【実施例】
【0027】
以下実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
なお収率の算出、化合物の同定には、アジレント社製Agilent Technologies 400 MHz NMR system(以下記載の、
1H−NMR、
13C−NMRおよび
19F−NMR)を用いた。
[実施例1] フルオロマロン酸ジエチル(5)の調製
【0028】
【化5】
【0029】
攪拌子を備えた10mlのテフロン(登録商標)製試験管に、ヨードシルベンゼン(550mg、2.50mmol)、トリエチルアミン・5フッ化水素塩(804mg、4.00mmol)及び1,2−ジクロロエタン(2ml)を入れ、室温下、15分撹拌の後、これにマロン酸ジエチル(160mg、1.00mmol)を添加した。次いで、試験管をセプタムキャップで密閉した後、油浴上で70℃に加熱し、24時間反応を行った。
【0030】
反応終了後、室温に戻し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)に添加し中和の後、ジクロロメタン(10ml)で3回抽出、有機層を合わせて飽和食塩水(10ml)で洗浄、硫酸ナトリウム上で乾燥、ろ過、濃縮の後、粗製物を得た。
得られた粗製物を、1,4−ジメトキシベンゼンを内部標準物質として用いた
1H−NMR測定において定量したところ、反応収率は100%であった。
【0031】
次いで、得られた粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより目的物のフルオロマロン酸ジエチルを収率38%で得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ1.34(t,J=7Hz,6H,CH
3),4.33(q,J=7Hz,4H,CH
2),5.28(d,J=48.5Hz,1H,CHF)。
13C−NMR(100MHz,CDCl
3)δ13.9,62.6,85.2(d,J=195Hz),163.9(d,J=24Hz)。
19F−NMR(376MHz,CDCl
3)δ−195.17(d,J=48.5Hz)。
【0032】
[実施例2] フルオロマロン酸ジメチル(6)の調製
【0033】
【化6】
【0034】
実施例1のマロン酸ジエチル(160mg、1.00mmol)に替えてマロン酸ジメチル(132mg,1.00mmol)に替えた以外、実施例1と同じ操作を行った。
得られて粗製物を1,4−ジメトキシベンゼンを内部標準物質として用いた
1H−NMR測定において定量したところ、反応収率は53%であった。
次いで、得られた粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより目的物のフルオロマロン酸ジメチルを単離した。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ3.88(s,6H,CH
3),5.34(d,J=48.5Hz,1H,CHF)。
13C−NMR(100MHz,CDCl
3)δ53.3,85.0(d,J=196Hz),164.2(d,J=24Hz)。
19F−NMR(376MHz,CDCl
3)δ−195.23(d,J=48.5Hz)。
19F−NMR(376MHz,CDCl
3)δ−195.17(d,J=48.5Hz)。
【0035】
[実施例3] フルオロマロン酸ジベンジル(7)の調製
【0036】
【化7】
【0037】
実施例1のマロン酸ジエチル(160mg、1.00mmol)に替えてマロン酸ジベンジル(284mg,1.00mmol)に替えた以外、実施例1と同じ操作を行った。
得られて粗製物を1,4−ジメトキシベンゼンを内部標準物質として用いた
1H−NMR測定において定量したところ、反応収率は58%であった。
次いで、得られた粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより目的物のフルオロマロン酸ジベンジルを単離した。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ5.24(s,4H,CH
2),5.36(d,J=48Hz,1H,CHF),7.29−7.35(m,10H,Ph)。
13C−NMR(100MHz,CDCl
3)δ68.2,85.2(d,J=196Hz),128.4,128.65,128.7,134.2,163.6(d,J=24Hz)。
19F−NMR(376MHz,CDCl
3)δ−195.03(d,J=48Hz)。
【0038】
[実施例4] フルオロマロン酸ジ−n−ブチル(8)の調製
【0039】
【化8】
【0040】
実施例1のマロン酸ジエチル(160mg、1.00mmol)に替えてマロン酸ジ−n−ブチル(216mg,1.00mmol)に替えた以外、実施例1と同じ操作を行った。
得られて粗製物を1,4−ジメトキシベンゼンを内部標準物質として用いた
1H−NMR測定において定量したところ、反応収率は58%であった。
【0041】
次いで、得られた粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより目的物のフルオロマロン酸ジ−n−ブチルを単離した。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ0.94(t,J=7Hz,6H,CH
3),1.35−1.42(m,4H,CH
2),1.64−1.71(m,4H,CH
2),4.28(dt,J=4, 6Hz,4H,CH
2),5.29(d,J=48Hz,1H,CHF)。
13C−NMR(100MHz,CDCl
3)δ13.5,18.8,30.3,66.4,85.2(d,J=195Hz),164.0(d,J=24Hz)。
19F−NMR(376MHz,CDCl
3)δ−194.91(d,J=48Hz)。
【0042】
[実施例5] フルオロマロン酸ジ−n−ヘキシル(9)の調製
【0043】
【化9】
【0044】
実施例1のマロン酸ジエチル(160mg、1.00mmol)に替えてマロン酸ジ−n−ヘキシル(272mg,1.00mmol)に替えた以外、実施例1と同じ操作を行った。
得られて粗製物を1,4−ジメトキシベンゼンを内部標準物質として用いた
1H−NMR測定において定量したところ、反応収率は61%であった。
【0045】
次いで、得られた粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより目的物のフルオロマロン酸ジ−n−ヘキシルを単離した。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ0.89(t,J=7Hz,6H,CH
3),1.31−1.38(m,12H,CH
2),1.65−1.72(m,4H,CH
2),4.26(dt,J=4, 7Hz,4H,CH
2),5.28(d,J=48Hz,1H,CHF)。
13C−NMR(100MHz,CDCl
3)δ13.8,22.4,25.2,28.2,31.2,66.6,85.2(d,J=195Hz),164.0(d,J=24Hz)。
19F−NMR(376MHz,CDCl
3)δ−194.90(d,J=48Hz)。
【0046】
[実施例6] 2−フルオロ−2−メチルマロン酸ジエチル(10)の調製
【0047】
【化10】
【0048】
実施例1のマロン酸ジエチル(160mg、1.00mmol)に替えて2−メチルマロン酸ジエチル(174mg,1.00mmol)に替えた以外、実施例1と同じ操作を行った。
得られて粗製物を1,4−ジメトキシベンゼンを内部標準物質として用いた
1H−NMR測定において定量したところ、反応収率は18%であった。
【0049】
次いで、得られた粗製物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより目的物の2−フルオロ−2−メチルマロン酸ジエチルを単離した。
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ1.31(t,J=7Hz,6H,CH
3),1.76(d,J=22Hz,3H,CH
3),4.27(q,J=7Hz,4H,CH
2)。
19F−NMR(376MHz,CDCl
3)δ−157.53(d,J=22Hz)。
【0050】
[実施例7] フルオロマロン酸ジエチルの調製
攪拌子を備えた10mlのテフロン(登録商標)製試験管に、ヨードベンゼン(102mg、0.50mmol)、トリエチルアミン・5フッ化水素塩(804mg、4.00mmol)、m−クロロ過安息香酸(518mg,3.00mmol)及び1,2−ジクロロエタン(2ml)を入れ、室温下、15分撹拌の後、これにマロン酸ジエチル(160mg、1.00mmol)を添加した。次いで、試験管をセプタムキャップで密閉した後、油浴上で70℃に加熱し、24時間反応を行った。
【0051】
反応終了後、室温に戻し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)に添加し中和の後、ジクロロメタン(10ml)で3回抽出、有機層を合わせて飽和食塩水(10ml)で洗浄、硫酸ナトリウム上で乾燥、ろ過、濃縮の後、粗製物を得た。
得られた粗製物を、1,4−ジメトキシベンゼンを内部標準物質として用いた
1H−NMR測定において定量したところ、反応収率は3%であった。
【0052】
[実施例8]
実施例7のヨードベンゼン(102mg、0.50mmol)に替えてo−メトキシヨードベンゼン(117mg,0.50mmol)に替えた以外、実施例7と同じ操作を行い、粗製物を得た。
得られた粗製物を、1,4−ジメトキシベンゼンを内部標準物質として用いた
1H−NMR測定において定量したところ、反応収率は3%であった。