特許第6236667号(P6236667)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6236667
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】フラップまたはドア用のロック
(51)【国際特許分類】
   E05B 85/20 20140101AFI20171120BHJP
   E05B 85/26 20140101ALI20171120BHJP
   B60J 5/00 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   E05B85/20
   E05B85/26
   B60J5/00 M
【請求項の数】10
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-509305(P2015-509305)
(86)(22)【出願日】2013年5月2日
(65)【公表番号】特表2015-517613(P2015-517613A)
(43)【公表日】2015年6月22日
(86)【国際出願番号】DE2013000243
(87)【国際公開番号】WO2013163980
(87)【国際公開日】20131107
【審査請求日】2016年4月26日
(31)【優先権主張番号】102012207440.6
(32)【優先日】2012年5月4日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510222604
【氏名又は名称】キーケルト アクツィーエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100148596
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 和弘
(72)【発明者】
【氏名】ショルツ, マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ハントケ, アーミン
(72)【発明者】
【氏名】ハーマン, マイケル
(72)【発明者】
【氏名】バース, カーステン
【審査官】 佐々木 崇
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/120482(WO,A1)
【文献】 特開昭61−172976(JP,A)
【文献】 特許第2855557(JP,B2)
【文献】 特開2011−168961(JP,A)
【文献】 特開2002−213131(JP,A)
【文献】 特開2003−120102(JP,A)
【文献】 実開昭56−174664(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00− 85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転ラッチ(1)および前記回転ラッチ(1)をロックするための少なくとも1つのつめ(2)からなるロック機構を備える、ドアまたはフラップ用のロックにおいて、
前記つめ(2)のロックアーム(18)のロック面(8)が、前記つめ(2)を枢動させれば、ロックされたロック機構を解放するのに十分であるように設計され
前記ロック機構のロック状態で、前記つめ(2)の前記ロック面(8)における前記回転ラッチ(1)の収集アーム(10)の支持点は、前記ロック面(8)の一方の端部までの距離(22)が前記ロック面(8)の他方の反対側端部までの距離(23)より小さくなるように配置され、前記一方の端部は、前記ロック機構を解放するために前記回転ラッチ(1)の前記収集アーム(10)が通過しなければならない端部であることを特徴とする、ロック。
【請求項2】
前記つめ(2)のロックアーム(18)のロック面(8)が、前記つめ(2)を最大で16.1°、好ましくは最大で14.6°、特に好ましくは最大で12.9°だけ枢動させれば、ロックされたロック機構を解放するのに十分であるように設計される、請求項1に記載のロック。
【請求項3】
前記支持点と前記ロック面(8)の前記一方の端部との間の前記距離(22)が、前記つめ(2)の前記ロック面(8)の幅の最大で40%、好ましくは最大で30%であることを特徴とする、請求項に記載のロック。
【請求項4】
前記ロック機構の解放レバーを最大で20°だけ、好ましくは最大で16°だけ枢動させれば、タペットが前記つめ(2)を前記つめ(2)の戻り止め位置から動かすのに十分であることを特徴とする、請求項に記載のロック。
【請求項5】
前記ロック機構を10kN〜30kNの力、好ましくは20kN〜30kNの力で開放することができないように設計されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載のロック。
【請求項6】
前記つめ(2)を前記つめ(2)のロック位置から動かすことができるタペットを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載のロック。
【請求項7】
前記タペットは、前記回転ラッチ(1)によって前記つめ(2)に引き起こされた開モーメントの結果として前記つめ(2)が前記つめ(2)の戻り止め位置から動かされないときにのみ、前記タペットが前記つめ(2)を前記つめ(2)の戻り止め位置から動かすように配置されることを特徴とする、請求項6に記載のロック。
【請求項8】
前記回転ラッチ(1)は、ロック状態にあるときに、過大な応力がかかることにより、前記つめ(2)と前記回転ラッチ(1)の重なり部分が維持または増大するように、前記回転ラッチ(1)が変形するように設計されること、および/または、前記回転ラッチ(1)は、前記ロック機構が前記ロック機構のロック状態にある間に過大な応力印加にさらされたときに、前記回転ラッチ(1)の収集アーム(10)の自由端と荷重アーム(11)の自由端との間の距離を増大させる所定の屈曲点(12)を含むこと、を特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載のロック。
【請求項9】
前記所定の屈曲点(12)が、前記収集アーム(10)に配置され、特に、前記回転ラッチ(1)の前記収集アーム(10)の側に配置された凹所(20)であって、前記ロック機構のロック状態でドアまたはフラップのロックボルト(13)から離れる方向を向いている側に配置される凹所(20)を含むことを特徴とする、請求項8に記載のロック。
【請求項10】
前記回転ラッチを中間閉位置でロックできるようにする、前記回転ラッチ(1)のアーム(14)であって、前記アーム(14)が好ましくは前記回転ラッチ(1)の主平面の外側で終わる、アーム(14)を特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載のロック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の公知部分の特徴を有するフラップまたはドア用のロックに関する。前記設計のロックは、独国特許出願公開第102008061524号明細書に開示されている。ドアまたはフラップは、自動車または建築物のドアまたはフラップとすることができる。
【背景技術】
【0002】
前述のロックは、回転ラッチおよび少なくとも1つのつめを含むロック機構を備え、回転ラッチは、つめを用いて閉位置でつめのロック面および回転ラッチのロック面によってロックすることができる。ロック面は、ロック機構のロックを確実にするために当接し、部分的に重なり合うことになるつめの表面および回転ラッチの表面を意味する。閉位置では、回転ラッチはドアまたはフラップを閉じた状態にしておくことができ、したがってドアまたはフラップを開けることができない。回転ラッチが開位置にあると、ロックボルトはロック機構から離れることができ、ドアおよびフラップを開けることができる。
【0003】
回転ラッチは、荷重アームおよび収集アームを含む。ロックされたロック機構の場合、荷重アームは、ドアまたはフラップのロックボルトがロック機構から離脱するのを妨げる。ドアまたはフラップが閉じられると、閉鎖ボルトは荷重アームに対して動かされて、荷重アームを、したがって回転ラッチも閉位置の方向に動かす。
【0004】
独国特許出願公開第102010003483号明細書は、つめが完全閉位置で回転ラッチをラッチしたときに回転ラッチがつめに開モーメントを引き起こすロック機構を開示している。回転ラッチは、例えば、ドア密閉圧力の結果としてかつ/または回転ラッチを回転ラッチの開位置まで回転させることができる予張力を与えられたばねにより、つめに開モーメントを引き起こすことができ、かつ/または、当該ドアもしくはフラップの開放によりつめにそのようなトルクを引き起こすことができる。つめは、開モーメントによってつめのロック位置からつめの戻り止め位置まで動くことができる。ロックされたロック機構の場合にこれを確実に妨げるために、この構成は、つめがつめの戻り止め位置から動くのを阻止することができる阻止レバーも含む。かかるロック機構を開放するには、阻止レバーは、解放レバーの助けを借りて阻止レバーの阻止位置から動かされる。一般に、回転ラッチによってつめに引き起こされる開モーメントは、ロック機構のロックを解除する、すなわちロック機構を開放するのに十分である。
【0005】
前述した開モーメントを用いるロック機構では、種々の理由で、開モーメントはつめをつめのロック位置から動かすのに十分でないことが起こりうる。このような機能不全が生じた場合にもロック機構が確実に開放するためには、例えば、独国特許出願公開第102010003483号明細書に開示されている、解放レバーおよび/または中間閉位置つめに装着されるタペットが設けられる。このようなタペットは、特に、つめがもっぱら開モーメントのためにロック位置から離れることができない場合、つめをつめのロック位置から動かす必要がある。
【0006】
タペットがロック機構を開放できるようにするためには、例えば解放レバー上に配置されたタペットを十分大きい角度で枢動させることが可能でなければならない。一般に、つめがつめのロック位置からもっぱらタペットを用いて動かされるには、20°〜30°の角度、例えば約25°の角度で十分である。
【0007】
ロック機構の解放レバーは一般に、ロック機構を解放するためにハンドルの作動によって動かされる。ハンドルは、自動車の内部ドアハンドルまたは外部ドアハンドルとすることができる。この種のハンドルは一般に、ハンドルの作動時に解放レバーを動かすために、ロッドアセンブリまたはボーデンケーブルを介して解放レバーに連結される。ロッドアセンブリまたはボーデンケーブルが経年劣化により摩耗した場合、このことは、解放レバーがハンドルの作動によって枢動されうる枢動範囲を狭める可能性もある。その場合、ロック機構を確実に開放することができないかもしれない。
【0008】
特に自動車の場合、限られたスペースしか利用することができない。専門家はまた、特に自動車の場合に、重量を減らそうと努力する。ロックの場合、特に自動車において、ロックは小型でありかつ容易に生産されることが重要である。
【0009】
以下に特に断らない限り、上記の特徴は、それ自体でまたは組み合わせて本発明の一部とすることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、上述したタイプの確実に機能するロックを提供することである。
【0011】
本発明の目的は、第1の請求項の特徴を有するロックによって達成される。好適な諸実施形態が従属請求項に開示されている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この課題を解決するために、回転ラッチおよび少なくとも1つのつめからなるロック機構を備えるドアまたはフラップ用のロックが回転ラッチをロックするために提供される。必要スペースおよび重量を減らすために、回転ラッチがロックされうるために用いられるつめのロックアームのロック面は枢動方向に見ると狭い、すなわち短いので、ロック機構を解放するには、つめの最大で16.1°、好ましくは最大で14.6°、特に好ましくは最大で12.9°の枢動運動で十分である。しかし、専門家は、つめのロックアームのロック面は、例えば衝突の場合にまたは過大な荷重を受けてロック機構が開放しないようにするために、つめの有意により大きい枢動角度、例えば20°のように14°より有意に大きい角度を可能にするために、特に回転ラッチがロック状態で載るロック面の領域の幅が有意に広くなければならないと考えていた。しかしながら、本発明は、ロック機構もまた過大な荷重を受けて開放できないようにするためにロックアームのロック面のそのような幅は必須でないという認識に基づいている。したがって、ロックアームのロック面の幅は、体積および重量を減少させるために、つめの通常のロック面の幅に比べて著しく狭くなりうることが立証された。
【0013】
通常のロック機構では、回転ラッチの荷重アームの一端が、ロック状態にあるとき、ロックする働きをするつめのロックアームのロック面の中心付近にある。本発明では、ロック面の位置は、相対的に、回転ラッチの支持点とロック面の一端との間の距離がロック面の他端までの距離よりも有意に小さくなるように変化する。つめのロック面の一端は、ロック機構のロックを解除するためにロック状態で回転ラッチの支持点の方向に動かされる端部である。相対運動の一部として、回転ラッチの荷重アームの当該端部は、最終的にこの端部を通り過ぎて動かされ、その結果、回転ラッチは回転ラッチの開位置の方向に枢動することができる。ロック面とは、回転ラッチが開位置の方向に著しく動くのを妨げるのに適した全表面を意味する。
【0014】
この実施形態は、一方で、つめのロックアームが、何らかの理由で、すなわち計画外の理由で、例えば過大な荷重にさらされたときの説明される重なりサイズのために、回転ラッチの荷重アームに対して相対的に、つめの閉位置の方向にかなりの道のりを動いたときに、回転ラッチが依然として所望の態様でロックされることが確実になることを実現する。反対側では、ロック機構を解放するために、つめの、つめの開位置の方向の比較的小さい枢動運動で十分である。
【0015】
支持点の中心から見ると、好ましい一実施形態における小さい方の距離の長さは、つめのロック面の幅の最大で40%であり、前述の効果を達成するためには最大で30%であることが特に好ましい。
【0016】
試験により、通常のロック機構では、回転ラッチもつめも過大な荷重によってゆがめられたり変形したりしないことが分かっている。代わりに、回転ラッチの軸線の支持点およびつめの軸線の支持点ならびにロック機構が取り付けられているロックプレートまたはロックハウジングが変形する。したがって、本発明の一実施形態では、かかる支持点は、通常のロック機構に比べて十分に頑丈であり、特により大きな軸径で設けられる。このようにして、ロック機構は、例えば20〜30kNの過大な荷重にさらされたときでも開放することができないことが確実になりうる。このような補強対策、例えば軸線の直径の拡大は、重量のわずかな増大につながる。しかしながら、この新設計により可能になるつめロックアームの幅を狭くすることにより、総重量は一般に減少する。そうした拡大だけでロックプレートおよび回転ラッチやつめなどの構成要素の凹所または穴が大きくなるので、軸線の直径の拡大で総体積が大きくなることは一般にない。しかしながら、つめのロックアームの幅の減少により、総体積の減少が可能になる。したがって、全体として見れば、つめのロックアームのより狭い幅を可能にするために、支持点を増やすことが好適である。
【0017】
好ましい一実施形態では、ロック機構は、過大な応力の場合に、回転ラッチが、回転ラッチが回転ラッチのロック位置にとどまるように、特に回転ラッチの所定の屈曲点のために変形するように設計される。所定の屈曲点は荷重アーム上に設けられることが好ましい。回転ラッチとつめとの重なり部分は、過大な応力にもかかわらず残存する。重なり部分はさらに増大することが好ましい。荷重アームの所定の屈曲点は、過大な応力がかかった場合に、荷重アームの端部と収集アームの端部との間の距離が増大するように設けられてもよい。しかしながら、所定の屈曲点は一般に、ドアまたはフラップの閉状態で、荷重アームがドアまたはフラップのロックボルトによって直接衝突されないので、荷重アーム上に配置される。したがって、荷重アーム上に所定の屈曲点を設けることは特に問題にはならない。
【0018】
この構成は、ロック機構の予期せぬ開放をもたらす例えば10kN〜30kNの過大な荷重によって引き起こされる変形のために、回転ラッチのロック面がつめのロック面から解放されるのを妨げる。一実施形態では、収集アームは、特に、回転ラッチとつめとの間に重なり部分または増大した重なり部分が作られるように、過大な荷重がかかった結果として荷重アームに関連して曲げられる。この曲げは、一般に収集アームおよび荷重アームの2つの自由端の間の距離を増大させる。この実施形態では、衝突が発生した場合にもロック機構が開放しないようにするために、支持点を通常のロック機構の支持点に比べて強化する必要はない。
【0019】
この実施形態は公差補正も可能にする。つめのロック面と回転ラッチのロック面との計画重なり部分は、回転ラッチおよびつめの支持点での公差の増大により、および/または、支持プラスチック部品の変形により、減少している可能性がある。回転ラッチとつめとの間の重なり部分は一般に増大することになるので、ロック機構が過大な応力を受けて予期せず開放するおそれは依然としてない。
【0020】
それによって製造努力をほとんどせずに所定の屈曲点を設けることができるので、所定の屈曲点は凹所内に配置され、かつ/または、少なくとも1つの凹所を含むことが好ましい。凹所は、ロック機構のロック位置で、収集アームの、ドアまたはフラップのロックボルトから離れる方向に向いている側に配置されることが好ましい。
【0021】
凹所は、回転ラッチ内に開口で設けることができる。言い換えると、凹所は回転ラッチ内に隙間を形成する。凹所は、所定の屈曲点を設けるために、回転ラッチの横輪郭から、すなわち収集アームの横輪郭から回転ラッチの内部に向かって、特に回転ラッチの回転軸線に向かって延びることができる。本発明によれば、収集アームまたは荷重アーム内に少なくとも1つの凹所を設けることができる。しかし、収集アームまたは荷重アームは2つ以上の凹所を含むこともできる。凹所は、回転ラッチを貫通する1つまたは複数の穴で設けることができる。
【0022】
ロック機構の閉状態でロックホルダに面する回転ラッチのアーム、特に収集アーム内に、離間された2つの凹所が形成されるかまたは設けられることが好ましい。第1の凹所から間隔をあけて配置された第2の凹所は、回転ラッチの重量を好適に軽くすることができ、かつ/または、曲げ挙動に良い影響を与えることができる。例えば、2つの凹所の間に再成形された材料が、例えばロック機構の中間閉位置用の係止部としても働くことができるように回転ラッチ内に凹所を配置するという選択肢もある。
【0023】
別の好ましい実施形態では、ロック機構を中間閉位置でロックするために使用されうる高所またはアームが、凹所間に位置する回転ラッチの領域内に設けられる。回転ラッチに面する第1の凹所は、好ましくは収集アーム上に所定の屈曲点の位置を画定するために使用することができる。これにより、例えば、所定の屈曲点は、回転ラッチ内の第1の凹所の深さ、すなわち、回転ラッチのピボット点の方向の凹所の径方向延長部の深さに応じて変化することが可能になる。所定の屈曲点の位置は、回転ラッチとつめとの間の重なり部分に影響を与えることもできる。例えば、回転ラッチの外縁部から回転ラッチの中に深く延びる凹所が回転ラッチ内に挿入される場合は、凹所の深さによって所定の屈曲点の位置が決まる。
【0024】
ロック機構が過度に応力を受けた場合、例えば事故が発生した場合、ロック機構は解放されないかもしれない。回転ラッチおよびつめは係合されたままでなければならない。このことは、本発明に開示されているように回転ラッチ内に所定の屈曲点を設けることにより積極的に支援されうる。回転ラッチの一部が所定の屈曲点にわたって適切に曲がると、回転ラッチとつめとの間の係合点は重なり部分が大きくなる方向に移動する。すなわち、解放が妨げられるだけでなく、ロック機構も付加的に固定される。これは、所定の屈曲点の位置の結果として、回転ラッチとつめとの間の係合点の領域内での相対的移動が、過大な応力が生じた場合に制御可能であることを明確に示している。言い換えると、本発明により、高応力または過大な応力がかかった場合に回転ラッチとつめとの間の重なり部分に影響を与えることが可能になる。
【0025】
回転ラッチ内の横輪郭から延びる深い凹所は、応力印加にさらされると長いレバーアームを引き起こし、したがって特に重なり部分の好ましい拡大を引き起こす。レバーアームとは、屈曲点(所定の屈曲点)の位置と、回転ラッチとつめとの間の係合点と、の間の距離を意味する。
【0026】
小さい凹所でも、すなわち回転ラッチの外部から内部領域内に延びる凹所でも、重なり部分のかなりの増大をもたらすこともできる。しかし、レバーアームが短くなるほど、回転ラッチとつめとの間の係合点の、より大きな重なり部分を作り出す方への移動が小さくなる。
【0027】
代替的にまたは加えて、所定の屈曲点は、材料特性(弾性)の変更、厚みの変更、曲げ剛性の低減、断面積の減少、および/または安定性の低下によって実現することができる。材料は、例えば、このようにして所定の屈曲点を設けるために、遡及的処理の結果として所定の場所でさらに弱くなっている可能性がある。材料の厚みは、所望の箇所に所定の屈曲点を実現するために、1箇所を薄くすることができる。例えば、所定の屈曲点を設けるためにある箇所またはある領域内で材料特性を変更することが可能である。これは、例えば、熱処理により回転ラッチに硬度の高い領域または硬度の低い領域が作られることで実現することができる。例えば事故が発生した場合のように過大な応力がロック、したがってロック機構に加えられたときに、硬度の低い領域は所定の屈曲点として働き、ロック機構の解放を妨げる。相対的に、一般に追加の製造努力がこの目的のために必要とされないので、少なくとも1つの凹所によって設けられた所定の屈曲点が好ましい。
【0028】
所定の屈曲点の有利な位置を選択することにより、重なり部分は好ましくは増大して、ロック機構の特定の信頼できるロッキングを確実にする。
【0029】
代替的にまたは変更済み材料特性と組み合わせて、回転ラッチ、好ましくは、収集アームは断面減少部を含むことができる。断面減少部は回転ラッチの片側または両側に設けることができる。両側の減少部は、回転ラッチの対称設計の利点を提供するとともに、回転ラッチの潜在的変形に良い影響を与えることもできる。回転ラッチは、所定の屈曲点を画定するとともに、所定の屈曲点の曲げ挙動に特異的に影響を与えるために、2つ以上の断面減少部を含むことも可能である。回転ラッチに沿って異なる長さの凹所を1つまたは複数設けることもできる。複数の凹所は、例えば、回転ラッチ内に連続的に増大する長さ、または、増大し次いで減少する長さをなして設けることができる。しかしながら、このような実施形態は、特に、横輪郭から回転ラッチの内部に向かって、特に回転ラッチの回転軸線の方向に延びる凹所と比較して、より多くの製造作業を必要とする。
【0030】
本発明の一実施形態では、凹所は、回転ラッチに成形、刻印、および/または機械加工を施して作ることができる。回転ラッチの少なくとも部分的厚み減少部も凹所と見なされる。1つまたは複数の凹所を、例えば回転ラッチにフライス加工または刻印を施して作ることもできる。
【0031】
別の実施形態では、凹所は、連続湾曲部および/またはU字形状および/または尖頭ノッチとして描かれうる断面部を含むことができる。断面部の形状を使用すると、ノッチの数、したがって所定の屈曲点は好適に影響されうる。
【0032】
上述した問題は特にかかるロック機構内に起こるので、回転ラッチには、つめに開モーメントを引き起こすことができる所定の屈曲点が設けられることが好ましい。ロックは1つまたは2つのつめを含むことができる。中間閉位置の他に、ロックは、ロック機構がロックされうる完全閉位置も含むことができる。したがって、回転ラッチは、ロッキング用の1つまたは2つのロック面を含むことができる。ロックは、つめを戻り止め位置で阻止する阻止レバーを含むことができる。回転ラッチは、戻り止め位置でつめに開トルク、閉トルク、または無トルクを引き起こすことができる。
【0033】
ロック機構は、ロック機構の解放レバーが、ロック機構を(ロック機構がロックされたときに)確実に開放するために、特に、解放レバーを枢動させることによりつめをつめの戻り止め位置から動かすことができるつめ用のタペットの助けを借りて、8°〜18.5°だけ、好ましくは10.5°〜15.5°だけ枢動されるだけでよいように設計されることが好ましい。例えば寿命上の理由で、ハンドルを操作したときに解放レバーがもはや20°を超えて枢動することができない状況で、この実施形態によりロック機構は依然として確実に開放することができる。
【0034】
特に、つめが引き起こされた開モーメントによってつめの戻り止め位置から動かされていないときに、タペットはつめをつめの戻り止め位置から動かすだけである。したがって、開放機構が引き起こされた開トルクのために機能しなくなったときに、タペットによりつめはつめの戻り止め位置から確実に動かされる。
【0035】
当該実施形態において、解放レバーが阻止レバーをつめから遠ざけるだけでなく、つめを回転ラッチの係合領域から動かすことも確実にするために、解放レバーは10°を超えて規則的に枢動されなければならない。解放レバーが10°を超えて枢動された後でしか、一般に解放レバーに装着されているタペットがつめと相互作用してつめが解放レバーによって機械的に枢動されることはない。このような理由で、解放レバーは、タペットが必要な場合につめと係合しかつつめを動かすことができるようにするために、10°を超えて枢動されうることが好ましい。
【0036】
したがって、開放機構が引き起こされた開トルクの後でそうすることができない場合、タペットはつめがつめの戻り止め位置から動かされるようにする。
【0037】
一実施形態では、ロック機構は、好ましくは解放レバーとしても働く中間閉位置つめを含む。この実施形態では、特に、回転ラッチは、ロック面を有する全体的に変形可能なアームから凹所によって切り離された、中間閉位置でロックするためのアームを含むことが好ましい。中間閉位置では、つめ、好ましくは、中間閉位置つめのアームは、回転ラッチを中間閉位置でロックするために、回転ラッチの上記アームに寄りかかる。この実施形態により、収集アーム上に所定の屈曲点を設けること、ならびに、所望の箇所に中間閉位置つめ用のロック面を設けることが可能になる。この中間閉位置つめ用のアームは、特に、回転ラッチの表面積によって提供されるレベルを越えて延びる。これにより、つめの上方に中間閉位置用の解放レバーを設けて、中間閉位置つめを形成することも可能になる。
【0038】
一実施形態では、ロック機構は、つめをつめの戻り止め位置で阻止することができる阻止レバーを含む。つめは、つめが阻止レバーによって阻止されると、つめの戻り止め位置から離れることができない。ロック機構は、特に阻止レバーによって確実にロックすることができる。
【0039】
より少ない部品でさらにコンパクトな設計を実現するために、ロック機構のつめおよび解放レバーは、一実施形態では共通軸線上に回転可能に取り付けられる。
【0040】
好適には、回転ラッチは、ドア密閉圧力が存在していなくてもつめにモーメントを引き起こすことができるようにするために、ばねによってロックの開位置の方向に予張力を与えられる。
【0041】
本発明の一実施形態では、解放レバーは、ロック機構の阻止レバーを阻止レバーの阻止位置から動かすことができる。このためには、一般に比較的小さい力で十分である。つめがその後、回転ラッチによってつめに引き起こされた開モーメントによってつめの戻り止め位置から動かされる状況で、ロック機構を開放するために必要な全力は非常に小さいことが有効である。
【0042】
一実施形態は、阻止レバーを阻止レバーの阻止位置まで動かすためのばねを備える。したがって、阻止レバーは、ばねによって阻止レバーの阻止位置まで簡単かつ確実に動かすことができる。一実施形態では、阻止レバーおよびつめは、阻止レバーを阻止レバーの阻止位置で動かすことにより、つめもまたつめの戻り止め位置まで動かされるように設計される。したがって、必要な部品の数はさらに削減される。同時に、重量も必要スペースも低減される。
【0043】
一実施形態では、解放レバーは3つのレバーアームを含む。第1のレバーアームを使用して、阻止レバーは、特に、ロック機構のロックを解除するために阻止レバーの阻止位置から動かされる。解放レバーの第2のレバーアームは、つめを上述した態様で解放することが好ましい。すなわち、つめをロック位置の方向に動かすことができるばね力が少なくともロック機構の開放中に減じられる。好ましくは、この第2のレバーアームは、つめをつめのロック位置から動かすためのタペットを含んでいて、コンパクトで生産が簡単な設計を可能にする。第3のレバーアームは、解放レバーを作動させるために、すなわち、例えばロッド配置またはボーデンケーブルの助けを借りて、好ましくは連結されたハンドルまたは電気駆動部の助けを借りて使用される。ハンドルが作動されるかまたは電気駆動部が起動されると、このことが、第3のレバーアームおよび解放レバーも作動させてロック機構のロックを解除し、前記解放レバーは特に軸線を中心に枢動される。好適には、本発明は、必要スペースおよび重量を最小限に抑えかつ解放レバーが所望の最終位置を通過するのを妨げるために、第2のレバーアーム用の係止部も備える。
【0044】
つめは2つのレバーアームを含んでいて、一方のレバーアームが回転ラッチをロックすることが好ましい。機構、すなわち予張力を与えられたばねの助けを借りてつめをつめの戻り止め位置まで動かすことができるようにするために、機構、例えば予張力を与えられたばねは他方のレバーアームに作用する。つめのこの他方のレバーアームは、解放レバーのタペットによって随意に係合されてロック機構のロックを解除し、それに応じて動かされ、特に軸線を中心に枢動される。好適には、つめがつめの完全戻り止め位置を通過するのを妨げるために、このレバーアーム用の係止部も設けられる。
【0045】
つめをつめの戻り止め位置で阻止するための阻止レバーは、好ましくは2つのレバーアームを含む。阻止レバーの第1のレバーアームは、特に、つめをつめのラッチ位置で阻止しかつ/またはつめをつめのラッチ位置まで動かすことができる。一実施形態では、特に、この第1のレバーアームは、好適には解放レバーによって係合され、特に軸線を中心に枢動することによって阻止レバーの阻止位置から動くこともできる。阻止レバーの第2のレバーアームは、好ましくは、阻止レバーが与えられた最終位置を通過して動かされうるように係止部に対して動くことができる。第2のレバーアームを設けることは、好適には、阻止レバーの重心が、阻止レバーがそれを中心に枢動されうる軸線の方向に移動することにも寄与する。こうした重心の移動は阻止レバーの枢動を促進する。
【0046】
一実施形態では、阻止レバーは、構成要素の数を最小限に抑えるために解放レバーとしても機能することができる。一実施形態では、解放レバーは、回転ラッチを中間閉位置でロックすることができる中間閉位置つめとしても機能する。その場合、ロック機構はドアまたはフラップをロックすることができる。しかし、ドアまたはフラップは、完全閉位置で計画されたほどにはロックされない。中間ロック位置からは、回転ラッチがロック位置の方向にさらに枢動された場合にのみ完全閉位置に至る。
【0047】
本発明のロック機構は、特に、金属ロックプレート上または一般に金属製のロックケーシング上に配置される。通常、そのようなロックは、一般にプラスチック製のロックハウジングも含み、ロックハウジングはロックの構成要素を外的影響から保護することができる。この構成は、特にプラスチック製のロックカバー、および/または、特に、保護するためにも設けられるセントラルロッキング用のプラスチックカバーをさらに含むことができる。ロックは、例えば、建築物のドアもしくはフラップの一部または自動車のドアもしくはフラップの一部とすることができる。
【0048】
本発明はさらに、回転ラッチの完全閉位置用のつめ(「完全閉位置つめ」とも称される)と、回転ラッチの中間閉位置用のつめ(「中間閉位置」とも称される)とを有し、好適には前記完全閉位置つめ用の阻止レバーも有するかかるロックも含む。この種のロックは、独国特許出願公開第102008061524号明細書に開示されている。しかし、本発明のロックは、阻止レバーに加えて、回転ラッチを中間ロック位置および完全閉位置でロックするためのただ1つのつめも含むことができる。
【0049】
回転ラッチは、自動車のドアまたはフラップが閉じられたときにドアまたはフラップのロックボルトが入るフォーク状の入口スロット(インフィード部分)を含む。その場合、ロックボルトは回転ラッチを開位置から戻り止め位置へ枢動させる。戻り止め位置になると、ロックボルトはもはや回転ラッチから動くことができない。つめは回転ラッチを戻り止め位置でロックして、回転ラッチが開位置に逆戻りできないようにする。
【0050】
本発明によるロックは、枢動されうるかつ枢動されるべき、つめ、阻止レバー、または回転ラッチなどの構成要素を含む。このような構成は、通常、ばねの力の結果としてそのような構成要素の所望の枢動運動をもたらすために使用される少なくとも1つの予張力を与えられたばね、特に脚ばねを含んでいる。このような予張力を与えられたばねは、例えば、つめをつめの戻り止め位置まで、阻止レバーを阻止レバーの阻止位置まで、または回転ラッチを回転ラッチの開位置まで動かすことができる。
【0051】
戻り止め位置にあるとき、回転ラッチは一般に、つめに開モーメントを引き起こすことができる。特に、回転ラッチは、つめに閉モーメントを引き起こさず、少なくともロック機構が過大な応力によって変形しないときに引き起こさない。一般に、ドアまたはフラップの閉状態で、追加の外力(ドア密閉圧力によって引き起こされるような内力に追加)がロック機構に引き起こされないときに、過大な応力は存在しない。過大な応力は、特に、衝突が起きた場合、ドアまたはフラップのロックボルトに相当な力がドアまたはフラップの開放方向に引き起こされたときに発生しうる。
【0052】
本発明で言うところの所定の屈曲点は、小さい領域に限定されうるか、またはより長い領域にわたって広がりうる。しかし、回転ラッチは、過大な応力がかかっている間に全体的に変形する間に、重なり部分が少なくとも残存するかまたは増大するように設計することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
図1】ロック機構をロック機構のロック状態で示す図である。
図2】通常のロック機構のつめのアームの幅と本発明のロック機構のつめのアームの幅とを比較した図である。
図3】本発明の他の実施形態を示す図である。
図4図2の実施形態の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
図1は、ロックケース4上に回転可能に取り付けられた回転ラッチ1、つめ2、および阻止レバー3を備える、自動車のロックのロック機構を示す。回転ラッチ1は、回転ラッチ1の軸線5を中心に枢動することができる。つめ2は、つめ2の軸線6を中心に枢動することができる。阻止レバー3は、阻止レバー3の軸線7を中心に枢動することができる。
【0055】
本発明は、複数のつめからなるロック、いわゆる複数つめロック機構に関して説明されることに留意されなければならない。しかし、本発明は、特に複数つめロック機構に関連するだけでなく、ロック機構を有する他のすべてのロックにも適用可能である。
【0056】
つめ2のロック面8を使用して、つめ2は回転ラッチ1を、回転ラッチ1の収集アーム10のロック面9がつめのロック面8に載った状態でロックする。この例では、回転ラッチ1がつめ2に開モーメントを確実に引き起こすようにする、ロック面8、9の相互配置が選択されている。開モーメントの結果として、阻止レバー3が内部もしくは外部の作動手段の作動によって阻止レバー3の阻止位置から動かされたときに、つめ2は、つめ2の図示の戻り止め位置から、図1の場合は軸線6を中心に時計回り方向に枢動することによって枢動することができる。
【0057】
2つのロック面8および9の重なり部分は、回転ラッチが開位置で枢動され、それによってロック機構を開放するために、つめ2が時計回り方向に数度だけ、特に14.1°未満だけ、好ましくは12.9°未満だけ枢動されればよいようなものである。ロック機構を開放するためには、重なり部分が大きいほど、つめ2は時計回り方向に大きく枢動されなければならない。
【0058】
回転ラッチ1は収集アーム10および荷重アーム11を含む。収集アーム10は所定の屈曲点12を含む。所定の屈曲点12は、収集アーム10の片側からまたは図示のように両側から延びる好ましくは湾曲した凹所の形で設けることができる。例えば衝突の場合のような過大な力が回転ラッチ1によって保持されたロックボルト13に加えられ、それによって荷重アーム11が開放方向に引っ張られると、収集アーム10は、所定の屈曲点12があるために荷重アーム11に関連して所定の屈曲点12を中心に反時計回り方向に曲がる。この変形は、塑性変形および/または弾性変形とすることができる。その結果、ロック面9とロック面8との間の接触点は、ロック面8とロック面9の重なり部分が増大するように移動する。
【0059】
回転ラッチ1は、回転ラッチ1のベースおよびつめ3のベースが配置される面の上方に配置された面の中へ延びるアーム14を含む。つめ2の上方には、中間閉位置つめとしても動作する解放レバー(図示せず)が軸線6上に設けられる。中間閉位置で、このアーム14は、ロック機構が中間閉位置でもロックされうるように、中間閉位置つめに寄りかかる。実施形態のこの例では、中間閉位置アーム14は、回転ラッチ1と一体に形成された折返し縁部である。しかしながら、回転ラッチ1に連結される別個のボルトである中間閉位置アーム14を使用することもできる。回転ラッチ1は、回転ラッチが過度に枢動しないようにするために、例えば係止部に対して動かされうるアーム15も含むことができる。
【0060】
収集アーム10は、所望の態様で変形するようにするために、テーパ状の領域、すなわち凹所12を必ずしも含んでいる必要はない。あるいは、回転ラッチ1の片側または両側に1つまたは2つの凹所が設けられてもよい。別の代替手段として、または、加えて、回転ラッチ1は、所定の屈曲点を形成するために熱処理を受けたものでもよい。
【0061】
収集アーム10は、この領域上で前述の態様で曲げられるために、収集アーム10の全長にわたって十分に狭い幅を有していても十分かもしれない。代替的にまたは加えて、荷重アーム11は、軸線5とロックボルト13の図示の位置との間にテーパ状の領域を含むこともできる、すなわち狭くすることができる。過大な応力がかかった場合、荷重アーム11は、例えば、荷重アーム11のテーパ状領域上で曲げられ、2つのロック面8および9の重なり部分は同様に大きくなる。
【0062】
したがって、回転ラッチは、ロックボルト13により過大な応力がかかった場合に、回転ラッチが、ロック面8とロック面9の重なり部分が少なくとも減少しないように変形するように設計されることが特に重要である。重なり部分は、過大な応力がかかった場合にさらに増大することが好ましい。
【0063】
図1は、阻止レバー3を阻止位置の方向に動かすことができる予張力を与えられた脚ばね16を示す。阻止レバー3は、ロック機構を開放するために、阻止レバー3の軸線7を中心として反時計回り方向に脚ばね16の力に逆らって枢動されなければならない。阻止レバー3およびつめ2は、阻止レバー3がつめ2をつめ2の戻り止め位置まで動かすことができるように設計される。ロックケース4上に取り付けられた係止部17は、つめ2がつめ2の戻り止め位置を通り過ぎて反時計回り方向に動くのを妨げる。
【0064】
別の好適な実施形態では、回転ラッチ1の収集アーム10のロックボルト13に面する側に配置された凹所18が追加的または排他的に設けられる。これにより、それに応じて全体設計を増大させる必要なしに、くぼみの形をした凹所がロックボルトから離れる方向に向いている側に設けられるという筋書きに比べて比較的長い物理的に有効なレバーが作られる。レバーに過大な応力がかかった場合、重なり部分は著しく増大する。開位置からは、ロックボルトが、図1に示されている閉位置まで移動するために収集アーム10の輪郭の階段状部分19の上を動かされなければならないところにくぼみが存在する。
【0065】
図2の破線は、つめ2のロックアーム18が通常のつめのロックアームの通常の幅と比較してどのようにして設計されうるかを示す。したがって、本発明のつめ2は、破線で示されている横輪郭が通常のつめとは異なり、ロックアームがより狭くなっている。より狭い幅のロックアーム18および得られるロック面8は、ロック機構を開放するにはつめのより小さい枢動運動で十分であるという結果をもたらす。
【0066】
図3は、重量および体積の減少を可能にする、つめ2の他のアーム上の湾曲部19の存在を示す。この湾曲部19は、係止部17から離れる方向を向いている側に配置される。
【0067】
回転ラッチ1の荷重アーム10のロックボルト13に面する側にくぼみ20が配置されることが特に好適である。これにより、それに応じて全体設計を増大させる必要なしに、くぼみの形をした凹所がロックボルト13から離れる方向に向いている側に設けられるという筋書きに比べて比較的長い物理的に有効なレバーが作られる。レバーに過大な応力がかかった場合、重なり部分は著しく増大する。開位置からは、ロックボルト13が、図1に示されている閉位置まで移動するために、収集アーム10の輪郭の階段状部分21の上を動かされなければならないところにくぼみが存在する。
【0068】
図4は、つめ2のロックアーム18および回転ラッチ1の収集アーム10の一部を拡大抜粋したものを示し、特に好ましい本発明の実施形態の偏りのコース(破線で示されている)が通常のコースと比較して示されている。つめ2のロック面における回転ラッチの収集アーム10の支持点は、ロック機構がロック機構のロック位置にあるときに、左側に示されているロック面8の一端までの距離22がロック面8の他方の反対側端部までの距離23より小さくなるように配置される。特に図1に示されているように、左側に示されている端部は、ロック機構のロックを解除するために回転ラッチ1の収集アーム10が通過しなければならない端部である。距離22の長さは、2つの部分、すなわち距離22および23の合計の約30%、したがってロック面8の幅の約30%である。
【符号の説明】
【0069】
1 回転ラッチ
2 つめ
3 阻止レバー
4 ロックケース
5 回転ラッチの軸線
6 つめおよび解放レバーの共通軸線
7 阻止レバーの軸線
8 つめのロック面
9 回転ラッチのロック面
10 収集アーム
11 荷重アーム
12 所定の屈曲点
13 ロックボルト
14 中間閉位置でロックするためのアーム
15 アーム
16 脚ばね
17 阻止レバー用の係止部
18 つめのロックアーム
19 くぼみ
20 くぼみ
21 階段状の輪郭
22 つめのロック面の第1の部分
23 つめのロック面の第2の部分
図1
図2
図3
図4