特許第6236650号(P6236650)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6236650
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】自動投入装置の絶縁保護部材
(51)【国際特許分類】
   H01H 73/06 20060101AFI20171120BHJP
   H01H 71/66 20060101ALI20171120BHJP
   H02B 1/04 20060101ALI20171120BHJP
   H02B 1/30 20060101ALI20171120BHJP
   H02B 1/48 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   H01H73/06 A
   H01H71/66
   H02B1/04 A
   H02B1/30 D
   H02B1/48
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-54517(P2014-54517)
(22)【出願日】2014年3月18日
(65)【公開番号】特開2015-176845(P2015-176845A)
(43)【公開日】2015年10月5日
【審査請求日】2017年1月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085523
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 文夫
(74)【代理人】
【識別番号】100078101
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 達雄
(74)【代理人】
【識別番号】100154461
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 由布
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 宏泰
(72)【発明者】
【氏名】浅岡 久典
【審査官】 片岡 弘之
(56)【参考文献】
【文献】 実開平02−039443(JP,U)
【文献】 特開2003−100192(JP,A)
【文献】 実開昭62−031356(JP,U)
【文献】 特開2008−262862(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 73/06
H01H 71/66
H02B 1/04
H02B 1/30
H02B 1/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動投入装置と、自動投入装置が取付けられる基板との間に挟持される絶縁保護部材であって、2分割された分割部材からなり、これらの分割部材が自動投入装置を挟み込むように結合されたことを特徴とする自動投入装置の絶縁保護部材。
【請求項2】
前記分割部材の結合と同時に、自動投入装置が前記分割部材に取付けられる構造としたことを特徴とする請求項1記載の自動投入装置の絶縁保護部材。
【請求項3】
各分割部材に自動投入装置の係止部を一体に形成し、これらの係止部を自動投入装置にスライドさせて係止したことを特徴とする請求項2記載の自動投入装置の絶縁保護部材。
【請求項4】
各分割部材は同一形状であり、各分割部材の結合部を各分割部材に一体に形成し、該結合部に設けられた爪部によって相互間を結合したことを特徴とする請求項3記載の自動投入装置の絶縁保護部材。
【請求項5】
前記結合部は凸状ガイド部と、この凸状ガイド部にスライド挿入される凹状ガイド部とを備えたものであることを特徴とする請求項4記載の自動投入装置の絶縁保護部材。
【請求項6】
各分割部材の合せ面を、自動投入装置の警報リード線の出線孔部に対して、結合方向に異なる位置に設けたことを特徴とする請求項5記載の自動投入装置の絶縁保護部材。
【請求項7】
自動投入装置の警報リード線の出線孔部に対して、結合方向に異なる位置に、警報リード線の外部への引出し口を形成したことを特徴とする請求項6記載の自動投入装置の絶縁保護部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブレーカの自動投入装置の絶縁保護部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ブレーカは過電流や漏電電流を検出したときにトリップして回路を遮断する装置である。ブレーカには、トリップしたハンドルをオン位置に動かして回路を復帰させる自動投入装置(特許文献1)を隣接配置し、自動投入や遠隔操作等を可能とすることがある。
【0003】
このような自動投入装置は一般使用条件を満たした耐電圧性能を有するものであるが、防災無線等で使用される場合には、たとえ災害時に落雷等による高電圧を受けても壊れないように、より高い耐電圧性能が要求される。
【0004】
一般に使用される自動投入装置を使用してより高い耐電圧性能を備えるようにするには、図1に示すように自動投入装置1と、自動投入装置1が取付けられる基板2との間に、自動投入装置1の設置面積よりも広い面積を持ち、かつ脚部3を備えた絶縁板4を取付け、接地部である基板2と充電部である自動投入装置1との間の絶縁距離を長くすることが考えられる。
【0005】
しかし図1のような構造とすると、自動投入装置1の設置面積が増えたり、自動投入装置1の基板2からの取付高さが高くなったりし、自動投入装置1を収納する盤が大型化してしまうという問題があった。また、自動投入装置1を絶縁板4にネジ止めする必要があるなど、組立作業性が悪くなるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−262862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って本発明の目的は上記した従来の問題点を解決し、自動投入装置への取付けが容易であるうえ、部品点数を増加させることなく耐絶縁性能を向上させることができる自動投入装置の絶縁保護部材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するためになされた本発明は、自動投入装置と、自動投入装置が取付けられる基板との間に挟持される絶縁保護部材であって、2分割された分割部材からなり、これらの分割部材が自動投入装置を挟み込むように結合されたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項2の発明は請求項1の発明において、前記分割部材の結合と同時に、自動投入装置が前記分割部材に取付けられる構造としたことを特徴とするものである。請求項3の発明は請求項2の発明において、各分割部材に自動投入装置の係止部を一体に形成し、これらの係止部を自動投入装置にスライドさせて係止したことを特徴とするものである。
【0010】
請求項4の発明は請求項3の発明において、各分割部材は同一形状であり、各分割部材の結合部を各分割部材に一体に形成し、該結合部に設けられた爪部によって相互間を結合したことを特徴とするものである。請求項5の発明は請求項4の発明において、前記結合部は凸状ガイド部と、この凸状ガイド部にスライド挿入される凹状ガイド部とを備えたものであることを特徴とするものである。
【0011】
請求項6の発明は請求項5の発明において、各分割部材の合せ面を、自動投入装置の警報リード線の出線孔部に対して、結合方向に異なる位置に設けたことを特徴とするものである。請求項7の発明は請求項6の発明において、自動投入装置の警報リード線の出線孔部に対して、結合方向に異なる位置に、警報リード線の外部への引出し口を形成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の絶縁保護部材は、2分割された分割部材からなり、これらの分割部材が自動投入装置を挟み込むように結合された構造であるから、別の取付部材や工具を使用することなく、自動投入装置に分割部材を容易に取り付けることができる。
【0013】
請求項2の発明によれば、2分割された分割部材を結合する作業により、自動投入装置の取付も同時に行うことができる。請求項3の発明によれば、各分割部材に自動投入装置の係止部を一体に形成したので、他の部材を必要とせずに自動投入装置の取付けが可能である。
【0014】
請求項4の発明によれば、各分割部材を同一形状としたので製作コストを引き下げることができるうえ、結合部に設けられた爪部によって相互間を結合したので、2分割された分割部材を他の部材や工具を必要とせずに結合することができる。
【0015】
請求項5の発明によれば、結合部を凸状ガイド部とこの凸状ガイド部にスライド挿入される凹状ガイド部とを備えたものとしたので、2分割された分割部材を底面方向にずれないように係止することができる。
【0016】
請求項6及び請求項7の発明によれば、自動投入装置の出線孔部とアース間の絶縁距離を長く取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】従来の自動投入装置の絶縁取付構造を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態を示す分解斜視図である。
図3】本発明の実施形態を示す正面図である。
図4】結合前の結合部の斜視図である。
図5】結合後の結合部の斜視図である。
図6】警報リード線の引出し状態を示す断面図である。
図7】係止前の係止部の斜視図である。
図8】係止後の係止部の斜視図である。
図9】絶縁保護部材を自動投入装置に組み付けた状態を示す斜視図である。
図10】絶縁保護部材を自動投入装置に組み付けた状態を示す正面図である。
図11】絶縁保護部材を自動投入装置に組み付けた状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に図面を参照しつつ、本発明の実施形態を説明する。
図2において10は自動投入装置であり、取付板11の上に、ブレーカ12と自動投入装置本体13とを取付けたものである。自動投入装置本体13は操作レバー14を備え、ブレーカ12が雷電流等によってトリップした際に、ブレーカ12のハンドル15をトリップ位置からオン位置に動かしてブレーカ12を再投入する機能を備えている。自動投入装置10の全体は、縦長形状である。
【0019】
図2に示すように、取付板11の上下端部には固定部16が形成されている。固定部16は図7に示すように、周囲よりも板厚を薄くした薄板部16aと、端部が貫通した貫通部16bとを備えている。この貫通部16bにネジを通し、薄板部16aでねじを支えることによって、取付板11を基板50(図11参照)に固定することができる。ただし本実施形態では取付板11を直接ネジ止めするのではなく、後述するように絶縁保護部材に支持させている。取付板11の側面には出線孔部17が形成されており、警報リード線18が出線されている。この警報リード線18は、異常発生時に外部の警報ブザーや警報ランプ等を作動させるためのものである。
【0020】
本発明の絶縁保護部材は、上記した自動投入装置10と、自動投入装置10が取付けられる基板50との間に挟持され、自動投入装置10の充電部とアースとの間の絶縁距離を長くし、耐絶縁性能を向上させるものである。本発明の絶縁保護部材は2分割された分割部材21,22からなり、各分割部材21,22は図2図3に示されるように自動投入装置10の周囲を囲む凹形状をしている。具体的には、周囲に自動投入装置10の外周に沿って立ち上がる絶縁壁部19が形成され、中央部を自動投入装置10が収納される凹部20としたものである。このような構造とすることにより、設置面積や自動投入装置10の設置高さを大きく変えることなく自動投入装置10とアース間の絶縁距離を長くし、耐絶縁性能を向上させることができる。
【0021】
図2図3に示すように、この実施形態では絶縁保護部材は上下に分割部材21,22で分割され、側面の絶縁壁部19に一体形成された結合部23,24によって相互に結合されている。分割部材21と分割部材22とは同一形状であり、同一の金型で成形可能である。また図2に示すように、分割部材21と分割部材22とを自動投入装置10の背後で組合せ、結合部23,24で結合することによって、工具なしで、また別部材を必要とせずに組み立て可能である。
【0022】
結合部23、24の構造の詳細を図4図5に示した。結合部23は縁壁部19から外側に膨らんだ段差部25を備え、その上側端部に平板状の凸状ガイド部26が形成されている。一方、結合部24にはこの凸状ガイド部26にスライド挿入される凹状ガイド部27が形成されている。また結合部23の基部には内向きの爪部28が形成され、結合部24の先端には外向きの爪部29が形成されている。このため図5に示すように凹状ガイド部27を凸状ガイド部26に嵌めてスライドさせながら押し込めば、爪部28,29が相互に噛み合ってスライド方向に外れなくなる。さらに、凹状ガイド部27を凸状ガイド部26に嵌める構造とすることにより、分割部材21と分割部材22が互いに左右方向に移動することを防止する。例えば充電部からの熱等により絶縁保護部材が変形することもあるが、上記の構造により、変形による爪部28,29の相互の噛み合わせが外れることを防止する。
【0023】
爪部28,29は絶縁壁部19の端面付近に形成されており、凸状ガイド部26も段差部25の一部に形成されているだけであるから、図5のように結合した状態においても段差部25の内側に引出口30が形成され、この引出口30から図6に示すように警報リード線18を外部に引き出すことができる。また、引出口30の位置は自動投入装置10の警報リード線18の出線孔部17に対して、結合方向に異なる位置に設けている。これによって図6に示したように取付板11の側面の出線孔部17と引出口30との間に絶縁距離を確保している。
【0024】
なお、図3に示したように分割部材21と分割部材22とは合せ部31が相互に密着するようになっているが、中央部には空間32が形成されている。この空間32は成形誤差を吸収するとともに結合時の摩擦を防ぎ、スムーズに結合できるようにするためのものである。合せ部31の位置は自動投入装置10の警報リード線18の出線孔部17に対して、結合方向に異なる位置に設けている。これによって図6に示したように取付板11の側面の出線孔部17と合せ部31との間に絶縁距離を確保している。
【0025】
図2図3に示すように、分割部材21と分割部材22の上下の絶縁壁部19には、自動投入装置10との係止部33が一体に形成されている。その詳細は図7図8に示す通りであり、係止部33は前記した取付板11の固定部16の両側面と平行に突出形成されている。このため図8に示すように、取付板11の固定部16に係止部33が嵌まり込み、自動投入装置10の取付板11と上側の分割部材21とが係止される。これによって自動投入装置10は上下方向に移動しないように固定される。また係止部33には取付板11の固定部16に形成された貫通部16bの奥部に係合する突起34と、薄板部16aの両側壁に当接する2枚の立上壁35が形成され、突起34と立上壁35は係止部33を補強すると同時に、自動投入装置10を左右方向に移動することを防ぐ役割がある。図8に示すように突起34も同時に取付板11に係止される。下側の分割部材22についても同様である。なお、係止部33は取付板11のうち固定部16以外の箇所に係止してもよい。
【0026】
このような構造とすれば、上側の分割部材21と下側の分割部材22とをスライドさせるだけで結合部23,24が相互に結合されると同時に、係止部33が固定部16にスライドして係止され、工具を用いることなく、またネジ等の取付部材を必要とせずに自動投入装置10への取付が可能である。このため、分割部材どうしを結合する作業で、自動投入装置10の絶縁保護部材への取り付けも同時に行うことができ、作業性の向上を図ることができる。また、自動投入装置10を絶縁保護部材の底面37にネジ止めする必要が無いので、底面37の強度を高める必要が無くなり、底面37の厚みを抑え、絶縁保護部材を低く形成することができる。
【0027】
なお、絶縁壁部19の係止部33の外側位置には、前記の基板50に絶縁保護部材を固定するためのU字状の固定部36が設けられており、基板50に全体をネジ等によって固定できるようになっている。この固定部36は、自動投入装置10の上下位置に形成されている。
【0028】
本発明の絶縁保護部材を自動投入装置10に組み付けた状態を図9図11に示す。自動投入装置10の外周に絶縁壁部19が立ち上がっており、この絶縁壁部19によって自動投入装置10とアースとなる基板50との間の絶縁距離が延長されるため、盤を大型化することなく自動投入装置10の耐絶縁性能を向上させることができる。
【0029】
図9に示されるように、上下の絶縁壁部19はブレーカ12の端子座よりも低く形成し、左右の絶縁壁部19はブレーカ12の端子座よりも高く形成されている。上下の絶縁壁部19はブレーカ12の端子座への配線の都合上、高くすることは好ましくない。このため本実施形態では上下の絶縁壁部19の高さはブレーカ12の端子座よりも低くし、これと直交する絶縁隔壁19は端子座よりも高くした。
【0030】
このように上下の絶縁壁部19の高さを低くすると絶縁距離が小さくなるが、前記したように固定部36を上下の絶縁隔壁19に形成し、絶縁保護部材の上下方向の距離を伸ばすことによって、絶縁距離を確保している。よって配線の邪魔になることはなく、また幅を広げることなく、耐電圧性能を高めることができる。
【0031】
以上に説明したように、本発明によれば自動投入装置への取付けが容易であるうえ、盤を大型化することなく自動投入装置の耐絶縁性能を向上させることができる。
【符号の説明】
【0032】
1 自動投入装置
2 基板
3 脚部
4 絶縁板
10 自動投入装置
11 取付板
12 ブレーカ
13 自動投入装置本体
14 操作レバー
15 ハンドル
16 固定部
16a 薄板部
16b 貫通部
17 出線孔部
18 警報リード線
19 絶縁壁部
20 凹部
21 分割部材
22 分割部材
23 結合部
24 結合部
25 段差部
26 凸状ガイド部
27 凹状ガイド部
28 内向きの爪部
29 外向きの爪部
30 引出口
31 合せ部
32 空間
33 係止部
34 突起
35 立上壁
36 U字状の固定部
37 底面
50 基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11