(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の画像において、前記被写体特定部が特定した前記被写体の前記第2方向とは異なる前記撮像面に平行な第3方向に沿った移動の変化量を導出する第2移動変化量導出部をさらに備え、
前記移動検出部は、
前記第3方向に沿った前記移動の変化量が第3基準量以上の場合、前記第3方向に沿った前記移動の変化量に基づいて、前記第3方向に沿った前記被写体の移動を検出し、
前記第2方向に沿った前記移動の変化量が、前記第1基準量より小さく、かつ前記第2基準量以上で、前記第3方向に沿った前記移動の変化量が、前記第3基準量より小さく、かつ前記第3基準量より小さい第4基準量以上の場合、前記面積の変化量および前記輝度の変化量に基づいて、前記第1方向に沿った前記被写体の移動を検出する、請求項1または6に記載の移動検出装置。
前記撮像部は、前記被写体の移動を検出する検出対象領域に向けて照射された特定の波長の光の反射光の受光量に応じた前記複数の画像を連続的に撮像する、請求項1から請求項7のいずれか1つに記載の移動検出装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0015】
図1は、本実施形態に係る移動検出装置100を備える遊技機10の概略正面図の一例を示す。遊技機10は、筐体12、表示装置14、ハンドルスイッチ16および移動検出装置100を備える。本実施形態では、遊技機10が移動検出装置100を備える例について説明する。しかし、移動検出装置100は、遊技機10以外の装置に設けられても構わない。
【0016】
表示装置14は、筐体12の遊技領域に配置される。表示装置14は、演出のための各種の画像を表示する。表示装置14は、液晶ディスプレイなどの表示画面を備え、遊技者によるゲームの進行に伴い、例えば図柄抽選結果を遊技者に報知するための装飾図柄を表示したり、キャラクタの登場またはアイテムの出現による演出画像を表示したりする。ハンドルスイッチ16は、玉発射装置を介して遊技球を発射する場合に遊技者により操作される。移動検出装置100は、検出対象領域において遊技者の手などの被写体の移動を検出する。遊技機10は、移動検出装置100による被写体の移動検出結果に応じて、表示装置14の画像を表示させるなどの演出を実行する。
【0017】
図2は、移動検出装置100の外観斜視図の一例を示す。移動検出装置100は、撮像部102と、赤外線発光部104とを備える。赤外線発光部104は、被写体の検出対象領域に赤外線を照射する。撮像部は、被写体の移動を検出する検出対象領域に向けて照射された特定の波長の光の反射光の受光量に応じた複数の画像を連続的に撮像する。撮像部102は、可視光カットフィルタ、撮像素子、および画像生成部を有する。可視光カットフィルタは、被写体で反射した反射光のうち可視光をフィルタリングして、赤外光を透過する。撮像素子は、可視光カットフィルタを通過した赤外光を光電変換して画像信号を出力する。画像生成部は、撮像素子から出力される画像信号に画像処理を行うことで画像を生成する。
【0018】
移動検出装置100は、例えば、遊技者の手を被写体として、遊技者の手のX軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向に沿った移動を検出する。なお、撮像部102の撮像面、つまり撮像素子の受光面に垂直な第1方向をZ軸方向、撮像面に平行な第2方向をX軸方向、および撮像面に平行でかつ第2方向に垂直な第3方向をY軸方向とする。
【0019】
ここで、被写体がZ軸方向に沿って撮像部102から遠ざかっている、つまり被写体がZ軸−方向に移動している場合、被写体の面積が徐々に小さくなることが考えられる。また、被写体がZ軸方向に沿って撮像部102に近づいている、つまり被写体がZ軸+方向に移動している場合、被写体の面積が徐々に大きくなることが考えられる。そこで、移動検出装置100は、撮像部102により撮像された画像に含まれる被写体の面積の変化に基づいてZ軸方向に沿った被写体の移動を検出することが考えられる。
【0020】
また、移動検出装置100が、撮像部102により撮像された画像に含まれる被写体の重心座標の変化に基づいて、撮像面に平行なX軸方向またはY軸方向に沿った被写体の移動を検出することが考えられる。
【0021】
しかしながら、
図3に示すように、遊技者が、例えば手首を基点として手を符号300の状態から符号302の状態になるようにZ軸方向に移動した場合、画像内の被写体の面積の変化、または重心座標の変化のみに基づいて被写体の移動を検出する場合、正確に被写体の移動を検出できない場合がある。
【0022】
図4は、手首を基点としてZ軸−方向に手を動かした場合に撮像部102から出力される画像の一例を示す。例えば手首を基点としてZ軸方向に移動した場合、手首から指先までの部分が被写体として常時、画像内に含まれるので、被写体の面積の変化は少ない。また、手首を基点としてZ軸方向に移動した場合、画像内に含まれる手の向きが変わり、被写体の面積は小さくならずに、撮像部102から遠ざかるほど、被写体の面積が大きくなる。さらに、手首を基点としてZ軸方向に移動した場合、被写体の重心座標はX軸方向およびY軸方向にも移動してしまう。したがって、被写体の動きによっては、被写体のX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向に沿った移動の検出を被写体の重心座標または面積のみに基づいて行った場合、正確に被写体の移動の検出できない場合がある。
【0023】
そこで、本実施形態に係る移動検出装置100は、被写体の重心座標の変化、面積の変化に加えて、被写体の輝度の変化に基づいて、被写体の移動を検出する。
【0024】
ここで、被写体と撮像部102との距離が長いほど被写体で反射した赤外光は拡散してしまう。したがって、撮像部102に入射される赤外光の量は、被写体と撮像部102との距離が長いほど少なくなる。つまり、画像に含まれる被写体の輝度は、被写体と撮像部102との距離が長いほど暗くなる。よって、被写体の輝度が暗くなる方向に変化する場合、被写体がZ軸−方向に移動している可能性がある。また、被写体の輝度が明るくなる方向に変化する場合、被写体がZ軸+方向に変化している可能性がある。
【0025】
一方、被写体がX軸方向またはY軸方向に移動する場合でも、被写体の輝度は変化する可能性がある。したがって、被写体の輝度の変化のみで被写体の移動を検出するだけでは、正確に被写体の移動を検出できない場合がある。また、上記の通り、手首を基点としてZ軸方向に移動した場合でも、被写体の重心座標はX軸方向およびY軸方向に移動してしまう場合がある。しかし、手首を基点とした手のZ軸方向の移動による重心座標の変化量は、手のX軸方向またはY軸方向への移動による重心座標の変化量より少ない可能性が高い。
【0026】
そこで、移動検出装置100は、被写体の重心座標の変化量が予め定められた閾値A以上の場合には、重心座標の変化に基づいて被写体のX軸方向またはY軸方向の移動を検出する。一方、移動検出装置100は、被写体の重心座標の変化量が閾値Aより小さく、被写体の重心座標の変化量が、閾値Aより小さい閾値B以上の場合には、被写体の面積および輝度の変化に基づいて被写体のZ軸方向の移動を検出する。
【0027】
以上のように、本実施形態に係る移動検出装置100は、被写体の重心座標の変化、被写体の面積の変化、および被写体の輝度の変化のいずれかのパラメータを用いて移動検出を行うかを閾値に従って選択することで、より精度良く被写体の移動を検出する。
【0028】
図5は、本実施形態に係る遊技機10の機能ブロックの一例である。本実施形態において、遊技機10は、パチンコ台である。しかし、遊技機10は、パチスロ台などの他の遊技機でも構わない。
【0029】
遊技機10は、表示装置14、ハンドルスイッチ16、入賞センサ18、玉発射装置20、音響装置22、制御部30、演出制御部40、および移動検出装置100を備える。
【0030】
表示装置14は、遊技者によるゲームの進行に伴い実行される演出に対応する画像を表示する。ハンドルスイッチ16は、遊技者による操作に従って玉発射装置20を介して遊技球を発射させる。入賞センサ18は、遊技盤上の予め定められた入賞口に遊技球が入賞したことを検出して、入賞信号を出力する。玉発射装置20は、ハンドルスイッチ16の操作量に応じて遊技球を発射する。音響装置22は、遊技者によるゲームの進行に伴い実行される演出に対応する音声を出力する。
【0031】
制御部30は、遊技機10の全体を制御する。制御部30は、入力信号制御部32、遊技機制御部34、大当たり抽選部36、およびデータ送信部38を備える。入力信号制御部32は、入賞センサ18からの入賞信号の入力を検知して、遊技機制御部34へ抽選信号を通知する。遊技機制御部34は、入力信号制御部32からの抽選信号を検知すると、大当たり抽選部36へ通知し、大当たり抽選部36から抽選結果を受け取る。さらに、遊技機制御部34は、抽選結果に応じた演出命令をデータ送信部38を介して演出制御部40に出力する。大当たり抽選部36は、遊技機制御部34からの抽選信号に応じて、大当たり抽選を行い、抽選結果を遊技機制御部34に通知する。データ送信部38は、遊技機制御部34からの演出命令を演出制御部40に送信する。
【0032】
演出制御部40は、データ送受信部42、指示部44、および演出実行部50を有する。演出実行部50は、表示装置制御部52および音響装置制御部54を含む。データ送受信部42は、制御部30からの演出命令および移動検出装置100からの移動検出結果を受信し、移動検出結果に応じて演出実行命令を指示部44および演出実行部50に出力する。
【0033】
指示部44は、予め定められた遊技条件を満たす場合、遊技者に遊技条件に対応する移動方向に手を動かすことを指示する。指示部44は、予め定められた第1遊技条件を満たす場合、遊技者に第1方向(Z軸方向)に、例えば、手を遊技機に対して上下方向または下上方向に動かすことを指示する第1指示部として機能する。指示部44は、予め定められた第2遊技条件を満たす場合、遊技者に第2方向(X軸方向)に、例えば、手を遊技機に対して左右方向または右左方向に動かすことを指示する第2指示部として機能する。指示部44は、予め定められた第3遊技条件を満たす場合に、遊技者に第3方向(Y軸方向)に、例えば、手を遊技機に対して手前から奥方向または奥から手前方向に支持する第3指示部として機能する。ここで、遊技条件とは、例えば大当たり抽選の結果に基づいて定められる条件である。指示部44は、演出実行命令に応じて、遊技者に例えば手を動かしたことに対応して実行される演出の場合には、遊技者に手を動かすことを指示する。指示部44は、遊技者に手を動かすことを促す催促画面を表示装置14に表示させてもよい。
【0034】
演出実行部50は、演出実行命令に応じた演出を実行する。演出実行部50は、遊技者が特定の移動方向に手を動かしたことに対応して実行される演出の場合には、移動検出装置100からの移動検出結果に基づいて演出を実行する。表示装置制御部52は、演出実行命令に応じた演出画面を表示装置14に表示させる。音響装置制御部54は、演出実行命令に応じた演出音声を音響装置22に出力させる。演出実行部50は、指示部44が遊技者に特定の移動方向に手を動かすことを指示したことに対応して、移動検出結果が特定の移動方向に沿った手の移動を検出したことを示す場合、特定の移動方向に対応する演出を実行してもよい。
【0035】
図6は、移動検出装置100の機能ブロックの一例を示す。移動検出装置100は、撮像部102、赤外線発光部104、画像解析部110、および送受信部106を備える。
【0036】
赤外線発光部104は、予め定められた検出対象領域に向けてパルス状の赤外線を照射する。撮像部102は、検出対象領域に存在する被写体から反射された赤外線の受光量に応じた画像を出力する。画像解析部110は、撮像部102から出力される画像を解析し、被写体の移動を検出するための画像パラメータを導出し、画像パラメータに基づいて被写体の移動を検出する。送受信部106は、演出制御部40からの移動検出命令を受信し、移動検出命令に対する応答として移動検出結果を演出制御部40に送信する。
【0037】
画像解析部110は、画像取得部112、2値化変換部114、ラベリング処理部116、被写体特定部118、輝度導出部120、輝度変化量導出部122、面積導出部124、面積変化量導出部125、第1位置情報導出部126、第1移動変化量導出部128、第2位置情報導出部130、第2移動変化量導出部132、移動検出部134、および検出結果保持部136を備える。
【0038】
画像取得部112は、撮像部102が連続的に撮像した複数の画像を取得し、2値化変換部114、および輝度導出部120に提供する。撮像部102から出力される画像は、例えば、画像を構成する各画素が256通りの階調を有するモノクロ画像を示す8ビットグレースケール画像でよい。2値化変換部114は、提供された複数の画像のそれぞれを2値化処理して、2値化画像を出力する。2値化変換部114は、8ビットグレースケール画像を構成する各画素のうち、輝度が予め定められた閾輝度以上の画素を白画素、閾輝度より小さい画素を黒画素とする2値化画像を出力する。
【0039】
ラベリング処理部116は、2値化画像を構成する各画素のうち連結している白画素に同じラベルを付することにより、被写体候補となる白画素をグループ分けする。ラベリング処理部116は、左右上下および斜め方向を含む8方向において隣接している白画素に同じラベルを付加してもよい。例えば、ラベリング処理部116は、
図7Aに示すような2値化画像に対して、ラベリング処理を施し、
図7Bに示すように、各白画素にラベル付けを行う。これにより、ラベリング処理部116は、被写体候補となる白画素をグループ分けする。
【0040】
被写体特定部118は、ラベリング処理された2値化画像に基づいて、被写体を特定する。被写体特定部118は、同一のラベルが付された画素数が最も多い白画素群を被写体として特定する。被写体特定部118は、例えば、
図7Bに示すようなラベリング処理された2値化画像について、「3」のラベルが付された白画素群を被写体として特定する。
【0041】
輝度導出部120は、複数の画素のそれぞれについて、被写体の平均輝度を導出する。輝度導出部120は、8ビットグレースケール画像を構成する各画素のうち、被写体特定部118により特定された被写体を構成する白画素群の位置に対応する各画素を抽出する。輝度導出部120は、抽出された各画素の輝度(階調値)の平均輝度を被写体の輝度として導出してもよい。
【0042】
輝度変化量導出部122は、前後の画像のそれぞれの被写体の輝度の差分を導出することで、輝度変化量を導出する。輝度変化量導出部122は、最新の画像に含まれる被写体の輝度E1と、最新の画像より一枚前の画像に含まれる被写体の輝度E2との差分を、輝度の変化量H1(E1−E2)として導出する。また、輝度変化量導出部122は、最新の画像より1枚前の画像に含まれる被写体の輝度E2と、最新の画像より2枚前の画像に含まれる被写体の輝度E3との差分を輝度の変化量H2(E2−E3)として導出する。
【0043】
面積導出部124は、複数の画像のそれぞれの被写体の面積を導出する。面積導出部124は、被写体特定部118により特定された被写体を構成する白画素群の数を導出することで、複数の画素のそれぞれの被写体の面積を導出してもよい。
【0044】
面積変化量導出部125は、前後の画像のそれぞれの被写体の面積の差分を導出することで、面積変化量を導出する。面積変化量導出部125は、最新の画像に含まれる被写体の面積S1と、最新の画像より1枚前の画像に含まれる被写体の面積S2との差分を、面積の変化量J1(S1−S2)として導出する。また、面積変化量導出部125は、最新の画像より1枚前の画像に含まれる被写体の面積S2と、最新の画像より2枚前の画像に含まれる被写体の面積S3との差分を、面積の変化量J2(S2−S3)として導出する。
【0045】
第1位置情報導出部126は、複数の画像のそれぞれの被写体の重心のX座標を第1位置情報として導出する。第1移動変化量導出部128は、前後の画像のそれぞれの被写体の重心のX座標の変化量を被写体のX軸方向に沿った移動の変化量として導出する。第1移動変化量導出部128は、最新の画像に含まれる被写体の重心のX座標x1と、最新の画像より1枚前の画像に含まれる被写体の重心のX座標x2との差分を、X軸方向に沿った移動の変化量X1(x1−x2)として導出する。また、第1移動変化量導出部128は、最新の画像より1枚前の画像に含まれる被写体の重心のX座標x2と、最新の画像より2枚前の画像に含まれる被写体の重心のX座標x2との差分を、X軸方向に沿った移動の変化量X2(x2−x3)として導出する。
【0046】
第2位置情報導出部130は、複数の画像のそれぞれの被写体の重心のY座標を第2位置情報として導出する。第2移動変化量導出部132は、前後の画像のそれぞれの被写体の重心のY座標の変化量を被写体のY軸方向に沿った移動の変化量として導出する。第2移動変化量導出部132は、最新の画像に含まれる被写体の重心のY座標y1と、最新の画像より1枚前の画像に含まれる被写体の重心のY座標y2との差分を、Y軸方向に沿った移動の変化量Y1(=y1−y2)として、導出する。また、第2移動変化量導出部132は、最新の画像より1枚前の画像に含まれる被写体の重心のY座標y2と、最新の画像より2枚前の画像に含まれる被写体の重心のY座標y2との差分を、Y軸方向に沿った移動の変化量Y2(=y2−y3)として導出する。
【0047】
移動検出部134は、被写体の輝度変化量、面積変化量、X軸方向およびY軸方向に沿った被写体の移動変化量に基づいて、被写体の移動を検出し、移動検出結果を検出結果保持部136に登録する。
【0048】
移動検出部134は、X軸方向に沿った被写体の移動変化量の大きさ(絶対値)が第1基準量以上の場合、X軸方向に沿った被写体の移動変化量に基づいて、X方向に沿った被写体の移動を検出してもよい。移動検出部134は、X軸方向に沿った被写体の移動変化量が予め定められた閾値A以上の場合、または閾値−A以下の場合に、X方向に沿った被写体の移動を検出してもよい。
【0049】
移動検出部134は、X軸方向に沿った被写体の移動変化量の大きさ(絶対値)が第1基準量より小さく、かつ第1基準量より小さい第2基準量以上の場合、被写体の面積変化量および輝度変化量に基づいて、Z軸方向に沿った被写体の移動を検出してもよい。移動検出部134は、X軸方向に沿った被写体の移動変化量が閾値Aより小さく予め定められた閾値B以上の場合に、被写体の面積変化量および輝度変化量に基づいて、Z軸方向に沿った被写体の移動を検出してもよい。移動検出部134は、X軸方向に沿った被写体の移動変化量が閾値−Aより大きく予め定められた閾値−B以下の場合に、被写体の面積変化量および輝度変化量に基づいて、Z軸方向に沿った被写体の移動を検出してもよい。
【0050】
移動検出部134は、Y軸方向に沿った被写体の移動変化量の大きさ(絶対値)が第3基準量以上の場合、Y軸方向に沿った被写体の移動変化量に基づいて、Y軸方向に沿った被写体の移動を検出してもよい。移動検出部134は、Y軸方向に沿った被写体の移動変化量が閾値A以上の場合、または閾値−A以下の場合に、Y方向に沿った被写体の移動を検出してもよい。
【0051】
移動検出部134は、Y軸方向に沿った被写体の移動変化量の大きさが、第3基準量より小さく、かつ第3基準量より小さい第4基準量以上の場合、被写体の面積変化量および輝度変化量に基づいて、Z軸方向に沿った被写体の移動を検出してもよい。移動検出部134は、X軸方向に沿った被写体の移動変化量の大きさが、第1基準量より小さく、かつ第2基準量以上で、Y軸方向に沿った被写体の移動変化量の大きさが、第3基準量より小さく、かつ第3基準量より小さい第4基準量以上の場合、被写体の面積変化量および輝度変化量に基づいて、Z軸方向に沿った被写体の移動を検出してもよい。
【0052】
移動検出部134は、Y軸方向に沿った被写体の移動変化量が閾値Aより小さく閾値B以上の場合に、被写体の面積変化量および輝度変化量に基づいて、Z軸方向に沿った被写体の移動を検出してもよい。移動検出部134は、Y軸方向に沿った被写体の移動変化量が閾値−Aより大きく閾値−B以下の場合に、被写体の面積変化量および輝度変化量に基づいて、Z軸方向に沿った被写体の移動を検出してもよい。
【0053】
移動検出部134は、X軸方向に沿った被写体の移動変化量が閾値Aより小さく閾値B以上で、Y軸方向に沿った被写体の移動変化量が閾値Aより小さく閾値B以上の場合に、被写体の面積変化量および輝度変化量に基づいて、Z軸方向に沿った被写体の移動を検出してもよい。移動検出部134は、X軸方向に沿った被写体の移動変化量が閾値−Aより大きく閾値−B以下で、Y軸方向に沿った被写体の移動変化量が閾値−Aより大きく閾値−B以下の場合に、被写体の面積変化量および輝度変化量に基づいて、Z軸方向に沿った被写体の移動を検出してもよい。
【0054】
送受信部106は、演出制御部40からの要求に応じて、検出結果保持部136に登録された移動検出結果を演出制御部40に出力する。演出制御部40は、実行可能な演出に対応する移動方向に沿って被写体、例えば遊技者の手が移動したかどうかを判定するために、当該移動方向に沿った被写体の移動検出結果を移動検出装置100に要求する。送受信部106は、その要求を受けて、検出結果保持部136に登録された移動検出結果を参照して、指定された移動方向(X軸方向、Y軸方向、またはZ軸方向)に沿った被写体の移動の有無を示した移動検出結果を演出制御部40に送信する。
【0055】
なお、遊技機10の演出制御部40または制御部30が移動検出装置100が備える一部の機能を備えてもよい。例えば、演出制御部40が、移動検出部134および検出結果保持部136を備えてもよい。さらに、演出制御部40が、輝度変化量導出部122、面積変化量導出部125、第1移動変化量導出部128および第2移動変化量導出部132を備えてもよい。
【0056】
図8は、画像解析部110の処理手順の一例を示すフローチャートである。画像解析部110は、定期的にこの処理手順を繰り返す。まず、画像取得部112は、撮像部102から出力される8ビットグレースケール画像を取得する(S100)。次いで、2値化変換部114は、8ビットグレースケール画像を2値化画像に変換する(S102)。次いで、ラベリング処理部116は、2値化画像に対してラベリング処理を実行する(S104)。輝度変化量導出部122、面積変化量導出部125、第1移動変化量導出部128、および第2移動変化量導出部132は、輝度変化量、面積変化量、X軸方向およびY軸方向の移動の変化量を導出する。移動検出部134は、輝度変化量、面積変化量、X軸方向およびY軸方向の移動の変化量に基づいて、被写体の移動を検出する(S106)。移動検出部134は、被写体の移動検出結果を検出結果保持部136に登録する(S108)。
【0057】
以上の処理手順により、画像解析部110は、画像を取得するごとに被写体の移動検出結果を更新する。
【0058】
図9A、
図9B、および
図9Cは、移動検出部134の被写体の移動を検出する移動検出処理の手順の一例を示すフローチャートである。移動検出部134は、画像取得部112が画像を取得するごとに移動検出処理を実行する。
【0059】
図9Aにおいて、移動検出部134は、被写体の面積を取得し(S200)、被写体の面積が閾値St以上か否かを判定する(S202)。被写体の面積が閾値St以下の場合、移動検出部134は、保持画像枚数を0にして(S204)、被写体の移動を検出しなかったと判断して(S268(
図9C))、移動検出処理を終了する。一方、被写体の面積が閾値St以上の場合、移動検出部134は、保持画像枚数をインクリメントする(S206)。移動検出部134は、重心座標を画像に関連づけて記憶する(S208)。
【0060】
次いで、移動検出部134は、保持画像が3枚以上か否かを判定する(S210)。保持画像が3枚より少ない場合には、移動検出処理を終了する。保持画像が3枚以上の場合、移動検出部134は、3枚の保持画像についてのX−Y軸方向の重心座標における被写体の移動の変化量X1(=x1−x2),X2(=x2−x3),Y1(=y1―y2),およびY2(y2−y3)を取得する(S212)。ここで、x1およびy1は、最新の画像I1の被写体の重心座標を示す。x2およびy2は、最新の画像より1枚前の画像I2の被写体の重心座標を示す。x3およびy3は、最新の画像より2枚前の画像I3の被写体の重心座標を示す。
【0061】
移動検出部134は、変化量X1が閾値A以上か否かを判定する(S214)。つまり、移動検出部134は、画像I2から画像I1の間に被写体がX軸+方向に移動したか否かを判定する。変化量X1が閾値A以上の場合には、さらに移動検出部134は、変化量X2が閾値A以上か否かを判定する(S216)。変化量X2が閾値A以上の場合には、画像I3から画像I1の間に被写体がX軸+方向に移動している可能性が高いので、移動検出部134は、被写体がX軸+方向に移動したことを検出し(S218)、移動検出処理を終了する。一方、変化量X2が閾値Aより小さい場合には、画像I3から画像I1にかけて被写体がX軸+方向に移動している可能性が低いので、移動検出部134は、被写体のX軸+方向への移動はないと判断して、次の処理(
図9Bに示す処理)に移行する。
【0062】
変化量X1が閾値Aより小さい場合には、移動検出部134は、変化量X1が閾値−A以下か否かを判定する(S220)。つまり、移動検出部134は、画像I2から画像I1の間に被写体がX軸−方向に移動したか否かを判定する。変化量X1が閾値−A以下の場合には、移動検出部134は、変化量X2が閾値−A以下か否かを判定する(S222)。変化量X2が閾値−A以下の場合には、画像I3から画像I1の間に被写体がX軸−方向に移動している可能性が高いので、移動検出部134は、被写体がX軸−方向に移動したことを検出し(S224)、移動検出処理を終了する。
【0063】
変化量X1またはX2が閾値−Aより大きい場合には、移動検出部134は、被写体のX軸−方向への移動はないと判断して、次の処理(
図9Bに示す処理)に移行する。
【0064】
図9Bにおいて、移動検出部134は、変化量Y1が閾値A以上か否かを判定する(S226)。つまり、移動検出部134は、画像I2から画像I1の間に被写体がY軸+方向に移動したか否かを判定する。変化量Y1が閾値A以上の場合には、さらに移動検出部134は、変化量Y2が閾値A以上か否かを判定する(S228)。変化量Y2が閾値A以上の場合には、画像I3から画像I1の間に被写体がY軸+方向に移動している可能性が高いので、移動検出部134は、被写体がY軸+方向に移動したことを検出し(S230)、移動検出処理を終了する。一方、変化量Y2が閾値Aより小さい場合には、画像I3から画像I1にかけて被写体がY軸+方向に移動している可能性が低いので、移動検出部134は、被写体のY軸+方向への移動はないと判断して、次の処理(S238)に移行する。
【0065】
変化量Y1が閾値Aより小さい場合には、移動検出部134は、変化量Y1が閾値−A以下か否かを判定する(S232)。つまり、移動検出部134は、画像I2から画像I1の間に被写体がY軸−方向に移動したか否かを判定する。変化量Y1が閾値−A以下の場合には、移動検出部134は、変化量Y2が閾値−A以下か否かを判定する(S234)。変化量Y2が閾値−A以下の場合には、画像I3から画像I1の間に被写体がY軸−方向に移動している可能性が高いので、移動検出部134は、被写体がY軸−方向に移動したことを検出し(S236)、移動検出処理を終了する。
【0066】
変化量Y1またはY2が閾値−Aより大きい場合には、移動検出部134は、被写体のY軸−方向への移動はないと判断して、次の処理(S238)に移行する。
【0067】
移動検出部134は、被写体のX軸方向およびY軸方向に沿った移動はないと判断した場合、被写体のZ軸方向への移動の可能性を判断すべく、変化量X1が閾値Aより小さい閾値B以上か否かを判定する(S238)。変化量X1が閾値B以上である場合、移動検出部134は、さらに変化量X2が閾値B以上か否かを判定する(S240)。変化量X2が閾値B以上の場合には、被写体のZ軸方向への移動の可能性があるので、被写体のZ軸方向への移動の有無を判定する次の処理(
図9Cに示す処理)に移行する。変化量X1またはX2が閾値Bの条件を満たさない場合には、移動検出部134は、被写体の移動を検出しなかったと判断して(S268(
図9C))、移動検出処理を終了する。
【0068】
図9Cにおいて、移動検出部134は、被写体の輝度の変化量H1(=E1−E2)およびH2(=E2−E3)、並びに被写体の面積の変化量J1(=S1−S2)および変化量J2(=S2−S3)を取得する(S250)。ここで、E1およびS1は、画像I1の被写体の輝度および面積を示す。E2およびS2は、画像I2の被写体の輝度および面積を示す。E3およびS3は、画像I3の被写体の輝度および面積を示す。
【0069】
移動検出部134は、輝度の変化量H1が閾値C以上か否かを判定する(S252)。つまり、移動検出部134は、画像I2から画像I1の間に被写体が明るくなったか否かを判定する。輝度の変化量H1が閾値C以上の場合、移動検出部134は、さらに輝度の変化量H2が閾値C以上か否かを判定する(S254)。輝度の変化量H2が閾値C以上の場合には、移動検出部134は、面積の変化量J1およびJ2が0より小さいか否かを判定する(S256)。つまり、移動検出部134は、画像I3から画像I1の間に被写体の面積が徐々に小さくなっているか否かを判定する。
【0070】
面積の変化量J1およびJ2が0より小さい場合、移動検出部134は、被写体がZ軸+方向に移動したことを検出し(S258)、移動検出処理を終了する。変化量H2が閾値Cより小さい場合、または面積の変化量J1およびJ2の少なくとも一方が0以上の場合、移動検出部134は、被写体の移動を検出しなかったと判断して(S268)、移動検出処理を終了する。
【0071】
輝度の変化量H1が閾値C以上でない場合、移動検出部134は、輝度の変化量H1が閾値−C以上か否かを判定する(S260)。つまり、移動検出部134は、画像I2から画像I1の間に被写体が暗くなったか否かを判定する。輝度の変化量H1が閾値−C以下の場合、移動検出部134は、さらに輝度の変化量H2が閾値−C以下か否かを判定する(S262)。輝度の変化量H2が閾値−C以下の場合、移動検出部134は、面積の変化量J1およびJ2が0より大きいか否かを判定する(S264)。つまり、移動検出部134は、画像I3から画像I1の間に被写体の面積が徐々に大きくなっているか否かを判定する。
【0072】
面積の変化量J1およびJ2が0より大きい場合、移動検出部134は、被写体がZ軸−方向に移動したことを検出し(S266)、移動検出処理を終了する。変化量H1または変化量H2が閾値−Cより大きい場合、または面積の変化量J1およびJ2の少なくとも一方が0以下の場合、移動検出部134は、被写体の移動を検出しなかったと判断して(S268)、移動検出処理を終了する。
【0073】
以上のように、移動検出部134は、被写体のX−Y軸に沿った移動の変化量の大きさに応じてZ軸方向の移動の可能性があるか否かを判断する。そして、移動検出部134は、被写体のZ軸方向への移動の可能性があると判断した場合に、被写体の面積および輝度の変化量に基づいて、被写体のZ軸方向への移動を検出する。これにより、移動検出部134は、例えば、手首を基点としてZ軸方向に沿って移動する遊技者の手の動きをより精度よく検出することができる。
【0074】
図10は、遊技球が入賞した場合の遊技機10の処理手順の一例を示すフローチャートを示す。
【0075】
入力信号制御部32は、入賞センサ18から入賞信号を受信した場合(S300)、大当たり抽選部36は、大当たり抽選を実行する(S302)。遊技機制御部34は、大当たり抽選の結果を受けて、遊技機演出の内容を決定すべく、遊技機演出抽選を実行する(S304)。遊技機制御部34は、遊技機演出抽選の結果、決定された演出内容を示す演出命令をデータ送信部38を介して演出制御部40に送信する。
【0076】
演出制御部40は、演出命令に示される演出を実行するために、被写体の移動を検出する必要があるか否かを判定する(S306)。移動体の移動の検出、例えば遊技者の手の特定の移動方向への移動を検出する必要がある場合、指示部44は、遊技者に手を特定の方向に動かすように促す催促画面を表示装置14に表示させる。指示部44は、例えば、
図11Aの画面310、
図11Bの画面320、または
図11Cの画面330に示すような画面を表示装置14に表示させ、遊技者に特定の移動方向に手を動かすことを催促する。
【0077】
さらに、演出制御部40は、移動検出装置100に特定の移動方向への被写体の移動検出結果を要求すべく、移動検出装置100に検出対象の移動方向を指示し(S308)、演出タイマを起動する(S310)。
【0078】
次いで、演出制御部40は、移動検出装置100から検出対象の移動方向に対する被写体の移動検出結果を取得する(S312)。演出実行部50は、移動検出結果に基づいて、検出対象の移動方向への被写体の移動を検出したか否かを判定する(S314)。検出対象の移動方向への被写体の移動が検出された場合、演出実行部50は、移動演出として、検出対象の移動方向に応じた移動検出用の演出を実行する(S316)。表示装置制御部52は、例えば、検出対象の移動方向にキャラクタが移動する画像を表示し、音響装置制御部54は、画像に応じた音響を音響装置22に出力させる。表示装置制御部52は、例えば、第1演出の一例である
図11Aの画面312、第2演出の一例である
図11Bの画面322、または第3演出の一例である
図11Cの画面332に示すような移動方向に応じた画面を表示装置14に表示させる。
【0079】
検出対象の移動方向に応じた移動演出の実行後、演出実行部50は、結果演出として、大当たり抽選の結果を通知するための抽選結果用の演出を実行する(S318)。表示装置制御部52は、大当たり抽選の結果を示す抽選結果画面を表示装置14に表示させる。表示装置制御部52は、例えば、
図11Aの画面314、
図11Bの画面324、または
図11Cの画面334に示すような抽選結果画面を表示装置14に表示させる。
【0080】
検出対象の移動方向への被写体の移動が検出されなかった場合、演出制御部40は、演出タイマがタイムアウトしたか否かを判定する(S320)。演出タイマがタイムアウトしていなければ、演出制御部40は、移動検出装置100から再び被写体の移動検出結果を取得する。演出タイマがタイムアウトしている場合には、演出実行部50は、移動演出として移動検出用の演出を実行せずに、結果演出として大当たり抽選の結果を通知するための抽選結果用の演出を実行する(S318)。
【0081】
移動体の移動の検出が必要ない場合、演出制御部40は、結果演出前に移動演出を実行する必要があるか否かを判定する(S322)。移動演出の実行が必要な場合には、演出実行部50は、被写体の移動を検出した場合と同様に、抽選結果を通知する前に、移動演出として、キャラクタが移動する画面の表示などの演出を実行する(S312)。移動演出の実行が必要ない場合、演出実行部50は、結果演出として抽選結果用の演出を実行する(S318)。
【0082】
以上の取り、本実施形態に係る遊技機10によれば、移動検出装置100による被写体のX,Y,Z軸方向への移動の検出結果に応じて、演出を実行することができる。
【0083】
なお、本実施形態に係る移動検出装置100が備える各部は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶され、被写体の移動検出に関する各種処理を行うプログラムをインストールし、このプログラムをコンピュータに実行させることで、構成してもよい。つまり、コンピュータに被写体の移動検出に関する各種処理を行うプログラムを実行させることにより、移動検出装置100が備える各部としてコンピュータを機能させることで、移動検出装置100を構成してもよい。
【0084】
コンピュータはCPU、ROM、RAM、EEPROM(登録商標)等の各種メモリ、通信バス及びインタフェースを有し、予めファームウェアとしてROMに格納された処理プログラムをCPUが読み出して順次実行することで、移動検出装置100として機能する。
【0085】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0086】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。