特許第6236675号(P6236675)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6236675管状部材端部の固定構造、取付部材及び管状部材端部の固定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6236675
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】管状部材端部の固定構造、取付部材及び管状部材端部の固定方法
(51)【国際特許分類】
   F16L 5/00 20060101AFI20171120BHJP
   F16L 3/08 20060101ALI20171120BHJP
   F16L 1/00 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   F16L5/00 V
   F16L3/08 E
   F16L1/00 F
【請求項の数】11
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-42367(P2014-42367)
(22)【出願日】2014年3月5日
(65)【公開番号】特開2015-169219(P2015-169219A)
(43)【公開日】2015年9月28日
【審査請求日】2016年10月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000004606
【氏名又は名称】ニチコン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082670
【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 民雄
(74)【代理人】
【識別番号】100180068
【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 怜史
(72)【発明者】
【氏名】松元 建三
(72)【発明者】
【氏名】加藤 耕太
(72)【発明者】
【氏名】西 豊
(72)【発明者】
【氏名】岡 竜司
(72)【発明者】
【氏名】仲谷 剛史
(72)【発明者】
【氏名】片山 猛
【審査官】 柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−044482(JP,A)
【文献】 特開2013−063010(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第00744571(EP,A1)
【文献】 特開昭62−223564(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 5/00
F16L 1/00
F16L 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の外壁に設けた孔から引き出された管状部材の端部が、前記外壁に固定された取付部材に固定されており、
前記外壁には、前記管状部材の端部を隠蔽するように、前記取付部材を介して、建物用設備が設置されているとともに、
前記管状部材の端部の開口部には、網目状部材が設けられていることを特徴とする管状部材端部の固定構造。
【請求項2】
前記管状部材は、前記建物の内部に設置された蓄電池を格納した格納容器から延びるものであり、前記建物用設備は、前記蓄電池用のパワーコンディショナであることを特徴とする請求項1に記載の管状部材端部の固定構造。
【請求項3】
前記管状部材と並列して、前記蓄電池と前記パワーコンディショナとを繋ぐ配線が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の管状部材端部の固定構造。
【請求項4】
前記取付部材は、前記建物用設備のケーシングの裏側面板を兼ねており、前記ケーシングには、屋外と連通する連通部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の管状部材端部の固定構造。
【請求項5】
請求項1乃至のいずれか1項に記載の管状部材端部の固定構造に用いられる取付部材であって、
板状の取付部材本体に前記管状部材の端部を通すための孔が設けられており、
前記孔の屋外側に前記管状部材の端部を固定するための固定用孔を有する管状部材固定部が設けられていることを特徴とする取付部材。
【請求項6】
前記取付部材本体には、前記建物の前記外壁に締結部材で固定するための挿通孔が設けられていることを特徴とする請求項に記載の取付部材。
【請求項7】
前記取付部材本体の表側面には、前記建物用設備の裏側面に設けたフックを受けるフック受けが設けられていることを特徴とする請求項又はに記載の取付部材。
【請求項8】
前記取付部材本体の表側面には、前記建物用設備を締結部材で固定するための設備固定部が設けられていることを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の取付部材。
【請求項9】
前記取付部材本体の裏側面の縁部には、パッキン材が設けられていることを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の取付部材。
【請求項10】
前記取付部材本体の前記孔の周縁部が連続して表面側に突出した突出縁部が形成されていることを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載の取付部材。
【請求項11】
請求項乃至10のいずれか1項に記載の取付部材を用いて、請求項1乃至のいずれか1項に記載の管状部材端部の固定構造とするための管状部材端部の固定方法であって、
前記取付部材本体に設けた前記孔から前記管状部材の端部を引き出した状態で、前記取付部材を前記建物の前記外壁に固定する工程と、
前記管状部材の端部を、前記取付部材本体の前記孔の屋外側の前記管状部材固定部に固定する工程と、
前記取付部材に前記建物用設備を固定する工程とから成ることを特徴とする管状部材端部の固定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気口や給気口等となる管状部材端部の固定構造、この固定構造に用いられる取付部材、及びこの取付部材を用いた管状部材端部の固定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、建物内から外壁まで管状部材を配設して、その管状部材の端部を排気口や給気口等とすることがなされている(例えば、特許文献1等を参照)。
【0003】
このような排気口や給気口等は、そのままでは、防水性が悪く、見栄えも良くないので、通常、目隠部材や化粧部材等の専用の隠蔽手段を設けて、防水性が良く、見栄えも良いものにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−54110号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、外壁には、窓や戸等の開口部を設けなければならないうえに、近年では、様々な建物用設備を設置することなどもあり、やたらに目隠部材や化粧部材等の専用の隠蔽手段を設けてしまうと、建物全体の美的バランスが崩れてしまうおそれがある。
【0006】
そこで、本発明は、目隠部材や化粧部材等の専用の隠蔽手段を設ける必要が無い管状部材端部の固定構造、この固定構造に用いられる取付部材、及びこの取付部材を用いた管状部材端部の固定方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の管状部材端部の固定構造は、建物の外壁に設けた孔から引き出された管状部材の端部が、前記外壁に固定された取付部材に固定されており、前記外壁には、前記管状部材の端部を隠蔽するように、前記取付部材を介して、建物用設備が設置されていることを特徴とする。
【0008】
ここで、前記管状部材は、前記建物の内部に設置された蓄電池を格納した格納容器から延びるものであり、前記建物用設備は、前記蓄電池用のパワーコンディショナであるとよい。
【0009】
また、前記管状部材と並列して、前記蓄電池と前記パワーコンディショナとを繋ぐ配線が設けられているとよい。
【0010】
さらに、前記取付部材は、前記建物用設備のケーシングの裏側面板を兼ねており、前記ケーシングには、屋外と連通する連通部が設けられているとよい。
【0011】
また、前記管状部材の端部の開口部には、網目状部材が設けられているとよい。
【0012】
本発明の取付部材は、上記した本発明の管状部材端部の固定構造に用いられる取付部材であって、板状の取付部材本体に前記管状部材の端部を通すための孔が設けられており、前記孔の屋外側に前記管状部材の端部を固定するための固定用孔を有する管状部材固定部が設けられていることを特徴とする。
【0013】
ここで、前記取付部材本体には、前記建物の前記外壁に締結部材で固定するための挿通孔が設けられているとよい。
【0014】
また、前記取付部材本体の表側面には、前記建物用設備の裏側面に設けたフックを受けるフック受けが設けられているとよい。
【0015】
さらに、前記取付部材本体の表側面には、前記建物用設備を締結部材で固定するための設備固定部が設けられているとよい。
【0016】
また、前記取付部材本体の裏側面の縁部には、パッキン材が設けられているとよい。
【0017】
さらに、前記取付部材本体の前記孔の周縁部が連続して表面側に突出した突出縁部が形成されているとよい。
【0018】
本発明の管状部材端部の固定方法は、上記した本発明の取付部材を用いて、上記した本発明の管状部材端部の固定構造とするための管状部材端部の固定方法であって、前記取付部材本体に設けた前記孔から前記管状部材の端部を引き出した状態で、前記取付部材を前記建物の前記外壁に固定する工程と、前記管状部材の端部を、前記取付部材の前記取付部材本体の前記孔の屋外側の前記管状部材固定部に固定する工程と、前記取付部材に前記建物用設備を固定する工程とから成ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
このような本発明の管状部材端部の固定構造は、建物の外壁に設けた孔から引き出された管状部材の端部が、外壁に固定された取付部材に固定されており、外壁には、管状部材の端部を隠蔽するように、取付部材を介して、建物用設備が設置された構成とされている。
【0020】
上記した構成なので、管状部材の端部が建物用設備により隠蔽されるため、目隠部材や化粧部材等の専用の隠蔽手段を設けることなく、見栄えを良くすることができる。
【0021】
ここで、管状部材は、建物の内部に設置された蓄電池を格納した格納容器から延びるものであり、建物用設備は、蓄電池用のパワーコンディショナである場合は、蓄電池用のパワーコンディショナは、建物の内部に蓄電池を設置した際に必要な建物用設備なので、この蓄電池用のパワーコンディショナを管状部材の端部の隠蔽手段として有効利用することができる。
【0022】
また、管状部材と並列して、蓄電池とパワーコンディショナとを繋ぐ配線が設けられている場合は、配線のための孔を、管状部材を配設するための孔としても利用することができる。
【0023】
さらに、取付部材は、建物用設備のケーシングの裏側面板を兼ねており、ケーシングには、屋外と連通する連通部が設けられている場合は、管状部材の端部を排気口とするときは、ケーシングの連通部から屋外への排気をすることができるし、管状部材の端部を給気口とするときは、ケーシングの連通部から屋外からの給気をすることができる。
【0024】
また、管状部材の端部の開口部には、網目状部材が設けられている場合は、管状部材の端部からの虫や小動物等の異物の侵入を防止することができる。
【0025】
本発明の取付部材は、上記した本発明の管状部材端部の固定構造に用いられる取付部材であって、板状の取付部材本体に管状部材の端部を通すための孔が設けられており、孔の屋外側に管状部材の端部を固定するための固定用孔を有する管状部材固定部が設けられた構成とされている。
【0026】
上記した構成なので、管状部材の端部を外壁の外側に向けた状態に容易に固定することができる。
【0027】
ここで、取付部材本体には、建物の外壁に締結部材で固定するための挿通孔が設けられている場合は、取付部材を外壁に容易に固定することができる。
【0028】
また、取付部材本体の表側面には、建物用設備の裏側面に設けたフックを受けるフック受けが設けられている場合は、建物の外壁に、建物用設備を安定した状態で設置することができる。
【0029】
さらに、取付部材本体の表側面には、建物用設備を締結部材で固定するための設備固定部が設けられている場合は、建物の外壁に、建物用設備をよりしっかりと安定した状態で設置することができる。
【0030】
また、取付部材本体の裏側面の縁部には、パッキン材が設けられている場合は、パッキン材により、取付部材の裏面側に雨水等が浸入するのを防止することができるうえに、外壁を傷付けずに済む。
【0031】
さらに、取付部材本体の孔の周縁部が連続して表面側に突出した突出縁部が形成されている場合は、この突出縁部によって、取付部材の表面を伝って流下してきた雨水等が管状部材の端部や取付部材の孔へ至らないようにすることができる。
【0032】
本発明の管状部材端部の固定方法は、上記した本発明の取付部材を用いて、上記した本発明の管状部材端部の固定構造とするための管状部材端部の固定方法であって、取付部材本体に設けた孔から管状部材の端部を引き出した状態で、取付部材を建物の外壁に固定する工程と、管状部材の端部を、取付部材の取付部材本体の孔の屋外側の管状部材固定部に固定する工程と、取付部材に建物用設備を固定する工程とから成る構成とされている。
【0033】
上記した構成なので、上記した本発明の管状部材端部の固定構造を容易に施工することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】実施例の管状部材端部の固定構造を備えた建物の概略構成を説明する説明図である。
図2】実施例の管状部材端部の固定方法の施工段階を示す工程図である。
図3】実施例の管状部材端部の固定方法の施工段階を示す工程図である。
図4】実施例の管状部材端部の固定方法の施工段階を示す工程図である。
図5】実施例の取付部材を裏面側から見た斜視図である。
図6】実施例の管状部材端部の固定方法の施工段階を示す工程図である。
図7】実施例の管状部材端部の固定方法の施工段階を示す工程図である。
図8】実施例の管状部材端部の固定方法の施工段階を示す工程図である。
図9】実施例の管状部材端部の固定方法の施工段階を示す工程図である。
図10】実施例で用いられるパワーコンディショナの裏側面を示す背面図である。
図11】実施例で用いられるパワーコンディショナの右側面を示す側面図である。
図12】実施例の管状部材端部の固定方法の施工段階を示す工程図である。
図13】実施例の管状部材端部の固定方法の施工段階を示す工程図である。
図14】実施例の管状部材端部の固定方法の施工段階を示す工程図である。
図15】実施例の管状部材端部の固定構造が完成した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明を実施するための形態を、図面に示す実施例に基づいて説明する。
【実施例】
【0036】
先ず、実施例の構成について説明する。
【0037】
図1は、実施例の管状部材端部の固定構造を備えた建物1の概略構成を示している。
【0038】
まず、この建物1は、地盤に打設された建物基礎1Bの上に建物本体1Aが構築されて成る。
【0039】
具体的には、建物基礎1Bの上端に基礎パッキン2を介して土台3が設けられており、土台3の上に根太6が設けられ、根太6の上面に、床材7が貼設されて、床材7の上に内壁4が固定され、さらに、内壁4の外側に外壁5が固定されている。
【0040】
これにより、床材7を境にして、1階の床上空間8と最下階の床下空間9とが形成されている。
【0041】
さらに、外壁5を形成する外壁材51の下端部には、この外壁材51と建物基礎1Bとの間の目地部を隠蔽する化粧部材10が設けられている。
【0042】
そして、この実施例1の蓄電池設置構造では、建物1の床上空間8内に、蓄電池11が格納された格納容器12が設けられている。
【0043】
ここで、格納容器12には、通気孔12aと配線挿通孔12bとが形成されている。
【0044】
また、屋外空間に面する外壁5を形成する外壁材51には、孔13が設けられている。
【0045】
そして、格納容器12の通気孔12aと、外壁5に設置された建物用設備である蓄電池11用のパワーコンディショナ16との間が管状部材14で接続されて気密性の通気経路が形成されている。
【0046】
ここで、管状部材14は、格納容器12の側面の通気孔12aから床上空間8を通って床材7を貫通し、床下空間9を通って床材7を貫通し、内壁4内を通って外壁5に設けられた孔13を通って、この管状部材14の端部14aは、パワーコンディショナ16の取付部材15に固定されている。
【0047】
また、管状部材14と並列に、蓄電池11とパワーコンディショナ16との間が、配線17により接続されている。
【0048】
次に、この実施例の管状部材端部の固定方法を説明しながら、この実施例の管状部材端部の固定構造の詳細について説明する。
【0049】
まず、図2に示したように、外壁5に設けた孔13から管状部材14の端部14a及び配線17の端部17aを外側に引き出す。
【0050】
そして、この状態で、図3に示したように、水密材18により、孔13を塞ぐ。水密材18には孔18aが形成されており、この孔18aに管状部材14の端部14a及び配線17の端部17aを挿通させる。水密材18の材質は圧縮変形性を有するものであり、管状部材14の端部14a及び配線17の端部17aを挿通させた状態では、孔18aは概ね閉じられている。
【0051】
続いて、図4に示したように、取付部材15を、パワーコンディショナ16の設置予定位置の高さまで持ってくる。
【0052】
この取付部材15は、板状の取付部材本体15Aに、管状部材14の端部14a及び配線17の端部17aを通すための孔151が設けられており、この孔151の周縁部には、屋外側に突出した箱状突出縁部152が形成されている。
【0053】
また、箱状突出縁部152の下側の上面端部には、管状部材14の端部14aを係止して固定するための固定用孔153aを有する管状部材固定部153が設けられている。
【0054】
さらに、箱状突出縁部152の外側面の上方で連続した設備固定部としての挿通孔154aを有する突起154と、その上方の設備固定部としての挿通孔155aを有する突起155とが設けられている。
【0055】
また、取付部材本体15Aには、建物1の外壁5に締結部材としてのネジ19,・・・で固定するための挿通孔150a,・・・が設けられている。
【0056】
さらに、取付部材本体15Aの表側面には、横方向に長い上下2列のフック受け156,156が設けられている。
【0057】
ここで、フック受け156には、横方向に略等間隔で、縁部が切り起こされた切欠156aが形成されている。
【0058】
また、図5に示したように、取付部材本体15Aの裏側面の縁部には、パッキン材20が設けられている。
【0059】
続いて、図6に示したように、取付部材本体15Aの孔151から管状部材14の端部14a及び配線17の端部17aを引き出した状態で、挿通孔150a,・・・にネジ19,・・・をねじ込み、取付部材15を外壁5に固定する。
【0060】
続いて、図7に示したように、管状部材14の端部14aの開口部を、網目状部材21で覆った状態で、根元を結束バンド22で締め付けて固定する。
【0061】
そして、図8に示したように、網目状部材21で開口部を覆った管状部材14の端部14aを、管状部材固定部153の固定用孔153a内に挿入し、係止して固定する。
【0062】
なお、管状部材固定部153は、手前側に向かって若干傾斜しており、管状部材14の端部14aの開口部は斜め下向きになっている。
【0063】
続いて、図9に示したように、パワーコンディショナ16のパワーコンディショナ本体16Aからネジ23,・・・を外して、フロントカバー161を開いておく。
【0064】
ここで、図10に示したように、パワーコンディショナ16のパワーコンディショナ本体16Aの裏側面には、取付部材15の取付部材本体15Aのフック受け156,156に係合可能な横方向に長い上下2列のフック162,162が設けられている。
【0065】
また、図11に示したように、パワーコンディショナ16のパワーコンディショナ本体16Aの右側面には、挿通孔160a,160aが設けられている。
【0066】
続いて、図12に示したように、パワーコンディショナ16のパワーコンディショナ本体16Aを、外壁5に固定された取付部材15の高さまで持ってくる。
【0067】
そして、配線17の端部17aをパワーコンディショナ16のパワーコンディショナ本体16Aの手前側に引き出した状態で、取付部材15のフック受け156,156に、パワーコンディショナ本体16Aのフック162,162を係合し、重なった挿通孔154a,160a及び155a,160aにネジ24をそれぞれねじ込むと、図13に示したように、パワーコンディショナ16のパワーコンディショナ本体16Aが、取付部材15を介して、外壁5にしっかりと設置された状態となる。
【0068】
続いて、配線17の端部17aを所定の位置に接続した後、図14に示したように、ネジ23,・・・をねじ込み、フロントカバー161によりパワーコンディショナ本体16Aの手前側を塞ぐとともに、ネジ25,・・・をねじ込み、フードカバー163によりパワーコンディショナ本体16Aの上面側も塞ぐ。
【0069】
これにより、図15に示したように、この実施例の管状部材端部の固定構造が完成する。
【0070】
なお、フードカバー163は、手前側に向かって下るように傾斜しており、パワーコンディショナ16の背面からの雨水等の浸入を防止するものである。
【0071】
また、取付部材15は、パワーコンディショナ16のケーシングの裏側面板も兼ねている。
【0072】
さらに、取付部材15の高さは、パワーコンディショナ本体16Aの高さよりも低いので、取付部材15の上端部と、フードカバー163の下面との間においてケーシングと外壁5との間の連通部としての隙間26が形成されており、この隙間26は、パワーコンディショナ16内から熱を排熱する排熱孔の役目を果たすとともに、管状部材14の端部14aの開口部から排出される排ガスを排気する排気孔の役目も果たす。
【0073】
また、パワーコンディショナ16の右側面には、ブレーカードア164が設けられており、このブレーカードア164内には、図示省略のブレーカースイッチが格納されている。
【0074】
次に、実施例の作用効果について説明する。
【0075】
このような実施例の管状部材端部の固定構造は、建物1の外壁5に設けた孔13から引き出された管状部材14の端部14aが、外壁5に固定された取付部材15に固定されており、外壁5には、管状部材14の端部14aを隠蔽するように、取付部材15を介して、建物用設備としてのパワーコンディショナ16が設置された構成とされている。
【0076】
上記した構成なので、管状部材14の端部14aが建物用設備としてのパワーコンディショナ16により隠蔽されるため、目隠部材や化粧部材等の専用の隠蔽手段を設けることなく、見栄えを良くすることができる。
【0077】
ここで、管状部材14は、建物1の内部に設置された蓄電池11を格納した格納容器12から延びるものであり、建物用設備は、蓄電池11用のパワーコンディショナ16である。
【0078】
このため、蓄電池11用のパワーコンディショナ16は、建物1の内部に蓄電池11を設置した際に必要な建物用設備なので、この蓄電池11用のパワーコンディショナ16を管状部材14の端部14aの隠蔽手段として有効利用することができる。
【0079】
また、管状部材14と並列して、蓄電池11とパワーコンディショナ16とを繋ぐ配線17が設けられている。
【0080】
このため、配線17のための孔13を、管状部材14を配設するための孔としても利用することができる。
【0081】
さらに、取付部材15は、建物用設備としてのパワーコンディショナ16のケーシングの裏側面板を兼ねており、ケーシングには、屋外と連通する連通部としての隙間26が設けられている。
【0082】
このため、管状部材14の端部14aの開口部からの排ガスを、このケーシングの隙間26から屋外への排気をすることができる。
【0083】
また、管状部材14の端部14aの開口部には、網目状部材21が設けられている。
【0084】
このため、管状部材14の端部14aの開口部からの虫や小動物等の異物の侵入を防止することができる。
【0085】
実施例の取付部材15は、上記した実施例の管状部材端部の固定構造に用いられる取付部材である。そして、板状の取付部材本体15Aに管状部材14の端部14aを通すための孔151が設けられており、孔151の屋外側に管状部材14の端部14aを固定するための固定用孔153aを有する管状部材固定部153が設けられた構成とされている。
【0086】
上記した構成なので、管状部材14の端部14aを外壁5の外側に向けた状態に容易に固定することができる。
【0087】
ここで、取付部材本体15Aには、建物1の外壁5に締結部材としてのネジ19,・・・で固定するための挿通孔150a,・・・が設けられている。
【0088】
このため、取付部材15を外壁5に容易に固定することができる。
【0089】
また、取付部材本体15Aの表側面には、建物用設備としてのパワーコンディショナ16の裏側面に設けたフック162,162を受けるフック受け156,156が設けられている。
【0090】
このため、建物1の外壁5に、建物用設備としてのパワーコンディショナ16を安定した状態で設置することができる。
【0091】
さらに、取付部材本体15Aの表側面には、建物用設備としてのパワーコンディショナ16を締結部材としてのネジ24,24で固定するための設備固定部としての突起154,155が設けられている。
【0092】
このため、建物1の外壁5に、建物用設備としてのパワーコンディショナ16をよりしっかりと安定した状態で設置することができる。
【0093】
また、取付部材本体15Aの裏側面の縁部には、パッキン材20が設けられている。
【0094】
このため、パッキン材20により、取付部材15の裏面側に雨水等が浸入するのを防止することができるうえに、外壁5を傷付けずに済む。
【0095】
さらに、取付部材本体15Aの孔151の周縁部が連続して表面側に突出した箱形突出縁部152が形成されている。
【0096】
このため、この箱形突出縁部152によって、取付部材15の表面を伝って流下してきた雨水等が管状部材14の端部14aや取付部材15の孔151へ至らないようにすることができる。
【0097】
実施例の管状部材端部の固定方法は、上記した実施例の取付部材15を用いて、上記した実施例の管状部材端部の固定構造とするための管状部材端部の固定方法である。そして、取付部材本体15Aに設けた孔151から管状部材14の端部14aを引き出した状態で、取付部材15を建物1の外壁5に固定する工程と、管状部材14の端部14aを、取付部材15の取付部材本体15Aの孔151の屋外側の管状部材固定部153に固定する工程と、取付部材15に建物用設備としてのパワーコンディショナ16を固定する工程とから成る構成とされている。
【0098】
上記した構成なので、上記した実施例の管状部材端部の固定構造を容易に施工することができる。
【0099】
以上、図面を参照して、本発明を実施するための形態を実施例に基づいて詳述してきたが、具体的な構成は、この実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0100】
例えば、上記した実施例では、建物1を、枠組壁工法による建物として実施したが、これに限定されず、鉄骨ラーメン構造のユニット建物や通常の軸組建物等の他の建物で実施してもよい。
【0101】
また、上記した実施例では、管状部材14の端部14aの開口部が、蓄電池11から排出される排ガスを排気する排気口となるようにして実施したが、これに限定されず、例えば、管状部材14の端部14aの開口部が、換気システムの給気口(吸入口)や排気口(吐出口)となる場合などに適用して実施してもよい。
【0102】
さらに、上記した実施例では、建物用設備として、蓄電池11用のパワーコンディショナ16を用いて実施したが、これに限定されず、例えば、配電盤等の他の建物用設備を用いて実施してもよい。
【符号の説明】
【0103】
1 建物
1A 建物本体
1B 建物基礎
2 基礎パッキン
3 土台
4 内壁
5 外壁
51 外壁材
6 根太
7 床材
8 床上空間
9 床下空間
10 化粧部材(隠蔽手段)
11 蓄電池
12 格納容器
12a 通気孔
12b 配線挿通孔
13 孔
14 管状部材
14a 管状部材の端部
15 取付部材
15A 取付部材本体
150a 挿通孔
151 孔
152 箱状突出縁部(突出縁部)
153 管状部材固定部
153a 固定用孔
154 突起(設備固定部)
154a 挿通孔
155 突起(設備固定部)
155a 挿通孔
156 フック受け
156a 切欠
16 パワーコンディショナ(建物用設備)
16A パワーコンディショナ本体
160a 挿通孔
161 フロントカバー
162 フック
163 フードカバー
164 ブレーカードア
17 配線
17a 配線の端部
18 水密材
18a 孔
19 ネジ(締結部材)
20 パッキン材
21 網目状部材
22 結束バンド
23 ネジ(締結部材)
24 ネジ(締結部材)
25 ネジ(締結部材)
26 隙間(連通部)
図1
図2
図3
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