特許第6236843号(P6236843)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6236843
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20171120BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   G09F9/00 309A
   G09F9/00 350Z
   G02F1/1333
【請求項の数】8
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-84395(P2013-84395)
(22)【出願日】2013年4月12日
(65)【公開番号】特開2014-206653(P2014-206653A)
(43)【公開日】2014年10月30日
【審査請求日】2016年3月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000201113
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148460
【弁理士】
【氏名又は名称】小俣 純一
(72)【発明者】
【氏名】中野 功大
(72)【発明者】
【氏名】須藤 起二
【審査官】 小野 博之
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/086760(WO,A1)
【文献】 特開2004−191996(JP,A)
【文献】 特開2011−164529(JP,A)
【文献】 特開2002−107696(JP,A)
【文献】 特開2001−305971(JP,A)
【文献】 特開2009−036893(JP,A)
【文献】 特開2008−009010(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/046765(WO,A1)
【文献】 特開2011−133545(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/058846(WO,A1)
【文献】 特開2011−185956(JP,A)
【文献】 特開2001−013887(JP,A)
【文献】 実開平06−050035(JP,U)
【文献】 中国特許出願公開第102566106(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00
G02F 1/13−1/1335
1/13363−1/141
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示パネルと、
前記表示パネルの背面に向けて光を照射するための光照射部と、
前記光照射部により発生した熱を放熱し、且つ接地されている放熱板と、
前記表示パネルの縁の一部に沿って設けられ、前記放熱板と対向する対向保護部材と、
前記対向保護部材と前記放熱板との間に挟みこまれ、前記対向保護部材と前記放熱板とを電気的に接続する導電性部材と、を備え、
前記対向保護部材は、前記表示パネルの表示面に略平行な第1の部分と、前記第1の部分から略垂直に延びる第2の部分と、を含み、
前記導電性部材は、前記対向保護部材の前記第1の部分に接触する
表示装置。
【請求項2】
前記対向保護部材には、開口が形成されており、
前記導電性部材は、前記開口を塞ぐように、前記対向保護部材と前記放熱板との間に挟みこまれている
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記対向保護部材は、導電層の表面及び裏面のそれぞれにメッキ層を積層することにより形成されており、
前記対向保護部材の前記開口は、前記対向保護部材にバーリング加工を施すことにより形成されている
請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記放熱板には、前記対向保護部材に向かう方向に切り起こしが形成されており、
前記切り起こしには、前記導電性部材が接触している
請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項5】
前記放熱板には、前記対向保護部材に向かう方向に凸部が形成されており、
前記凸部には、前記導電性部材が接触している
請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記導電性部材は、導電性を有するガスケットである
請求項1〜5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記導電性部材は、弾性を有する
請求項1〜6のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1の部分は、前記第2の部分よりも前記表示パネルの前記縁の近くに位置する
請求項1〜7のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶ディスプレイ装置などの表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶ディスプレイ装置では、ESD(静電気放電;Electro Static Discharge)や、EMI(Electro Magnetic Interference;電磁妨害)への対策のため、ゼロ電位の板金と、ベゼルとを、ビスを用いて電気的に接続している。
【0003】
図7は従来の液晶ディスプレイ装置のリアフレームの構成を示した図である。
【0004】
リアフレーム180は、板金からなる上フレーム180A、同様に板金からなる左フレーム180B、同様に板金からなる右フレーム180C、及び、同様に板金からなる下フレーム180Dを組み合わせて構成されている。
【0005】
リアフレーム180では、フレーム180A〜180Dのいずれが接地されている。これにより、リアフレーム180全体がゼロ電位となる。そして、フレーム180A〜180Dのいずれかがベゼルと電気的に接続されているので、ベゼルもゼロ電位となる。
【0006】
これにより、ベゼル及びリアフレーム180がゼロ電位となるので、ベゼル或いはリアフレーム180で静電気放電が生じにくくなり、且つ、液晶ディスプレイ装置内部の構成要素を電磁妨害から守ることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−11012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、近年、低コスト化のため、リアフレームを樹脂で構成することが望まれている。しかしながら、リアフレームを樹脂で構成した場合、樹脂には絶縁性があるため、リアフレームがベゼルと電気的に接続されない。その場合、静電気放電や電磁妨害が生じやすくなる。
【0009】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、リアフレームを樹脂で構成しても、静電気放電や電磁妨害への対策を行うことができる表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る表示装置は、画像を表示する表示パネルと、前記表示パネルの背面に向けて光を照射するための光照射部と、前記光照射部により発生した熱を放熱し、且つ接地されている放熱板と、前記表示パネルの外枠を保護するために当該外枠に沿って設けられた複数の保護部材と、を備え、前記複数の保護部材のうち少なくとも1つは、前記放熱板と対向する対向保護部材であり、前記対向保護部材と前記放熱板との間に挟みこまれ、前記対向保護部材と前記放熱板とを電気的に接続する導電性部材を備える。
【0011】
この構成によると、接地された放熱板と対向する対向保護部材と、放熱板とが導電性部材によって電気的に接続されている。そのため、対向保護部材、及び、放熱板がゼロ電位となるので、対向保護部材或いは放熱板で静電気が生じにくくなり、また、表示装置内部の構成要素を電磁妨害から守ることができる。
【0012】
その結果、リアフレームを樹脂で構成しても、静電気放電や電磁妨害への対策を行うことができる。
【0013】
また、前記対向保護部材には、開口が形成されており、前記導電性部材は、前記開口を塞ぐように、前記対向保護部材と前記放熱板との間に挟みこまれていてもよい。
【0014】
この構成によると、放熱板と対向する保護部材には、開口が形成されており、且つ、導電性部材が開口を塞ぐように接触しているので、表示装置の組み立て工程において、作業者などが開口を覗くことによって、導電性部材の配置忘れを視認することができる。
【0015】
また、前記保護部材は、導電層の表面及び裏面のそれぞれにメッキ層を積層することにより形成されており、前記対向保護部材の前記開口は、前記対向保護部材にバーリング加工を施すことにより形成されていてもよい。
【0016】
この構成によると、保護部材は、導電層の表面及び裏面にメッキ層を積層することにより形成されており、放熱板と対向する保護部材の開口は、バーリング加工により形成されている。
【0017】
そのため、放熱板と対向する保護部材の表面及び裏面が、絶縁性のあるメッキ層である場合にも、開口において導電層が露出するので、放熱板と対向する保護部材と、放熱板との電気的な接続を行うことができる。
【0018】
また、前記放熱板には、前記対向保護部材に向かう方向に切り起こしが形成されており、前記切り起こしには、前記導電性部材が接触していてもよい。
【0019】
この構成によると、放熱板には、対向保護部材に向かう方向に切り起こしが形成されているので、切り起こしの高さの分だけ導電性部材の長さを小さくすることができる。
【0020】
その結果、コストの低減を図ることができる。
【0021】
また、前記放熱板には、前記対向保護部材に向かう方向に凸部が形成されており、前記凸部には、前記導電性部材が接触していてもよい。
【0022】
この構成によると、放熱板には、対向保護部材に向かう方向に凸部が形成されているので、凸部の長さの分だけ導電性部材の長さを小さくすることができる。
【0023】
その結果、コストの低減を図ることができる。
【0024】
また、前記導電性部材は、導電性を有するガスケットであってもよい。
【0025】
この構成によると、従来から存在する、導電性を有するガスケットによって導電性部材が形成されているので、専用の導電性部材を新たに作成する必要がない。そのため、コストの低減を図ることができる。
【0026】
また、前記導電性部材は、弾性を有してもよい。
【0027】
この構成によると、導電性部材は弾性を有するので、導電性部材が、放電板と、当該放電板と対向する保護部材とに、しっかりと接触する。その結果、放電板と保護部材との電気的な接続をしっかりと行うことができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によると、リアフレームを樹脂で構成しても、静電気放電や電磁妨害への対策を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の実施の形態1に係る液晶ディスプレイ装置の外観の一例を示す斜視図である。
図2図1の液晶ディスプレイ装置を分解した状態を示す分解斜視図である。
図3A】本発明の実施の形態1に係る液晶ディスプレイの主要部分を表す分解斜視図である。
図3B】リアフレームに、基板取付部及び放熱板を取り付けた状態を示した斜視図である。
図4】放熱板の主要部の構成の一例を示した斜視図である。
図5図1のA−A線断面図である。
図6】本発明の実施の形態2に係る液晶ディスプレイ装置の主要部分を表す断面図である。
図7】従来の液晶ディスプレイ装置のリアフレームの構成を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、本実施の形態では、本発明の実施の形態に係る表示装置として液晶ディスプレイ装置を例示しているが、この例には限られず、静電気放電や電磁妨害への対策が求められる装置であれば、何を用いてもよい。
【0031】
また、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0032】
(実施の形態1)
<液晶ディスプレイ装置の構成>
図1は、本発明の実施の形態1に係る液晶ディスプレイ装置の外観の一例を示す斜視図である。図2は、図1の液晶ディスプレイ装置を分解した状態を示す分解斜視図である。なお、図1及び図2において、左方向をX1方向で表し、右方向をX2方向で表す。また、上方向をY1方向で表し、下方向をY2方向で表す。さらに、前方向をZ1方向で表し、後方向をZ2方向で表す。
【0033】
液晶ディスプレイ装置10は、図2に示すように、フロントキャビネット11、ベゼル(保護部材)12A〜12D、液晶パネル(表示パネル)13、モールドフレーム14、光学シート15、導光板16、放熱板17、リアフレーム18、及びリアカバー19を備えている。なお、光学シート15は、拡散板等、複数の部材で構成されている。
【0034】
ベゼル12A〜12Dは、液晶パネル13の外枠を保護するために、当該外枠に沿って設けられる。ベゼル12A〜12Dのうち、右側のベゼル12Aは、放熱板17と対向するベゼルである対向ベゼル(対向保護部材)である。よって、以下、右側のベゼル12Aを対向ベゼル12Aという。
【0035】
右側のベゼル(つまり対向ベゼル)12A、左側のベゼル12B、上側のベゼル12C、及び、下側のベゼル13Dの各々は、液晶パネル13の外枠に取り付けられることにより、ベゼル12A〜12Dからなる枠体が形成される。
【0036】
モールドフレーム14は、液晶パネル13の外枠をその背面側から支持するための枠体である。モールドフレーム14には、後述するように、液晶パネル13を配置する空間や、光学シート15を配置する空間を形成するためのリブが設けられている。
【0037】
導光板16は、その右端がLED41(図4参照)と対向するように、放熱板17に設けられている。導光板16は、例えば、アクリル樹脂等で構成されており、LED41から照射された光を、後述する反射シートに導く。
【0038】
放熱板17は、熱伝導率の高い金属、例えばアルミニウムなどで形成されている。放熱板17では、後述するように、その右側において、上下方向に複数のLED41が配置されている。放熱板17は、各LED41で発生した熱を大気中に放熱する。
【0039】
リアフレーム18は、プラスチックなどの絶縁性を有する樹脂で形成されている。
【0040】
<液晶ディスプレイの主要部分の構成>
図3Aは、本発明の実施の形態1に係る液晶ディスプレイの主要部分を表す分解斜視図である。図3Bは、リアフレーム18に、基板取付部20及び放熱板17を取り付けた状態を示した斜視図である。
【0041】
図3Aに示すように、リアフレーム18には、基板取付部20が嵌まり込む開口18Aが形成されている。基板取付部20は、アルミニウムなどの導電体から形成されており、その背面に、電子部品が実装された基板(不図示)が取り付けられている。そして、その基板は接地面を有する。基板取付部20はその背面に基板が取り付けられた状態で、開口18Aに嵌めこまれる。
【0042】
また、リアフレーム18には、放熱板17の外形に沿った形状の放熱板取付部18Bが形成されている。開口18Aに基板取付部20を嵌め込んだ状態で、放熱板取付部18Bに放熱板17を取り付けると、図3Bに示すように、基板取付部20と放熱板17とが接触する。これにより、基板取付部20と放熱板17とが電気的に接続される。
【0043】
図4は、放熱板17の主要部の構成の一例を示した斜視図である。放熱板17は、放熱板17の長手方向と平行な屈曲部170において、放熱板17の表面に対して90度屈曲している。これにより、放熱板17の長手方向に延びる屈曲部171が形成される。
【0044】
屈曲部171のうち、放熱板17の短手方向側には、放熱板17の短手方向に向けてLED41からの光が照射されるように、LEDバー(光照射部)40が設けられている。LEDバー40には、複数のLED41が直線状に配置されている。このLEDバー40は、放熱板17の長手方向に沿って配置されている。放熱板17には、側面がLEDバー40に沿うように、導光板16が配置される。
【0045】
また、放熱板17には、凸部17Bが形成されている。なお、凸部17Bの機能については後述する。
【0046】
図5は、図1のA−A線断面図である。なお、図5において、フロントキャビネット11については、説明の容易化のため、図示及び説明を省略する。また、図5において、液晶ディスプレイ装置10の左方向をX1方向で表し、液晶ディスプレイ装置10の右方向をX2方向で表す。また、液晶ディスプレイ装置10の上方向をY1方向で表し、下方向をY2方向で表す。さらに、液晶ディスプレイ装置10の後方向をZ2方向で表す。
【0047】
リアフレーム18の上表面には、先述のように、放熱板17が載置される。放熱板17の上表面には、クッション部材34を介して導光板16が配置される。反射シート31は、導光板16の裏面を覆うようにして配置されている。導光板16の上には、モールドフレーム14が配置されている。
【0048】
モールドフレーム14は、第1リブ14Aと、第2リブ14Bと、フレーム本体部14Cとを備える。第1リブ14Aは、当該第1リブ14Aの先端が対向ベゼル12Aと接触することによって、液晶パネル13が配置される領域を確保する。当該領域に液晶パネル13が配置される。
【0049】
第2リブ14Bは、導光板16の上表面と接触することによって、光学シート15が配置される領域を確保する。当該領域に、光学シート15が配置される。
【0050】
フレーム本体部14Cは、PORON(高密度マイクロセルポリマーシート)やシリコンなどの樹脂で形成されたクッション部材32を介して、液晶パネル13の背面から液晶パネル13を支持する。
【0051】
対向ベゼル12Aは、その上部(第1の部分の一例)が放熱板17と対向して配置されている。放熱板17は、その端部に、対向ベゼル12Aに向かう方向に切り起こし17Aが形成されている。対向ベゼル12Aの右部(第2の部分の一例)と、切り起こし17Aとの間には、対向ベゼル12Aの右部の内側を保護するための樹脂33が配置されている。
【0052】
対向ベゼル12Aの上部側には、開口120が形成されている。対向ベゼル12Aの上部側と切り起こし17Aとの間には、導電性部材30が配置されている。この導電性部材30は、例えば、導電性を有するガスケットで構成されており、対向ベゼル12Aの上部側と切り起こし17とに接触している。これにより、対向ベゼル12Aと放熱板17とが電気的に接続される。
【0053】
なお、導電性部材30をガスケットで構成する際には、当該ガスケットが弾性を有することが好ましい。導電性部材30が弾性を有すれば、その弾性により、導電性部材30が、対向ベゼル12Aと切り起こし17Aとにしっかりと接触する。
【0054】
<液晶ディスプレイ装置の動作>
次に、上述した液晶ディスプレイ装置の動作について簡単に説明する。この液晶ディスプレイ装置10では、複数のLED41(図4参照)の各々が点灯することにより、複数のLED41の各々から光が出力される。
【0055】
複数のLED41からの光は、導光板16の側面に入射する。導光板16の側面に入射した光は、反射シート31で反射されながら導光板16の内部を伝達し、導光板16の表面から前方向に出射する。導光板16の表面から出射された光は、光学シート15を通過した後に、液晶パネル13の背面に入射する。
【0056】
このような液晶ディスプレイ装置10では、LED41から熱が発生する。この熱は放熱板17に伝達される。放熱板17に伝達した熱は、大気中に放熱される。
【0057】
<効果>
以上説明したように、本実施の形態1によると、対向ベゼル12Aと放熱板17とで導電性部材30を挟み込むことによって、対向ベゼル12Aと放熱板17とを電気的に接続している。
【0058】
これにより、対向ベゼル12A及び対向ベゼル12Aと電気的に接続されたベゼル12B〜12Dと、放熱板17とがゼロ電位となるので、ベゼル12A〜12D或いは放熱板17で静電気が生じにくくなり、また、液晶ディスプレイ装置1内部の構成要素(例えば、液晶パネル)を電磁妨害から守ることができる。
【0059】
その結果、リアフレーム18を樹脂で構成しても、静電気放電や電磁妨害への対策を行うことができる。
【0060】
また、対向ベゼル12Aと放熱板17とをビス止めする必要がないので、ビス止めのために放熱板17の形状を複雑にしなくてもよくなる。その結果、放熱板17の仕上がり精度が向上し、放熱板17が反りにくくなる。これにより、LED41の照射範囲が変わりにくくなるので、液晶パネル13における画質の低下を低減することができる。
【0061】
さらに、対向ベゼル12Aの前部には開口120が形成されているので、開口120から導電性部材30が露出する。これにより、液晶ディスプレイ装置10の組み立て構成において、作業者等が、開口120を覗くことによって、導電性部材30の配置忘れを低減することができる。
【0062】
さらに、放熱板17には切り起こし17Aが形成されているので、切り起こし17Aの高さの分だけ導電性部材30の長さを小さくすることができる。その結果、コストの低減を図ることができる。
【0063】
なお、図5において、樹脂33及びモールドフレーム14によって導電性部材30を挟みつけて固定すれば、導電性部材30が脱落することを防止できる。
【0064】
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2に係る液晶ディスプレイ装置の主要部分を表す断面図である。なお、この断面図は、図1のB−B線断面図である。また、図5と同一の構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0065】
図6に示すように、放熱板17には、対向ベゼル12Aに向かう方向に、凸部17Bが設けられている。この凸部17Bは、例えば、図4に示すように、円筒形状の金属部材が、放熱板17の表面上に、溶接により取り付けられることにより構成されている。
【0066】
凸部17Bよりも上方には光学シート15が配置されている。また、この光学シート15が載置される導光板16、及び反射シート31も凸部17Bの上方に配置されている。
【0067】
モールドフレーム140は、先述のモールドフレーム14と同様に、液晶パネル13の背面から液晶パネル13を支持する。モールドフレーム140は、第3リブ14Cを有している。第3リブ14Cの先端は、対向ベゼル12Aに接触することによって、液晶パネル13を配置する領域を確保している。
【0068】
液晶パネル13の前面及び背面には、PORON(高密度マイクロセルポリマーシート)やシリコンなどの樹脂で形成されたクッション部材32が配置されており、液晶パネル13の前面及び背面を保護している。
【0069】
放熱板17は、金属板が折り曲げられて構成された曲げ部17Cを有しており、放熱板17の表面積を増やしている。これにより、放熱板17による放熱効果を向上させている。
【0070】
一方で、対向ベゼル12Aには、バーリング加工により、淵121Aが液晶ディスプレイ10の背面方向に盛り上がった開口12が形成されている。これにより、対向ベゼル12Aが導電層の表面と裏面とにメッキ層を積層することにより形成されている場合でも、淵121Aの先端1210では導電層が露出することになる。
【0071】
また、導電性部材30は、放熱板17の凸部17Bと対向ベゼル12Aとの間に配置されており、両者と接触している。
【0072】
導電性部材30は、導電性及び弾性を有するガスケットで構成されている。そのため、導電性部材30には、放熱板17の凸部17Bと、対向ベゼル12Aの開口121の淵121Aとに嵌まり込む。そして、淵121Aの先端では導電層が露出しているので、導電性部材30は、放熱板17と対向ベゼル12Aとを電気的に接続することとなる。
【0073】
これにより、先述の実施の形態1による効果と同じ効果を奏する液晶ディスプレイ装置10を提供することが可能となる。
【0074】
以上、本発明に係るスイッチ構造及び表示装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、このような実施の形態に限定されない。本発明の主旨を逸脱しない範囲で、実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、及び、実施の形態の構成要素を任意に組み合わせて得られる別の形態も、本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、例えば、液晶ディスプレイ装置など、静電気対策や放電対策が求められる装置に適用できる。
【符号の説明】
【0076】
10 液晶ディスプレイ装置
12A〜12D ベゼル
13 液晶パネル
17 放熱板
17A 切り起こし
17B 凸部
18 リアフレーム
30 導電性部材
40 LEDバー
120、121 開口
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7