定によって改善され、誤差分布の推定は、イベント中の小さな負荷制限を分離するのを更に助ける。予測エンジン104は、ベースラインエンジン110を通してクライアントデバイスから連続的なフィードバックを入手し、より多くのデータをシステムが利用可能になるのに応じて、その予測能力を高める。また、予測エンジン104は、デマンドレスポンスイベント提案に対してクライアントデバイスが行いつつある決定のタイプを暗黙的に学習することによって、負荷優先順位についてデマンドレスポンスリソースモデラー102を更新することもできる。
【0030】
最適化エンジン106は、利用可能なリソースと、デマンドレスポンスリソースモデラー102からの全ての制約と、予測エンジン104からの個々の負荷及び負荷制限の予測並びに誤差分布とを取り込み、所与のコスト関数のもとでのデマンドレスポンスの最適な
発信を決定する。最適化エンジン106は、コスト、信頼性、負荷優先順位、GHG又はその加重和のような種々のコスト関数を組み込むことができ、1日前及び概ねリアルタイムの計画対象期間を同時に網羅することができる所与の計画対象期間にわたって最適な
発信決定を行うことができる。そのシステムは、ピーク負荷管理、リアルタイムバランシング、規制及び他の付帯的サービスのような、配電網の要求を満たすのに最も適しているデマンドレスポンスリソースの組み合わせを自動的に選択することができる。最適化問題の数学的な定式化を用いて、その問題を解くために、近似動的計画法(ADP)アルゴリズムをいかに用いることができるかがわかる。最適化は、分布自体の誤差も考慮に入れ、極めて突然の変化、不規則な価格、及び複数の需要曲線を結果として生じる制御ポリシーを回避するロバストなADP(近似動的計画法)アルゴリズムを実行することができる。また、最適化エンジン106を用いて、デマンドレスポンスリソースモジュールからの情報と、外部から供給することができる卸売市場価格予測とを前提として卸売市場に対する入札を生成することもできる。
【0031】
ベースラインエンジン110は、信号処理技法を用いて、非常に大きな基礎信号の背景の中で小さな系統的負荷制限であっても識別する。ベースラインエンジン110は、1組の顧客が全て負荷制限に関する契約上の義務を果たしているか否かを検証する。ベースラインエンジン110は、信号処理技法を用いて、非常に大きな基礎信号の背景の中で小さな系統的負荷制限であっても識別する。ベースラインエンジン110は、デマンドレスポンス価格通知に応答して、需要削減を検出する能力を提供する。新規の信号処理技法を開発して、相対的に雑音があるベースライン環境において、デマンドレスポンス価格に応答して小さな系統的負荷削減を検出した。
【0032】
ベースラインエンジン110の目標は、デマンドレスポンスイベント又は価格通知に応答して、需要削減を検出する能力を提供することである。その主眼は、相対的に雑音があるベースライン環境において、デマンドレスポンスイベントに応答して小さな系統的負荷削減を検出する能力を開発することにある。
【0033】
1組の顧客が全てデマンドレスポンス義務を果たしているか否かを検証するという問題は、非常に大きな信号(ベースライン電力消費量
)と、ベースライン発電の誤った予測(モデル及び予測誤差)と
の背景の中の小さな信号(デマンドレスポンス関連の電力削減)を検出するという問題に帰着する。この問題を実効的に解決するために、ベースラインエンジン110は、信号処理領域からの複数の異なる要素をまとめ上げる必要がある。
【0034】
ベースラインエンジン110は、最新のスパース信号処理アルゴリズムを展開して、デマンドレスポンス信号を最適に再生する。これらのアルゴリズムは、情報理論的限界に対して最適であり、それゆえ、それらのアルゴリズムは、デマンドレスポンス信号の「SNR」が向上させることができない限り改善することはできない。信号対雑音比は科学技術において測定のために使用される。信号対雑音比は、信号電力と雑音電力との比と定義される。
【0035】
検出を更に改善するために、ベースラインエンジン110は、幾つかの異なる信号対雑音比向上方策を利用し、その方策は、顧客レベル信号集積を用いることから、複数のデマンドレスポンスイベントにわたって確定を拡散することによる時間ダイバーシティを用いることまでに及ぶ。
【0036】
信号対雑音比向上方策に加えて、ベースラインエンジン110は、デマンドレスポンス信号が信号処理問題に内在する、すなわち、システム100が信号を選択することができるという事実を利用する。ベースラインエンジン110は、高い誤差電力及び低い誤差電力の時間及び場所を識別することができ、誤差電力に対するデマンドレスポンスリソース委託を調整することができる、すなわち、誤差電力が低いとき小さな単位でリソースを委託し、その逆も同様である。この最後のステップは、エンドユーザー負荷及び負荷変動に関する領域特有の知識を必要とし、既製のクラスタリングアルゴリズムは、誤差電力に関してクラスタリングすることはできない。
【0037】
信号処理問題は以下のように提起される。x=(x
1,...,x
t)がT周期にわたる特定のノードにおける総電力消費量のサンプリングされたデータを表すものとする。信号x_tはx
t=y
t+ε
t−r
tとして分割することができる。ただし、y
tは予測及びクラスタリングモデルによって予測されるベースライン電力消費量であり、ε
tは予測雑音であり、r
tはDR信号である。信号デマンドレスポンス信号r
tは通常小さく、すなわち、全てのtに対して|r
t|≪|y
t|であり、かなりスパースである可能性も高く、すなわち、
【数1】
である。したがって、形式min||r||
0+λΣp(x
t−y
t+r
t)の最適化問題を解くことによってスパース信号を再生することができる。ただし、p(・)は誤差分布の対数尤度を表す。
【0038】
この問題はNP困難であり、実際には解くのが非常に難しい。非常に緩やかな正則性条件下で、この最適化問題の解は、線形計画min||r||
1+λΣp(x
t−y
t+r
t)を解くことによって再生することができる。このLPは非常に悪条件であり、それを解くために専用コードを開発する必要がある。現在の最新技術のスパースアルゴリズムは、約15dBの信号対雑音比(SNR)においてスパース信号を再生することができる。信号構造を用いるとき、例えば、「オン」になると、これらの信号は或る一定の指定の時間にわたって「オン」のままである傾向があるという事実等を用いるとき、この信号対雑音比を約10dB、すなわち、信号電力が雑音電力にほぼ等しいとき、まで低減することができる。信号対雑音比に関するこの下限を下回ることは理論的には不可能である。
【0039】
この信号対雑音比限界は、信号処理モジュールと予測モジュールとの間のつながりを際立たせる。デマンドレスポンス信号を実効的に検出するために、十分に高い信号対雑音比を確保しなければならない。信号対雑音比向上に関する顧客を中心にした幾つかの方策は以下の通りである。
【0040】
図3は、本発明の一実施形態による、顧客集積による代替の信号向上方策及びSNR向上を示す図である。
図3は、顧客ごとの予測誤差が独立しているとき、顧客を結合する「ポートフォリオ」効果が、信号対雑音比を高めることを示している。顧客を集積する「ポートフォリオ効果」の結果として、SNRを大幅に向上させることができる。代替の信号向上方策302は高いSNRを有するが、顧客を集積する結果として、SNRが大幅に向上する(304)。デマンドレスポンスは、最適化エンジン106の制御下にある。顧客は予測誤差に従ってクラスタリングされ、必要な信号対雑音比を有する単位で実行することができる最適化エンジン106において制約を課すことができる。
【0041】
信号対雑音比は、時間ダイバーシティによって、すなわち、数回のイベントにわたって平均してデマンドレスポンスに基づく支払いを確定することによって、高めることもできる。例えば、1つの建物において小さな負荷が制限されるとき、建物全体用のメーターを測定することによってその変化を区別することは不可能な可能性がある。しかしながら、同じ小さな負荷が1000棟の建物において同時に制限された場合には、特性化されていない要因は平滑化される傾向があり、それにより、各建物内の小さな負荷制限を統計的に測定できるようになる。予測誤差が時間ごとに独立しているとき、時間にわたる「ポートフォリオ効果」が雑音電力を低減し、その一方で信号成分は相対的に一定のままであるので、再び、信号対雑音比を高める。付帯的サービスの場合、1日のうちの所与の時間中に数多くのイベントが存在することになり、これらのイベントにわたってデータを集積し、信号対雑音比を改善できる可能性がある。
【0042】
デマンドレスポンスはシステム100内の最適化エンジン106の制御下にある。システム100は予測誤差にしたがって顧客をクラスタリングし、最適化エンジンにおいて制約を課し、必要な信号対雑音比を有する単位においてのみデマンドレスポンスを実行する。例えば、特定の顧客が大きな予測誤差を有する場合には、リアルタイムのデマンドレスポンス最適化及び管理システム100は、デマンドレスポンスからその顧客を除外するか、その顧客を1000人の他の顧客とグループにして、ポートフォリオ効果を利用する。
【0043】
同じ顧客が、時間によって相対的に大きな誤差を有する場合もあれば、相対的に小さな誤差を有する場合もある(例えば、昼間は変動し、夜間は安定している)。システム100はこれを識別し、相対的に小さなモデル誤差の時間中にのみリソース利用可能性を制限することができる。また、システム100は、デマンドレスポンスリソース委託の規模を誤差電力と結びつけることによって、時間/場所情報を利用することもできる。
【0044】
本発明の一実施形態では、非常に大きなベースライン信号の背景の中の小さな信号を検出するためにベースラインエンジン110において用いられる信号処理技法が提供される。その技法はベースライン信号を特定し、ベースライン雑音の存在下で負荷を削減する。
【0045】
信号処理は、コンピューターアルゴリズムを用いて、雑音の影響を抑圧しながら、信号内に含まれる有用な情報の、自然で意味のある代替の表現を作成することを目指して、信号を解析及び変換することを伴う技法である。大抵の場合に、信号処理は、数値的方法及び図式的方法の両方を伴う多段階プロセスである。信号処理は、有用な演算を実行するために別々の時間又は連続した時間のいずれかにおいて信号を解析する技法である。信号は音、画像、時変測定値、センサデータ、制御システム信号、電気通信伝送信号及び無線信号を含む。
【0046】
信号対雑音比は、時間ダイバーシティによって、すなわち、数回のイベントにわたって平均してデマンドレスポンスに基づく支払いを確定することによって、高めることもできる。信号対雑音比の向上は、種々の手段において達成することができる(
図1を参照)。信号対雑音比が非常に低いとき、ロバストな最適化エンジンを用いて、デマンドレスポンス負荷が雑音に比べて非常に高くなるのを確実にすべきである。中間の雑音レベルでは、顧客クラスにわたる集積が、信号対雑音比を十分に向上させる。高い信号対雑音比は、信号対雑音比の向上が不要であり、その信号を信号処理モジュールに供給できることを意味する。
【0047】
信号対雑音比(SNR)は、信号処理モジュールと、機械学習予測及びフィルタリングモジュールとの間のつながりである。デマンドレスポンス信号を実効的に検出して、十分に高い信号対雑音比を保証するために、顧客ごとの予測誤差は独立していなければならない。顧客のポートフォリオ効果も信号対雑音比を高める。
【0048】
本発明の一実施形態では、信号処理技法は、受信されたスマートメーターデータに含まれる情報を改善する。通常、スマートメーターで信号が測定されるとき、その信号は時間領域において表示される(縦軸が振幅又は電圧であり、横軸が時間である)。これは、信号を表示する最も論理的で、直観的な方法である。簡単な信号処理は多くの場合に、ゲートを用いて対象とする信号を分離するか、又は周波数フィルタを用いて望ましくない周波数を平滑化若しくは除去することを伴う。
【0049】
本発明の一実施形態では、本発明は、これらの信号を無相関化し、精度を高めることができる最新の信号処理技法に関連する。信号処理技法は、相対的に雑音が多いベースライン環境においてデマンドレスポンス価格に応答して小さな系統的負荷削減を検出するように進化している。
【0050】
高度な信号処理技法と、根底をなすデータの領域特有の工学知識とを組み合わせることによって、リアルタイムのデマンドレスポンス最適化及び管理システムは、デマンドレスポンスプログラムを管理する公益事業者又はISO/RTOの確定部門の厳しい要件通りに、小さな系統的負荷制限を分離できるようになる。
[項目1]
耐負荷リソースに対してリアルタイムに電力潮流を制御するようにデマンドレスポンスを最適化及び管理するシステムであって、
デマンドレスポンスイベントに応答して需要削減を検出する能力を提供するベースラインエンジンと、
公益事業者のバックエンドデータ及び顧客エンドポイントデータを上記システムに与える手段と、
公益事業者のバックエンドデータ及び顧客エンドポイントデータに通信可能に結合される、上記耐負荷リソースのリソースモデラーと、
上記リソースモデラーに通信可能に結合され、上記システムに接続される負荷ごとに個々の負荷及び利用可能な負荷制限を予測し、総負荷/負荷制限情報を与える第1のエンジンと、
上記リソースモデラー及び上記第1のエンジンに通信可能に結合され、デマンドレスポンスイベントに応答して負荷削減を検出する第2のエンジンと、
上記第1のエンジン及び上記第2のエンジンに通信可能に結合され、所与のコスト関数のもとでデマンドレスポンスの最適な発信を計算する第3のエンジンと、
上記第3のエンジンに通信可能に結合され、デマンドレスポンスの上記最適な発信を決定するオプティマイザーと、
上記オプティマイザーに通信可能に結合され、顧客のポートフォリオにわたってデマンドレスポンス信号を発送する発信エンジンと、
を備える、システム。
[項目2]
上記システムはソフトウェアアズアサービス分散モデルとして提供される、項目1に記載のシステム。
[項目3]
上記リソースモデラーは、上記耐負荷リソースのタイプ、場所、特性、応答時間、ランプ時間及び利用可能性の情報を追跡する、項目1に記載のシステム。
[項目4]
上記第1のエンジンは機械学習アルゴリズムを利用して、負荷及び負荷制限を予測する、項目1に記載のシステム。
[項目5]
上記最適化エンジンによって考慮される上記コスト関数は、コスト、信頼性、負荷優先順位、GHG又はこれらの加重和を含む、項目1に記載のシステム。
[項目6]
公益事業者メーター管理システムによって、上記公益事業者のバックエンドデータが与えられる、項目1に記載のシステム。
[項目7]
リアルタイムに電力潮流を制御するようにデマンドレスポンスを最適化及び管理する、コンピューターによって実施される方法であって、
利用可能なデマンドレスポンスリソースに関する情報を収集するとともに、デマンドレスポンスイベントに参加するのに望ましい上記デマンドレスポンスリソースを決定することと、
個々の顧客ごとに総負荷及び利用可能な負荷制限の短期予測を実行することと、
所与のコスト関数のもとでデマンドレスポンスの最適な発信を決定することと、
公益事業者のバックエンドデータ及び顧客エンドデータを統合し、フィードバックを生成し、デマンドレスポンスを識別することと、
を含む方法。
[項目8]
上記実施はウェブ利用であり、ソフトウェアアズアサービス分散モデルのもとで提供される、項目7に記載の方法。
[項目9]
利用可能なデマンドレスポンスに関する上記情報は、対応するデマンドレスポンスイベントに対するリソースのタイプ、場所、関連する特性、応答時間、ランプ時間及び利用可能性を含む、項目7に記載の方法。
[項目10]
上記最適化エンジンによって考慮される上記コスト関数は、コスト、信頼性、負荷優先順位、GHG又はこれらの加重和を含む、項目7に記載の方法。
[項目11]
デマンドレスポンスの上記最適な発信は、最適なデマンドレスポンス入札、デマンドレスポンスイベントの最適な発信、及び顧客に対する価格信号の形で計算される、項目7に記載の方法。
[項目12]
耐負荷リソースの電力潮流をリアルタイムに制御するデマンドレスポンスシステムであって、
(a)デマンドレスポンスシステムに公益事業運用者及び顧客エンドポイントからデータを与える手段と、
(b)公益事業運用者及び顧客エンドポイントに通信可能に結合され、上記耐負荷リソースの利用可能性に関する情報と、応答時間及びランプ時間を含む関連する特性とを抽出するリソースモデラーと、
(c)上記リソースモデラーに通信可能に結合され、利用可能なリソースのリストをフェッチし、総負荷及び利用可能な負荷制限に対する短期予測を実行する予測エンジンと、
(d)デマンドレスポンスの最適な発信を決定するオプティマイザーであって、上記予測エンジンから予測を受信するオプティマイザーと、
(e)上記予測エンジン及び上記オプティマイザーに通信可能に結合され、所与のコスト関数のもとで顧客のポートフォリオにわたってデマンドレスポンスの上記最適な発信を計算する発信エンジンと、
(f)デマンドレスポンス価格通知に応答して需要削減を観察するベースラインエンジンであって、スパース信号処理アルゴリズムを展開するベースラインエンジンと、
(g)上記予測エンジン及び上記オプティマイザーを較正する手段であって公益事業者データフィードからデマンドレスポンスイベントを実行する手段と、
(h)上記デマンドレスポンスシステムと、上記公益事業運用者と、上記顧客エンドポイントとの間の接続性を与えるインターフェースと、
を備え、
上記デマンドレスポンスシステムはクラウドネットワーク内にホスティングされ、インターネットを通してアクセス可能である、デマンドレスポンスシステム。
[項目13]
上記システムは、ユーザーをサーバー上のデマンドレスポンスポートフォリオに接続するためにクラウドネットワークを使用する、項目12に記載のデマンドレスポンスシステム。
[項目14]
上記リソースモデラーは、デマンドレスポンスイベントに参加するリソースの負荷順序と、クライアントの契約期間及び状態とを監視する、項目12または13に記載のデマンドレスポンスシステム。
[項目15]
上記予測エンジンは、先行するデータフィードに基づいて結果を予測するインテリジェントシステムを構築する、項目12から14の何れか1項に記載のデマンドレスポンスシステム。
[項目16]
オプティマイザー及び上記発信エンジンは組み合わせされて最適化エンジンを形成し、上記最適化エンジンは、所与の計画対象期間にわたるコスト、信頼性、負荷優先順位、GHG又はこれらの加重和のうちの1つ又は複数を含むコスト関数を計算する、項目12から15の何れか1項に記載のデマンドレスポンスシステム。
[項目17]
上記システムは上記インターフェースによって、一方において公益事業者のバックエンドデータシステムに結合され、他方において顧客エンドポイントに結合される、項目12から16の何れか1項に記載のデマンドレスポンスシステム。
[項目18]
デマンドレスポンスシステムにおいてリアルタイムの電力潮流のためにデマンドレスポンスを通信及び制御する方法であって、
(a)公益事業者メーターによって利用可能なデマンドレスポンスリソースに関する情報を収集するとともに、デマンドレスポンスイベントに参加するのに望ましい上記デマンドレスポンスリソースを決定することと、
(b)個々の顧客ごとに総負荷及び利用可能な負荷制限の短期予測を実行することと、
(c)所与のコスト関数のもとでデマンドレスポンスの最適な発信を決定することと、
(d)公益事業者のバックエンドデータ及び顧客エンドデータを統合することであって、それによりフィードバックを生成し、デマンドレスポンスを識別することと、
を含む、デマンドレスポンスを通信及び制御する方法。
[項目19]
上記デマンドレスポンスシステムはクラウドネットワークを通してホスティングされる、項目18に記載の方法。
[項目20]
上記利用可能なデマンドレスポンス情報は、顧客のポートフォリオにわたって、対応するデマンドレスポンスイベントに対するリソースのタイプ、場所、関連する特徴、応答時間、ランプ時間、利用可能性を含む、項目18または19に記載の方法。
[項目21]
最適化エンジンによって計算される個別の上記コスト関数は、所与の計画対象期間にわたるコスト、信頼性、負荷優先順位、GHG又はこれらの加重和を含む、項目18から20の何れか1項に記載の方法。
[項目22]
顧客のポートフォリオにわたって、最適なデマンドレスポンス入札、デマンドレスポンスイベントの最適な発信、及び顧客に対する価格信号が計算される、項目7から10の何れか1項に記載の方法。