(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記変更処理手段は、前記タッチ操作により前記表示画像に対して拡大あるいは縮小変更処理を行う際は、前記タッチ表示画面上における前記基点画像に関しては拡大あるいは縮小変更処理の対象とせずに、前記表示画像を対象として拡大あるいは縮小変更処理を行う、
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯情報端末。
前記変更処理手段は、前記基点画像が表示されている状態で、その基点画像の表示位置の周りで弧を描くタッチ操作が行われた際は、前記タッチ表示画面に表示される表示画像に対して回転表示するよう制御する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯情報端末。
前記操作手段により前記第2モードへの切り替え操作が行われた際は、前記タッチ表示画面に第2モードに切り替わったことが分かるように表示画像を識別表示する表示制御手段と、
を更に備えたことを特徴とする請求項7に記載の携帯情報端末。
前記変更処理手段は、前記タッチ表示画面に対して第1ジェスチャ操作が行われた際は前記表示画像に対して拡大変更処理を行い、前記タッチ表示画面に対して第2ジェスチャ操作が行われた際は前記表示画像に対して縮小変更処理を行う、
ことを特徴とする請求項7又は8に記載の携帯情報端末。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る情報処理装置10の外観図である。情報処理装置10は、筐体19に、タッチパネル12、操作手段としてのマルチタッチボタン13、キーボード14等が設けられている。
【0011】
タッチパネル12は、入力機能と表示機能を備えており、情報処理装置10に対する通常の操作は、タッチパネル12を介して行われる。マルチタッチボタン13は筐体19の両側側面に設けられ、ユーザは、情報処理装置10を持つ手の人差し指などを使用してマルチタッチボタン13を操作する。表示画像の拡大、縮小、回転などの操作は、タッチパネル12とマルチタッチボタン13を併用して行われる。タッチパネル12で操作し難い文字・数字入力などはキーボード14を介して行われる。
【0012】
図2は、本発明の第1実施形態に係る情報処理装置10の機能構成を示すブロック図である。
図2に示すように、情報処理装置10は、機器の全体的な制御を行うCPU(Central Processing Unit)11と、入力部121と、表示部122とを備えて一体的に構成されるタッチパネル12と、タッチパネル12にマルチタッチ操作を行わせるためのマルチタッチボタン13と、複数の操作キーを有するキーボード14と、CPU11に作業用のメモリ空間を提供するRAM(Random Access Memory)15と、CPU11が実行する制御プログラムや制御データ等を格納した記憶部16と、無線通信部17とを備える。CPU11、タッチパネル12、マルチタッチボタン13、キーボード14、RAM15、記憶部16、無線通信部17は、バス18を介して接続されている。
【0013】
CPU11は、記憶部16に記憶されているシステムプログラムを読み出し、RAM15のワークエリアに展開し、該システムプログラムに従って各部を制御する。また、CPU11は、記憶部16のプログラム記憶部160に記憶されている各種処理プログラムを読み出してワークエリアに展開して処理を実行する。
【0014】
タッチパネル12は、入力部121と、表示部122とを備えて一体的に構成される。表示部122は、LCD(Liquid Crystal Display)、ELD(Electro Luminescent Display)等により構成され、CPU11から入力される表示信号の指示に従って、文字入力画像等の表示画像を表示する。入力部121は、ユーザの指のタッチによる表示部122に表示された画面上の位置入力を受け付け、その位置(座標)情報をCPU11に出力する。入力部121は、例えば、抵抗膜方式等である。
【0015】
キーボード14は、カーソルキー、文字、数字入力キー及び各種機能キーなどを備えた構成であり、操作者による各キーの押下入力を受け付けてその操作情報をCPU11に出力する。
【0016】
RAM15は、揮発性のメモリである。また、RAM15は、実行される各種プログラムやこれら各種プログラムに係るデータ等を格納するワークエリアを有する。
【0017】
記憶部16は、磁気記録媒体を有するHDD(Hard Disk Drive)、不揮発性の半導体メモリ等により構成される。記憶部16には、
図2に示すように、プログラム記憶部160が設けられている。
【0018】
プログラム記憶部160には、CPU11で実行されるシステムプログラムやタッチパネル入力操作処理プログラム161、表示制御プログラム163およびこれらのプログラムの実行に必要なデータ等が記憶されている。
これらのプログラムは、コンピュータ読み取り可能なプログラムコードの形態でプログラム記憶部160に格納されている。CPU11は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
【0019】
タッチパネル入力操作処理プログラム161は、タッチパネル12の入力モードをシングルタッチ入力モードからマルチタッチ擬制操作モードへの切替えてそのマルチタッチ擬制操作モードでの操作を実行するプログラムである。
【0020】
表示制御プログラム163は、マルチタッチ擬制操作モードにおける操作に基づいて、タッチパネル12の表示部122に表示されている画像を画像処理(拡大、縮小、回転)するプログラムである。
【0021】
無線通信部17は、電波の送受信によるデータ通信を行う。無線通信部17の通信方式としては、様々なものを用いることができる。例えば、PDC(Personal Digital Cellular)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communication)、CDMA(Code Division Multiple Access)またはWCDMA(登録商標)(Wideband CDMA)などの通信方式に従って通信を行うことができる。
【0022】
次に、第1実施形態の動作について説明する。
図3に、情報処理装置10において実行されるタッチパネル入力操作処理のフローチャートを示す。タッチパネル入力操作処理は、CPU11と記憶部16に記憶されているタッチパネル入力操作処理プログラム161との協働により実行される。なお、以下に示す処理の前提としてタッチパネル12には、画像操作の対象としての画像が表示されているものとする。
【0023】
先ず、CPU11は、マルチタッチボタン13が押下されたか判断する(ステップS1)。CPU11は、マルチタッチボタン13が押下されたと判断すると(ステップS1;YES)、マルチタッチボタン13の状態設定を押下中に設定する(ステップS2)。次に、CPU11は、現在のタッチパネル12の操作中の位置を基点としてその座標情報をRAM15に記憶し(ステップS3)、ステップS1に戻る。
【0024】
一方、CPU11は、ステップS1にて、マルチタッチボタン13が押下されていないと判断すると(ステップS1;NO)、ステップS4において、マルチタッチボタン13の押下が解除されたか判断する。そして、CPU11は、マルチタッチボタン13の押下が解除されていると判断すると(ステップS4;YES)、ステップS8にて、マルチタッチボタン13の押下中状態を解除するが、マルチタッチボタン13の押下が解除されていないと判断すると(ステップS4;NO)、CPU11は、ステップ5に移行する。
【0025】
次に、CPU11は、ステップ5にて、マルチタッチボタン13の状態が押下中状態であるか否かを判断して、押下中状態でないと判断すると(ステップS5;NO)、ステップS6に移行し、タッチパネル12の操作を通常のタッチパネル操作(すなわち、シングルタッチパネル操作)として扱う。一方、CPU11は、マルチタッチボタン13の状態が押下中状態であると判断すると(ステップS5;YES)、ステップS7に移行し、後述するマルチタッチ操作擬制処理を実行する。
【0026】
図4は、タッチパネル入力操作処理中に行われるマルチタッチ操作擬制処理のフローチャートを示す。
【0027】
CPU11は、タッチパネル12が押下されたか判断する(ステップS11)。タッチパネル12が押下されたと判断すると(ステップS11;YES)、CPU11は、そのタッチパネルの状態設定を移動中状態としてRAM15に記憶する(ステップS12)。
その際、押下されたタッチパネル12上の座標情報も同時にRAM15に記憶する。
そしてステップS13において表示制御処理を開始する。
【0028】
一方、CPU11は、ステップS11でタッチパネル12が押下されていないと判断すると(ステップS11;NO)、ステップS14に移行する。
【0029】
ステップS14でCPU11は、タッチパネル操作が解除されたか否か判断し、解除されないと判断すると(ステップS14;NO)、ステップS15に移行するが、解除されたと判断すると(ステップS14;YES)、ステップS18に移行する。
【0030】
次に、CPU11は、ステップS15にて、タッチパネル12上の移動操作がされているか判断し、移動操作がされていると判断すると(ステップ15;YES)、ステップS16に移行する。
【0031】
次に、CPU11は、ステップS16にて、その移動操作が継続した移動操作の途中であるか否かを判断する。CPU11は、継続した移動操作の途中であると判断すると(ステップS16;YES)、その状態をマルチタッチ擬制操作の移動中であるとしてRAM15に記憶する(ステップS17)。その際、移動中におけるタッチパネル12上の座標情報も同時にRAM15に記憶する。そして、CPU11は、ステップS13において表示制御処理を実行する。一方、その移動操作が継続した移動操作の途中ではないと判断すると(ステップS16;NO)、CPU11は、マルチタッチ操作擬制処理を終了してタッチパネル入力操作処理のステップS1に移行する。
【0032】
次に、CPU11は、ステップS18にて、タッチパネル12上の移動操作中に解除されたか否か判断し、タッチパネル12上の移動操作中に解除されたと判断すると(ステップS18;YES)、移動操作中にユーザが指等を離したと判断して、その状態が非移動中の状態であるという情報をRAM15に記憶する(ステップ19)。そして、CPU11は、マルチタッチ操作擬制処理を終了してタッチパネル入力操作処理のステップS1に移行する。
【0033】
次に、表示制御処理について説明する。
図5は、表示制御処理のフローチャートを示す。
先ず、CPU11は、RAM15に記憶された情報、すなわち、基点Pの座標情報、マルチタッチ操作擬制処理中に押下されたタッチパネル12上の座標情報、操作中の移動軌跡の座標情報を読み込む(ステップS21)。
【0034】
次に、CPU11は、読み込んだ情報を基に、操作が拡大操作であるか否を判断する(ステップS22)。操作が拡大操作であると判断すると(ステップS22;YES)、ステップS23において表示画像を拡大する。そして、表示制御処理を終了して、タッチパネル入力操作処理のステップS1に移行する。
【0035】
次に、CPU11は、操作が拡大操作ではないと判断すると(ステップS22;NO)、ステップS24に移行し、操作が縮小操作であるか否か判断する。操作が縮小操作であると判断すると(ステップS24;YES)、ステップS25において表示画像を縮小する。そして、表示制御処理を終了して、タッチパネル入力操作処理のステップS1に移行する。
【0036】
次に、CPU11は、操作が縮小操作ではないと判断すると(ステップS24;NO)、ステップS26に移行し、操作が回転操作であるか否か判断する。操作が回転操作であると判断すると(ステップS26;YES)、ステップS27において表示画像を回転する。そして、表示制御処理を終了して、タッチパネル入力操作処理のステップS1に移行する。一方、CPU11は、操作が回転操作ではないと判断すると(ステップS26;NO)、表示制御処理を終了して、タッチパネル入力操作処理のステップS1に移行する。
【0037】
以下、タッチパネル入力操作処理によって表示画像が拡大、縮小、回転される様子を
図6〜
図8を用いて具体的に説明する。
図6は、タッチパネル入力操作処理に基づく拡大操作を説明するための図である。
図7は、タッチパネル入力操作処理に基づく縮小操作を説明するための図である。
図8は、タッチパネル入力操作処理に基づく回転操作を説明するための図である。
【0038】
図6(A)に示すように、ユーザにより、タッチパネル12上の基点となる場所が指Xで押下されながらマルチタッチボタン13が指Yで押下されると、CPU11は、押下された点を基点Pとしてその座標情報をRAM15に記憶する。そして、
図6(B)に示すように、タッチパネル12に基点Pが設定され、基点Pを示すカーソルが表示される。なお、カーソルは表示されなくてもよい。
次に、ユーザが、タッチパネル12上で、
図6(C)のように、基点Pに近い場所を指Yで押下し、押下したまま、
図6(D)のように、基点から離れる方向に操作をする。このなぞる操作は一般的にドラッグ操作とよばれる。このような操作時に読み込んだ情報を基に、CPU11は、その操作が拡大操作であると判断し、指示された基点Pを中心に表示画像を拡大表示する。
【0039】
図6に示す例においては、CPU11は、基点Pと、その基点Pが設定された後のタッチパネル操作との相対的な位置関係に応じて、即ち、ドラッグ操作の操作方向が基点Pから離れる方向であることに応じて、その操作が拡大操作であると判断する。
【0040】
次に、
図7を用いて縮小操作について説明する。
図7(A)、
図7(B)は、
図6(A)、
図6(B)と同様である。
図7(C)のように、ユーザは指Yで基点Pに遠い場所を押下し、
図7(D)のように、そのまま、基点Pに近づく方向に指Yでタッチパネル12をなぞる操作をする。このような操作時に読み込んだ情報を基に、CPU11は、その操作が縮小操作であると判断し、指示された基点Pを中心に表示画像を縮小表示する。
図7に示す例においては、CPU11は、基点Pと、その基点Pが設定された後のタッチパネル操作との相対的な位置関係に応じて、ドラッグ操作の操作方向が基点Pに近づく方向であることに応じてその操作が縮小操作であると判断する。
【0041】
次に、
図8を用いて回転操作について説明する。
図8(A)、
図8(B)は、
図6(A)、
図6(B)と同様である。
図8(C)のように、ユーザは指Yで基点Pと異なる場所を押下し、
図8(D)のように、そのまま、基点Pを中心として円弧を描くように例えば右回りにタッチパネル12をなぞる操作を行う。このような操作時に読み込んだ情報を基に、CPU11は、その操作が右回転操作であると判断し、指示された基点Pを中心に表示画像を右回転表示する。表示画像を左回転させるためには、ユーザは指Yで基点Pを中心として円弧を描くように左回りになぞる操作(タッチパネル操作)を行う。このような操作時に読み込んだ情報を基に、CPU11は、その操作が左回転操作であると判断し、指示された基点Pを中心に表示画像を左回転表示する。
【0042】
図8に示す例においては、CPU11は、基点Pと、その基点Pが設定された後のタッチパネル操作との相対的な位置関係に応じて、表示画像に対する画像処理の種類を判断する。
図8(D)においては、基点Pよりも画面上部から右下方向に円弧を描くようにタッチパネル操作が行われているので、CPU11は、その操作が右回転操作であると判断する。また、基点Pを中心として円弧を描くように左回りのタッチパネル操作が行われると、CPU11は、その操作が左回転操作であると判断する。
【0043】
また、
図6、
図7、
図8において、CPU11は、移動軌跡の座標情報、タッチパネル12上の解除点の座標情報から移動軌跡の長さを算出する。そして、移動軌跡の長さを操作量として、操作量に応じて、それぞれ、拡大量(拡大率)、縮小量(縮小率)、回転量(回転角)を決定する。
【0044】
以上のように
図6〜
図8においては、CPU11は、タッチパネル操作の操作方向、操作量、基点Pとその基点Pが設定された後のタッチパネル操作との相対的な位置関係に応じて、タッチパネル12に表示されている表示画像に対する画像処理を行う。
【0045】
また、マルチタッチボタン13は、情報処理装置10の筐体19の周囲側面に設けられている。そのためユーザは、その筐体19を持つ手の指で容易にマルチタッチボタン13を操作することができる。また、マルチタッチボタン13は、筐体19の周囲側面に2個設けられている。ユーザは、例えば、右手で筐体19を持つ場合、右手の人差し指で左側のマルチタッチボタン13を操作することができる。一方、例えばユーザが左手で筐体19を持つ場合、左手の人差し指で右側のマルチタッチボタン13を操作することができる。
【0046】
以上のように、第1実施形態に係る情報処理装置10は、シングルタッチ入力機能を有する入力部121と、入力部121の下面に配置された表示部122と、を有するタッチパネル12を備えた情報処理装置であって、タッチパネル12にマルチタッチ操作を行わせるための操作手段としてのマルチタッチボタン13を備え、CPU11は、マルチタッチボタン13が操作されている状態でタッチパネル操作があった場合、タッチパネル操作の操作方向及び操作量に応じて、表示部122に表示されている表示画像に対する画像処理を行う。
これにより、タッチパネル操作の操作方向、操作量に応じて拡大、縮小、回転という画像処理が行えるので、拡大・縮小操作が回転操作になったりするおそれがなく、シングルタッチ入力機能を有するタッチパネルを備えた情報処理装置において、マルチタッチ入力相当の入力を容易に行うことができる。また、情報処理装置のタッチパネルがマルチタッチ入力機能を有していない場合においても、マルチタッチ入力相当の入力を行うことができる。
【0047】
また、CPU11は、操作手段としてのマルチタッチボタン13が操作されている状態でタッチパネル操作があった場合、タッチパネル12上に基点を設定し、基点と、その基点が設定された後のタッチパネル操作との相対的な位置関係に応じて、操作方向及び操作量を特定し、特定された操作方向及び操作量に応じて、表示部122に表示されている表示画像に対する画像処理を行う。
これにより、基点が設定された後のタッチパネル操作との相対的な位置関係に応じて、操作方向及び操作量を特定するので、拡大・縮小操作が回転操作になったりするおそれがない。
【0048】
また、設定手段としてのCPU11は、操作手段としてのマルチタッチボタン13が操作されている状態でタッチパネル操作があった場合、タッチパネル12上にタッチパネル操作により指示された位置を基点として設定する。
これにより、ユーザに画像処理の基点を設定させることができる。
【0049】
また、CPU11は、基点から離れるタッチパネル操作に応じて表示画像を拡大する画像処理を行う。
これにより、画像の拡大処理を確実に操作することができる。
【0050】
また、CPU11は、基点に近づくタッチパネル操作に応じて表示画像を縮小する画像処理を行う。
これにより、画像の縮小処理を確実に操作することができる。
【0051】
また、CPU11は、基点を中心として弧を描くタッチパネル操作に応じて表示画像を回転させる。
これにより、画像の回転処理を確実に操作することができる。
【0052】
また、情報処理装置10は、タッチパネル12及び表示部122が収納される筺体19を備え、操作手段として、筺体19の周囲側面に設けられた操作ボタンであるマルチタッチボタン13を備え、そのマルチタッチボタン13を押下中は、タッチパネルにマルチタッチ操作を行わせるマルチタッチ擬制モードに切り替わる。
このように、マルチタッチボタン13が筐体19の周囲側面にあることにより、ユーザは、その筐体19を持つ手の指で容易にマルチタッチボタン13を操作することができる。
【0053】
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態に係る情報処理装置20について説明する。なお、第2実施形態に係る情報処理装置20は、第1実施形態に係る情報処理装置と基本的な構成は同一であり、タッチパネル入力操作処理プログラムのみ異なる。よって、同一の構成部分には同一の符号を付し、異なる構成部分及び動作についてのみ説明する。
【0054】
図9は、本発明の第2実施形態に係る情報処理装置20の機能構成を示すブロック図である。第1実施形態に係る情報処理装置10ではタッチパネル入力操作処理プログラム161であったものが、第2実施形態に係る情報処理装置20では、タッチパネル入力操作処理プログラム162である点において異なる。
【0055】
次に、第2実施形態の動作について説明する。
図10に、情報処理装置20において実行されるタッチパネル入力操作処理のフローチャートを示す。タッチパネル入力操作処理は、CPU11と記憶部16に記憶されているタッチパネル入力操作処理プログラム162との協働により実行される。なお、以下に示す処理の前提としてタッチパネル12には、画像操作の対象としての画像が表示されているものとする。
【0056】
タッチパネル入力操作処理は、実施形態1のタッチパネル入力操作処理とほぼ同じである。相違点は、実施形態1のタッチパネル入力操作処理では、拡大、縮小、回転の中心となる基点Pをユーザが設定するのに対し、実施形態2のタッチパネル入力操作処理では、予め定められた基点位置としてタッチパネル12の所定の位置、例えば、タッチパネルの中心位置に設定される点である。
【0057】
先ず、CPU11は、マルチタッチボタン13が押下されたか判断する(ステップS31)。CPU11は、マルチタッチボタン13が押下されたと判断すると(ステップS31;YES)、マルチタッチボタン13の状態設定を押下中に設定する(ステップS32)。次に、CPU11は、タッチパネル12が押下されていれば、次に予め定められた位置としてタッチパネル12の中心位置を基点として、その座標情報をRAM15記憶し(ステップS33)、ステップS31に戻る。
【0058】
次に、CPU11は、ステップS31にて、マルチタッチボタン13が押下されていないと判断すると(ステップS31;NO)、ステップS34において、マルチタッチボタン13の押下が解除されたか判断する。そして、CPU11は、マルチタッチボタン13の押下が解除されていると判断すると(ステップS34;YES)、ステップS38にて、マルチタッチボタン13の押下中状態を解除するが、マルチタッチボタン13の押下が解除されていないと判断すると(ステップS34;NO)、CPU11は、ステップ35に移行する。
【0059】
次に、CPU11は、ステップ35にて、マルチタッチボタン13の状態を判断して、押下中状態でなければステップS36に移行し、タッチパネル12の操作を通常のタッチパネル操作(すなわち、シングルタッチパネル操作)として扱う。マルチタッチボタン13の状態が押下中状態であればステップS37に移行し、後述するマルチタッチ操作擬制処理を実行する。
【0060】
ここで、マルチタッチ操作擬制処理、および、マルチタッチ擬制処理と並行して行われる表示制御処理は第1実施形態における
図4、
図5と同じである。
【0061】
図11は、タッチパネル入力操作処理に基づく拡大操作を説明するための図である。
図12は、タッチパネル入力操作処理に基づく縮小操作を説明するための図である。
図13は、タッチパネル入力操作処理に基づく回転操作を説明するための図である。
ここで、
図11〜13は、第1実施形態の
図6〜8にそれぞれ対応している。
図11〜13と、第1実施形態の
図6〜8との相違点は、
図6〜8各図の(A)(B)において、拡大、縮小、回転の中心となる基点Pをユーザが設定するのに対し、
図11〜13各図の(A)では、基点Pが、予め定められた基点位置としてタッチパネル12の所定の位置、例えば、タッチパネルの中心位置に設定される点である。一方、タッチパネル12上の操作を示す
図11〜13各図の(B)(C)は、
図6〜8各図の(C)(D)と同様である。
【0062】
図11に示す例においては、CPU11は、タッチパネル操作方向が基点から離れる方向であることに応じてその操作が拡大であると判断する。
【0063】
図12に示す例においては、CPU11は、タッチパネル操作の操作方向が基点Pに近づく方向であることに応じてその操作が縮小操作であると判断する。
【0064】
図13に示す例においては、CPU11は、基点Pと、その基点Pが設定された後のタッチパネル操作との相対的な位置関係に応じて、表示画像に対する画像処理の種類を判断する。
図13(D)においては、基点Pよりも画面上部から右下方向に円弧を描くようにタッチパネル操作が行われているので、CPU11は、その操作が右回転操作であると判断する。また、基点Pを中心として円弧を描くように左回りのタッチパネル操作が行われると、CPU11は、その操作が左回転操作であると判断する。
【0065】
また、
図11、
図12、
図13において、CPU11は、移動軌跡の座標情報、タッチパネル12上の解除点の座標情報から移動軌跡の長さを算出する。そして、移動軌跡の長さを操作量として、操作量に応じて、それぞれ、拡大量(拡大率)、縮小量(縮小率)、回転量(回転角)を決定する。
【0066】
以上のように
図11〜
図13において、CPU11は、タッチパネル操作の操作方向、操作量、基点とその基点が設定された後のタッチパネル操作との相対的な位置関係に応じて、タッチパネル12に表示されている表示画像に対する画像処理を行う。
【0067】
なお、実施形態2におけるマルチタッチ操作擬制処理において、CPU11は、
図14のようにして拡大、縮小、回転を判断してもよい。
図14は、実施形態2におけるマルチタッチ操作擬制処理において、拡大、縮小、回転の判断の別の例を示す図である。
図14(A)のように、CPU11は、ユーザの指Yによる左から右に向かって横になぞる操作が行われると、その操作を拡大操作と判断する。また、
図14(B)のように、ユーザの指Yによる上から下に向かって縦になぞる操作が行われると、CPU11は、その操作を縮小操作と判断する。また、
図14(C)のように、ユーザの指Yによる左上から右下へなぞる操作が行われると、CPU11は、その操作を右回転操作と判断する。また、
図14(D)のように、ユーザの指Yによる右上から左下へなぞる操作が行なわれると、CPU11は、その操作を左回転操作と判断する。その場合、操作量が拡大、縮小、回転の量に比例する。
図14の場合、操作方向によって画像処理の種類が判断される。また、操作量に応じて拡大、縮小、回転の量が定まる。
【0068】
以上のように、第2実施形態に係る情報処理装置20は、シングルタッチ入力機能を有する入力部121と、入力部121の下面に配置された表示部122と、を有するタッチパネル12を備えた情報処理装置であって、タッチパネル12にマルチタッチ操作を行わせるための操作手段としてのマルチタッチボタン13を備え、CPU11は、マルチタッチボタン13が操作されている状態でタッチパネル操作があった場合、タッチパネル操作の操作方向及び操作量に応じて、表示部122に表示されている表示画像に対する画像処理を行う。
これにより、タッチパネル操作の操作方向、操作量に応じて拡大、縮小、回転という画像処理が行えるので、拡大・縮小操作が回転操作になったりするおそれがなく、シングルタッチ入力機能を有するタッチパネルを備えた情報処理装置において、マルチタッチ入力相当の入力を容易に行うことができる。また、情報処理装置のタッチパネルがマルチタッチ入力機能を有していない場合においても、マルチタッチ入力相当の入力を行うことができる。
【0069】
また、CPU11は、操作手段としてのマルチタッチボタン13が操作されている状態でタッチパネル操作があった場合、タッチパネル12上に基点を設定し、基点と、その基点が設定された後のタッチパネル操作との相対的な位置関係に応じて、操作方向及び操作量を特定し、特定された操作方向及び操作量に応じて、表示部122に表示されている表示画像に対する画像処理を行う。
これにより、基点が設定された後のタッチパネル操作との相対的な位置関係に応じて、操作方向及び操作量を特定するので、拡大・縮小操作が回転操作になったりするおそれがない。
【0070】
また、CPU11は、タッチパネル12上の予め定められた位置を基点として設定する。
これにより、基点をユーザが設定する必要がない。
【0071】
なお、本発明は、上述の実施の形態に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
たとえば、第2の実施形態では、予め定められた基点の位置は画面中心に設定されているが、画面中心ではない所定の点であってもよい。
【0072】
また、第2の実施形態において、予め定められた基点の位置を、その後のユーザによる押下操作すなわちタッチ操作にて変更設定し、新しく設定され基点を基にマルチタッチ操作擬制処理を行っても良い。
【0073】
また、第1、第2の実施形態では、マルチタッチボタン13が押下されている間はタッチパネル12の入力モードがシングルタッチ入力モードからマルチタッチ擬制操作モードに切替わるが、マルチタッチボタン13の押下の都度、入力モードがシングルタッチ入力モードとマルチタッチ擬制操作モード入力モードとの間で切替わるようにしてもよい。
例えば、タッチパネル12が押下されながらマルチタッチボタン13が押下されて離されると基点が設定されて入力モードがマルチタッチ擬制操作モードに切替わってもよい。そして、再度、マルチタッチボタン13が押下されて離されると、シングルタッチモードに移行するようにしてもよい。
【0074】
本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲は上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記]
<請求項1>
シングルタッチ入力機能を有する入力部と、前記入力部の下面に配置された表示部と、を有するタッチパネルを備えた情報処理装置であって、
前記タッチパネルにマルチタッチ操作を行わせるための操作手段と、
前記操作手段が操作されている状態でタッチパネル操作があった場合、タッチパネル操作の操作方向及び操作量に応じて、前記表示部に表示されている表示画像に対する画像処理を行う制御手段と、
を具備することを特徴とする情報処理装置。
<請求項2>
前記制御手段は、
前記操作手段が操作された場合、前記タッチパネル上に基点を設定する設定手段と、
当該基点と、当該基点が設定された後のタッチパネル操作との相対的な位置関係に応じて、操作方向及び操作量を特定し、特定された操作方向及び操作量に応じて、前記表示部に表示されている表示画像に対する画像処理を行う画像処理手段と、
を具備することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
<請求項3>
前記設定手段は、
前記操作手段が操作されている状態でタッチパネル操作があった場合、前記タッチパネル上にタッチパネル操作により指示された位置を前記基点として設定することを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
<請求項4>
前記設定手段は、前記タッチパネル上の予め定められた位置を前記基点として設定することを特徴とする請求項2記載の情報処理装置。
<請求項5>
前記画像処理手段は、前記基点から離れるタッチパネル操作に応じて表示画像を拡大する画像処理を行う請求項2〜4の何れか一項に記載の情報処理装置。
<請求項6>
前記画像処理手段は、前記基点に近づくタッチパネル操作に応じて表示画像を縮小する画像処理を行う請求項2〜5の何れか一項に記載の情報処理装置。
<請求項7>
前記画像処理手段は、前記基点を中心として弧を描くタッチパネル操作に応じて表示画像を回転させる画像処理を行う請求項2〜6の何れか一項に記載の情報処理装置。
<請求項8>
前記タッチパネル及び前記表示部が収納される筺体を備え、
前記操作手段は、前記筺体の周囲側面に設けられた操作ボタンを備え、
前記操作ボタンを押下中は、前記タッチパネルにマルチタッチ操作を行わせることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の情報処理装置。
<請求項9>
シングルタッチ入力機能を有する入力部と、前記入力部の下面に配置された表示部と、を有するタッチパネルを備えた情報処理装置のコンピュータを、
前記タッチパネルにマルチタッチ操作を行わせるための操作手段、
前記操作手段が操作されている状態でタッチパネル操作があった場合、タッチパネル操作の操作方向及び操作量に応じて、前記表示部に表示されている表示画像に対する画像処理を行う制御手段、
として機能させるためのプログラム。