【文献】
DIA E1000-E920 MULTI-AXIS LENS EDGEERS,DIA OPTICAL CO.,2012年
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1は眼鏡レンズ加工装置の加工機構部の概略構成図である。
【0010】
加工装置本体1は、眼鏡レンズLE(又は眼鏡フレームのリムから取り外されたデモレンズ)を保持する一対のレンズチャック軸102L、102Rを有するレンズ保持部100と、レンズLEの形状を測定するための測定子260を備えるレンズ形状測定ユニット200と、レンズLEの周縁を加工するための加工具62が取り付けられた加工具回転軸61aを回転する加工具回転ユニット60Aと、を備える。
【0011】
レンズ保持部100は、レンズ回転ユニット100Aと、X方向移動ユニット(チャック軸移動ユニット)100Bと、Y方向移動ユニット(軸間距離変動ユニット)100Cと、レンズチャックユニット300と、を備える。
【0012】
レンズ回転ユニット100Aは、一対のレンズチャック軸102L、102Rを回転させるために用いられる。X方向移動ユニット100Bは、レンズチャック軸102L、102Rの軸線X1が延びるX方向にレンズチャック軸102L、102Rを移動するために用いられる。なお、X方向移動ユニット100Bは、相対的に加工具回転軸61a(加工具168)をX方向に移動する機構であっても良い。Y方向移動ユニット100Cは、レンズチャック軸102L、102Rと加工具回転軸61aとの軸間距離が変動する方向(Y方向)に、加工具回転軸61aに対してレンズチャック軸102L、102Rを相対的に移動させるために用いられる。Y方向移動ユニット100Cとしては、レンズチャック軸102L、102Rに対して加工具回転軸61aを移動する機構であっても良い。レンズチャックユニット300は、レンズLEを挟持すべく、一方のレンズチャック軸102Lに対してもう一方のレンズチャック軸102Rをレンズチャック軸102L側に移動させるために用いられる。
【0013】
以下、加工装置本体1の具体例を説明する。加工装置本体1の本体ベース170上にはレンズ保持部100、加工具回転ユニット60A、レンズ形状測定ユニット200が搭載されている。なお、レンズチャックユニット300は周知の構成が使用できるので、説明は省略する。
【0014】
<レンズ保持部>
レンズ保持部100は、レンズチャック軸102L、102Rを保持するキャリッジ101を有する。キャリッジ101は、レンズチャック軸102Lを回転可能に保持する第1アーム101Lと、レンズチャック軸102Rを回転可能に、且つX方向(軸線X1方向)に移動可能に保持する第2アーム101Rと、を有する。レンズチャック軸102Rは、レンズチャックユニット300によってレンズチャック軸102L側に移動される。レンズチャック軸102Rの移動によって、レンズLEが2つのレンズチャック軸102R、102Lにより保持(挟持)される。レンズチャックユニット300は、第2アーム101Rに配置されたモータ110と、モータ110の駆動によりレンズチャック軸102Rをレンズチャック軸102L側に移動させる移動機構を有する。レンズチャックユニット300は周知の機構を使用されるので、その説明は省略する。
【0015】
<レンズ回転ユニット>
レンズ回転ユニット100Aは、レンズチャック軸102Rを回転するためのモータ120及び回転伝達機構121と、レンズチャック軸102Lを回転するために、第1アーム101Lに取り付けられたモータ115(
図1では図示を略す)と、回転伝達機構116と、を有する。モータ120及び115が同期して回転されることによってレンズチャック軸102R及び102Lが同時に回転される。なお、レンズ回転ユニット100Aとしては、1つのモータで周知の回転伝達機構を介してレンズチャック軸102R及び102Lの両方を同時に回転する構成であっても良い。
【0016】
レンズチャック軸102Lの先端には、カップホルダ102aが取付けられている。カップホルダ102aには、レンズLE(デモレンズ)を保持するために、レンズLE(デモレンズ)の表面に取付けられた治具であるカップ(図示を略す)が装着される。この状態で、レンズチャックユニット300によってレンズチャック軸102Rがレンズチャック軸102L側に移動されることにより、レンズLE(デモレンズ)がレンズチャック軸102L、102Rに保持される。
【0017】
<X方向移動ユニット>
X方向移動ユニット100Bは、キャリッジ101を有する。キャリッジ101は、レンズチャック軸102R,102Lの軸線X1及び加工具回転軸(シャフト)の軸線X2と平行に延びるシャフト103、104に沿ってX方向に移動可能なX移動支基140に搭載されている。本体ベース170上にモータ145が配置されている。X移動支基140は、ボールネジ及びナット等のスライド機構を介してモータ145の駆動によってX方向に移動される。X移動支基140がX方向に移動されることにより、キャリッジ101に保持されたレンズチャック軸102R,102LがX方向に移動される。なお、X方向移動ユニット100Bとしては、レンズチャック軸102R,102Lに対して加工具回転軸61a(加工具62)がX方向に相対的に移動される構成であっても良い。モータ145の回転軸にはレンズチャック軸102R,102LのX方向の移動を検出する検出器であるエンコーダ146が設けられている。
【0018】
<Y方向移動ユニット>
Y方向移動ユニット100Cは、モータ150を有する。X移動支基140には、シャフト103の軸線を中心にキャリッジ101(第1アーム101L及び第2アーム101R)が回転(揺動)可能に設けられている。X移動支基140の前方にモータ150が加工具回転軸61aの軸線X2を中心に揺動可能に設けられている。モータ150に回転軸には、レンズチャック軸102L、102Rの軸線X1と加工具回転軸61aの軸線X2とを結ぶ方向に平行に延びるボールネジ155が取付けられている。また、キャリッジ101の第1アーム101Lには軸線X2を中心に回転可能な連結ブロック170が設けられている。連結ブロック170はボールネジ155に噛み合うナット等の移動部材に連結されている。モータ150の駆動によってボールネジ155が回転されると、移動部材と共に連結ブロック170がボールネジ155の軸方向に移動される。これにより、第1アーム101Lと共にレンズチャック軸102L、102Rがシャフト103を中心に回転され、レンズチャック軸102L、102Rと加工具回転軸61aとの軸間距離が変えられる。
【0019】
<加工具回転ユニット>
ベース部170上において、装置1の手前側には加工具回転ユニット60Aが配置されている。加工具回転ユニット60Aは、加工具回転軸61aを回転するためのモータ60を有する。加工具回転軸61aにはレンズLEの周縁を加工するための加工具62が取付けられている。加工具62は、ガラス用粗砥石63、レンズにヤゲンを形成するV溝(ヤゲン溝)VG及び平坦加工面を持つ仕上げ用砥石64、平鏡面仕上げ用砥石65、プラスチック用粗砥石66などから構成されている。キャリッジ101が持つレンズチャック軸102L,102Rに挟持されたレンズLEは加工具62に押し付けられ、加工具62によってレンズLEの周縁が加工される。
【0020】
<レンズ形状測定ユニット>
図1において、キャリッジ101の上方であって、キャリッジ101を介してレンズ加工具168と反対方向の位置には、レンズ形状測定ユニット200が配置されている。本実施形態のレンズ形状測定ユニット200は、レンズの外径形状(輪郭形状)を測定(トレース)するためのレンズ外径形状測定手段と、レンズ面の形状を測定するためのレンズ面形状測定手段と、の2つの機能を備える。
【0021】
図2は、レンズ形状測定ユニット200の概略構成図である。レンズ形状測定ユニット200は、レンズ面形状を測定するための測定子260として、レンズLEの前面に接触させる測定子261と、レンズLEの後面に接触させる測定子262と、を備える。また、測定子262は円筒状の側面を有する。測定子262の側面は、レンズの外径形状を測定するために、レンズLE(デモレンズ)の外周に接触される測定子263として利用される。また、レンズ形状測定ユニット200は、測定子261、262のX方向の移動位置を検知するためのセンサ271と、レンズチャック軸102L、102Rから離れる方向への測定子263の移動位置を検知するためのセンサ273を備える。
【0022】
測定子261、262は、X方向に移動可能なアーム265によって保持されている。本実施形態では、アーム265はU字上の形状を有する。また、本実施形態では、アーム265は支柱267に取付けられ、支柱267がX軸方向移動可能にブロック269に保持されている。支柱267は図示を略すバネ(付勢部材)によって、
図2の状態を中立位置として、レンズの前面側方向及び後面側方向にそれぞれ付勢されている。測定子261、262のX方向の移動位置は、アーム265及び支柱267を介してセンサ(検知器)271によって検知される。センサ271の構成は周知のものが使用される。
【0023】
レンズ形状の測定時には、レンズチャック軸102R,102Lの回転によってレンズLEが回転され、玉型に基づいてレンズチャック軸102R,102LのY方向の移動が制御されることにより、玉型に対応したレンズの前面及び後面のX方向の位置がセンサ271によって検知される。なお、本装置では、レンズチャック軸102R,102LのX方向の移動制御も利用してレンズの前面及び後面の形状測定が行われる。
【0024】
また、支柱267はX方向に平行に延びる軸線S1を中心にして後方(レンズチャック軸102L、102Rから離れる方向)に傾斜可能に、ブロック269に取付けられている。支柱267は、図示を略すバネ(付勢部材)によって、常時、前側に付勢されている。支柱267は前方への傾斜は、図示を略す制限部材によって、
図2の状態で制限されている。レンズLE(デモレンズ)の外径測定時には、測定子263がデモレンズの外周に接触され、デモレンズが回転されることによって、デモレンズの外径に応じて測定子263がレンズチャック軸102L、102Rから離れる方向に移動される。すなわち、デモレンズの外径に応じて支柱267が軸線S1を中心に傾斜される。支柱267の傾斜は、センサ(検知器)273によって検知される。すなわち、センサ273は、レンズチャック軸102L、102Rから離れる方向への測定子263の移動位置を検知する。
【0025】
<電気的構成>
図3は、眼鏡レンズ周縁加工装置の電気的構成を説明するブロック図である。制御部50には、スイッチ部7、メモリ51、レンズ保持部100が持つ電気的構成要素(モータ、センサなど)、レンズ形状測定ユニット200のセンサ271、273、タッチパネル式の表示手段及び入力手段としてのディスプレイ5等が接続される。制御部50はディスプレイ5が持つタッチパネル機能により入力信号を受け、ディスプレイ5の図形及び情報の表示を制御する。制御部50は、各モータ等を制御する機能の他、デモレンズに形成されているヤゲンの三次元形状データ等を求める演算機能を持つ。
【0026】
<制御動作>
次に、以上のような構成を持つ眼鏡レンズ加工装置において、眼鏡枠形状測定装置が使用せずに、眼鏡レンズの周縁にヤゲンを加工するための動作を中心に説明する。本装置では、眼鏡フレームのリムから外されたデモレンズの外周にはヤゲンが形成されているので、デモレンズのヤゲンを基に実際の眼鏡レンズの周縁にヤゲンを加工のためのデータを得る。
【0027】
作業者は、周知のレンズメータが持つ印点機構を利用して、眼鏡フレームのリムに取付けられているデモレンズの表面に印点マークを付す。印点マークは、リムに取付けられた状体のデモレンズにおける水平方向の基準として利用される。次いで、作業者は、眼鏡フレームのリムからデモレンズを取り外した後、周知のブロッカー(カップ取り付け装置)を使用して、デモレンズの表面に加工治具であるカップを取付ける。このとき、作業者はデモレンズに付された印点マークとカップの基準方向とが一定の関係になるように、カップをデモレンズに取付ける。そして、作業者は、デモレンズの表面に取り付けられたカップをレンズチャック軸102Lのカップホルダ102aに装着した後、レンズチャックユニット300を駆動してデモレンズをレンズチャック軸102L、102Rに所定の状態で保持させる。
【0028】
タッチパネル式のディスプレイ5には、デモレンズの形状を測定するモード(デモレンズトレースモード)を選択するためのスイッチ501が設けられている。スイッチ501の信号が入力されると、レンズ形状測定ユニット200によって、レンズチャック軸102L、102Rに保持されたデモレンズの形状測定が行われる。なお、被加工レンズである眼鏡レンズLEの形状測定手段としてのレンズ形状測定ユニット200は、デモレンズの形状測定手段として兼用される。
【0029】
初めに、デモレンズの外径形状の測定が行われる。
図4は、デモレンズの外径形状の測定を説明する明図である。制御部50によって、X方向移動ユニット100B(モータ145)が駆動され、デモレンズDLが測定子263の測定範囲の位置に移動される。その後、Y方向移動ユニット100C(モータ150)が駆動され、測定子263にデモレンズDLの外周が接触するようにデモレンズDLがY方向(測定子263側)に移動される。デモレンズDLの外周(すなわち、デモレンズに形成されているヤゲンDLYの頂点)が測定子263に接触し、支柱267が軸線S1を中心に後方に傾斜されると、支柱267の傾斜角がセンサ273によって検知される。そして、レンズ回転ユニット100A(モータ115、120)が駆動され、デモレンズが1回転されると、センサ273の検知結果に基づいて、レンズチャック軸102L、102Rのチャック中心(軸線X1)に対するデモレンズの全周の外径形状が制御部50によって得られる。本実施形態では、レンズチャック軸102L、102RのY方向の移動制御を利用し、Y方向のレンズチャック軸102L、102Rの移動位置と、センサ273の検知結果と、に基づいてデモレンズDLの外径データFDTが得られる。例えば、制御部50は、支柱267の傾斜角度(すなわち、測定子263の位置)が一定となるように、測定開始後に得られた測定結果に基づいてY方向移動ユニット100Cの駆動を制御する。これにより、測定子263及び支柱267の移動機構を大型化せずに、レンズの外径形状を得ることができる。
【0030】
なお、デモレンズDLの外径データFDTは、例えば、レンズチャック軸102L、102Rのチャック中心を基準にして、(Frn、Fθn)(n=1,2,3、・・・N)として得られる。Frnはレンズチャック軸102L、102Rのチャック中心を基準にした動径長であり、Fθnは動径角である。測定ポイント数であるNは、例えば、0.36°毎の1000ポイントである。デモレンズDLの外径データFDTは、眼鏡レンズの周縁加工時の玉型として利用される。
【0031】
デモレンズDLの外径形状の測定が終了したら、デモレンズDLのレンズ面形状の測定が行われる。制御部50は、外径データFDTに基づき、レンズ面形状の測定位置を外径データFDTの内側に測定位置を決定する。測定位置は、外径データFDTにおけるチャック中心COを中心とした少なくとも1つの経線方向で、2点以上とされる。例えば、
図5のように、チャック中心COから最も動径長が長いM1方向で、外径データFDTの最外周から2mm内側の位置P1と、P1から更に1mm内側の位置P2と、が測定位置として決定されている。好ましくは、さらに、M1方向に対して180度反対側のM2方向で、最外周から2mm内側の位置P3と、P3から更に1mm内側の位置P3と、が測定位置として決定されている。
【0032】
測定動作を説明する。制御部50は、レンズ形状測定ユニット200によって、デモレンズDLの前面及び後面の少なくとも一方における測定位置P1、P2(さらにP3、P4)のX方向の位置を測定するように、レンズチャック軸102L、102Rの相対的な移動を制御する。例えば、制御部50は、デモレンズDLの前面を測定する。制御部50は、測定子261の先端がデモレンズDLの前面の測定位置P1に接触するように、レンズ回転ユニット100A、X方向移動ユニット100B及びY方向移動ユニット100Cの駆動を制御し、レンズチャック軸102L、102Rを移動する。測定子261の先端がデモレンズDLの前面の測定位置P1に接触したことは、センサ271によって検知される。測定位置P1のX方向の位置は、センサ271の検知結果と、X方向移動ユニット100Bによるレンズチャック軸102L、102RのX方向の位置と、によって得られる。測定位置P2(さらに、P3及びP4)のX方向の位置も、測定位置P1の時と同様な制御によってそれぞれ得られる。
【0033】
測定位置P1及びP2のX方向の位置が得られると、これらの測定結果と、チャック中心COに対する測定位置P1及びP2のそれぞれ距離と、デモレンズ前面におけるチャック中心COのX方向の位置(これは、X方向の測定基準として既知である)と、に基づいてデモレンズDLの前面のカーブ形状LDCが得られる。なお、測定位置P3及びP4が測定された場合には、同様に、測定位置P3及びP4の測定結果に基づいてデモレンズDLの前面のカーブ形状LDCが得られる。2つ以上のカーブ形状データが得られている場合は、これの平均値が計算されることにより、前面のカーブ形状LDCが得られる。なお、測定時間が多少長くなるが、デモレンズDLを回転しながら、外径データFDTの最外周から内側に入った2つ以上の測定軌跡でデモレンズ前面のX方向の位置を測定しても良い。こうすると、レンズ面のより正確なカーブ形状LDCが得られる。
【0034】
制御部50は、デモレンズDLの外径データFDTと前面(又は後面)のカーブ形状LDCが得られれば、これらに基づいてデモレンズDLに形成されているヤゲン(ヤゲン頂点)の三次元形状データを算出する。デモレンズDLは一定の厚みであり、デモレンズDLの周縁に形成されているヤゲンもデモレンズDLの前面(又は後面)のカーブに沿っている。このため、測定されたカーブ形状LDCは、デモンレンズのヤゲンカーブと見なすことができる。そして、例えば、カーブ形状LDCから求められる球面に外径データFDTを投影することにより、デモレンズDLに形成されているヤゲン軌跡の三次元形状データFY3D(Frn、Fθn、Fzn)(n=1,2,3、・・・N)を算出する。Fznは、玉型データである外径データFDT(Frn、Fθn)に直交する方向のヤゲン頂点位置のデータである。ヤゲン軌跡の三次元形状データFY3Dは、デモレンズDLが取付けられていた眼鏡フレーム(リム)の溝の形状データと見なすことができる。
【0035】
このように加工装置本体1によって眼鏡フレーム(リム)の溝の形状データを得ることできるので、眼鏡店では眼鏡枠形状測定装置を別に設けなくても済み、経済的に有利となる。また、剛性が弱い眼鏡フレーム(リム)において、デモレンズDLを外した場合に生じるリムの形状変化(スプリングバック等)の問題にも対応でき、眼鏡フレームの本来の設計に適合した眼鏡フレーム(リム)の溝の形状データを得ることができる。
【0036】
また、制御部50は、三次元形状データFY3Dが得られると、これに基づいてデモレンズDLに形成されているヤゲン頂点の周長値FYCを求める。周長値FYCは、三次元形状データFY3D(Frn、Fθn、Fzn)(n=1,2,3、・・・N)におけるNポイント(例えば、1000ポイント)の各ポイント間の距離を加算することにより得ることができる。外径データFDT、カーブ形状LDC、周長値FYCは、メモリ51に記憶される。三次元形状データFY3Dがメモリ51に記憶されてもよい。デモレンズDLの周長値FYCは、眼鏡レンズのヤゲン加工時に利用される。
【0037】
デモレンズDLの形状測定が終了したら、作業者は、レンズチャック軸102L、102RからデモレンズDLを取り外した後、被加工レンズである眼鏡レンズ(以下、レンズLE)をレンズチャック軸102L、102Rに保持させる。また、作業者は、ディスプレイ5を操作し、レンズLEの加工に必要な外径データFDT等のデータをメモリ51から呼び出す。スイッチ部7の加工スタートスイッチが押されると、レンズチャック軸102L、102Rに新たに保持されたレンズLEのレンズ形状測定及び周縁加工が実行される。
【0038】
初めに、レンズ形状測定ユニット200によって、玉型データである外径データFDTに対応したレンズの前面及び後面のコバ位置が測定される。なお、レンズ形状測定ユニット200のレンズ面測定機能は、レンズチャック軸102L、102Rに保持されたレンズLEのレンズ面形状を測定する機能も兼ねている。レンズの前面及び後面のコバ位置が得られると、その測定データに基づいてレンズLEにヤゲンを形成するための仮のヤゲン軌跡LYT1(Y1rn、Y1θn、Y1zn)(n=1,2,3、・・・N)が制御部50によって設定される。Y1rnは動径長のデータであり、Y1θnは動径角のデータであり、Y1znは動径長及び動径角の座標に対する直交方向であるX方向のデータである。動径長及び動径角は、レンズチャック軸102L、102Rのチャック中心を基準としたデータである。例えば、ヤゲン軌跡LYT1は、レンズLEのコバ厚を所定比率で分割した位置にヤゲン頂点が位置するように設定される。ヤゲン軌跡の演算方法は、これに限られず、種々の周知の方法が適用できる。
【0039】
続いて、設定された仮のヤゲン軌跡LYT1に基づいて、その周長値LYCが制御部50によって演算される(演算方法は、周長値FYCの演算方法と同様である)。周長値LYCが得られると、この周長値LYCとデモレンズDLの周長値FYCとの差を減少させるように補正された補正ヤゲン軌跡LYT2(Y2rn、Y2θn、Y2zn)(n=1,2,3、・・・N)が制御部50によって演算される。補正ヤゲン軌跡LYT2は、例えば、周長値LYCとデモレンズDLの周長値FYCとが一致するように、動径長Y1rnが変更された値で求められる。
【0040】
ヤゲン軌跡が得られると、レンズLEの加工が実行される。制御部50は、デモレンズDLの玉型データに基づいて粗加工具である粗砥石66に対してレンズチャック軸102L、102Rを相対的に移動し、レンズLEの周縁を粗加工する。続いて、制御部50は、補正ヤゲン軌跡LYT2に基づいて、ヤゲン仕上げ加工具である仕上げ用砥石64に対してレンズチャック軸102L、102Rを相対的に移動し、レンズLEの周縁にヤゲンを加工する。レンズLEに形成されるヤゲンは、その周長値LYCがデモレンズDLに形成されていたヤゲン軌跡の周長値FYCに適合するように加工されるので、眼鏡フレーム(リム)に対して良好にフィットするようになる。
【0041】
以上のように、レンズLEの加工に際して、眼鏡レンズ加工装置が本体に備えるレンズ形状測定ユニット200(レンズ外径形状測定ユニット及びレンズ面形状測定ユニット)を利用してデモレンズDLに形成されているヤゲンの形状を得ることができるので、眼鏡枠形状測定装置を別に設けなくても済み、経済的に有利となる。また、装置を大型化せずに、共用機構を多くして、眼鏡フレームの設計に適合したヤゲンをレンズに加工でき、その仕上がり精度を向上できる。