(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記装着手段は、使用者の頭部に巻き付けるためのベルトとそのベルトの両端部に設けられた二つの相互取着手段とを有するもの、又は、通気性を有する素材で作製された、使用者の頭部を覆うための帽状体であることを特徴とする請求項1記載の帽子内換気装置。
前記装着手段を用いて前記袋状体を使用者の頭部に装着したときに頭部を介して前記袋状体と反対側に位置する前記装着手段の所定部位に設けられた、前記帽子内に導入された空気を外部に排出する空気排出口を形成するために前記装着手段の当該部位と前記帽子との間隔を略一定に保持する排出口用間隔保持手段を備えることを特徴とする請求項1又は2記載の帽子内換気装置。
前記装着手段は、前記袋状体の開放している端部のうち前記袋状体を使用者の頭部に装着したときに内側に位置する部分に連なり、通気性を有する素材で作製された、使用者の頭部を覆うための第二帽状体であることを特徴とする請求項4記載の帽子内換気装置。
前記装着手段は、使用者の頭部に巻くための帯状のヘッドバンドであり、前記間隔保持手段は、前記ヘッドバンドに設けられたハンモックであることを特徴とする請求項4記載の帽子内換気装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、図面を参照して、本願に係る発明を実施するための形態について説明する。
【0014】
[第一実施形態]
まず、本発明の第一実施形態である帽子内換気装置について説明する。
図1(a)は本発明の第一実施形態である帽子内換気装置の概略正面図、
図1(b)はその帽子内換気装置の概略裏面図である。
図2(a)はその帽子内換気装置の概略平面図、
図2(b)はその帽子内換気装置のA−A矢視方向概略断面図である。
図3(a)はその帽子内換気装置の袋状体の概略正面図、
図3(b)はその袋状体の概略平面図である。
【0015】
第一実施形態の帽子内換気装置は、使用者の頭部に装着した後にその上に帽子を被った状態で使用されるものである。
図1及び
図2に示すように、この帽子内換気装置1は、袋状体10と、装着手段20と、送風手段30と、電源手段40と、第一間隔保持手段50と、第二間隔保持手段60と、空気漏れ防止手段70とを備える。
【0016】
袋状体10は、
図1、
図2及び
図3に示すように、二つの案内シート、すなわち第一案内シート11と第二案内シート12とを用いて上方が開放している袋の形状に形成されたものである。第一案内シート11及び第二案内シート12はともに、通気性の小さな素材で作製されている。この素材としては、例えば、綿、混紡、ポリエステル等、さまざまな素材を用いることができる。第一実施形態では、第一案内シート11及び第二案内シート12として、目の詰まったポリエステルの布を使用することにする。
【0017】
第一案内シート11は、
図3(a)に示すように、その横幅が下方に行くにしたがって狭くなるような略台形状に形成されている。この第一案内シート11の下部には、送風手段30を取り付けるための開口孔15が形成されている。そして、開口孔15の周囲における第一案内シート11の端部には、送風手段30を着脱自在に取り付けるための面状ファスナー16が縫い付けられている。また、第一案内シート11の上端部の所定箇所には、約1cm程度の切り込み17が入れられている。この切り込み17は、
図1(a)に示すように、送風手段30に接続されたケーブル41を袋状体10の内側から外側に引き出すためのものである。一方、第二案内シート12は、
図1(b)に示すように、第一案内シート11と略同様な形状に形成されている。但し、この第二案内シート12には、第一案内シート11と異なり、開口孔15及び切り込み17は形成されていない。第一案内シート11と第二案内シート12とを重ね合わせ、それらの下端部及び両側端部をそれぞれ縫合することにより、
図3に示すような袋状体10が作製される。尚、袋状体10を使用者の頭部に装着する際には、第二案内シート12が首筋と対向し、第一案内シート11が外側を向くように袋状体10が配置される。
【0018】
袋状体10の開放している端部の端縁で形成される部位は、
図3(b)に示すように、空気放出口13となる。第一実施形態では、
図2に示すように、袋状体10の開放している端部に第一間隔保持手段(放出口用間隔保持手段)50を設けている。この第一間隔保持手段50は、空気放出口13の間隔を略一定に保持する役割を果たす。第一間隔保持手段50としては、耐圧性を有するスペーサを用いることができる。具体的に、この耐圧性を有するスペーサは、枠状部を有する多数の凸部と、隣り合う枠状部を連結する可撓連結部とを備えている。かかるスペーサの構造については、例えば特許第4067034号公報に記載されている。このため、このスペーサについての詳細な説明を省略する。また、このスペーサは、耐圧性を有するという特徴に加えて、空気が当該スペーサを通過しても空気が受ける抵抗が少なく、しかも、十分な柔軟性を有するという特徴がある。
【0019】
第一間隔保持手段50としてのスペーサを袋状体10の開放している端部に取り付けるには、まず、そのスペーサを第一案内シート11の上端部と第二案内シート12の上端部との間に配置し、その後、スペーサと第一案内シート11の上端部とを縫い付けると共に、スペーサと第二案内シート12の上端部とを縫い付ければよい。第一間隔保持手段50として耐圧性を有するスペーサを用いたことにより、帽子を被ったときに空気放出口13がその帽子から力を受けたとしても、空気放出口13の間隔が狭くなってしまうのを防止することができる。
【0020】
装着手段20は、袋状体10を使用者の頭部に装着するためのものであり、
図1及び
図2に示すように、袋状体10の開放している端部の一部に設けられている。具体的に、第一実施形態では、装着手段20として、使用者の頭部に巻き付けるための帯状のベルト21と、そのベルト21の両端部に設けられた二つの面状ファスナー(相互取着手段)22,22とを有するものを用いている。ベルト21の中央部は第二案内シート12の上端部に縫い付けられている。ベルト21を使用者の頭部に巻き付けた後、二つの面状ファスナー22,22を互いに取着することにより、袋状体10を使用者の頭部に容易に装着することができる。このとき、袋状体10は後頭部の側に配置される(
図5参照)。尚、ここでは、ベルト21を第二案内シート12の上端部に取り付けているが、一般に、ベルト21は、第一案内シート11の上端部及び第二案内シート12の上端部のうちいずれに取り付けてもよい。
【0021】
また、ベルト21のうち面状ファスナー22が設けられた端部に隣り合う所定部位には、第二間隔保持手段(排出口用間隔保持手段)60が設けられている。すなわち、第二間隔保持手段60は、装着手段20を用いて袋状体10を使用者の頭部に装着したときに頭部を介して袋状体10と反対側に位置するベルト21(装着手段20)の所定部位に設けられている。第一実施形態では、第二間隔保持手段60として、第一間隔保持手段50と同様に、耐圧性を有するスペーサを用いることにしている。この第二間隔保持手段60は、帽子を被ったときに、当該所定部位と帽子との間隔を略一定に保持する役割を果たす。そして、第二間隔保持手段60によって形成される一定間隔の開口端は、帽子内に導入された空気を外部に排出する空気排出口として機能することになる。このように空気排出口を空気放出口13からできるだけ遠いところに設けることにより、空気放出口13から帽子内に導入された空気を、頭部全体に行き渡らせることができるので、頭部の蒸れを効率よく解消することができる。
【0022】
更に、
図1(a)に示すように、ベルト21のうち袋状体10と第二間隔保持手段60との間の部位の上部には、空気漏れ防止手段70が設けられている。空気漏れ防止手段70としては、耐圧性が小さく、空気透過性が低い素材のもの、例えばスポンジ等を用いることができる。この空気漏れ防止手段70は、帽子を被ったときに、空気漏れ防止手段70の設けられたベルト21の部位と帽子との間の隙間から帽子内に導入された空気が漏れ出すのを防止するためのものである。また、ベルト21のうち左側の空気漏れ防止手段70が設けられた部位の下側には、切り込み17から引き出されたケーブル41をベルト21の先端側へ誘導するケーブル留め25が設けられている。
【0023】
送風手段30は、開口孔15の周囲における第一案内シート11の端部に取り付けられる。この送風手段30は、外部の空気を袋状体10の内部に取り込み、第一案内シート11及び第二案内シート12に沿って袋状体10の開放されている端部の側、すなわち袋状体10の上方の側に送出し、空気放出口13から放出するためのものである。具体的には、送風手段30として、送風圧力の小さなプロペラファンが用いられる。
図4は送風手段30の概略側面図である。この送風手段30は、
図4に示すように、筒状部31と、筒状部31の上端から筒状部31の側面と略垂直な方向に突出するフランジ部32とを有する。筒状部31の外径は、第一案内シート11の開口孔15の直径と略同じである。また、筒状部31内には、プロペラ及びモータが収納されている。一方、フランジ部32の下面には面状ファスナー33が取り付けられている。筒状部31を第一案内シート11の表側から開口孔15に挿入し、フランジ部32に取り付けられた面状ファスナー33と開口孔15の周囲における第一案内シート11の端部に設けられた面状ファスナー16とを互いに取着することにより、送風手段30が第一案内シート11に取り付けられる。このように、第一実施形態では、送風手段30を袋状体10に着脱自在に取り付けている。
【0024】
電源手段40は、送風手段30を駆動するためのものである。電源手段40としては、例えば乾電池やリチウムイオン電池等を用いることができる。
図1に示すように、電源手段40と送風手段30とはケーブル41を介して電気的に接続されている。第一実施形態の帽子内換気装置1を使用する際には、電源手段40は使用者の服の胸ポケットに入れられる。したがって、送風手段30に接続されたケーブル41は、袋状体10の切り込み17から外側に引き出され、ベルト21に沿って一定距離だけベルト21のケーブル留め25に留められる。そして、そのケーブル41は、ベルト21の所定位置から下方に垂れ下がり、服の胸ポケットに入れられた電源手段40に接続されている。
【0025】
次に、第一実施形態の帽子内換気装置1の使用方法を説明する。
図5(a)は第一実施形態の帽子内換気装置1を使用者の頭部に装着したときの様子を示す概略側面図、
図5(b)はその帽子内換気装置1の上に帽子を被ったときの様子を示す概略側面図である。
【0026】
まず、使用者は、ベルト21の両端部を手で持ち、袋状部10と後頭部とが相対するように帽子内換気装置1を頭部に配置する。次に、ベルト21の両端部を額の側に持って行き、ベルト21を頭部に巻き付ける。そして、ベルト21の両端部に設けられた二つの面状ファスナー22,22を互いに取着することにより、
図5(a)に示すように、袋状体10(帽子内換気装置1)を使用者の頭部に装着する。その後、使用者は、
図5(b)に示すように、帽子内換気装置1の上に帽子Xを被る。ここで、帽子Xとしては、既成の帽子を用いることができる。このとき、第二間隔保持手段60により、使用者の額に位置するベルト21の部位と帽子Xとの間に空気排出口が形成される。また、空気漏れ防止手段70により、使用者の側頭部に位置するベルト21の部位と帽子Xとの間の隙間は埋められている。尚、帽子Xを被る際には、帽子Xの後端部で袋状体10の空気放出口13を覆うようにする。
【0027】
電源手段40のスイッチを入れると、送風手段30が作動し、
図5(b)に示すように、その送風手段30から多量の空気が袋状体10内に取り込まれる。そして、この取り込まれた空気は、袋状体10内を上方に移動し、空気放出口13から放出される。空気放出口13の間隔は第一間隔保持手段50により略一定に保持されているので、空気放出口13から放出される空気は帽子X内にスムースに導入される。帽子X内に導入された空気は、帽子Xの側部から漏れることなく、帽子Xと頭部との間に生じる空間を流通し、帽子Xの前部に形成された空気排出口から外部に放出される。このように、帽子Xと頭部との間に空気を絶えず流通させることにより、帽子X内を換気することができると共に、頭部から出た汗を気化し、その気化熱で頭部を冷却することができる。
【0028】
尚、第一実施形態の帽子内換気装置1の機能を効率よく発揮させるためには、帽子Xとして、その帽子Xと使用者の頭部との間にある程度の隙間(例えば1cm程度の隙間)が生じるような大きさのものであって、通気性を有しない素材で作製されたものを用いる必要がある。予め帽子と頭部との間にある程度の隙間を形成しておくことにより、この隙間が空気流通路となり、袋状体10から帽子内に導入された空気を空気流通路内にスムースに流通させることができるからである。また、例えば、表面に空気を流通させるための孔等が形成された帽子や、麦わら帽子のように通気性の大きな素材で作製された帽子を用いたのでは、袋状体10から帽子内に導入された空気の一部が外部に漏れ出てしまうので、その分だけ冷却効果が低下してしまうからである。更に、頭部の大きさに対してあまりに大きな帽子を被ったのでは、外観上の違和感が生じてしまう。このため、第一実施形態の帽子内換気装置1とともに用いる帽子としては、適正なサイズのものを用いる必要がある。
【0029】
次に、送風手段30と空気放出口13又は空気排出口の面積、空気流通路の断面積との関係について説明する。
【0030】
第一実施形態では、送風手段30として、軽量で且つ消費電力が小さいもの、例えばプロペラの直径が5cmであるプロペラファンを使用している。この場合、送風手段30の空気取込口の有効面積は約16cm
2である。また、空気放出口13の面積Sは、袋状体11の上端部の幅L1と、第一案内シート11と第二案内シート12との間隔(第一間隔保持手段50の幅)L2とを用いて、S=L1×L2により概算することができる(
図2参照)。送風手段30により袋状体11内に取り込まれた空気は空気放出口13から放出されるので、空気放出口13の面積が少なくとも送風手段30の空気取込口の有効面積と同程度であれば、空気を効率よく帽子内に導入することができる。したがって、直径約5cmのプロペラを有する送風手段30を用いた場合、理想的には、空気放出口13の面積が少なくとも約16cm
2であればよい。また、同様に、空気排出口の面積及び空気流通路の断面積もそれぞれ、少なくとも送風手段30の空気取込口の有効面積と同程度であればよい。
【0031】
ところで、第一実施形態では、第一間隔保持手段50としてスペーサを用いている。スペーサ自身の大きさを考慮すると、空気が通過できる空気放出口13の実質的な面積(空気放出口13の有効面積)は上記面積Sよりも小さくなる。例えば、袋状体11の上端部の幅L1を約20cmとし、第一間隔保持手段50の幅L2を約0.8cmとした場合、空気放出口13の有効面積は、空気放出口13の面積S=16cm
2の約70%である約11cm
2となる。しかしながら、本発明者等は、第一間隔保持手段50として上述のスペーサを用いて空気放出口13を形成した場合に、空気を帽子内に十分導入することができることを確認した。したがって、空気放出口13の有効面積が送風手段30の空気取込口の有効面積の少なくとも約70%程度であれば、空気を帽子内に導入し、帽子内換気装置1の機能を十分に発揮させることができる。同様に、空気排出口の有効面積及び空気流通路の有効断面積もそれぞれ、送風手段30の空気取込口の有効面積の少なくとも約70%程度であればよい。尚、例えば、頭部に密着するような帽子は、空気流通路の有効断面積が略ゼロとなるので、第一実施形態の帽子内換気装置1とともに使用することはできない。
【0032】
第一実施形態の帽子内換気装置は、袋状体と、袋状体を使用者の頭部に装着するための装着手段と、空気を袋状体の内部に取り込んで袋状体の空気放出口から放出する送風手段と、空気放出口の間隔を略一定に保持する第一間隔保持手段とを備えることにより、この帽子内換気装置の上に例えば既成の帽子を被った場合、送風手段によって袋状体の内部に取り込まれた空気を袋状体の空気放出口から帽子内に導いて、帽子内を換気することができるので、使用者の頭部の蒸れを十分に解消することができる。また、第一実施形態では、面状ファスナーにより送風手段を袋状体に着脱自在に取り付けたことにより、送風手段を簡単に取り外して、袋状体を洗濯することができる。
【0033】
更に、第一実施形態の帽子内換気装置では、空気放出口の有効面積及び空気排出口の有効面積をそれぞれ、少なくとも送風手段の空気取込口の有効面積の約70%とすると共に、適正な仕様の帽子を用いて空気流通路の有効断面積を送風手段の空気取込口の有効面積の少なくとも約70%とすることにより、空気が空気放出口を通過する際、空気流通路内を流通する際、及び、空気排出口を通過する際に、空気の受ける抵抗を小さくすることができる。このため、送風手段として、低圧力のプロペラファンを使用することができるので、送風手段の消費電力を低減することができると共に送風手段のノイズを軽減することができる。
【0034】
尚、第一実施形態では、帽子内の換気効率及び頭部の冷却効率をよくするために、ベルトの所定部位に第二間隔保持手段を設けて、ベルトの当該所定部位と帽子との間に空気排出口を形成している。しかしながら、例えば、帽子として、その前側の部位に空気排出のための開口部が形成されているものや、その前側の部位の縁と額との間に隙間が生じる形状のものを用いる場合には、当該開口部や当該隙間から帽子内に放出された外気を効率よく排出することができるので、必ずしも第二間隔保持手段をベルトに設けて、空気排出口を形成する必要はない。
【0035】
(第一実施形態の変形例)
次に、第一実施形態の変形例について説明する。
図6は第一実施形態の変形例である帽子内換気装置を使用者の頭部に装着したときの様子を示す概略側面図である。尚、この変形例において、上述した第一実施形態のものと同一の機能を有するものには、同一の符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。
【0036】
図6に示すように、第一実施形態の変形例である帽子内換気装置1aは、袋状体10と、装着手段200と、送風手段30と、電源手段40と、第一間隔保持手段50と、第二間隔保持手段60と、空気漏れ防止手段70とを備える。上記第一実施形態では、装着手段として、使用者の頭部に巻き付けるためのベルトと、そのベルトの両端部に設けられた二つの面状ファスナーとを有するものを用いた場合について説明したが、この変形例では、装着手段200として、通気性を有する素材で作製された、使用者の頭部を覆うための帽状体を用いている。具体的に、この帽状体は、例えばスイミングキャップのように、伸縮性の有するメッシュ状の素材を用いて略半円球状に形成されている。このため、帽状体を被ると、髪の毛が帽状体によって押さえられ、帽状体が頭部に密着する。この帽状体の後部には第一実施形態と同様に袋状体10が取り付けられている。具体的には、帽状体の後端部の一部が第二案内シート12の上端部に縫い付けられている。また、帽状体には、第一実施形態と同様に、第二間隔保持手段60、空気漏れ防止手段70、ケーブル留め25が設けられている。
【0037】
第一実施形態の変形例におけるその他の構成は上記第一実施形態と同様であり、この変形例の帽子内換気装置は、上記第一実施形態の帽子内換気装置と同様の作用・効果を奏する。特に、この変形例では、装着手段として帽状体を用いたことにより、帽状体で髪の毛を押さえて、帽状体が頭部に密着するので、帽子と帽状体の間に空気流通路をしっかりと確保することができるので、帽子内を効果的に換気することができると共に、頭部を効率よく冷却することができる。
【0038】
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態である帽子内換気装置について説明する。
図7は第二実施形態である帽子内換気装置を使用者の頭部に装着したときの様子を示す概略側面図である。尚、第二実施形態において、上述した第一実施形態のもの又はその変形例のものと同一の機能を有するものには、同一の符号を付すことにより、その詳細な説明を省略する。
【0039】
第二実施形態の帽子内換気装置は、主に屋内での軽作業時に使用されるものである。
図7に示すように、この帽子内換気装置100は、袋状体10と、装着手段200と、送風手段30と、電源手段40(不図示)と、第二間隔保持手段60と、空気漏れ防止手段700と、第三間隔保持手段800と、外帽状体(第一帽状体)900とを備える。
【0040】
袋状体10は、第一案内シート11と第二案内シート12とを用いて上方が開放している袋の形状に形成されたものである。第一案内シート11の下部には、送風手段30が取り付けられている。送風手段30はケーブルを介して電源手段40と接続されている。電源手段40は送風手段30を駆動するためのものである。
【0041】
装着手段200は、袋状体10を使用者の頭部に装着するためのものである。第二実施形態では、装着手段200として、第一実施形態の変形例と同様に、通気性を有する素材で作製された、使用者の頭部を覆うための帽状体(第二帽状体)を用いている。この帽状体は、袋状体10の開放している端部のうち袋状体10を使用者の頭部に装着したときに内側に位置する部分に連なっている。具体的に、帽状体の後端部は、第二案内シート12の上端部に縫い付けられている。尚、装着手段200としての帽状体を、外帽状体900と区別するため、内帽状体とも称することにする。
【0042】
外帽状体900は、通気性を有しない素材で作製された、使用者の頭部を覆うためのものである。この外帽状体900は、袋状体10の開放している端部のうち装着手段200が設けられた部分と異なる部分であって袋状体10を使用者の頭部に装着したときに外側に位置する部分(第一案内シート11)に連なっている。外帽状体900と装着手段200としての内帽状体との間の所定箇所には、第三間隔保持手段(頭部用間隔保持手段)800が設けられている。第三間隔保持手段800は、外帽状体900と装着手段200との間に空気を流通させるための空間(空気流通路)を形成するために外帽状体900と装着手段200との間隔を略一定に保持するものである。ここでは、第三間隔保持手段800として、第二間隔保持手段60と同様に、耐圧性を有するスペーサを用いることにしているが、耐圧性の低いスペーサを用いることも可能である。
【0043】
第二実施形態では、外帽状体900で使用者の頭部を覆う場合、外帽状体900は内帽状体の外側に配置される。このとき、使用者の額に対応する内帽状体の部位と外帽状体900の部位との間に、第二間隔保持手段60が設けられている。かかる第二間隔保持手段60により、外帽状体900と内帽状体との間の空間に導入された空気を外部に排出する空気排出口が形成されることになる。また、外帽状体900及び内帽状体のうち袋状体10と第二間隔保持手段60との間の部位においては、外帽状体900の下端部と内帽状体の下端部とが縫い付けられている。これにより、外帽状体900を被ったときに、当該縫い付けられた部分から空気が漏れるのを防止することができる。すなわち、第二実施形態では、外帽状体900及び内帽状体のうち袋状体10と第二間隔保持手段60との間の部位において、外帽状体900の下端部と内帽状体の下端部とを縫い付けている部分が、空気漏れ防止手段700である。
【0044】
また、第二実施形態では、帽子内換気装置100の上に帽子を被ることを想定していない。
図7に示すように、帽子内換気装置100それ自体は、一見して帽子と分かるような形状になっていない。実際、この帽子内換気装置100は、その外観をあまり重視せず且つ帽子を必要としないという簡易的な使い方を追求して案出されたものである。
【0045】
尚、第二実施形態の帽子内換気装置100の上には帽子を被らないので、第二間隔保持手段60及び第三間隔保持手段800は必ずしも耐圧性を有する必要はない。この場合には、第二間隔保持手段60及び第三間隔保持手段800として、スペーサではなく、例えば、空気排出口や空気流通路が形成される部位の布を縮めて形成されたギャザーを利用することができる。但し、帽子内換気装置100の上に帽子を被るようにしてもよく、この場合には、第二間隔保持手段60及び後頭部に対応する外帽状体900の部位に設けられる第三間隔保持手段800として、耐圧性を有するものを用いる必要がある。
【0046】
次に、第二実施形態の帽子内換気装置100の使用方法を説明する。
使用者は、袋状部10と後頭部とが相対するようにして、内帽状体及び外帽状体900を被ることにより、
図7に示すように、袋状体10(帽子内換気装置100)を頭部に簡単に装着することができる。次に、使用者は、電源手段40のスイッチを入れると、送風手段30が作動し、その送風手段30から多量の空気が袋状体10内に取り込まれる。そして、この取り込まれた空気は、袋状体10内を上方に移動し、袋状体10の開放している端部の端縁で形成される空気放出口から、外帽状体900内にスムースに導入される。外帽状体900内に導入された空気は、内帽状体及び外帽状体900の側部から漏れることなく、空気流通路を流通し、内帽状体及び外帽状体900の前部に形成された空気排出口から外部に放出される。このように、内帽状体と外帽状体900との間に空気を絶えず流通させることにより、外帽状体900内を換気することができると共に、頭部から出た汗を気化し、その気化熱で頭部を冷却することができる。
【0047】
第二実施形態の帽子内換気装置は、袋状体と、袋状体を使用者の頭部に装着するための装着手段としての、通気性を有する素材で作製された、使用者の頭部を覆うための内帽状体と、袋状体の開放している端部のうち袋状体を使用者の頭部に装着したときに外側に位置する部分に連なり、通気性を有しない素材で作製された、使用者の頭部を覆うための外帽状体と、外帽状体と内帽状体との間隔を略一定に保持する第三間隔保持手段と、空気を袋状体の内部に取り込んで袋状体の空気放出口から放出する送風手段とを備えることにより、送風手段によって袋状体の内部に取り込まれた空気を袋状体の空気放出口から、外帽状体内に導いて、外帽状体内を換気することができるので、使用者の頭部の蒸れを十分に解消することができる。
【0048】
また、第二実施形態では、帽子を被ることなく、使用者の頭部の蒸れを解消することができる。したがって、第二実施形態の帽子内換気装置は、主に屋内で作業を行う際に使用するのに適している。ここで、第二実施形態の帽子内換気装置を装着した後に、帽子を被るようにしてもよい。この場合、帽子としては、帽子内換気装置の上に被ることができるものであれば、大きさ・形状等に関して特段の制限はなく、どのような帽子を用いてもよい。
【0049】
尚、第二実施形態の帽子内換気装置においては、外帽状体が帽子であると考えることもできる。この場合には、第二実施形態の帽子内換気装置を、換気機能を備える帽子として捉えることができる。また、第二実施形態では、帽子内換気装置の外観をあまり重視してしない場合について説明したが、帽子内換気装置を、一見して帽子と分かるような形状に形成して、その外観をよくしてもよい。これにより、当該帽子内換気装置は、換気機能の備わった専用の帽子として使用することができる。
【0050】
(第二実施形態の第一変形例)
次に、第二実施形態の第一変形例について説明する。
図8は第二実施形態の第一変形例である帽子内換気装置を使用者の頭部に装着したときの様子を示す概略側面図である。尚、この第一変形例において第一実施形態又は第二実施形態のものと同様の機能を有するものには同一の符号又は対応する符号を付することにより、その詳細な説明を省略する。
【0051】
図8に示すように、第二実施形態の第一変形例である帽子内換気装置100aは、袋状体10と、送風手段30と、電源手段40(不図示)と、第一間隔保持手段50と、第二間隔保持手段60と、空気漏れ防止手段70と、第三間隔保持手段800と、外帽状体900とを備える。この第一変形例の帽子内換気装置100aが第二実施形態の帽子内換気装置100と異なる点は、内帽状体を設けていない点、第一実施形態のように、袋状体10の開放している端部に第一間隔保持手段50を設けている点である。
【0052】
この帽子内換気装置100aには内帽状体が設けられていないため、第三間隔保持手段(スペーサ)800は外帽状体900に取り付けられている。したがって、外帽状体900を被ると、第三間隔保持手段800が直接、使用者の頭部に接し、外帽状体900と使用者の頭部との間に空気流通路が形成される。尚、この第一変形例では、外帽状体900及び第三間隔手段800が装着手段としての役割を果たすことになる。
【0053】
また、帽子内換気装置100aに内帽状体が設けられていないので、袋状体10の開放している端部の端縁で形成される空気放出口から放出される空気が外帽状体900内にスムースに導入されないおそれがある。このため、袋状体10の開放している端部に第一間隔保持手段50を設けて、空気放出口の間隔を一定に保持することにより、空気放出口から放出される空気が外帽状体900内にスムースに導入されるようにしている。
【0054】
第二実施形態の第一変形例におけるその他の構成は上記第二実施形態と同様であり、この第一変形例の帽子内換気装置は、上記第二実施形態の帽子内換気装置と同様の作用・効果を奏する。
【0055】
(第二実施形態の第二変形例)
次に、第二実施形態の第二変形例について説明する。
図9は第二実施形態の第二変形例である帽子内換気装置の概略底面図である。尚、この第二変形例において第一実施形態又は第二実施形態のものと同様の機能を有するものには同一の符号又は対応する符号を付することにより、その詳細な説明を省略する。
【0056】
図9に示すように、第二実施形態の第二変形例である帽子内換気装置100bは、袋状体10と、装着手段200aと、送風手段30(不図示)と、電源手段40(不図示)と、第一間隔保持手段50と、第二間隔保持手段60と、空気漏れ防止手段700と、第三間隔保持手段800aと、外帽状体900とを備える。この第二変形例の帽子内換気装置100bが第二実施形態の帽子内換気装置100と異なる点は、装着手段200aとして、使用者の頭部に巻くためのヘッドバンドを用いると共に、第三間隔保持手段800aとして、ヘッドバンドに設けられたハンモックを用いた点である。
【0057】
装着手段200aとしてのヘッドバンドは、通気性及び伸縮性を有する帯状のものである。このヘッドバンドは、袋状体10の開放されている端部の一部、例えば第二案内シート12の上端部に縫い付けられている。ここでは、ヘッドバンドとして伸縮性を有するものを用いているが、伸縮性を有しないものを用いることもできる。第三間隔保持手段800aとしてのハンモックは、通常の作業用ヘルメットに使用されるハンモックと同様な機能を有するものであり、ヘッドバンドに設けられている。このハンモックは外帽状体900の内側に配置されている。ここで、外帽状体900は、第一案内シート11の上端部に縫い付けられている。また、ハンモックと外帽状体900との間には一定の間隔がある。これは、ちょうど通常の作業用ヘルメットに使用されるハンモックと当該ヘルメットとの間に間隔が生じることと同様である。これにより、外帽状体900と使用者の頭部との間に空気流通路が形成される。このように、第二変形例では、ハンモックが、外帽状体900と使用者の頭部との間に空気を流通させる空間を形成するために外帽状体900と使用者の頭部との間隔を略一定に保持する第三間隔保持手段800aとしての役割を果たす。
【0058】
また、第二変形例でも、第一実施形態と同様に、第一間隔保持手段50を袋状体10の開放している端部に設けている。尚、第一間隔保持手段50は、第一案内シート11に連なるヘッドバンドと第二案内シート12に連なる外帽状体900との間に設けるようにしてもよい。
【0059】
この第二変形例では、外帽状体900の前側の端縁部とそれに対応するヘッドバンドの部位との間に、第二間隔保持手段60が設けられ、かかる第二間隔保持手段60により、外帽状体900の前側の端縁には、外帽状体900内に導入された空気を外部に排出する空気排出口が形成されている。また、外帽状体900の左右の端縁部とそれに対応するヘッドバンドの部位とは縫い付けられており、外帽状体900及びヘッドバンドにおける当該縫い付けられている部分が、空気漏れ防止手段700である。
【0060】
第二実施形態の第二変形例におけるその他の構成は上記第二実施形態と同様であり、この第二変形例の帽子内換気装置は、上記第二実施形態の帽子内換気装置と同様の作用・効果を奏する。
【0061】
[その他の実施形態]
尚、本発明は上記の各実施形態及び各変形例に限定されるものではなく、その要旨の範囲内において種々の変形が可能である。
【0062】
例えば、上記の各実施形態及び各変形例では、第一案内シートと第二案内シートとを縫合することにより袋状体を作製する場合について説明したが、もちろん、一枚のシートを用いて袋状体を作製するなど、各種の方法で袋状体を作製することが可能である。
【0063】
また、上記の各実施形態及び各変形例では、送風手段を第一案内シートに取り付ける場合について説明したが、送風手段を、首筋と対向する第二案内シートの部位に取り付けるようにしてもよい。袋状体を頭部に取り付けたときには、首筋と第二案内シートとの間に隙間が生じるので、第二案内シートの当該部位に送風手段を設けても、その送風手段が空気を取り込むのに何ら支障はないからである。しかも、送風手段を第二案内シートに設けることにより、使用者が帽子内換気装置を装着して屋外で作業を行う場合に、雨が直接、送風手段に入り込んでしまうのを防ぐことができる。
【0064】
また、上記の各実施形態及び各変形例では、面状ファスナーを用いて送風手段を袋状体に着脱自在に取り付ける場合について説明したが、送風手段の着脱は、面状ファスナーを用いる方法に限らず、例えば専用の部品等を用いる方法等、さまざまな方法で行うようにしてもよい。
【0065】
また、上記の各実施形態及び各変形例では、電源手段から送風手段に電力を供給するためのケーブルが、袋状体に形成された切り込みから帽子内換気装置の縁部を経由して、耳の付近から垂れ下がり、そして、胸のポケットに収納された電源手段に接続されている場合について説明したが、ケーブルの引き回し方は、当然、これに限定されるものではない。
【0066】
更に、上記の各実施形態及び各変形例では、電源手段として乾電池等を用いた場合について説明したが、電源手段としては例えば太陽電池を用いることができる。
【0067】
また、上記の第一実施形態では、第一間隔保持手段を第一案内シートの上端部と第二案内シートの上端部との間に設けた場合について説明したが、装着手段を袋状体に取り付ける位置や方法を変更した場合には、第一間隔保持手段を、袋状体の開放している端部の付近に位置している装着手段に設けることも可能である。
【0068】
また、上記の第二実施形態及びその変形例では、第三間隔保持手段としてスペーサやハンモックを用いた場合について説明したが、これらは例示であり、当然、第三間隔保持手段としては、外帽状体と装着手段及び/又は使用者の頭部との間隔を略一定に保持することができるものであれば、他の手段を用いてもよい。
【0069】
また、上記の第一実施形態の帽子内換気装置において、その上に被る帽子を、袋状体の開放している端部における第一案内シートに連なるように袋状体及び装着手段に取り付けておくようにしてもよい。このように、帽子内換気装置とその上に被る帽子とを一体化した場合には、帽子内換気装置を頭部に装着することが帽子を被ることでもある。
【0070】
更に、本発明の帽子内換気装置は、帽子内に空気を送り込んで帽子内を換気するものであるが、帽子の代わりにヘルメットに対しても適用することができる。