特許第6236722号(P6236722)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6236722
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】直列回路装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20171120BHJP
   H05K 1/18 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   H05K1/02 K
   H05K1/18 S
【請求項の数】4
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-85069(P2013-85069)
(22)【出願日】2013年4月15日
(65)【公開番号】特開2014-207381(P2014-207381A)
(43)【公開日】2014年10月30日
【審査請求日】2016年3月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000141901
【氏名又は名称】株式会社ケーヒン
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(72)【発明者】
【氏名】阿部 秀文
(72)【発明者】
【氏名】瀬野尾 和隆
【審査官】 原田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−311398(JP,A)
【文献】 特開2010−010682(JP,A)
【文献】 特開平10−190166(JP,A)
【文献】 特開2009−088190(JP,A)
【文献】 特開2010−045085(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/02
H05K 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直流電源の正極に接続された正側配線に接続する正側接点、及び前記直流電源の負極に接続された負側配線に接続する負側接点と、これら前記正側接点と前記負側接点との間に形成された配線パターンと、複数の大電位差に耐えうる抵抗素子と、を有し、前記複数の抵抗素子が前記配線パターンにより互いに直列接続して構成される少なくとも一つの直列回路を備え、前記正側配線及び負側配線が非接地回路である直列回路装置において、
前記直列回路は、前記複数の抵抗素子の入力端子及び出力端子をそれぞれ同じ向きに揃えて配置し、
前記複数の抵抗素子を、該抵抗素子の入力端子と出力端子とを結ぶ方向に対して交差する方向に並べ、
前記抵抗素子は、該抵抗素子の入力端子と出力端子とを結ぶ方向に対して交差する方向において隣り合う抵抗素子の端子と同電位となる端子を有する
ことを特徴とする直列回路装置。
【請求項2】
前記直列回路は、該直列回路を構成する抵抗素子どうしが隣り合うように同一軸上に配列していることを特徴とする請求項1記載の直列回路装置。
【請求項3】
前記配線パターンが前記正側接点側にて分岐され、かつ、前記負側接点側にて結合されてなり、
これら分岐された配線パターンにより前記直列回路が複数設けられ、
前記複数の直列回路のうちの隣り合う二つの直列回路は、各々同じ間隔で複数の抵抗素子が並べられ、かつ各々同じ特性の抵抗素子が用いられて同じ直列接続がなされた同一構成の直列回路が互いに並列回路を形成してなり、
前記並列回路を構成する二つの直列回路は、一方の直列回路を構成する複数の抵抗素子が、他方の直列回路を構成する複数の抵抗素子に対して、各々入力端子と出力端子の向きを反転させていることを特徴とする請求項1又は2に記載の直列回路装置。
【請求項4】
前記配線パターンが前記正側接点側にて分岐され、かつ、前記負側接点側にて結合されてなり、
これら分岐された配線パターンにより前記直列回路が複数設けられ、
前記複数の直列回路のうちの隣り合う二つの直列回路は、各々同じ間隔で複数の抵抗素子が並べられ、かつ各々同じ特性の抵抗素子が用いられて同じ直列接続がなされた同一構成の直列回路が互いに並列回路を形成してなり、
前記並列回路を構成する二つの直列回路は、一方の直列回路の、前記配線パターンによって前記正側接点に最も近く接続されている抵抗素子を、他方の直列回路の、前記配線パターンによって前記正側接点に最も近く接続されている抵抗素子に対して、該抵抗素子の入力端子と出力端子とを結ぶ方向に対して交差する方向において隣り合う抵抗素子間の距離に対応する分だけ、前記負側接点の側に離して配置していることを特徴とする請求項1又は2に記載の直列回路装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直列回路装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド自動車や電気自動車に搭載される高密度実装回路には、数百ボルトという大電圧がかかる。したがって、このような実装回路を製作する場合、部品(素子)間の電位差を考慮して部品端子間に要求される沿面距離を確保しつつ、大電位差に耐え得る部品(素子)を限られたスペースに配置しなければならない。
【0003】
大電位差に耐え得る部品(素子)の配置方法としては、部品を複数に分けて直列に接続し、各部品にかかる電位差を低減する手法が知られている。しかし、単に部品を直列に接続するのでは、これら部品からなる直列回路の実装長さが長くなり、これら部品を実装する基板の長さに納まらなくなるおそれがある。
【0004】
すなわち、電子部品は例えば全体を平面視して細長い矩形状に形成し、相対向する短辺に入力端子、出力端子をそれぞれ配置している。したがって、このような矩形上の部品をそれぞれの長辺の長さ方向に沿って直列に接続するのでは、前記したようにその直列回路の実装長さが長くなってしまうのである。
また、直列回路の実装長さに合わせて細長い基板を用いることも考えられるが、その場合には基板自体の納まりが悪くなり、自動車への搭載が難しくなるおそれがある。
【0005】
このような背景のもとに、特許文献1に開示された受動回路素子直列接続式電子回路装置では、高い電位差を負担する差動電圧増幅回路の入力抵抗素子を、プリント基板の表面に一列に固定された8本のチップ抵抗を導体層パターンにハンダ接続し、全体としてコ字状に形成配置することで、高電位差に耐え得る入力抵抗素子を短小化している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−258353号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記特許文献1では直列接続式電子回路中の回路素子を高密度実装するため、該電子回路を配線基板上にて屈曲配置しているが、このように電子回路を屈曲配置すると実装面積が増大し、そのため回路全体の部品レイアウトが制約されてしまう。
【0008】
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、回路素子端子間に要求される沿面距離を確保し、さらに回路全体の部品レイアウトの制約を小さくするとともに、回路素子の実装密度向上を可能にした、直列回路装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の直列回路装置は、直流電源の正極に接続された正側配線に接続する正側接点、及び前記直流電源の負極に接続された負側配線に接続する負側接点と、これら前記正側接点と前記負側接点との間に形成された配線パターンと、複数の回路素子と、を有し、前記複数の回路素子が前記配線パターンにより互いに直列接続して構成される少なくとも一つの直列回路を備える直列回路装置において、
前記直列回路は、前記複数の回路素子の入力端子及び出力端子をそれぞれ同じ向きに揃えて配置し、前記複数の回路素子を、該回路素子の入力端子と出力端子とを結ぶ方向に対して交差する方向に並べて配置したことを特徴とする。
【0010】
また、前記直列回路装置において、前記直列回路は、該直列回路を構成する回路素子どうしが隣り合うように同一軸上に配列していることが好ましい。
【0011】
また、前記直列回路装置においては、前記配線パターンが前記正側接点側にて分岐され、かつ、前記負側接点側にて結合されてなり、これら分岐された配線パターンにより前記直列回路が複数設けられ、前記複数の直列回路のうちの隣り合う二つの直列回路は、各々同じ間隔で複数の回路素子が並べられ、かつ各々同じ特性の回路素子が用いられて同じ直列接続がなされた同一構成の直列回路が互いに並列回路を形成してなり、前記並列回路を構成する二つの直列回路は、一方の直列回路を構成する複数の回路素子が、他方の直列回路を構成する複数の回路素子に対して、各々入力端子と出力端子の向きを反転させていることが好ましい。
【0012】
また、前記直列回路装置においては、前記配線パターンが前記正側接点側にて分岐され、かつ、前記負側接点側にて結合されてなり、これら分岐された配線パターンにより前記直列回路が複数設けられ、前記複数の直列回路のうちの隣り合う二つの直列回路は、各々同じ間隔で複数の回路素子が並べられ、かつ各々同じ特性の回路素子が用いられて同じ直列接続がなされた同一構成の直列回路が互いに並列回路を形成してなり、前記並列回路を構成する二つの直列回路は、一方の直列回路の、前記配線パターンによって前記正側接点に最も近く接続されている回路素子を、他方の直列回路の、前記配線パターンによって前記正側接点に最も近く接続されている回路素子に対して、該回路素子の入力端子と出力端子とを結ぶ方向に対して交差する方向において隣り合う回路素子間の距離に対応する分だけ、前記負側接点の側に離して配置していることが好ましい。
【0013】
また、前記直列回路装置において、前記正側配線及び負側配線は、接地電位部から絶縁された非接地回路を構成していることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の直列回路装置によれば、複数の回路素子の入力端子及び出力端子をそれぞれ同じ向きに揃えて配置し、これら複数の回路素子を、該回路素子の入力端子と出力端子とを結ぶ方向に対して交差する方向に並べて配置したので、前記交差する方向に隣り合って並ぶ回路素子の端子間の電位差を最小限に抑えることができる。したがって、回路素子端子間に要求される沿面距離を確保しつつ、これら回路素子間の距離を従来に比べ短くすることができ、これによって回路全体の部品レイアウトの制約を小さくするとともに、回路素子の実装密度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】(a)は本発明に係る直列回路装置を備えた回路の一例の模式図、(b)は本発明の第1実施形態の直列回路装置を示す模式図、(c)は比較例としての従来の直列回路を示す模式図である。
図2】(a)〜(c)は第1実施形態の直列回路装置の変形例を示す模式図である。
図3】(a)は本発明の第2実施形態の直列回路装置を示す模式図、(b)は本発明の第3実施形態の直列回路装置を示す模式図である。
図4】(a)、(b)は第1実施形態の直列回路装置の変形例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明に係る直列回路装置について詳細に説明する。
図1(a)は、本発明に係る直列回路装置を備えた回路の一例の模式図であり、図1(a)中符号1は直流電源(バッテリー)、2は本発明に係る直列回路装置である。
【0017】
直流電源1には、その正極側に正側配線3が接続され、負極側に負側配線4が接続されている。直列回路装置2は、正側配線3中の正側接点3aと負側配線4中の負側接点4aとを含んでこれらの間に設けられている。また、これら正側配線3と負側配線4とは電力変換装置5に接続されている。電力変換装置5では直流が交流に変換され、これによって電力変換装置5に接続するモータ6が駆動させられるようになっている。このような構成のもとに前記正側配線3及び負側配線4は、接地電位部から絶縁された非接地回路を構成している。
【0018】
図1(b)は、本発明の直列回路装置の第1実施形態を示す模式図、図1(b)中において符号3aは図1(a)に示した正側配線3中の正側接点3aであり、4aは図1(a)に示した負側配線4中の負側接点4aである。本実施形態の直列回路装置2Aは、前記正側接点3aと負側接点4aとの間に形成された配線パターン8と、複数の回路素子9と、を有して構成されている。そして、複数の回路素子9が配線パターン8によって互いに直列接続したことにより、一つの直列回路10が形成されている。
【0019】
直列回路10を構成する回路素子9は、抵抗素子であり、平面視矩形状に形成され、相対向する短辺にそれぞれ入力端子In、出力端子Outを有したものである。なお、図1(b)では理解を容易にするため回路素子9を3つ有した例を挙げているが、本発明はこれに限定されることなく、4つ以上有していてもよく、また、2つでもよい。
【0020】
図1(b)に示すように本実施形態の直列回路装置2Aは、基板7上に正側配線3中の正側接点3aと負側配線4中の負側接点4aとを有し、これらの間、すなわち基板7上に直列回路10を備えて構成されたものである。基板7は、単層基板でも積層基板(多層基板)でもよいが、本実施形態では単層基板が用いられている。
【0021】
直列回路10を構成する配線パターン8、回路素子9は、本実施形態ではいずれも基板7の一方の面(表面)に配設されている。そして、回路素子9は全てが、その入力端子In及び出力端子Outをそれぞれ同じ向きに揃えて配置されている。すなわち、図中の左側に入力端子Inを向け、図中の右側に出力端子Outを向けて配置されている。また、これら回路素子9は、このように入力端子In及び出力端子Outをそれぞれ同じ向きに揃えた状態で、これら入力端子Inと出力端子Outとを結ぶ方向(図中の左右方向)に対して交差する方向に並べられ、配置されている。
【0022】
本実施形態では、特に回路素子9は入力端子Inと出力端子Outとを結ぶ方向(図中の左右方向)に対して直交する方向(図中の上下方向)に一列に並べられ、配置されている。すなわち、本実施形態の直列回路10は、これを構成する回路素子9どうしが順次隣り合うように同一軸上に配列されている。
【0023】
また、このように配置された回路素子9を直列に接続するため配線パターン8は、正側接点3aから1番目の回路素子9の入力端子Inに接続し、続いてこの回路素子9の出力端子Outから2番目の回路素子9の入力端子Inに接続し、さらにこの回路素子9の出力端子Outから2番目の回路素子9の入力端子Inに接続し、この回路素子9の出力端子Outから3番目の回路素子9の入力端子Inに接続し、その後負側接点4aに接続している。
【0024】
なお、各回路素子9の入力端子In、出力端子Outは、それぞれパッド11を介して基板7上に接続実装されており、配線パターン8は、これらパッド11を介して各回路素子9の入力端子In、出力端子Outにそれぞれ接続されている。また、図中では各回路素子9、9間の電位差をより分かり易くするために、配線パターン8には、各回路素子9の入力端子Inに接続する箇所の手前側にそれぞれ分岐配線8aが形成されており、これら分岐配線8aには、各回路素子9の端子部9aが形成されている。
【0025】
ここで、図1(b)に示すように正側接点3aと負側接点4aとの間の電位差が300Vであり、回路素子9が各々同一特性であるとすると、各回路素子9の端子部9a、9a間の電位差は、正側接点3aから1番目の回路素子9と2番目の回路素子9との間、及び正側接点3aから2番目の回路素子9と3番目の回路素子9との間のいずれも、100Vとなる。電子部品(回路素子9)は、沿面距離として単位電位差あたり所定長さ離間させる必要があり、仮に電位差100Vあたり沿面距離を1mm離す必要があるとすると、図1(b)に示した本実施形態では隣り合う回路素子9、9間の沿面距離d1を1mm以上とする必要がある。
【0026】
図1(c)は、比較例としての従来の構成の直列回路を示す模式図であり、この例でも、正側接点3aと負側接点4aとの間の電位差は300Vであるとする。この従来の直列回路では、各回路素子9の入力端子Inと出力端子Outとの向きが隣り合う回路素子9、9間で互いに逆になっている。したがって、各回路素子9の端子部9a、9a間の電位差は、正側接点3aから1番目の回路素子9と2番目の回路素子9との間、及び正側接点3aから2番目の回路素子9と3番目の回路素子9との間で、いずれも200Vとなっている。
【0027】
よって、図1(c)に示した従来の例では、隣り合う回路素子9、9間の電位差が本実施形態の倍の200Vであることから、沿面距離d2も倍の2mm以上とする必要があり、したがって本実施形態は、各回路素子9、9間の沿面距離を、従来に比べて短くすることができる。
【0028】
図1(b)に示した本実施形態の直列回路装置2Aにあっては、複数の回路素子9の入力端子In及び出力端子Outをそれぞれ同じ向きに揃えて配置し、これら複数の回路素子9を、該回路素子9の入力端子Inと出力端子Outとを結ぶ方向に対して直交する方向に並べて配置したので、前記直交する方向に隣り合って並ぶ回路素子9、9の端子部9a、9a間の電位差を最小限に抑えることができる。したがって、回路素子9の端子間に要求される沿面距離を確保しつつ、これら回路素子9、9間の沿面距離d1を従来に比べ短くすることができる。これにより、回路全体の部品レイアウトの制約を小さくするとともに、回路素子9の実装密度を向上することができる。
【0029】
また、特に回路素子9を、入力端子Inと出力端子Outとを結ぶ方向(図中の左右方向)に対して直交する方向(図中の上下方向)に一列に並べ、同一軸上に配列しているので、直列回路10の実装長さを短くし、沿面距離を確保しながらも回路全体の部品レイアウトの制約をより小さくするとともに、回路素子9の実装密度をより向上することができる。
【0030】
なお、前記第1実施形態では複数(3つ)の回路素子9を、入力端子Inと出力端子Outとを結ぶ方向(図中の左右方向)に対して直交する方向(図中の上下方向)に一直線状に並べ、配置しているが、入力端子Inと出力端子Outとを結ぶ方向に対して交差する方向に並べて配置すれば、直交していなくても、また、一直線状に配置しなくてもよい。
【0031】
図2(a)〜(c)は、いずれも第1実施形態の変形例を示す図であり、図2(a)は複数(3つ)の回路素子9のうち、真ん中の回路素子9を図中の右方向にずらして配置している。なお、真ん中の回路素子9を図中の左方向にずらして配置してもよい。このような例は、特に部品(回路素子9)の一つが他に比べて大きく、実装面積が大きくなるような場合に回路全体の部品レイアウトの制約を小さくすることができる。このように回路素子9を並べて配置した場合、図中の右方向にずらした回路素子9の入力端子Inと、負側接点4aに最も近い回路素子9の出力端子Outとの間の電位差を考慮して、沿面距離が図1(b)に示した直列回路10の各回路素子9、9間の沿面距離よりも長くなる。しかし、図中の右方向にずらした回路素子9の入力端子Inが、正側配線に最も近い回路素子9の入力端子Inに対して、図中の右方向にずれているため、沿面距離が図1(b)に示した直列回路10の各回路素子9、9間の沿面距離よりも長くなっている。したがって、図中の右方向にずらした回路素子9と正側配線に最も近い回路素子9は、入力端子Inと出力端子Outとを結ぶ方向に対して交差する方向に、より近接して配置することができる。なお、真ん中の回路素子9を図中の左方向にずらした場合は、図中の左方向にずらした回路素子9の出力端子Outと、正側配線3に最も近い回路素子9の入力端子Inとの間の電位差を考慮して、沿面距離が図1(b)に示した直列回路装置2Aの各回路素子9、9間の沿面距離よりも長くなる。しかし、図中の左方向にずらした回路素子9の入力端子Inが、負側配線に最も近い回路素子9の入力端子Inに対して、図中の左方向にずれているため、沿面距離が図1(b)に示した直列回路10の各回路素子9、9間の沿面距離よりも長くなっている。したがって、図中の左方向にずらした回路素子9と負側配線に最も近い回路素子9は、入力端子Inと出力端子Outとを結ぶ方向に対して交差する方向に、より近接して配置することができる。したがって、直列回路装置2Bは、実装長さを図1(c)に示した従来の直列回路よりも短くすることができ、沿面距離を確保しながらも回路素子9の実装密度を向上させることができる。加えて、このような配置は、基板7上に実装された図示しない他の回路素子を、直列回路装置2Bの領域に実装しなければならない場合にも、柔軟に対応することができる。
【0032】
図2(b)は、入力端子Inと出力端子Outとを結ぶ方向に対して、回路素子9を出力端子Out側の方向に順次ずれるように斜め方向に交差した状態に並べて配置している。このような例は、特に部品(回路素子9)の一つが他に比べて大きく、実装面積が大きくなるような場合に回路全体の部品レイアウトの制約を小さくすることができる。このように回路素子9を並べて配置した場合、真ん中の回路素子9の入力端子Inが、正側配線に最も近い回路素子9の入力端子Inに対して、図中の右方向にずれているため、沿面距離が図1(b)に示した直列回路10の各回路素子9、9間の沿面距離よりも長くなっている。したがって、正側配線に最も近い回路素子9と、真ん中の回路素子9は、入力端子Inと出力端子Outとを結ぶ方向に対して交差する方向に、より近接して配置することができる。同じように、負側配線に最も回路素子9の入力端子Inが、真ん中の回路素子9の入力端子Inに対して、図中の右方向にずれているため、沿面距離が図1(b)に示した直列回路10の各回路素子9、9間の沿面距離よりも長くなっている。したがって、真ん中の回路素子9と、負側接点に最も近い回路素子9は、入力端子Inと出力端子Outとを結ぶ方向に対して交差する方向に、より近接して配置することができる。そのため、回路素子9、9間の沿面距離は図1(b)に示した直列回路装置2Aの各回路素子9、9間の沿面距離よりも短くなる。したがって、沿面距離を確保しながらも回路素子9の実装密度を向上させることができる。加えて、このような配置は、基板7上に実装された図示しない他の回路素子を、直列回路装置2Cの領域に実装しなければならない場合にも、柔軟に対応することができる。
【0033】
図2(c)は、複数(3つ)の回路素子9のうち、負側接点4aに最も近い回路素子9を出力端子Out側の方向(図中の右方向)にずらして配置している。なお、正側接点3aに最も近い回路素子9を入力端子In側の方向(図中の右方向)にずらして配置してもよい。また、回路素子9を図中の左方向にずらして配置してもよい。このような例は、特に部品(回路素子9)の一つが他に比べて大きく、実装面積が大きくなるような場合に回路全体の部品レイアウトの制約を小さくすることができる。このように回路素子9を並べて配置した場合、隣り合う回路素子9、9の端子部9a、9a間の電位差は、図1(b)に示した直列回路装置2Aと同様に100Vになるので、隣り合う回路素子9、9間の沿面距離を図1(b)と同様にすることができ、特に、負側接点4aに最も近い回路素子9の入力端子Inと、隣り合う回路素子9の出力端子Outとの間の電位差は0Vとなり、沿面距離を任意にすることができる。なお、正側接点3aに最も近い回路素子9を入力端子In側の方向(図中の左方向)にずらした場合は、正側接点3aに最も近い回路素子9の出力端子Outと、隣り合う回路素子9の入力端子Inとの間の電位差は0Vとなり、沿面距離を任意にすることができる。したがって、沿面距離を確保しながらも回路素子9の実装密度を向上させることができる。加えて、このような配置は、図示しない基板7上に実装された他の回路素子を、直列回路装置2Dの領域に実装しなければならない場合にも、柔軟に対応することができる。
【0034】
図3(a)は、本発明の直列回路装置の第2実施形態を示す図である。この第2実施形態の直列回路装置2Eが図1(b)に示した第1実施形態の直列回路装置2Aと主に異なるところは、図3(a)に示した直列回路装置2Eでは直列回路を二つ(複数)備えている点である。
【0035】
すなわち、この直列回路装置2Eでは、正側接点3aと負側接点4aとの間に設けられた配線パターン8が、正側接点3a側にて2本に分岐され、これら2本が負側接点4a側にて1本に結合されている。そして、分岐された配線パターン8の一方(図3(a)中左側)に直列回路10aが設けられ、他方(図3(a)中右側)に直列回路10bが設けられている。つまり、配線パターン8に2つの直列回路10a、10bが設けられている。
【0036】
これら二つの直列回路10a、10bは、第1実施形態と同様に、いずれも回路素子9の入力端子In及び出力端子Outをそれぞれ同じ向きに揃えて配置しており、また、回路素子9を、入力端子Inと出力端子Outとを結ぶ方向(図中の左右方向)に対して直交する方向(図中の上下方向)に一列に並べ、配置している。すなわち、本実施形態の直列回路10は、これを構成する回路素子9どうしが順次隣り合うように、いずれも同一軸上に配列されている。
【0037】
また、これら二つの直列回路10a、10bは、各々同じ間隔で3つ(複数)の回路素子9が並べられ、かつ各々同じ特性の回路素子9が用いられて同じ直列接続がなされた同一構成に形成されており、互いに並列回路を形成している。そして、このように並列回路を構成する二つの直列回路10a、10bは、一方の直列回路10aを構成する3つの回路素子9が、他方の直列回路10bを構成する3つの回路素子9に対して、各々入力端子Inと出力端子Outの向きを反転させている。本実施形態では、二つの直列回路10a、10bを構成する全ての回路素子9が、内側に出力端子Outを配置し、外側に入力端子Inを配置している。
【0038】
このような構成の直列回路装置2Eにあっても、同じ直列回路10a(10b)中の回路素子9間では、隣り合う回路素子9、9の端子部(図示せず)間の電位差が図1(b)に示した直列回路装置2Aと同様に100Vになるので、同じ直列回路10a(10b)中で隣り合う回路素子9、9間の沿面距離を、図1(b)と同様にすることができる。また、異なる直列回路10a、10b間において隣り合う回路素子9、9間では、互いに出力端子Outを向け合っているので、これら出力端子Out間の電位差が0Vとなり、したがってこれら回路素子9、9間の沿面距離を任意にすることができる。すなわち、沿面距離を短くして直列回路10a、10b同士を近接配置することができ、実装面積を低減することができる。これにより、回路全体の部品レイアウトの制約を小さくするとともに、回路素子9の実装密度を向上することができる。
【0039】
図3(b)は、本発明の直列回路装置の第3実施形態を示す図である。この第3実施形態の直列回路装置2Fが図3(a)に示した第2実施形態の直列回路装置2Eと主に異なるところは、図3(b)に示した直列回路装置2Fでは二つの直列回路10c、10d、すなわち図3(b)中左側に配置された直列回路10cと、図3(b)中右側に配置された直列回路10dとを構成する回路素子9を、一段ずつずらして配置している点である。
【0040】
この直列回路装置2Fでは、第2実施形態と同様に、配線パターン8が正側接点3aと負側接点4aとの間で2本に分岐され、これら分岐された配線パターン8のそれぞれに、直列回路10c、10dが設けられている。
これら二つの直列回路10c、10dは、第2実施形態と同様に、いずれも回路素子9の入力端子In及び出力端子Outをそれぞれ同じ向きに揃えて配置しており、また、回路素子9を、入力端子Inと出力端子Outとを結ぶ方向(図中の左右方向)に対して直交する方向(図中の上下方向)に一列に並べ、配置している。すなわち、本実施形態の直列回路10は、これを構成する回路素子9どうしが順次隣り合うように、いずれも同一軸上に配列されている。
【0041】
また、これら二つの直列回路10c、10dは、各々同じ間隔で3つ(複数)の回路素子9が並べられ、かつ各々同じ特性の回路素子9が用いられて同じ直列接続がなされている。ただし、これら二つの直列回路10c、10dは、第2実施形態と異なり、直列回路10c、10d間で入力端子In及び出力端子Outの向きを反転させることなく、全ての回路素子9が全て同じ方向に向くように配置されている。本実施形態では、図中の左方向に入力端子Inが向き、図中の右方向に出力端子Outが向くように、全ての回路素子9が配置されている。
【0042】
そして、本実施形態では図中右側の直列回路10dの回路素子9の並びに対し、図中左側の直列回路10cの回路素子9の並びが、一段ずつずれて配置されている。すなわち、図中左側の直列回路10cにおける、正側接点3aから1番目の回路素子9は、図中右側の直列回路10dにおける、正側接点3aから2番目の回路素子9に隣り合うように配置され、図中左側の直列回路10cおける、正側接点3aから2番目の回路素子9は、図中右側の直列回路10dにおける、正側接点3aから3番目の回路素子9に隣り合うように配置されている。また、図中右側の直列回路10dにおける、正側接点から1番目の回路素子9は、正側接点3a側に偏って配置され、逆に図中左側の直列回路10cにおける、正側接点から3番目の回路素子9は、負側接点4a側に偏って配置されている。
【0043】
すなわち、これら二つの直列回路10c、10dは、図中左側の直列回路10cを、図中右側の直列回路10dに対して、直列回路10c、10dを構成する回路素子9の入力端子Inと出力端子Outとを結ぶ方向に対して直交(交差)する方向において隣り合う回路素子9、9間の距離と同じ分だけ、負側接点4aの側に離して配置している。
【0044】
このような構成の直列回路装置2Fにあっても、同じ直列回路10c(10d)中の回路素子9間では、隣り合う回路素子9、9の端子部(図示せず)間の電位差が図1(b)に示した直列回路装置2Aと同様に100Vになるので、同じ直列回路10c(10d)中で隣り合う回路素子9、9間の沿面距離を、図1(b)と同様にすることができる。また、異なる直列回路10c、10d間において隣り合う回路素子9、9間でも端子間の電位差が0Vとなり、したがってこれら回路素子9、9間の沿面距離を任意にすることができる。すなわち、沿面距離を短くして直列回路10c、10d同士を近接配置することができ、実装面積を低減することができる。これにより、回路全体の部品レイアウトの制約を小さくするとともに、回路素子9の実装密度を向上することができる。
【0045】
なお、前記第2実施形態、第3実施形態では、各直列回路10における複数(3つ)の回路素子9を、入力端子Inと出力端子Outとを結ぶ方向(図中の左右方向)に対して直交する方向(図中の上下方向)に一直線状に並べ、配置しているが、第1実施形態の場合と同様に、入力端子Inと出力端子Outとを結ぶ方向に対して交差する方向に並べて配置すれば、直交していなくても、また、一直線状に配置しなくてもよい。すなわち、図2(a)〜(c)に示したような配置で、各直列回路10a、10b、10c、10dを構成してもよい。そのように構成した場合、基板7上に実装された図示しない他の回路素子を、直列回路装置2E、2Fの領域に実装しなければならない場合にも、柔軟に対応することができる。
【0046】
また、前記実施形態では、本発明に係る直列回路装置2A〜2F、すなわち正側接点3a及び負側接点4aと、配線パターン8、回路素子9を、全て一つの基板の一方の面(表面)に形成配置した例について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、単層基板の表裏面に各構成要素を形成してもよく、積層基板(多層基板)を用いて各層(各基板)に各構成要素を形成してもよい。
【0047】
図4(a)は、第1実施形態の直列回路装置の変形例を示す模式図であり、図4(a)中符号2Gは直列回路装置である。この直列回路装置2Gが図1(b)に示した直列回路装置2Aと異なるところは、配線パターン8の一部を、基板7の裏面に形成した点にある。
【0048】
すなわち、この直列回路装置2Gでは、正側接点3aから1番目の回路素子9の出力端子Out側のパッドにスルーホール12を形成し、同様に正側接点3aから2番目の回路素子9の入力端子In側のパッド、正側接点3aから2番目の回路素子9の出力端子Out側のパッド、正側接点3aから3番目の回路素子9の入力端子In側のパッドにそれぞれスルーホール12を形成している。
【0049】
そして、図4(a)中に破線で示すように、1番目の回路素子9の出力端子Out側のスルーホール12から2番目の回路素子9の入力端子In側のスルーホール12、及び2番目の回路素子9の出力端子Out側のスルーホール12から3番目の回路素子9の入力端子In側のスルーホール12までを接続する配線パターン8を、それぞれ基板7の裏面に形成する。
【0050】
このように配線パターン8の一部を基板7の裏面側に這わすことにより、回路全体の部品レイアウトの制約を小さくするとともに、回路素子9の実装密度を向上することができる。更に、回路素子9と配線パターン8との電位差による沿面距離の確保が容易となり、パターン設計が容易になるという効果を得ることができる。
なお、スルーホール12については、パッドに形成するのに代えて、配線パターン8の途中、例えば隣り合う回路素子9、9間を接続する配線パターン8の中間点に形成してもよい。
【0051】
図4(b)も、第1実施形態の直列回路装置の変形例を示す模式図であり、図4(b)中符号2Hは直列回路装置である。この直列回路装置2Hが図1(b)に示した直列回路装置2Aと主に異なるところは、回路素子9の一部、本例では3つ並べた回路素子9中の真ん中の回路素子9を、基板7の裏面に配置した点である。
【0052】
すなわち、この直列回路装置2Hでは、正側接点3aから2番目の回路素子9の入力端子In側のパッド11と、正側接点3aから3番目の回路素子9の入力端子In側のパッド11とにそれぞれスルーホール12を形成している。そして、図4(b)中に破線で示すように、配線パターン8を、2番目の回路素子9の入力端子In側のスルーホール12を介して基板7の裏面に配置した回路素子9に接続している。また、基板7の裏面にて2番目の回路素子9の出力端子Outに接続する配線パターン8を、スルーホール12を介して基板7の表面に配置した3番目の回路素子9の入力端子Inに接続している。
【0053】
このように回路素子9の一部と配線パターン8の一部とを基板7の裏面側に配置することにより、回路全体の部品レイアウトの制約を小さくするとともに、回路素子9の実装密度を向上することができる。更に、回路素子9と配線パターン8との電位差による沿面距離の確保が容易となり、パターン設計が容易になるという効果を得ることができる。また、図4(b)中では見易くするため、2番目(真ん中)の回路素子9を、平面視して他の回路素子9と重ならないように記載しているが、これらを一部あるいは全部、平面視して他の回路素子9(基板7の表面側の回路素子9)と重なるように配置してもよい。このように重ねて配置することにより、回路全体の部品レイアウトの制約を小さくするとともに、回路素子9の実装密度をより向上することができる。
【0054】
なお、図4(b)では回路素子9を3つ配置しているが、回路素子9を4つ以上配置してもよく、その場合に、例えば回路素子9を基板7の表面側と裏面側に交互に配置することにより、実装密度のさらなる向上を図ることができる。
また、このように基板7の表裏面を用いたり、さらに積層基板(多層基板)を用いることにより、回路全体の部品レイアウトの制約をより小さくすることができる。
【0055】
前記実施形態1〜3、及びその各々変形例として説明した直列回路装置2A、2B、2C、2D, 2E、2F、2G、2Hは、正側配線3、負側配線4が接地電位部から絶縁された非接地回路に用いてもよい。これにより、例えば数百ボルトという大電圧がかかる非接地回路において、大電位差に耐え得る回路素子9を、沿面距離を確保しながらも実装長さを短く実装でき、回路全体の部品レイアウトの制約を小さくするとともに、回路素子9の実装密度を向上することができる。
さらに、本発明は前記実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【0056】
また、前記実施形態では本発明に係る直列回路装置を図1(a)に示した回路に適用した場合について説明したが、これ以外の種々の回路にも適用可能である。
また、回路素子9として抵抗素子を用いたが、他に例えば、コンデンサやインダクタを用いることもできる。
【符号の説明】
【0057】
1…直流電源、2、2A、2B、2C、2D、2E、2F、2G、2H…直列回路装置、3…正側配線、3a…正側接点、4…負側配線、4a…負側接点、7…基板、8…配線パターン、9…回路素子、9a…端子部(端子)、10、10a、10b、10c、10d…直列回路、11…パッド、12…スルーホール、In…入力端子、Out…出力端子
図1
図2
図3
図4