特許第6236837号(P6236837)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士通セミコンダクター株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6236837-半導体装置 図000002
  • 特許6236837-半導体装置 図000003
  • 特許6236837-半導体装置 図000004
  • 特許6236837-半導体装置 図000005
  • 特許6236837-半導体装置 図000006
  • 特許6236837-半導体装置 図000007
  • 特許6236837-半導体装置 図000008
  • 特許6236837-半導体装置 図000009
  • 特許6236837-半導体装置 図000010
  • 特許6236837-半導体装置 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6236837
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20171120BHJP
   H01L 29/78 20060101ALI20171120BHJP
   H01L 27/06 20060101ALI20171120BHJP
   H01L 21/8234 20060101ALI20171120BHJP
   H01L 27/088 20060101ALI20171120BHJP
   H01L 21/822 20060101ALI20171120BHJP
   H01L 27/04 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   H01L29/78 301K
   H01L27/06 311C
   H01L27/088 B
   H01L27/04 H
   H01L29/78 301S
【請求項の数】4
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-81422(P2013-81422)
(22)【出願日】2013年4月9日
(65)【公開番号】特開2014-204086(P2014-204086A)
(43)【公開日】2014年10月27日
【審査請求日】2016年1月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】308014341
【氏名又は名称】富士通セミコンダクター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105360
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 光治
(72)【発明者】
【氏名】李 命久
【審査官】 小堺 行彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−110995(JP,A)
【文献】 特開2006−339444(JP,A)
【文献】 特開2003−151991(JP,A)
【文献】 特開平07−142589(JP,A)
【文献】 特開2006−019511(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
H01L 21/822
H01L 21/8234
H01L 27/04
H01L 27/06
H01L 27/088
H01L 29/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板における一導電型の活性領域を囲む素子分離層と、
前記活性領域の上方に形成されるゲート電極と、
前記活性領域のうち前記ゲート電極の一側方に形成される反対導電型のソース領域と、
前記活性領域のうち前記ゲート電極の他側方に形成される前記反対導電型のドレイン領域と、
前記ドレイン領域の上で前記ゲート電極及び前記素子分離層から離間し、前記ゲート電極及び前記素子分離層に囲まれて形成され、平面視で開口部を含むシリサイドブロック層と、
前記ドレイン領域のうち前記シリサイドブロック層の下に形成される前記反対導電型の第1の不純物拡散領域と、
前記ドレイン領域のうち前記ゲート電極と前記素子分離層と前記シリサイドブロック層の間の領域に形成され、前記第1の不純物拡散領域に接続する前記反対導電型の第2の不純物拡散領域と、
前記ドレイン領域のうち前記開口部の下に形成され、前記第1の不純物拡散領域に接続する前記反対導電型の第3の不純物拡散領域と、
前記活性領域のうち前記第1の不純物拡散領域の下面に接する前記一導電型の接合領域と、
前記第2の不純物拡散領域及び前記第3の不純物拡散領域の表面に形成されるシリサイド層と、
前記第3の不純物拡散領域に接続される導電プラグと、
を有し、
前記第2の不純物拡散領域の不純物濃度は、前記第1の不純物拡散領域の不純物濃度よりも高く、
前記第3の不純物拡散領域の不純物濃度は、前記第1の不純物拡散領域の不純物濃度よりも高く、
前記第2の不純物拡散領域の深さは、前記第1の不純物拡散領域よりも深く、
前記第3の不純物拡散領域の深さは、前記第1の不純物拡散領域よりも深く、
前記シリサイドブロック層において、前記開口部の内縁から前記素子分離層に向かう方向の外縁への幅が、前記開口部の内縁から前記ゲート電極に向かう方向の外縁への幅よりも大きく形成されている
ことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記第1の不純物拡散領域は、前記ドレイン領域に含まれるLDD構造の前記反対導電型のエクステンション領域と同じ深さに形成されることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1の不純物拡散領域の下面に接する前記一導電型の前記接合領域には、前記第1の不純物拡散領域の下面と接するように前記一導電型のポケット領域が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第3の不純物拡散領域の深さは、前記第2の不純物領域の深さと同じであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体集積回路内の素子を静電放電(ESD:Electro Static Discharge)から保護するために、入出力のMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Transistor)の寄生バイポーラ動作のスナップバック(Snapback)現象を利用している。一方、半導体素子の微細化に伴い、ソース/ドレイン領域となる不純物拡散領域は半導体基板の上層に浅く作る必要がある。しかし、不純物拡散領域を浅くすると、ソース/ドレイン領域が高抵抗化し、電流駆動能力を著しく劣化させる原因となる。
【0003】
このような問題を解決するためにソース/ドレイン領域及びゲート電極上に選択的にシリサイド層を形成し、ソース/ドレイン領域の抵抗を極めて低くするシリサイド層を有するトランジスタが使用されている。
【0004】
しかし、例えば、ESDによる電流サージがトランジスタに入力した場合、従来のノンシリサイドトランジスタに比べ、ドレイン側の抵抗が極端に下がるため、局所的に寄生バイポーラのスナップバックが動作して電流が集中し、トランジスタが破壊される場合がある。
【0005】
その対策として、ESD保護素子として使用されるトランジスタにおいてドレイン領域にバラスト(ballast)抵抗を付加することが一般的に使われている。バラスト抵抗があれば、局所的に寄生バイポーラが先に動作しても、バラスト抵抗により電位差が生じるのでパッド部の電位を引き上げ、他の部分もバイアスを低下させずに寄生バイポーラが動作しやすくなる。
【0006】
バラスト抵抗としては、ドレイン領域のうちドレインコンタクト部とゲート電極の間の領域の上にドレイン領域を横切るシリサイドブロック層を形成することにより、シリサイド化を防止し、その下にLDD(Lightly Doped Drain)形成工程で形成される低濃度不純物拡散領域を抵抗素子として利用することが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−211088号公報
【特許文献2】特開2007−116049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ドレイン領域の一部にシリサイドブロック層を形成してその下の低濃度不純物拡散領域をバラスト抵抗に使用する構造では、バラスト抵抗となる領域においてシリサイド形成がブロックされる。このため、バラスト抵抗となる部分の低不純物濃度拡散領域は、LDD構造を有するドレイン領域の高不純物濃度拡散領域、即ちn型又はp型不純物拡散層より浅くなり電界が集中、増加してリーク電流が発生し易い。
【0009】
本発明の目的は、ドレイン領域内に形成される低濃度不純物領域におけるリーク電流を防止する半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本実施形態の1つの観点によれば、半導体基板と、前記半導体基板における一導電型の活性領域を囲む素子分離層と、前記活性領域の上方に形成されるゲート電極と、前記活性領域のうち前記ゲート電極の一側方に形成される反対導電型のソース領域と、前記活性領域のうち前記ゲート電極の他側方に形成される前記反対導電型のドレイン領域と、前記ドレイン領域の上で前記ゲート電極及び前記素子分離層から離間し、前記ゲート電極及び前記素子分離層に囲まれて形成され、平面視で開口部を含むシリサイドブロック層と、前記ドレイン領域のうち前記シリサイドブロック層の下に形成される前記反対導電型の第1の不純物拡散領域と、前記ドレイン領域のうち前記ゲート電極と前記素子分離層と前記シリサイドブロック層の間の領域に形成され、前記第1の不純物拡散領域に接続する前記反対導電型の第2の不純物拡散領域と、前記ドレイン領域のうち前記開口部の下に形成され、前記第1の不純物拡散領域に接続する前記反対導電型の第3の不純物拡散領域と、前記活性領域のうち前記第1の不純物拡散領域の下面に接する前記一導電型の接合領域と、前記第2の不純物拡散領域及び前記第3の不純物拡散領域の表面に形成されるシリサイド層と、前記第3の不純物拡散領域に接続される導電プラグと、を有し、前記第2の不純物拡散領域の不純物濃度は、前記第1の不純物拡散領域の不純物濃度よりも高く、前記第3の不純物拡散領域の不純物濃度は、前記第1の不純物拡散領域の不純物濃度よりも高く、前記第2の不純物拡散領域の深さは、前記第1の不純物拡散領域よりも深く、前記第3の不純物拡散領域の深さは、前記第1の不純物拡散領域よりも深く、前記シリサイドブロック層において、前記開口部の内縁から前記素子分離層に向かう方向の外縁への幅が、前記開口部の内縁から前記ゲート電極に向かう方向の外縁への幅よりも大きく形成されていることを特徴とする半導体装置が提供される。
発明の目的および利点は、請求の範囲に具体的に記載された構成要素および組み合わせによって実現され達成される。前述の一般的な説明および以下の詳細な説明は、典型例および説明のためのものであって、本発明を限定するためのものではない、と理解されるものである。
【発明の効果】
【0011】
本実施形態によれば、ドレイン領域内に形成した低濃度不純物拡散領域のリーク電流を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1(a)は、実施形態に係る半導体装置の平面図、図1(b)は、図1(a)のI−I線断面図、図1(c)は、図1(a)のII−II線断面図、 図1(d)は、図1(a)のIII-III線断面図である。
図2図2は、実施形態に係る半導体装置の保護領域に形成されるMOSFETのリーク電流とソース・ドレイン間電圧の関係を示す特性図である。
図3図3(a)は、実施形態に係る半導体装置の平面図、図3(b)は、図3(a)のIV−IV線断面図、図3(c)は、図3(a)のV−V線断面図であり、 図3(d)は、図3(c)のうち破線で囲んだ部分を拡大した断面図である。
図4図4(a)、(b)、(c)は、実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。
図5図5(a)、(b)は、実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。
図6図6(a)、(b)は、実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図である。
図7図7(a)、(b)は、実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す断面図と断面図である。
図8図8(a)、(b)は、実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す平面図と断面図である。
図9図9(a)、(b)は、実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す平面図と断面図である。
図10図10(a)、(b)は、実施形態に係る半導体装置の製造工程を示す平面図と断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、図面を参照して実施形態を説明する。図面において、同様の構成要素には同じ参照番号が付されている。図1(a)は、実施形態に係る半導体装置を示す平面図、図1(b)、(c)、(d)は、図1(a)のI−I線、II−II線、III-III線から見た断面図である。
【0014】
図1において、半導体基板であるシリコン基板1には、活性領域Aを囲む素子分離層、例えばシャロートレンチアイソレーション(STI)2が形成され、活性領域Aには例えばPウエル3が形成されている。Pウエル3の上には、第1のゲート電極5aと第2のゲート電極5bが互いに間隔をおいてほぼ平行に形成されている。第1のゲート電極5aと第2のゲート電極5bは、例えばポリシリコン膜をパターニングすることにより形成される。第1、第2のゲート電極5a、5bの下面とPウエル3の間にはゲート絶縁膜4として例えばシリコン酸化膜が形成されている。
【0015】
Pウエル3のうち第1、第2のゲート電極5a、5bの間の領域にはイオン注入により共有ドレイン領域6が形成され、その上層部には第1のn型低濃度不純物拡散領域6aが浅く形成されている。また、Pウエル3のうち第1、第2のゲート電極5a、5bに対して共有ドレイン領域6と反対側の2つの領域のそれぞれには第1、第2のソース領域7、8がイオン注入により形成され、それらの上層部には第2、第3のn型低濃度不純物拡散領域7a、8aが浅く形成されている。第1、第2及び第3のn型低濃度不純物拡散領域6a、7a、8aのうち第1、第2のゲート電極5a、5b寄りの端部は、LDD構造のn型エクステンション領域となる。
【0016】
第1、第2ゲート電極5a、5bの両側面には、第1、第2及び第3のn型低濃度不純物拡散領域6a、7a、8aの側縁部に重なる絶縁性のサイドウォール9a、9bが形成されている。また、共有ドレイン領域6の中央寄りの領域の上には、サイドウォール9a、9bから離れるとともにSTI2から離間する環状のシリサイドブロック層10が形成され、その開口部10aから露出する領域はシリサイドコンタクト領域となる。シリサイドブロック層10は、シリコン酸化膜のような絶縁膜から形成される。シリサイドブロック層10において、開口部10aの内縁からSTI2に向かう方向の外縁の最短の幅は、開口部10aの内縁から第1、第2のゲート電極5a、5bに向かう方向の外縁への最短の幅より大きく形成され、STI2側の電界集中を抑制している。
【0017】
共有ドレイン領域6と第1、第2のソース領域7、8のうち第1、第2のゲート電極5a、5b、サイドウォール9a、9b及びシリサイドブロック層10に覆われない領域には、第1、第2及び第3のn型低濃度不純物拡散領域6a、7a、8aよりも深く、厚い第1、第2及び第3のn型高濃度不純物拡散領域6b、7b、8bがイオン注入により形成されている。この場合、シリサイドブロック層10の開口部10aの領域の下にも第1のn型低濃度不純物拡散領域6aより深く、厚い第4のn型高濃度不純物拡散領域6cが形成される。
【0018】
第1、第2ゲート電極5a、5b、第1、第2、第3及び第4のn型高濃度不純物拡散領域6b、7b、8b、6cのそれぞれの上面にはシリサイド層11a〜11eが形成されている。
【0019】
上記の第1のn型低濃度不純物散領域6aと第1のn型高濃度不純物拡散領域6bによりLDD構造の共有ドレイン領域6が形成される。また、第2のn型低濃度不純物拡散領域7aと第2のn型高濃度不純物拡散領域7bによりLDD構造の第1のソース領域7が形成される。さらに、第3のn型低濃度不純物拡散領域8aと第3のn型高濃度不純物拡散領域8bによりLDD構造の第2のソース領域8が形成される。
【0020】
第1のn型高濃度不純物拡散領域6bのうちシリサイドブロック層10とSTI2の間の間隙xは、特に限定される長さではないが、その間で第1のn型高濃度不純物拡散領域6bがイオン注入により形成され得る値である。
【0021】
また、第1のn型低濃度不純物拡散領域6aのうちシリサイドブロック層10の下の部分は、第1のゲート電極5a、第2のゲート電極5bの側方に伸びる第1のn型高濃度不純物拡散領域6bとドレインコンタクト部の第4のn型高濃度不純物拡散領域6cとの間に挿入されるバラスト抵抗Rとして使用される。
【0022】
シリサイドブロック層10とSTI2の間の領域では、図1(d)の断面で示すように、第1のn型高濃度不純物拡散領域6bが第1のn型低濃度不純物拡散領域6aの縁部に接続され、しかもその上にシリサイド層11aが形成されている。このため、シリサイドブロック層10の下でバラスト抵抗Rとなる第1のn型低濃度不純物拡散領域6aの周囲は、第1のn型高濃度不純物拡散領域6bに囲まれる。
【0023】
上記の第1ゲート電極5aと第1のソース領域7と共通ドレイン領域6とPウエル3などから第1のn型MOSFET21が形成される。また、第2ゲート電極5bと第2のソース領域8と共通ドレイン領域6とPウエル2などから第2のn型MOSFET22が形成される。
【0024】
シリコン基板1の上には、第1のn型MOSFET21、第2のn型MOSFET22、STI2などを覆う層間絶縁膜12が形成されている。層間絶縁膜12のうちシリサイドブロック層10の中央の開口部10aから露出する第4のn型高濃度不純物拡散領域6cの上には第1のコンタクトホール12aが形成されている。また、層間絶縁膜12のうち第1、第2のソース領域7、8の上には第2、第3のコンタクトホール12b、12cが形成されている。なお、図1(a)では、層間絶縁膜12が省略して描かれている。
【0025】
第1、第2及び第3のコンタクトホール12a、12b、12cの中にはそれぞれ第1、第2及び第3の導電プラグ13a、13b、13cが形成されている。第1〜第3の導電プラグ13a、13b、13cは、例えば、チタン層、窒化チタン層、タングステン層の積層構造から形成される。
【0026】
第1の導電プラグ13aは、共有ドレイン領域6のうちシリサイドブロック層10に囲まれる第4の高濃度不純物拡散領域6cのドレインコンタクト部にシリサイド層11aを介して接続される。また、第2の導電プラグ13bは、シリサイド層11bを介して第1のソース領域7のn型高濃度不純物拡散領域7bに接続され、第3の導電プラグ13cは、シリサイド層11cを介して第2のソース領域8のn型高濃度不純物拡散領域8bに接続される。
【0027】
第1、第2及び第3の導電プラグ13a、13b、13cには、層間絶縁膜12の上に形成される配線14a、14b、14cが接続される。同様に、第1、第2のゲート電極5a、5bのそれぞれの上にシリサイド層11d、11eを介して導電プラグ(不図示)が接続され、それらには配線(不図示)が接続される。配線14a〜14c、層間絶縁膜12などの上には、さらに層間絶縁膜、ビア、配線などの多層配線構造が形成されるが、その詳細は省略する。
【0028】
上記の実施形態において、ESD保護素子に用いるMOSFET21、22の共有ドレイン領域6のうち第1、第2のゲート電極5a、5b寄りの第1の高濃度不純物拡散領域6bとドレインコンタクト部の第4の高濃度不純物拡散領域6cとの間に、バラスト抵抗Rとして第1のn型低濃度不純物拡散領域6aを形成している。また、第4の高濃度不純物拡散領域6cの周囲にシリサイド化を阻止するシリサイドブロック層10を形成してその下の第1のn型低濃度不純物拡散領域6a、即ちバラスト抵抗Rのシリサイド化を防止している。さらに、シリサイドブロック層10とSTI2の境界に第1のn型高濃度不純物拡散領域6bを形成し、その上にはシリサイド層11aを形成している。
【0029】
このような構造において、MOSFET21、22をオン状態にしてドレインコンタクト部である第4のn型高濃度不純物拡散領域6cと第1、第2のソース領域7、8の間に電圧Vを印加してMOSFET21、22のリーク電流を調べたところ、図2の実線に示す結果が得られ、従来よりもリーク電流が低くなり、バラスト抵抗Rの抵抗値が好ましい値となる。次に、その詳細を説明する。
【0030】
まず、従来構造を有する半導体装置の比較例を図3に図示する。図3(a)は比較例に係る半導体装置を示す平面図である。また、図3(b)、(c)は、図3(a)のIV−IV線、V−V線の断面、図3(d)は、図3(c)のうち破線で囲んだ部分の拡大断面図である。図3において、図1と同じ符号は同じ要素を示している。
【0031】
比較例に係る半導体装置では、シリサイドブロック層50がSTI2と離間せず、ドレイン領域6を横切ってSTI2の上に延在している。これにより、比較例の半導体装置において、シリサイドブロック層50の下に形成される第1のn型低濃度不純物拡散領域6aの両端は、図3(c)に示すようにSTI2に接続され、第1のn型高濃度不純物拡散領域6bに接続されない構造となっている。
【0032】
比較例に係る半導体装置のMOSFET23、24をオン状態にし、第1、第2ソース領域7、8と第4のn型高濃度不純物拡散領域6cの間に電圧Vを印加し、リーク電流を調べたところ、図2の破線に示すような特性が得られた。図2によれば、従来構造を含む比較例に係る半導体装置のリーク電流は、上記実施形態に係る半導体装置のリーク電流に比べてほぼ2桁大きくなっている。
【0033】
次に、比較例に係る半導体装置のリーク電流の発生箇所を発光分析により調べたところ、図3(a)のハッチングBで示す部分、即ちシリサイドブロック層50の下の第1のn型低濃度不純物拡散領域6aの縁部で発光量が大きくなった。これにより、第1のn型低濃度不純物拡散領域6aとSTI2との境界部分で局所的に大きなリーク電流が流れることが検出された。このような局所的にリーク電流が大きくなるのは次のような理由による。
【0034】
比較例に係る半導体装置では、図3(d)に示すように、シリサイドブロック層50の下の領域における第1のn型低濃度不純物拡散領域6aの深さはSTI2との境界部分Dで局所的に浅くなっている。
【0035】
そのように第1のn型低濃度不純物拡散領域6aの縁部が局所的に浅くなるのは、STI2の側部の膜厚が面方向に変化することに起因する。即ち、第1のn型低濃度不純物拡散領域6aを形成するために、Pウエル3内にn型不純物をイオン注入すると、STI2の縁では不純物イオンが貫通してPウエル2に注入され、その注入深さはSTI2の膜厚が増えるほど浅くなる。このように、第1のn型低濃度不純物拡散領域6aの縁部が局所的に浅く、薄くなると、その部分で電界が集中し、電界密度が局所的に高くなってリーク電流が大きくなり易い。
【0036】
これに対して上記実施形態に係る半導体装置では、第1のn型低濃度不純物拡散領域6aの縁部には深くて厚い第1の高濃度不純物拡散領域6bが接合されるので、その縁部において局所的な電界集中が生じ難くなり、リーク電流の流れが防止される。
【0037】
次に、本実施形態に係る半導体装置の形成工程の一例を図4図10を参照して説明する。なお、以下に説明する半導体装置における保護素子領域のMOSFETは、図1に示す構造とは異なる構造を有している。
【0038】
最初に、図4(a)の断面に示す構造を形成するまでの工程を説明する。
図4(a)は、シリコン基板1のうち内部素子領域S1と保護素子領域S2を示し、内部素子領域S1ではSTI2に囲まれた第1のNウエル31と第1のPウエル32が形成され、保護素子領域S2ではSTI2に囲まれた第2のNウエル33と第2のPウエル34が形成されている。第1、第2のNウエル31、33と第2、第3のPウエル32、34はそれぞれMOSFETが形成される領域であり、さらに第2のPウエル34は、上記と同様なシリサイドブロック層が形成されるドレイン領域を有している。
【0039】
第1、第2のNウエル31、33と第1第2のPウエル32、34のそれぞれにはゲート絶縁膜41a、41b、41c、41dを介して第1、第2、第3及び第4のゲート電極51、52、53、54が形成されている。ゲート絶縁膜41a、41b、41c、41dとして例えばシリコン基板1の表面を熱酸化することにより形成されるシリコン酸化膜が適用される。また、第1、第2、第3及び第4のゲート電極51、52、53、54は、例えばゲート絶縁膜41a、41b、41c、41dの上にCVD法により形成したポリシリコン膜をフォトリソグラフィー技術とエッチング技術を用いてパターニングすることにより形成される。
【0040】
次に、シリコン基板1の上にフォトレジストを塗布し、これに露光、現像等を施すことにより、図4(b)の断面に示す第1のレジストパターン42を形成する。第1レジストパターン42は、第1、第2のNウエル31、33と第1のPウエル32を覆い、第2のPウエル34を露出する形状を有している。
【0041】
その後に、第1レジストパターン42、STI2及び第4のゲート電極54をマスクにし、第2のPウエル34内にリンイオン(P)を注入することにより、第4のゲート電極54の両側方に浅いn型低濃度不純物拡散領域を形成する。それらのn型低濃度不純物拡散領域はLDD構造のn型エクステンション領域61a、62aとなる。ここで、広い側のn型エクステンション領域61aが形成される領域はドレイン領域6となる。この工程におけるイオン注入はシリコン基板1を段階的に四方向に傾け、それぞれのドーズ量を例えば約1×1013/cmとし、加速度を例えば約35keVとする。このイオン注入時には、第4のゲート電極54内にPが注入される。
【0042】
第1のレジストパターン42を除去した後に、シリコン基板1の上に新たにフォトレジストを塗布し、これに露光、現像等を施すことにより、図4(c)の断面に示す第2のレジストパターン43を形成する。第2のレジストパターン43は、第1、第2のPウエル32、34と第1のNウエル31を覆い、第2のNウエル33を露出する形状を有する。
【0043】
その後に、第2のレジストパターン43、STI2及び第3のゲート電極53をマスクに使用し、第2のNウエル33のうち第3のゲート電極の両側にフッ化ホウ素イオン(BF)を注入することにより浅いp型低濃度不純物拡散領域を形成する。それらのp型低濃度不純物拡散領域をLDD構造のp型エクステンション領域63a、64aとして適用する。この場合、イオン注入のドーズ量を例えば約4×1013/cmとし、加速度を例えば約10keVとする。このイオン注入時には、第3のゲート電極53内にBFが注入される。
【0044】
第2のレジストパターン43を除去した後に、シリコン基板1の上に新たにフォトレジストを塗布し、これに露光、現像等を施し、図5(b)の断面図に示すような第3のレジストパターン44を形成する。第4のレジストパターン44は、第1、第2のNウエル31、33を覆うとともに、第1のPウエル32を露出する形状を有する。さらに、第3のレジストパターン44は、図5(a)、(b)の平面図、断面図に示すように、第2のPウエル34のうちドレイン側のn型エクステンション領域61aの一部でバラスト抵抗とドレインコンタクトを形成しようとする領域を露出し、その他の領域を覆う形状を有する。
【0045】
その後に、第3のレジストパターン44、STI2、第2のゲート電極52をマスクに使用し、第1のPウエル32の中と第2のPウエル34のドレイン領域の一部の中に砒素イオン(As)を注入する。このイオン注入時の条件として、ドープ量を例えば約1.07×1015/cmとし、加速度を例えば約3keVとする。これにより、第2のゲート電極52の両側方の第1のPウエル32内に、LDD構造のn型エクステンション領域65a、66aとして浅いn型低濃度不純物拡散領域が形成される。同時に、第2のPウエル34において、第4のゲート電極54から離れたドレイン領域のn型エクステンション領域61aの一部に重ねて形成されるn型不純物拡散領域の一部をバラスト抵抗領域61rとする。
【0046】
これに続いて、第1のPウエル32の中と第2のPウエル34のドレイン領域の一部の中にBFを注入することによりn型エクステンション領域65a、66aとバラスト抵抗領域61rの下にp型ポケット領域65p、66p、61pを形成する。このイオン注入はシリコン基板1を四方向に傾けて行い、それぞれの角度でのイオン注入は、ドーズ量を例えば約9.6×1012/cmとし、加速度を例えば約35keVの条件とする。これらのイオン注入時には、第2のゲート電極52内にドーズ量の多いAsイオンとドーズ量の少ないホウ素イオンが注入される。
【0047】
第3のレジストパターン44を除去した後に、シリコン基板1の上にフォトレジストを塗布し、これに露光、現像等を施すことにより、図6(a)に示す第4のレジストパターン45を形成する。第4のレジストパターン45は、第1、第2のPウエル32、34と第2のNウエル33を覆うとともに、第1のNウエル31を露出する形状を有する。その後に、第4のレジストパターン45、STI2及び第1のゲート電極51をマスクに使用し、第1のNウエル31のうち第1のゲート電極51の両側にホウ素イオン(B)を注入する。これにより形成される浅いp型低濃度不純物拡散領域をLDD構造のp型エクステンション領域67a、68aとして適用する。この場合、ドーズ量を例えば約3.6×1014/cmとし、加速度を例えば約0.5keVとする。
【0048】
これに続いて、Asを注入することによりp型エクステンション領域67a、68aの下にn型ポケット領域67p、68pを形成する。このイオン注入はシリコン基板を四方向に傾けて行い、それぞれの角度においてドーズ量を例えば約6.5×1012/cmとし、加速度を例えば約80keVとする。これらのイオン注入時には、第1のゲート電極51内にドーズ量の多いBFとドーズ量の少ないAsが注入される。その後に、第4のレジストパターン45を除去する。
【0049】
次に、図6(b)に示すように、シリコン基板1の上に、絶縁膜59としてシリコン酸化膜をCVD法により形成し、第1〜第4のゲート電極51、52,53、54を覆う。その後に、絶縁膜59の上にフォトレジストを塗布し、これに露光、現像等を施すことにより第6のレジストパターン46を形成する。第6のレジストパターン46は、第1、第2のNウエル31、33及び第1のPウエル32の上の領域を開口するとともに、第2のPウエル34内で第4のゲート電極54から離れたバラスト抵抗領域61rを覆う形状を有する。第6のレジストパターン46は、バラスト抵抗領域61rでは、その周囲のSTI2との間に隙間を有し、さらに第4のゲート電極54から最も離れたSTI2寄りにドレインコンタクト領域を囲む平面U字形状を有している。
【0050】
この後に、絶縁膜59を略垂直方向にエッチバックし、図7(b)の断面図に示すように第1〜第4のゲート電極51〜54の側壁にサイドウォール49a、49b、49c、49dとして残し、第1〜第4のゲート電極51〜54の上面を露出する。また、図7(a)、(b)の平面と断面に示すように、第2のPウエル34では、第6のレジストパターン46の下に平面U字状の絶縁膜59がシリサイドブロック層59sとして残される。その後に、第6のレジストパターン46を除去する。
【0051】
これにより、第2のPウエル34において、シリサイドブロック層59sは、第4のゲート電極54から離れ、STI2の端部から離間して間隙xが形成される。なお、第2のPウエル34において、シリサイドブロック層59sに対して第4のゲート電極54と反対側にある領域はドレインコンタクト領域60となり、シリサイドブロック層59sにより平面U字状に囲まれている。
【0052】
次に、図8(a)、(b)の構造を形成するまでの工程を説明する。
まず、シリコン基板1の上に新たにフォトレジストを塗布し、これに露光、現像等を施すことにより第7のレジストパターン(不図示)を形成する。第7のレジストパターンは、第1、第2のNウエル31、33を露出するとともに、第1、第2のPウエル32、34を覆う形状を有する。その後に、第1、第3のゲート電極51.53とサイドウォール59a、59cをマスクにして第1、第2のNウエル31、33内にp型不純物イオンであるBを注入する。この場合、ドーズ量を例えば約4×1015/cmとし、加速度を例えば約5keVとする。
【0053】
これにより、第1、第2のウエル31、33のうち第1、第3のゲート電極51、53、サイドウォール59a、59cのそれぞれの両側方にp型高濃度不純物拡散領域67b、68b、63b、64bを形成する。p型濃度不純物拡散領域67b、68b、63b、64bは、それよりも浅いp型エクステンション領域67a、68a、63a、64aとともにLDD構造のp型ソース/ドレイン領域67、68、63、64となる。
【0054】
第7のレジストパターン(不図示)を除去した後に、シリコン基板1上にフォトレジストを塗布し、これに露光、現像等を施すことにより図8(b)に示すような第8のレジストパターン47を形成する。第8のレジストパターン47は、第1、第2のPウエル32、34を露出するとともに、第1、第2のNウエル31、33を覆う形状を有する。その後に、第1、第2のPウエル32、34のそれぞれにSTI2と第2、第4のゲート電極52、54とサイドウォール59b、59dをマスクにしてn型不純物イオンを第1、第2のPウエル32、34に2回注入する。1回目のイオン注入は、n型不純物イオンであるPを例えば約1×1015/cmのドーズ量で例えば約18keVの加速度を条件とする。2回目のイオン注入は、Pを例えば約6×1015/cmのドーズ量で例えば約11keVの加速度を条件とする。
【0055】
これにより、第1のPウエル32のうち第2のゲート電極52、サイドウォール59bの両側方には、n型高濃度不純物拡散領域65b、66bが形成される。n型高濃度不純物拡散領域65b、66bは、それより浅いn型エクステンション領域65a、66aとともにLDD構造のn型ソース/ドレイン領域65、66となる。
【0056】
また、第2のPウエル34のうち第4のゲート電極54及びサイドウォール59dの両側にはn型高濃度不純物拡散領域61b、62bが形成される。n型高濃度不純物拡散領域61b、62bは、それより浅いn型エクステンション領域61a、62aとともにLDD構造のn型ソース/ドレイン領域61、62となる。また、STI2の縁部とシリサイドブロック層59sの間の領域には、図8(a)に示すように、n型エクステンション領域61aより深くて厚いn型高濃度不純物拡散領域61bが形成される。この場合、シリサイドブロック層59sは、n型不純物イオンを防御するので、その下の浅いn型不純物拡散領域がバラスト抵抗領域61rとしてそのまま残され、その側部はそれより深いn型高濃度不純物拡散領域61bに接続する。n型のバラスト抵抗領域61rは、n型高濃度不純物拡散領域61bよりも低濃度となっている。
【0057】
第8のレジストパターン47を除去した後に、コバルト、ニッケル、チタンなどの金属膜をスパッタ法によりシリコン基板1の上に形成する。その後に、金属膜とシリコン基板1を加熱することにより、ポリシリコンから形成された第1〜第4のゲート電極51〜54の上部をシリサイド化し、同時にp型高濃度不純物拡散領域67b、68b、63b、64bとn型高濃度不純物拡散領域65b、66b、61b、62bのそれぞれの上部をシリサイド化する。
【0058】
その後に、金属膜を除去することにより、図9(a)、(b)の平面図、断面図に示すように、第1〜第4のゲート電極51〜54の上部にシリサイド層69a、69b、69c、69dを形成し、p型ソース/ドレイン領域67、68、63、64のp型高濃度不純物拡散領域67b、68b、63b、64bの表面とn型ソース/ドレイン領域65、66、61、62のn型高濃度不純物拡散領域65b、66b、61b、62bの表面にシリサイド層69e、69f、69g、69h、69i、69j、69k、69lを形成する。この場合、第2のPウエル34において、シリサイドブロック層59sに覆われたバラスト抵抗領域61rのシリサイド化が防止されるが、その周囲にはシリサイド層69kが形成され、ドレインコンタクト領域60のn型高濃度不純物拡散領域61bの表面にもシリサイド層69kが形成される。
【0059】
これにより、第1のNウエル31には、第1のゲート電極51、p型ソース/ドレイン領域67、68などを有する第1のp型MOSFETtが形成される。また、第1のPウエル32には、第2のゲート電極52、n型ソース/ドレイン領域65、66などを有する第1のn型MOSFETtが形成される。また、第2のNウエル33には、第3のゲート電極53、p型ソース/ドレイン領域63、64などを有する第2のp型MOSFETtが形成される。また、第2のPウエル34には、第4のゲート電極54、n型ドレイン領域61、n型ソース領域62などを有する第2のn型MOSFETtが形成される。また、第2のn型MOSFETtのn型ドレイン領域61とドレインコンタクト領域60の間にはバラスト抵抗領域61rが接続している。
【0060】
なお、保護素子領域S2には、第2のn型MOSFETtが複数形成されてもよい。また、保護素子領域S2に形成される第2のp型MOSFETtにもシリサイドブロック層とバラスト抵抗領域を形成してもよい。
【0061】
次に、図10(a)、(b)の平面図、断面図に示す構造を形成するまでの工程を説明する。
まず、シリコン基板1の上に層間絶縁膜70として例えばシリコン酸化膜を形成し、その後に導電プラグ71a〜71h、71x、配線73a〜73h、73xを形成する。例えば、フォトリソグラフィー技術とエッチング技術により、層間絶縁膜70のうちp型ソース/ドレイン領域63、64、67、68、n型ソース/ドレイン領域65、66、n型ドレイン領域61、n型ソース領域62、第1〜第4のゲート電極51〜54のそれぞれの上にコンタクトホールを形成する。ついで、各コンタクトホール内にTi、TiN、タングステンなどの金属膜を形成するなどの工程により導電プラグ71a〜71h、71xを形成する。さらに、導電プラグ71a〜71h、70xの上端に接続する配線73a〜73h、73xを層間絶縁膜70上に形成する。配線は、層間絶縁膜70の上に二層目の層間絶縁膜72を形成し、さらに配線溝を形成してその溝内に銅を埋め込むことにより形成してもよい。或いは、アルミニウム、アルミニウム合金などの金属膜をパターニングすることにより形成してもよい。そのような配線、導電プラグ、層間絶縁膜の形成を繰り返すことによりシリコン基板の上方に多層配線構造を形成する。
【0062】
以上のような半導体装置の製造方法によれば、第2のPウエル34に隣接するSTI2から離間してシリサイドブロック層59sを形成し、その間のPウエル34内に深いn型高濃度不純物拡散領域61bを形成し、その上にシリサイド層69kを形成している。これにより、工程を増やすことなく、シリサイドブロック層59sの下のバラスト抵抗領域61rにリーク電流が流れることを防止することができる。また、バラスト抵抗領域61rの下に、バラスト抵抗領域61rとは反対導電型のポケット領域61pを形成したので、バラスト抵抗領域61rから空乏層が広がることを防止し、リーク電流を抑制することができる。なお、シリサイドブロック層59sとSTI2の隙間は、電流が流れにくいように調整される。
【0063】
ここで挙げた全ての例および条件的表現は、発明者が技術促進に貢献した発明および概念を読者が理解するのを助けるためのものであり、ここで具体的に挙げたそのような例および条件に限定することなく解釈され、また、明細書におけるそのような例の編成は本発明の優劣を示すこととは関係ない。本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、それに対して種々の変更、置換および変形を施すことができると理解される。
【符号の説明】
【0064】
1 シリコン基板
2 STI
3 Pウエル
4 ゲート絶縁膜
5a、5b ゲート電極
6a、7a、8a n型低濃度不純物拡散領域
6b、6c、7b、8b n型高濃度不純物拡散領域
9 サイドウォール
10 シリサイドブロック層
11a〜11e シリサイド層
13a〜13c 導電プラグ
R バラスト抵抗
31、33 Nウエル
32、34 Pウエル
41a〜41d ゲート絶縁膜
50 シリサイドブロック層
51〜54 ゲート電極
59a〜59d サイドウォール
59s シリサイドブロック層
60 ドレインコンタクト領域
61 n型ドレイン領域
62 n型ソース領域
63,64、67、68 p型ソース/ドレイン領域
65,66 p型ソース/ドレイン領域
61r バラスト抵抗領域
61a、62a、65a、65a n型エクステンション領域
61b、62b、65b、65b n型高濃度不純物拡散領域
63a、64a、86a、68a p型エクステンション領域
63b、63b、63b、63b p型高濃度不純物拡散領域
69a〜69l シリサイド層
71a〜71h 導電プラグ
x 間隙
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10