(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記乾燥工程が、真空冷却又は乾燥した空気を吹き付けることにより乾燥と冷却が同時に行われることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の包装米飯の製造方法。
前記乾燥工程の後に、調味液を添加する調味液添加工程及び具材を供給する具材供給工程を含むことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の包装米飯の製造方法。
【背景技術】
【0002】
近年、一人前ずつ包装された加工米飯を電子レンジで数分間加熱するか、熱湯中で十数分間加熱するだけでご飯が出来上がる加工米飯が登場している。これは包装米飯(無菌パック米飯)と称される商品で、独身者や共働きの家庭に普及してきている。
【0003】
従来、この種の包装米飯は以下のようにして製造されている。すなわち、耐熱性の合成樹脂性容器に一人前の米と水とを充填し、前記米をマイクロ波や蒸気による熱によって炊飯した後、容器内のガス置換を行って密封し、商品とする。
【0004】
このようにして製造された包装米飯は、容器が密封された状態で流通されるので微生物汚染が防止され、ガス置換を行っているため脱酸素剤が不要となるといったメリットがある。
【0005】
包装米飯の製造方法としては、例えば、米及び炊飯水を容器に充填し、その容器を密封せずに蒸気によって、前記米が半α化するまで炊飯し、前記容器を密封後、レトルト処理工程にて仕上げ炊飯する方法が知られている(特許文献1参照)。該製造方法では、容器を密封せずに一次炊飯を行うので糠臭や容器臭等が容器内にこもるのを防いで風味を向上させることが可能と思われる。
【0006】
しかしながら、前記特許文献1に記載されている包装米飯の製造方法は、仕上げ炊飯をレトルト処理工程で行うことから、該レトルト処理工程時に粒感が失われ食感が低下するという問題がある。
【0007】
また、レトルト処理工程時に米飯の食感が低下するのを防ぐために、炊飯後の米粒を通気乾燥させてから容器に充填密封してレトルト処理を行う包装米飯の製造方法も知られている(特許文献2参照)。しかしながら、前記特許文献2に記載されている製造方法では、炊飯し通風乾燥した米飯を容器に充填する必要があり、製造方法が煩雑であって製造装置が複雑かつ大掛かりなものになるという問題がある。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら詳細に説明する。
図6は、本発明の包装米飯の製造工程の一例で、未浸漬の米を原料に混ぜご飯を製造する場合の製造工程を示したフローチャートであって、本発明における包装米飯の製造方法を工程順に説明したものである。
【0015】
図1は本発明の前処理工程となる容器(トレー)供給工程(ステップS1)〜一次加水工程(ステップS3)までの説明図である。
図1において、符号2は容器自動供給部である。容器自動供給部2は、容器2cを多数積み重ねるとともに、複数列(例えば、4列)で待機させておく容器貯留部2aと、該容器貯留部2a下部から各列の容器を1枚ずつ自動で取り出す容器供給部2bとからなり、容器2cは横4列ずつ連続してコンベア装置3に供給される。容器2cには耐熱性の合成樹脂製容器を用いるとよい。
【0016】
前記コンベア装置3は、容器受けパレット3fが搬送方向に間隙をおいて多数取り付けられている。該容器受けパレット3fは、1枚のパレット3fに横4列、縦1列で4個の容器2cが収容可能であり、複数個の容器2cを整列させながら順次搬送させる構成になっている。
【0017】
前記容器受けパレット3fには、容器2cの下部を嵌め込むための孔が形成されており、容器2cは、前記孔に嵌め込まれた状態で容器受けパレット3fに収容される構造となっている。なお、パレットに収容される容器の個数は、4個に限定されるわけではなく、包装米飯の製造規模や条件によって、適宜増減させればよい。
【0018】
前記容器自動供給部2の次の工程には、紫外線殺菌部4が設けられ、容器2c内を紫外線によって殺菌する。また、この紫外線殺菌工程の前又は後に異物吸引装置等を用いて容器2c内の塵埃や異物を吸引除去することが望ましい。なお、この紫外線殺菌工程は省略することが可能である。
【0019】
前記紫外線殺菌部4の次の工程には、米計量供給部5が設けられ、容器2cに所定量、例えば一人前の米が供給される(米供給工程(ステップS2))。米計量供給部5には、高速で計量・排出が可能な公知の組み合わせ計量機を採用すればよい。
【0020】
前記原料の米は、容器2cの底部に層厚が一様になるように投入するとよい。これにより、炊飯時の加熱ムラを防ぐことができる。前記米としては、浸漬済又は未浸漬の何れでも良いが、取り扱いが容易であること及び製造時間を短縮できることから、未浸漬の米を用いることが好ましい。
【0021】
前記米計量供給部5に供給する原料としては、市販されている無洗米が好ましいが、精白米、胚芽残存率の高い胚芽米、分搗き米及び玄米でもよい。精白米、胚芽米、分搗き米等は、米計量供給部5に供給する前に洗米しておくことが望ましい。
【0022】
前記米計量供給部5の次の工程には、加水部6が設けられ、図示されていないノズルから各容器2cに一次加水が行われる(一次加水工程(ステップS3))。なお、本発明における一次加水とは、後述する表面α化(炊飯)工程(以下、単に「表面α化工程」と記載することもある。)で米を炊飯して表面をα化するために用いられる炊飯水を供給することを意味する。ところで加水部6の次の表面α化工程では、バッチ式で表面α化を行うため、1バッチ(1ロット)で同時に表面α化する容器2cには、炊飯水を同時(同じタイミング)に投入することが好ましい。本実施例では、浸漬工程を設けずに未浸漬の米を炊飯するため、同時に炊飯する米は、炊飯水を投入する時間も同一にすることが望ましい。本実施形態では、
図1に示すように、加水部6にて、16個の容器2cに同時に炊飯水を投入している。
【0023】
供給する前記炊飯水の量は、通常の製造方法に比べ削減することが可能である。なぜなら、加熱時に熱源に常圧スチーム(以下、単に「スチーム」と記載することもある。)を使用し、かつ、容器2cの開口部を全て開口させたままで炊飯を行うので、前記スチームが含有する水分を炊飯水の一部として利用できるからである。供給する炊飯水の量を必要最低限まで削減することで、加熱エネルギーを最小限にして加熱効率(生産効率)を向上させることができる。
【0024】
前記炊飯水は、後述の表面α化工程(ステップS4)での熱効率を考慮して、炊飯水に温水を使用することが望ましく、50℃以上、より望ましくは60℃〜80℃程度の炊飯水を使用すればよい。常温の炊飯水を使用することも可能であるが、表面α化工程(ステップS4)での加熱時間が長くなってしまう。このため、本発明では別途加温装置(図示しない)を設け、炊飯水を所定の温度まで加熱してから容器2cに該炊飯水を投入している。
【0025】
前記容器供給工程(ステップS1)〜一次加水工程(ステップS3)の作用としては、
図1に示すように、容器自動供給部2から容器2cが取り出されて容器受けパレット3fに供給され、容器2cは横4列、縦1列で整列されて順次搬送される。そして、紫外線殺菌部4により殺菌された後、容器2cは米計量供給部5に至る。
【0026】
前記米計量供給部5では、容器2c内にあらかじめ減菌された所定量の米が順次計量・供給される(ステップS2)。包装米飯(パック米飯)は個食用(一人用)の製造が主であり、供給する米の量は、65グラム〜100グラム程度である。本実施例では約80gの米を供給している。
【0027】
次いで、容器2c内には、加水部6で、あらかじめ殺菌された約70℃の一次加水用の炊飯水(温水)が各容器2cの中に順次計量・供給される(ステップS3)。本実施例では約27g(cc)の炊飯水を供給している。炊飯水の供給後、容器2cは、一次加水工程の次の工程の炊飯部25に送られる。
【0028】
前記加水部6での一次加水工程(ステップS3)における炊飯水の供給量は、製造する包装米飯が目的とする米飯の硬さ等により適宜決定すればよい。本発明では、米の量の25重量%〜40重量%、より好ましくは30重量%〜35重量%の範囲の炊飯水を表面α化工程で用いている。
【0029】
表面α化工程(ステップS4)では、米粒の表面のみα化が行われる。米粒の完全なα化は後述するレトルト処理工程で行い、表面α化工程では、米粒を表面からα化し、米粒の約50%〜80%をα化することが好ましい。米粒表面のα化は、例えば、
図2に示すように、容器2cを炊飯部25に送り、容器2c内の米粒にスチームを接触させる方法が挙げられる。スチーム時間は、98℃以上の蒸気で5〜15分程度行われ、容器2c内の米量、白飯又は炊き込み御飯等に応じて、上記に記載した米粒のα化ができるように適宜調整すればよい。この際、容器5は密封されておらず、炊飯材料は常圧炊飯(蒸煮)されるので、容器5内に容器臭や糖臭がこもることはない。また、表面α化工程では、前記のとおり米粒表面をα化することができればスチームに限定されず、例えば、マイクロ波加熱方法等を用いてもよい。
【0030】
炊飯部25を構成する加熱装置9について説明する。加熱装置9内には多数の容器2cを同時に投入可能であって、スチームにより容器2c内の米及び炊飯水を加熱するものである。前記加熱装置9内部には、容器2cを多段積み上げ可能にし、同時に多数の容器2cを加熱できるようにすることが望ましい。前記加熱装置9には、例えば特開2006−314251号公報に記載されているようなスチーム加熱装置を使用することができる。本発明ではスチームを直接、食品である米に接触させるので、蒸気クリーン装置を設けている。容器2cは自動又は手動のどちらかの手段で加熱装置9に投入すればよいが、その際には、一次加水工程(ステップS3)にて同じタイミングで炊飯水が投入された容器2cのみを収容することが望ましい。表面α化工程では熱源としてスチームを使用するので、加熱装置9内に結露水が発生することがある。このため、図示していないが、加熱装置9に結露水を排出するための手段、例えばドレントラップ等を配設することが望ましい。
【0031】
本発明においては、表面α化工程(ステップS4)に続き、乾燥(表面ガラス状態)工程(ステップ5)を設け、表面がα化した米粒を乾燥することで米粒表面をガラス状態にすることを特徴としている。なお、本発明において「ガラス状態」とは、米粒表面部分のデンプンの結晶部分を融解(α化)させ、再結晶化させずに水分を急速に除去してアモルファス(非晶質)の状態にすることを意味する。本工程で米粒表面をガラス状態にすることで米粒の外層を緻密な構造にすることができ、後述するレトルト処理工程を経た後も、粒感がある良食味のご飯を提供することができる。米粒の表面をガラス状態にするためには、表面α化工程終了時の米粒の全重量の5重量%〜15重量%、より好ましくは、6重量%〜10重量%の水分を乾燥・除去することが好ましい。乾燥・除去する水分量が5重量%より少ないと米粒表面がガラス状態にならないおそれがあり、前記表面がガラス状態になったとしても、ガラス状態になった層の厚みを十分に確保することができず、粒感の少ない製品(ベチャご飯)となってしまう。また、15重量%より多いと米粒表面のガラス状態となった層の厚みが厚くなりすぎるため、加工後の製品が硬いご飯となり好ましくない。また、前記の水分を乾燥・除去する時間は、10分以下が好ましく、5分以下がより好ましい。水分を乾燥・除去する時間は、10分以下であれば、時間が短くても特に問題とはならないが、10分を超えると、米粒表面にはガラス状態の層が形成されにくく、粒感の少ない製品(ベチャご飯)となり好ましくない。また、本工程では加熱をしないことから、表面α化工程で加熱された米粒は自然に温度が下がるが、水分を乾燥・除去することに加え、積極的に米粒の冷却を行ってもよい。米粒を冷却する場合は、約5℃〜30℃まで冷却することが好ましく、5℃〜25℃まで冷却することがより好ましい。表面がα化した米粒を乾燥することに加え冷却することで、米粒表面をより緻密なガラス状態にすることができる。米粒の冷却は、米粒の乾燥と同時に行うことが好ましい。乾燥と冷却を同時に行うには、例えば、除湿して十分乾燥させた空気を米粒に吹き付ける、又は、真空冷却装置の使用等が挙げられるが、乾燥と冷却が同時に行えればそれらに限定されず、他の方法であってもよい。乾燥した空気を用いる場合、温度は5℃〜30℃、より好ましくは5℃〜25℃で、湿度は60%以下が好ましい。また、本工程では、米粒を表面から0.1mm〜0.6mm、より好ましくは0.3mm〜0.5mmの深さまでガラス状態にすることが好ましい。0.1mmより少ないとガラス状態を経由してα化される層の厚みが薄くなり、粒感の少ない製品(ベチャご飯)となり、0.6mmより大きいと、ガラス状態を経由してα化される層の厚みが厚くなりすぎ、粒感の硬い製品(ご飯)となり好ましくない。
【0032】
図7は、真空冷却装置を用いて米粒の乾燥及び冷却を同時に行う例を示している。
図7の冷却槽31は横置されたドラム状で、その一端部に設けられた開閉自在のドア32によって密閉可能に形成されており、ドア32には覗窓33が設けられている。冷却槽31内には加熱装置9から搬送された容器2cを配列させるネットコンベア34が数基配設されている。また、冷却槽31の下部には、前記冷却槽31内を真空にさせる真空装置35が排気流路36を介して接続されている。この排気流路36の途中には仕切弁37が配設されている。また、冷却槽31の上部には、冷却槽31内に殺菌済空気を供給する殺菌済空気供給装置38が殺菌済空気供給流路39を介して接続されている。この殺菌済空気供給装置38には、冷却槽31の外気である空気を供給する空気供給装置40と、空気を殺菌するための蒸気を供給する蒸気供給装置41とが設けられている。一方の空気供給装置40は途中に仕切弁42を有する空気供給流路43を介して殺菌室44に接続されており、他方の蒸気供給装置41は途中に仕切弁45を有する蒸気供給流路46を介して前記殺菌室44に接続されている。この殺菌室44内において、空気中に含まれる雑菌が同時に供給される蒸気により加熱殺菌される。殺菌室44には前記殺菌済空気供給流路39の上流端が接続されており、その殺菌済空気供給流路39の途中には仕切弁47が設けられている。
【0033】
表面α化工程(ステップS4)で表面がα化された米粒を含む容器2cは、冷却槽31内のネットコンベア34上に載置され、ドア32を閉塞して冷却槽31を密封する。その後、真空装置35を稼働させるとともに仕切弁37を開放させて、冷却槽31内を真空引きする。これにより冷却槽31内が減圧され表面がα化された米粒の温度が急速に低下するとともに、米粒に含まれている水分を乾燥することができる。その後、表面がα化された米粒が冷却温度まで低下した時に仕切弁37を閉じる。
【0034】
次に、容器2cを冷却槽31から取出すために、殺菌済空気供給装置38の空気供給装置40および蒸気供給装置41を稼働させ、続いて2個の仕切弁45、47を開放する。これにより殺菌室44内および冷却槽31内に先ず蒸気が供給される。次に、仕切弁42を開放して空気を供給すると、殺菌室44内において空気が蒸気と合流し、これにより空気中に含まれる雑菌が蒸気により加熱殺菌される。このようにして蒸気により殺菌された殺菌済空気が冷却槽31内に供給される。冷却槽31内に供給された殺菌済空気は、冷却槽31内を外部と同気圧にするとともに、容器2c内にも供給される。この場合、本実施例においては、殺菌済空気を供給するものであるから、容器2cの表面部分および内部に雑菌が付着することを確実に防止することができる。これにより、雑菌の繁殖することのない極めて衛生的に優れた米粒の表面をガラス状態にすることができる。その後、ドア32を開放して容器2cを冷却槽31より取り出す。
【0035】
次いで、容器2cは、二次加水が行われる(二次加水工程(ステップS6))ため、
図3に示す二次加水添加部に送られる。なお、最終製品が白米ではなく混ぜご飯の場合は、二次加水添加部に代え調味液を添加する調味液添加部10とし、二次加水工程(ステップS6)を調味液添加工程(ステップS6)としてもよい。
図3は、最終製品が混ぜご飯の場合を示したもので、乾燥工程の後工程となる具材供給工程等を説明するための図である。乾燥工程が終了した容器2cは、手動的又は自動的に真空冷却装置から調味液添加部10が設けられたコンベア14に搬送される。コンベア14上には、調味液添加部10、具材供給部11、撹拌部12及び成形部13が配設されている。
【0036】
前記調味液添加部10では、後述の工程で投入する具材に合わせて調味液が添加される(調味液添加工程(ステップS6))。その際に油(食用)を添加してもよい。本発明では調味液と同時に補充水を投入する。この補充水の一部は、後述の加圧殺菌工程(ステップS12)で仕上げ炊飯の炊飯水として使用される。前記補充水は、米供給工程(ステップS2)で投入した米の量に対して80重量%〜95重量%の量であって、製造する包装米飯の種類によって適宜設定すればよい。
【0037】
前記調味液添加部10の次工程には具材供給部11が設けられており、容器2cに具材が投入される(具材供給工程(ステップS7))。投入される具材としては、ニンジン、椎茸、ゴボウ、コーン、肉等の乾燥具材がある。例えば、ニンジン、椎茸及びゴボウを投入した場合は「炊き込みご飯」となり、ニンジン、コーン及び肉を投入した場合は「カレーピラフ」、ニンジン及び椎茸を投入した場合は「ちらし寿司」の包装米飯となる。前記調味液は具材に吸収され、前記補充水の一部も具材に吸収される。
【0038】
本発明では、表面α化工程で米粒の一部を炊飯した後で具材を投入するので、表面α化工程で炊飯水を吸収するのは米だけであり、該米が炊飯水を十分に吸収することができる。表面α化工程後の米飯はある程度の吸水を行っているので、表面α化工程(ステップS4)後に調味液添加工程を設けることで前記米飯が必要以上に前記調味液を吸収することを防ぐことができる。
【0039】
具材が投入された前記容器2cは、撹拌部12において、米飯と具材とが撹拌され、米飯中に具材がムラなく配分される(撹拌工程(ステップS8))。前述の調味液添加工程にて調味液だけでなく補充水が投入されているので、具材と米飯との撹拌を容易に行うことが可能である。撹拌工程における撹拌は機械を使用してもよいし、手作業によって撹拌してもよい。
【0040】
上記撹拌後は、次の成形部13にて、各容器2c内の内容物の層厚が均等になるように該内容物の上面(上層部)をならし、該上面を平らに成形する(成形工程(ステップS9))。上面を平らに成形することで、後工程の加圧殺菌工程において加熱ムラを防げるとともに、商品としての外観を向上させることができる。成形工程(ステップS9)が終了した容器2cは、図示しない搬送手段により成形工程の次の工程(ガス置換工程)に送られる。
【0041】
成形後に炊飯調整用(米飯の硬さ調整用)の炊飯水を補充するようにしてもよい。本実施例では、調味液供給工程後に具材供給工程を設けているが、調味液供給工程と具材供給工程との順番を入れ換えてもよい。
【0042】
前記補充水は、本実施例では調味液添加工程(ステップS6)で添加されるが、補充水を供給する補充水供給工程を別途設けてもよい。この場合、調味液添加工程、具材供給工程及び補充水供給工程の三つの工程の順番は自由に設定すればよい。
【0043】
成形工程が終了した前記容器2cは、ガス置換を行って密封する。
図4はガス置換工程(ステップS10)及び密封工程(ステップS11)を説明するための図である。成形部13から搬送された容器2cは、製品供給装置15に送られ、製品整列装置16によって、横4列、縦1列でパレットに整列して収容される。そして、コンベア装置18上の密封包装部7に送られる。
【0044】
前記密封包装部7は、チャンバー24内において、容器2cに対してガス置換の処理を行って上方開口部を密閉シール処理するものである。密封包装部7は、放射温度計19とチャンバー24とから構成され、チャンバー24内には、線シール部20、ローレットシール部21及び容器フランジ冷却部22が順次配設されている。
【0045】
前記放射温度計19は、容器2c内の温度を検知するように構成してある。前記チャンバー24は、当該チャンバー24内を窒素ガスや炭酸ガス等で充満させることで、容器2c内のガス置換をするとともに、容器2cの上方開口部を密閉シール包装できるように構成してある。
【0046】
前記ローレットシール部21は、前記線シール部20で密閉シール包装された容器2cのシール面の捲れ防止のために、当該容器2cのシール面の周縁部をローレットシールするためのものである。さらに、前記容器フランジ冷却部22は、ローレットシールした前記容器2cのシール面の周縁部を冷却するためのものである。
【0047】
上記製造フローにおいては、各容器2cは内部に米が入った状態で上方が開放状態となる区間があり、そのままの状態では雑菌などの異物が混入するおそれがあるので、雑菌等の異物混入を防止するために、密封包装部7にて密封包装が行われるまでの各工程をクリーンブース又はクリーンルーム内にて行うことが望ましい。
【0048】
前記ガス置換工程(ステップS10)及び密封工程(ステップS11)の作用について説明する。成形工程が終了した容器2cは、製品供給装置15及び製品整列装置16を経て放射温度計19を通過し、該放射温度計19にて米飯の温度が検知されて製品の温度管理が行われ、この後、密封包装部7に搬入される。
【0049】
前記密封包装部7では、容器2cのガス置換及び密封包装を行う。前記容器2cが密封包装部7のチャンバー24内に搬入されると、まず、チャンバー24の真空発生装置(図示せず)を作動してチャンバー24内を真空状態下まで減圧し、容器2c内の米飯を75℃まで急冷させる。これにより、雑菌の繁殖を抑えるとともに、ガス置換の効率を高めることができる。前記減圧時には、当然、容器2c内の空気も吸い出される。次いで、真空状態下のチャンバー24内に窒素ガスや炭酸ガス等の不活性ガスを充満させてガス置換が行われる。
【0050】
ガス置換後の容器2cは、チャンバー24内の線シール部20でフランジの全周がシールされる。ローレットシール部21では捲れ防止のローレットシールが容器2cに施され、次いで、容器フランジ冷却部22にて冷却して容器2cの完全な密封包装が完了する。密封を炊飯後に行うのは、炊飯工程において、容器2c内の内容物を常圧スチームに直接接触させるとともに、加熱装置9内の内圧を昇圧及び降圧する際に、容器2c内もスムーズに昇圧及び降圧させるためである。
【0051】
上記密封包装完了後、容器2cは密封工程の次の工程に搬送される。
図5は密封後の容器2cを殺菌するための加圧殺菌(レトルト)工程(ステップS12)の説明図である。前記密封包装部7の次の工程には、加熱加圧殺菌部23が配設されている。該加熱加圧殺菌部23は、前工程で上方開口部が密封された容器2cを加圧殺菌処理(レトルト処理)するものである。
【0052】
前記加熱加圧殺菌部23は公知の装置(レトルト殺菌装置)を用いればよい。例えば、(株)日阪製作所製の高温高圧調理殺菌装置(商品名:フレーバーエース)を用いることができる。加熱加圧殺菌部23は、
図5に示すように、開閉扉23aを有し室内を密閉状態にできる処理槽23bを備える。該処理槽23bには、加圧空気を密閉室内に供給する加圧空気供給管23c、密閉室内の加圧空気を排気する排気管23d、温水タンク23gから密閉室内に熱水を供給する熱水供給管23e及び密閉室内で使用後の熱水を排出する配水管23fが接続されている。
【0053】
前記処理槽23bで殺菌処理をする場合には、複数の前記容器2cを並べた整列皿を多段にしてこれを処理槽23bに入れた後、後述する加熱加圧条件で制御運転する。上記装置は熱水中に容器2cを浸漬する熱水加熱式のものであるが、加熱スチームを室内に充満せて加熱させるスチーム加熱式のものを使用してもよい。
【0054】
密封包装済みの容器2cは、例えば、作業員やロボット等によって整列皿上に複数個並べられる一方、この整列皿は、多段状(例えば8段)に重ねる。多段状に重ねた後に、この8段状の整列皿(複数の容器2c)を1ロットとして、前記加熱加圧殺菌部23(レトルト殺菌装置)の処理槽23b内に、開閉扉23aを開けて例えば3ロット(合計24段)分の複数の容器2cを供給セットし、開閉扉23aを閉めて処理槽23b内を密閉状態にする。次いで、前記処理槽23b内に加圧空気を供給するとともに熱水を供給し、処理槽23b内の温度を例えば115℃まで上昇させて35分間この状態を保持して加熱加圧殺菌処理を施す。これにより、完全に密封包装された容器2c内の米飯は、完全に殺菌処理されるとともに、前記補充水が吸収され前記米飯の芯部等の仕上げ炊飯処理がなされて完全アルファ化(アルファ化度100%)したものとなる(水分は60重量%〜65重量%程度)。本発明では、米粒表面が、ガラス状態を経由してα化されているため、単純にα化した場合に比べ、独特の粒感を生じさせることが可能となる。
【0055】
前記具材供給工程で投入された具材には、調味液添加工程にて添加された調味液と同工程で供給された補充水とが、加圧殺菌工程で適度に吸収される。このため、炊飯工程後の米飯の水分を前記具材が吸収してしまうことを防ぐことができ、食味の低下を防ぐ効果がある。
【0056】
前記加熱加圧殺菌部23でレトルト処理が完了した容器2cは、処理槽23bから取り出され、除水作業が行われた後、ピンホールチェック及びウェイトチェック等の検査を行ってから包装梱包し、製品として出荷される。なお、上記に示した工程は最終製品が混ぜご飯の場合であり、最終製品が白米の場合はステップ7〜9を省略し、二次加水(ステップ6)した後、ガス置換工程(ステップ10)に進めばよい。