特許第6236833号(P6236833)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6236833画像合成装置、画像合成方法、および、画像合成装置用のプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6236833
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】画像合成装置、画像合成方法、および、画像合成装置用のプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20171120BHJP
【FI】
   H04N7/18 V
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-78086(P2013-78086)
(22)【出願日】2013年4月3日
(65)【公開番号】特開2014-204243(P2014-204243A)
(43)【公開日】2014年10月27日
【審査請求日】2016年4月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】特許業務法人 インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100083839
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 泰男
(74)【代理人】
【識別番号】100120189
【弁理士】
【氏名又は名称】奥 和幸
(72)【発明者】
【氏名】大川 拓
(72)【発明者】
【氏名】青山 美明
(72)【発明者】
【氏名】宮前 哲也
【審査官】 鈴木 隆夫
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2005/027518(WO,A1)
【文献】 特開2003−179911(JP,A)
【文献】 特開2000−243062(JP,A)
【文献】 特開2001−069462(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のチャンネルから動画データを取得し、所定の順序に従い、当該各チャンネルからの動画を切り替えて、当該動画のフレーム画像を出力する切替手段から、当該動画のフレーム画像を取得するフレーム画像取得手段と、
前記切替手段から前記動画のチャンネルを示すチャンネル情報を取得するチャンネル情報取得手段と、
前記フレーム画像を順に記憶するフレーム画像バッファ手段と、
前記チャンネル情報を順に記憶するチャンネル情報バッファ手段と、
前記チャンネル情報バッファ手段から取り出したチャンネル情報に応じて、前記フレーム画像バッファ手段から取り出した複数のフレーム画像から合成画像を生成する合成手段と、
前記チャンネル情報バッファ手段から取り出したチャンネル情報に基づき、前記フレーム画像バッファ手段から取り出した複数のフレーム画像のフレーム落ちを検出する検出手段と、
を備え
前記合成手段が、前記検出手段の検出結果に基づき、前記チャンネル情報バッファ手段から取り出したチャンネル情報に応じて、前記フレーム画像バッファ手段から取り出した複数のフレーム画像から合成画像を生成することを特徴とする画像合成装置。
【請求項2】
請求項に記載の画像合成装置において、
前記フレーム画像バッファ手段が、時刻と関連付けて前記フレーム画像を順に記憶し、
前記チャンネル情報バッファ手段が、時刻と関連付けて前記チャンネル情報を順に記憶し、
前記検出手段が、前記フレーム画像に対応する時刻と、前記チャンネル情報に対応する時刻とを比較して、フレーム落ちを検出することを特徴とする画像合成装置。
【請求項3】
請求項または請求項に記載の画像合成装置において、
前記フレーム画像バッファ手段から取り出した複数のフレーム画像と、前記チャンネル情報バッファ手段から取り出した前記チャンネル情報とを関連付けて記憶するフレーム画像記憶手段を更に備え、
前記フレーム落ちが検出された場合、前記合成手段が、フレーム落ちがあるフレーム画像のチャンネル情報に基づき前記フレーム画像記憶手段から読み出したフレーム画像と、
前記フレーム画像バッファ手段から取り出したフレーム画像とから合成画像を生成することを特徴とする画像合成装置。
【請求項4】
請求項1からのいずれか1項に記載の画像合成装置において、
前記合成手段により合成された合成画像を圧縮する画像圧縮手段を更に備えたことを特徴とする画像合成装置。
【請求項5】
画像合成装置の画像合成方法において、
複数のチャンネルから動画データを取得し、所定の順序に従い、当該各チャンネルからの動画を切り替えて、当該動画のフレーム画像を出力する切替手段から、当該動画のフレーム画像を取得するフレーム画像取得ステップと、
前記切替手段から前記動画のチャンネルを示すチャンネル情報を取得するチャンネル情報取得ステップと、
前記フレーム画像を順にフレーム画像バッファ手段に記憶するフレーム画像バッファステップと、
前記チャンネル情報を順にチャンネル情報バッファ手段に記憶するチャンネル情報バッファステップと、
前記チャンネル情報バッファ手段から取り出したチャンネル情報に応じて、前記フレーム画像バッファ手段から取り出した複数のフレーム画像から合成画像を生成する合成ステップと、
前記チャンネル情報バッファ手段から取り出したチャンネル情報に基づき、前記フレーム画像バッファ手段から取り出した複数のフレーム画像のフレーム落ちを検出する検出ステップと、
を含み
前記合成ステップにおいて、前記検出ステップの検出結果に基づき、前記チャンネル情報バッファ手段から取り出したチャンネル情報に応じて、前記フレーム画像バッファ手段から取り出した複数のフレーム画像から合成画像を生成することを特徴とする画像合成方法。
【請求項6】
コンピュータを、
複数のチャンネルから動画データを取得し、所定の順序に従い、当該各チャンネルからの動画を切り替えて、当該動画のフレーム画像を出力する切替手段から、当該動画のフレーム画像を取得するフレーム画像取得手段、
前記切替手段から前記動画のチャンネルを示すチャンネル情報を取得するチャンネル情報取得手段、
前記フレーム画像を順に記憶するフレーム画像バッファ手段、
前記チャンネル情報を順に記憶するチャンネル情報バッファ手段、
前記チャンネル情報バッファ手段から取り出したチャンネル情報に応じて、前記フレーム画像バッファ手段から取り出した複数のフレーム画像から合成画像を生成する合成手段、および、
前記チャンネル情報バッファ手段から取り出したチャンネル情報に基づき、前記フレーム画像バッファ手段から取り出した複数のフレーム画像のフレーム落ちを検出する検出手段として機能させ
前記合成手段が、前記検出手段の検出結果に基づき、前記チャンネル情報バッファ手段から取り出したチャンネル情報に応じて、前記フレーム画像バッファ手段から取り出した複数のフレーム画像から合成画像を生成することを特徴とする画像合成装置用のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のカメラにより撮像された画像を合成する画像合成装置、画像合成方法、および、画像合成装置用のプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の監視カメラにより撮像された動画を監視する際、1画面で監視できるように、画像の合成が行われている。例えば、特許文献1には、CCDの撮像画像が画面走査に基づくタイミングで読出されて、画像合成回路に供給さ、画像合成回路がCCDからの映像信号を合成し、モニタがカメラ制御回路からのマルチ映像信号に基づいて、4つの縮小画像を表示画面上に映出するビデオカメラ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−322042号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、カメラの画像の高画質化と共に、画像合成等の画像処理に負荷がかかり、合成画像の乱れが生じてしまうことがある。また、高速処理ができる画像処理の素子を使用するとコストがかかる問題があった。
【0005】
そこで、本発明は上記の問題点等に鑑みて為されたもので、その課題の一例は、ローコストで、質の高い合成画像を得ることができる画像合成装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、複数のチャンネルから動画データを取得し、所定の順序に従い、当該各チャンネルからの動画を切り替えて、当該動画のフレーム画像を出力する切替手段から、当該動画のフレーム画像を取得するフレーム画像取得手段と、前記切替手段から前記動画のチャンネルを示すチャンネル情報を取得するチャンネル情報取得手段と、前記フレーム画像を順に記憶するフレーム画像バッファ手段と、前記チャンネル情報を順に記憶するチャンネル情報バッファ手段と、前記チャンネル情報バッファ手段から取り出したチャンネル情報に応じて、前記フレーム画像バッファ手段から取り出した複数のフレーム画像から合成画像を生成する合成手段と、前記チャンネル情報バッファ手段から取り出したチャンネル情報に基づき、前記フレーム画像バッファ手段から取り出した複数のフレーム画像のフレーム落ちを検出する検出手段と、を備え、前記合成手段が、前記検出手段の検出結果に基づき、前記チャンネル情報バッファ手段から取り出したチャンネル情報に応じて、前記フレーム画像バッファ手段から取り出した複数のフレーム画像から合成画像を生成することを特徴とする。
【0008】
また、請求項に記載の発明は、請求項に記載の画像合成装置において、前記フレーム画像バッファ手段が、時刻と関連付けて前記フレーム画像を順に記憶し、前記チャンネル情報バッファ手段が、時刻と関連付けて前記チャンネル情報を順に記憶し、前記検出手段が、前記フレーム画像に対応する時刻と、前記チャンネル情報に対応する時刻とを比較して、フレーム落ちを検出することを特徴とする。
【0009】
また、請求項に記載の発明は、請求項または請求項に記載の画像合成装置において、前記フレーム画像バッファ手段から取り出した複数のフレーム画像と、前記チャンネル情報バッファ手段から取り出した前記チャンネル情報とを関連付けて記憶するフレーム画像記憶手段を更に備え、前記フレーム落ちが検出された場合、前記合成手段が、フレーム落ちがあるフレーム画像のチャンネル情報に基づき前記フレーム画像記憶手段から読み出したフレーム画像と、前記フレーム画像バッファ手段から取り出したフレーム画像とから合成画像を生成することを特徴とする。
【0010】
また、請求項に記載の発明は、請求項1からのいずれか1項に記載の画像合成装置において、前記合成手段により合成された合成画像を圧縮する画像圧縮手段を更に備えたことを特徴とする。
【0011】
また、請求項に記載の発明は、画像合成装置の画像合成方法において、複数のチャンネルから動画データを取得し、所定の順序に従い、当該各チャンネルからの動画を切り替えて、当該動画のフレーム画像を出力する切替手段から、当該動画のフレーム画像を取得するフレーム画像取得ステップと、前記切替手段から前記動画のチャンネルを示すチャンネル情報を取得するチャンネル情報取得ステップと、前記フレーム画像を順にフレーム画像バッファ手段に記憶するフレーム画像バッファステップと、前記チャンネル情報を順にチャンネル情報バッファ手段に記憶するチャンネル情報バッファステップと、前記チャンネル情報バッファ手段から取り出したチャンネル情報に応じて、前記フレーム画像バッファ手段から取り出した複数のフレーム画像から合成画像を生成する合成ステップと、前記チャンネル情報バッファ手段から取り出したチャンネル情報に基づき、前記フレーム画像バッファ手段から取り出した複数のフレーム画像のフレーム落ちを検出する検出ステップと、を含み、前記合成ステップにおいて、前記検出ステップの検出結果に基づき、前記チャンネル情報バッファ手段から取り出したチャンネル情報に応じて、前記フレーム画像バッファ手段から取り出した複数のフレーム画像から合成画像を生成することを特徴とする。
【0012】
また、請求項に記載の発明は、コンピュータを、複数のチャンネルから動画データを取得し、所定の順序に従い、当該各チャンネルからの動画を切り替えて、当該動画のフレーム画像を出力する切替手段から、当該動画のフレーム画像を取得するフレーム画像取得手段、前記切替手段から前記動画のチャンネルを示すチャンネル情報を取得するチャンネル情報取得手段、前記フレーム画像を順に記憶するフレーム画像バッファ手段、前記チャンネル情報を順に記憶するチャンネル情報バッファ手段、前記チャンネル情報バッファ手段から取り出したチャンネル情報に応じて、前記フレーム画像バッファ手段から取り出した複数のフレーム画像から合成画像を生成する合成手段、および、前記チャンネル情報バッファ手段から取り出したチャンネル情報に基づき、前記フレーム画像バッファ手段から取り出した複数のフレーム画像のフレーム落ちを検出する検出手段として機能させ、前記合成手段が、前記検出手段の検出結果に基づき、前記チャンネル情報バッファ手段から取り出したチャンネル情報に応じて、前記フレーム画像バッファ手段から取り出した複数のフレーム画像から合成画像を生成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、フレーム画像とチャンネル情報とを別々にバッファして、チャンネル情報に応じて、フレーム画像を合成することにより、ローコストで、質の高い合成画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係る画像合成装置のハードウェアの概要構成例を示すブロック図である。
図2図1の画像合成装置の機能ブロックの一例を示すブロック図である。
図3図1の画像合成装置の動作例を示すフローチャートである。
図4】各チャンネルの動画のフレーム画像の一例を示す模式図である。
図5】合成画像の一例を示す模式図である。
図6】合成画像の一例を示す模式図である。
図7図1の画像合成装置における画像合成から動画記録までの動作例を示すフローチャートである。
図8】合成画像の変形例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、画像合成装置に対して本発明を適用した場合の実施形態である。
【0016】
[1.画像合成装置の構成および機能の概要]
(1.1 画像合成装置のハードウェア構成)
【0017】
まず、本発明の一実施形態に係る画像合成装置のハードウェア構成について、図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態に係る画像合成装置のハードウェアの概要構成例を示すブロック図である。
【0018】
図1に示すように、画像合成装置10は、各ビデオカメラ5の出力を所定の画像データに変換する変換器11と、各変換器11からの動画を切り替えて出力するチャンネルコントローラ12と、画像処理等を行うプロセッサ13と、画像データ等を記憶するメモリ14と、記録媒体を接続するスロット15と、を備えている。
【0019】
ビデオカメラ5は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)またはCCD(Charge Coupled Device)のようなイメージセンサを有するカメラである。ビデオカメラ5は、動画を出力する。ビデオカメラ5は、例えば、監視カメラとして利用される。
【0020】
変換器11は、プロセッサ13で扱うことができるような動画データに変換する。例えば、アナログ信号をデジタル信号に変換したり、所定の規格の映像信号を、他の規格の映像信号に変換したりする。
【0021】
チャンネルコントローラ12(切替手段の一例)は、例えば、複数の入力からのデータを切り替えて出力するマルチプレクサである。チャンネルコントローラ12は、複数のチャンネルから動画データを取得し、所定の順序に従い、各チャンネルからの動画を、フレーム画像単位に切り替えて、動画のフレーム画像を出力する。また、チャンネルコントローラ12は、出力しているフレーム画像のチャンネルを示すチャンネル情報を出力する。
【0022】
プロセッサ13は、CPU(Central Processing Unit)と、動画処理用のコプロセッサとを有している。また、プロセッサ13は、水晶振動子を有し、時計の機能を有する。
【0023】
メモリ14は、RAM(Random Access Memory)を有し、画像データやプロセッサ13の処理されたデータ等を記憶する。メモリ14は、フレーム画像バッファ手段およびチャンネル情報バッファ手段の一例である。
【0024】
各ビデオカメラ5は、各変換器11に接続している。各変換器11は、チャンネルコントローラ12に接続している。チャンネルコントローラ12のフレーム画像を出力する端子、および、チャンネル情報を出力する端子が、プロセッサ13に接続している。
【0025】
なお、チャンネルコントローラ12は、RAMを内蔵する複数チャンネル入力のICでもよい。この場合、チャンネルコントローラ12は、所定の順序に従い、各チャンネルからの動画を切り替えて、動画のフレーム画像を出力するオートスキャンモードの他に、複数チャンネル入力の画像をマージするマージモードも有する。
【0026】
(1.2 画像合成装置10の機能構成)
次に、画像合成装置の機能ブロックについて図2を用い説明する。図2は、画像合成装置10の機能ブロックの一例を示すブロック図である。
【0027】
図2に示すように、画像合成装置10は、各ビデオカメラ5からの出力を画像合成装置10用の信号に変換する変換部20と、各ビデオカメラ5からの動画を切り替えて出力するチャンネル切替部21と、時刻を出力する時計部22と、チャンネル切替部21からのフレーム画像を順に記憶するフレーム画像バッファ部23と、チャンネル切替部21からのチャンネル情報を順に記憶するチャンネル情報バッファ部24と、フレーム画像とチャンネル情報との紐付けを行う紐付け部25と、フレーム画像のフレーム落ち(コマ落ち)を検出する検出部26と、フレーム落ち用に前フレーム画像を保存しておくメモリ部27と、各チャンネルのフレーム画像より合成画像を生成する画像合成部28と、合成画像を圧縮する画像圧縮部29とを備えている。
【0028】
画像圧縮部29は、スロット15を介して、記録媒体30に接続している。
【0029】
変換部20は、複数の変換器11より構成される。
【0030】
チャンネル切替部21(切替手段の一例)は、チャンネルコントローラ12に対応する。チャンネル切替部21は、例えば、第1サイクルとして、第1チャンネルの動画データのフレーム画像を出力し、次に、第2チャンネルの動画データのフレーム画像を出力し、次に、第3チャンネルの動画データのフレーム画像を出力し、次に、第4チャンネルの動画データのフレーム画像を出力する。次に第2サイクルとして、チャンネル切替部21は、第1チャンネルの動画データの次のフレーム画像を出力し、次に、第2チャンネルの動画データの次のフレーム画像を出力し、次に、第3チャンネルの動画データの次のフレーム画像を出力し、次に、第4チャンネルの動画データの次のフレーム画像を出力する。このように、チャンネル切替部21は、第1チャンネルから第4チャンネルの順序に従い、各チャンネルの動画のフレーム画像を出力する。
【0031】
時計部22は、水晶振動子から構成され、フレーム画像バッファ部23と、チャンネル情報バッファ部24とに、時刻情報を出力する。
【0032】
フレーム画像バッファ部23(フレーム画像バッファ手段の一例)は、メモリ14内に構成される。フレーム画像バッファ部23は、チャンネル切替部21から出力されたフレーム画像を、時計部22から取得した時刻情報と共に、FIFO(First-In First-Out)方式で記憶する。フレーム画像バッファ部23には、スタックが形成される。
【0033】
チャンネル情報バッファ部24(チャンネル情報バッファ手段の一例)は、メモリ14内に構成される。チャンネル情報バッファ部24は、チャンネル切替部21から出力されたチャンネル情報を、時計部22から取得した時刻情報と共に、FIFO方式で記憶する。チャンネル情報バッファ部24には、スタックが形成される。なお、チャンネル情報バッファ部24のバッファ数は、フレーム画像バッファ部23のバッファ数より大きく設定される。チャンネル情報のデータ量は少ないので、大きなバッファ数に設定できる。
【0034】
紐付け部25は、プロセッサ13により実現される。紐付け部25は、フレーム画像バッファ部23から順に出力されたフレーム画像と、チャンネル情報バッファ部24から順に出力されたチャンネル情報とを、紐付ける。例えば、紐付け部25は、フレーム画像の時刻情報と、チャンネル情報の時刻情報とに基づき、フレーム画像とチャンネル情報とを紐付ける。また、紐付け部25は、フレーム画像バッファ部23およびチャンネル情報バッファ部24から、フレーム画像およびチャンネル情報をそれぞれ取り出した順に紐付けてもよい。
【0035】
検出部26(検出手段の一例)は、プロセッサ13により実現される。検出部26は、チャンネル情報バッファ部24内のチャンネル情報を監視して、チャンネル情報のチャンネル番号が連続しているか否かを判定することにより、フレーム落ちを検出する。また、検出部26は、フレーム画像の時刻情報と、チャンネル情報の時刻情報とを比較して、フレーム落ちがあるか否かを判定することにより、フレーム落ちを検出する。
【0036】
メモリ部27(フレーム画像記憶手段の一例)は、メモリ14内に構成される。メモリ部27は、前回のサイクルで合成に使用したフレーム画像を記憶しておく。
【0037】
画像合成部28(合成手段の一例)は、プロセッサ13により実現される。画像合成部28は、チャンネル情報のチャンネル番号に従い、各フレーム画像をつなげた合成画像を生成する。
【0038】
画像圧縮部29(画像圧縮手段の一例)は、プロセッサ13の動画処理用のコプロセッサにより実現される。画像圧縮部29は、生成された合成画像の1フレーム画像から生成される動画を圧縮する。
【0039】
[2.画像合成装置の動作]
次に、本発明の1実施形態に係る画像合成装置の動作について図3から図7を用い説明する。
図3は、画像合成装置10の動作例を示すフローチャートである。図4は、各チャンネルの動画のフレーム画像の一例を示す模式図である。図5および図6は、合成画像の一例を示す模式図である。図7は、画像合成装置における画像合成から動画記録までの動作例を示すフローチャートである。
【0040】
画像合成装置10のチャンネル切替部21(チャンネルコントローラ12)は、監視カメラである各ビデオカメラ5からの動画データを取得し、所定の順序に従い、各チャンネルを切り替えて動画のフレーム画像を出力する。チャンネル切替部21は、例えば、第1サイクルとして、第1チャンネルの動画のフレーム画像を出力する。
【0041】
図3に示すように、画像合成装置10は、フレーム画像を取得する(ステップS1)。具体的には、フレーム画像バッファ部23が、フレーム画像をチャンネル切替部21から取得する。チャンネル切替部21が第1チャンネルの動画のフレーム画像を出力している場合、図4に示すように、フレーム画像バッファ部23が、チャンネル番号ch1のフレーム画像を取得する。
【0042】
このように、画像合成装置10は、複数のチャンネルから動画データを取得し、所定の順序に従い、当該各チャンネルからの動画を切り替えて、当該動画のフレーム画像を出力する切替手段から、当該動画のフレーム画像を取得するフレーム画像取得手段の一例として機能する。
【0043】
次に、画像合成装置10は、チャンネル情報を取得する(ステップS2)。具体的には、チャンネル情報バッファ部24が、チャンネル情報をチャンネル切替部21から取得する。チャンネル切替部21が第1チャンネルの動画のフレーム画像を出力している場合、チャンネル情報バッファ部24が、チャンネル番号ch1のチャンネル情報を取得する。
【0044】
このように、画像合成装置10は、前記切替手段から前記動画のチャンネルを示すチャンネル情報を取得するチャンネル情報取得手段の一例として機能する。
【0045】
次に、画像合成装置10は、時刻情報を取得する(ステップS3)。具体的には、フレーム画像バッファ部23およびチャンネル情報バッファ部24が、時計部22から時刻情報を取得する。さらに具体的には、フレーム画像バッファ部23が、フレーム画像を取得した際に、時計部22から時刻情報を取得する。また、チャンネル情報バッファ部24が、チャンネル情報を取得した際に、時計部22から時刻情報を取得する。
【0046】
次に、画像合成装置10は、時刻に関連付けてフレーム画像を記憶する(ステップS4)。具体的には、フレーム画像バッファ部23が、時計部22から取得した時刻情報に関連付けて、フレーム画像をFIFO方式で記憶する。
【0047】
このように、画像合成装置10は、前記フレーム画像を順に記憶するフレーム画像バッファ手段の一例として機能する。また、画像合成装置10は、時刻と関連付けて前記フレーム画像を順に記憶するフレーム画像バッファ手段の一例として機能する。
【0048】
次に、画像合成装置10は、時刻に関連付けてチャンネル情報を記憶する(ステップS5)。具体的には、チャンネル情報バッファ部24が、時計部22から取得した時刻情報に関連付けて、チャンネル情報をFIFO方式で記憶する。
【0049】
このように、画像合成装置10は、前記チャンネル情報を順に記憶するチャンネル情報バッファ手段の一例として機能する。また、画像合成装置10は、時刻と関連付けて前記チャンネル情報を順に記憶するチャンネル情報バッファ手段の一例として機能する。
【0050】
次に、画像合成装置10は、フレーム落ちがあるか否かを判定する(ステップS6)。具体的には、検出部26が、チャンネル情報バッファ部24から取り出したチャンネル情報のチャンネル番号が連続しているか否かを判定することにより、フレーム落ちがあるか否かを判定する。また、検出部26が、フレーム落ちがある場合、フレーム落ちのチャンネル番号を特定する。なお、チャンネルコントローラ12のチャンネル遷移が乱れる場合、チャンネル情報のチャンネル番号が不連続になる。
【0051】
このように、画像合成装置10は、前記チャンネル情報バッファ手段から取り出したチャンネル情報に基づき、前記フレーム画像バッファ手段から取り出した複数のフレーム画像のフレーム落ちを検出する検出手段の一例として機能する。
【0052】
フレーム落ちが無い場合(ステップS6;NO)、画像合成装置10は、フレーム画像とチャンネル情報とを関連付ける(ステップS7)。具体的には、紐付け部25が、フレーム画像にチャンネル番号を付ける。
【0053】
次に、画像合成装置10は、フレーム落ちがあるか否かを判定する(ステップS8)。具体的には、検出部26が、紐付け部25からフレーム画像の時刻情報を取得し、チャンネル情報バッファ部24からチャンネル情報の時刻情報を取得する。そして、検出部26が、フレーム画像の時刻情報と、チャンネル情報の時刻情報とを比較して、時刻に所定以上の違いがある場合、フレーム落ちがあると判定する。また、検出部26が、フレーム落ちがある場合、フレーム落ちのチャンネル番号を特定する。なお、画像処理等に負荷がかかり、フレーム画像のエンコード等が遅れる影響で、フレーム画像バッファ部からフレーム画像があふれ出してしまう。
【0054】
このように、画像合成装置10は、前記チャンネル情報バッファ手段から取り出したチャンネル情報に基づき、前記フレーム画像バッファ手段から取り出した複数のフレーム画像のフレーム落ちを検出する検出手段の一例として機能する。また、画像合成装置10は、前記フレーム画像に対応する時刻と、前記チャンネル情報に対応する時刻とを比較して、フレーム落ちを検出する検出手段の一例として機能する。
【0055】
フレーム落ちが無い場合(ステップS8;NO)、画像合成装置10は、フレーム画像を記憶する(ステップS9)。具体的には、メモリ部27が、チャンネル番号に関連付けて、フレーム画像を記憶する。
【0056】
このように、画像合成装置10は、前記フレーム画像バッファ手段から取り出した複数のフレーム画像と、前記チャンネル情報バッファ手段から取り出した前記チャンネル情報とを関連付けて記憶するフレーム画像記憶手段の一例として機能する。
【0057】
次に、画像合成装置10は、画像を合成する(ステップS10)。具体的には、画像合成部28が、チャンネル番号に従い、チャンネル番号に対応する位置にフレーム画像をはめ込む。図5に示すように、画像合成部28が、合成画像におけるチャンネル番号に対応する位置にフレーム画像をはめ込む。
【0058】
このように、画像合成装置10は、前記チャンネル情報バッファ手段から取り出したチャンネル情報に応じて、前記フレーム画像バッファ手段から取り出した複数のフレーム画像から合成画像を生成する合成手段の一例として機能する。
【0059】
フレーム落ちがある場合(ステップS6;YES)、または、フレーム落ちがある場合(ステップS8;YES)、画像合成装置10は、メモリ部27から過去のフレーム画像を取得する(ステップS11)。具体的には、紐付け部25が、フレーム落ちがあるチャンネル番号に従い、メモリ部27から前回のフレーム画像を取得する。
【0060】
次に、ステップS10のように、画像合成装置10の画像合成部28が、取得した前回のフレーム画像を、チャンネル番号に従い、チャンネル番号に対応する位置にフレーム画像をはめ込む。図6に示すように、例えば、チャンネル番号ch2のフレーム画像の落ちがあった場合、画像合成部28が、フレーム画像の落ちがあったチャンネル番号の位置に、取得した前回のフレーム画像をはめ込む。
【0061】
このように、画像合成装置10は、前記チャンネル情報バッファ手段から取り出したチャンネル情報に応じて、前記フレーム画像バッファ手段から取り出した複数のフレーム画像から合成画像を生成する合成手段の一例として機能する。また、画像合成装置10は、前記検出手段の検出結果に基づき、前記チャンネル情報バッファ手段から取り出したチャンネル情報に応じて、前記フレーム画像バッファ手段から取り出した複数のフレーム画像から合成画像を生成する合成手段の一例として機能する。また、画像合成装置10は、前記フレーム落ちが検出された場合、フレーム落ちがあるフレーム画像のチャンネル情報に基づき前記フレーム画像記憶手段から読み出したフレーム画像と、前記フレーム画像バッファ手段から取り出したフレーム画像とから合成画像を生成する合成手段の一例として機能する。
【0062】
次に、画像合成装置10は、最後のチャンネルであるか否かを判定する(ステップS12)。具体的には、画像合成部28が、最後のチャンネルである第4チャンネルであるか否かを判定する。
【0063】
最後のチャンネルで無い場合(ステップS12;NO)、画像合成装置10は、次のフレーム画像を取得する。
【0064】
最後のチャンネルである場合(ステップS12;YES)、画像合成装置10の画像合成部28は、図5または図6に示すように、各チャンネルからのフレーム画像から合成された合成画像を、画像圧縮部29に出力する。すなわち、画像合成装置10の画像合成部28は、1フレーム分の合成画像を出力する。
【0065】
次に、画像合成装置10のチャンネル切替部21は、次の第2サイクルに移り、第1チャンネルの動画データのフレーム画像を出力し、画像合成装置10は、ステップ1からステップS13の処理を繰り返す。
【0066】
次に、図7に示すように、画像合成装置10は、画像が合成された後(ステップS20)、動画を圧縮する(ステップS21)。具体的には、画像圧縮部29(プロセッサ13の動画処理用のコプロセッサ)が、動画の圧縮ソフトウェアを実行して、合成画像の動画を逐次圧縮する。
【0067】
このように、画像合成装置10は、前記合成手段により合成された合成画像を圧縮する画像圧縮手段の一例として機能する。
【0068】
次に、画像合成装置10は、動画を記憶する(ステップS22)。具体的には、画像合成装置10は、記録媒体30に、圧縮された動画データを記憶する。
【0069】
以上、本実施形態によれば、フレーム画像とチャンネル情報とを、別々にフレーム画像バッファ部23とチャンネル情報バッファ部24とにバッファして、チャンネル情報に応じて、フレーム画像を合成することにより、ローコストで、質の高い合成画像を得ることができる。
【0070】
また本実施形態によれば、フレーム画像バッファ部23により同期を取るので、フレーム落ちが生じにくくなる。また、フレーム落ちが生じても、チャンネル情報バッファ部24のチャンネル情報に基づき、合成画像が得られるので、チャンネル番号のずれた合成画像が生成されない。
【0071】
また、SD(Standard Density)画質用のチャンネルコントローラを用いたまま、リサイズすることなく、高解像度の合成画像を得ることができる。また、リサイズする必要がないので、処理数を減らすことができる。
【0072】
また、チャンネル情報バッファ部24から取り出したチャンネル情報に基づき、フレーム画像バッファ部23から取り出した複数のフレーム画像のフレーム落ちを検出する検出部26を更に備え、画像合成部28が、検出部26の検出結果に基づき、チャンネル情報バッファ部24から取り出したチャンネル情報に応じて、フレーム画像バッファ部23から取り出した複数のフレーム画像から合成画像を生成する場合、例えば、チャンネル番号に抜けが生じたときや、フレーム画像に対応する時刻とチャンネル情報に対応する時刻とのずれが生じたとき等により、フレーム落ちを検出でき、検出結果に基づき、合成画像に乱れがないように合成できる。
【0073】
また、フレーム画像バッファ部23が、時刻と関連付けてフレーム画像を順に記憶し、チャンネル情報バッファ部24が、時刻と関連付けて前記チャンネル情報を順に記憶し、検出部26が、フレーム画像に対応する時刻と、チャンネル情報に対応する時刻とを比較して、フレーム落ちを検出する場合、画像処理等に負荷がかかり、フレーム落ちが生じても、合成画像に乱れがないように合成できる。
【0074】
また、フレーム画像バッファ部23から取り出した複数のフレーム画像と、チャンネル情報バッファ部24から取り出したチャンネル情報とを関連付けて記憶するメモリ部27を更に備え、フレーム落ちが検出されたとき、画像合成部28が、フレーム落ちがあるフレーム画像のチャンネル情報に基づきメモリ部27から読み出したフレーム画像と、フレーム画像バッファ部23から取り出したフレーム画像とから合成画像を生成する場合、フレームの落ちが生じても、過去のフレーム画像を代わりに、合成画像に使用することにより、自然な合成画像ができる。
【0075】
また、チャンネル情報バッファ部24のバッファ数を多くして、メモリ量を必要とするフレーム画像バッファ部23のバッファ数を少なくできるので、画像合成装置10のメモリを節約でき、コストを抑えることができる。
【0076】
なお、画像合成装置10は、ステップS11のように、過去のフレーム画像を取得せず、ステップS10において、図8に示すように、フレーム落ちがあるチャンネル番号(ch2)のフレーム画像をはめ込まなくてもよい。あるチャンネルに対応するフレーム画像の抜けがあるが、合成画像において、フレーム画像のチャンネル番号が対応しているので、チャンネル番号のずれた合成画像が生成されない。
【0077】
また、チャンネル数は、4に限らず、2でも、9でもよい。
【0078】
さらに、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではない。上記各実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【符号の説明】
【0079】
10:画像合成装置
12:チャンネルコントローラ(切替手段)
13:プロセッサ
14:メモリ
21:チャンネル切替部(切替手段)
22:時計部
23:フレーム画像バッファ部(フレーム画像バッファ手段)
24:チャンネル情報バッファ部(チャンネル情報バッファ手段)
25:紐付け部
26:検出部(検出手段を)
27:メモリ部(フレーム画像記憶手段)
28:画像合成部(合成手段)
29:画像圧縮部(画像圧縮手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8