特許第6236838号(P6236838)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6236838
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】撮像装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G03B 5/00 20060101AFI20171120BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   G03B5/00 J
   H04N5/232 480
【請求項の数】8
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2013-81653(P2013-81653)
(22)【出願日】2013年4月9日
(65)【公開番号】特開2014-203048(P2014-203048A)
(43)【公開日】2014年10月27日
【審査請求日】2016年3月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】311015207
【氏名又は名称】リコーイメージング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】上中 行夫
【審査官】 高橋 雅明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−164238(JP,A)
【文献】 特開平09−061881(JP,A)
【文献】 特開2008−067177(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 5/00
H04N 5/232
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体像を撮像素子に結像させる撮影光学系と、
前記撮像素子に結像している被写体像の結像位置を補正する補正手段と、
前記補正手段が前記結像位置を補正しない非補正状態にあるとき、前記補正手段の位置を保持するロック手段とを備え、
前記補正手段は、前記ロック手段に対して決定されるロック手段の中心位置と、前記結像位置の補正範囲内において決定される補正範囲内の中心位置とに移動可能であって、
前記補正手段が前記結像位置を補正する補正状態に前記非補正状態から移行する移行期間において、前記補正手段が第1の変位速度で前記ロック手段の中心位置に移動し、その後に前記ロック手段が前記補正手段の位置を保持することを止め、その後に前記補正手段が前記第1の変位速度よりも遅い第2の変位速度で前記補正範囲内の中心位置に移動する撮像装置。
【請求項2】
前記撮像装置のブレを検出するブレ検出手段をさらに備え、
前記移行期間において、前記ロック手段が前記補正手段の位置を保持することを止めた後に、前記補正手段が、前記第1の変位速度よりも遅い第2の変位速度で前記補正範囲内の中心位置に移動しながら前記ブレを補正するように移動する請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記撮像装置のブレを検出するブレ検出手段をさらに備え、
前記移行期間が終了した後に、前記補正手段が前記ブレを補正するように移動する請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記撮像装置は、前記移行期間において、前記ロック手段が前記補正手段の位置を保持することを止めた後に、前記補正手段が、前記第1の変位速度よりも遅い第2の変位速度で前記中心位置に移動すると同時に、前記ブレを補正するように移動する第1の処理と、前記補正手段が前記補正範囲内の中心位置に移動して前記移行期間を終了した後に、前記補正手段が前記ブレを補正するように移動する第2の処理とを選択的に実行可能であって、
前記第1の処理及び前記第2の処理のいずれを実行するかを選択する選択手段をさらに備える請求項1から3のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項5】
前記補正手段は、前記結像位置の補正範囲内で移動可能である請求項1からのいずれかに記載の撮像装置。
【請求項6】
前記補正手段は補正光学系であって、前記補正光学系は、前記撮影光学系の光軸と直交する方向に移動する請求項1からのいずれかに記載の撮像装置。
【請求項7】
前記第1と第2の変位速度は、現在位置から前記ロック手段の中心位置又は前記補正範囲内の中心位置へ移動するときの単位時間当たりの移動量である請求項1からのいずれかに記載の撮像装置。
【請求項8】
被写体像を撮像素子に結像させる撮影光学系と、前記撮像素子に結像している被写体像の結像位置を補正する補正手段と、前記補正手段が前記結像位置を補正しない非補正状態にあるとき、前記補正手段の位置を保持するロック手段とを備える撮像装置において用いられる方法であって、
前記補正手段は、前記ロック手段に対して決定されるロック手段の中心位置と、前記結像位置の補正範囲内において決定される補正範囲内の中心位置とに移動可能であって、
前記補正手段が前記結像位置を補正する補正状態に前記非補正状態から移行する移行期間において、前記補正手段が第1の変位速度で前記ロック手段の中心位置に移動するステップと、
その後に前記ロック手段が前記補正手段の位置を保持することを止めるステップと、
その後に前記補正手段が前記第1の変位速度よりも遅い第2の変位速度で前記補正範囲内の中心位置に移動するステップとを備える方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、像ブレ補正機構を有する撮像装置、及び像ブレ補正機構を駆動する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
像ブレを補正するために用いられる補正レンズを備える撮像装置が知られている。撮像装置は、補正レンズを駆動することにより、撮像装置に加えられる衝撃により生じる像ブレを補正する。補正レンズが駆動されていないとき撮像装置に振動が加えられると、加えられた振動により補正レンズが動いて他の部品に衝突し、補正レンズや他の部品が破損する可能性がある。これらのような破損を防止するため、像ブレ補正を行っていないとき、補正レンズの光軸が撮影光学系の光軸と一致するように補正レンズをロックリングで固定する構成が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−95489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、補正レンズの光軸と撮影光学系の光軸とが一致しない位置で補正レンズを固定しなければならない場合、像ブレ補正を適切に行うために、固定を解除した後に補正レンズを移動させて補正レンズの光軸と撮影光学系の光軸とを一致させる必要がある。特許文献1が開示する処理を用いて、補正レンズの光軸と撮影光学系の光軸とが一致しない位置で補正レンズの固定を解除しても、解除した後に補正レンズを移動させて補正レンズの光軸と撮影光学系の光軸とを一致させる行程において、画像が不自然にシフトしてユーザに不快感を与えるおそれが生じるとともに、補正レンズの移動に伴い機械ノイズや振動が発生するおそれがある。
【0005】
本発明はこの問題に鑑みてなされたものであり、補正レンズの光軸と撮影光学系の光軸とが一致しない位置で補正レンズを固定する撮像装置において、補正レンズの固定を解除する期間に、ユーザに不快感を与えにくく、かつ補正レンズの移動に伴う機械ノイズや振動を発生しにくい撮像装置及び方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願第1の発明による撮像装置は、被写体像を撮像素子に結像させる撮影光学系と、撮像素子に結像している被写体像の結像位置を補正する補正手段と、補正手段が結像位置を補正しない非補正状態にあるとき、補正手段の位置を保持するロック手段とを備え、補正手段は、ロック手段に対して決定される解除位置と、結像位置の補正範囲内において決定される基準位置とに移動可能であって、補正手段が結像位置を補正する補正状態に非補正状態から移行する移行期間において、補正手段が第1の変位速度で解除位置に移動し、その後にロック手段が補正手段の位置を保持することを止め、その後に補正手段が第1の変位速度よりも遅い第2の変位速度で基準位置に移動することを特徴とする。
【0007】
撮像装置のブレを検出するブレ検出手段をさらに備え、移行期間において、ロック手段が補正手段の位置を保持することを止めた後に、補正手段が、第1の変位速度よりも遅い第2の変位速度で基準位置に移動しながらブレを補正するように移動してもよい。
【0008】
撮像装置のブレを検出するブレ検出手段をさらに備え、移行期間が終了した後に、補正手段がブレを補正するように移動してもよい。
【0009】
撮像装置は、移行期間において、ロック手段が補正手段の位置を保持することを止めた後に、補正手段が、第1の変位速度よりも遅い第2の変位速度で中心位置に移動すると同時に、ブレを補正するように移動する第1の処理と、補正手段が基準位置に移動して移行期間を終了した後に、補正手段がブレを補正するように移動する第2の処理とを選択的に実行可能であって、第1の処理及び第2の処理のいずれを実行するかを選択する選択手段をさらに備えてもよい。
【0010】
解除位置はロック手段の中心が好ましい。
【0011】
補正手段は、結像位置の補正範囲内で移動可能であって、基準位置は、補正範囲内の中心位置であることが好ましい。
【0012】
補正手段は補正光学系であって、補正光学系は、撮影光学系の光軸と直交する方向に移動することが好ましい。
【0013】
第1と第2の変位速度は、現在位置から解除位置又は基準位置へ移動するときの単位時間当たりの移動量であることが好ましい。
【0014】
本願第2の発明による方法は、被写体像を撮像素子に結像させる撮影光学系と、撮像素子に結像している被写体像の結像位置を補正する補正手段と、補正手段が結像位置を補正しない非補正状態にあるとき、補正手段の位置を保持するロック手段とを備える撮像装置において用いられる方法であって、補正手段は、ロック手段に対して決定される解除位置と、結像位置の補正範囲内において決定される基準位置とに移動可能であって、補正手段が結像位置を補正する補正状態に非補正状態から移行する移行期間において、補正手段が第1の変位速度で解除位置に移動するステップと、その後にロック手段が補正手段の位置を保持することを止めるステップと、その後に補正手段が第1の変位速度よりも遅い第2の変位速度で基準位置に移動するステップとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、補正レンズの光軸と撮影光学系の光軸とが一致しない位置で補正レンズを固定する撮像装置において、補正レンズの固定を解除する期間に、ユーザに不快感を与えにくく、かつ補正レンズの移動に伴う機械ノイズや振動を発生しにくい撮像装置及び方法を得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1の実施形態によるデジタルカメラを概略的に示したブロック図である。
図2】デジタルカメラの外観を概略的に示した図である。
図3】レンズCPU等を示したブロック図である。
図4】撮影レンズの光軸に沿って被写体からデジタルカメラを見た図である。
図5】ロック解除状態にあるロック機構とブレ補正機構とを示した図である。
図6】ロック状態にあるロック機構とブレ補正機構とを示した図である。
図7】ロック状態にあるブレ補正レンズとロック環との関係を概略的に示した図である。
図8】ブレ補正レンズを現在位置から解除位置まで移動させたときの画像である。
図9】解除位置にあるブレ補正レンズと基準位置との関係を概略的に示した図である。
図10】ブレ補正レンズを解除位置から基準位置まで移動させたときの画像である。
図11】ブレ補正レンズの移動の軌跡を概略的に示した図である。
図12】カメラCPU処理を示したフローチャートである。
図13】レンズCPU処理を示したフローチャートである。
図14】ロック初期化処理を示したフローチャートである。
図15】第1のレンズCPU割込処理を示したフローチャートである。
図16】現在位置保持駆動処理を示したフローチャートである。
図17】ロック中心駆動処理を示したフローチャートである。
図18】補正範囲中心計算処理を示したフローチャートである。
図19】第1のブレ補正駆動処理を示したフローチャートである。
図20】第2の実施形態によるブレ補正レンズの移動の軌跡を概略的に示した図である。
図21】第2のレンズCPU割込処理を示したフローチャートである。
図22】補正範囲中心駆動処理を示したフローチャートである。
図23】第2のブレ補正駆動処理を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本願発明の第1の実施形態による撮像装置について図を用いて説明する。図1及び2は、撮像装置の一実施形態であるデジタルカメラ100を概略的に示す。まず、図1及び2を用いてデジタルカメラ100の構成について説明する。
【0018】
デジタルカメラ100は、カメラ本体110と、カメラ本体110と着脱自在に設けられる撮影レンズ200とを主に備える。
【0019】
カメラ本体110は、撮像素子111、カメラCPU112、測光スイッチ113、レリーズスイッチ114、メインスイッチ115、LCD116、及び電源117を主に備える。
【0020】
カメラCPU112は、外部の機器と接続するための複数のポートを備える。複数のポートは、メインスイッチ115と接続されるカメラポート1、測光スイッチ113と接続されるカメラポート2、レリーズスイッチ114と接続されるカメラポート3、撮像素子111と接続されるカメラポート4、レンズCPUと接続されるカメラ通信ポート、電源117に接続されるカメラVCCポート、LCD116に接続されるLCDポート、並びに接地線に接続されるカメラGNDポートを備える。
【0021】
メインスイッチ115が押し下げられると、カメラCPU112はデジタルカメラ100の電源117をオンにする。これにより、カメラ本体及び撮影レンズ200に電力が供給される。
撮像素子111は、撮像レンズが結像させた被写体像を撮像して、画像信号を出力する。
カメラCPU112は、撮像素子111から画像信号を受信して所定の画像処理を施した後、LCD116に画像信号を出力する。LCD116は、受信した画像信号を画像として表示する。
【0022】
測光スイッチ113が押し下げられると、カメラCPU112に測光信号が送信される。測光信号を受信したカメラCPU112は、図示しない測光素子を用いて被写体の光量を測定する。
【0023】
レリーズスイッチ114が押し下げられると、カメラCPU112にレリーズ信号が送信される。レリーズ信号を受信したカメラCPU112は、撮像素子111から受信した画像信号に所定の画像処理を施して画像ファイルを作成し、図示しないメモリカードに画像ファイルを保存する。レリーズスイッチ114が押し下げられてからメモリカードに画像ファイルを保存するまでの一連の処理をレリーズ処理と呼ぶ。
【0024】
デジタルカメラ100が撮影モードであるとき、撮像素子111は連続的に被写体像を撮像し、LCD116は画像を連続的に表示、すなわち動画をスルー画像として表示する。
【0025】
電源117は、カメラ本体110が備える部材及び撮影レンズ200に電力を供給する。
【0026】
撮影レンズ200は、撮影光学系であるレンズ群201と、レンズCPU210と、補正手段であるブレ補正レンズ231を有するブレ補正機構230と、ロック手段であるロック機構240とを主に備える。
【0027】
レンズ群201は被写体からの反射光を被写体像として撮像素子111に結像させる。
ブレ補正レンズ231は、補正光学系であって、撮影レンズ200の光軸と直交する方向に移動可能となるように設けられる。またブレ補正レンズ231は、撮影レンズ200のブレを打ち消すように駆動され、これにより、撮像素子111に結像している被写体像の結像位置を補正し、被写体像のブレを緩和する。この処理を像ブレ補正と呼ぶ。
ロック機構240は、ブレ補正レンズ231が被写体像の結像位置を補正していないとき、ブレ補正レンズ231の位置を保持、すなわち固定する。
【0028】
撮影レンズ200は、ブレ補正スイッチ202、X方向角速度センサ203、Y方向角速度センサ204、X方向駆動制御部205、Y方向駆動制御部206、及びロック環制御部243をさらに備える。レンズCPU210は、これら及びカメラCPU112と電気的に接続される。
【0029】
ブレ補正スイッチ202が押し下げられると、ブレ補正信号がレンズCPU210に送信される。ブレ補正信号を受信したレンズCPU210はブレ補正を行う。
【0030】
X方向角速度センサ203は、デジタルカメラ100に加えられたブレ、すなわちデジタルカメラ100のヨーに関する角速度を検出し、X方向ブレ信号としてレンズCPU210に送信する。Y方向角速度センサ204も同様にして、デジタルカメラ100に加えられたブレ、すなわちデジタルカメラ100のピッチに関する角速度を検出し、Y方向ブレ信号としてレンズCPU210に送信する。ここで図2を参照すると、X方向とはデジタルカメラ100を横位置に設置したときの左右かつ水平な軸に沿った方向を意味し、Y方向とはデジタルカメラ100を横位置に設置したときの重力軸に沿った方向を意味する。そして、デジタルカメラ100のヨーとは、デジタルカメラ100を横位置に設置したときの重力軸周りの回転を意味し、デジタルカメラ100のピッチとは、デジタルカメラ100を横位置に設置したときの左右かつ水平な軸周りの回転を意味する。
【0031】
X方向駆動制御部205はブレ補正機構230に接続され、ブレ補正レンズ231をX方向に駆動する信号をブレ補正機構230に送信する。ブレ補正レンズ231をX方向に駆動する信号をX方向駆動信号と呼ぶ。Y方向駆動制御部206はブレ補正機構230に接続され、ブレ補正レンズ231をY方向に駆動する信号をブレ補正機構230に送信する。ブレ補正レンズ231をY方向に駆動する信号をY方向駆動信号と呼ぶ。
【0032】
ロック環制御部243はロック機構240に接続され、ブレ補正レンズ231を固定する信号をロック機構240に送信する。ブレ補正レンズ231を固定する信号をロック信号と呼ぶ。
【0033】
次に図3及び4を用いて、レンズCPU及びブレ補正機構230について詳細に説明する。
【0034】
レンズCPU210は、外部の機器と接続するための複数のポートと、各種の処理を実行する制御部211とを主に備える。
【0035】
複数のポートは、X方向角速度センサ203と接続されるレンズポートA/D1、Y方向角速度センサ204と接続されるレンズポートA/D2、X方向駆動制御部205と接続されるレンズポートA/D3及びレンズポート1、Y方向駆動制御部206と接続されるレンズポートA/D4及びレンズポート2、ロック環制御部243と接続されるレンズポート3、ブレ補正スイッチ202と接続されるレンズポート4、カメラCPU112と接続されるレンズ通信ポート、電源117に接続されるレンズVCCポート、並びにカメラ本体110から延びる接地線に接続されるレンズGNDポートを備える。
【0036】
制御部211は、レンズ通信ポートを介してカメラCPU112と通信を行う。
【0037】
レンズポートA/D1を介してX方向角速度センサ203から受信したX方向ブレ信号は、X方向角速度A/D212によってデジタル変換され、X方向角度演算部213に送信される。X方向角度演算部213は、X方向ブレ信号に基づいてX方向における角度であるヨーを演算する。算出されたヨーはX方向レンズ駆動位置計算部214に送信される。X方向レンズ駆動位置計算部214は、ヨーに基づいて、ブレ補正レンズ231のX方向に対して移動するべき位置であるX方向駆動位置を算出する。X方向駆動位置は、X方向に対してデジタルカメラ100のヨーを相殺するような位置、すなわち撮像素子111に結像している被写体像のX方向に対するブレを補正するような位置である。そして、算出されたX方向駆動位置が制御部211に送信される。
【0038】
レンズポートA/D2を介してY方向角速度センサ204から受信したY方向ブレ信号は、X方向ブレ信号と同様に、Y方向角速度A/D216、Y方向角度演算部217、及びY方向レンズ駆動位置計算部218を経て、Y方向における角度であるピッチに変換され、さらにピッチに基づいてブレ補正レンズ231のY方向に対して移動するべき位置であるY方向駆動位置に変換される。Y方向駆動位置は、Y方向に対してデジタルカメラ100のピッチを相殺するような位置、すなわち撮像素子111に結像している被写体像のY方向に対するブレを補正するような位置である。そしてY方向駆動位置が制御部211に送信される。
【0039】
ブレ補正機構230は、X方向コイル232、X方向ホールセンサ234、Y方向コイル233、及びY方向ホールセンサ235を主に備える。X方向コイル232はX方向に対してブレ補正レンズ231を駆動し、Y方向コイル233はY方向に対してブレ補正レンズ231を駆動する。X方向ホールセンサ234はX方向に対するブレ補正レンズ231の位置を検出し、検出した位置をX方向レンズ位置としてX方向駆動制御部205に送信し、Y方向ホールセンサ235はY方向に対するブレ補正レンズ231の位置を検出し、検出した位置をY方向レンズ位置としてY方向駆動制御部206に送信する。
【0040】
X方向駆動制御部205は、X方向レンズ位置に所定の処理を施した後に、レンズポートA/D3を介してX方向駆動A/D221に送信する。X方向駆動A/D221は、受信した信号をデジタル信号に変換して、X方向減算器219に送信する。X方向減算器219は、制御部211からX方向駆動位置を受信し、X方向駆動位置からX方向レンズ位置を減算する。そして、得られた値をX方向自動制御演算部220に送信する。X方向自動制御演算部220は、受信した値に所定の処理を施した後、レンズポート1を介してX方向駆動制御部205に送信する。X方向駆動制御部205は、受信した信号をX方向駆動信号としてX方向コイル232に送信する。X方向コイル232は、X方向駆動信号に応じて、ブレ補正レンズ231をX方向に駆動する。
【0041】
Y方向レンズ位置も、Y方向駆動制御部206、Y方向駆動A/D224、Y方向減算器222、及びY方向自動制御演算部223によってX方向レンズ位置と同様に処理され、これによりY方向駆動信号が生成される。Y方向コイル233は、Y方向駆動信号に応じて、ブレ補正レンズ231をY方向に駆動する。
【0042】
図4は、撮影レンズ200の光軸Aに沿って被写体からデジタルカメラ100を見た図であり、カメラ本体110、撮影レンズ200、及びブレ補正レンズ231の位置関係を示す。
【0043】
図4では、ブレ補正レンズ231は、その光軸が撮影レンズ200の光軸Aと一致する位置に置かれている。この位置を基準位置という。ブレ補正レンズ231は、ブレ補正範囲236内を移動可能である。ブレ補正範囲236の中心237は、光軸A上に設けられる。
【0044】
次に図3、5、及び6を用いて、ロック機構240について詳細に説明する。
【0045】
ロック機構240は、ロックモータ241とロック環242とを主に備える。ロックモータ241は、ロック環制御部243と電気的に接続され、ロック信号に応じて回転する。ロック環242は、図示しない歯車を介してロックモータ241と機械的に接続される。ロックモータ241の回転により、ロック環242が回転する。ブレ補正レンズ231をロックする必要があると制御部211が判断したとき、レンズポート3を介してその旨の信号をロック環制御部243に送信する。ロック環制御部243はロックモータ241にロック信号を送信する。ロックモータ241はロック信号に応じて回転して、ロック環242を駆動する。これによりブレ補正レンズ231が所定の位置に固定される。
【0046】
図5は、撮影レンズ200の光軸方向から見たブレ補正機構及びロック機構240であり、ブレ補正レンズ231のロックが解除されているロック解除状態を示す。
【0047】
ロック環242は環形状を有し、環形状の内周面に設けられる複数の解除溝244と複数の固定面245とを有する。ロック環242は、環形状の中心軸Lを中心とした所定の角度内で回転可能であるが、径方向、言い換えると環形状の軸に対して直角方向に対して固定され、移動できない。
【0048】
ブレ補正レンズ231は、環状のレンズ枠246を有し、レンズ枠246の外周面には複数の固定突起247が設けられる。ロック環242の内周面とレンズ枠246の外周面との間には、僅かな隙間が設けられる。固定突起247の突出長さは、この隙間の径方向長さと略同じである。ロック解除状態にあるとき、固定突起247は、径方向において解除溝244に対応する位置に置かれる。このとき、ブレ補正レンズ231は、ロック環242の位置及び内周に関係なく、ブレ補正範囲236内を移動可能である。すなわちこの状態において、ブレ補正レンズ231は撮影レンズ200のブレを打ち消すように移動することができ、撮像素子111に結像している被写体像の結像位置を補正する。この状態を補正状態という。
【0049】
ロック解除状態からロック状態に移行するとき、ロックモータ241がロック環242を図5において右回りに回転させる。
【0050】
図6は、撮影レンズ200の光軸方向から見たブレ補正機構及びロック機構240であり、ブレ補正レンズ231の位置が固定されているロック状態を示す。
【0051】
ロック状態では、固定突起247は固定面245と接触及び係合する。これにより、ブレ補正レンズ231は径方向に対して固定されて、ブレ補正範囲236内を移動できない。すなわちこの状態において、ブレ補正レンズ231は撮影レンズ200のブレを打ち消すように移動することがなく、撮像素子111に結像している被写体像の結像位置を補正することもない。この状態を非補正状態という。
【0052】
次に図7−10を用いて、ロック状態からロック解除状態に移行するときの動作について説明する。
【0053】
図7は、ロック状態にあるブレ補正レンズ231とロック環242との関係を概略的に示した図である。ロック状態において固定突起247が固定面245と接触及び係合している場合であっても、ブレ補正レンズ231とロック環242との間には、多少の隙間が存在する。そのため、ブレ補正レンズ231は重力等の外力により位置231aまで僅かに移動可能である。移動したブレ補正レンズ231の光軸238はロック環242の中心軸Lと一致しない。この状態においてロック環242を回転させてロック状態からロック解除状態に移行しようとした場合、ブレ補正レンズ231がロック環242に接触して回転方向に負荷が生じロック環242を上手く回転させることができず、ロック解除状態に移行できないおそれが生じる。そのため、ロック環242を回転させる前にブレ補正レンズ231の光軸238をロック環242の中心軸Lと一致させる必要がある。そこで、ブレ補正レンズ231を解除位置231bまで移動させる。解除位置231bに移動したブレ補正レンズ231の光軸238は、ロック環242の中心軸Lと一致する。このようなブレ補正レンズ231の位置を解除位置231bといい、ブレ補正レンズ231が移動可能な平面と中心軸Lとの交点をロック中心という。ブレ補正レンズ231を解除位置231bまで移動させる処理をロック中心駆動処理という。
【0054】
図8は、ブレ補正レンズ231を位置231aから解除位置231bまで移動させたときの画像を示す。ブレ補正レンズ231が位置231aにあるとき、被写体像は位置81にある。そしてブレ補正レンズ231が解除位置231bにあるとき、被写体像は位置82にある。つまり、ブレ補正レンズ231が位置231aから解除位置231bに移動するとき、被写体像は位置81から位置82に移動する。
【0055】
図9は、解除位置231bにあるブレ補正レンズ231と基準位置231cとの関係を概略的に示した図である。ブレ補正を適切に行うためには、ブレ補正レンズ231を基準位置231cに置いてからブレ補正を行う必要がある。そのため、ブレ補正を実行する前にブレ補正レンズ231を基準位置231cに移動させる。すなわち、解除位置231bにあるブレ補正レンズ231を基準位置231cに移動させる。基準位置231cに移動したブレ補正レンズ231の光軸238は、ブレ補正範囲236の中心237と一致する。
【0056】
図10は、ブレ補正レンズ231を解除位置231bから基準位置231cまで移動させたときの画像を示す。ブレ補正レンズ231が解除位置231bにあるとき、被写体像は位置83にある。そしてブレ補正レンズ231が基準位置231cにあるとき、被写体像は位置84にある。つまり、ブレ補正レンズ231が解除位置231bから基準位置231cに移動するとき、被写体像は位置83から位置84に移動する。
【0057】
次に、図11を用いてブレ補正レンズ231の移動について説明する。図11は、ブレ補正レンズ231の光軸の位置と時間との関係を示したグラフである。曲線91は、従来の構成によるブレ補正レンズ231の光軸の位置と時間との関係を示し、曲線92は、本実施形態によるブレ補正レンズ231の光軸の位置と時間との関係を示す。時間0において、ブレ補正レンズ231は非補正状態にある。
【0058】
まず従来の構成を示した曲線91について説明する。図7の位置231aをブレ補正レンズ231の現在位置とする。ブレ補正レンズ231は現在位置から解除位置231bに移動され、これによりブレ補正レンズ231の光軸238がロック環242の中心軸Lと一致する。ブレ補正レンズ231が現在位置から解除位置231bに移動するまでの期間をロック中心駆動期間と呼ぶ。
【0059】
次に、ロック環242が回転されて、ロック環242がロック解除状態に移行する。ロック環242が回転される期間をロック解除移行期間と呼ぶ。
【0060】
次に、ブレ補正を行わずにブレ補正レンズ231を基準位置231cに移動させる。すなわち、解除位置231bにあるブレ補正レンズ231を基準位置231cに移動させる。基準位置231cに移動したブレ補正レンズ231の光軸238は、ブレ補正範囲236の中心237と一致する。ブレ補正レンズ231が解除位置231bから基準位置231cまで移動する期間を補正範囲中心駆動期間と呼ぶ。撮影を迅速に開始できるようにするためには、補正範囲中心駆動期間を短くしなければならない。そのため、ブレ補正レンズ231は機械的に可能な限り迅速に駆動される。これにより、補正範囲中心駆動期間では、ブレ補正レンズ231の移動に伴って被写体像が画像内で急速に移動する(図10参照)。画像内で被写体像が急速に移動するとユーザに不快感を与えるおそれがある。
【0061】
次に本実施形態の構成を示した曲線92について説明する。図7の位置231aをブレ補正レンズ231の現在位置とする。ブレ補正レンズ231は現在位置から解除位置231bに第1の変位速度で移動され、これによりブレ補正レンズ231の光軸238がロック環242の中心軸Lと一致する。第1の変位速度は、現在位置から解除位置231bへ移動するときの単位時間当たりの移動量である。次に、ロック環242が回転されて、ロック環242がブレ補正レンズ231の位置を保持することを止め、ロック解除状態に移行する。
【0062】
ロック解除移行期間が終了した後、ブレ補正を行いながらブレ補正レンズ231を第2の変位速度で基準位置231cに移動させる。すなわち、解除位置231bにあるブレ補正レンズ231を、ブレ補正を行わせながら第2の変位速度で基準位置231cに向けて移動させる。よって、ブレ補正レンズ231の動きは、基準位置231cに向けて移動する動きと、ブレ補正を行う動きとから成る。第2の変位速度は第1の変位速度よりも遅い速度である。第2の変位速度は、解除位置231bから基準位置231cへ移動するときの単位時間当たりの移動量である。基準位置231cに移動したブレ補正レンズ231の光軸238は、ブレ補正範囲236の中心237と一致する。つまり、従来の構成における補正範囲中心駆動期間は存在せず、時間0からブレ補正レンズ231が概ね基準位置231cに移動するまでの期間が、非補正状態から補正状態に移行する移行期間である。ロック解除移行期間が終了するとすぐにブレ補正を開始するため、ロック解除移行期間が終了すると直ちに撮影を行うことができる。また補正範囲中心駆動期間が存在せず、ブレ補正を行いながら従来よりも長い時間をかけてブレ補正レンズ231を基準位置231cまで移動させるため、被写体像が画像内で急速に移動することがなく、ユーザに不快感を与えることがない。
【0063】
次に図12−19を用いて本実施形態による処理について説明する。
【0064】
まず、図12を用いてカメラCPU処理について説明する。カメラCPU処理は、メインスイッチ115がオンされたときからカメラCPU112によって実行される処理である。
【0065】
始めのステップS1201では、レリーズスイッチ114がオンになったか否かを判断する。オンになった場合、処理はステップS1211に進む。オンになっていない場合、処理はステップS1202に進む。
【0066】
ステップS1202では、後述するロック初期化処理を実行する。ロック初期化処理は、レンズCPU210が実行する処理であって、ブレ補正レンズ231をロック状態にする処理である。
【0067】
次のステップS1203では、測光スイッチ113がオンになったか否かを判断する。オンになっていない場合、オンになるまでステップS1203を繰り返す。オンになった場合、処理はステップS1204に進む。
【0068】
ステップS1204では、レンズCPU210と通信して、撮影レンズ200の動作モードをスルー画モードにする。すなわち後述するレリーズレジスタRLSの値に0を代入させる。
【0069】
次のステップS1205では、撮像素子111から受信した画像信号を用いて露出を決定する。
【0070】
次のステップS1206では、撮影レンズ200を駆動して被写体に合焦させる。
【0071】
次のステップS1207では、撮像素子111が電荷を蓄積することにより、被写体像を撮像する。
【0072】
次のステップS1208では、撮像素子111が蓄積した電荷を画像信号としてカメラCPU112が受信する。
【0073】
次のステップS1209では、受信した画像信号を処理してLCD116に出力する。そして、LCD116は、受信した画像信号を画像として表示する。
【0074】
次のステップS1210では、レリーズスイッチ114がオンになったか否かを判断する。オンになった場合、処理はステップS1211に進む。オンになっていない場合、処理はステップS1216に進む。
【0075】
ステップS1211では、レンズCPU210と通信して、撮影レンズ200の動作モードをレリーズモードにする。すなわち後述するレリーズレジスタRLSの値に1を代入させる。
【0076】
次のステップS1212では、撮像素子111が電荷を蓄積することにより、被写体像を撮像する。
【0077】
次のステップS1213では、撮像素子111が蓄積した電荷を画像信号としてカメラCPU112が受信する。
【0078】
次のステップS1214では、カメラCPU112が画像信号に所定の画像処理を施して画像ファイルを作成し、図示しないメモリカードに画像ファイルを保存する。
【0079】
次のステップS1215では、受信した画像信号を処理してLCD116に出力する。そして、LCD116は、受信した画像信号を画像として表示する。
【0080】
次のステップS1216では、測光スイッチ113がオンになったか否かを判断する。オンになっていない場合、処理はステップS1202に戻る。オンになった場合、処理はステップS1204に戻る。
【0081】
次に、図13を用いてレンズCPU処理について説明する。レンズCPU処理は、撮影レンズ200に電力が供給されたときにレンズCPU210によって実行される処理である。
【0082】
始めのステップS1301では、ステータスレジスタSRの値に0を代入する。ステータスレジスタSRの値が0であるとき、後述するロック初期化処理を撮影レンズ200が行っている状態であることを示し、ステータスレジスタSRの値が1であるとき、像ブレ補正を撮影レンズ200が行わない状態であることを示し、ステータスレジスタSRの値が2であるとき、像ブレ補正を撮影レンズ200が行う状態であることを示す。
【0083】
次のステップS1302では、レリーズレジスタRLSの値に0を代入する。レリーズレジスタRLSの値が0であるとき、デジタルカメラ100がLCD116にスルー画像を表示する動作状態であることを示し、レリーズレジスタRLSの値が1であるとき、デジタルカメラ100がレリーズ処理を行っている動作状態であることを示す。
【0084】
次のステップS1303では、カメラCPU112から通信要求があるか否かを判断する。通信要求がある場合、処理はステップS1304に進み、通信要求がない場合、通信供給が来るまでステップS1303を繰り返す。
【0085】
ステップS1304では、通信要求の内容がロック初期化モード要求か否かを判断する。ロック初期化モード要求のとき、ステップS1305に進み、ロック初期化モード要求でないときステップS1306に進む。通信要求の内容として、ロック初期化モード要求、スルー画モード要求、及びレリーズモード要求の3つがあげられる。ロック初期化モード要求は、ロック初期化処理の実行を要求するモードである。スルー画モード要求は、スルー画モードの実行を要求するモードである。レリーズモード要求は、レリーズモードの実行を要求するモードである。
【0086】
ステップS1305では、ロック初期化処理を実行して、ブレ補正レンズ231をロック状態にする。
【0087】
次のステップS1306では、通信要求の内容がLCD116にスルー画像を表示するスルー画モード要求か否かを判断する。スルー画像モード要求の場合、処理はステップS1307に進み、スルー画像モード要求でない場合、処理はステップS1308に進む。
【0088】
ステップS1307では、レリーズレジスタRLSの値に0を代入して、ステップS1308に進む。
【0089】
ステップS1308では、通信要求の内容デがレリーズモード要求であるか否かを判断する。レリーズモード要求の場合、処理はステップS1309に進み、そうでない場合、処理はステップS1303に戻る。
【0090】
ステップS1309では、レリーズレジスタRLSの値に1を代入する。
【0091】
次に、図14を用いてロック初期化処理について説明する。ロック初期化処理は、レンズCPU210が実行する処理であって、ブレ補正レンズ231をロック状態にする処理である。
【0092】
始めのステップS1401では、ロック中心駆動処理を行う。ロック中心駆動処理は、ブレ補正レンズ231を解除位置231bまで移動させる処理である。これにより、ブレ補正レンズ231が解除位置231b、すなわちブレ補正レンズ231の光軸238がロック環242の中心軸Lと一致する位置まで移動する。
【0093】
次のステップS1402では、ロック環242を回転させて、固定突起247を固定面245と接触及び係合させる。これにより、ブレ補正レンズ231は径方向に対して固定されて、ブレ補正範囲236内を移動できない。
【0094】
次のステップS1403では、ブレ補正レンズ231の駆動をやめる。
【0095】
そして次のステップS1404においてステータスレジスタSRに0を代入して、もとの処理、すなわちレンズCPU処理に戻る。
【0096】
次に、図15を用いて第1のレンズCPU割込処理について説明する。第1のレンズCPU割込処理は、ブレ補正レンズ231を解除位置231bから基準位置231cまで移動させる間にブレ補正を行う処理であって、レンズCPU210により1ms(1/1000秒)毎に実行される。
【0097】
始めのステップS1501では、レリーズレジスタRLSの値が1であるか否かを判断する。レリーズレジスタRLSの値が1である場合、処理はステップS1502に進み、レリーズレジスタRLSの値が1でない場合、処理はステップS1505に進む。
【0098】
ステップS1502では、ステータスレジスタSRの値が1であるか否かを判断する。ステータスレジスタSRの値が1である場合、処理はステップS1504に進み、1でない場合、処理はステップS1503に進む。
【0099】
ステップS1503では、ステータスレジスタSRの値が2であるか否かを判断する。ステータスレジスタSRの値が2である場合、処理はステップS1514に進み、2でない場合、処理はステップS1504に進む。
【0100】
ステップS1504では、後述する現在位置保持駆動処理を実行する。現在位置保持駆動処理は、ブレ補正レンズ231の位置を現在の位置に固定する処理である。ステップS1501及びS1502を経てステップS1504に至る場合、すなわちステータスレジスタSRの値が1である場合、あるいはステップS1501、S1502、及びS1503を経てステップS1504に至る場合、すなわちステータスレジスタSRの値が2でない場合とは、前述のように、デジタルカメラ100が像ブレ補正を行わないことを意味する。そこで、ブレ補正レンズ231の位置を現在の位置に固定して像ブレ補正を行わない。ステップS1504を実行した後、第1のレンズCPU割込処理は終了する。
【0101】
他方、ステップS1501、S1502、及びS1503を経てステップS1514に至る場合、すなわちステータスレジスタSRの値が2である場合とは、デジタルカメラ100が像ブレ補正を行うことを意味するため、後述するステップS1514及びS1515において像ブレ補正を行う。
【0102】
ステップS1501からステップS1505に進んだ場合、ステップS1505において処理はブレ補正スイッチ202がオンになっているか否かを判断する。オンになっている場合、処理はステップS1506に進み、オンになっていない場合、処理はステップS1516に進む。
【0103】
ステップS1506では、ステータスレジスタSRの値が2であるか否かを判断する。ステータスレジスタSRの値が2である場合、デジタルカメラ100が像ブレ補正を行うことを意味するため、後述するステップS1514及びS1515において像ブレ補正を行う。ステータスレジスタSRの値が2でない場合、処理はステップS1507に進む。
【0104】
ステップS1507では、ロック中心駆動処理を実行する。ロック中心駆動処理は、ブレ補正レンズ231を解除位置231bまで第1の変位速度で移動させる処理であり、詳細については後述される。
【0105】
次のステップS1508では、ロック環242を回転して、ブレ補正レンズ231の位置をロック環242に保持させることを止め、ロック解除状態に移行する。これにより、ブレ補正レンズ231がブレ補正範囲236内で移動可能となって、ブレ補正を行うことができる。
【0106】
次のステップS1509では、ステータスレジスタSRの値に2を代入する。これにより、撮影レンズ200が像ブレ補正を行うことができる状態にあることを示す。
【0107】
次のステップS1510では、X方向ホールセンサ234及びY方向ホールセンサ235を用いてブレ補正レンズ231の現在位置を取得する。
【0108】
次のステップS1511では、X方向ホールセンサ234が取得したX方向におけるブレ補正レンズ231の現在位置を値X1に代入し、Y方向ホールセンサ235が取得したY方向におけるブレ補正レンズ231の現在位置を値Y1に代入する。
【0109】
次のステップS1512では、補正範囲の中心位置、すなわち基準位置231cまでのブレ補正レンズ231の移動距離を算出する。詳しく説明すると、基準位置231cまでのX方向におけるブレ補正レンズ231の移動距離を算出し、これを60回の移動ステップで除した値を値X2に代入する。Y方向においても同様にして得られた値を値Y2に代入する。60回の移動ステップに分けてブレ補正レンズ231を基準位置231cまで移動させることにより、機械的に安定してブレ補正レンズ231を駆動できる。値X2は、X方向におけるブレ補正レンズ231の第2のX方向変位速度であり、値Y2は、Y方向におけるブレ補正レンズ231の第2のY方向変位速度である。第2のX方向変位速度と第2のY方向変位速度とを合成することにより第2の変位速度を得ることができる。第2の変位速度は第1の変位速度よりも遅い。
【0110】
次のステップS1513では、パラメータkの値に0を代入する。パラメータkは後述する補正範囲中心計算処理において使用される。
【0111】
ステップS1514では、補正範囲中心計算処理を実行する。補正範囲中心計算処理は、ブレ補正レンズ231が基準位置231cに向けて移動する動きに関して、今回の移動ステップにおいて移動すべき位置を算出する処理であり、レンズCPU210により実行される。
【0112】
次のステップS1515では、後述する第1のブレ補正駆動処理を実行する。第1のブレ補正駆動処理は、ブレ補正を行いながらブレ補正レンズ231を第2の変位速度で基準位置231cに移動させる処理であり、レンズCPU210により実行される。そして、第1のレンズCPU割込処理は終了する。
【0113】
ステップS1505においてブレ補正スイッチ202がオンになっていない場合、処理は、ステップS1516において、ステータスレジスタSRの値が1であるか否かを判断する。ステータスレジスタSRの値が1である場合、デジタルカメラ100が像ブレ補正を行わないことを意味するため、第1のレンズCPU割込処理は終了する。ステータスレジスタSRの値が1でない場合、ここではデジタルカメラ100が像ブレ補正を行うことを意味するので、像ブレ補正を行わない状態にするためステップS1517に進む。
【0114】
ステップS1517では、ロック中心駆動処理を実行する。ロック中心駆動処理は、ブレ補正レンズ231を解除位置231bまで第1の変位速度で移動させる処理であり、詳細については後述される。
【0115】
次のステップS1518では、ロック環242を回転させて、固定突起247を固定面245と接触及び係合させる。これにより、ブレ補正レンズ231は径方向に対して固定されて、ブレ補正範囲236内を移動できない。
【0116】
次のステップS1519では、ステータスレジスタSRに1を代入する。
【0117】
次のステップS1520では、ブレ補正駆動を中止する。そして、第1のレンズCPU割込処理は終了する。
【0118】
次に、図16を用いて現在位置保持駆動処理について説明する。現在位置保持駆動処理は、ブレ補正レンズ231の位置を現在の位置に固定する処理であり、レンズCPU210により第1のレンズCPU割込処理の中で実行される。
【0119】
始めのステップS1601では、X方向ホールセンサ234及びY方向ホールセンサ235を用いてブレ補正レンズ231の現在位置を取得する。
【0120】
次のステップS1602では、ステップS1601において取得した現在位置を駆動位置に代入する。
【0121】
次のステップS1603では、駆動位置に基づいて所定の処理を行う。
【0122】
次のステップS1604では、ステップS1603の処理結果に基づいて補正レンズを駆動する。そして現在位置保持駆動処理を終了して、第1のレンズCPU割込処理に戻る。
【0123】
次に、図17を用いてロック中心駆動処理について説明する。ロック中心駆動処理は、ブレ補正レンズ231を解除位置231bまで第1の変位速度で移動させる処理であり、レンズCPU210によりロック初期化処理及び第1のレンズCPU割込処理の中で実行される。
【0124】
始めのステップS1701では、X方向ホールセンサ234及びY方向ホールセンサ235を用いてブレ補正レンズ231の現在位置を取得する。
【0125】
次のステップS1702では、X方向ホールセンサ234が取得したX方向におけるブレ補正レンズ231の現在位置を値X1に代入し、Y方向ホールセンサ235が取得したY方向におけるブレ補正レンズ231の現在位置を値Y1に代入する。
【0126】
次のステップS1703では、解除位置231bまでのブレ補正レンズ231の移動距離を算出する。詳しく説明すると、解除位置231bまでのX方向におけるブレ補正レンズ231の移動距離を算出し、これを30回の移動ステップで除した値を値X2に代入する。Y方向においても同様にして得られた値を値Y2に代入する。30回の移動ステップに分けてブレ補正レンズ231を解除位置231bまで移動させることにより、機械的に安定してブレ補正レンズ231を駆動できる。値X2は、X方向におけるブレ補正レンズ231の第1のX方向変位速度であり、値Y2は、Y方向におけるブレ補正レンズ231の第1のY方向変位速度である。第1のX方向変位速度と第1のY方向変位速度とを合成することにより第1の変位速度を得ることができる。第1の変位速度は第2の変位速度よりも速い。
【0127】
次のステップS1704では、パラメータkの値に0を代入する。
【0128】
次のステップS1705では、1ms(1/1000秒)が経過したか否かを判断する。経過した場合には処理はステップS1706に進み、経過していない場合にはステップS1705を繰り返す。
【0129】
ステップS1706では、パラメータkの値を1増やす。
【0130】
次のステップS1707では、k番目の移動ステップにおけるブレ補正レンズ231の駆動位置を算出する。詳しく説明すると、第1のX方向変位速度X2にkを乗じてX方向における変位を求め、これに現在位置X1を加えた値をX方向駆動位置Xとする。Y方向においても同様にして得られた値をY方向駆動位置Yとする。
【0131】
次のステップS1708では、駆動位置に基づいて所定の処理を行う。
【0132】
次のステップS1709では、ステップS1708の処理結果に基づいて補正レンズを駆動位置まで駆動する。
【0133】
次のステップS1710では、パラメータkが30以上であるか否かを判断する。30以上である場合、処理はロック中心駆動処理を終了して、もとの処理に戻る。30以上でない場合、処理はステップS1705に戻り、パラメータkが30以上となるまでステップS1705からS1710を繰り返す。
【0134】
ロック中心駆動処理によれば、第1の変位速度にパラメータkを乗じて得られる距離だけ1ms毎にブレ補正レンズ231が解除位置231bに近づき、30移動ステップ後、すなわち30ms後にブレ補正レンズ231が解除位置231bに到達する。
【0135】
次に、図18を用いて補正範囲中心計算処理について説明する。補正範囲中心計算処理は、ブレ補正レンズ231が基準位置231cに向けて移動する動きに関して、今回の移動ステップにおいて移動すべき位置を算出する処理であり、レンズCPU210により第1のレンズCPU割込処理の中で実行される。
【0136】
始めのステップS1801では、パラメータkが60以上であるか否かを判断する。60以上である場合、処理は補正範囲中心計算処理を終了して、第1のレンズCPU割込処理に戻る。60以上でない場合、処理はステップS1802に進む。
【0137】
次のステップS1802では、パラメータkの値を1増やす。
【0138】
次のステップS1803では、今回の移動ステップにおいて移動すべき位置をX方向及びY方向について算出する。詳しく説明すると、第1のX方向変位速度X2にkを乗じてX方向における変位を求め、これに現在位置X1を加えた値を値XXとする。Y方向においても同様にして得られた値を値YYとする。値XX及び値YYは第1のブレ補正駆動処理において使用される。そして、処理は補正範囲中心計算処理を終了して、第1のレンズCPU割込処理に戻る。
【0139】
次に、図19を用いて第1のブレ補正駆動処理について説明する。第1のブレ補正駆動処理は、ブレ補正を行いながらブレ補正レンズ231を第2の変位速度で基準位置231cに移動させる処理であり、レンズCPU210により実行される。
【0140】
始めのステップS1901では、X方向角速度センサ203からX方向ブレ信号を受信し、Y方向角速度センサ204からY方向ブレ信号を受信する。
【0141】
次のステップS1902では、X方向ブレ信号に基づいてヨーを演算し、Y方向ブレ信号に基づいてピッチを演算する。
【0142】
次のステップS1903では、ヨーに基づいてX方向駆動位置を算出し、ピッチに基づいてY方向駆動位置を算出する。ここで算出されたX方向駆動位置及びY方向駆動位置は、撮影レンズ200のブレを緩和するために必要なブレ補正レンズ231の位置である。
【0143】
次のステップS1904では、ステップS1903において算出したX方向駆動位置に、補正範囲中心計算処理のステップS1803において算出した値XXを加え、得られた値を新たなX方向駆動位置とする。Y方向駆動位置についても同様の処理を行う。
【0144】
次のステップS1905では、X方向ホールセンサ及びY方向ホールセンサ235を用いてブレ補正レンズ231の現在位置を取得する。
【0145】
次のステップS1906では、X方向駆動位置、Y方向駆動位置、及びブレ補正レンズ231の現在位置に基づいて所定の処理を行う。
【0146】
次のステップS1907では、ステップS1906の処理結果に基づいて補正レンズを駆動位置まで駆動する。そして処理は第1のブレ補正駆動処理を終了して、第1のレンズCPU割込処理に戻る。
【0147】
これにより、ブレ補正を行いながらブレ補正レンズ231を第2の変位速度で基準位置231cに移動させることができる。
【0148】
本実施形態によれば、ロック解除移行期間が終了するとすぐにブレ補正を開始するため、ロック解除移行期間が終了すると直ちに撮影を行うことができる。また補正範囲中心駆動期間が存在せず、ブレ補正を行いながら従来よりも長い時間をかけてブレ補正レンズ231を基準位置231cまで移動させるため、被写体像が画像内で急速に移動することがなく、ユーザに不快感を与えることがない。
【0149】
なお、第1のレンズCPU割込処理のステップS1512において用いる移動ステップ数は、60移動ステップに限定されない。移動ステップの数を変更することにより、第2の変位速度を調節することができる。
【0150】
また、ロック中心駆動処理のステップS1703において用いる移動ステップ数は、30移動ステップに限定されない。移動ステップの数を変更することにより、第1の変位速度を調節することができる。
【0151】
次に、図20−23を用いて第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、ロック解除移行期間終了後、ブレ補正を行わずにブレ補正レンズ231を第2の変位速度で基準位置231cに移動させる。第1の実施形態と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
【0152】
図20を用いてブレ補正レンズ231の移動について説明する。図20は、ブレ補正レンズ231の光軸の位置と時間との関係を示したグラフである。曲線91は、従来の構成によるブレ補正レンズ231の光軸の位置と時間との関係を示し、曲線92は、本実施形態によるブレ補正レンズ231の光軸の位置と時間との関係を示す。時間0において、ブレ補正レンズ231は非補正状態にある。曲線91の構成は図11と同様であるため、説明を省略する。
【0153】
本実施形態の構成を示した曲線93について説明する。図7の位置231aをブレ補正レンズ231の現在位置とする。ブレ補正レンズ231は現在位置から解除位置231bに第1の変位速度で移動され、これによりブレ補正レンズ231の光軸238がロック環242の中心軸Lと一致する。次に、ロック環242が回転されて、ロック環242がブレ補正レンズ231の位置を保持することを止め、ロック解除状態に移行する。
【0154】
ロック解除移行期間が終了した後、解除位置231bにあるブレ補正レンズ231を第2の変位速度で基準位置231cに移動させる。よって、ブレ補正レンズ231の動きは、基準位置231cに向けて移動する動きのみから成る。第2の変位速度は第1の変位速度よりも遅い速度である。基準位置231cに移動したブレ補正レンズ231の光軸238は、ブレ補正範囲236の中心237と一致する。ブレ補正レンズ231が解除位置231bから基準位置231cまで移動する期間が補正範囲中心駆動期間である。そして、時間0からブレ補正レンズ231が基準位置231cに移動するまでの期間が、非補正状態から補正状態に移行する移行期間である。基準位置231cに達したブレ補正レンズ231は、ブレ補正を開始する。つまり、移行期間終了後にブレ補正を行う。補正範囲中心駆動期間において、第1の変位速度よりも遅い第2の変位速度でブレ補正レンズ231を駆動するため、被写体像が画像内で急速に移動することがなく、ユーザに不快感を与えることがない。
【0155】
次に図21−23を用いて本実施形態による処理について説明する。
【0156】
カメラCPU処理、レンズCPU処理、及びロック初期化処理については、第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0157】
次に、図21を用いて第2のレンズCPU割込処理について説明する。第2のレンズCPU割込処理は、ブレ補正レンズ231を解除位置231bから基準位置231cまで移動させた後にブレ補正を行う処理であって、レンズCPU210により1ms(1/1000秒)毎に実行される。
【0158】
始めのステップS2101では、レリーズレジスタRLSの値が1であるか否かを判断する。レリーズレジスタRLSの値が1である場合、処理はステップS2102に進み、レリーズレジスタRLSの値が1でない場合、処理はステップS2105に進む。
【0159】
ステップS2102では、ステータスレジスタSRの値が1であるか否かを判断する。ステータスレジスタSRの値が1である場合、処理はステップS2104に進み、1でない場合、処理はステップS2103に進む。
【0160】
ステップS2103では、ステータスレジスタSRの値が2であるか否かを判断する。ステータスレジスタSRの値が2である場合、処理はステップS2111に進み、2でない場合、処理はステップS2104に進む。
【0161】
ステップS2104では、現在位置保持駆動処理を実行する。現在位置保持駆動処理は、ブレ補正レンズ231の位置を現在の位置に固定する処理であり、第1の実施形態と同様の処理である。ステップS2101及びS2102を経てステップS2104に至る場合、すなわちステータスレジスタSRの値が1である場合、あるいはステップS2101、S2102、及びS2103を経てステップS2104に至る場合、すなわちステータスレジスタSRの値が2でない場合とは、前述のように、デジタルカメラ100が像ブレ補正を行わないことを意味する。そこで、ブレ補正レンズ231の位置を現在の位置に固定して像ブレ補正を行わない。ステップS2104を実行した後、第2のレンズCPU割込処理は終了する。
【0162】
他方、ステップS2101、S2102、及びS2103を経てステップS2111に至る場合、すなわちステータスレジスタSRの値が2である場合とは、デジタルカメラ100が像ブレ補正を行うことを意味するため、後述するステップS2111において第2の像ブレ補正駆動処理を実行して像ブレ補正を行う。
【0163】
ステップS2101からステップS2105に進んだ場合、ステップS2105において処理はブレ補正スイッチ202がオンになっているか否かを判断する。オンになっている場合、処理はステップS2106に進み、オンになっていない場合、処理はステップS2112に進む。
【0164】
ステップS2106では、ステータスレジスタSRの値が2であるか否かを判断する。ステータスレジスタSRの値が2である場合、デジタルカメラ100が像ブレ補正を行うことを意味するため、後述するステップS2111において第2の像ブレ補正駆動処理を実行して像ブレ補正を行う。ステータスレジスタSRの値が2でない場合、処理はステップS2107に進む。
【0165】
ステップS2107では、ロック中心駆動処理を実行する。ロック中心駆動処理は、ブレ補正レンズ231を解除位置231bまで第1の変位速度で移動させる処理であり、第1の実施形態と同様の処理である。
【0166】
次のステップS2108では、ロック環242を回転して、ブレ補正レンズ231の位置をロック環242に保持させることを止め、ロック解除状態に移行する。これにより、ブレ補正レンズ231がブレ補正範囲236内で移動可能となって、ブレ補正を行うことができる。
【0167】
次のステップS2109では、後述する補正範囲中心駆動処理を実行する。補正範囲中心駆動処理は、補正範囲の中心位置、すなわち基準位置231cまでブレ補正レンズ231を移動させる処理であり、レンズCPU210により実行される。
【0168】
次のステップS2110では、ステータスレジスタSRの値に2を代入する。これにより、撮影レンズ200が像ブレ補正を行うことができる状態にあることを示す。
【0169】
次のステップS2111では、後述する第2のブレ補正駆動処理を実行する。第2のブレ補正駆動処理は、ブレ補正を行わずにブレ補正レンズ231を第2の変位速度で基準位置231cに移動させる処理であり、レンズCPU210により実行される。そして、第2のレンズCPU割込処理は終了する。
【0170】
ステップS2105においてブレ補正スイッチ202がオンになっていない場合、処理は、ステップS2112において、ステータスレジスタSRの値が1であるか否かを判断する。ステータスレジスタSRの値が1である場合、デジタルカメラ100が像ブレ補正を行わないことを意味するため、第2のレンズCPU割込処理は終了する。ステータスレジスタSRの値が1でない場合、ここではデジタルカメラ100が像ブレ補正を行うことを意味するので、像ブレ補正を行わない状態にするためステップS2113に進む。
【0171】
ステップS2113では、ロック中心駆動処理を実行する。ロック中心駆動処理は、ブレ補正レンズ231を解除位置231bまで第1の変位速度で移動させる処理であり、第1の実施形態と同様の処理である。
【0172】
次のステップS2114では、ロック環242を回転させて、固定突起247を固定面245と接触及び係合させる。これにより、ブレ補正レンズ231は径方向に対して固定されて、ブレ補正範囲236内を移動できない。
【0173】
次のステップS2115では、ステータスレジスタSRに1を代入する。
【0174】
次のステップS2116では、ブレ補正駆動を中止する。そして、第2のレンズCPU割込処理は終了する。
【0175】
次に、図22を用いて補正範囲中心駆動処理について説明する。補正範囲中心駆動処理は、補正範囲の中心位置、すなわち基準位置231cまでブレ補正レンズ231を移動させる処理であり、レンズCPU210により第2のレンズCPU割込処理の中で実行される。
【0176】
始めのステップS2201では、X方向ホールセンサ234及びY方向ホールセンサ235を用いてブレ補正レンズ231の現在位置を取得する。
【0177】
次のステップS2202では、X方向ホールセンサ234が取得したX方向におけるブレ補正レンズ231の現在位置を値X1に代入し、Y方向ホールセンサ235が取得したY方向におけるブレ補正レンズ231の現在位置を値Y1に代入する。
【0178】
次のステップS2203では、基準位置231cまでのブレ補正レンズ231の移動距離を算出する。詳しく説明すると、基準位置231cまでのX方向におけるブレ補正レンズ231の移動距離を算出し、これを60回の移動ステップで除した値を値X2に代入する。Y方向においても同様にして得られた値を値Y2に代入する。60回の移動ステップに分けてブレ補正レンズ231を基準位置231cまで移動させることにより、機械的に安定してブレ補正レンズ231を駆動できる。値X2は、X方向におけるブレ補正レンズ231の第2のX方向変位速度であり、値Y2は、Y方向におけるブレ補正レンズ231の第2のY方向変位速度である。第2のX方向変位速度と第2のY方向変位速度とを合成することにより第2の変位速度を得ることができる。第2の変位速度は第1の変位速度よりも遅い。
【0179】
次のステップS2204では、パラメータkの値に0を代入する。
【0180】
次のステップS2205では、1ms(1/1000秒)が経過したか否かを判断する。経過した場合には処理はステップS2206に進み、経過していない場合にはステップS2205を繰り返す。
【0181】
ステップS2206では、パラメータkの値を1増やす。
【0182】
次のステップS2207では、k番目の移動ステップにおけるブレ補正レンズ231の駆動位置を算出する。詳しく説明すると、第1のX方向変位速度X2にkを乗じてX方向における変位を求め、これに現在位置X1を加えた値をX方向駆動位置Xとする。Y方向においても同様にして得られた値をY方向駆動位置Yとする。
【0183】
次のステップS2208では、駆動位置に基づいて所定の処理を行う。
【0184】
次のステップS2209では、ステップS2208の処理結果に基づいて補正レンズを駆動位置まで駆動する。
【0185】
次のステップS2210では、パラメータkが60以上であるか否かを判断する。60以上である場合、処理は補正範囲中心駆動処理を終了して、もとの処理に戻る。60以上でない場合、処理はステップS2205に戻り、パラメータkが60以上となるまでステップS2205からS2210を繰り返す。
【0186】
補正範囲中心駆動処理によれば、第2の変位速度にパラメータkを乗じて得られる距離だけ1ms毎にブレ補正レンズ231が解除位置231bに近づき、60移動ステップ後、すなわち60ms後にブレ補正レンズ231が基準位置231cに到達する。
【0187】
次に、図23を用いて第2のブレ補正駆動処理について説明する。第2のブレ補正駆動処理は、ブレ補正を行わずにブレ補正レンズ231を第2の変位速度で基準位置231cに移動させる処理であり、レンズCPU210により実行される。
【0188】
始めのステップS2301では、X方向角速度センサ203からX方向ブレ信号を受信し、Y方向角速度センサ204からY方向ブレ信号を受信する。
【0189】
次のステップS2302では、X方向ブレ信号に基づいてヨーを演算し、Y方向ブレ信号に基づいてピッチを演算する。
【0190】
次のステップS2303では、ヨーに基づいてX方向駆動位置を算出し、ピッチに基づいてY方向駆動位置を算出する。ここで算出されたX方向駆動位置及びY方向駆動位置は、撮影レンズ200のブレを緩和するために必要なブレ補正レンズ231の位置である。
【0191】
次のステップS2304では、X方向ホールセンサ234及びY方向ホールセンサ235を用いてブレ補正レンズ231の現在位置を取得する。
【0192】
次のステップS2305では、X方向駆動位置、Y方向駆動位置、及びブレ補正レンズ231の現在位置に基づいて所定の処理を行う。
【0193】
次のステップS2306では、ステップS2305の処理結果に基づいて補正レンズを駆動位置まで駆動する。そして処理は第1のブレ補正駆動処理を終了して、第1のレンズCPU割込処理に戻る。
【0194】
本実施形態によれば、ブレ補正を行わずにブレ補正レンズ231を第2の変位速度で基準位置231cに移動させることができる。また、補正範囲中心駆動期間において、第1の変位速度よりも遅い第2の変位速度でブレ補正レンズ231を駆動するため、被写体像が画像内で急速に移動することがなく、ユーザに不快感を与えることがない。
【0195】
なお、補正範囲中心駆動処理のステップS2203において用いる移動ステップ数は、60移動ステップに限定されない。移動ステップの数を変更することにより、第2の変位速度を調節することができる。
【0196】
なお、いずれの実施形態においてもデジタルカメラ100は、いわゆるコンパクトカメラ、一眼レフカメラ、ミラーレス一眼カメラであっても良い。
【0197】
また、ロック環242は径方向に移動可能であっても良い。
【0198】
デジタルカメラ100は、第1のレンズCPU割込処理と第2のレンズCPU割込処理とを選択的に実行してもよい。この場合、第1のレンズCPU割込処理及び第2のレンズCPU割込処理のいずれを実行するかをユーザが選択する選択スイッチをデジタルカメラ100が備える。
【0199】
また、ブレ補正レンズ231の代わりに撮像素子111を駆動してブレ補正を行ってもよい。このとき、撮像素子111にブレ補正機構及びロック機構240が取り付けられる。撮像素子111は、撮影レンズ200の光軸方向と直交する方向に駆動される。
【符号の説明】
【0200】
100 デジタルカメラ
111 撮像素子
112 カメラCPU
113 測光スイッチ
114 レリーズスイッチ
115 メインスイッチ
116 LCD
117 電源
200 撮影レンズ
201 レンズ群
202 ブレ補正スイッチ
203 X方向角速度センサ
204 Y方向角速度センサ
205 X方向駆動制御部
206 Y方向駆動制御部
210 レンズCPU
211 制御部
213 X方向角度演算部
214 X方向レンズ駆動位置計算部
217 Y方向角度演算部
218 Y方向レンズ駆動位置計算部
219 X方向減算器
220 X方向自動制御演算部
222 Y方向減算器
223 Y方向自動制御演算部
230 ブレ補正機構
231 ブレ補正レンズ
231b 解除位置
231c 基準位置
232 X方向コイル
233 Y方向コイル
234 X方向ホールセンサ
235 Y方向ホールセンサ
236 ブレ補正範囲
240 ロック機構
241 ロックモータ
242 ロック環
243 ロック環制御部
244 解除溝
245 固定面
246 レンズ枠
247 固定突起
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図8
図9
図10
図11
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