(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記干渉判定部は、前記無線機器の設置位置、前記無線機器から送信される無線信号の指向性、前記無線機器から送信される無線信号の強度、及び無線通信の通信品質を示す情報の少なくとも1つを含む干渉判定用情報を用いて、前記無線通信の干渉が生ずる可能性の有無を判定することを特徴とする請求項1記載の管理装置。
前記干渉判定部は、前記干渉判定用情報に含まれる前記無線機器の設置位置、前記無線機器から送信される無線信号の指向性、及び前記無線機器から送信される無線信号の強度を示す情報を用いて無線信号の到達領域を示す二次元データを作成し、該二次元データから前記通信リンク毎の干渉の有無を示す干渉マトリクスを作成し、該干渉マトリクスに基づいて前記無線通信の干渉が生ずる可能性の有無を判定することを特徴とする請求項2から請求項4の何れか一項に記載の管理装置。
前記干渉判定部は、前記干渉判定用情報に含まれる前記無線通信の通信品質を示す情報から前記通信リンク毎の干渉の有無を示す干渉マトリクスを作成し、該干渉マトリクスに基づいて前記無線通信の干渉が生ずる可能性の有無を判定することを特徴とする請求項2から請求項4の何れか一項に記載の管理装置。
前記無線ネットワークは、少なくとも1つの前記無線機器によって形成される複数の局所無線ネットワークの間が無線通信によって互いに接続されるネットワークであることを特徴とする請求項8記載の無線通信システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、従来の管理装置が、無線ネットワークを介して行われる無線通信の各々に対して互いに異なる通信リソースの割り当てを行うのは、無線通信の干渉を防止するためである。このため、無線通信の干渉が生じ得る状況(例えば、狭いエリアに複数の無線機器が配置されていて互いに無線信号を送受信し得る状況)において、無線通信の干渉を確実に防止するためには、全ての無線通信に対して互いに異なる通信リソースを割り当てる必要があると考えられる。
【0007】
しかしながら、従来の管理装置は、無線ネットワークを介して行われる全ての無線通信に対して機械的に互いに異なる通信リソースの割り当てを行うようにしている。このため、無線通信に用いられるアンテナの指向性、無線信号の送信強度や周波数、無線機器の物理的配置等によって無線通信の干渉が生じないことが明らかな場合であっても、管理装置によって異なる通信リソースの割り当てが行われることとなる。
【0008】
ここで、無線通信システムで用いることのできる通信リソースの数は有限であり、割り当て可能な通信リソースの数によって無線ネットワークに参入することができる無線機器の総数や通信速度等が制限されてしまう。従来は、干渉が生じないことが明らかな場合であっても異なる通信リソースの割り当てが行われるため、通信リソースの枯渇が生じやすく、規模の大きな無線通信システムを構築し、或いは高速な無線通信を実現することが困難であるという問題があった。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、従来よりも通信リソースを有効活用することができ、これにより無線ネットワークに参入することができる無線機器の総数や通信速度等を向上させることが可能な管理装置、管理方法、及び無線通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の管理装置は、複数の無線機器(11〜13、21、22、31、32)によって形成される無線ネットワーク(N1)の管理を行う管理装置(40)において、前記無線機器間に設定すべき通信リンク毎に、無線通信の干渉が生ずる可能性の有無を判定する干渉判定部(43a)と、前記干渉判定部の判定結果に応じて、チャネル及びタイムスロットを複数の通信リンクに重複して割り当てるか否かを管理する管理部(43b)とを備えることを特徴としている。
この発明によると、無線機器間に設定すべき通信リンク毎の無線通信の干渉が生ずる可能性の有無が干渉判定部によって判定され、干渉判定部の判定結果に応じて、チャネル及びタイムスロットを複数の通信リンクに重複して割り当てるか否かが管理部によって管理される。
また、本発明の管理装置は、前記干渉判定部が、前記無線機器の設置位置、前記無線機器から送信される無線信号の指向性、前記無線機器から送信される無線信号の強度、及び無線通信の通信品質を示す情報の少なくとも1つを含む干渉判定用情報(DT)を用いて、前記無線通信の干渉が生ずる可能性の有無を判定することを特徴としている。
また、本発明の管理装置は、前記干渉判定用情報を格納する格納部(42)を備えており、前記干渉判定部が、前記格納部から読み出した前記干渉判定用情報を用いて、前記無線通信の干渉が生ずる可能性の有無を判定することを特徴としている。
また、本発明の管理装置は、前記干渉判定用情報を収集して前記格納部に格納させる収集部(43c)を備えることを特徴としている。
また、本発明の管理装置は、前記干渉判定部が、前記干渉判定用情報に含まれる前記無線機器の設置位置、前記無線機器から送信される無線信号の指向性、及び前記無線機器から送信される無線信号の強度を示す情報を用いて無線信号の到達領域を示す二次元データを作成し、該二次元データから前記通信リンク毎の干渉の有無を示す干渉マトリクス(M)を作成し、該干渉マトリクスに基づいて前記無線通信の干渉が生ずる可能性の有無を判定することを特徴としている。
或いは、本発明の管理装置は、前記干渉判定部が、前記干渉判定用情報に含まれる前記無線通信の通信品質を示す情報から前記通信リンク毎の干渉の有無を示す干渉マトリクス(M)を作成し、該干渉マトリクスに基づいて前記無線通信の干渉が生ずる可能性の有無を判定することを特徴としている。
また、本発明の管理装置は、前記管理部が、前記干渉判定部によって無線通信の干渉が生ずる可能性が無いと判定された複数の通信リンクには、チャネル及びタイムスロットを重複して割り当て可能であり、前記干渉判定部によって無線通信の干渉が生ずる可能性が有ると判定された複数の通信リンクには、少なくとも何れか一方が異なるチャネル及びタイムスロットを割り当てることを特徴としている。
或いは、本発明の管理装置は、前記管理部が、前記干渉判定部によって無線通信の干渉が生ずる可能性が無いと判定された通信リンクには、既に設定済みの通信リンクに割り当てられているチャネル及びタイムスロットを重複して割り当て可能であり、前記干渉判定部によって無線通信の干渉が生ずる可能性が有ると判定された通信リンクには、既に設定済みの通信リンクに割り当てられているチャネル及びタイムスロットと少なくとも一方が異なるチャネル及びタイムスロットを割り当てることを特徴としている。
本発明の管理方法は、複数の無線機器(11〜13、21、22、31、32)によって形成される無線ネットワーク(N1)の管理を行う管理方法であって、前記無線機器間に設定すべき通信リンク毎に、無線通信の干渉が生ずる可能性の有無を判定する第1ステップ(S21)と、前記第1ステップの判定結果に応じて、チャネル及びタイムスロットを複数の通信リンクに重複して割り当てるか否かを管理する第2ステップ(S24)とを有することを特徴としている。
本発明の無線通信システムは、無線ネットワーク(N1)を介した無線通信が可能な無線通信システム(1)において、前記無線ネットワークの管理を行う上記の何れかに記載の管理装置(40)と、前記管理装置によって設定される通信リンクを用いて前記無線ネットワークを介した無線通信を行う複数の無線機器(11〜13、21、22、31、32)とを備えることを特徴としている。
また、本発明の無線通信システムは、前記無線ネットワークが、少なくとも1つの前記無線機器によって形成される複数の局所無線ネットワーク(ST0〜ST2)の間が無線通信によって互いに接続されるネットワークであることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、無線機器間に設定すべき通信リンク毎に、無線通信の干渉が生ずる可能性の有無を判定し、この判定結果に応じて、既に設定済みの通信リンクに割り当てられているチャネル及びタイムスロットを、設定すべき通信リンクに重複して割り当てるか否かを管理装置が管理しているため、従来よりも通信リソースを有効活用することができ、これにより無線ネットワークに参入することができる無線機器の総数や通信速度等を向上させることが可能であるという効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態による管理装置、管理方法、及び無線通信システムについて詳細に説明する。
【0014】
〈無線通信システムの全体構成〉
図1は、本発明の一実施形態による無線通信システムの全体構成を示すブロック図である。
図1に示す通り、本実施形態の無線通信システム1は、無線デバイス11〜13(無線機器)、無線ルータ21,22(無線機器)、バックボーンルータ31,32(無線機器)、システムマネージャ40(管理装置)、及び端末装置50を備えており、無線ネットワークN1を介した無線通信及びバックボーンネットワークN2を介した有線通信が可能である。この無線通信システム1は、例えばプラントや工場等(以下、これらを総称する場合には、単に「プラント」という)に構築される。
【0015】
無線ネットワークN1は、プラントの現場に設置された無線機器(無線デバイス11〜13、無線ルータ21,22、及びバックボーンルータ31,32)によって実現されて、システムマネージャ40によって管理される無線通信ネットワークである。尚、無線ネットワークN1を形成する無線デバイス、無線ルータ、及びバックボーンルータの数は任意である。
【0016】
ここで、無線ネットワークN1は、少なくとも1つの無線機器によって形成される複数のサイトST0〜ST2(局所無線ネットワーク)に区分されている。例えば、サイトST1,ST2は、主に各種測定データ(例えば、温度、流量、圧力等の測定データ)の送信を行うための局所無線ネットワークであり、サイトST0は、主にサイトST1,ST2から送信される各種測定データを収集するための局所無線ネットワークである。つまり、無線ネットワークN1は、サイトST0を中央と見立てた場合に、サイトST0の周辺に配置されるサイトST1,ST2から送信される各種測定データを中央のサイトST0で収集可能に構成されている。
【0017】
尚、
図1に示す例において、サイトST0は、2つのバックボーンルータ31,32によって形成される。これに対し、サイトST1は、1つの無線デバイス11と及び1つの無線ルータ21とによって形成され、サイトST2は、2つの無線デバイス12,13と1つの無線ルータ22とによって形成される。無線ネットワークN1は、このようなサイトST0〜ST2間が無線通信によって互いに接続されることによって形成される。
【0018】
バックボーンネットワークN2は、無線通信システム1の基幹となる有線ネットワークであり、バックボーンルータ31,32、システムマネージャ40、及び端末装置50が接続される。尚、本実施形態では、バックボーンネットワークN2が有線ネットワークで実現されている例について説明するが、バックボーンネットワークN2は、無線ネットワークN1と同様に無線通信ネットワークで実現されていても良い。
【0019】
無線デバイス11〜13は、例えば流量計や温度センサ等のセンサ機器、流量制御弁や開閉弁等のバルブ機器、ファンやモータ等のアクチュエータ機器、その他のプラントや工場に設置される無線フィールドデバイスであり、インダストリアル・オートメーション用無線通信規格であるISA100.11aに準拠した無線通信を行う。これら無線デバイス11〜13は、無指向性のアンテナ11a〜13aをそれぞれ備えており、アンテナ11a〜13aを用いて無線通信をそれぞれ行う。
【0020】
無線ルータ21,22は、上記の無線通信規格ISA100.11aに準拠した無線通信が可能であり、無線ネットワークN1を介して通信されるデータを中継する。具体的に、無線ルータ21は、バックボーンルータ31に向けられた指向性を有するアンテナ21aと無指向性のアンテナ21bとを備えており、無線デバイス11とバックボーンルータ31との間で送受信されるデータを中継する。同様に、無線ルータ22は、バックボーンルータ32に向けられた指向性を有するアンテナ22aと無指向性のアンテナ22bとを備えており、無線デバイス12,13とバックボーンルータ32との間で送受信されるデータを中継する。尚、これら無線ルータ21,22は、システムマネージャ40の制御の下で、広告(新たな無線デバイスを無線ネットワークN1に参入させるために必要となる情報)を定期的に送信する。
【0021】
バックボーンルータ31,32は、無線ネットワークN1とバックボーンネットワークN2とを接続し、例えば無線デバイス11〜13とシステムマネージャ40との間で送受信される各種データの中継を行う。尚、バックボーンルータ31,32も上記の無線通信規格ISA100.11aに準拠した無線通信が可能である。バックボーンルータ31は、無線ルータ21に向けられた指向性を有するアンテナ31aを備えており、バックボーンルータ32は、無線ルータ22に向けられた指向性を有するアンテナ32aを備えている。
【0022】
システムマネージャ40は、無線通信システム1の管理制御を統括して行う。例えば、システムマネージャ40は、無線ネットワークN1に接続される無線機器(無線デバイス11〜13、無線ルータ21,22、及びバックボーンルータ31,32)間に設定すべき通信リンクに対し、通信リソース(チャネル及びタイムスロット)の割り当てを行って、無線ネットワークN1を介したTDMA(Time Division Multiple Access:時分割多元接続)による無線通信を実現する。また、システムマネージャ40は、新たな無線デバイスを無線ネットワークN1に参入させるか否かの処理も行う。尚、システムマネージャ40の詳細は後述する。
【0023】
端末装置50は、例えば無線通信システム1の管理者(システム管理者)によって操作され、システム管理者の操作に応じた設定(例えば、システムマネージャ50が上記の通信リソースの割り当てを行う上で必要となる情報の設定)等を行う。この端末装置50は、例えばキーボードやポインティングデバイス等の入力装置、液晶表示装置等の表示装置を備えるパーソナルコンピュータやワークステーションにより実現される。
【0024】
〈システムマネージャ40の構成〉
図2は、本発明の一実施形態による管理装置としてのシステムマネージャの要部構成を示すブロック図である。
図2に示す通り、システムマネージャ40は、通信部41、格納部42、及び制御部43を備える。通信部41は、制御部43の制御の下で、バックボーンネットワークN2を介した通信を行う。
【0025】
格納部42は、例えばハードディスク等の外部記憶装置で実現され、干渉判定用データDT(干渉判定用情報)及び干渉マトリクスM等を格納する。ここで、上記の干渉判定用データDTは、無線ネットワークN1に接続される無線機器(無線デバイス11〜13、無線ルータ21,22、及びバックボーンルータ31,32)間で行われる無線通信の干渉が生ずる可能性を判定する材料として用いられるデータである。また、上記の干渉マトリクスMは、上記の干渉判定用データDTを用いて生成され、無線ネットワークN1に接続される無線機器の組み合わせ毎(アンテナの組み合わせ毎)の無線通信の干渉の有無を示すテーブルである。
【0026】
図3は、本発明の一実施形態で用いられる干渉判定用データの一例を示す図である。
図3(a)に示す干渉判定用データDTは、「デバイス」毎に、「座標情報」、「GPS位置情報」、「アンテナ」、「アンテナ指向性情報」、「送信強度情報」が規定されたデータである。上記「デバイス」は、無線ネットワークN1に接続される無線機器を特定する情報である。尚、
図3(a)中の「BBR」はバックボーンルータを意味し、「RT」は無線ルータを意味する。また、
図3(b)中の「DEV」は無線デバイスを意味する。
【0027】
上記「座標情報」及び「GPS位置情報」は、無線機器の設置位置を示す情報である。具体的に、上記「座標情報」は、無線機器が設置された座標(予め設定されたXY座標系における設計上の座標)を示す情報であり、上記「GPS位置情報」は、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)で得られる無線機器が設置された位置(緯度及び経度)を示す情報である。尚、本実施形態において、上記XY座標系の原点は、便宜上、バックボーンルータ31,32の設置位置の中点に設定されているものとする。
【0028】
上記「アンテナ」は、無線機器に設けられるアンテナを特定する情報である。尚、
図3中の「ANT」はアンテナを意味する。上記「アンテナ指向性情報」は、無線機器に設けられるアンテナの指向性を示す情報である。具体的に、この「アンテナ指向性情報」は、北を0°とした方位角及びアンテナの利得情報を含む情報である。上記「送信強度情報」は、無線機器から送信される無線信号の送信強度を示す情報である。
【0029】
上記「座標情報」は、例えば無線通信システム1の管理者が端末装置50を操作することによって設定される。上記「GPS位置情報」は、無線ネットワークN1を介した無線通信によってGPS測位機能を有する無線機器から収集される。上記「アンテナ指向性情報」、「送信強度情報」は、上記「座標情報」と同様に端末装置50により設定され、或いは上記「GPS位置情報」と同様に無線ネットワークN1を介した無線通信によって各無線機器から収集される。
【0030】
図3(b)に示す干渉判定用データDTは、「送信デバイス」と「受信デバイス」との組み合わせ毎に、無線通信に用いられている「周波数(Ch)」と「通信品質情報」とが規定されたデータである。上記「送信デバイス」は、無線信号の送信元の無線機器を特定する情報であり、上記「受信デバイス」は、無線信号の送信先の無線機器を特定する情報である。上記「周波数(Ch)」は、無線通信に用いるチャネルを示す情報である。
【0031】
上記「通信品質情報」は、無線通信の通信品質を示す情報である。この「通信品質情報」としては、RSSI(Received Signal Strength Indicator:受信信号強度)、RSQI(Received Signal Quality Indicator)、PER(Packet Error Rate)等を用いることができる。この「通信品質情報」は、無線ネットワークN1を介した無線通信によって受信品質測定機能を有する無線機器から収集される。尚、受信品質測定機能を有する無線機器は、例えば、無線ルータ21,22から送信される広告の受信品質を測定することによって上記の「通信品質情報」を得る。
【0032】
制御部43は、システムマネージャ40の動作を統括して制御する。例えば、無線ネットワークN1を介したTDMAによる無線通信を実現するために、無線ネットワークN1を介して無線通信を行う無線機器間に設定すべき通信リンクに対し、通信リソース(チャネル及びタイムスロット)の割り当て制御を行う。また、制御部43は、無線ネットワークN1へのジョイン要求(参入要求)があった場合には、そのジョイン要求を行った無線デバイスを無線ネットワークN1に参入させる処理を行う。
【0033】
この制御部43は、干渉判定部43a、管理部43b、及びデータ収集部43cを備える。干渉判定部43aは、無線ネットワークN1を介して無線通信を行う無線機器間に設定すべき通信リンク毎に、無線通信の干渉が生ずる可能性の有無を判定する。この干渉判定部43aは、格納部42に格納された干渉判定用データDTを読み出し、この干渉判定用データDTから干渉マトリクスMを作成し、作成した干渉マトリクスMに基づいて無線通信の干渉が生ずる可能性の有無を判定する。
【0034】
具体的に、干渉判定部43aは、
図3(a)に示す干渉判定用情報DTに含まれる「座標情報」又は「GPS位置情報」、「アンテナ指向性情報」、及び「送信強度情報」を用いて無線信号の到達領域を示す二次元マップ(二次元データ)を作成する。そして、作成した二次元マップから干渉マトリクスMを作成し、干渉マトリクスMに基づいて無線通信の干渉が生ずる可能性の有無を判定する。或いは、干渉判定部43aは、
図3(b)に示す干渉判定用情報DTに含まれる「通信品質情報」から直接干渉マトリクスMを作成し、干渉マトリクスMに基づいて無線通信の干渉が生ずる可能性の有無を判定する。尚、上記の二次元マップ及び干渉マトリクスMの具体的な作成方法については後述する。
【0035】
管理部43bは、干渉判定部43aの判定結果に応じて、チャネル及びタイムスロットを複数の通信リンクに重複して割り当てるか否かを管理する。具体的に、管理部43bは、干渉判定部43aによって無線通信の干渉が生ずる可能性が無いと判定された複数の通信リンクには、チャネル及びタイムスロットを重複して割り当て可能である。これに対し、干渉判定部43aによって無線通信の干渉が生ずる可能性が有ると判定された複数の通信リンクには、少なくとも何れか一方が異なるチャネル及びタイムスロットを割り当てる。
【0036】
例えば、管理部43bは、干渉判定部43aの判定結果に応じて、既に設定済みの通信リンクに割り当てられているチャネル及びタイムスロットを、設定すべき通信リンクに重複して割り当てるか否かを管理する。具体的に、管理部43bは、干渉判定部43aによって無線通信の干渉が生ずる可能性が無いと判定された通信リンクには、既に設定済みの通信リンクに割り当てられているチャネル及びタイムスロットを重複して割り当て可能である。これに対し、干渉判定部43aによって無線通信の干渉が生ずる可能性が有ると判定された通信リンクには、既に設定済みの通信リンクに割り当てられているチャネル及びタイムスロットと少なくとも一方が異なるチャネル及びタイムスロットを割り当てる。管理部43bがこのような割り当てを行うのは、従来よりも通信リソースを有効活用するためである。
【0037】
データ収集部43cは、無線ネットワークN1を介した無線機器との無線通信によって各種データを収集する。例えば、データ収集部43cは、
図3(a)に示す干渉判定用データDTに含まれる「GPS位置情報」、「アンテナ指向性情報」、「送信強度情報」を収集する。或いは、データ収集部43cは、
図3(b)に示す干渉判定用データDTに含まれる「通信品質情報」を収集する。
【0038】
〈無線通信システムの動作〉
次に、以上説明した無線通信システム1における通信リソースの割り当て動作について説明する。前述した通り、デバイスマネージャ40の管理部43bは、干渉判定部43aの判定結果に応じて、通信リソースの重複した割り当てを行うか否かを管理している。このため、通信リソースの割り当てに先だって、干渉判定部43aの判定に用いられる干渉マトリクスMを作成する動作(以下、「干渉マトリクス作成動作」という)が行われ、干渉マトリクスMの作成が完了した後に、通信リソースを実際に割り当てる動作(以下、「通信リソース割当動作」という)が行われる。以下、これらの動作を順に説明する。
【0039】
《干渉マトリクス作成動作》
図4は、本発明の一実施形態における干渉マトリクス作成動作を示すフローチャートである。尚、
図4に示すフローチャートの処理は、例えば無線ネットワークN1が構築されるタイミング、無線ネットワークN1が変更されるタイミング、無線ネットワークN1に参入する無線機器が変更されるタイミング等で開始される。
【0040】
図4に示すフローチャートの処理が開始されると、まずシステムマネージャ40に設けられた格納部42に格納された干渉判定用データDTを干渉判定部43aに読み出す処理が制御部43によって行われる(ステップS11)。尚、ここでは、
図3(a)に示す干渉判定用データDTに含まれる「デバイス」、「座標情報」、「アンテナ」、「アンテナ指向性情報」、「送信強度情報」の読み出しが行われるものとする。
【0041】
次に、格納部42から読み出された干渉判定用データDTを用いて無線信号の到達領域を示す二次元マップを作成する処理が干渉判定部43aで行われる(ステップS12)。
図5は、本発明の一実施形態で行われる二次元マップの作成原理を説明するための図である。無線機器から送信される無線信号の平面的な到達領域は、無線機器に設けられるアンテナの指向性によって大きく変化する。
【0042】
具体的に、無線機器に設けられるアンテナが無指向性アンテナである場合には、
図5(a)に示す通り、無線信号の到達領域は、無線機器Dを中心とした円形の領域で表される。これに対し、無線機器に設けられるアンテナが指向性アンテナである場合には、
図5(a)に示す通り、無線信号の到達領域は、おおむね焦点の一方に無線機器Dが配置された楕円形の領域で表され、指向性が高くなるにつれて楕円率(長軸の長さと短軸の長さとの比)が大きくなる。
【0043】
また、無線信号の到達距離は、無線機器から送信される無線信号の送信強度が高いほど長くなる。このため、例えば無線機器に設けられるアンテナが指向性アンテナである場合には、
図5(b)に示す通り、楕円形の領域で表される無線信号の到達領域は、無線信号の送信強度が高くなるにつれて大きくなる。尚、図示は省略しているが、無線機器に設けられるアンテナが無指向性アンテナである場合の無線信号の到達領域(円形の領域)も、無線信号の送信強度が高くなるにつれて大きくなる。
【0044】
干渉判定部43aは、以上の原理を用いて、無線通信システム1に設けられる無線機器(無線デバイス11〜13、無線ルータ21,22、及びバックボーンルータ31,32)の各々について二次元マップを作成する処理を行う。
図6は、本発明の一実施形態で作成される二次元マップの一例を示す図である。尚、
図6(a)は、バックボーンルータ31についての二次元マップを示す図であり、
図6(b)は、バックボーンルータ32についての二次元マップを示す図である。また、
図6(c)は、無線ルータ21についての二次元マップを示す図であり、
図6(d)は、無線ルータ22についての二次元マップを示す図である。尚、無線デバイス11〜13についての二次元マップは、説明の簡単化のために図示を省略している。
【0045】
二次元マップの作成処理が開始されると、まず格納部42から読み出された干渉判定用データDTに含まれる「座標情報」に基づいて、「デバイス」で特定される無線機器をXY座標系上に配置する処理が干渉判定部43aで行われる。具体的には、
図6に示す通り、バックボーンルータ31をX軸上の正側、バックボーンルータ32をX軸上の負側、無線ルータ21をXY座標系の第3象限、無線ルータ22をXY座標系の第4象限にそれぞれ配置する処理が行われる。
【0046】
次に、格納部42から読み出された干渉判定用データDTに含まれる各無線機器の「アンテナ指向性情報」及び「送信強度情報」に基づいて、各無線機器から送信される無線信号の到達領域を示す二次元マップを作成する処理が干渉判定部43aで行われる。具体的には、
図5を用いて説明した原理によって形状及び大きさが決定される無線信号の到達領域が、無線機器の配置されたXY座標系上に配置されることによって二次元マップが作成される。
【0047】
例えば、バックボーンルータ31については、
図6(a)に示す通り、バックボーンルータ31から無線ルータ21に向けて伸びる楕円形の到達領域R1が配置された二次元マップが作成される。同様に、バックボーンルータ32については、
図6(b)に示す通り、バックボーンルータ32から無線ルータ22に向けて伸びる楕円形の到達領域R2が配置された二次元マップが作成される。
【0048】
また、 無線ルータ21については、
図6(c)に示す通り、無線ルータ21からバックボーンルータ31に向けて伸びる楕円形の到達領域R3a(アンテナ21aによるもの)と無線ルータ21を中心とした円形の到達領域R3b(アンテナ21bによるもの)とが配置された二次元マップが作成される。同様に、無線ルータ22については、
図6(d)に示す通り、無線ルータ22からバックボーンルータ32に向けて伸びる楕円形の到達領域R4a(アンテナ22aによるもの)と無線ルータ22を中心とした円形の到達領域R4b(アンテナ22bによるもの)とが配置された二次元マップが作成される。
【0049】
続いて、各無線機器について作成された二次元マップから、無線機器の組み合わせ毎の無線通信の干渉の有無を示すテーブルである干渉マトリクスMを作成する処理が干渉判定部43aで行われる(ステップS13)。具体的には、各無線機器について作成された二次元マップにおける無線信号の到達領域に他の無線機器が含まれるか否かに応じて無線通信の干渉の有無が判断され、この判断結果に基づいて干渉マトリクスMが作成される。
【0050】
図7は、本発明の一実施形態で作成される干渉マトリクスの一例を示す図である。
図7に示す通り、干渉マトリクスMは、「送信デバイス」(無線デバイス11〜13、無線ルータ21,22、及びバックボーンルータ31,32)と「受信デバイス」(無線デバイス11〜13、無線ルータ21,22、及びバックボーンルータ31,32)との組み合わせに応じて干渉の有無を示すテーブルである。
【0051】
図6(a)の二次元マップを参照すると、楕円形の到達領域R1には、バックボーンルータ31以外に無線ルータ21が含まれている。このため、
図7の干渉マトリクスMでは、「送信デバイス」がバックボーンルータ(BBR)31である場合に、「受信デバイス」が無線ルータ(RT)21のときには『干渉有り』とされており、他の無線機器のときには『干渉無し』とされている。同様に、
図6(b)の二次元マップを参照すると、楕円形の到達領域R2には、バックボーンルータ32以外に無線ルータ22が含まれている。このため、
図7の干渉マトリクスMでは、「送信デバイス」がバックボーンルータ(BBR)32である場合に、「受信デバイス」が無線ルータ(RT)22のときには『干渉有り』とされており、他の無線機器のときには『干渉無し』とされている。
【0052】
また、
図6(c)の二次元マップを参照すると、楕円形の到達領域R3aには、無線ルータ21以外にバックボーンルータ31が含まれている。尚、
図6(c)では図示を省略しているが、円形の到達領域R3bには、無線ルータ21以外に無線デバイス11が含まれている。このため、
図7の干渉マトリクスMでは、「送信デバイス」が無線ルータ(RT)21である場合に、「受信デバイス」がバックボーンルータ(BBR)31又は無線デバイス(DEV)11であるときには『干渉有り』とされており、他の無線機器のときには『干渉無し』とされている。
【0053】
また、
図6(d)の二次元マップを参照すると、楕円形の到達領域R4aには、無線ルータ22以外にバックボーンルータ32が含まれている。尚、
図6(d)では図示を省略しているが、円形の到達領域R4bには、無線ルータ21以外に無線デバイス12,13が含まれている。このため、
図7の干渉マトリクスMでは、「送信デバイス」が無線ルータ(RT)22である場合に、「受信デバイス」がバックボーンルータ(BBR)32又は無線デバイス(DEV)12,13であるときには『干渉有り』とされており、他の無線機器のときには『干渉無し』とされている。
【0054】
《通信リソース割当動作》
図8は、本発明の一実施形態における通信リソース割当動作を示すフローチャートである。尚、
図8に示すフローチャートの処理は、上述した干渉マトリクスMが作成された後で、制御部43から通信リンクの設定要求があったタイミングで開始される。尚、以下では、理解を容易にするために、無線デバイス12,13、無線ルータ22、及びバックボーンルータ32間の通信リンクが既に設定されている状態で、制御部43から無線ルータ21とバックボーンルータ31との間の通信リンク(バックボーンルータ31から無線ルータ21に無線信号を送信する通信リンク)の設定要求があった場合を例に挙げて説明する。
【0055】
図8に示すフローチャートの処理が開始されると、まずシステムマネージャ40に設けられた格納部42に格納されている干渉マトリクスMを参照して、設定要求のあった通信リンクについて無線通信の干渉の有無を判定する処理が干渉判定部43aで行われる(ステップS21:第1ステップ)。具体的には、
図7に示す干渉マトリクスMが干渉判定部43aによって参照されて、「送信デバイス」がバックボーンルータ(BBR)31であって、無線機器(無線デバイス11〜13、無線ルータ21,22、及びバックボーンルータ31,32)の各々が「受信デバイス」であるときの干渉の有無が判定される。尚、
図7に例示する干渉マトリクスMの場合には、無線ルータ(RT)21については「干渉有り」と判定され、他の無線機器については「干渉無し」と判定される。
【0056】
次に、ステップS21の判定結果に基づいて、設定すべき通信リンクと干渉が生じない無線機器を抽出する処理が管理部43bで行われる(ステップS22)。ここで、ステップS21では、無線ルータ21のみが「干渉有り」と判定され、無線ルータ21以外の無線機器については「干渉無し」と判定されているため、無線ルータ21以外の無線機器(無線デバイス11〜13、無線ルータ22、及びバックボーンルータ31,32)が管理部43bによって抽出される。
【0057】
続いて、ステップS22で抽出した無線機器の間に設定済みの通信リンクが有るか否かが管理部43bで判断される(ステップS23)。前述の通り、ここでは無線デバイス12,13、無線ルータ22、及びバックボーンルータ32間の通信リンクが既に設定されているとしているため、ステップS23の判断結果は「YES」になる。すると、これら無線デバイス12,13、無線ルータ22、及びバックボーンルータ32間に設定されている通信リンクに割り当てられているチャネル及びタイムスロットを、設定すべき通信リンクに重複して割り当てる処理が管理部43bで行われる(ステップS24:第2ステップ)。
【0058】
これに対し、仮にステップS22で抽出した無線機器の間に設定済みの通信リンクが無いと判断された場合には、従来の同様の方法で設定すべき通信リンクに対してチャネル及びタイムスロットを割り当てる処理が管理部43bで行われる(ステップS25)。具体的には、既に設定されている通信リンクに割り当てられているチャネル及びタイムスロットと重複しないように、設定すべき通信リンクに対してチャネル及びタイムスロットを割り当てる処理が行われる。
【0059】
図9は、本発明の一実施形態で割り当てられる通信リソースの一例を示す図である。ここで、通信リソース割当動作が開始される前においては、
図9中の3つの通信リソースQ1〜Q3が既に割り当てられているものとする。尚、通信リソースQ1は、バックボーンルータ32から無線ルータ22に無線信号を送信する通信リンクに割り当てられた通信リソースであり、通信リソースQ2は、無線ルータ22から無線デバイス12に無線信号を送信する通信リンクに割り当てられた通信リソースであり、通信リソースQ3は、無線デバイス13から無線ルータ22に無線信号を送信する通信リンクに割り当てられた通信リソースである。
【0060】
図8に示すステップS24の処理が行われることにより、設定すべき通信リンク(バックボーンルータ31から無線ルータ21に無線信号を送信する通信リンク)に対して、通信リソースQ1〜Q3の何れか(
図9に示す例では、通信リソースQ3)が重複して割り当てられる。尚、上記の通信リソースQ1〜Q3のように、重複して割り当て可能な通信リソースが複数存在する場合には、予め定められた割り当て規則や優先度に従って通信リソースの割り当てが行われる。
【0061】
ここで、
図1を参照すると、設定すべき通信リンク(バックボーンルータ31から無線ルータ21に無線信号を送信する通信リンク)と、通信リソースQ3が先に割り当てられている通信リンク(無線デバイス13から無線ルータ22に無線信号を送信する通信リンク)とは物理的に離間している。このため、設定すべき通信リンクに通信リソースQ3を重複して割り当てても無線信号の干渉が生じ得ないのが理解できる。尚、
図8に示すステップS25の処理が行われると、既に割り当てられている通信リソースQ1〜Q3と重複しない通信リソース(例えば、
図9中の通信リソースQ4)が設定すべき通信リンクに対して割り当てられる。
【0062】
図10は、本発明の一実施形態において割り当て可能な通信リソースを模式的に示す図である。前述の通り、本実施形態では、既に設定されている通信リンクに割り当てられているチャネル及びタイムスロットを、設定すべき通信リンクに対して重複して割り当てることが可能である。これは、
図10に示す通り、本来割り当て可能な通信リソース(
図10中の通信リソースRS1)に対して、割り当て可能な通信リソース(
図10中の通信リソースRS2,RS3)が新たに追加されたことと同義であるため、従来よりも通信リソースを有効活用することができる。
【0063】
以上の通り、本実施形態では、無線機器間に設定すべき通信リンク毎に、無線通信の干渉が生ずる可能性の有無を判定し、この判定結果に応じて、既に設定済みの通信リンクに割り当てられているチャネル及びタイムスロットを、設定すべき通信リンクに重複して割り当てるか否かをシステムマネージャ40で管理している。このため、従来よりも通信リソースを有効活用することができ、これにより無線ネットワークN1に参入することができる無線機器の総数や通信速度等を向上させることが可能である。
【0064】
つまり、本実施形態では、
図10を用いて説明した通り、本来の通信リソースRS1に対して、いわば割り当て可能な通信リソースRS2,RS3が新たに追加される。このため、通信リソースRS1のみを用いる場合よりも多くの通信リソースRS2,RS3が利用可能であり、より多くの無線機器を無線ネットワークN1に参加させることができる可能性がある。また、例えば本来の通信リソースRS1に加えて通信リソースRS2,RS3を1つの無線機器に割り当てるといった具合に、複数の通信リソースを1つの無線機器に割り当てることも可能になるため、通信速度を向上させることも可能である。
【0065】
以上、本発明の一実施形態による管理装置、管理方法、及び無線通信システムについて説明したが、本発明は上述した実施形態に制限されることなく、本発明の範囲内で自由に変更が可能である。例えば、上記実施形態では、
図3(a)に示す干渉判定用データDTを用いて二次元マップを作成し、この二次元マップから干渉マトリクスMを作成する例について説明したが、
図3(b)に示す干渉判定用データDTから干渉マトリクスMを直接作成することも可能である。また、
図5,
図6に示す二次元マップを作成するのではなく、無線信号の到達領域を示す二次元データ(例えば、座標データ等)を作成するようにしても良い。
【0066】
また、上記実施形態では、理解を容易にするために、無線デバイス12,13、無線ルータ22、及びバックボーンルータ32間の通信リンクが既に設定されている状態で、新たな通信リンク(無線ルータ21とバックボーンルータ31との間の通信リンク)に対してチャネル及びタイムスロットを重複して割り当てる例について説明した。しかしながら、本発明は、例えば無線通信システム1全体を新規に構築する場合のように、複数の通信リンクに対してチャネル及びタイムスロットを同時に重複して割り当てるといったことも可能である。
【0067】
また、上記実施形態では、バックボーンルータ31,32及びシステムマネージャ40がそれぞれ別々の装置として実現されている例について説明した。しかしながら、これらのうちの任意の2つ以上の装置を1つの装置として実現することも可能である。また、信頼性を高めるために、システムマネージャ40は、現用系のものと待機系のものとに二重化されていても良い。また、上記実施形態では、ISA100.11aに準拠した無線通信を行う無線通信システムを例に挙げて説明したが、本発明はWirelessHART(登録商標)に準拠した無線通信を行う無線通信システムにも適用することができる。