【課題を解決するための手段】
【0012】
この課題を解決するために、回転ラッチおよび少なくとも1つのつめからなるロック機構を備えるドアまたはフラップ用のロックが回転ラッチをロックするために提供される。必要スペースおよび重量を減らすために、回転ラッチがロックされうるために用いられるつめのロックアームのロック面は枢動方向に見ると狭い、すなわち短いので、ロック機構を解放するには、つめの最大で16.1°、好ましくは最大で14.6°、特に好ましくは最大で12.9°の枢動運動で十分である。しかし、専門家は、つめのロックアームのロック面は、例えば衝突の場合にまたは過大な荷重を受けてロック機構が開放しないようにするために、つめの有意により大きい枢動角度、例えば20°のように14°より有意に大きい角度を可能にするために、特に回転ラッチがロック状態で載るロック面の領域の幅が有意に広くなければならないと考えていた。しかしながら、本発明は、ロック機構もまた過大な荷重を受けて開放できないようにするためにロックアームのロック面のそのような幅は必須でないという認識に基づいている。したがって、ロックアームのロック面の幅は、体積および重量を減少させるために、つめの通常のロック面の幅に比べて著しく狭くなりうることが立証された。
【0013】
通常のロック機構では、回転ラッチの荷重アームの一端が、ロック状態にあるとき、ロックする働きをするつめのロックアームのロック面の中心付近にある。本発明では、ロック面の位置は、相対的に、回転ラッチの支持点とロック面の一端との間の距離がロック面の他端までの距離よりも有意に小さくなるように変化する。つめのロック面の一端は、ロック機構のロックを解除するためにロック状態で回転ラッチの支持点の方向に動かされる端部である。相対運動の一部として、回転ラッチの荷重アームの当該端部は、最終的にこの端部を通り過ぎて動かされ、その結果、回転ラッチは回転ラッチの開位置の方向に枢動することができる。ロック面とは、回転ラッチが開位置の方向に著しく動くのを妨げるのに適した全表面を意味する。
【0014】
この実施形態は、一方で、つめのロックアームが、何らかの理由で、すなわち計画外の理由で、例えば過大な荷重にさらされたときの説明される重なりサイズのために、回転ラッチの荷重アームに対して相対的に、つめの閉位置の方向にかなりの道のりを動いたときに、回転ラッチが依然として所望の態様でロックされることが確実になることを実現する。反対側では、ロック機構を解放するために、つめの、つめの開位置の方向の比較的小さい枢動運動で十分である。
【0015】
支持点の中心から見ると、好ましい一実施形態における小さい方の距離の長さは、つめのロック面の幅の最大で40%であり、前述の効果を達成するためには最大で30%であることが特に好ましい。
【0016】
試験により、通常のロック機構では、回転ラッチもつめも過大な荷重によってゆがめられたり変形したりしないことが分かっている。代わりに、回転ラッチの軸線の支持点およびつめの軸線の支持点ならびにロック機構が取り付けられているロックプレートまたはロックハウジングが変形する。したがって、本発明の一実施形態では、かかる支持点は、通常のロック機構に比べて十分に頑丈であり、特により大きな軸径で設けられる。このようにして、ロック機構は、例えば20〜30kNの過大な荷重にさらされたときでも開放することができないことが確実になりうる。このような補強対策、例えば軸線の直径の拡大は、重量のわずかな増大につながる。しかしながら、この新設計により可能になるつめロックアームの幅を狭くすることにより、総重量は一般に減少する。そうした拡大だけでロックプレートおよび回転ラッチやつめなどの構成要素の凹所または穴が大きくなるので、軸線の直径の拡大で総体積が大きくなることは一般にない。しかしながら、つめのロックアームの幅の減少により、総体積の減少が可能になる。したがって、全体として見れば、つめのロックアームのより狭い幅を可能にするために、支持点を増やすことが好適である。
【0017】
好ましい一実施形態では、ロック機構は、過大な応力の場合に、回転ラッチが、回転ラッチが回転ラッチのロック位置にとどまるように、特に回転ラッチの所定の屈曲点のために変形するように設計される。所定の屈曲点は荷重アーム上に設けられることが好ましい。回転ラッチとつめとの重なり部分は、過大な応力にもかかわらず残存する。重なり部分はさらに増大することが好ましい。荷重アームの所定の屈曲点は、過大な応力がかかった場合に、荷重アームの端部と収集アームの端部との間の距離が増大するように設けられてもよい。しかしながら、所定の屈曲点は一般に、ドアまたはフラップの閉状態で、荷重アームがドアまたはフラップのロックボルトによって直接衝突されないので、荷重アーム上に配置される。したがって、荷重アーム上に所定の屈曲点を設けることは特に問題にはならない。
【0018】
この構成は、ロック機構の予期せぬ開放をもたらす例えば10kN〜30kNの過大な荷重によって引き起こされる変形のために、回転ラッチのロック面がつめのロック面から解放されるのを妨げる。一実施形態では、収集アームは、特に、回転ラッチとつめとの間に重なり部分または増大した重なり部分が作られるように、過大な荷重がかかった結果として荷重アームに関連して曲げられる。この曲げは、一般に収集アームおよび荷重アームの2つの自由端の間の距離を増大させる。この実施形態では、衝突が発生した場合にもロック機構が開放しないようにするために、支持点を通常のロック機構の支持点に比べて強化する必要はない。
【0019】
この実施形態は公差補正も可能にする。つめのロック面と回転ラッチのロック面との計画重なり部分は、回転ラッチおよびつめの支持点での公差の増大により、および/または、支持プラスチック部品の変形により、減少している可能性がある。回転ラッチとつめとの間の重なり部分は一般に増大することになるので、ロック機構が過大な応力を受けて予期せず開放するおそれは依然としてない。
【0020】
それによって製造努力をほとんどせずに所定の屈曲点を設けることができるので、所定の屈曲点は凹所内に配置され、かつ/または、少なくとも1つの凹所を含むことが好ましい。凹所は、ロック機構のロック位置で、収集アームの、ドアまたはフラップのロックボルトから離れる方向に向いている側に配置されることが好ましい。
【0021】
凹所は、回転ラッチ内に開口で設けることができる。言い換えると、凹所は回転ラッチ内に隙間を形成する。凹所は、所定の屈曲点を設けるために、回転ラッチの横輪郭から、すなわち収集アームの横輪郭から回転ラッチの内部に向かって、特に回転ラッチの回転軸線に向かって延びることができる。本発明によれば、収集アームまたは荷重アーム内に少なくとも1つの凹所を設けることができる。しかし、収集アームまたは荷重アームは2つ以上の凹所を含むこともできる。凹所は、回転ラッチを貫通する1つまたは複数の穴で設けることができる。
【0022】
ロック機構の閉状態でロックホルダに面する回転ラッチのアーム、特に収集アーム内に、離間された2つの凹所が形成されるかまたは設けられることが好ましい。第1の凹所から間隔をあけて配置された第2の凹所は、回転ラッチの重量を好適に軽くすることができ、かつ/または、曲げ挙動に良い影響を与えることができる。例えば、2つの凹所の間に再成形された材料が、例えばロック機構の中間閉位置用の係止部としても働くことができるように回転ラッチ内に凹所を配置するという選択肢もある。
【0023】
別の好ましい実施形態では、ロック機構を中間閉位置でロックするために使用されうる高所またはアームが、凹所間に位置する回転ラッチの領域内に設けられる。回転ラッチに面する第1の凹所は、好ましくは収集アーム上に所定の屈曲点の位置を画定するために使用することができる。これにより、例えば、所定の屈曲点は、回転ラッチ内の第1の凹所の深さ、すなわち、回転ラッチのピボット点の方向の凹所の径方向延長部の深さに応じて変化することが可能になる。所定の屈曲点の位置は、回転ラッチとつめとの間の重なり部分に影響を与えることもできる。例えば、回転ラッチの外縁部から回転ラッチの中に深く延びる凹所が回転ラッチ内に挿入される場合は、凹所の深さによって所定の屈曲点の位置が決まる。
【0024】
ロック機構が過度に応力を受けた場合、例えば事故が発生した場合、ロック機構は解放されないかもしれない。回転ラッチおよびつめは係合されたままでなければならない。このことは、本発明に開示されているように回転ラッチ内に所定の屈曲点を設けることにより積極的に支援されうる。回転ラッチの一部が所定の屈曲点にわたって適切に曲がると、回転ラッチとつめとの間の係合点は重なり部分が大きくなる方向に移動する。すなわち、解放が妨げられるだけでなく、ロック機構も付加的に固定される。これは、所定の屈曲点の位置の結果として、回転ラッチとつめとの間の係合点の領域内での相対的移動が、過大な応力が生じた場合に制御可能であることを明確に示している。言い換えると、本発明により、高応力または過大な応力がかかった場合に回転ラッチとつめとの間の重なり部分に影響を与えることが可能になる。
【0025】
回転ラッチ内の横輪郭から延びる深い凹所は、応力印加にさらされると長いレバーアームを引き起こし、したがって特に重なり部分の好ましい拡大を引き起こす。レバーアームとは、屈曲点(所定の屈曲点)の位置と、回転ラッチとつめとの間の係合点と、の間の距離を意味する。
【0026】
小さい凹所でも、すなわち回転ラッチの外部から内部領域内に延びる凹所でも、重なり部分のかなりの増大をもたらすこともできる。しかし、レバーアームが短くなるほど、回転ラッチとつめとの間の係合点の、より大きな重なり部分を作り出す方への移動が小さくなる。
【0027】
代替的にまたは加えて、所定の屈曲点は、材料特性(弾性)の変更、厚みの変更、曲げ剛性の低減、断面積の減少、および/または安定性の低下によって実現することができる。材料は、例えば、このようにして所定の屈曲点を設けるために、遡及的処理の結果として所定の場所でさらに弱くなっている可能性がある。材料の厚みは、所望の箇所に所定の屈曲点を実現するために、1箇所を薄くすることができる。例えば、所定の屈曲点を設けるためにある箇所またはある領域内で材料特性を変更することが可能である。これは、例えば、熱処理により回転ラッチに硬度の高い領域または硬度の低い領域が作られることで実現することができる。例えば事故が発生した場合のように過大な応力がロック、したがってロック機構に加えられたときに、硬度の低い領域は所定の屈曲点として働き、ロック機構の解放を妨げる。相対的に、一般に追加の製造努力がこの目的のために必要とされないので、少なくとも1つの凹所によって設けられた所定の屈曲点が好ましい。
【0028】
所定の屈曲点の有利な位置を選択することにより、重なり部分は好ましくは増大して、ロック機構の特定の信頼できるロッキングを確実にする。
【0029】
代替的にまたは変更済み材料特性と組み合わせて、回転ラッチ、好ましくは、収集アームは断面減少部を含むことができる。断面減少部は回転ラッチの片側または両側に設けることができる。両側の減少部は、回転ラッチの対称設計の利点を提供するとともに、回転ラッチの潜在的変形に良い影響を与えることもできる。回転ラッチは、所定の屈曲点を画定するとともに、所定の屈曲点の曲げ挙動に特異的に影響を与えるために、2つ以上の断面減少部を含むことも可能である。回転ラッチに沿って異なる長さの凹所を1つまたは複数設けることもできる。複数の凹所は、例えば、回転ラッチ内に連続的に増大する長さ、または、増大し次いで減少する長さをなして設けることができる。しかしながら、このような実施形態は、特に、横輪郭から回転ラッチの内部に向かって、特に回転ラッチの回転軸線の方向に延びる凹所と比較して、より多くの製造作業を必要とする。
【0030】
本発明の一実施形態では、凹所は、回転ラッチに成形、刻印、および/または機械加工を施して作ることができる。回転ラッチの少なくとも部分的厚み減少部も凹所と見なされる。1つまたは複数の凹所を、例えば回転ラッチにフライス加工または刻印を施して作ることもできる。
【0031】
別の実施形態では、凹所は、連続湾曲部および/またはU字形状および/または尖頭ノッチとして描かれうる断面部を含むことができる。断面部の形状を使用すると、ノッチの数、したがって所定の屈曲点は好適に影響されうる。
【0032】
上述した問題は特にかかるロック機構内に起こるので、回転ラッチには、つめに開モーメントを引き起こすことができる所定の屈曲点が設けられることが好ましい。ロックは1つまたは2つのつめを含むことができる。中間閉位置の他に、ロックは、ロック機構がロックされうる完全閉位置も含むことができる。したがって、回転ラッチは、ロッキング用の1つまたは2つのロック面を含むことができる。ロックは、つめを戻り止め位置で阻止する阻止レバーを含むことができる。回転ラッチは、戻り止め位置でつめに開トルク、閉トルク、または無トルクを引き起こすことができる。
【0033】
ロック機構は、ロック機構の解放レバーが、ロック機構を(ロック機構がロックされたときに)確実に開放するために、特に、解放レバーを枢動させることによりつめをつめの戻り止め位置から動かすことができるつめ用のタペットの助けを借りて、8°〜18.5°だけ、好ましくは10.5°〜15.5°だけ枢動されるだけでよいように設計されることが好ましい。例えば寿命上の理由で、ハンドルを操作したときに解放レバーがもはや20°を超えて枢動することができない状況で、この実施形態によりロック機構は依然として確実に開放することができる。
【0034】
特に、つめが引き起こされた開モーメントによってつめの戻り止め位置から動かされていないときに、タペットはつめをつめの戻り止め位置から動かすだけである。したがって、開放機構が引き起こされた開トルクのために機能しなくなったときに、タペットによりつめはつめの戻り止め位置から確実に動かされる。
【0035】
当該実施形態において、解放レバーが阻止レバーをつめから遠ざけるだけでなく、つめを回転ラッチの係合領域から動かすことも確実にするために、解放レバーは10°を超えて規則的に枢動されなければならない。解放レバーが10°を超えて枢動された後でしか、一般に解放レバーに装着されているタペットがつめと相互作用してつめが解放レバーによって機械的に枢動されることはない。このような理由で、解放レバーは、タペットが必要な場合につめと係合しかつつめを動かすことができるようにするために、10°を超えて枢動されうることが好ましい。
【0036】
したがって、開放機構が引き起こされた開トルクの後でそうすることができない場合、タペットはつめがつめの戻り止め位置から動かされるようにする。
【0037】
一実施形態では、ロック機構は、好ましくは解放レバーとしても働く中間閉位置つめを含む。この実施形態では、特に、回転ラッチは、ロック面を有する全体的に変形可能なアームから凹所によって切り離された、中間閉位置でロックするためのアームを含むことが好ましい。中間閉位置では、つめ、好ましくは、中間閉位置つめのアームは、回転ラッチを中間閉位置でロックするために、回転ラッチの上記アームに寄りかかる。この実施形態により、収集アーム上に所定の屈曲点を設けること、ならびに、所望の箇所に中間閉位置つめ用のロック面を設けることが可能になる。この中間閉位置つめ用のアームは、特に、回転ラッチの表面積によって提供されるレベルを越えて延びる。これにより、つめの上方に中間閉位置用の解放レバーを設けて、中間閉位置つめを形成することも可能になる。
【0038】
一実施形態では、ロック機構は、つめをつめの戻り止め位置で阻止することができる阻止レバーを含む。つめは、つめが阻止レバーによって阻止されると、つめの戻り止め位置から離れることができない。ロック機構は、特に阻止レバーによって確実にロックすることができる。
【0039】
より少ない部品でさらにコンパクトな設計を実現するために、ロック機構のつめおよび解放レバーは、一実施形態では共通軸線上に回転可能に取り付けられる。
【0040】
好適には、回転ラッチは、ドア密閉圧力が存在していなくてもつめにモーメントを引き起こすことができるようにするために、ばねによってロックの開位置の方向に予張力を与えられる。
【0041】
本発明の一実施形態では、解放レバーは、ロック機構の阻止レバーを阻止レバーの阻止位置から動かすことができる。このためには、一般に比較的小さい力で十分である。つめがその後、回転ラッチによってつめに引き起こされた開モーメントによってつめの戻り止め位置から動かされる状況で、ロック機構を開放するために必要な全力は非常に小さいことが有効である。
【0042】
一実施形態は、阻止レバーを阻止レバーの阻止位置まで動かすためのばねを備える。したがって、阻止レバーは、ばねによって阻止レバーの阻止位置まで簡単かつ確実に動かすことができる。一実施形態では、阻止レバーおよびつめは、阻止レバーを阻止レバーの阻止位置で動かすことにより、つめもまたつめの戻り止め位置まで動かされるように設計される。したがって、必要な部品の数はさらに削減される。同時に、重量も必要スペースも低減される。
【0043】
一実施形態では、解放レバーは3つのレバーアームを含む。第1のレバーアームを使用して、阻止レバーは、特に、ロック機構のロックを解除するために阻止レバーの阻止位置から動かされる。解放レバーの第2のレバーアームは、つめを上述した態様で解放することが好ましい。すなわち、つめをロック位置の方向に動かすことができるばね力が少なくともロック機構の開放中に減じられる。好ましくは、この第2のレバーアームは、つめをつめのロック位置から動かすためのタペットを含んでいて、コンパクトで生産が簡単な設計を可能にする。第3のレバーアームは、解放レバーを作動させるために、すなわち、例えばロッド配置またはボーデンケーブルの助けを借りて、好ましくは連結されたハンドルまたは電気駆動部の助けを借りて使用される。ハンドルが作動されるかまたは電気駆動部が起動されると、このことが、第3のレバーアームおよび解放レバーも作動させてロック機構のロックを解除し、前記解放レバーは特に軸線を中心に枢動される。好適には、本発明は、必要スペースおよび重量を最小限に抑えかつ解放レバーが所望の最終位置を通過するのを妨げるために、第2のレバーアーム用の係止部も備える。
【0044】
つめは2つのレバーアームを含んでいて、一方のレバーアームが回転ラッチをロックすることが好ましい。機構、すなわち予張力を与えられたばねの助けを借りてつめをつめの戻り止め位置まで動かすことができるようにするために、機構、例えば予張力を与えられたばねは他方のレバーアームに作用する。つめのこの他方のレバーアームは、解放レバーのタペットによって随意に係合されてロック機構のロックを解除し、それに応じて動かされ、特に軸線を中心に枢動される。好適には、つめがつめの完全戻り止め位置を通過するのを妨げるために、このレバーアーム用の係止部も設けられる。
【0045】
つめをつめの戻り止め位置で阻止するための阻止レバーは、好ましくは2つのレバーアームを含む。阻止レバーの第1のレバーアームは、特に、つめをつめのラッチ位置で阻止しかつ/またはつめをつめのラッチ位置まで動かすことができる。一実施形態では、特に、この第1のレバーアームは、好適には解放レバーによって係合され、特に軸線を中心に枢動することによって阻止レバーの阻止位置から動くこともできる。阻止レバーの第2のレバーアームは、好ましくは、阻止レバーが与えられた最終位置を通過して動かされうるように係止部に対して動くことができる。第2のレバーアームを設けることは、好適には、阻止レバーの重心が、阻止レバーがそれを中心に枢動されうる軸線の方向に移動することにも寄与する。こうした重心の移動は阻止レバーの枢動を促進する。
【0046】
一実施形態では、阻止レバーは、構成要素の数を最小限に抑えるために解放レバーとしても機能することができる。一実施形態では、解放レバーは、回転ラッチを中間閉位置でロックすることができる中間閉位置つめとしても機能する。その場合、ロック機構はドアまたはフラップをロックすることができる。しかし、ドアまたはフラップは、完全閉位置で計画されたほどにはロックされない。中間ロック位置からは、回転ラッチがロック位置の方向にさらに枢動された場合にのみ完全閉位置に至る。
【0047】
本発明のロック機構は、特に、金属ロックプレート上または一般に金属製のロックケーシング上に配置される。通常、そのようなロックは、一般にプラスチック製のロックハウジングも含み、ロックハウジングはロックの構成要素を外的影響から保護することができる。この構成は、特にプラスチック製のロックカバー、および/または、特に、保護するためにも設けられるセントラルロッキング用のプラスチックカバーをさらに含むことができる。ロックは、例えば、建築物のドアもしくはフラップの一部または自動車のドアもしくはフラップの一部とすることができる。
【0048】
本発明はさらに、回転ラッチの完全閉位置用のつめ(「完全閉位置つめ」とも称される)と、回転ラッチの中間閉位置用のつめ(「中間閉位置」とも称される)とを有し、好適には前記完全閉位置つめ用の阻止レバーも有するかかるロックも含む。この種のロックは、独国特許出願公開第102008061524号明細書に開示されている。しかし、本発明のロックは、阻止レバーに加えて、回転ラッチを中間ロック位置および完全閉位置でロックするためのただ1つのつめも含むことができる。
【0049】
回転ラッチは、自動車のドアまたはフラップが閉じられたときにドアまたはフラップのロックボルトが入るフォーク状の入口スロット(インフィード部分)を含む。その場合、ロックボルトは回転ラッチを開位置から戻り止め位置へ枢動させる。戻り止め位置になると、ロックボルトはもはや回転ラッチから動くことができない。つめは回転ラッチを戻り止め位置でロックして、回転ラッチが開位置に逆戻りできないようにする。
【0050】
本発明によるロックは、枢動されうるかつ枢動されるべき、つめ、阻止レバー、または回転ラッチなどの構成要素を含む。このような構成は、通常、ばねの力の結果としてそのような構成要素の所望の枢動運動をもたらすために使用される少なくとも1つの予張力を与えられたばね、特に脚ばねを含んでいる。このような予張力を与えられたばねは、例えば、つめをつめの戻り止め位置まで、阻止レバーを阻止レバーの阻止位置まで、または回転ラッチを回転ラッチの開位置まで動かすことができる。
【0051】
戻り止め位置にあるとき、回転ラッチは一般に、つめに開モーメントを引き起こすことができる。特に、回転ラッチは、つめに閉モーメントを引き起こさず、少なくともロック機構が過大な応力によって変形しないときに引き起こさない。一般に、ドアまたはフラップの閉状態で、追加の外力(ドア密閉圧力によって引き起こされるような内力に追加)がロック機構に引き起こされないときに、過大な応力は存在しない。過大な応力は、特に、衝突が起きた場合、ドアまたはフラップのロックボルトに相当な力がドアまたはフラップの開放方向に引き起こされたときに発生しうる。
【0052】
本発明で言うところの所定の屈曲点は、小さい領域に限定されうるか、またはより長い領域にわたって広がりうる。しかし、回転ラッチは、過大な応力がかかっている間に全体的に変形する間に、重なり部分が少なくとも残存するかまたは増大するように設計することもできる。