特許第6236760号(P6236760)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6236760
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】取出装置及び現金取扱装置
(51)【国際特許分類】
   G07D 9/00 20060101AFI20171120BHJP
【FI】
   G07D9/00 403D
【請求項の数】10
【全頁数】36
(21)【出願番号】特願2012-224977(P2012-224977)
(22)【出願日】2012年10月10日
(65)【公開番号】特開2014-78101(P2014-78101A)
(43)【公開日】2014年5月1日
【審査請求日】2015年8月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082740
【弁理士】
【氏名又は名称】田辺 恵基
(72)【発明者】
【氏名】西村 明洋
【審査官】 古川 峻弘
(56)【参考文献】
【文献】 実開平02−126265(JP,U)
【文献】 実開昭57−065472(JP,U)
【文献】 実開昭60−044168(JP,U)
【文献】 特開平07−200919(JP,A)
【文献】 実開昭56−005272(JP,U)
【文献】 特開2006−330910(JP,A)
【文献】 実開昭60−148674(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 1/00,9/00,9/04
G07F 5/00−9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネルの前面と対峙する人が視線を斜め下側へ向けた際の当該視線の先となる上記前面の所定位置の裏側に設けられ、所定の排出部から排出される取出対象を受け取る受取部と、
上記パネルの上記前面の上記所定位置に設けられ、当該前面側の表面が斜め上側を向くように傾斜する傾斜箇所を有し、当該傾斜箇所に、上記受取部から上記取出対象を上記前面側に取り出させるための取出口が形成された取出口形成部と、
上端部に回動軸が設けられ、当該回動軸を介して、扉表面を斜め上側に向けて上記取出口を閉じる閉位置から上記取出口の奥側である開方向及び当該取出口の奥から上記閉位置側である閉方向に回動可能に支持されると共に、重心の位置を選定する突起部が設けられ、上記重心により、上記取出口の奥から上記閉方向の上記閉位置まで回転して上記取出口を閉じるように作用する扉と
を具える取出装置。
【請求項2】
上記扉は、
扉裏面の左上端部及び右上端部に、上記重心の位置を選定する一対の上記突起部が設けられた
請求項1に記載の取出装置。
【請求項3】
上記受取部の上側に設けられ、当該受取部内を照明する光源
を具える請求項1又は請求項2に記載の取出装置。
【請求項4】
上記取出口形成部は、
上記パネルの上記前面の上記所定位置に設けられた谷形に凹む凹部である
請求項1乃至請求項3の何れかに記載の取出装置。
【請求項5】
上記取出口形成部は、
上記パネルの上記前面の上記所定位置に設けられた山形に突出する凸部である
請求項1乃至請求項3の何れかに記載の取出装置。
【請求項6】
上記扉は、
上記光源から上記受取部内の照明用に発射される照明光を通すように形成された
請求項3に記載の取出装置。
【請求項7】
上記扉は、
光透過性の部材により透明又は半透明に形成された
求項6に記載の取出装置。
【請求項8】
取出対象を排出する排出部と、
パネルと、
上記パネルの前面と対峙する人が視線を斜め下側へ向けた際の当該視線の先となる上記前面の所定位置の裏側に設けられ、上記排出部から排出される上記取出対象を受け取る受取部と、
上記パネルの上記前面の上記所定位置に設けられ、当該前面側の表面が斜め上側を向くように傾斜する傾斜箇所を有し、当該傾斜箇所に、上記受取部から上記取出対象を上記前面側に取り出させるための取出口が形成された取出口形成部と、
上端部に回動軸が設けられ、当該回動軸を介して、扉表面を斜め上側に向けて上記取出口を閉じる閉位置から上記取出口の奥側である開方向及び当該取出口の奥から上記閉位置側である閉方向に回動可能に支持されると共に、重心の位置を選定する突起部が設けられ、上記重心により、上記取出口の奥から上記閉方向の上記閉位置まで回転して上記取出口を閉じるように作用する扉と
を具える現金取扱装置。
【請求項9】
上記扉は、
扉裏面の左上端部及び右上端部に、上記重心の位置を選定する一対の上記突起部が設けられた
請求項8に記載の現金取扱装置。
【請求項10】
上記取出対象の取出時、当該取出対象を取り出すように促すための通知部
を具える請求項8又は請求項9に記載の現金取扱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は取出装置及び現金取扱装置に関し、例えば、現金としての硬貨及び紙幣の入金及び出金の取引を行う現金自動預払機(ATM:Automatic Teller Machine)に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、図16に示すように、現金自動取引装置100は、略箱型の筐体101の上前端部に接客用の略L字状のパネル(以下、これを接客パネルとも呼ぶ)102が設けられると共に、当該接客パネル102において上側を向く面の所定位置に紙幣の入出金口102Aが形成されている。
【0003】
また現金自動取引装置100において筐体101の下端部には、紙幣の入出金処理を行う紙幣取扱装置103が、紙幣受取用のバケットを入出金口102Aに近接させて収納されている。
【0004】
そして現金自動取引装置100は、入金時、取引を希望する人(以下、これを顧客とも呼ぶ)により入出金口102Aに入金用の紙幣が投入されると、その紙幣を紙幣取扱装置103においてバケットで受け取り1枚ずつ繰り出すようにして鑑別部で鑑別した後、金種別収納部へ搬送して収納している。
【0005】
ただし、現金自動取引装置100では、例えば、入金時、顧客により入出金口102Aに誤って硬貨や遊戯用のメダル等のような紙幣以外の異物(すなわち、紙幣の入金処理にとっては不要なもの)が投入される場合がある。
【0006】
このため現金自動取引装置100は、顧客により入出金口102Aに誤って異物が投入されると、その異物も紙幣と同様に紙幣取扱装置103のバケットで受けるものの、そのバケットの底に紙幣は留めつつも、異物は落下させるための孔部が形成されている。
【0007】
また現金自動取引装置100は、筐体101の前面101Aの所定位置に、顧客に当該筐体101内から異物を取り出させるようにして返却するための取出口(以下、これを返却口とも呼ぶ)101AXが形成されている。
【0008】
さらに現金自動取引装置100は、バケットから落下した異物を受け前斜め下側へ滑らせるようにして返却口101AXへ搬送するための返却路104が設けられている。
【0009】
よって現金自動取引装置100は、入金時、顧客により入出金口102Aに誤って異物が投入されると、その異物を顧客への返却用に紙幣取扱装置103のバケットから返却路104を介して返却口101AXへ搬送していた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2010−55443公報(第3頁、第4頁、第5頁、図1図5
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところが、係る構成の現金自動取引装置100は、接客パネル102の上側を向く面が大人の腰くらいの高さに位置し、その面の下となる前面101Aが平坦な垂直面として形成されている。
【0012】
また現金自動取引装置100は、バケットから落下した異物を返却路104で受けて下側へ滑らせるようにして搬送するために、当該異物の搬送先になる返却口101AXが垂直な前面101Aの下端寄りに形成されている。
【0013】
すなわち、現金自動取引装置100は、垂直な前面101Aにおいて、当該前面101Aと対峙する顧客が視線を斜め下側へ向けた場合に、その視線の先となる下端寄りに返却口101AXが形成されている。
【0014】
このため現金自動取引装置100では、前面101Aと対峙する顧客が視線を斜め下側へ向けた場合、視覚的に返却口101AXの大きさが実際の大きさよりも小さく(すなわち、上下の長さが実際の長さよりも短く)なる。
【0015】
従って現金自動取引装置100では、前面101Aと対峙する顧客にとって、その前面101Aに形成されている返却口101AXは視認性が良いとは言えず、その結果、返却口101AXを容易には認識させ難いという問題があった。
【0016】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、取出対象の取出口を的確に認識させ得る取出装置及び現金取扱装置を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
かかる課題を解決するため本発明においては、パネルの前面と対峙する人が視線を斜め下側へ向けた際の当該視線の先となる前面の所定位置の裏側に、所定の排出部から排出される取出対象を受け取る受取部を設けると共に、パネルの前面の当該所定位置に、その前面側の表面が斜め上側を向くように傾斜する傾斜箇所を有当該傾斜箇所に、受取部から取出対象を前面側に取り出させるための取出口が形成された取出口形成部を設け、扉を、上端部に設けられた回動軸を介して、扉表面を斜め上側に向けて取出口を閉じる閉位置から取出口の奥側である開方向及び当該取出口の奥から閉位置側である閉方向に回動可能に支持すると共に、重心の位置を選定する突起部を設け、当該重心により、取出口の奥から閉方向の閉位置まで回転させて取出口を閉じるように作用させる。
【0018】
従って本発明では、パネルの前面と対峙する人が視線を斜め下側へ向けた場合、視覚的に取出口の大きさが実際の大きさよりも小さくなることを防止して、当該取出口をほぼ実際の大きさのまま見せることができると共に扉を閉方向へ回転させるように付勢するばねやばね係止部のような特別な部品を何ら設けることなく、取出口の中に入れる手で扉表面が取出口の奥側に押されて扉を取出口の奥側に開いても、手を取出口から引き抜かせるだけで、扉を重心により閉位置まで回転させて取出口を閉じることができる
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、パネルの前面と対峙する人が視線を斜め下側へ向けた際の当該視線の先となる前面の所定位置の裏側に、所定の排出部から排出される取出対象を受け取る受取部を設けると共に、パネルの前面の当該所定位置に、その前面側の表面が斜め上側を向くように傾斜する傾斜箇所を有当該傾斜箇所に、受取部から取出対象を前面側に取り出させるための取出口が形成された取出口形成部を設け、扉を、上端部に設けられた回動軸を介して、扉表面を斜め上側に向けて取出口を閉じる閉位置から取出口の奥側である開方向及び当該取出口の奥から閉位置側である閉方向に回動可能に支持すると共に、重心の位置を選定する突起部を設け、当該重心により、取出口の奥から閉方向の閉位置まで回転させて取出口を閉じるように作用させることにより、パネルの前面と対峙する人が視線を斜め下側へ向けた場合、視覚的に取出口の大きさが実際の大きさよりも小さくなることを防止して、当該取出口をほぼ実際の大きさのまま見せることができると共に、扉を閉方向へ回転させるように付勢するばねやばね係止部のような特別な部品を何ら設けることなく、取出口の中に入れる手で扉表面が取出口の奥側に押されて扉を取出口の奥側に開いても、手を取出口から引き抜かせるだけで、扉を重心により閉位置まで回転させて取出口を閉じることができ、かくして取出対象の取出口を的確に認識させ得ると共に、扉を簡易な構成で自在に開閉し得る取出装置及び現金取扱装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明による現金自動預払機の外観構成の一実施の形態を示す略線的斜視図である。
図2】現金自動預払機の内部構成(1)を示す略線的側面図である。
図3】現金自動預払機の内部構成(2)を示す略線的側面図である。
図4】異物返却部の構成(1)を示す略線的斜視図である。
図5】異物返却部の構成(2)を示す略線的断面図である。
図6】異物受皿の構成を示す略線的斜視図である。
図7】異物返却部による異物の受け取りの説明に供する略線的断面図である。
図8】扉の構成を示す略線的斜視図である。
図9】異物受皿からの異物の取り出しの説明に供する略線的断面図である。
図10】異物返却部の凹部及び返却口の大きさの説明に供する略線的正面図である。
図11】待機案内画像の構成を示す略線図である。
図12】取出案内画像の構成を示す略線図である。
図13】異物取出処理手順を示すフローチャートである。
図14】他の実施の形態による現金自動預払機の外観構成を示す略線的斜視図である。
図15】他の実施の形態による異物返却部の構成を示す略線的斜視図である。
図16】従来の現金自動取引装置の外観構成を示す略線的斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下図面を用いて、発明を実施するための最良の形態(以下、これを実施の形態とも呼ぶ)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
(1)実施の形態
(2)他の実施の形態
【0022】
(1)実施の形態
(1−1)現金自動預払機の外観構成
図1において、1は全体として本発明を適用した現金自動預払機の外観構成を示す。因みに、以下の説明では、現金自動預払機1を、その前面2Aと対峙して見た場合の図中に矢印a1で示す左の方向を、預払機左方向とも呼び、当該預払機左方向とは逆の方向を、預払機右方向とも呼ぶ。
【0023】
そして、以下の説明では、預払機左方向及び預払機右方向を特に区別する必要がない場合、これらをまとめて預払機左右方向とも呼ぶ。
【0024】
また、以下の説明では、現金自動預払機1を、その前面2Aと対峙して見た場合の図中に矢印b1で示す上の方向を、預払機上方向とも呼び、当該預払機上方向とは逆の方向を、預払機下方向とも呼ぶ。
【0025】
そして、以下の説明では、預払機上方向及び預払機下方向を特に区別する必要がない場合、これらをまとめて預払機上下方向とも呼ぶ。
【0026】
さらに、以下の説明では、現金自動預払機1を、その前面2Aと対峙して見た場合の図中に矢印c1で示す手前の方向を、預払機前方向とも呼び、当該預払機前方向とは逆の方向を、預払機後方向とも呼ぶ。
【0027】
そして、以下の説明では、預払機前方向及び預払機後方向を特に区別する必要がない場合、これらをまとめて預払機前後方向とも呼ぶ。
【0028】
現金自動預払機1は、上前隅部が切り欠かれたような略L字箱型の筐体(以下、これを預払機筐体とも呼ぶ)3を有している。
【0029】
預払機筐体3は、前端に例えば、立っている大人の腰の高さくらいの所定の高さを有するパネル(以下、これを前パネルとも呼ぶ)2が、ほぼ垂直な表面を上述の現金自動預払機1の前面2Aとして前側に向けて設けられている。
【0030】
また預払機筐体3は、前パネル2の上側の切欠部分に、接客用の略L字状のパネル(以下、これを接客パネルとも呼ぶ)4が設けられている。
【0031】
接客パネル4において表面が上側を向く上向パネル4Aは、例えば、その表面の左後端部に、取引を希望する人(以下、これを顧客とも呼ぶ)に入金用の硬貨を投入させ、また出金用の硬貨を取り出させるための略円形状の硬貨投入取出口4AXが形成されている。
【0032】
また上向パネル4Aは、例えば、その表面の右後端部に、顧客に入金用の紙幣を投入させ、また出金用の紙幣を取り出させるための略長方形状の紙幣投入取出口4AYが預払機左右方向と平行に形成されている。
【0033】
さらに上向パネル4Aには、例えば、その表面の中央前端部に、取引の手順を案内するための種々の取引手順案内画像の表示及び表面へのタッチ操作が可能なタッチスクリーン5が配置されている。
【0034】
因みに、預払機筐体3は、上向パネル4Aの裏面に、硬貨投入取出口4AXを開放及び閉塞するためのシャッタ(以下、これを硬貨口用シャッタとも呼ぶ)6を有するシャッタ開閉部(以下、これを硬貨口用シャッタ開閉部とも呼ぶ)が配置されている。
【0035】
また預払機筐体3は、上向パネル4Aの裏面に、紙幣投入取出口4AYを開放及び閉塞するためのシャッタ(以下、これを紙幣口用シャッタとも呼ぶ)7を有するシャッタ開閉部(以下、これを紙幣口用シャッタ開閉部とも呼ぶ)が配置されている。
【0036】
一方、接客パネル4において表面が前側を向く前向パネル4Bには、例えば、その表面の中央部の左寄りに、取引の際、通帳を挿入させ、また当該通帳を排出するための略長方形状の通帳挿入排出口8が預払機左右方向と平行に形成されている。
【0037】
また前向パネル4Bには、例えば、その表面の中央部の右寄りに、取引の際、キャッシュカードやクレジットカード等のカードを挿入させ、また当該カードを排出するための略長方形状のカード挿入排出口9が預払機左右方向と平行に形成されている。
【0038】
これに加えて前パネル2は、前面2Aの下端部の左寄りに例えば、入金の際、顧客により硬貨投入取出口4AXや紙幣投入取出口4AYに誤って投入された異物を、その顧客に預払機筐体3内から取り出させるようにして返却するための略四角形状の取出口2AXが形成されている。
【0039】
すなわち、前パネル2は、前面2Aにおいて、当該前面2Aと対峙する顧客が視線を斜め下側へ向けた場合の、その視線の先となる所定位置に、異物返却用の取出口2AXが形成されている。
【0040】
因みに、入金の際に顧客により硬貨投入取出口4AXに誤って投入される異物とは、硬貨の入金処理では扱えない遊戯用のメダルやクリップ等のような硬貨以外のものである。
【0041】
また入金の際に顧客により紙幣投入取出口4AYに誤って投入される異物とは、紙幣の入金処理では扱えない硬貨や遊戯用のメダル、クリップ等のような紙幣以外のものである。
【0042】
なお、以下の説明では、前パネル2の前面2Aに形成された、異物を返却するための取出口2AXを、返却口2AXとも呼ぶ。
【0043】
現金自動預払機1は、係る構成のもと、タッチスクリーン5に取引手順案内画像を表示すると共に、顧客によるタッチスクリーン5の表面へのタッチ操作に応じて、当該タッチスクリーン5に表示する取引手順案内画像を適宜切り換える。
【0044】
そして現金自動預払機1は、タッチスクリーン5に適宜切り換えて表示する取引手順案内画像によって、顧客に硬貨や紙幣の預け入れのような入金や、硬貨や紙幣の払い出しのような出金等の所望の取引の手順を案内する。
【0045】
これにより現金自動預払機1は、顧客に取引の手順の案内に従って、通帳挿入排出口8やカード挿入排出口9に通帳やカードを挿入させる。
【0046】
そのうえで、現金自動預払機1は、入金の際には顧客に取引の手順の案内に従って、硬貨投入取出口4AXや紙幣投入取出口4AYに入金用の硬貨や紙幣を投入させる。
【0047】
ただし、現金自動預払機1は、入金の際、顧客により硬貨投入取出口4AXや紙幣投入取出口4AYに誤って異物が投入されると、その顧客に取引の手順の案内に従って、返却口2AXを介して預払機筐体3内から異物を取り出させるようにして返却する。
【0048】
また現金自動預払機1は、出金の際には顧客に取引の手順の案内に従って、硬貨投入取出口4AXや紙幣投入取出口4AYから出金用の硬貨や紙幣を取り出させる。
【0049】
そして現金自動預払機1は、通帳挿入排出口8やカード挿入排出口9から通帳やカードを排出するようにして、顧客に取引の手順の案内に従って、その通帳やカードを受け取らせる。
【0050】
このようにして現金自動預払機1は、顧客が所望する現金(すなわち、硬貨や紙幣)の入金や出金等の取引を行うことができる。
【0051】
(1−2)現金自動預払機の内部構成
次いで、現金自動預払機1の内部構成について説明する。図2及び図3に示すように、現金自動預払機1の預払機筐体3内には、上述のように上向パネル4Aの裏面の左側(すなわち、硬貨投入取出口4AXの下側)に硬貨口用シャッタ開閉部15が配置されている。
【0052】
そして預払機筐体3は、硬貨口用シャッタ開閉部15の下側となる左下端部に、硬貨を入金用及び出金用に処理する硬貨処理ユニット16が収納されている。
【0053】
また預払機筐体3内には、上述のように上向パネル4Aの裏面の右側(すなわち、紙幣投入取出口4AYの下側)に紙幣口用シャッタ開閉部17が配置されている。
【0054】
そして預払機筐体3は、紙幣口用シャッタ開閉部17の下側となる右下端部に、紙幣を入金用及び出金用に処理する紙幣処理ユニット18が収納されている。
【0055】
さらに預払機筐体3は、例えば、硬貨処理ユニット16の前斜め下側となる前下端部の左寄りに、顧客に預払機筐体3内の異物を取り出させて返却するための、上述した返却口2AXを有する取出部(以下、これを異物返却部とも呼ぶ)19が設けられている。
【0056】
そして預払機筐体3は、左下端部において硬貨処理ユニット16の下側に、現金自動預払機1全体を統括制御する制御ユニット20が収納されている。
【0057】
ここで、硬貨処理ユニット16は、略箱型の筐体(以下、これを硬貨ユニット筐体とも呼ぶ)22を有している。
【0058】
硬貨ユニット筐体22内には、例えば、上前端部に、顧客から入金用の硬貨を受け取り、また顧客に出金用の硬貨を引き渡すための硬貨受皿(図示せず)を有する硬貨受渡部23が、その硬貨受皿を閉状態の硬貨口用シャッタ6の裏面に近接させるようにして配置されている。
【0059】
また硬貨ユニット筐体22内には、硬貨受渡部23の下側に硬貨分離部24が配置されると共に、当該硬貨受渡部23と硬貨分離部24との間の後寄りに硬貨鑑別部25が配置されている。
【0060】
さらに硬貨ユニット筐体22内には、硬貨鑑別部25の後側に複数の硬貨振分部26A乃至26Fが順に配置されると共に、当該複数の硬貨振分部26A乃至26Fの下に、それぞれ硬貨を金種別に一時的に保持する(すなわち、それぞれ特定の1金種の硬貨のみを一時的に保持する)一時保持部27A乃至27Fが配置されている。
【0061】
さらにまた硬貨ユニット筐体22内には、複数の一時保持部27A乃至27Fの下に、それぞれ入金用及び出金用の複数の硬貨を金種別に収納する(すなわち、それぞれ特定の1金種の硬貨のみを収納する)ための硬貨収納庫28A乃至28Fが配置されている。
【0062】
因みに、硬貨ユニット筐体22内には、特には図示しないが、変形している硬貨や損傷している硬貨、金種を判別し得ない硬貨等のような異常な硬貨を収納する収納庫も配置されている。
【0063】
なお、以下の説明では、変形している硬貨や損傷している硬貨、金種を判別し得ない硬貨等のような異常な硬貨を、適宜、正常な硬貨とは区別してリジェクト硬貨とも呼び、当該リジェクト硬貨を収納する収納庫を、硬貨リジェクト庫とも呼ぶ。
【0064】
そして硬貨ユニット筐体22内には、硬貨受渡部23及び硬貨分離部24間や、当該硬貨分離部24から硬貨鑑別部25及び複数の硬貨振分部26A乃至26Fを順次介した硬貨受渡部23までの間等に、搬送ベルトやシュータ等によって硬貨搬送用の搬送路(以下、これを硬貨搬送路とも呼ぶ)30が形成されている。
【0065】
また硬貨ユニット筐体22は、異物搬送用の例えば、所定形状のパイプでなるシュータ(以下、これを第1異物シュータとも呼ぶ)32が、一端部を硬貨分離部24に接続すると共に、他端部を異物返却部19に接続して設けられている。
【0066】
因みに、第1異物シュータ32は、異物を、一端の異物取込口から搬送通路内に取り込み、その搬送通路内で落下させ、また傾斜している内面で斜め下側へ滑らせるようにして他端側へ搬送して当該他端の異物排出口から排出するものである。
【0067】
一方、紙幣処理ユニット18は、略箱型の筐体(以下、これを紙幣ユニット筐体とも呼ぶ)35を有している。
【0068】
そして紙幣ユニット筐体35内には、例えば、上前端部に、顧客から入金用の紙幣を受け取り、また顧客に出金用の紙幣を引き渡すための紙幣受皿(図示せず)を有する紙幣受渡部36が、その紙幣受皿を閉状態の紙幣口用シャッタ7の裏面に近接させるようにして配置されている。
【0069】
また紙幣ユニット筐体35内には、紙幣受渡部36の後斜め下に紙幣鑑別部37が配置されると共に、当該紙幣鑑別部37の後斜め上に、一時保留部38が配置されている。
【0070】
さらに紙幣ユニット筐体35内には、紙幣受渡部36、紙幣鑑別部37及び一時保留部38の下側に、入金用及び出金用の複数の紙幣を金種別に収納する(すなわち、それぞれ特定の1金種の紙幣のみを収納する)ための複数の紙幣収納庫39乃至43が配置されている。
【0071】
因みに、紙幣ユニット筐体35内には、特には図示しないが、破損している紙幣や折れ曲がっている紙幣等のような異常な紙幣を収納する収納庫も配置されている。
【0072】
なお、以下の説明では、破損している紙幣や折れ曲がっている紙幣等のような異常な紙幣を、適宜、正常な紙幣とは区別してリジェクト紙幣とも呼び、当該リジェクト紙幣を収納する収納庫を、紙幣リジェクト庫とも呼ぶ。
【0073】
そして紙幣ユニット筐体35内には、紙幣受渡部36及び紙幣鑑別部37間や、当該紙幣鑑別部37及び一時保留部38間、紙幣鑑別部37と複数の紙幣収納庫39乃至43との間等に、搬送ローラや搬送ベルト等によって紙幣搬送用の搬送路(以下、これを紙幣搬送路とも呼ぶ)44が形成されている。
【0074】
また紙幣ユニット筐体35には、異物搬送用の例えば、所定形状のパイプでなるシュータ(以下、これを第2異物シュータとも呼ぶ)45が、その一端を紙幣受渡部36に接続すると共に、他端部を異物返却部19に接続するようにして設けられている。
【0075】
因みに、第2異物シュータ45も、第1異物シュータ32と同様に、異物を、一端の異物取込口から搬送通路内に取り込み、その搬送通路内で落下させ、また傾斜している内面で斜め下側へ滑らせるようにして他端側へ搬送して当該他端の異物排出口から排出するものである。
【0076】
制御ユニット20は、係る構成のもと、入金時、硬貨口用シャッタ開閉部15により硬貨口用シャッタ6を開くと共に、紙幣口用シャッタ開閉部17により紙幣口用シャッタ7を開いて、顧客に硬貨投入取出口4AX及び紙幣投入取出口4AYへ入金用の硬貨及び紙幣を投入するように促す。
【0077】
この際、制御ユニット20は、顧客により硬貨投入取出口4AXに1又は複数の入金用の硬貨が投入されると、硬貨処理ユニット16の硬貨受渡部23により硬貨受皿で、その入金用の硬貨を受け取る。
【0078】
そして制御ユニット20は、硬貨受渡部23から硬貨受皿で受け取った入金用の硬貨を繰り出し硬貨搬送路30を介して硬貨分離部24へ搬送する。
【0079】
また制御ユニット20は、硬貨分離部24により入金用の1又は複数の硬貨を1枚ずつ分離して繰り出し硬貨搬送路30を介して硬貨鑑別部25へ搬送して、当該硬貨鑑別部25において、その硬貨の金種や状態等を鑑別させる。
【0080】
その結果、制御ユニット20は、硬貨鑑別部25から正常であると鑑別されて繰り出された硬貨については、硬貨搬送路30及び複数の硬貨振分部26A乃至26Fを順次介して、その金種に応じた一時保持部27A乃至27Fへ搬送して一時的に保持させることにより、当該硬貨の入金を保留する。
【0081】
また制御ユニット20は、硬貨鑑別部25から異常であると鑑別されて繰り出された硬貨については、リジェクト硬貨として硬貨搬送路30及び複数の硬貨振分部26A乃至26Fを順次介して硬貨受渡部23へ戻すように搬送して硬貨受皿で受け取らせる。
【0082】
そして制御ユニット20は、硬貨口用シャッタ開閉部15により硬貨口用シャッタ6を開いて、顧客に硬貨投入取出口4AXを介して硬貨受皿からリジェクト硬貨を取り出させるようにして返却する。
【0083】
また制御ユニット20は、この際、顧客により紙幣投入取出口4AYに1又は複数の入金用の紙幣が投入されると、紙幣処理ユニット18の紙幣受渡部36により紙幣受皿で、その入金用の紙幣を受け取る。
【0084】
そして制御ユニット20は、その紙幣受渡部36から紙幣受皿で受け取った入金用の紙幣を1枚ずつ繰り出し紙幣搬送路44を介して紙幣鑑別部37へ搬送して、当該紙幣鑑別部37において、その紙幣の金種や状態等を鑑別させる。
【0085】
その結果、制御ユニット20は、紙幣鑑別部37から正常であると鑑別されて繰り出された紙幣については、紙幣搬送路44を介して一時保留部38へ搬送して一時的に保持させることにより、当該紙幣の入金を保留する。
【0086】
また制御ユニット20は、紙幣鑑別部37から異常であると鑑別されて繰り出された紙幣については、リジェクト紙幣として紙幣搬送路44を介して紙幣受渡部36へ戻すように搬送して紙幣受皿で受け取らせる。
【0087】
そして制御ユニット20は、紙幣口用シャッタ開閉部17により紙幣口用シャッタ7を開いて、顧客に紙幣投入取出口4AYを介して紙幣受皿からリジェクト紙幣を取り出させるようにして返却する。
【0088】
このようにして制御ユニット20は、硬貨鑑別部25や紙幣鑑別部37により入金用の硬貨や入金用の紙幣が全て鑑別されると、正常であると鑑別された硬貨や紙幣の総額(すなわち、入金の金額)を、タッチスクリーン5を介して顧客に提示する。
【0089】
その結果、制御ユニット20は、入金の金額を確認した顧客によりタッチスクリーン5を介して入金が指示されると、例えば、一時保持部27A乃至27Fから一時的に保持していた硬貨を落下させるようにして、対応する(すなわち、硬貨の金種に応じた)硬貨収納庫28A乃至28Fへ移して収納する。
【0090】
また制御ユニット20は、顧客により入金が指示されると、例えば、一時保留部38から一時的に保持していた紙幣を1枚ずつ繰り出し紙幣搬送路44を介して紙幣鑑別部37へ搬送して、当該紙幣鑑別部37において再び、その紙幣の金種や状態等を鑑別させる。
【0091】
そして制御ユニット20は、紙幣鑑別部37から正常であると鑑別されて繰り出された紙幣については、紙幣搬送路44を介して当該紙幣の金種に応じた紙幣収納庫39乃至43へ搬送して収納する。
【0092】
ただし、制御ユニット20は、この際、紙幣鑑別部37から異常であると鑑別されて繰り出された紙幣については、リジェクト紙幣として紙幣搬送路44を介して紙幣リジェクト庫へ搬送して収納することにより、その後の出金には用いないようにする。
【0093】
このようにして制御ユニット20は、硬貨処理ユニット16により硬貨を入金処理し、また紙幣処理ユニット18により紙幣を入金処理して、顧客の所望する取引としての現金(すなわち、硬貨や紙幣)の入金を行うことができる。
【0094】
一方、制御ユニット20は、出金時、顧客によりタッチスクリーン5を介して出金の金額が指定されると、例えば、複数の硬貨収納庫28A乃至28Fから、顧客により指定された金額分の硬貨を出金用として1枚ずつ繰り出す。
【0095】
この際、制御ユニット20は、複数の硬貨収納庫28A乃至28Fから1枚ずつ繰り出した出金用の硬貨を、硬貨搬送路30を介して硬貨分離部24へ搬送する。
【0096】
また制御ユニット20は、硬貨分離部24により出金用の1又は複数の硬貨を1枚ずつ分離して繰り出し硬貨搬送路30を介して硬貨鑑別部25へ搬送して、当該硬貨鑑別部25において、その硬貨の金種や状態等を鑑別させる。
【0097】
その結果、制御ユニット20は、硬貨鑑別部25から正常であると鑑別されて繰り出された硬貨については、硬貨搬送路30及び複数の硬貨振分部26A乃至26Fを順次介して硬貨受渡部23へ搬送して硬貨受皿で受け取らせる。
【0098】
ただし、制御ユニット20は、この際、硬貨鑑別部25から異常であると鑑別されて繰り出された硬貨については、リジェクト硬貨として硬貨搬送路30及び複数の硬貨振分部26A乃至26Fを順次介して硬貨リジェクト庫へ搬送して収納することにより、その後の出金には用いないようにする。
【0099】
また制御ユニット20は、顧客により出金の金額が指定されると、例えば、紙幣収納庫39乃至43から、顧客により指定された金額分の紙幣を1枚ずつ繰り出し紙幣搬送路44を介して紙幣鑑別部37へ搬送して、当該紙幣鑑別部37において紙幣の金種や状態等を鑑別させる。
【0100】
その結果、制御ユニット20は、紙幣鑑別部37から正常であると鑑別されて繰り出された紙幣については、紙幣搬送路44を介して紙幣受渡部36へ搬送して紙幣受皿で受け取らせる。
【0101】
ただし、制御ユニット20は、この際、紙幣鑑別部37から異常であると鑑別されて繰り出された紙幣については、リジェクト紙幣として紙幣搬送路44を介して紙幣リジェクト庫へ搬送して収納することにより、その後の出金には用いないようにする。
【0102】
このようにして制御ユニット20は、硬貨受渡部23や紙幣受渡部36へ出金用に指定された金額分の硬貨や紙幣を搬送し終えると、硬貨口用シャッタ開閉部15により硬貨口用シャッタ6を開くと共に、紙幣口用シャッタ開閉部17により紙幣口用シャッタ7を開く。
【0103】
これにより制御ユニット20は、顧客に硬貨投入取出口4AXを介して硬貨受皿から出金用の硬貨を取り出させるようにして引き渡し、また紙幣投入取出口4AYを介して紙幣受皿から出金用の紙幣を取り出させるようにして引き渡す。
【0104】
すなわち、制御ユニット20は、顧客に、出金用に指定されていた金額分の硬貨や紙幣を引き渡す。
【0105】
このようにして制御ユニット20は、硬貨処理ユニット16により硬貨を出金処理し、また紙幣処理ユニット18により紙幣を出金処理して、顧客の所望する取引としての現金(すなわち、硬貨や紙幣)の出金を行うことができる。
【0106】
ところで、上述の硬貨受渡部23は、例えば、硬貨受皿の開口部の対向する一対の縁部分の一方に、一対の発光素子及び受光素子からなる光センサの当該発光素子が配置されると共に、他方に受光素子が配置されている。
【0107】
これにより制御ユニット20は、入金時や出金時、光センサにおいて発光素子の発射した光ビームを受光素子で受光するようにして、その光ビームの受光が一時的に遮られたか否かに応じて硬貨口用シャッタ6の開閉を制御している。
【0108】
実際に制御ユニット20は、入金時、上述のように硬貨口用シャッタ開閉部15により硬貨口用シャッタ6を開いて顧客に硬貨投入取出口4AXに対する入金用の硬貨の投入を促している。
【0109】
この際、制御ユニット20は、硬貨投入取出口4AXに投入される入金用の硬貨や、入金用の硬貨の投入のために硬貨投入取出口4AXに差し込まれた手によって光ビームの受光が一時的に遮られると、硬貨投入取出口4AXに入金用の硬貨が投入されたものとして、その後、硬貨口用シャッタ開閉部15により硬貨口用シャッタ6を閉じている。
【0110】
ただし、制御ユニット20は、硬貨受渡部23に設けられた光センサによっては、この際、硬貨投入取出口4AXに投入されたものが、入金用の硬貨であるのか、異物であるのかを判別し得ない。
【0111】
このため硬貨処理ユニット16では、入金時、顧客により硬貨投入取出口4AXに誤って異物が単独で、又は入金用の硬貨と共に投入されると、その異物(及び硬貨)を硬貨受渡部23の硬貨受皿で受け取り、当該硬貨受渡部23から硬貨搬送路30を介して硬貨分離部24へ搬送している。
【0112】
そして硬貨分離部24は、例えば、所定の硬貨分離手法で複数の硬貨を1枚ずつ分離するものの、その硬貨分離手法で硬貨としては分離し得ないものを異物として第1異物シュータ32の異物取込口から搬送通路内に入れるようにしている。
【0113】
これにより硬貨分離部24は、入金時、顧客により硬貨投入取出口4AXに誤って異物が投入されると、その異物を硬貨受渡部23から受け取った後、第1異物シュータ32を介して異物返却部19へ搬送している。
【0114】
また上述の紙幣受渡部36にも、硬貨受渡部23と同様に紙幣受皿の開口部の対向する一対の縁部分の一方に、一対の発光素子及び受光素子からなる光センサの当該発光素子が配置されると共に、他方に受光素子が配置されている。
【0115】
これにより制御ユニット20は、入金時や出金時、その光センサにおいて発光素子の発射した光ビームを受光素子で受光するようにして、その光ビームの受光が一時的に遮られたか否かに応じて紙幣口用シャッタ7の開閉を制御している。
【0116】
実際に制御ユニット20は、入金時、上述のように紙幣口用シャッタ開閉部17により紙幣口用シャッタ7を開いて顧客に紙幣投入取出口4AYに対する入金用の紙幣の投入を促している。
【0117】
この際、制御ユニット20は、紙幣投入取出口4AYに投入される入金用の紙幣や、入金用の紙幣の投入のために紙幣投入取出口4AYに差し込まれた手によって光ビームの受光が一時的に遮られると、紙幣投入取出口4AYに入金用の紙幣が投入されたものとして、その後、紙幣口用シャッタ開閉部17により紙幣口用シャッタ7を閉じている。
【0118】
ただし、制御ユニット20は、上述した入金用の硬貨が投入される際と同様に、紙幣受渡部36に設けられた光センサによっては、この際、紙幣投入取出口4AYに投入されたものが、入金用の紙幣であるのか、異物であるのかを判別し得ない。
【0119】
このため紙幣処理ユニット18では、入金時、顧客により紙幣投入取出口4AYに誤って異物が単独で、又は入金用の紙幣と共に投入されると、その異物(及び紙幣)を紙幣受渡部36の紙幣受皿で受けるものの、当該紙幣受皿の底に、紙幣は紙幣受皿内に留めつつも、異物は紙幣受皿の下へ落下させるための複数のスリットが形成されている。
【0120】
また紙幣受渡部36は、紙幣受皿の下に、その紙幣受皿から落下した異物を受け取り第2異物シュータ45の一端まで搬送して、当該第2異物シュータ45の異物取込口から搬送通路内に異物を落下させるようにして入れるための搬送ベルトが設けられている。
【0121】
これにより紙幣受渡部36は、入金時、顧客により紙幣投入取出口4AYに誤って異物が投入されると、その異物を紙幣受皿で受けつつも底のスリットに通して落下させた後、搬送ベルト及び第2異物シュータ45を順次介して異物返却部19へ搬送している。
【0122】
これに加えて硬貨処理ユニット16では、例えば、第1異物シュータ32の一端部(すなわち、硬貨分離部24との接続部分となる一端部)に、搬送通路内を異物が通ったか否かを検出するための所定のセンサ(以下、これを第1異物センサとも呼ぶ)が設けられている。
【0123】
よって制御ユニット20は、入金時、顧客により硬貨投入取出口4AXに誤って異物が投入された場合、第1異物センサを介して、硬貨投入取出口4AXに誤って異物が投入されたことを検出し得ると共に、その異物が第1異物シュータ32を介して異物返却部19へ搬送されることを検出することができる。
【0124】
また紙幣処理ユニット18についても、例えば、第2異物シュータ45の一端部(すなわち、紙幣受渡部36との接続部分となる一端部)に、搬送通路内を異物が通ったか否かを検出するための所定のセンサ(以下、これを第2異物センサとも呼ぶ)が設けられている。
【0125】
よって制御ユニット20は、入金時、顧客により紙幣投入取出口4AYに誤って異物が投入された場合も、第2異物センサを介して、紙幣投入取出口4AYに誤って異物が投入されたことを検出し得ると共に、その異物が第2異物シュータ45を介して異物返却部19へ搬送されることを検出することができる。
【0126】
そして制御ユニット20は、顧客により硬貨投入取出口4AXや紙幣投入取出口4AYに誤って異物が投入された場合、第1異物センサや第2異物センサを介して、その異物を検出すると、顧客に返却口2AXから異物を取り出すように促す。
【0127】
これにより制御ユニット20は、顧客により硬貨投入取出口4AXや紙幣投入取出口4AYに誤って異物が投入されても、顧客に、返却口2AXを介して、その異物を返却することができる。
【0128】
(1−3)異物返却部の構成
次いで、硬貨投入取出口4AXや紙幣投入取出口4AYに誤って投入された異物を顧客に返却するための異物返却部19の構成について説明する。
【0129】
図4及び図5に示すように、異物返却部19は、前パネル2の前面2Aの下端部の左寄りに設けられた、返却口2AX形成用の凹部2AYを有している。
【0130】
凹部2AYは、前パネル2の前面2A側では預払機上下方向に沿って谷形に凹むものの、当該前パネル2の後面2B側では預払機上下方向に沿って山形に突出するように形成されている。
【0131】
すなわち、凹部2AYは、前パネル2の前面2A側では、その深さが上縁から中央部にかけて徐々に深くなり、最も深い中央部から下縁へかけて徐々に浅くなるように形成されている。
【0132】
よって凹部2AYは、その表面(すなわち、前パネル2の前面2A側の面)の一部である凹面2AZが、中央部を境にして上端部が前斜め下側を向くように傾斜し、下端部が前斜め上側を向くように傾斜する略弓形状又は略く字状のような谷形に形成されている。
【0133】
因みに、以下の説明では、凹部2AYの凹面2AZにおいて中央部を境にして前斜め下側を向くように傾斜している上端部を、前斜め下向傾斜箇所とも呼び、前斜め上側を向くように傾斜している下端部を、前斜め上向傾斜箇所とも呼ぶ。
【0134】
また凹部2AYは、前パネル2の後面2B側では、当該後面2Bからの高さが上縁から中央部にかけて徐々に高くなり、最も高い中央部から下縁へかけて徐々に低くなるように形成されている。
【0135】
よって凹部2AYは、その裏面(すなわち、前パネル2の後面2B側の面)の一部である凸面2AMが、凹面2AZの形状に対応させるようにして、中央部を境にして上端部が後斜め上側を向くように傾斜し、下端部が後斜め下側を向くように傾斜する略弓形状又は略く字状のような山形に形成されている。
【0136】
因みに、以下の説明では、凹部2AYの凸面2AMにおいて中央部を境にして後斜め上側を向くように傾斜している上端部を、後斜め上向傾斜箇所とも呼び、後斜め下側を向くように傾斜している下端部を、後斜め下向傾斜箇所とも呼ぶ。
【0137】
そして凹部2AYは、凹面2AZの前斜め上向傾斜箇所(すなわち、下端部)に、略四角形状の貫通孔でなる上述の返却口2AXが形成されている。
【0138】
これにより異物返却部19は、現金自動預払機1の前パネル2の前面2Aと対峙する顧客が視線を斜め下側へ向けた場合、視覚的に返却口2AXの大きさが実際の大きさよりも小さくなることを防止している。
【0139】
すなわち、異物返却部19は、現金自動預払機1の前パネル2の前面2Aと対峙する顧客が視線を斜め下側へ向けた場合、返却口2AXをほぼ実際の大きさのまま見せることができ、返却口2AXの視認性を向上させることができる。
【0140】
また異物返却部19は、硬貨処理ユニット16や紙幣処理ユニット18から搬送される異物を受け取るための略バケット状の受皿(以下、これを異物受皿とも呼ぶ)50を有している。
【0141】
図6に示すように、異物受皿50はその横幅(すなわち、左側板50Aの左面から右側板50Bの右面までの長さ)が例えば、凹部2AYの横幅(すなわち、左縁から右縁までの長さ)とほぼ等しく選定されている。
【0142】
また異物受皿50は、左側板50A及び右側板50Bの前上端部が、それぞれ凹部2AYの凸面2AMの後斜め下向傾斜箇所の形状に対応させて斜めに切り欠かれている。
【0143】
さらに異物受皿50は、底板50Cが下側に凹む略円弧状に形成されると共に、後板50Dの上端部の中央付近に略コ字状の切欠部50DXが形成されている。
【0144】
そして異物受皿50(図5)は、凹部2AYの凸面2AMに、底板50Cの前端を後斜め下向傾斜箇所の下縁部分に接触させ、かつ左側板50A及び右側板50Bの斜めな前端を当該後斜め下向傾斜箇所の左縁部分及び右縁部分に接触させるようにして設けられている。
【0145】
すなわち、異物返却部19において異物受皿50は、返却口2AXの奥になる凸面2AMの後斜め下向傾斜箇所に、円弧状の底板50Cを当該返却口2AXの下縁の後斜め下に位置させるようにして設けられている。
【0146】
そのうえで、異物受皿50は、後板50Dの切欠部50DXに例えば、第1異物シュータ32及び第2異物シュータ45の他端部が、左右に並べられ、かつ当該後板50Dの前側(すなわち、異物受皿50内)に僅かに突出させて嵌合されている。
【0147】
これにより図7に示すように、異物返却部19は、硬貨処理ユニット16や紙幣処理ユニット18から異物51が第1異物シュータ32や第2異物シュータ45によって搬送されて異物排出口から排出された際、その異物51を異物受皿50で受け取って円弧状の底に載せておくことができる。
【0148】
また異物返却部19(図5)は、返却口2AXを閉塞し、また開放するための例えば、光透過性の樹脂材によって透明に形成された略コ字状の扉52も有している。
【0149】
図8に示すように、扉52は、表面が返却口2AXの形状及び大きさとほぼ等しい略四角板状の本体部52Aを有している。
【0150】
因みに、以下の説明では、扉52において本体部52Aの表面52AXを、扉表面52AXとも呼び、当該本体部52Aの裏面52AYを、扉裏面52AYとも呼ぶ。
【0151】
そして本体部52Aは、その下端の扉裏面52AY側に、左端から右端に亘って略短冊状の突当部52Bが突設されている。
【0152】
因みに、以下の説明では、扉52において本体部52Aの扉表面52AXよりも一段低い突当部52Bの一面52BXを、突当面52BXとも呼ぶ。
【0153】
また本体部52Aは、扉裏面52AYの左上端部及び右上端部に、それぞれ略U字板状の左突起部52C及び右突起部52Dが設けられている。
【0154】
さらに扉52は、例えば、左突起部52Cの上前隅部分、及び右突起部52Dの上前隅部分の所定の対向位置に図示しない一対の軸取付孔部が穿設されている。
【0155】
そして扉52は、一対の軸取付孔部に扉回動軸53が、その長手方向を預払機左右方向と平行にして順に挿入されている。
【0156】
これにより扉52は、扉回動軸53が、その一端部を左突起部52Cの左面から突出させ、かつ他端部を右突起部52Dの右面から突出させた状態で取り付けられて(すなわち、固定されて)いる。
【0157】
また異物受皿50(図5)は、左側板50Aの右面の上前隅部分、及び右側板50Bの左面の上前隅部分の所定の対向位置に、図示しない左軸挿入孔部及び右軸挿入孔部が穿設されている。
【0158】
よって扉52は、扉表面52AXを前側に向け、かつ扉裏面52AYを後側に向けた姿勢で、異物受皿50の左軸挿入孔部に扉回動軸53の一端部が右側から挿入されると共に、当該異物受皿50の右軸挿入孔部に扉回動軸53の他端部が左側から挿入されている。
【0159】
これにより異物返却部19は、異物受皿50により扉52を、預払機左右方向と平行な扉回動軸53を中心にして、図中に矢印d1で示す一回転方向及びこれとは逆の他回転方向へ回動可能に支持している。
【0160】
因みに、扉52の回転方向である一回転方向は、返却口2AXに対し当該扉52を閉じるための回転方向であり、扉52の回転方向である他回転方向は、返却口2AXに対し当該扉52を開くための回転方向である。
【0161】
よって、以下の説明では、扉52の回転方向である一回転方向を、閉方向とも呼び、当該扉52の回転方向である他回転方向を、開方向とも呼ぶ。
【0162】
ところで、扉52は、その重心が、当該扉52を閉方向へ回転させて返却口2AXに対し閉じるように作用するような位置となるように、本体部52Aの扉裏面52AYに設けられた左突起部52C及び右突起部52Dの形状や大きさ等が適宜選定されている。
【0163】
すなわち、扉52は、その重心が例えば、扉表面52AXを斜め上側に向けた姿勢で本体部52Aと左突起部52C及び右突起部52Dとをつりあわせるような位置に選定されている。
【0164】
よって異物返却部19は、扉52を、その重心により、扉回動軸53を中心にして閉方向へ回転させて返却口2AXに対し閉じるように付勢している。
【0165】
従って異物返却部19は、扉52に何ら外力が加えられない(すなわち、顧客の手が扉表面52AXに触れていない)状態では、その扉52を閉方向へ回転させて突当面52BXを、凹部2AYの凸面2AMにおいて返却口2AXの下縁部分に突き当てる。
【0166】
これにより異物返却部19は、凹部2AYの凹面2AZにおいて前斜め上向傾斜箇所に返却口2AXが形成されているものの、扉52の本体部52Aを、扉表面52AXを前斜め上側へ向けるように傾斜させて返却口2AXに嵌合させ、かくして返却口2AXに対し扉52を閉じることができる。
【0167】
そして異物返却部19(図7)は、返却口2AXに対し扉52を閉じていると、第1異物シュータ32や第2異物シュータ45によって搬送された異物51が異物排出口から排出された際、その異物51が返却口2AXを通って外部に飛び出すことを防止することができる。
【0168】
すなわち、異物返却部19は、返却口2AXに対し扉52を閉じている状態では、第1異物シュータ32や第2異物シュータ45によって搬送された異物51を異物受皿50で的確に受け取って保持しておくことができる。
【0169】
また図9に示すように、異物返却部19は、扉52を閉じた状態で、顧客により手で扉表面52AXが返却口2AXの奥側に押されると、これに応じて扉52を、扉回動軸53を中心にして開方向へ回転させる。
【0170】
これにより異物返却部19は、扉52の本体部52Aを、返却口2AXから引き抜いて、当該返却口2AXの奥で扉表面52AXを前斜め下側へ向けるように傾斜させ、かくして返却口2AXに対し扉52を開くことができる。
【0171】
このようにして異物返却部19は、顧客により扉52が開かれると、その顧客に扉52を開くために扉表面52AXを押すようにして返却口2AXの中に入れさせた手で、異物受皿50内の異物51を返却口2AXから取り出させることができる。
【0172】
そして異物返却部19は、顧客の手が返却口2AXから引き抜かれると、扉52を重心により閉方向へ回転させて突当面52BXを、凹部2AYの凸面2AMにおいて返却口2AXの下縁部分に突き当てる。
【0173】
これにより異物返却部19は、扉52の本体部52Aを、扉表面52AXを前斜め上側へ向けるように傾斜させて返却口2AXに嵌合させるようにして、返却口2AXに対し扉52を再び閉じることができる。
【0174】
このようにして異物返却部19は、扉52以外に、その扉52を閉方向へ回転させるように付勢するためのばねやばね係止部のような特別な部品を何ら設けることなく、簡易な構成で扉52を自在に開閉することができる。
【0175】
これに加えて異物返却部19(図5)は、凹部2AYの凸面2AMにおいて後斜め上向傾斜箇所の中央部寄りに例えば、略へ字状の基板取付部55が、その一端部を異物受皿50の上側に位置させて設けられている。
【0176】
そして異物返却部19は、基板取付部55の一端部の下面に、例えば、LED(Light Emitting Diode)のような1個の発光素子56が実装された回路基板57が、その発光素子56の発光面を異物受皿50の底面に向けて取り付けられている。
【0177】
これにより異物返却部19は、顧客に異物51を取り出させる際、制御ユニット20の制御のもと、発光素子56の発光面から例えば、青色や白色等の所定の色の照明光を連続的に発射させて(すなわち、発光面を連続的に発光させて)異物受皿50内を照明することができる。
【0178】
また異物返却部19では、上述したように扉52が光透過性の樹脂材によって透明に形成されている。
【0179】
よって異物返却部19は、発光素子56が照明光を発射した場合、その照明光を直接及び異物受皿50の内面で反射させて扉52の扉裏面52AYに照射するようにして、その扉52を透過させる。
【0180】
これにより異物返却部19は、照明している異物受皿50内を外部から扉52の本体部52Aを通して見せることができる。
【0181】
そして異物返却部19は、このように異物受皿50内を照明している状態で、現金自動預払機1の前パネル2の前面2Aと対峙する顧客が視線を斜め下側へ向けた場合は、返却口2AX内が明るいため、当該返却口2AXの視認性をさらに向上させることができる。
【0182】
また異物返却部19は、このように異物受皿50内を照明しているため、実際に顧客により返却口2AXを介して異物受皿50内の異物51が取り出される際、異物51の種類や量、取忘の有無を容易に確認させることができる。
【0183】
特に異物返却部19は、異物受皿50内を照明している間は、外部から扉52の本体部52Aを通して当該異物受皿50内が見えるため、顧客が異物51を取り出したつもりで、扉52を閉じた後でも、異物51の取忘がないか確認させることができる。
【0184】
なお、この実施の形態の場合、図10に示すように、異物返却部19の返却口2AXは、その横幅L1(すなわち、左縁から右縁までの長さ)が例えば、大人の手の横幅(すなわち、指を揃えた場合の横幅以上の所定長さに選定されている。
【0185】
また返却口2AXは、その縦幅L2(すなわち、上縁から下縁までの長さ)が例えば、大人の手の厚み以上の所定長さに選定されている。
【0186】
すなわち、異物返却部19の返却口2AXは、その全体の大きさが、大人の手が入る程度の所定の大きさに選定されている。
【0187】
これにより異物返却部19は、返却口2AXに顧客の手を差し込み易くすることができると共に、その返却口2AXを介して異物受皿50内から異物51を取り出し易くしている。
【0188】
これに加えて異物返却部19の凹部2AYは、前パネル2の前面2A側の横幅L3(すなわち、左縁から右縁までの長さ)が例えば、返却口2AXの横幅L1よりも長い所定長さに選定されている。
【0189】
また凹部2AYは、前パネル2の前面2A側の縦幅L4(すなわち、上縁から下縁までの長さ)が例えば、返却口2AXの縦幅L2の2倍の長さよりも長い所定長さに選定されている。
【0190】
そして凹部2AYは、上述のように前パネル2の前面2A側が、上縁から中央部にかけて徐々に深くなるように形成されている。
【0191】
よって異物返却部19は、現金自動預払機1の前パネル2の前面2Aと対峙する顧客が視線を斜め下側へ向けたときに返却口2AXを見え易くしている。
【0192】
また異物返却部19は、顧客の手が異物51の取り出しのために斜め上側から返却口2AXに近づけられた際、凹部2AYの凹面2AZの前斜め下向傾斜箇所に沿わせるようにして返却口2AXまで導くことができる。
【0193】
これにより異物返却部19は、返却口2AXに顧客の手を一段と差し込み易くすることができる。
【0194】
ここで、制御ユニット20は、入金時、硬貨口用シャッタ6及び紙幣口用シャッタ7を開いて顧客に入金用の硬貨及び紙幣の投入を促した後、上述したように硬貨口用シャッタ6及び紙幣口用シャッタ7を閉じると、硬貨処理ユニット16や紙幣処理ユニット18を硬貨や紙幣を入金処理するように制御する。
【0195】
また制御ユニット20は、このように硬貨口用シャッタ6及び紙幣口用シャッタ7を閉じると、その時点に、タッチスクリーン5に対し取引手順案内画像データに基づき例えば、図11に示すような顧客に現金自動預払機1の前で待機するように促すための取引手順案内画像(以下、これを待機案内画像とも呼ぶ)60を表示する。
【0196】
待機案内画像60は、上端部に、顧客に現金自動預払機1の前で待機するように案内するための例えば、「ただいま処理しています しばらくお待ちください」というような案内文61が配置されている。
【0197】
これにより制御ユニット20は、硬貨処理ユニット16や紙幣処理ユニット18により硬貨や紙幣を入金処理している間、タッチスクリーン5に待機案内画像60を表示し続けて顧客に現金自動預払機1の前で待機するように促す。
【0198】
ただし、制御ユニット20は、タッチスクリーン5に対する待機案内画像60の表示を開始した後、第1異物センサや第2異物センサを介して異物51を検出すると、その時点に異物返却部19において回路基板57を介して発光素子56を制御して、当該発光素子56に照明光を連続的に発射させ始める。
【0199】
これにより制御ユニット20は、異物返却部19において異物受皿50内を照明すると共に、その照明している異物受皿50内を、外部から返却口2AXに対し閉じた状態の扉52の本体部52Aを介して見えるようにする。
【0200】
また制御ユニット20は、第1異物センサや第2異物センサを介して異物51を検出すると、タッチスクリーン5に対し待機案内画像60に重ねて、取引手順案内画像データに基づき例えば、図12に示すような顧客に異物51の取り出しを促すための取引手順案内画像(以下、これを取出案内画像とも呼ぶ)62を表示する。
【0201】
取出案内画像62は、中央部に、顧客に異物51の取り出しを案内するための例えば、「足元の硬貨をお取りください」というような案内文63が配置されている。
【0202】
また取出案内画像62は、例えば、右隅部に、顧客に、案内文63による案内事項を確認した場合にタッチ操作させるための確認アイコン64が設けられている。
【0203】
これにより制御ユニット20は、顧客に取出案内画像62を介して、硬貨投入取出口4AXや紙幣投入取出口4AYに誤って投入されていた異物51を足元の返却口2AXから取り出すように促すことができる。
【0204】
そして制御ユニット20は、顧客が取出案内画像62による案内に応じて、視線を、足元を見るように下げて前パネル2の前面2Aの下側に向けると、当該前パネル2の凹部2AYにおいて前斜め上向傾斜箇所に返却口2AXが形成されていることにより、その返却口2AXを的確に視認させることができる。
【0205】
また制御ユニット20は、この際、返却口2AXの奥となる異物受皿50内を照明し、その照明している異物受皿50内を、扉52を介して見えるようにしている。
【0206】
言い換えると、制御ユニット20は、この際、返却口2AX内を明るくしているため、前パネル2の前面2A内で返却口2AXを一段と視認させ易くしている。
【0207】
このようにして制御ユニット20は、顧客に前パネル2の前面2A内で返却口2AXの位置を的確に認識させたうえで、当該返却口2AXを介して異物受皿50内から異物51を取り出させることができる。
【0208】
ところで、制御ユニット20は、顧客によりタッチスクリーン5を介して取出案内画像62の確認アイコン64がタッチ操作されると、その取出案内画像62の表示を停止して(すなわち、消して)、当該タッチスクリーン5に待機案内画像60のみを表示する。
【0209】
ただし、制御ユニット20は、タッチスクリーン5に取出案内画像62を表示した場合、顧客に返却口2AXから異物51を取り出す前と後の何れのタイミングでも確認アイコン64をタッチ操作させ得るようにしている。
【0210】
このため、制御ユニット20は、顧客によりタッチスクリーン5を介して取出案内画像62の確認アイコン64がタッチ操作されると、その時点から予め選定された所定の照明停止時間に達するまでの間は、異物返却部19において異物受皿50内の照明を継続している。
【0211】
因みに、照明停止時間は、顧客により取出案内画像62内の確認アイコン64がタッチ操作された後、返却口2AXから異物51が取り出される場合を考慮して、そのタッチ操作時点から異物51の取出完了時点までに要すると想定される時間をもとに選定されている。
【0212】
これにより制御ユニット20は、顧客により取出案内画像62の確認アイコン64がタッチ操作された後、返却口2AXから異物51が取り出される場合でも、異物返却部19の異物受皿50内を照明して、顧客に前パネル2の前面2A内で返却口2AXを視認させ易くすると共に、異物51の取忘等も確認させ易くすることができる。
【0213】
(1−4)異物取出処理手順
次いで、図13に示すフローチャートを用いて、制御ユニット20が、硬貨投入取出口4AXや紙幣投入取出口4AYに誤って投入された異物51を顧客に返却口2AXから取り出させるための異物取出処理手順RT1について説明する。
【0214】
制御ユニット20は、入金時、例えば、硬貨口用シャッタ6及び紙幣口用シャッタ7を開き顧客に入金用の硬貨及び紙幣の投入を促した後、硬貨口用シャッタ6及び紙幣口用シャッタ7を閉じると、内部のメモリに予め記憶している異物取出処理プログラムに従って、図13に示す異物取出処理手順RT1を開始する。
【0215】
制御ユニット20は、係る異物取出処理手順RT1を開始すると、ステップSP1において、この際、硬貨投入取出口4AX及び紙幣投入取出口4AYに異物51が投入されたか否かを判別する。
【0216】
このステップSP1において否定結果が得られると、このことは硬貨投入取出口4AX及び紙幣投入取出口4AYの少なくとも一方に異物51が投入されたものの、まだ、その異物51を第1異物シュータ32や第2異物シュータ45へ引き渡すように処理している途中であり、第1異物センサや第2異物センサを介して検出してはいないことを表している。
【0217】
また、係る否定結果は、硬貨投入取出口4AX及び紙幣投入取出口4AYの何れにも異物51が投入されていない可能性があることも表している。ステップSP1において制御ユニット20は、係る否定結果を得ると、次のステップSP2に移る。
【0218】
ところで、制御ユニット20は、例えば、異物取出処理手順RT1を開始した場合、その処理開始時点に、内部のタイマにより処理経過時間の計時を開始している。
【0219】
よってステップSP2において制御ユニット20は、例えば、処理経過時間が、硬貨投入取出口4AX及び紙幣投入取出口4AYの何れにも異物51が投入されていないと判断するために予め選定された異物未投入判断時間に達したか否かを判別する。
【0220】
このステップSP2において否定結果が得られると、このことは処理経過時間が異物未投入判断時間に達してはいないため、硬貨投入取出口4AX及び紙幣投入取出口4AYの少なくとも一方に投入された異物51を、まだ第1異物センサや第2異物センサを介して検出する可能性があることを表している。ステップSP2において制御ユニット20は、係る否定結果を得ると、ステップSP1に戻る。
【0221】
これにより制御ユニット20は、この後、ステップSP1及びステップSP2の何れかにおいて肯定結果を得るまでの間、当該ステップSP1及びステップSP2の処理を循環的に繰り返し実行する。
【0222】
このようにして制御ユニット20は、硬貨投入取出口4AXや紙幣投入取出口4AYに投入された異物51を検出すること、また処理経過時間が異物未投入判断時間に達することを待ち受ける。
【0223】
そしてステップSP1において肯定結果が得られると、このことは硬貨投入取出口4AX及び紙幣投入取出口4AYの少なくとも一方に投入された異物51が第1異物センサや第2異物センサを介して検出され、第1異物シュータ32や第2異物シュータ45を介して異物返却部19へ搬送されたことを表している。ステップSP1において制御ユニット20は、係る肯定結果を得ると、ステップSP3に移る。
【0224】
ステップSP3において制御ユニット20は、異物返却部19において発光素子56に照明光を発射させることにより、異物受皿50内を照明し始めて外部から扉52を介して見えるようにして、次のステップSP4に移る。
【0225】
またステップSP4において制御ユニット20は、タッチスクリーン5に対し待機案内画像60に重ねて取出案内画像62を表示する。
【0226】
これにより制御ユニット20は、顧客に、その取出案内画像62を介して、硬貨投入取出口4AXや紙幣投入取出口4AYに誤って投入していた異物51を返却口2AXから取り出すように促して、次のステップSP5に移る。
【0227】
ステップSP5において制御ユニット20は、顧客によりタッチスクリーン5を介して取出案内画像62内の確認アイコン64がタッチ操作されることを待ち受ける。
【0228】
そしてステップSP5において制御ユニット20は、顧客によりタッチスクリーン5を介して取出案内画像62内の確認アイコン64がタッチ操作されたことを検出すると、その時点に内部のタイマにより、タッチ操作が行われてからの操作経過時間の計時を開始して、次のステップSP6に移る。
【0229】
ステップSP6において制御ユニット20は、タッチスクリーン5に対する取出案内画像62の表示を停止して、次のステップSP7に移る。
【0230】
ステップSP7において制御ユニット20は、操作経過時間が照明停止時間に達することを待ち受ける。
【0231】
そしてステップSP7において制御ユニット20は、操作経過時間が照明停止時間に達したことを検出すると、次のステップSP8に移る。
【0232】
ステップSP8において制御ユニット20は、異物返却部19において発光素子56に照明光の発射を停止させて異物受皿50内の照明を停止(すなわち、消灯)した後、次のステップSP9に移って、係る異物取出処理手順RT1を終了する。
【0233】
ところで、上述のステップSP2において肯定結果が得られると、このことは第1異物センサや第2異物センサを介して異物51を検出しないまま、処理経過時間が異物未投入判断時間に達したため、今回の入金では硬貨投入取出口4AX及び紙幣投入取出口4AYの何れにも異物51が投入されていないことを表している。
【0234】
ステップSP2において制御ユニット20は、係る肯定結果を得ると、ステップSP9に移って異物取出処理手順RT1を終了する。
【0235】
(1−5)実施の形態の動作及び効果
以上の構成において、現金自動預払機1では、現金の取引を行うために訪れた顧客が対峙する前パネル2の前面2Aにおいて、その顧客が視線を斜め下側へ向けたときの当該視線の先となる所定位置に、預払機上下方向に沿って谷形に凹む凹部2AYを設けるようにした。
【0236】
また現金自動預払機1では、凹部2AYの凸面2AMにおいて中央部よりも下側の後斜め下向傾斜箇所に、硬貨投入取出口4AX及び紙幣投入取出口4AYに投入された異物51を受け取る異物受皿50を設けるようにした。
【0237】
そして現金自動預払機1では、凹部2AYの凹面2AZにおいて中央部よりも下側の前斜め上向傾斜箇所に、凸面2AM側の異物受皿50から異物51を取り出させるための返却口2AXを形成するようにした。
【0238】
従って現金自動預払機1は、前パネル2の前面2Aと対峙する顧客が視線を斜め下側へ向けた場合、視覚的に返却口2AXの大きさが実際の大きさよりも小さくなること防止して、当該返却口2AXをほぼ実際の大きさのまま見せることができる。
【0239】
以上の構成によれば、現金自動預払機1は、顧客が対峙する前パネル2の前面2Aにおいて、その顧客が視線を斜め下側へ向けたときの当該視線の先となる所定位置に、凹部2AYを設け、当該凹部2AYにおいて裏側の凸面2AMの後斜め下向傾斜箇所に、硬貨投入取出口4AX及び紙幣投入取出口4AYに投入された異物51を受け取る異物受皿50を設けると共に、表側の凹面2AZの前斜め上向傾斜箇所に、異物受皿50から異物51を取り出させるための返却口2AXを形成するようにした。
【0240】
これにより現金自動預払機1は、前パネル2の前面2Aと対峙する顧客が視線を斜め下側へ向けた場合、視覚的に返却口2AXの大きさが実際の大きさよりも小さくなること防止して、当該返却口2AXをほぼ実際の大きさのまま見せることができる。
【0241】
よって現金自動預払機1は、顧客に、異物51を取り出すための返却口2AXを的確に認識させることができる。その結果、現金自動預払機1は、顧客による異物51の取忘を防止することができる。
【0242】
また現金自動預払機1は、異物受皿50に、返却口2AXを閉塞し、また開放するための扉52を回動可能に設け、当該扉52を閉方向へ回転するように付勢するようにした。
【0243】
従って現金自動預払機1は、扉52に顧客の手が触れる等して開方向へ回転させるような外力が加えられるまでは、凹部2AYの凹面2AZの前斜め上向傾斜箇所に形成された返却口2AXに対し扉52を閉じておくことができる。
【0244】
すなわち、現金自動預払機1は、硬貨投入取出口4AX及び紙幣投入取出口4AYに投入された異物51が第1異物シュータ32及び第2異物シュータ45によって異物受皿50へ搬送される際、返却口2AXに対し扉52を閉じておくことができる。
【0245】
よって現金自動預払機1は、第1異物シュータ32及び第2異物シュータ45によって搬送された異物51が異物排出口から異物受皿50へ排出される際、その異物51が返却口2AXを通って外部に飛び出すことを扉52で阻止して、当該異物受皿50で異物51を的確に受け取ることができる。
【0246】
さらに現金自動預払機1は、扉52の本体部52Aの扉裏面52AYに左突起部52C及び右突起部52Dを設け、当該扉52の重心を、扉52を閉方向へ回転させて返却口2AXに対し閉じるように作用するような(すなわち、閉じるように付勢可能な)位置にした。
【0247】
従って現金自動預払機1は、扉52以外に、その扉52を閉方向へ回転させるように付勢するための特別な部品を何ら設けることなく、扉52を、その重心により閉方向へ回転させるように付勢して返却口2AXに対し閉じることができる。
【0248】
すなわち、現金自動預払機1は、顧客の手によって扉52の扉表面52AXが押されると、返却口2AXに対して扉52を開くことができるものの、その手が返却口2AXから引き抜かれて扉表面52AXから離されると、再び返却口2AXに対し扉52を閉じることができる。よって現金自動預払機1は、簡易な構成で扉52を自在に開閉することができる。
【0249】
さらに現金自動預払機1は、凹部2AYの裏側の凸面2AMに、異物受皿50内を照明するための発光素子56が実装された回路基板57を設けるようにし、異物51の取出時、発光素子56を発光させて異物受皿50内を照明するようにした。
【0250】
従って現金自動預払機1は、顧客に扉52を開かせて異物受皿50内の異物51を取り出させる際、当該異物受皿50内を異物51と共に見え易くすることができ、取り出すべき異物51の種類や量、また取忘の有無を容易に確認させることができる。
【0251】
そして現金自動預払機1は、扉52を光透過性の樹脂材によって透明に形成するようにした。従って現金自動預払機1は、前パネル2の前面2Aと対峙する顧客が異物51の取り出しのために視線を斜め下側へ向けた場合は、異物受皿50内から扉52を介して外部に漏れる照明光により返却口2AXを明るくして見せることができる。
【0252】
よって現金自動預払機1は、顧客に、異物51を取り出すための返却口2AXを一段と的確に認識させることができる。
【0253】
また現金自動預払機1は、異物51の取出時に異物受皿50内を照明した場合、外部からも扉52を介して、その照明している異物受皿50内を見せることができる。
【0254】
よって現金自動預払機1は、異物51の取出時には、顧客が扉52を開く前でも、その顧客に外部から取り出すべき異物51の種類や量を容易に確認させることができる。
【0255】
また現金自動預払機1は、異物51の取出時には、顧客が異物51を取り出して扉52を閉じた後でも、その顧客に外部から異物51の取忘の有無を容易に確認させることができる。
【0256】
これに加えて現金自動預払機1は、異物51の取出時、タッチスクリーン5に取出案内画像62を表示して、前パネル2の前面2Aと対峙している顧客に、硬貨投入取出口4AXや紙幣投入取出口4AYに誤って投入されていた異物51を、足元の返却口2AXから取り出すように促すようにした。
【0257】
従って現金自動預払機1は、異物51の取出時、前パネル2の前面2Aと対峙している顧客に視線を斜め下側へ向けさせることができると共に、その視線の先の返却口2AXが凹部2AYの前斜め上向傾斜箇所に形成されていることにより、その前面2A内での返却口2AXの位置を容易に確認させることができる。
【0258】
そして現金自動預払機1は、上述のように異物51の取出時には異物受皿50内を照明している照明光が扉52から漏れていることにより、顧客に前パネル2の前面2A内での返却口2AXの位置を一段と容易に確認させることができる。
【0259】
(2)他の実施の形態
(2−1)他の実施の形態1
なお上述した実施の形態においては、現金自動預払機1において前パネル2の前面2Aに凹部2AYを設け、その凹部2AYの凹面2AZの前斜め上向傾斜箇所に返却口2AXを形成するようにした場合について述べた。
【0260】
しかしながら本発明は、これに限らず、図1との対応部分に同一符号を付した図14に示すように、現金自動預払機70において預払機筐体3の前端に例えば、立っている大人の腰の高さくらいの所定の高さを有する前パネル71を、そのほぼ垂直な表面を現金自動預払機70の前面71Aとして前側に向けて設ける。
【0261】
そして本発明は、前パネル71の前面71Aの下端部の左寄りに返却口71AX形成用の凸部71AYを設け、当該凸部71AYの表面において前斜め上側を向くように傾斜する傾斜箇所に略四角形状の返却口71AXを形成するようにしても良い。
【0262】
この場合、図4との対応部分に同一符号を付した図15に示すように、本発明は、例えば、凸部71AYを、預払機上下方向に沿って山形に突出するように形成する。
【0263】
すなわち、本発明は、凸部71AYを、前パネル71の前面71Aからの高さが上縁から中央部にかけて徐々に高くなり、最も高い中央部から下縁へかけて徐々に低くなるように形成する。
【0264】
これにより本発明は、凸部71AYの表面の一部である凸面71AZを、中央部を境にして上端部が前斜め上側を向くように傾斜し、下端部が前斜め下側を向くように傾斜する略弓形状又は略く字状のような山形に形成する。
【0265】
そして本発明は、凸部71AYの凸面71AZにおいて前斜め上側を向くように傾斜する傾斜箇所(すなわち、上端部)に、略四角形状の貫通孔でなる上述の返却口71AXを形成する。
【0266】
本発明は、係る構成によっても、上述した実施の形態と同様に、前パネル71の前面71Aと対峙する顧客が視線を斜め下側へ向けた場合、視覚的に返却口71AXの大きさが実際の大きさよりも小さくなること防止して当該返却口71AXをほぼ実際の大きさのまま見せることができ、顧客に、異物51を取り出すための返却口71AXを的確に認識させることができる。
【0267】
これに加えて本発明は、係る凸部71AYを、前パネル71の後面側では預払機上下方向に沿って谷形に凹むように形成する。
【0268】
すなわち、本発明は、凸部71AYを、前パネル71の後面側では、その深さが上縁から中央部にかけて徐々に深くなり、最も深い中央部から下縁へかけて徐々に浅くなるように形成する。
【0269】
これにより本発明は、凸部71AYの裏面(すなわち、前パネル71の後面側の面)の一部である凹面を、凸面71AZの形状に対応させるようにして、中央部を境にして上端部が後斜め下側を向くように傾斜し、下端部が後斜め上側を向くように傾斜する略弓形状又は略く字状のような谷形に形成する。
【0270】
そして本発明は、上述した実施の形態と同様に、その凸部71AYをもとに異物返却部72を形成するようにして、当該凸部71AYの裏側の凹面に異物受皿(図示せず)や扉73、発光素子の実装された回路基板(図示せず)を設けるようにしても良い。
【0271】
そして本発明は、係る構成によれば、上述した実施の形態によって得られる効果と同様の効果を得ることができる。
【0272】
(2−2)他の実施の形態2
また上述した実施の形態においては、前パネル2の前面2Aに、その前面2A側では預払機上下方向に沿って谷形に凹むものの、後面2B側では山形に突出する凹部2AYを設け、当該凹部2AYの表側の凹面2AZにおいて前斜め上向傾斜箇所に返却口2AXを形成するようにした場合について述べた。
【0273】
しかしながら本発明は、これに限らず、所定の厚みを有する前パネルの前面に、その厚み内で預払機上下方向に沿って谷形に凹む(すなわち、前パネルの後面は平坦にしたままで)凹部を設け、当該凹部の凹面において前斜め上向傾斜箇所に返却口を形成するようにしても良い。
【0274】
また本発明は、前パネルの後面は平坦にしたままで、当該前パネルの前面に、預払機上下方向に沿って山形に突出する凸部を設け、当該凸部の凸面において前斜め上側を向くように傾斜する傾斜箇所に返却口を形成するようにしても良い。
【0275】
本発明は、係る構成によっても、上述した実施の形態によって得られる効果と同様の効果を得ることができる。
【0276】
(2−3)他の実施の形態3
さらに上述した実施の形態においては、前パネル2の前面2Aに、大人の手が入る程度の大きさを有する返却口2AXを形成するようにした場合について述べた。
【0277】
しかしながら本発明は、これに限らず、前パネル2の前面2Aに、上述した実施の形態による返却口2AXよりも小さい例えば、大人の手の指が2乃至3本入る程度の所定の大きさを有する返却口を形成するようにしても良い。
【0278】
すなわち、本発明は、顧客に返却口から異物51を取り出させることができれば、前パネル2の前面2Aにおいて前斜め上側を向くように傾斜する傾斜箇所に、この他種々の大きさ及び形状の返却口を形成するようにしても良い。
【0279】
本発明は、係る構成によっても、上述した実施の形態によって得られる効果と同様の効果を得ることができる。
【0280】
(2−4)他の実施の形態4
さらに上述した実施の形態においては、異物受皿50に扉52を、預払機左右方向と平行な扉回動軸53を中心にして閉方向及び開方向へ回動可能に設けて開閉するようにした場合について述べた。
【0281】
しかしながら本発明は、これに限らず、凹部2AYの凸面2AM(また、他の実施の形態1で上述した凸部71AYの裏側の凹面)に軸受部を設け、その軸受部を介して扉52を、預払機左右方向と平行な扉回動軸53を中心にして閉方向及び開方向へ回動可能に設けて開閉するようにしても良い。
【0282】
また本発明は、前パネル2の後面2B(また、他の実施の形態1で上述した前パネル71の後面)に軸受部を設け、その軸受部を介して扉52を、預払機左右方向と平行な扉回動軸53を中心にして閉方向及び開方向へ回動可能に設けて開閉するようにしても良い。
【0283】
さらに本発明は、返却口2AXを閉塞し、また開放するための扉を例えば、後斜め上方向及びこれとは逆の前斜め下方向や、預払機上方向及び預払機下方向、預払機左方向及び預払機右方向等へ直線的に往復移動可能に設けて開閉するようにしても良い。
【0284】
さらに本発明は、返却口2AXを閉塞し、また開放するための扉を例えば、凹部2AY(また、他の実施の形態1で上述した凸部71AY)の前斜め上向傾斜箇所に垂直な扉回動軸を中心にして、扉表面を当該前斜め上向傾斜箇所と平行にしたまま回動可能に設けて開閉するようにしても良い。
【0285】
本発明は、係る種々の構成によっても、上述した実施の形態によって得られる効果と同様の効果を得ることができる。
【0286】
(2−5)他の実施の形態5
さらに上述した実施の形態においては、異物返却部19において扉52を、その重心により閉方向へ回転させるように付勢するようにした場合について述べた。
【0287】
しかしながら本発明は、これに限らず、異物返却部19に、扉52を閉方向へ回転させるように付勢するためのトーションぱねや、そのトーションばねを係止するばね係止部等の付勢部品を設け、その付勢部品を介して扉52を閉方向へ回転させるように付勢するようにしても良い。
【0288】
(2−6)他の実施の形態6
さらに上述した実施の形態においては、異物返却部19において扉52を、光透過性の樹脂材により透明に形成するようにした場合について述べた。
【0289】
しかしながら本発明は、これに限らず、異物返却部19において扉52を、光透過性の樹脂材により半透明に形成するようにしても良い。
【0290】
本発明は、係る構成によれば、異物51の取出時に異物返却部19において異物受皿50内を照明した際、扉を、その照明光を透過させるようにして、あたかも発光しているように明るくすることができる。
【0291】
よって本発明は、異物51の取出時に顧客が視線を斜め下側へ向けた際には、このように明るくしている扉と共に返却口2AXの位置を容易にかつ確実に認識させることができる。
【0292】
(2−7)他の実施の形態7
さらに上述した実施の形態においては、異物51の取出時、異物返却部19において発光素子56に照明光を連続的に発射させて(すなわち、発光面を連続的に発光させて)異物受皿50内を連続的に照明するようにした場合について述べた。
【0293】
しかしながら本発明は、これに限らず、異物51の取出時、異物返却部19において発光素子56に照明光を間欠的に発射させて(すなわち、発光面を間欠的に発光させて)異物受皿50内を間欠的に照明するようにしても良い。
【0294】
本発明は、係る構成によれば、異物51の取出時に顧客が視線を斜め下側へ向けた際、返却口2AX内を点滅させて目立たせることができ、当該返却口2AXの位置を容易にかつ確実に認識させることができる。
【0295】
(2−8)他の実施の形態8
さらに上述した実施の形態においては、異物51の取出時、顧客によりタッチスクリーン5を介して取出案内画像62内の確認アイコン64がタッチ操作されると、その操作時点から照明停止時間に達するまでの間、異物返却部19において異物受皿50内を照明するようにした場合について述べた。
【0296】
しかしながら本発明は、これに限らず、例えば、異物受皿50の底付近に、異物51の有無を検出するための所定のセンサを設ける。
【0297】
そして本発明は、そのセンサを介して、異物受皿50で異物51を受け取ったことを検出した時点に当該異物受皿50内の照明を開始し、そのセンサを介して、顧客により異物51が全て取り出されたことを検出した時点に当該異物受皿50内の照明を停止するようにしても良い。
【0298】
すなわち、本発明は、そのセンサを介して、異物受皿50で異物51を受け取ったことを検出した時点から顧客により異物51が全て取り出されたことを検出するまでの間、当該異物受皿50内を照明するようにしても良い。
【0299】
本発明は、係る構成によれば、異物51の取出時に異物受皿50から異物51が取り出された後も当該異物受皿50内を照明することがなく、その照明のための消費電力を抑えることができる。
【0300】
(2−9)他の実施の形態9
さらに上述した実施の形態においては、異物返却部19において異物受皿50に第1異物シュータ32の他端部と第2異物シュータ45の他端部とを接続するようにした場合について述べた。
【0301】
しかしながら本発明は、これに限らず、例えば、第1異物シュータ32の他端部と第2異物シュータ45の他端部とを統合して異物受皿50に接続するようにしても良い。
【0302】
また本発明は、異物返却部19において異物受皿50に異物受取用の1本のシュータをも設け、第1異物シュータ32及び第2異物シュータ45から異物51を当該シュータへ受け渡すようにしても良い。
【0303】
さらに本発明は、例えば、硬貨処理ユニット16及び紙幣処理ユニット18から異物51を、搬送ベルトを介して異物受皿50へ搬送するようにしても良い。
【0304】
本発明は、このような種々の構成によっても、顧客により硬貨投入取出口4AXや紙幣投入取出口4AYに投入された異物51を異物受皿50へ搬送して受け取らせることができる。
【0305】
(2−10)他の実施の形態10
さらに上述した実施の形態においては、入金時に硬貨投入取出口4AX及び紙幣投入取出口4AYに入金用の硬貨及び入金用の紙幣が投入される際、当該硬貨投入取出口4AXや紙幣投入取出口4AYに異物51が投入されると、顧客に、その異物51を返却口2AXから取り出させるようにした場合について述べた。
【0306】
しかしながら本発明は、これに限らず、入金時にリジェクト硬貨やリジェクト紙幣を返却する際や出金時のように、硬貨口用シャッタ6及び紙幣口用シャッタ7を開ける場合には、硬貨投入取出口4AXや紙幣投入取出口4AYに異物が投入される可能性がある。
【0307】
このため本発明は、その入金時にリジェクト硬貨やリジェクト紙幣を返却する際や出金時にも、当該硬貨投入取出口4AXや紙幣投入取出口4AYに異物51が投入された場合は、顧客に、その異物51を返却口2AXから取り出させる(すなわち、制御ユニット20により異物取出処理手順RT1を実行する)ようにしても良い。
【0308】
(2−11)他の実施の形態11
さらに上述した実施の形態においては、制御ユニット20が、内部のメモリに予め記憶している異物取出処理プログラムに従い、図13について上述した異物取出処理手順RT1を実行するようにした場合について述べた。
【0309】
しかしながら本発明は、これに限らず、制御ユニット20が異物取出処理プログラムの記憶されたコンピュータ読取可能な記憶媒体によって当該異物取出処理プログラムをインストールするようにしても良い。
【0310】
そして制御ユニット20が、そのインストールした異物取出処理プログラムに従って異物取出処理手順RT1を実行するようにしても良い。
【0311】
また制御ユニット20は、ローカルエリアネットワークやインターネット、デジタル衛星放送等の有線及び無線通信媒体を利用して外部から異物取出処理プログラムをインストールするようにしても良い。
【0312】
そして異物取出処理プログラムを制御ユニット20にインストールして実行可能な状態にするためのコンピュータ読取可能な記憶媒体としては、例えば、フレキシブルディスクのようなパッケージメディアで実現しても良い。
【0313】
また異物取出処理プログラムを制御ユニット20にインストールして実行可能な状態にするためのコンピュータ読取可能な記憶媒体としては、例えば、CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)のようなパッケージメディアで実現しても良い。
【0314】
さらに異物取出処理プログラムを制御ユニット20にインストールして実行可能な状態にするためのコンピュータ読取可能な記憶媒体としては、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)等のパッケージメディアで実現しても良い。
【0315】
さらに、係るコンピュータ読取可能な記憶媒体としては、パッケージメディアのみならず、各種プログラムが一時的もしくは永続的に記憶される半導体メモリや磁気ディスク等で実現しても良い。
【0316】
また、これらコンピュータ読取可能な記憶媒体に異物取出処理プログラムを記憶する手段としては、ローカルエリアネットワークやインターネット、デジタル衛星放送等の有線及び無線通信媒体を利用するようにしても良い。
【0317】
さらにコンピュータ読取可能な記憶媒体には、ルータやモデム等の各種通信インタフェースを介して異物取出処理プログラムを記憶するようにしても良い。
【0318】
(2−12)他の実施の形態12
さらに上述した実施の形態においては、本発明による取出装置を、図1乃至図15について上述した現金自動預払機1に設けられた異物返却部19、72に適用するようにした場合について述べた。
【0319】
しかしながら本発明は、これに限らず、現金自動支払機(CD:Cash Dispenser)や入金専用機、出金専用機等の現金取扱装置に設けられた異物返却部や、両替機、電車の切符や観劇のチケット等を販売する券売機、精算機、自動販売機、パチンコ台やスロット台のような遊戯機に設けられた異物返却部に適用することができる。
【0320】
また本発明は、取出装置を、異物を取り出させるようにして返却するための返却部のみならず、両替機や券売機、精算機、自動販売機、遊戯機、自動釣銭機に設けられた釣り銭としての硬貨を取り出させるための取出部や、遊戯機に設けられた遊戯用のメダルや遊戯用のカード、景品を取り出させるための取出部等のように、この他種々の構成の取出装置に広く適用することができる。
【0321】
(2−13)他の実施の形態13
さらに上述した実施の形態においては、本発明による現金取扱装置を、図1乃至図15について上述した現金自動預払機1に適用するようにした場合について述べた。
【0322】
しかしながら本発明は、これに限らず、現金自動支払機や入金専用機、出金専用機等のように、この他種々の構成の現金取扱装置に広く適用することができる。
【0323】
(2−14)他の実施の形態14
さらに上述した実施の形態においては、人が前面と対峙するパネルとして、図1乃至図15について上述した、立っている大人の腰の高さくらいの所定の高さを有する前パネル2を適用するようにした場合について述べた。
【0324】
しかしながら本発明は、これに限らず、立っている大人の背丈くらいの所定の高さを有するパネルや、立っている大人の足元よりも上側に配置された左右に長い帯状のパネル等のように、この他種々の形状及び構成のパネルを広く適用することができる。
【0325】
(2−15)他の実施の形態15
さらに上述した実施の形態においては、取出対象を排出する排出部として、図1乃至図15について上述した第1異物シュータ32及び第2異物シュータ45を適用するようにした場合について述べた。
【0326】
しかしながら本発明は、これに限らず、取出対象を搬送する搬送ベルトや、搬送ローラ等を有する搬送部のように、この他種々の構成の排出部を広く適用することができる。
【0327】
(2−16)他の実施の形態16
さらに上述した実施の形態においては、所定の排出部から排出される取出対象として、図1乃至図15について上述した硬貨や紙幣以外の異物51を適用するようにした場合について述べた。
【0328】
しかしながら本発明は、これに限らず、釣り銭としての硬貨や、遊戯用のメダル、遊戯用のカード、景品等のように、この他種々の取出対象を広く適用することができる。
【0329】
(2−17)他の実施の形態17
さらに上述した実施の形態においては、パネルの前面と対峙する人が視線を斜め下側へ向けた際の当該視線の先となる前面の所定位置の裏側に設けられ、所定の排出部から排出される取出対象を受け取る受取部として、図1乃至図15について上述した略バケット状の異物受皿50を適用するようにした場合について述べた。
【0330】
しかしながら本発明は、これに限らず、底面が平坦な異物受皿や、異物シュータの端部、返却口の入口よりも奥側の孔部自体等のように、この他種々の構成の受取部を広く適用することができる。
【0331】
(2−18)他の実施の形態18
さらに上述した実施の形態においては、パネルの前面の所定位置に設けられ、当該前面側の表面が斜め上側を向くように傾斜する傾斜箇所を有するように形成されると共に、表面の傾斜箇所に、受取部から取出対象を取り出させるための取出口が形成された取出口形成部として、図1乃至図15について上述した略四角形状の返却口2AXが形成された凹部2AYを適用するようにした場合について述べた。
【0332】
しかしながら本発明は、これに限らず、他の実施の形態1で上述したような山形に突出する凸部71AYや、円形の取出口が形成された所定形状の凹部又は凸部、楕円形の取出口が形成された所定形状の凹部又は凸部等のように、この他種々の構成の取出口形成部を広く適用することができる。
【0333】
(2−19)他の実施の形態19
さらに上述した実施の形態においては、受取部内を照明するための光源として、図1乃至図15について上述した発光素子56を適用するようにした場合について述べた。
【0334】
しかしながら本発明は、これに限らず、冷陰極管のように、この他種々の光源を広く適用することができる。
【0335】
(2−20)他の実施の形態20
さらに上述した実施の形態においては、取出口に対し開閉可能に設けられた扉として、図1乃至図15について上述した略コ字状の扉52を適用するようにした場合について述べた。
【0336】
しかしながら本発明は、これに限らず、取出口の形状に合わせた略四角平板状の扉や円板状の扉、楕円板状の扉、また扉表面に受取部の照明用の照明光を通して取出口の外を出射するための複数のスリットや複数の孔部が形成された扉、扉回動軸が一体成形された扉等のように、この他種々の構成の扉を広く適用することができる。
【0337】
(2−21)他の実施の形態21
さらに上述した実施の形態においては、扉を、取出口に対し閉じるように付勢する付勢部として、図1乃至図15について上述した扉52の本体部52Aに一体に設けられた左突起部52C及び右突起部52Dを適用するようにした場合について述べた。
【0338】
しかしながら本発明は、これに限らず、扉とは別に設けられたトーションばねやコイルばね、板ばね、ゴム等のように、この他種々の構成の付勢部を広く適用することができる。
【0339】
(2−22)他の実施の形態22
さらに上述した実施の形態においては、取出対象の取出時、当該取出対象を取り出すように促すための通知部として、図1乃至図15について上述したタッチスクリーン5を適用するようにした場合について述べた。
【0340】
しかしながら本発明は、これに限らず、スピーカやライト等のように、この他種々の通知部を広く適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0341】
本発明は、異物や、釣り銭としての硬貨、遊戯用のメダル等を取り出させるための取出装置、及び現金自動預払機や現金自動支払機等の現金取扱装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0342】
1、70……現金自動預払機、2、71……前パネル、2A、71A……前面、2AX、71AX……返却口、2AY……凹部、2AZ……凹面、4AX……硬貨投入取出口、4AY……紙幣投入取出口、5……タッチスクリーン、19、72……異物返却部、20……制御ユニット、32……第1異物シュータ、45……第2異物シュータ、50……異物受皿、51……異物、52、73……扉、52A……本体部、52C……左突起部、52D……右突起部、53……扉回動軸、56……発光素子、57……回路基板、71AY……凸部、71AZ……凸面、RT1……異物取出処理手順。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16