(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記切起こしスリットおよび前記切起こし壁部は、前記第1の方向に並んで配置された前記複数の貫通孔の最端部に位置する前記貫通孔と前記フィンの端縁との間に配置されている、請求項1に記載の熱交換器。
前記切起こしスリットおよび前記切起こし壁部は、前記第1の方向に並んで配置された前記複数の貫通孔のうち互いに隣り合う2つの前記貫通孔の間に配置されている、請求項1に記載の熱交換器。
前記切起こし壁部の前記主表面からの高さが、前記複数のフィンのうち互いに隣り合う2つの前記フィンの間の前記間隔の寸法の半分よりも大きい、請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱交換器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら特開2000−227294号公報に記載の熱交換器では、吸熱管(伝熱管)の排気流(燃焼ガスの流れ)の死角領域において燃焼ガスの熱量を十分に伝熱管へ伝達できないという問題がある。
【0008】
また特開昭61−55595号公報のように切り起こし部が燃焼ガスの流れに対して直交して設けられた場合、熱交換器内を燃焼ガスが通過し難くなり、熱交換器内における燃焼ガスの排気抵抗が高くなる。そこで、熱交換器に燃焼ガスを送り込むために送風部の回転数を上げると、回転による騒音が大きくなるという問題がある。
【0009】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、伝熱管における燃焼ガスの流れの死角領域においても燃焼ガスの熱量を十分に伝熱管に伝達できるとともに騒音を抑えることのできる熱交換器および給湯器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の熱交換器は、複数のフィンと、伝熱管とを備えている。複数のフィンのそれぞれは、主表面とその主表面において第1の方向に沿って並んで配置された複数の貫通孔とを有しており、かつ互いに間隔を隔てて積層配置されている。伝熱管は、複数のフィンの各々の複数の貫通孔内を通っている。複数のフィンのうち少なくとも1つのフィンは、切起こしスリットと、切起こし壁部とを含んでいる。切起こしスリットは、複数の貫通孔のうち少なくとも1つの貫通孔の第1の方向に隣り合う領域に形成され、かつ第1の方向に交差する第2の方向に延びるトンネル状の孔を有している。切起こし壁部は、切起こしスリットの第2の方向に位置し、少なくとも1つのフィンの主表面に対して突き出し、かつ第1の方向に沿って延びている。
【0011】
本発明の熱交換器によれば、複数の貫通孔が配置された第1の方向に沿って切起こし壁部が延びている。このため、第2の方向に流れる燃焼ガスの流れを切起こし壁部により第1の方向へ変えることができる。よって、燃焼ガスの流れを伝熱管における燃焼ガスの流れの死角領域に導くことが可能となり、その死角領域においても燃焼ガスの熱量を十分に伝熱管に伝達することが可能となる。
【0012】
また切起こし壁部は切起こしスリットの第2の方向に位置している。このため、第2の方向に流れる燃焼ガスは、切起こし壁部に達する前に切起こしスリットを通ることになる。この切起こしスリットは、第2の方向に延びるトンネル状の孔を有している。よって第2の方向に流れる燃焼ガスは、トンネル状の孔内を通過して切起こし壁部の根元部に衝突する流れと、トンネル状の孔内を通過せずに切起こし壁部の先端部に衝突する流れとに分かれる。これにより、燃焼ガスの切起こし壁部の根元側に衝突する流れを伝熱管における燃焼ガスの流れの死角領域に確実に導くことが可能となる。また切起こし壁部の先端側に衝突する流れは切起こし壁部を乗り越えやすくなるため、熱交換器内における燃焼ガスの排気抵抗を低減することができる。これにより燃焼ガスを送り込むために送風部の回転数を上げる必要が無くなるため、回転数増大により騒音が大きくなることも抑制できる。
【0013】
上記の熱交換器において、切起こしスリットおよび切起こし壁部は、第1の方向に並んで配置された複数の貫通孔の最端部に位置する貫通孔とフィンの端縁との間に配置されている。これにより燃焼ガスの流れがよどみやすい熱交換器の端部においても燃焼ガスの流れを伝熱管における燃焼ガスの流れの死角領域に導くことができるため、燃焼ガスのよどみを抑制することが可能となる。
【0014】
上記の熱交換器において、切起こしスリットおよび切起こし壁部は、第1の方向に並んで配置された複数の貫通孔のうち互いに隣り合う2つの貫通孔の間に配置されている。これにより互いに隣り合う2つの貫通孔の間においても燃焼ガスの流れを伝熱管の死角領域に導くことが可能となる。
【0015】
上記の熱交換器において、切起こし壁部の主表面からの高さが、複数のフィンのうち互いに隣り合う2つのフィンの間の間隔の寸法の半分よりも大きい。これにより、燃焼ガスの切起こし壁部の根元側に衝突する流れを、より確実に伝熱管における燃焼ガスの流れの死角領域に導くことが可能となる。
【0016】
上記の熱交換器において、切起こし壁部の第1の方向に延びる長さは、切起こしスリットの第1の方向に延びる長さよりも長い。これにより切起こしスリットを通過した燃焼ガスの流れを切起こし壁部に確実に衝突させることができる。
【0017】
上記の熱交換器において、切起こし壁部は、第1の方向に並んで配置された複数の貫通孔の各中心をつなぐ仮想の線から燃焼ガスの流れ方向における下流側にずれて配置されている。これにより、伝熱管における燃焼ガスの流れの死角領域に導くことがより容易となる。
【0018】
上記の熱交換器において、複数の貫通孔は、複数の1段目貫通孔と、複数の2段目貫通孔とを含んでいる。複数の1段目貫通孔は、第1の方向に並んで配置されている。複数の2段目貫通孔は、その第1の方向に並んで配置され、かつ複数の1段目貫通孔とは第2の方向に間隔をあけて配置されている。複数の1段目貫通孔における孔ピッチは、複数の2段目貫通孔における孔ピッチよりも小さい。
【0019】
これにより、複数の1段目貫通孔の各々を複数の2段目貫通孔の各々に対して第1の方向にずらして配置することができるため、複数の2段目貫通孔の各々の内部を通る伝熱管に効率よく燃焼ガスを接触させることができる。
【0020】
本発明の給湯器は、上記のいずれかの熱交換器と、その熱交換器に与える燃焼ガスを生じさせるための燃焼装置とを備えている。
【0021】
本発明の給湯器によれば、伝熱管における燃焼ガスの流れの死角領域においても燃焼ガスの熱量を十分に伝熱管に伝達できるとともに騒音を抑えることが可能となる。
【0022】
上記の給湯器において、熱交換器の燃焼装置が配置された側とは反対側において熱交換器上を覆い、かつ流出口を有する排気集合筒がさらに備えられている。その排気集合筒の流出口の真下領域において互いに隣り合う2つの貫通孔の間には切起こしスリットおよび切起こし壁部が配置されており、排気集合筒の流出口の真下以外の領域において互いに隣り合う2つの貫通孔の間には切起こしスリットおよび切起こし壁部が配置されていない。
【0023】
特に排気集合筒の排気口の真下領域において燃焼ガスは伝熱管における燃焼ガスの流れの死角領域に流れにくい。このため、その部分に選択的に切起こしスリットおよび切起こし壁部を配置することにより、効率的に燃焼ガスを伝熱管における燃焼ガスの流れの死角領域に導くことが可能となる。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように本発明によれば、伝熱管の死角領域においても燃焼ガスの熱量を十分に伝熱管に伝達できるとともに騒音を抑えることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の一実施の形態について図に基づいて説明する。
まずは本実施の形態における給湯器の構成について
図1〜
図3を用いて説明する。
【0027】
図1および
図2を参照して、本実施の形態の給湯器1は、筺体2と、燃焼装置3と、送風部6と、一次熱交換器11と、二次熱交換器21とを主に有している。燃焼装置3は、燃焼ガスを供給するためのものである。この燃焼装置3は、バーナー3aと、バーナーケース3bとを有しており、バーナー3aはバーナーケース3b内に収容されている。この燃焼装置3には、燃焼装置3に燃料ガスを供給するためのガス管5が接続されている。
【0028】
送風部6は、燃焼装置3に燃焼用空気を供給するためのものであって、たとえばファン、ファンケース、ファンモータなどを有している。この送風部6は燃焼装置3の下部に取付けられている。
【0029】
一次熱交換器11および二次熱交換器21の各々は、燃焼装置3から供給された燃焼ガスによって熱交換を行うためのものである。燃焼装置3の上に一次熱交換器11が取付けられており、その一次熱交換器11の上に二次熱交換器21が取付けられている。
【0030】
一次熱交換器11と二次熱交換器21とは配管32で接続されている。二次熱交換器21には、二次熱交換器21に水を供給するための給水管31が接続されている。一次熱交換器11には、一次熱交換器11から湯を送り出すための出湯管33が接続されている。
【0031】
上記の給水管31と出湯管33との間にバイパス管35が接続されている。このバイパス管35は、出湯管33から送り出される湯の温度を給水管31の水で調整するためのものである。また、二次熱交換器21において生じたドレンを排出するためのドレン排出管41が設けられている。
【0032】
図1および
図3を参照して、一次熱交換器11は、互いに積層された複数のフィン13と、複数のフィン13を貫通する伝熱管15と、複数のフィン13および伝熱管15を内部に収容するケースとしての胴板17とを有している。伝熱管15は、一方端にて配管32に接続されており、かつ他方端にて出湯管33に接続されている。
【0033】
また二次熱交換器21は、複数の(らせん状の)伝熱管25と、伝熱管25を内部に収容するケース27とを有している。伝熱管25は、一方端にて給水管31に接続されており、かつ他方端にて配管32に接続されている。
【0034】
なお、本発明(請求項)に係る熱交換器は一次熱交換器11に対応し、二次熱交換器21には対応しない。
【0035】
図3を参照して、一次熱交換器11と二次熱交換器21との間には、排気集合筒42が配置されている。この排気集合筒42には、一次熱交換器11を経た燃焼ガスを二次熱交換器21へ供給するための流出口42aが形成されている。また二次熱交換器21のケース27には、燃焼ガスを排気するための排気口27aが設けられている。
【0036】
次に、上記の一次熱交換器11の構成について
図4〜
図7および
図12を用いて具体的に説明する。
【0037】
図4を参照して、互いに積層された複数のフィン13のそれぞれは、板状の部材からなり、その板状の部材の主表面MSに複数の貫通孔13ca、13cbを有している。これら複数の貫通孔13ca、13cbの各々は、内部に伝熱管15を通すためのものである。伝熱管15は、複数の貫通孔13ca、13cbの各々の周縁にろう付けされている。
【0038】
図5を参照して、複数のフィン13のそれぞれは、切起こし壁部13aと、切起こしスリット13bとを有している。切起こし壁部13aは、板状のフィン13の一部を切り欠いて折り曲げることにより切り起こした部分であって、フィン13と一体的に形成されている。
【0039】
切起こし壁部13aは、一方端部と他方端部とを有し、一方端部をフィン13に接続された根元側とし、他方端部をフィン13の主表面MSに対して突き出した先端側となるように折り曲げることにより構成されている。切起こし壁部13aのフィン13の主表面MSに対する折り曲げ角度は、たとえば90°であってもよく、また鋭角であってもよく、また鈍角であってもよい。
【0040】
切起こしスリット13bは、たとえば3つの切起こしスリット部13ba、13bb、13bcを有している。切起こしスリット部13ba、13bb、13bcの各々は、板状のフィン13の一部を切り欠いて折り曲げることにより切り起こした部分であって、フィン13と一体的に形成されている。
【0041】
切起こしスリット部13ba、13bb、13bcの各々は、一方端部と他方端部とを有し、一方端部と他方端部との双方がフィン13に接続されており、かつ一方端部と他方端部との間で折り曲げられることによりフィン13の主表面MSに対して突き出している。これにより切起こしスリット部13ba、13bb、13bcの各々の一方端部と他方端部との間にトンネル状の孔13ba
1、13bb
1、13bc
1が構成されている。
【0042】
なお切起こしスリット13bに含まれる切起こしスリット部の個数は3つに限定されず、1つ、2つまたは4つ以上であってもよい。
【0043】
図6を参照して、複数の貫通孔13ca、13cbは、複数の1段目貫通孔13caと、複数の2段目貫通孔13cbとを含んでいる。複数の1段目貫通孔13caはたとえば4つの貫通孔を含んでおり、また複数の2段目貫通孔13cbはたとえば4つの貫通孔を含んでいる。
【0044】
複数の1段目貫通孔13caは、フィン13の主表面MSにおいて第1の方向(図中矢印DA方向)に沿って並んで配置されている。複数の2段目貫通孔13cbも同様に、フィン13の主表面MSにおいて第1の方向(図中矢印DA方向)に沿って並んで配置されている。複数の1段目貫通孔13caにより構成される1段目と、複数の2段目貫通孔13cbにより構成される2段目とは、第1の方向に直交する第2の方向(図中矢印DB方向)に間隔をあけて配置されている。つまり複数の1段目貫通孔13caにより構成される1段目と、複数の2段目貫通孔13cbにより構成される2段目とは互いに平行となるように配置されている。
【0045】
図7を参照して、上記の切起こしスリット13bは、1段目貫通孔13caの第1の方向DAに隣り合う領域(図中ハッチング領域RA)に形成されている。本実施の形態では、切起こしスリット13bに含まれる3つの切起こしスリット部13ba、13bb、13bcの全てがこの領域RA内に配置されている。
【0046】
なお切起こしスリット13bが複数の切起こしスリット部を有する場合、複数の切起こしスリット部の全てがこの領域RA内に配置されていなくてもよく、複数の切起こしスリット部のうち少なくとも1つがこの領域RA内に配置されていればよい。
【0047】
3つの切起こしスリット部13ba、13bb、13bcの各々は、フィン13に接続された一方端部から他方端部へ第1の方向DAに沿って帯状に延びている。これにより、3つの切起こしスリット部13ba、13bb、13bcのトンネル状の孔の各々は、第2の方向DBに延びている(貫通している)。
【0048】
切起こし壁部13aは、切起こしスリット13bの第2の方向DBに位置している。具体的には切起こし壁部13aは、切起こしスリット部13ba、13bb、13bcの各々のトンネル状の孔の延びる(貫通する)方向の延長線上に位置している。この切起こし壁部13aは、複数の1段目貫通孔13caの各中心Oをつなぐ仮想の直線C−Cから燃焼ガスの流れ方向における下流側(二次熱交換器側)にずれて配置されている。
【0049】
切起こし壁部13aのフィン13に接続された一方端部(根元側)はフィン13の主表面において第1の方向DAに沿って延びている。また切起こし壁部13aのフィン13の主表面から突き出した他方端部(先端側)も第1の方向DAに沿って延びている。
【0050】
上記の切起こし壁部13aおよび切起こしスリット13bの1つの組は、第1の方向DAに並んで配置された複数の1段目貫通孔13caの最端部に位置する貫通孔13caとフィン13の端縁13Eとの間に配置されている。また切起こし壁部13aおよび切起こしスリット13bの他の組は、第1の方向DAに並んで配置された複数の1段目貫通孔13caのうち互いに隣り合う2つの貫通孔13caの間に配置されている。
【0051】
切起こし壁部13aの第1の方向DAに延びる長さL2は、切起こしスリット部13ba、13bb、13bcの各々の第1の方向に延びる長さL1a、L1b以上の長さを有している。また切起こし壁部13aの第1の方向DAに延びる長さL2は、複数の1段目貫通孔13caの孔ピッチL3以下の長さを有している。また中央部の切起こしスリット部13bbの第1の方向DAに延びる長さL1bは、両側に位置する切起こしスリット部13ba、13bcの第1の方向DAに延びる長さL1a以下の長さを有している。
【0052】
なお本実施の形態においては、3つの切起こしスリット部13ba、13bb、13bcのうち中央に位置する切起こしスリット部13bbは各貫通孔13caの中心Oを通る仮想の直線C−C上に位置している。
【0053】
図12を参照して、切起こし壁部13aがフィン13の主表面MSから突き出す高さH2は、積層された複数のフィン13のうち互いに隣り合うフィン13の間の間隔の寸法H1の半分(H1×1/2)よりも高く、かつ上記寸法H1の4分の3(H1×3/4)よりも低い。また切起こし壁部13aの突き出し高さH2は、切起こしスリット13b(切起こしスリット部13ba、13bb、13bc)がフィン13の主表面MSから突き出す高さのうち最も高い高さH3よりも高い。
【0054】
互いに隣り合うフィン13の間の間隔の寸法H1はたとえば2.5mmであり、切起こし壁部13aの突き出し高さH2はたとえば1.8mmであり、切起こしスリット13bの突き出し最大高さH3はたとえば1.5mmである。
【0055】
図6を参照して、複数の1段目貫通孔13caにおける孔ピッチP2は、複数の2段目貫通孔13cbにおける孔ピッチP1よりも小さい。このため、複数の1段目貫通孔13caの各々の中心は、複数の2段目貫通孔13cbの各々の中心に対して第1の方向DAに所定量G1〜G4だけずれて配置されている。
【0056】
伝熱管15の管径はたとえば16mmφであり、上記の中心管のずれ量G1〜G4の各々はたとえば1mm以上である。また複数の1段目貫通孔13caの個数と複数の2段目貫通孔13cbの個数との総個数は偶数個であることが好ましい。また複数の1段目貫通孔13caの個数と複数の2段目貫通孔13cbの個数とは同じであることが好ましい。
【0057】
次に、本実施の形態の給湯器1の動作について説明する。
図1を参照して、運転スイッチをオンにし、給水管31に所定量の水を流すことによって、送風部6のファンが回転を始め、燃焼装置3が点火して、燃焼装置3から上方に向かって燃焼ガスが送り出される。
図3を参照して、送り出された燃焼ガスは、一次熱交換器11が配置された胴板17内を流れ、次に、排気集合筒42の流出口42aを経て二次熱交換器21内を流れ、その後、排気口27aから外へ排気される。
【0058】
図1を参照して、一方、給水管31から送られる水は、まず、二次熱交換器21の伝熱管25内を流れる。二次熱交換器21を流れる間に、燃焼ガス(潜熱)によって水が予備加熱される。次に、予備加熱された水は、配管32を経て一次熱交換器11へ送られる。一次熱交換器11へ送られた予備加熱された水は、下段の伝熱管15(2段目貫通孔13cbを通る伝熱管15)を流れ、次に、上段の伝熱管15(1段目貫通孔13caを通る伝熱管15)を流れる。予備加熱された水が伝熱管15を流れる間に、フィン13間の隙間を流れる燃焼ガス(顕熱)と伝熱管15内の水との間で熱交換が行われ、予備加熱された水が所定の温度にまで加熱される。所定の温度に加熱された湯は、出湯管33を経て給湯器1の外へ送り出される。こうして、給湯器1として、所定の温度の湯を供給することができる。
【0059】
次に、本実施の形態の作用効果について、
図8に示す第1の比較例、
図10に示す第2の比較例、および
図11に示す第3の比較例と対比して説明する。
【0060】
図8に示す第1の比較例においては、フィン13の主表面MSに切起こし壁部や切起こしスリットが形成されていない。この構成においては、第2の方向(図中矢印DB方向)への燃焼ガスの流れに対して伝熱管15の死角となる領域RBにおいて、燃焼ガスが流れ込みにくくなる。これにより、伝熱管15の死角領域RBにおいて、燃焼ガスの熱量が伝熱管15に伝達しにくくなるため、熱交換効率が悪くなる。
【0061】
これに対して本実施の形態においては、
図9に示すように切起こし壁部13aが第1の方向(図中矢印DA方向)に沿って延びるように設けられている。このため、伝熱管15の横を通って流れる燃焼ガスは、この切起こし壁部13aに衝突してその流れの方向を変えることができる。これにより、燃焼ガスの流れに対する伝熱管15の死角となる領域に燃焼ガスを導くことが可能となり、伝熱管15の死角領域においても燃焼ガスの熱量を十分に伝熱管15に伝達することが可能となる。これにより熱交換効率を向上させることが可能となる。
【0062】
また
図10に示す第2の比較例のように、2つの貫通孔13caの間に第1の方向に対して互いに異なる角度に傾斜して延びる2つの切起こし壁部13aを設けることも考えられる。しかしこの構成においては、加工上の制約から、互いに異なる角度で傾斜する2つの切起こし壁部13aを1つの切起こし壁部として繋ぐことができない。このため、互いに異なる角度で傾斜する2つの切起こし壁部13aの間に切起こし壁部の形成されていない隙間の領域が生じ、この隙間の領域を通じて燃焼ガスが流れてしまう。よって、この隙間の領域を通って流れた燃焼ガスの熱量を伝熱管15に伝熱できないため、熱交換効率が悪くなる。
【0063】
これに対して本実施の形態においては、
図9に示すように2つの貫通孔13caの間に第1の方向に沿って延びる1つの切起こし壁部13aが設けられている。このため、上記のような切起こし壁部の間の隙間の領域が生じることが無いため、燃焼ガスを効率よく伝熱管15の死角の領域に導くことが可能となる。よって、熱交換効率を向上させることが可能となる。
【0064】
また
図11に示す第3の比較例のように、フィン13に切起こしスリットを設けずに、切起こし壁部13aのみを設けることも考えられる。この場合、切起こし壁部13aに衝突する燃焼ガスの流れは、図中曲線で示すように2枚のフィン13間の中央部において大きな速度を有し、かつ端部(フィン13付近)において小さな速度を有する。
【0065】
このように流速の早い中央部の燃焼ガスの流れが切起こし壁部13aに衝突して、その流れが阻害されるため、燃焼ガスの排気抵抗が大きくなり、一次熱交換器11から燃焼ガスが排気されにくくなる。一次熱交換器11からの燃焼ガスの排気を促進するために、送風部6(
図1、
図2)のファンの回転数を上げると、回転による騒音が大きくなる。
【0066】
これに対して本実施の形態においては、
図9に示すように切起こし壁部13aが切起こしスリット13bの第2の方向DBに位置している。このため、第2の方向DBに流れる燃焼ガスは、切起こし壁部13aに達する前に切起こしスリット13bを通ることになる。
【0067】
この切起こしスリット13bは、
図12に示すように第2の方向DBに延びるトンネル状の孔13b
1を有している。よって第2の方向DBに流れる燃焼ガスは、トンネル状の孔13b
1内を通過して切起こし壁部13aの根元部13a
2側に衝突する流れと、トンネル状の孔13b
1内を通過せずに切起こし壁部13aの先端部13a
1側に衝突する流れとに分かれる。
【0068】
ここで燃焼ガスのトンネル状の孔13b
1内を通過する流れとトンネル状の孔13b
1内を通過しない流れとの双方は、図中曲線で示すようにフィン13と切起こしスリット13bとの間の中央部において大きな速度を有し、かつ端部(フィン13付近および切起こしスリット13b付近)において小さな速度を有する。
【0069】
これにより、燃焼ガスの切起こし壁部13aの根元部13a
2側に衝突する流れは流速の最も早い中央部が切起こし壁部13aに衝突するため、その流れを伝熱管15における燃焼ガスの流れの死角領域に確実に導くことが可能となる。
【0070】
一方、切起こし壁部13aの先端部13a
1側に衝突する流れは流速の最も早い中央部が切起こし壁部13aを乗り越えやすくなるため、一次熱交換器11内における燃焼ガスの排気抵抗を低減することができる。これにより燃焼ガスを送り込むために送風部6の回転数を上げる必要が無くなるため、回転数増大により騒音が大きくなることも抑制できる。
【0071】
切起こし壁部13aの突き出し高さH2が2枚のフィン13の間隔H1の4分の3(H1×3/4)よりも低い。このため、切起こし壁部13aの先端部13a
1側に衝突する燃焼ガスの流れのうち流速の最も早い中央部が切起こし壁部13aに衝突せずに進めるため、より排気抵抗を低減することが可能となる。
【0072】
なお切起こし壁部13aの先端部13a
1側に衝突する燃焼ガスの流れのうち流速が最も早い中央部の流れが切起こし壁部13aに衝突しないための切起こし壁部13aの高さH2は、H2<H3+(H1−H3)/2で求めることができる。
【0073】
また切起こし壁部13aの突き出し高さH2が2枚のフィン13の間隔H1の半分(H1×1/2)よりも高い。このため、切起こし壁部13aの根元部13a
2側に衝突する燃焼ガスの流れのうち流速の最も早い中央部が切起こし壁部13aに確実に衝突するため、その流れを伝熱管15における燃焼ガスの流れの死角領域に、より確実に導くことが可能となる。
【0074】
なお切起こし壁部13aの根元部13a
2側に衝突する燃焼ガスの流れのうち流速が最も早い中央部の流れが切起こし壁部13aに確実に衝突するための切起こし壁部13aの高さH2は、H2>H4/2で求めることができる。この高さH4は、高さH3から切起こしスリット13bの厚みを減じた高さ(つまり高さH3の部分におけるトンネル状の孔13b
1の高さ)である。
【0075】
また
図6および
図7に示すように本実施の形態においては、切起こしスリット13bおよび切起こし壁部13aの1の組が、第1の方向DAに並んで配置された複数の1段目の貫通孔13caの最端部に位置する貫通孔13caとフィン13の端縁13Eとの間に配置されている。これにより燃焼ガスの流れがよどみやすい一次熱交換器11の端部においても燃焼ガスの流れを伝熱管15における燃焼ガスの流れの死角領域に導くことができるため、燃焼ガスのよどみを抑制することが可能となる。
【0076】
また
図6および
図7に示すように本実施の形態においては、切起こしスリット13bおよび切起こし壁部13aの他の組が、第1の方向DAに並んで配置された複数の1段目貫通孔13caのうち互いに隣り合う2つの貫通孔13caの間に配置されている。これにより互いに隣り合う2つの貫通孔13caの間においても燃焼ガスの流れを伝熱管15の死角領域に導くことが可能となる。
【0077】
また
図7に示すように本実施の形態においては、切起こし壁部13aの第1の方向DAに延びる長さL2は、切起こしスリット13bの第1の方向DAに延びる長さL1a、L1bよりも長い。これにより切起こしスリット13bを通過した燃焼ガスの流れを切起こし壁部13aに確実に衝突させることができ、燃焼ガスの流れを伝熱管15の死角領域に導くことが容易となる。
【0078】
また
図7に示すように本実施の形態においては、切起こし壁部13aは、第1の方向DAに並んで配置された複数の1段目貫通孔13caの各中心Oをつなぐ仮想の直線C−Cから燃焼ガスの流れ方向における下流側にずれて配置されている。これにより、燃焼ガスの流れを伝熱管15の死角領域に導くことがより容易となる。
【0079】
また
図6に示すように本実施の形態においては、複数の1段目貫通孔13caにおける孔ピッチP2は、複数の2段目貫通孔13cbにおける孔ピッチP1よりも小さい。これにより、複数の1段目貫通孔13caの各々の中心を複数の2段目貫通孔13cbの各々の中心に対して第1の方向DAに所定量G1〜G4だけずらして配置することができる。このため、複数の1段目貫通孔13caの各々の内部を通る伝熱管15に効率よく燃焼ガスを接触させることができる。
【0080】
なお上記の実施の形態においては、
図13に示すように排気集合筒42の流出口42aの真下領域RCにおいてのみ、互いに隣り合う2つの貫通孔13caの間には切起こしスリット13bおよび切起こし壁部13aが配置されてもよい。つまり切起こしスリット13bおよび切起こし壁部13aは、上記領域RC内にのみ配置されていれば、排気集合筒42の流出口42aの真下以外の領域において互いに隣り合う2つの貫通孔13caの間には配置されていなくてもよい。
【0081】
排気集合筒42の流出口42aの真下領域RCにおいては、燃焼ガスはその流出口42aに向かって一直線上に流れやすい。このため、この真下領域RCにおいては燃焼ガスは伝熱管15の死角領域に特に流れ込みにくい。よって、その真下領域RCに選択的に切起こしスリット13bおよび切起こし壁部13aを配置することにより、効率的に燃焼ガスを伝熱管15の死角領域に導くことが可能となる。
【0082】
また上記の本実施の形態においては、燃焼装置3の上方に一次および二次熱交換器11、21が配置された構成を例に挙げて説明した(
図1、
図2参照)が、本実施の形態の一次熱交換器11は、主に燃料として石油を用いる給湯器に適用されてもよい。このような給湯器においては、たとえば
図14に示すように燃焼装置3の下方に一次熱交換器11が配置され、その一次熱交換器11の下方に二次熱交換器21が配置されることになる。このタイプの燃焼方式では、送風部6は燃焼装置の上方に配置されており、かつ燃焼装置3には燃料管7が接続されている。
【0083】
なお
図14の給湯器1の上記以外の構成については
図1に示す給湯器1の構成とほぼ同じであるため同一の要素については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0084】
また、上述した熱交換器では、伝熱管の配置として下段と上段との2段の配置を例に挙げて説明したが、3段以上の配置にしてもよい。上述したように、特に、2段の配置の場合には、一次熱交換器のコンパクト化に寄与することができる。また、伝熱管の管径およびピッチとして挙げた数値は一例であって、これに限定されるものではない。
【0085】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。