特許第6236821号(P6236821)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6236821警報表示装置、警報表示方法、警報表示プログラム、および警報システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6236821
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】警報表示装置、警報表示方法、警報表示プログラム、および警報システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 23/00 20060101AFI20171120BHJP
   G08B 5/00 20060101ALI20171120BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20171120BHJP
   G08B 21/10 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   G08B23/00 510D
   G08B5/00 P
   H04M11/00 301
   G08B21/10
【請求項の数】12
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2013-58708(P2013-58708)
(22)【出願日】2013年3月21日
(65)【公開番号】特開2014-182766(P2014-182766A)
(43)【公開日】2014年9月29日
【審査請求日】2015年11月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100133570
【弁理士】
【氏名又は名称】▲徳▼永 民雄
(72)【発明者】
【氏名】林 大二郎
(72)【発明者】
【氏名】福永 隆三
【審査官】 吉村 伊佐雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−221115(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D18/00−21/02
G01W1/00−1/18
G05B15/00−15/02
19/00−19/02
19/06−19/16
23/00−99/00
G06F3/01
3/048−3/0489
G08B1/00−9/20
19/00−31/00
G08C13/00−25/04
H03J9/00−9/06
H04M3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−7/16
11/00−11/10
H04N7/18
H04Q9/00−9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の計測器のそれぞれによって計測された複数の計測値と、複数の警報レベルの判定基準となる複数の判別値を含むデータを格納するデータ格納部と、
前記データ格納部に格納されている前記データに基づいて、前記計測器で計測された計測値に対応する前記警報レベルを決定し、さらに、前記複数の判別値のいずれかを超える値の前記計測値を計測した前記計測器である警報計測器の数を警報計測器数として取得し、所定の図形を前記警報計測器数に分割して得られる複数の部分図形のそれぞれをさらに前記複数の警報レベルの数に分割して複数のストリップの集まりに分割する仕方を図形分割法として決定する決定部と、
前記決定部で決定された前記図形分割法と、前記警報計測器と前記警報計測器で計測された計測値に対応する前記警報レベルに関する情報を出力する出力部と、
前記出力部から出力される前記図形分割法に基づいて、前記所定の図形を前記複数のストリップに分割し表示する表示部と、
を含む警報表示装置。
【請求項2】
前記表示部は、前記複数のストリップのうち前記警報計測器と前記警報計測器で計測された計測値に対応する前記警報レベルで指定されるストリップを強調表示する、請求項1の警報表示装置。
【請求項3】
決定部は、前記所定の図形を前記警報計測器数の前記複数の部分図形に分割する際、前記複数の部分図形の面積は、前記警報計測器で計測された前記計測値に対応する前記警報レベルに比例する、請求項1または2の警報表示装置。
【請求項4】
決定部は、前記所定の図形を前記警報計測器数に分割して得られる前記部分図形をさらに前記複数の警報レベルの数に分割する際、前記所定の図形を同心図形によって分割する、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の警報表示装置。
【請求項5】
さらに、前記警報表示装置の利用者の入力を受ける操作部を備え、
表示部は、前記操作部が操作されると、前記複数のストリップの一部の前記強調表示の形態が変化する、請求項2の警報表示装置。
【請求項6】
前記所定の図形は略円形であり、前記部分図形は扇形である、請求項1乃至5のいずれか一項の警報表示装置。
【請求項7】
前記決定部は、前記略円形を前記警報計測器数の前記複数の扇形に分割する際、前記複数の扇形の中心角は、前記警報計測器で計測された前記計測値に対応する前記警報レベルに比例する、請求項6の警報表示装置。
【請求項8】
前記決定部は、前記略円形を前記警報計測器数に分割して得られる前記扇形をさらに前記複数の警報レベルの数に分割する際、前記略円形を同心円によって、半径方向に等間隔に分割する、請求項6または7の警報表示装置。
【請求項9】
前記強調表示は、ランプの点灯状態または点滅状態である、請求項2または5の警報表示装置。
【請求項10】
コンピュータによって実行される警報表示方法であって、
複数の計測器のそれぞれによって計測された複数の計測値と、複数の警報レベルの判定基準となる複数の判別値を含むデータに基づいて、前記計測器で計測された計測値に対応する前記警報レベルを決定する工程と、
前記複数の判別値のいずれかを超える値の前記計測値を計測した前記計測器である警報計測器の数を警報計測器数として取得し、所定の図形を前記警報計測器数に分割して得られる複数の部分図形のそれぞれをさらに前記複数の警報レベルの数に分割して複数のストリップの集まりに分割する仕方を図形分割法として決定する工程と、
前記図形分割法に基づいて、前記所定の図形を前記複数のストリップに分割し表示する工程と、
を含む警報表示方法。
【請求項11】
複数の計測器のそれぞれによって計測された複数の計測値と、複数の警報レベルの判定基準となる複数の判別値を含むデータに基づいて、前記計測器で計測された計測値に対応する前記警報レベルを決定し、
前記複数の判別値のいずれかを超える値の前記計測値を計測した前記計測器である警報計測器の数を警報計測器数として取得し、
所定の図形を前記警報計測器数に分割して得られる複数の部分図形のそれぞれをさらに前記複数の警報レベルの数に分割して複数のストリップの集まりに分割する仕方を図形分割法として決定し、
前記図形分割法に基づいて、前記所定の図形を前記複数のストリップに分割し表示する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする警報表示プログラム。
【請求項12】
所定の流域内に配置され、それぞれ計測値を計測し複数の計測値を得る複数の計測器と、
警報表示装置であって、
前記複数の計測器のそれぞれによって計測された前記複数の計測値と、複数の警報レベルの判定基準となる複数の判別値を含むデータを格納するデータ格納部と、
前記データ格納部に格納されている前記データに基づいて、前記計測器で計測された計測値に対応する前記警報レベルを決定し、さらに、前記複数の判別値のいずれかを超える値の前記計測値を計測した前記計測器である警報計測器の数を警報計測器数として取得し、所定の図形を前記警報計測器数に分割して得られる複数の部分図形のそれぞれをさらに前記複数の警報レベルの数に分割して複数のストリップの集まりに分割する仕方を図形分割法として決定する決定部と、
前記決定部で決定された前記図形分割法と、前記警報計測器と前記警報計測器で計測された計測値に対応する前記警報レベルに関する情報を出力する出力部と、
前記出力部から出力される前記図形分割法に基づいて、前記所定の図形を前記複数のストリップに分割し表示する表示部と、
を含む警報表示装置と、
を含む警報システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、警報表示装置、警報表示方法、および警報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
天災に係る警報では、複数の判別値(警報定数と呼ぶこともある)によって警報レベルが分類されていることがある。たとえば、ダムの水分状態や河川の状態をリアルタイムで監視するために必要な水位や雨量などの河川情報に関するデータ値は、観測局(水位局と呼ぶこともある)の計測器によって計測される。計測器で得られたこれらのデータ値の値が、正常な範囲を逸脱しているときは、災害を防ぐために洪水予警報や水防警報などの警報を発する必要があるが、警報にはデータ値によって幾つかのレベルが存在する。素早く正しい警報を発するためにも、計測器が示すデータ値が、警報を発するべき範囲の値であるのかどうか、警報を発するべきであればどの警報レベルか、を防災のための非専門家でも、出来るだけ早く且つ正確に判断することが望ましい。河川情報に関しては、短時間での集中豪雨(ゲリラ豪雨)が多発し、防災管理装置やシステム、国や地方自治体、公的機関、民間機関等が定めた防災に関する規則等に必ずしも精通していない者でも、計測器に表示される情報から、素早く正しいレベルでの警報を発することが望ましい。
【0003】
ダム管理用制御処理設備(以下、ダムコンとも呼ぶ)には、観測局に設置された計測器で計測された計測値を表示する表示盤があり、異常な計測値を検知した際には警報が発生し、監視員に注意を促す。計測値や計測値に対する警報レベルをリアルタイムで視覚的に表現するには、計測値を直接表示する、時間の経過に合わせてグラフ表示する、警報レベルをランプを用いて表示する、という3つの方法がある。計測値をグラフを用いて表示する方法では、計測値が所定の値を超えたかどうかを視覚的にユーザに向けて表示する。警報レベルをランプを用いて表示する方法では、ランプを点灯または点滅させることによって、または発光色を変えることによって、警報レベルを視覚的にユーザに向けて表示する。一般には、数字を直接表示する方法だけでは、計測値の警報レベルを判別することが難しいため、グラフによって表示やランプの点灯を併用する。
【0004】
一般に、ダムコンが監視している観測局は複数ある。さらに、複数の判別値によって警報レベルが分類されることがある。例えば、国や地方自治体、公的機関、民間機関等が定めた防災に関する規則では、警報レベルの数は4であり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−276565号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
観測局ごとに警報表示装置を用意すると、一つの流域に属する複数の観測局に設置された計測器で計測された計測値から、流域全体の警報情報を効率よく視認するのが難しいという問題がある。
【0007】
よって、一つの側面として、本発明は、一つの河川の流域に設置されている複数の観測局に備えられる計測器の計測値に対応する警報レベルを一目で視認することを可能とする警報表示装置、警報表示方法、および警報システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
警報表示装置は、複数の計測器のそれぞれによって計測された複数の計測値と、複数の警報レベルの判定基準となる複数の判別値を含むデータを格納するデータ格納部と、データ格納部に格納されているデータに基づいて、計測器で計測された計測値に対応する警報レベルを決定し、さらに、複数の判別値のいずれかを超える値の計測値を計測した計測器である警報計測器の数を警報計測器数として取得し、所定の図形を警報計測器数に分割して得られる複数の部分図形のそれぞれをさらに複数の警報レベルの数に分割して複数のストリップの集まりに分割する仕方を図形分割法として決定する決定部と、決定部で決定された図形分割法と、警報計測器と警報計測器で計測された計測値に対応する警報レベルに関する情報を出力する出力部と出力部から出力される図形分割法に基づいて、所定の図形を複数のストリップに分割し表示する表示部と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
一つの河川の流域に設置されている複数の観測局に備えられる計測器の計測値に対応する警報レベルを一目で視認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態の警報表示装置および方法が適用される状況の例を説明する図である。
図2】実施形態の警報表示装置の機能ブロック図の例である。
図3A】実施形態の警報表示装置の表示部における表示の例である。
図3B】実施形態の警報表示装置の表示部における表示の別の例である。
図3C】実施形態の警報表示装置の表示部における表示のさらに別の例である。
図4】実施形態の警報表示装置の構成の例を示す図である。
図5】実施形態の警報表示装置の表示部における表示に伴う処理の流れの例を示すフローチャートである。
図6図5のフローチャートで表される処理の中の円図形分割数と警報発生局の警報レベルの決定のプロセスでの処理の流れの例を示すフローチャートである。
図7図6のフローチャートで表される処理の中の観測局の警報レベルの決定処理の過程で生成されるテーブルの例を示すである。
図8図6のフローチャートで表される処理の中の観測局の警報レベルの決定処理の結果として生成されるテーブルの例を示すである。
図9図5のフローチャートで表される処理の中の動的な分割領域の設定のプロセスでの処理の流れの例を示すフローチャートである。
図10図9のフローチャートで表される処理の結果として生成されるテーブルの例を示す図である。
図11図5のフローチャートで表される処理の中の警報発生観測局の対象領域の点灯のプロセスでの処理の流れの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、実施形態の一例として、複数の観測局に備えられる計測器で計測された計測値のうち、警報を発すべき値に達した計測値の数だけ所定の図形、たとえば円図形を部分図形、たとえば扇形に分割するとともに、警報レベルの設定数に合わせてそれぞれの部分図形を同心図形に分割し、警報が発せられた計測値の警報レベルに対応した扇形の区域を点灯/点滅させる警報表示装置、警報表示方法、および警報システムが提供される。
【0012】
また、以下では、ダム管理用制御処理設備(以下、ダムコンとも呼ぶ)など、河川の流域に配置された複数の観測局(水位局と呼ぶこともある)に備えられる計測器よって計測され、警報を発すべき値に達した計測値をまとめて表示をする警報表示装置および方法について記載する。
【0013】
一般に、一箇所の観測局に備えられる計測器による水位の計測と、それに基づく警報の発生だけでは、河川の流域全体での監視ができないということがある。たとえば、水位の上昇が、ゲリラ豪雨によるものであるのか、長期的な降雨によるものなのであるのかを判別することが難しいということがある。しかしながら、下記の実施形態に従う警報表示装置、警報表示方法、および警報システムでは、河川の流域に配置された複数の計測器で計測された計測値に対応する警報レベルを一つの所定の図形内に表示することによって、流域全体の状況を一目で視認することができる。また、警報表示装置のための設置スペースを節約することができる。
【0014】
また、以下の実施形態の警報表示装置、警報表示方法、および警報システムは、複数の観測局を有し、計測値が複数の警報レベルによって分類されるような任意の状況に適用可能である。
【0015】
また、以下では、複数の判別値(警報定数と呼ぶこともある)によって警報レベルが分類されている状況を想定する。また、以下では計測値は、河川の水位を想定するが、観測点における雨量など他の計測値であってもよい。
【0016】
図1は、実施形態の警報表示装置および方法が適用される状況の例を説明する図である。
図1には、それぞれ山M1、M2を有する2つの流域A、Bが示されている。山M1を有する流域Aに降った雨量1の雨の水は、河川を下流に流れる。流域Aには、3つの観測局が設置されている。3つの観測局は、観測点A−1、A−2、A−3の3箇所に設置されている。観測点A−1は、観測点A−2の上流に位置する。観測点A−3は、観測点A−1、A−2を含む河川とは別の系統の河川に含まれる。
【0017】
山M2を有する流域Bは、2つの観測局が設置されている。各観測局には、水位等を計測する計測器が設置されている。2つの観測局は観測点B−1、B−2に設置されている。山M2を有する流域Bに降った雨量2の雨に起因する河川の水位の変化は、観測点B−1、B−2に設置された計測器で計測される。
【0018】
以下では、観測点Xに設置されている観測局を、観測局Xと呼ぶことがある。また、ある観測局に備えられる計測器を単に、観測局と呼ぶこともある。
【0019】
たとえば、山M1に非常に大きな量(雨量1)の雨が降るとする。観測点A−2には少なくとも、観測点A−1を含む河川の水と、もう一つ別の河川の水が合流した量の水が流れる。そのほかに、河川の沿岸から流入する水も存在する。
【0020】
図1に示されている状況では、それぞれの流域には、複数の観測局が設置される。また、河川の水量に関しては、公的機関またはその他の機関(民間機関など)が警報を発する基準となる計測値に対する判別値(警報定数)が存在し、計測値は、正常な値のほかに複数の警報レベルに分類される。警報レベルの数の例は4である。たとえば、流域Aの各観測局A−1、A−2、A−3について警報レベルごとに警報ランプを1つずつ用意すると、流域Aだけで12個の警報ランプが必要である。また、観測局の計測値ごとに1つの表示ができるとしても、流域Aだけで3つの表示装置が必要である。それに対し、以下で説明する警報表示装置では、1つの表示部で流域全体の警報情報を表示する、たとえば、円を、警報レベルに達した観測局の数の扇形に、中心角が警報レベルに比例するように分割し、各観測局に対応する扇形の警報レベルに対応する領域を点灯して表示することで、流域全体の警報状況を容易に把握できる。
【0021】
以下で説明する警報表示装置の例は次のような技術的特徴を有する:
(C1)1つの円形またはドーナツ形状の表示部に、それぞれ計測器を備える複数の観測局で得られた計測値とその警報レベルを表示する、
(C2)円形またはドーナツ形状の表示部を、観測局で得られた計測値の表示のための扇型に分割するときの角度を動的に変化させる、
(C3)円形またはドーナツ形状を同心円状に分割し、円形またはドーナツ形状の中心に近いほど警報レベルが低いとし、各観測局に対応する扇型領域のうちの警報レベルに対応するストリップを点灯させる、
(C4)警報レベルの高さに応じて、観測局が並ぶ順番、つまり扇型領域の並ぶ順番を変化させる。
【0022】
特徴(C1)は、計測値が警報を発するべき値以上である観測局の計測値とその警報レベルについてのみ表示するという意味を含む。また、円形は略円形であっても良い。このように複数の警報レベルで区分される複数の計測値を同時に表示させることにより、表示スペースの削減を図ることができる。また、流域内の複数ある計測値の状況を効率的に監視することが可能となる。また、円形または略円形の表示部を用いることで、流域全体の状況を容易に把握できる。
【0023】
特徴(C2)では、警報レベルが高いほど、扇型の中心角を大きくしても良い。円をN分割するとき、円図形分割数はNであるという。警報レベルに合わせて分割比率を動的に変化させることにより、危険箇所の特定を容易にできる。
【0024】
特徴(C4)では、警報レベルが高い順に、円形またはドーナツ形状の12時方向から時計回りに配列しても良い。このような特徴を有することによって、どの観測地点の計測値がどの警報レベルにあるのかを視覚的に効率的に把握することができる。
【0025】
特徴(C−1)〜(C−4)は、円形またはドーナツ形状の表示部を有する警報表示装置に関している。しかしながら、円形またはドーナツ形状は他の所定の図形、たとえば多角形で会ってもよい。そのような場合でも、表示部が円形またはドーナツ形状である装置と同様の作用効果を得ることができる。
【0026】
<警報表示装置>
図2は実施形態の警報表示装置の機能ブロック図の例である。
【0027】
警報表示装置100では、ダムおよびダムに繋がる河川にまたはそれらの周囲に配置された複数の計測器によって計測された計測値または季節や天候等の気象状況を監視する。計測値および気象状況に基づいて、ダムからの放水量を調整する弁や、河川に配置されたゲートなどの河川設備を制御する。また、ダムコントロールシステム10は、公的機関またはその他の機関(民間機関など)が警報を発令する基準となる各計測値に対する判別値(警報定数)と計測値を比較して、警報表示装置100の利用者に対して、河川の沿岸住民等に災害警報を発することを促す表示をする。表示としては、ランプの点灯など光による表示のほか、ブザーを鳴らすなど音による表示が含まれる。
【0028】
警報表示装置100は、複数の計測器で計測された複数の計測値を収集したり、各計測値に対する判別値(警報定数)を入力するなどのための処理を行うための端末A104を含んでいる。一つの端末で一つの測定器によって計測された測定値を処理してもよいし、一つの端末で複数の計測器からの計測値を処理することもできる。また、端末104には、(図示されていない)ディスプレイ、入力装置が接続されている。入力装置はマウス、キーボード、テンキーなどで構成される。
【0029】
警報表示装置100は、複数の観測局で計測された警報閾値以上の計測値を警報レベルとともに、同時に表示する。つまり、複数の観測局で計測された計測値を一つの警報表示装置100でコンパクトに表示することができる。このことから、迅速な防災体制を敷くことができ、災害を最小限に抑えることができる。
【0030】
以下で詳細に説明するように、表示装置100の表示部110は、円形またはドーナツ形状であり得る。ドーナツ形状の場合、中心部分には文字情報等を表示するようにしても良い。
【0031】
警報表示装置100は、上述の端末A104、表示部110、表示制御部114、および操作部116を含んでいる。
【0032】
入力処理部122は、端末A104に接続され、端末A104からデータを受ける。これらの端末A104から受けるデータには、計測器で計測された計測値や河川の沿岸地域の天気や時期等の気象条件などの河川情報、端末から入力された各計測値に対する判別値(警報定数)が含まれる。
【0033】
データ格納部124には、端末A104から受けた河川情報、およびデータ格納部124に警報表示装置100の利用者によって入力された判別値(警報定数)が格納される。河川情報には、どの流域に属するかに関する情報を含む。このようにデータ格納部124は、観測局に設置される複数の計測器のそれぞれによって計測された複数の計測値と、複数の警報レベルの判定基準となる複数の判別値(警報定数)を含むデータを格納する。
【0034】
また、データ格納部124には、後述の図7図8図10図11のように、決定部126の処理に伴って生成されるテーブルを格納しても良い。
【0035】
決定部126では、計測器で計測された計測値を判別値と比較して、表示部110での表示の仕方を決定する。たとえば、決定部126は、複数の観測局で計測された計測値のうち、警報を発すべき値に達した計測値の数だけ円図形を扇形に分割するとともに、警報レベルの設定数に合わせてそれぞれの扇形を同心円状に分割し、警報が発せられた計測値の警報レベルに対応した扇形の区域を点灯/点滅させるように、表示部110での表示の仕方を決定する。以下で詳しく説明するが、図3A〜3Cに示されているように、複数の観測局で計測された計測値のうち、警報を発すべき値に達した計測値の数(円図形分割数)だけ円図形を扇形に分割するとともに、警報レベルの設定数に合わせてそれぞれの扇形を同心円状に分割し、警報が発せられた計測値の警報レベルに対応した扇形の区域(ストリップとも呼ぶ)を点灯/点滅させる。たとえば、計測値の警報レベルに変化があったとき、対応する扇状の区域を点滅させ、ユーザが状況の変化を確認し、操作部116を操作すると点灯状態に遷移させても良い。
【0036】
決定部126によって決定された表示部110での表示の仕方は、表示出力部130に送られる。判別値は天気や季節(洪水期であるか、非洪水期であるかなど)によって自動的に変化させても良い。
【0037】
このように決定部126は、データ格納部124に格納されているデータに基づいて、警報計測器で計測された計測値に対応する警報レベルを決定する。さらに、決定部126は、複数の判別値のいずれかを超える値の計測値を計測した計測器である警報計測器の数を警報計測器数として取得し、所定の図形を警報計測器数に分割して得られる複数の部分図形のそれぞれをさらに複数の警報レベルの数に分割して複数のストリップの集まりに分割する仕方を図形分割法として決定する。ここで、所定の図形は、略円形、正多角形などであっても良い。所定の図形は連続的または離散的な回転対象性を有することが望ましい。所定の図形が円形のとき、部分図形は扇形であってもよい。また、決定部126は、所定の図形、たとえば円を警報計測器数の複数の部分図形、たとえば扇形に分割する際、複数の部分図形のそれぞれの面積は、警報計測器で計測された計測値に対応する警報レベルに比例しても良い。円から切り取られた扇形の面積は、中心角に比例する。また、決定部126は、所定の図形、たとえば円を警報計測器数に分割して得られる部分図形、たとえば扇形をさらに複数の警報レベルの数に分割する際、所定の図形を同心図形によって分割しても良い。たとえば、所定の図形が略円形である場合、同心円で区分けされるように、一つの扇形を複数のストリップに分割しても良い。
【0038】
操作部116の一例は、ボタンによって構成される。操作部116は、たとえば、表示部110における表示で点滅と点灯で意味がことなる場合、点灯/点滅状態の変化のために警報表示装置100の利用者によって操作される。
【0039】
また操作部116には、警報表示装置100の利用者が、後に説明する表示部110の表示を選択するための入力を行っても良い。このために、操作部116は、ボタンやキーボードやテンキーを備えていても良い。
【0040】
表示制御部114は、入力処理部122、データ格納部124、決定部126、操作入力部128、および表示出力部(単に出力部とも呼ぶ)130を含んでいる。表示出力部130は、表示部110に接続されている。
【0041】
操作部116に入力された警報表示装置100のユーザの指示は操作入力部128に送られる。操作入力部128では、利用者の指示を決定部126、表示出力部130に転送する。
【0042】
表示出力部(出力部とも呼ぶ)130は、表示部110に接続されている。表示出力部130は、決定部126で決定された図形分割法と、警報計測器と警報計測器で計測された計測値に対応する前記警報レベルに関する情報を表示部110に出力する。
【0043】
このように表示出力部130は、決定部126で決定された円分割法と、警報計測器と警報計測器で計測された計測値に対応する警報レベルに関する情報を送る。
【0044】
表示部110は、LED等のランプを集め、それらを所定の図形の形になるように配置することによって構成される。所定の図形は略円形であり得る。ランプのそれぞれは、表示出力部130からの命令によって強調表示する。強調表示は、点灯または消灯であり得る。ランプが短い時間間隔で点灯と消灯を繰り返すとき、ランプは点滅すると呼ばれる。また、表示部110のランプは、複数のランプが同期して動作することによって、所定の情報に関する表示をする。表示部110の表示は、データ格納部124に格納されたデータを参照して決定部126でなされた決定に従って、または操作入力部128からの命令に従って、表示出力部130が表示部110の各ランプの動作を制御することによって得られる。
【0045】
このように表示部110は、たとえば円などの所定の図形の形状を有し、表示出力部130から出力される図形分割法に基づいて、所定の図形を複数のストリップに分割し表示する。また、表示部110は、複数のストリップのうち警報計測器と警報計測器で計測された計測値に対応する警報レベルで指定されるストリップを強調表示する。強調表示とは点灯または点滅であり得る。
【0046】
表示部110が複数の強調表示を有するとき、それらの強調表示の間の遷移は、操作部116からの警報表示装置100のユーザの指示によって引き起こされても良い。たとえば、表示部110のランプの点滅状態から点灯状態への遷移または点灯状態から点滅状態への遷移は、操作部116からの警報表示装置100のユーザの指示によって引き起こされても良い。
【0047】
表示部110の表示は、警報表示装置100の操作部116を介して利用者からの入力に基づいてレイアウトされる。利用者からの入力に関する情報を操作部116から受けた操作入力部128は、その情報を表示出力部130に送る。表示出力部130では、決定部126がデータ格納部124に格納されたデータおよび/または入力処理部122が外部の端末104から受けたデータに基づいて決定した、河川情報に関連する計測値に関する情報を警報情報と共に表示する。
【0048】
<表示部の表示>
図3A〜3Cを参照して、警報表示装置100の表示部110の表示について説明する。本例では、表示部110は円形をしているものとする。しかしながら、表示部110は他の形状であっても良い。また、表示部110は、中心部分に流域と総雨量が表示されるように構成されている。
【0049】
図3A〜3Cでは、警報レベルの数が4である状況を想定するが、もちろん、警報レベルの数は4以外の値であ会ってもよい。
【0050】
図3Aは下の表1のように、観測点A−1での計測値だけが警報レベル1に相当し、他の観測点A−2、A−3での計測値は、警報レベルに達していない状況を示す表示の例である。
【表1】
【0051】
表1では、その値を超えると警報を発する警報定数以上の測定値を有する観測点は観測点A−1の1箇所のみである。よって、図3Aにおいて、警報表示装置100の表示部110の円は複数の扇形には分割されない。警報表示装置100の表示部110の円は同心円によって4つの領域201、202、203、204に分割される。
【0052】
中心部分211には、流域は図1の流域Aで総雨量が雨量1であることが示されている。
【0053】
このとき、円は観測点A−1における警報レベルを表示することができる。たとえば、領域201が点灯すれば、観測点A−1で警報レベル1に相当する計測値が計測されたことを示す。よって、図3Aでは、領域201が点灯している。領域201および領域202が点灯すれば、観測点A−1で警報レベル2に相当する計測値が計測されたことを示し、領域201、領域202および領域203が点灯すれば、観測点A−1で警報レベル3に相当する計測値が計測されたことを示す。また、領域201〜204の全ての領域が点灯すれば、観測点A−1で警報レベル4に相当する計測値が計測されたことを示す。
【0054】
このように、複数の警報レベルがある、複数の計測値を同時に表示させることにより、表示スペースの削減を図ることができる。
【0055】
図3Bは下の表2のように、観測点A−1とA−2の計測値が警報レベル1に相当し、観測点A−3での計測値は、警報レベルに達していない状況を示す表示の例である。
【表2】
【0056】
表2では、その値を超えると警報を発する警報定数以上の測定値を有する観測点(警報発生局)は観測点A−1、A−2の2箇所である。しかも、観測点A−1、A−2の計測値はいずれも、警報レベル1に相当する。よって、図3Bでは、警報表示装置100の表示部110の円は2つの半円に分割される。このとき、円図形分割数は2である。さらに、警報表示装置100の表示部110の円は同心円によって4つの領域に分割される。結局、円は8個のストリップ201a、201b、202a、202b、203a、203b、204a、204bに分割される。ストリップ201aが点灯すれば、観測点A−1で警報レベル1に相当する計測値が計測されたことを示す。ストリップ201bが点灯すれば、観測点A−2で警報レベル1に相当する計測値が計測されたことを示す。よって、図3Bでは、ストリップ201a、201bが点灯している。ストリップ201aおよびストリップ202aが点灯すれば、観測点A−1で警報レベル2に相当する計測値が計測されたことを示す。以下、ストリップ202b、203a、203b、204a、204bについても同様である。
【0057】
また、中心部分211には、流域は図1の流域Aで総雨量が雨量1であることが示されている。
【0058】
このように、警報発生数に合わせて、円形の分割数を動的に決定することによって、表示部110を効率的に利用して、必要な情報を警報表示装置100のユーザに示すことができる。また、同じ流域内の複数ある計測値の状況を効率的に監視することができる。
【0059】
図3Cは、下の表3のように、観測点A−1とA−2の計測値が警報レベル2に相当し、観測点A−3での計測値が警報レベル1に相当する状況を示す表示の例である。
【表3】
【0060】
表3では、観測点A−1〜A−3の全ての地点の計測値が警報定数以上であり、しかも観測点A−1、A−2の計測値は警報レベル2に相当し、観測点A−3では警報レベル1に相当する。よって、図3Cでは、警報表示装置100の表示部110の円は観測点A−1、A−2、A−3に対応する3つの扇形に分割され、その3つの中心角は、警報レベルの大きさに比例して、2:2:1である。すなわち、観測点A−1に対応する扇形(201a、202a、203a、204a)の中心角は360/(2+2+1)×2=144度、観測点A−2に対応する扇形(201b、202b、203b、204b)の中心角は360/(2+2+1)×2=144度、観測点A−3に対応する扇形(201c、202c、203c、204c)の中心角は360/(2+2+1)×1=72度である。結局、円は12個のストリップ201a、201b、201c、202a、202b、202c、203a、203b、203c、204a、204b、204cに分割される。ストリップ201aが点灯すれば、観測点A−1で警報レベル1に相当する計測値が計測されたことを示す。このように、警報レベルに合わせて分割比率を動的に変化させることにより、警報表示装置100のユーザは表示部110の表示から、危険箇所の特定を容易にできる。
【0061】
図3Cの例では、観測点A−1の計測値に対応するストリップ201a、202a、203a、204aのうち、警報レベル2に対応するストリップ201aおよび202aが点灯する。また、観測点A−2の計測値に対応するストリップ201b、202b、203b、204bのうち、警報レベル2に対応するストリップ201bおよび202bが点灯する。また、観測点A−3の計測値に対応するストリップ201c、202c、203c、204cのうち、警報レベル1に対応するストリップ201cが点灯する。
【0062】
上では、各ストリップ、たとえばストリップ201aは点灯するのみであった。しかしながら、たとえば、ストリップ201aは当初は点滅し、警報表示装置100のユーザが、操作部116を操作することによって、点滅状態から点灯状態に遷移させても良い。操作部116がボタンの場合、操作部116の操作とは、ボタンを押すことであっても良い。このように、表示部110の表示で、点滅状態と点灯状態を使い分けることによって、警報表示装置100のユーザは、流域の状況の変化を確実に把握することができる。
【0063】
次に図4を用いて、警報表示装置100に使用可能なコンピュータ1200の構成の例について説明する。
【0064】
コンピュータ1200は、MPU1202、ROM1204、RAM1206、ハードディスク装置1208、入力装置1210、表示装置1212、インタフェース装置1214、及び記録媒体駆動装置1216を備えている。なお、これらの構成要素はバス1220を介して接続されており、MPU1202の管理の下で各種のデータを相互に授受することができる。
【0065】
MPU(Micro Processing Unit)1202は、このコンピュータ1200全体の動作を制御する演算処理装置であり、コンピュータ1200の制御処理部として機能する。
【0066】
ROM(Read Only Memory)1204は、所定の基本制御プログラムが予め記録されている読み出し専用半導体メモリである。MPU1202は、この基本制御プログラムをコンピュータ1200の起動時に読み出して実行することにより、このコンピュータ1200の各構成要素の動作制御が可能になる。
【0067】
RAM(Random Access Memory)1206は、MPU1202が各種の制御プログラムを実行する際に、必要に応じて作業用記憶領域として使用する、随時書き込み読み出し可能な半導体メモリである。
【0068】
ハードディスク装置1208は、MPU1202によって実行される各種の制御プログラムや各種のデータを記憶しておく記憶装置である。MPU1202は、ハードディスク装置1208に記憶されている所定の制御プログラムを読み出して実行することにより、後述する各種の制御処理を行えるようになる。このコンピュータ1200を図2の警報表示装置100として使用する場合には、このハードディスク装置1208が、データ格納部124として利用され得る。
【0069】
入力装置1210は、図2の操作部116に相当する。図2の装置の利用者により操作されると、その操作内容に対応付けられている各種情報の入力を取得し、取得した入力情報をMPU1202に送付する。
【0070】
表示装置1212は、表示部110に相当し、MPU1202から送付されるデータに応じて数字、図面、音声等の表示を行う。
【0071】
インタフェース装置1214は、このコンピュータ1200に接続される各種機器との間での各種情報の授受の管理を行う。より具体的には、インタフェース装置1214は、例えば、端末A104から通信ネットワークを介して行われる、河川データ等のデータの受け取りを管理する。
【0072】
記録媒体駆動装置1216は、可搬型記録媒体1218に記録されている各種の制御プログラムやデータの読み出しを行う装置である。MPU1202は、可搬型記録媒体1218に記録されている所定の制御プログラムを、記録媒体駆動装置1216を介して読み出して実行することによって、後述する各種の制御処理を行うようにすることもできる。なお、可搬型記録媒体1218としては、例えばUSB(Universal Serial Bus)規格のコネクタが備えられているフラッシュメモリ、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)などがある。
【0073】
このようなコンピュータ1200を用いて警報表示装置100を構成するには、例えば、後述する各種の制御処理をMPU1202に行わせるための制御プログラムを作成する。作成された制御プログラムはハードディスク装置1208若しくは可搬型記録媒体1218に予め格納しておく。そして、MPU1202に所定の指示を与えてこの制御プログラムを読み出させて実行させる。こうすることで、警報表示装置100が備えている機能がMPU1202により提供される。従って、このコンピュータ1200が警報表示装置100として機能するようになる。
【0074】
このように、複数の観測局で計測された計測値のうち、警報が発せられた計測値の数だけ円図形を扇型に分割するとともに、警報レベルの設定数に合わせてそれぞれの扇形を同心円状に分割し、警報が発せられた計測値の警報レベルに対応する扇形領域を表示することによって、防災の非専門家であっても河川の流域全体の状況を視覚的に素早く認識することができる。
【0075】
また、上記の警報表示装置と、図1に示されているようにある流域の河川の観測点に配置された計測器は、警報システムを構成する。計測器によって計測された計測値は、警報表示装置100の表示制御部114の入力処理部122に入力される。
【0076】
上記のような警報表示装置、警報システムによって、流域に設置されている複数の観測局に備えられる計測器の計測値に対応する警報レベルを一目で視認し、一つの河川の流域全体の雨量、水位状況を容易に判断することができる。
【0077】
<警報表示装置の処理>
図5〜11を参照して、警報表示装置100の処理について説明する。
【0078】
図5は、実施形態の警報表示装置の表示部における表示に伴う処理の流れの例を示すフローチャートである。以下の処理は定期的に、または連続的に繰り返し処理される。また、装置が図4に示されているような汎用コンピュータである場合には、下記の説明は、そのような処理を行う制御プログラムを定義する。すなわち、以下の説明は、汎用コンピュータに行わせる制御プログラムの説明でもある。
【0079】
S100で警報表示装置100の決定部126は、データ格納部124に格納されたデータを用いて、円図形分割数と警報発生局の警報レベルを決定する。また、S100では、円を同心円状に警報レベルの数に分割する。
【0080】
例えば図3Bに示されているような状況では、警報表示装置100の決定部126は、表示制御部114のデータ格納部124に格納されている各観測局の計測データを参照し、その値を超えると警報を発する警報定数以上の測定値を有する観測点(警報発生局)の数から円図形分割数を2と決定する。また、警報発生局における測定値はともに警報レベル1であると決定する。
【0081】
図6は、図5のS100の処理についての詳しい処理の流れを示すフローチャートである。
S102で警報表示装置100の決定部126は、パラメータの初期化を行う。本処理でのパラメータは、観測局を指定する整数i、警報が発生した観測局(警報発生局)の数を表す整数c、警報発生局の計測値が対応する警報レベルjである。これらをたとえば、i=0、c=0、j=1のように初期値に設定する。そして、処理はS104に進む。
【0082】
S104で警報表示装置100の決定部126は、観測局を指定する整数iを1つ増やす。そして、処理はS106に進む。
【0083】
S106で警報表示装置100の決定部126は、データ格納部124からi番目の観測局の測定値Miを取得する。そして、処理はS108に進む。
【0084】
S108で警報表示装置100の決定部126は、i番目の観測局の測定値Miは、i番目の観測局のj番目の警報定数Kijより大きいか、つまりMi<Kijであるかどうかを判定する。この判定の結果がNO、すなわちi番目の観測局のj番目の警報定数Kijより以上(Mi≧Kij)であれば、S110に進む。また、この判定の結果がYES、すなわちi番目の観測局のj番目の警報定数Kijより小さければ(Mi<Kij)、S112に進む。
【0085】
S110で警報表示装置100の決定部126は、jの値を1つ増やす。そして、S108に進む。
【0086】
S108、S110の処理では、図7のような観測局と各観測局の計測値に対応する警報レベルのテーブルが作成される。図7は、1番目の観測局の計測値が警報レベル1に相当する状況を示している。
【0087】
S112で警報表示装置100の決定部126は、i番目の観測局の警報レベルをLi=j−1に設定する。そして、処理はS114に進む。
【0088】
S114で警報表示装置100の決定部126は、i番目の観測局の警報レベルLiは0かどうかを判定する。この判定の結果がNO、すなわちi番目の観測局の警報レベルLiは0でない場合は、S116に進む。この判定の結果がYES、すなわちi番目の観測局の警報レベルLiは0である場合は、S118に進む。
【0089】
S116で警報表示装置100の決定部126は、警報が発生した観測局の数cの値を1つ増やす。そして、処理はS118に進む。
【0090】
S118で警報表示装置100の決定部126は、パラメータiが観測局の総数N以上かを判定する。この判定の結果がNO、すなわちパラメータiが観測局の総数Nより小さい場合、S102に進む。この判定の結果がYES、すなわちパラメータiが観測局の総数N以上である場合、処理は終了する。
【0091】
図6の処理の結果、警報表示装置100の決定部126は、図8のような各観測局とそこで計測された計測値が対応する警報レベルの情報を含むテーブルを作成する。
図7図8のようなテーブルは一旦、データ格納部124に格納されても良い。
【0092】
図5に戻って、S200で警報表示装置100の決定部126は、動的な分割領域の設定をする。
図3Bの例では、警報発生局A−1、A−2における測定値はともに警報レベル1であるので、警報表示装置100の表示部110の円は2つの半円に分割される。
【0093】
図3Cの例では、観測点A−1〜A−3の全ての地点の計測値が警報定数以上であり、しかも観測点A−1、A−2の計測値は警報レベル2に相当し、観測点A−3では警報レベル1に相当する。よって、図3Cでは、警報表示装置100の表示部110の円は観測点A−1、A−2、A−3に対応する3つの扇形に分割され、その3つの中心角は、警報レベルの大きさに比例して、2:2:1となるように円を分割する。すなわち、観測点A−1に対応する扇形(201a、202a、203a、204a)の中心角は360/(2+2+1)×2=144度、観測点A−2に対応する扇形(201b、202b、203b、204b)の中心角は360/(2+2+1)×2=144度、観測点A−3に対応する扇形(201c、202c、203c、204c)の中心角は360/(2+2+1)×1=72度となるように分割する。
【0094】
図9は、図5のS200の処理についての詳しい処理の流れを示すフローチャートである。
S202で警報表示装置100の決定部126は、パラメータの初期化を行う。本処理でのパラメータは、観測局を指定する整数iと、警報発生局の数を表す整数kである。これらをたとえば、i=0、k=1のように初期値に設定する。そして、処理はS204に進む。
【0095】
S204で警報表示装置100の決定部126は、i番目の観測局の警報レベルをLiを全ての観測局にわたる和Lを計算する。Lは、次式で表される。
【数1】
この和Lは、円を複数の扇形に分割する際、各扇形の中心角を決定する際に用いられる。そして、処理はS206に進む。
【0096】
S206で警報表示装置100の決定部126は、警報が発生した観測局の数cは0かどうかを判定する。この判定がNO、すなわち警報が発生した観測局の数cは1以上であれば、S208に進む。また、この判定がYES、すなわち警報が発生した観測局の数cは0であれば、S216に進む。
【0097】
S208で警報表示装置100の決定部126は、観測局を指定するパラメータiを1つ増やす。
【0098】
次のS210で警報表示装置100の決定部126は、i番目の観測局の警報レベルLiは0かどうかを判定する。この判定の結果がNO、すなわちi番目の観測局の警報レベルLiは1以上であれば、S210に進む。また、この判定の結果がYES、すなわちi番目の観測局の警報レベルLiは0であれば、S216に進む。
【0099】
S212で警報表示装置100の決定部126は、円図形におけるi番目の扇状領域の中心角θiを求める。たとえば、i番目の観測局の警報レベルがLiの場合、i番目の扇状領域の中心角θiは、
【数2】
で計算される。
【0100】
次のS214で警報表示装置100の決定部126は、警報発生局の数を表すパラメータkの値を1つ増やす。そして、処理はS216に進む。
【0101】
S216では、警報発生局の数を表すパラメータkの値は警報が発生した観測局の数cより小さいかどうかを判定する。この判定の結果がNO、すなわちkの値は警報が発生した観測局の数c以上である場合は、S218に進む。また、この判定の結果がYES、すなわちkの値は警報が発生した観測局の数cより小さい場合は、S208に進む。
【0102】
S218で警報表示装置100の決定部126は、円図形におけるi番目の領域の中心角θiを降順にソートする。この処理を行うことによって、円図形には、12時の方向から時計回りに、警報レベルが高い観測点で計測されたデータに対応する警報レベルが表示される。本ステップの処理は省略することもできる。
【0103】
本ステップの処理を省略した場合、円図形には、12時の方向から時計回りに観測局を示すインデックスiの順に観測点で計測されたデータに対応する警報レベルが表示される。
【0104】
図10は、図9の処理の結果として生成されるテーブルの例である。
図10のex1)では、i=1の観測局の計測値は警報レベル2(Li=2)であり、i=2、3の観測局の計測値はともに警報レベル1(Li=1)である状況である。この場合、i=1の観測局の計測値に対応する扇形領域の中心角は180度、i=2、3の観測局に対応する扇形の中心角はともに90度である。
【0105】
図10のex2)では、i=1、2、3、4の観測局の計測値はともに警報レベル1(Li=1)である状況である。この場合、i=1、2、3、4の観測局の計測値に対応する扇形領域の中心角は全て90度である。
【0106】
図10のex3)では、i=1、2、3の観測局の計測値はともに警報レベル2(Li=2)であり、i=4、5の観測局の計測値はともに警報レベル1(Li=1)である状況である。この場合、i=1、2、3の観測局の計測値に対応する扇形領域の中心角は90度、i=4、5の観測局に対応する扇形の中心角はともに45度である。
【0107】
図10のex4)では、i=1の観測局の計測値は警報レベル3(Li=3)であり、i=2、3の観測局の計測値はともに警報レベル2(Li=2)、i=4の観測局の計測値は警報レベル1(Li=1)である状況である。
【0108】
図5に戻って、次のS300で警報表示装置100の決定部126は、警報発生局の対象領域の点灯をする。
【0109】
図3Bの例では、決定部126は表示出力部130に、表示部110のストリップ201a、201bを点灯するように指令を出し、表示部110はストリップ201a、201bを点灯する。
【0110】
図3Cの例では、決定部126は表示出力部130に、表示部110のストリップ201a、202a、201b、202b、および201cを点灯するように指令を出し、表示部110はストリップ201a、202a、201b、202b、および201cを点灯する。
【0111】
図11は、図5のS300の処理についての詳しい処理の流れを示すフローチャートである。
S302で警報表示装置100の決定部126は、パラメータの初期化を行う。本処理でのパラメータは、警報発生局の数を表す整数kである。これらをたとえば、k=1のように初期値に設定する。そして、処理はS304に進む。
【0112】
S304で警報表示装置100の決定部126は、警報が発生した観測局の数cは0かどうかを判定する。この判定がNO、すなわち警報が発生した観測局の数cは1以上であれば、S306に進む。また、この判定がYES、すなわち警報が発生した観測局の数cは0であれば、処理は終了する。
【0113】
S306で、i番目の扇形領域の(内側から)Li番目のストリップまで点灯させる。そして、処理はS308に進む。
【0114】
S308では、警報発生局の数を表すパラメータkの値を1つ増やす。そして、処理はS310に進む。
【0115】
S310では、警報発生局の数を表すパラメータkの値は警報が発生した観測局の数cより小さいかどうかを判定する。この判定の結果がNO、すなわちkの値は警報が発生した観測局の数c以上である場合は、処理は終了する。また、この判定の結果がYES、すなわちkの値は警報が発生した観測局の数cより小さい場合は、S304に進む。
【0116】
このような処理によって、流域に設置されている複数の観測局に備えられる計測器の計測値に対応する警報レベルを一目で視認し、一つの河川の流域全体の雨量、水位状況を容易に判断することができる。
【0117】
以上の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
複数の計測器のそれぞれによって計測された複数の計測値と、複数の警報レベルの判定基準となる複数の判別値を含むデータを格納するデータ格納部と、
前記データ格納部に格納されている前記データに基づいて、前記計測器で計測された計測値に対応する前記警報レベルを決定し、さらに、前記複数の判別値のいずれかを超える値の前記計測値を計測した前記計測器である警報計測器の数を警報計測器数として取得し、所定の図形を前記警報計測器数に分割して得られる複数の部分図形のそれぞれをさらに前記複数の警報レベルの数に分割して複数のストリップの集まりに分割する仕方を図形分割法として決定する決定部と、
前記決定部で決定された前記図形分割法と、前記警報計測器と前記警報計測器で計測された計測値に対応する前記警報レベルに関する情報を出力する出力部と、
前記所定の図形の形状を有し、前記出力部から出力される前記分割法に基づいて、前記所定の図形を前記複数のストリップに分割し表示する表示部と、
を含む警報表示装置。
(付記2)
前記表示部前記所定の図形の形状を有し、前記出力部から出力される前記分割法に基づいて、前記所定の図形を前記複数のストリップに分割し、前記複数のストリップのうち前記警報計測器と前記警報計測器で計測された計測値に対応する前記警報レベルで指定されるストリップを強調表示する、付記1の警報表示装置。
(付記3)
決定部は、前記所定の図形を前記警報計測器数の前記複数の部分図形に分割する際、前記複数の部分図形の面積は、前記警報計測器で計測された前記計測値に対応する前記警報レベルに比例する、付記1または2の警報表示装置。
(付記4)
決定部は、前記所定の図形を前記警報計測器数に分割して得られる前記部分図形をさらに前記複数の警報レベルの数に分割する際、前記所定の図形を同心図形によって分割する、付記1乃至3のいずれか一項に記載の警報表示装置。
(付記5)
さらに、前記警報表示装置の利用者の入力を受ける操作部を備え、
表示部は、前記操作部が操作されると、前記複数のストリップの一部の前記強調表示の形態が変化する、付記1乃至4のいずれか一項の警報表示装置。
(付記6)
前記所定の図形は略円形であり、前記部分図形は扇形である、付記1乃至5のいずれか一項の警報表示装置。
(付記7)
前記決定部は、前記略円形を前記警報計測器数の前記複数の扇形に分割する際、前記複数の扇形の中心角は、前記警報計測器で計測された前記計測値に対応する前記警報レベルに比例する、付記6の警報表示装置。
(付記8)
前記決定部は、前記略円形を前記警報計測器数に分割して得られる前記扇形をさらに前記複数の警報レベルの数に分割する際、前記略円形を同心円によって、半径方向に等間隔に分割する、付記6または7の警報表示装置。
(付記9)
前記強調表示は、ランプの点灯状態または点滅状態である、付記1乃至8のいずれか一項の警報表示装置。
(付記10)
コンピュータによって実行される警報表示方法であって、
複数の計測器のそれぞれによって計測された複数の計測値と、複数の警報レベルの判定基準となる複数の判別値を含むデータに基づいて、前記計測器で計測された計測値に対応する前記警報レベルを決定する工程ことと、
前記複数の判別値のいずれかを超える値の前記計測値を計測した前記計測器である警報計測器の数を警報計測器数として取得し、所定の図形を前記警報計測器数に分割して得られる複数の部分図形のそれぞれをさらに前記複数の警報レベルの数に分割して複数のストリップの集まりに分割する仕方を図形分割法として決定する工程と、
前記分割法に基づいて、前記所定の図形を前記複数のストリップに分割し表示する工程と、
を含む警報表示方法。
(付記11)
さらに、前記複数のストリップのうち前記警報計測器と前記警報計測器で計測された計測値に対応する前記警報レベルで指定されるストリップを強調することを含む、付記10の警報表示装置。
(付記12)
前記所定の図形を前記警報計測器数の前記複数の部分図形に分割する際、前記複数の部分図形の面積は、前記警報計測器で計測された前記計測値に対応する前記警報レベルに比例する、付記10または11に記載の警報表示方法。
(付記13)
前記所定の図形を前記警報計測器数に分割して得られる前記部分図形をさらに前記複数の警報レベルの数に分割する際、前記所定の図形を同心図形によって分割する、付記10乃至12のいずれか一項に記載の警報表示方法。
(付記14)
さらに、
利用者の入力を受けることと、
前記利用者の入力に応答して、前記複数のストリップの一部の前記強調表示の形態が変化する、付記10乃至13のいずれか一項に記載の警報表示方法。
(付記15)
前記所定の図形は略円形であり、前記部分図形は扇形である、付記10乃至14のいずれか一項に記載の警報表示方法。
(付記16)
前記略円形を前記警報計測器数の前記複数の扇形に分割する際、前記複数の扇形の中心角は、前記警報計測器で計測された前記計測値に対応する前記警報レベルに比例する、付記15に記載の警報表示方法。
(付記17)
前記略円形を前記警報計測器数に分割して得られる前記扇形をさらに前記複数の警報レベルの数に分割する際、前記略円形を同心円によって、半径方向に等間隔に分割する、付記15または16に記載の警報表示方法。
(付記18)
前記強調表示は、ランプの点灯状態または点滅状態である、付記10乃至17のいずれか一項に記載の警報表示方法。
(付記19)
所定の流域内に配置され、それぞれ計測値を計測し複数の計測値を得る複数の計測器と、
警報表示装置であって、
前記複数の計測器のそれぞれによって計測された前記複数の計測値と、複数の警報レベルの判定基準となる複数の判別値を含むデータを格納するデータ格納部と、
前記データ格納部に格納されている前記データに基づいて、前記計測器で計測された計測値に対応する前記警報レベルを決定し、さらに、前記複数の判別値のいずれかを超える値の前記計測値を計測した前記計測器である警報計測器の数を警報計測器数として取得し、所定の図形を前記警報計測器数に分割して得られる複数の部分図形のそれぞれをさらに前記複数の警報レベルの数に分割して複数のストリップの集まりに分割する仕方を図形分割法として決定する決定部と、
前記決定部で決定された前記図形分割法と、前記警報計測器と前記警報計測器で計測された計測値に対応する前記警報レベルに関する情報を出力する出力部と、
前記所定の図形の形状を有し、前記出力部から出力される前記分割法に基づいて、前記所定の図形を前記複数のストリップに分割し表示する表示部と、
を含む警報表示装置と、
を含む警報システム。
(付記20)
前記警報表示装置の前記表示部は、前記複数のストリップのうち前記警報計測器と前記警報計測器で計測された計測値に対応する前記警報レベルで指定されるストリップを強調する、付記19に記載の警報システム。
(付記21)
前記複数の計測器は、前記流域内を流れる河川に配置される、付記19または20に記載の警報システム。
(付記22)
前記複数の計測器は前記河川の水位を計測する、付記19乃至21のいずれか一項に記載の警報システム。
(付記23)
前記警報表示装置の前記決定部は、前記所定の図形を前記警報計測器数の前記複数の部分図形に分割する際、前記複数の部分図形の面積は、前記警報計測器で計測された前記計測値に対応する前記警報レベルに比例する、付記19乃至22のいずれか一項に記載の警報システム。
(付記24)
前記警報表示装置の前記決定部は、前記所定の図形を前記警報計測器数に分割して得られる前記部分図形をさらに前記複数の警報レベルの数に分割する際、前記所定の図形を同心図形によって分割する、付記19乃至23のいずれか一項に記載の警報システム。
(付記25)
さらに、前記警報表示装置利用者の入力を受ける操作部を備え、
前記警報表示装置の前記表示部は、前記操作部が操作されると、前記複数のストリップの一部の前記強調表示の形態が変化する、付記19乃至24のいずれか一項の警報システム。
(付記26)
前記所定の図形は略円形であり、前記部分図形は扇形である、付記19乃至25のいずれか一項の警報システム。
(付記27)
前記警報表示装置の前記決定部は、前記略円形を前記警報計測器数の前記複数の扇形に分割する際、前記複数の扇形の中心角は、前記警報計測器で計測された前記計測値に対応する前記警報レベルに比例する、付記26の警報システム。
(付記28)
前記警報表示装置の前記決定部は、前記略円形を前記警報計測器数に分割して得られる前記扇形をさらに前記複数の警報レベルの数に分割する際、前記略円形を同心円によって、半径方向に等間隔に分割する、付記26または27の警報システム。
(付記29)
前記強調表示は、ランプの点灯状態または点滅状態である、付記19乃至28のいずれか一項の警報システム。
【符号の説明】
【0118】
100 警報表示装置
104 端末A
110 表示部
114 表示制御部
116 操作部
122 入力処理部
124 データ格納部
126 決定部
128 操作入力部
130 表示出力部
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11