(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記管理装置に、前記更新日時情報が記憶されているか否かを問い合わせ、前記管理装置に前記更新日時情報が記憶されていない場合に、前記複数のサーバに、前記更新日時が最も新しいデータの更新日時情報の取得を要求することを特徴とする請求項2記載のプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0012】
まず、
図1を参照しながら本実施形態のシステム構成の一例について説明する。
図1に、本実施形態のシステム構成の一例を示す。本実施形態は、ネットワーク50に、複数のクライアント端末100a〜100m(mは任意の自然数)と、複数のサーバ装置と、更新日時管理装置500とを接続した構成を備える。複数のサーバ装置は、複数のWEB(ウェブ)サーバ200a〜200n(nは任意の自然数)と、複数のAP(アプリケーション)サーバ300a〜300k(kは任意の自然数)と、DB(データベース)サーバ400とを備える。ネットワーク50は、有線または無線を問わず、インターネット(Internet)、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)やVPN(Virtual Private Network)などの任意の種類の通信網を採用することができる。なお、以下では、クライアント端末100a〜100mを総称して呼ぶ場合に、クライアント端末100と表記する。同様に、WEBサーバ200a〜200n、APサーバ300a〜300kについても、WEBサーバ200、APサーバ300と表記する。
【0013】
クライアント端末100は、例えば、医療機関に設置される端末である。クライアント端末100は、操作者によって入力された診療データをWEBサーバ200に送信して、WEBサーバ200に保険点数の計算等の会計処理を依頼する。なお、診療データには、例えば、患者の氏名、生年月日等の患者情報、処方された薬、採血等の検査の有無、レントゲン等の画像撮影の有無、注射、手術等の患者に対して行われた診療行為及びその結果のデータ等が含まれる。また、クライアント端末100は、WEBサーバ200に、点数マスタファイルの更新指示、保険点数情報の取込み指示、同期処理の指示等の指示を送る。これらの指示の詳細については後述する。
【0014】
WEBサーバ200は、クライアント端末100からの指示により、保険点数の計算、点数マスタファイルの更新処理、保険点数情報の取込み処理、同期処理等の処理を行う。
【0015】
APサーバ300は、DBサーバ400へのデータ保存、DBサーバ400からのデータの読み出し等を行う。また、APサーバ300は、WEBサーバ200からの要求により、保険点数の計算等の処理を行う。
【0016】
DBサーバ400は、点数マスタファイル、各WEBサーバ200のIPアドレス等を記憶する。
図2に、点数マスタファイルの一例を示す。点数マスタファイルとは、医療費算定の基礎となる個々の診療行為の保険点数を記録したファイルである。点数マスタファイルには、版数、更新日時、診療行為コード、診療行為省略名称、点数情報等の情報が含まれる。なお、以下では、版数と、更新日時と、診療行為コードと、診療行為省略名称と、点数情報とを少なくとも含む情報の集まりを保険点数情報と呼ぶ。また、保険点数情報の集まりを点数マスタと呼び、この点数マスタを登録したファイルを点数マスタファイルと呼ぶ。版数は、保険点数情報が更新された回数を示している。版数の値が大きいものほど、更新日時が新しい保険点数情報であることを示している。更新日時は、対応する保険点数情報の直近の更新日時を示している。診療行為コードは、各診療行為を識別するコードを示す。診療行為コードは、例えば、9桁の数字で表される。診療行為省略名称は、診療行為コードが示す診療行為の省略名称を示している。点数情報は、診療行為ごとの保険点数を示す。
【0017】
更新日時管理装置500は、更新日時情報を記憶する。更新日時情報は、WEBサーバ200又はAPサーバ300が保険点数の計算に使用する保険点数情報の更新日時を示している。WEBサーバ200又はAPサーバ300は、保険点数の計算の際に、更新日時管理装置500から更新日時情報を取得し、取得した更新日時情報の示す更新日時の保険点数情報を使用して保険点数の計算を行う。
【0018】
次に、
図3を参照しながら、クライアント端末100、WEBサーバ200及びAPサーバ300の備えるハードウェアの一例を説明する。なお、クライアント端末100、WEBサーバ200及びAPサーバ300は、ほぼ同一のハードウェア構成を備えているので、以下の説明では、代表してWEBサーバ200のハードウェア構成について説明する。また、
図3に示す括弧内の数字は、クライアント端末100とAPサーバ300との備えるハードウェアに付した番号をそれぞれ示している。
【0019】
WEBサーバ200は、制御部210を備える。制御部210は、CPU(Central Processing Unit)211、ROM(Read Only Memory)212、RAM(Random Access Memory)213を備える。CPU211、ROM212、RAM213の各部は、バス260に接続している。ROM212には、CPU211が制御に使用する制御プログラム等が保存されている。CPU211は、制御プログラムをROM212又はハードディスク装置(以下、HDDと表記する)250から読み出してRAM213に記憶させる。その後、CPU211は、RAM213に記憶させた制御プログラムに従って処理(演算)を行う。RAM213は、CPU211のワークメモリとして使用され、CPU211が演算に使用するデータや、CPU211による演算後のデータ等を記憶する。CPU211、RAM213などのハードウェアと、制御プログラムとの協働によって実現される機能ブロックについては、
図4を参照しながら後述する。
【0020】
WEBサーバ200は、入力装置221と、入力インターフェース(以下、インターフェースをI/Fと略記する)222とを備える。入力I/F222は、入力装置221と、バス260とに接続している。入力装置221は、マウス、キーボード等の入力デバイスである。入力装置221がユーザによって操作されると、入力装置221は、受け付けた操作内容を示す操作情報を、入力I/F222を介して制御部210に送る。入力I/F222は、入力装置221から操作情報を入力し、入力した操作情報を、バス260を介して制御部210に送る。
【0021】
WEBサーバ200は、グラフィックI/F232と、表示装置231とを備える。グラフィックI/F232は、バス260と表示装置231とに接続している。グラフィックI/F232は、制御部210で処理されたグラフィックデータを表示装置231に表示させるためのインターフェースである。グラフィックI/F232は、制御部210から受け取ったグラフィックデータを波形電気信号に変換して表示装置231に送る。
【0022】
WEBサーバ200は、ネットワークI/F240を備える。ネットワークI/F240は、バス260と、ネットワーク50とに接続する。ネットワークI/F240は、制御部210から送られたデータを入力し、入力したデータを、ネットワーク50を介してクライアント端末100、APサーバ300又は他のWEBサーバ200に送信する。また、ネットワークI/F240は、ネットワーク50を介してクライアント端末100、APサーバ300又は他のWEBサーバ200から受信したデータを制御部210に出力する。
【0023】
WEBサーバ200は、HDD250を備える。HDD250は、CPU211が制御に使用する制御プログラムや、
図2に示す点数マスタファイルを記憶する。なお、以下では、WEBサーバ200のHDD250が記憶する点数マスタファイルをWEB点数ファイルと呼び、DBサーバ400の記憶する点数マスタファイルと区別できるようにする。DBサーバ400の記憶する点数マスタファイルと、WEBサーバ200の記憶するWEB点数ファイルとは同一のファイルである。しかし、DBサーバ400の点数マスタファイルは更新されたが、WEBサーバ200のWEB点数ファイルは更新されていない場合、両ファイルは、一致しない場合がある。すなわち、WEBサーバ200が、DBサーバ400から更新された保険点数情報を取得しないと、WEB点数ファイルには、更新された新しい保険点数情報が登録されていないことになる。
なお、
図3には、記憶装置の一例としてHDD250を示したが、ハードディスク装置に限定されるものではない。例えば、コンピュータで読み込み可能なフレキシブルディスク(FD)、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM等の可搬記憶媒体でもよい。また、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)、光磁気ディスク、ICカードなどの可搬記憶媒体であってもよい。
【0024】
次に、
図4を参照しながらWEBサーバ200の備える機能ブロック270について説明する。機能ブロック270とは、制御部210のCPU211、RAM213などのハードウェアと、制御プログラムとの協働によって実現される処理を、一連の処理で実現される機能ごとにまとめたブロックである。WEBサーバ200は、機能ブロック270として、入力部271と、要求解析部272と、更新要求部273と、データ取得部274と、点数計算処理部275と、出力部276とを備える。
【0025】
入力部271は、クライアント端末100、APサーバ300又は他のWEBサーバ200から送信され、ネットワークI/F240で受信したデータを入力する。入力部271は、入力したデータを要求解析部272に出力する。
【0026】
要求解析部272は、入力部271が出力したデータを入力する。要求解析部272は、入力したデータを解析し、入力したデータの出力先を、解析結果に応じて更新要求部273、データ取得部274、点数計算処理部275のいずれかに変更する。
【0027】
更新要求部273は、要求解析部272の出力したデータを入力する。更新要求部273は、入力したデータにクライアント端末100から送られた点数マスタファイルの更新指示が含まれる場合、APサーバ300に送る、点数マスタファイルの更新要求を生成する。この更新要求には、クライアント端末100から送られた、更新する保険点数情報が含まれる。更新要求部273は、生成した更新要求と、更新する保険点数情報とを含むデータを出力部276に出力する。出力部276は、更新要求部273から入力したデータを、ネットワークI/F240を介してAPサーバ300に送信する。APサーバ300は、WEBサーバ200から点数マスタファイルの更新要求と、更新する保険点数情報とを入力すると、入力した保険点数情報をDBサーバ400に送り、DBサーバ400に登録する。保険点数情報のDBサーバ400への登録が完了すると、APサーバ300は、更新の完了を通知する情報(以下、更新完了通知と呼ぶ)をWEBサーバ200に送信する。更新要求部273は、APサーバ300から送られた更新完了通知を入力すると、クライアント端末100に送信する更新完了通知を生成して、出力部276に出力する。
【0028】
データ取得部274は、要求解析部272の出力したデータを入力する。データ取得部274が要求解析部272から入力するデータには、クライアント端末100から送られた、保険点数情報の取込み指示がある。取込み指示とは、DBサーバ400の点数マスタファイルに登録され、WEBサーバ200のWEB点数ファイルには登録されていない保険点数情報を、WEBサーバ200にDBサーバ400から取得させる指示である。データ取得部274は、HDD250のWEB点数ファイルを参照して、更新日時が最も新しい保険点数情報の更新日時情報を取得する。データ取得部274は、更新日時情報を取得すると、APサーバ300に送る保険点数情報の取得要求を生成する。データ取得部274は、生成した取得要求に、取得した更新日時情報を付加したデータを出力部276に出力する。出力部276は、データ取得部274から入力したデータをネットワークI/F240を介してAPサーバ300に送信する。
データ取得部274は、取得要求に対する応答として、APサーバ300から送られた保険点数情報を入力すると、入力した保険点数情報をHDD250の記憶するWEB点数ファイルに登録する。
【0029】
また、データ取得部274が要求解析部272から入力するデータには、クライアント端末100から送られる、同期処理の指示がある。同期処理の指示とは、各WEBサーバ200が保険点数の計算に使用する保険点数情報を同期させる指示である。すなわち、各WEBサーバ200が、保険点数の計算に使用する保険点数情報の更新日時を一致させる処理である。この同期処理は、例えば、各WEBサーバ200に割り当てられたIPアドレスのうち、IPアドレスの値が最も小さいWEBサーバ200が実行する。WEBサーバ200は、更新日時管理装置500からIPアドレスを取得し、自身のIPアドレスよりも値の小さいIPアドレスのWEBサーバ200にpingコマンドを送信する。送信したpingコマンドに対する応答がWEBサーバ200からあった場合には、自身よりもIPアドレスの値の小さいWEBサーバ200が存在する。この場合、pingコマンドを送信したWEBサーバ200は、同期処理を行わない。また、pingコマンドを送信したWEBサーバ200からの応答がない場合、自身よりもIPアドレスの値の小さいWEBサーバ200が起動状態にないことになる。この場合、pingコマンドを送信したWEBサーバ200が同期処理を実行することになる。
【0030】
データ取得部274は、同期指示を入力すると、他のWEBサーバ200に送信する、更新日時情報の取得要求を生成する。この取得要求は、各WEBサーバ200の保有する点数マスタファイルに登録された保険点数情報のうち、更新日時が最も新しい保険点数情報の更新日時の取得を要求するものである。データ取得部274は、生成した取得要求を含むデータを出力部276に出力する。出力部276は、データ取得部274から入力したデータを、ネットワークI/F240を介して各WEBサーバ200に送信する。
データ取得部274は、各WEBサーバ200から最新の更新日時情報を取得すると、取得した更新日時情報のうち、更新日時が最も古い更新日時を選択する。更新日時が最も古いものを選択することで、すべてのWEBサーバ200で同じ更新日時の保険点数情報を使用した保険点数の計算が可能になる。すなわち、各WEBサーバ200で保険点数計算に使用する保険点数情報の同期をとることができる。データ取得部274は、選択した更新日時を更新日時情報として更新日時管理装置500に送信し、更新日時管理装置500に登録する。
【0031】
点数計算処理部275は、要求解析部272が出力したデータを入力する。点数計算処理部275が要求解析部272から入力するデータには、クライアント端末100から送られる、保険点数の計算指示がある。点数計算処理部275は、保険点数の計算指示を入力すると、更新日時管理装置500に送る、更新日時情報の取得要求を生成する。点数計算処理部275は、生成した取得要求を含むデータを出力部276に出力する。出力部276は、データ取得部274から入力したデータを、ネットワークI/F240を介して更新日時管理装置500に送信する。
点数計算処理部275は、更新日時管理装置500から送られた更新日時情報を入力した場合、入力した更新日時情報の示す更新日時の保険点数情報を、HDD250のWEB点数ファイルから取得する。点数計算処理部275は、取得した保険点数情報を使用して保険点数の計算を行い、処理結果をRAM213に記憶させる。また、点数計算処理部275は、保険点数の計算結果を含む、クライアント端末100に送信するデータを生成する。点数計算処理部275は、生成したデータを出力部276に出力する。出力部276は、点数計算処理部275から入力したデータをネットワークI/F240を介してクライアント端末100に送信する。
【0032】
出力部276は、更新要求部273、データ取得部274及び点数計算処理部275から出力されたデータを入力し、入力したデータをネットワークI/F240に出力する。
【0033】
次に、
図5を参照しながらAPサーバ300の制御部310が備える機能ブロック370について説明する。APサーバ300は、機能ブロック370として、入力部371と、要求解析部372と、更新処理部373と、データ取得部374と、点数計算処理部375と、出力部376とを備える。入力部371、要求解析部372及び点数計算処理部375の処理動作については、
図4にて説明したWEBサーバ200の入力部271、要求解析部272及び点数計算処理部275の処理とほぼ同一であるため、説明を省略する。
【0034】
更新処理部373は、APサーバ300の具備するクロックからシステム時刻を入力している。更新処理部373は、WEBサーバ200から送られた更新要求及び更新する保険点数情報を入力すると、DBサーバ400に送る、保険点数情報の更新要求を生成する。この更新要求には、クライアント端末100から送られた、更新する保険点数情報が含まれる。更新処理部373は、生成した更新要求と、更新する保険点数情報とを含むデータを出力部376に出力する。更新処理部373は、更新要求と、更新する保険点数情報とを含むデータをDBサーバ400に送って、DBサーバ400の記憶する点数マスタファイルに登録させる。更新処理部373は、DBサーバ400から更新完了通知を受け取ると、更新完了通知を受け取ったシステム時刻を更新日時としてDBサーバ400に登録する。更新処理部373は、更新完了通知を受け取ったシステム時刻をDBサーバ400に送り、DBサーバ400の記憶する点数マスタファイルに登録させる。DBサーバ400への保険点数情報及び更新日時の登録が完了すると、更新処理部373は、WEBサーバ200に更新完了通知を送信する。
【0035】
データ取得部374は、要求解析部372から入力したデータが、WEBサーバ200から受信した、保険点数情報の取得要求及び更新日時情報であった場合、DBサーバ400に送る、保険点数情報の取得要求を生成する。データ取得部374は、生成した取得要求に、WEBサーバ200から受信した更新日時情報を付加したデータを出力部376に出力する。出力部376は、データ取得部374から入力したデータを、ネットワークI/F340を介してDBサーバ400に送信する。
DBサーバ400は、APサーバ300から取得要求と、更新日時情報とを受信すると、受信した更新日時情報の示す更新日時よりも更新日時の新しい保険点数情報を点数マスタファイルから取得する。DBサーバ400は、取得した保険点数情報をAPサーバ300に送信する。
データ取得部374は、DBサーバ400から送られた、保険点数情報を入力した場合、入力した保険点数情報を含むデータをWEBサーバ200に送信する。
【0036】
次に、シーケンス図を参照しながらクライアント端末100からの処理要求を受けたWEBサーバ200、APサーバ300及び更新日時管理装置500の処理の概要を説明する。
【0037】
まず、クライアント端末100から送られた保険点数の計算指示を受信したWEBサーバ200と、更新日時管理装置500との処理の概要を
図6のシーケンス図を参照しながら説明する。
WEBサーバ200は、クライアント端末100から保険点数の計算指示を受け付ける(
図6に示す保険点数の計算指示A)。WEBサーバ200は、保険点数の計算指示を受け付けると、更新日時管理装置500に、更新日時管理装置500の記憶する更新日時情報の取得要求を出力する(
図6に示す更新日時情報の取得要求B)。取得要求を受信した更新日時管理装置500は、不図示の記憶部に記憶している更新日時情報を取り出し、WEBサーバ200に送信する(
図6に示す更新日時情報の送信C)。WEBサーバ200は、更新日時情報を更新日時管理装置500から取得すると、取得した更新日時情報の示す更新日時の保険点数情報をHDD250に記憶したWEB点数ファイルから取得する(
図6に示す保険点数情報の取得D)。また、該当する更新日時の保険点数情報が点数マスタファイルに登録されていない場合、WEBサーバ200は、更新日時情報の示す更新日時よりも更新日時が古い保険点数情報のうち、版数が最大のものの保険点数情報を取得する。
【0038】
ここで、
図7を参照しながら、保険点数の計算に使用する保険点数情報の選択方法について具体的に説明する。
図7には、WEBサーバ200のWEB点数ファイルの一例を示す。
図7に示す例では、診療行為コードが「000001」、「000002」、「000003」の3種類の保険点数情報がWEB点数ファイルに登録されている。また、診療行為コードが「000001」、「000002」の保険点数情報は、更新日時が2012年10月2日、1時23分45秒のものと、2012年9月15日、10時03分20秒のものが登録されている。診療行為コードが「000003」の保険点数情報は、更新日時が2012年10月2日、1時23分45秒のものは登録されておらず、2012年9月15日、10時03分20秒のものが登録されている。例えば、診療行為コードが「000001」、「000002」の保険点数情報は更新が行われたが、診療行為コードが「000003」の保険点数情報は、更新がされなかったとする。この場合、診療行為コードによって更新日時にずれが生じる。
【0039】
例えば、WEBサーバ200が更新日時管理装置500から取得した更新日時情報が、2012年10月2日、1時23分45秒であったと仮定する。この場合、WEBサーバ200は、保険点数の計算に、診療行為コードが「000001」、「000002」の保険点数情報を使用する場合には、2012年10月2日、1時23分45秒のものを使用する。また、WEBサーバ200は、保険点数の計算に、診療行為コードが「000003」の保険点数情報を使用する場合には、2012年9月15日、10時03分20秒のものを使用する。すなわち、WEBサーバ200は、更新日時情報の示す更新日時よりも更新日時が古い保険点数情報のうち、版数の値が最も大きい保険点数情報を使用する。版数の値が最も大きいということは、更新日時管理装置500から取得した更新日時よりも更新日時が古い保険点数情報のなかで、更新日時が最も新しいことを示している。
【0040】
WEBサーバ200は、WEB点数ファイルから保険点数情報を取得すると、取得した保険点数情報を使用して、保険点数の計算を行う(
図6に示す点数計算E)。WEBサーバ200は、クライアント端末100から取得した診療データに記録された診療行為の保険点数を計算する。保険点数の計算が終了すると、WEBサーバ200は、保険点数の計算結果をクライアント端末100に送信する(
図6に示す計算結果の送信F)。
【0041】
次に、WEBサーバ200から保険点数の計算要求を受信した場合のAPサーバ300の処理の概要を、
図8に示すシーケンス図を参照しながら説明する。クライアント端末100から保険点数の計算要求を受信したWEBサーバ200は、APサーバ300に、保険点数の計算要求を出力する(
図8に示す保険点数の計算要求A)。例えば、WEBサーバ200の処理負荷が高く、WEBサーバ200で保険点数の計算を行っていると、処理に遅延が生じると判定した場合、WEBサーバ200は、APサーバ300に保険点数の計算要求を出力する。
APサーバ300は、保険点数の計算要求を受け付けると、更新日時管理装置500に、更新日時管理装置500の記憶する更新日時情報の取得を要求する(
図8に示す更新日時情報の取得要求B)。取得要求を受信した更新日時管理装置500は、更新日時情報をAPサーバ300に送信する(
図8に示す更新日時情報の送信C)。APサーバ300は、更新日時情報を取得すると、保険点数情報の取得要求に、取得した更新日時情報を付加してDBサーバ400に送信する(
図8に示す保険点数情報の取得要求D)。DBサーバ400に登録された点数マスタファイルも、診療行為コードごとに更新日時が管理されている。このため、DBサーバ400は、診療行為コードごとに、APサーバ300から受信した更新日時の保険点数情報が存在するか否かを判定する。すなわち、
図7を参照しながら説明したように、DBサーバ400は、保険点数情報の診療行為コードが、APサーバ300から受信した更新日時のものが存在する保険点数情報の診療行為コードの場合には、受信した更新日時の保険点数情報を選択する。また、DBサーバ400は、APサーバ300から受信した更新日時のものが存在しない保険点数情報の診療行為コードの場合には、更新日時情報の示す更新日時よりも更新日時が古い保険点数情報のうち、版数が最も大きい保険点数情報を選択する。DBサーバ400は、診療行為コードごとに選択した保険点数情報を、要求元のAPサーバ300に送信する(
図8に示す保険点数情報の送信E)。
【0042】
APサーバ300は、点数マスタファイルから保険点数情報を取得すると、取得した保険点数情報を使用して、保険点数の計算を行う(
図8に示す点数計算F)。APサーバ300は、WEBサーバ200から取得した診療データに記録された各診療行為の保険点数の合計値を計算する。保険点数の計算が終了すると、APサーバ300は、保険点数の計算結果をWEBサーバ200に送信する(
図8に示す計算結果の返信G)。
【0043】
次に、
図9を参照しながら、クライアント端末100から点数マスタファイルの更新要求を受け付けたWEBサーバ200とAPサーバ300との処理の概要を説明する。
WEBサーバ200は、クライアント端末100から点数マスタファイルの更新指示を受け付ける(
図9に示す点数マスタファイルの更新指示A)。この点数マスタファイルの更新指示には、更新する保険点数情報が付加されている。なお、更新する保険点数情報は、クライアント端末100の操作者が、入力装置221を操作して入力してもよい。又は、クライアント端末100からの更新要求を受信したWEBサーバ200が、保険点数情報を登録したサイトにアクセスして保険点数情報を取得するものであってもよい。点数マスタファイルの更新要求を受け付けたWEBサーバ200は、点数マスタファイルの更新要求をAPサーバ300に送信する(
図9に示す点数マスタファイルの更新要求B)。この点数マスタファイルの更新要求にも、更新する保険点数情報が付加されている。WEBサーバ200から点数マスタファイルの更新要求を受け付けたAPサーバ300は、WEBサーバ200から取得した保険点数情報をDBサーバ400に送信して、DBサーバ400に登録する(
図9に示す点数マスタファイルの更新処理C)。また、APサーバ300は、DBサーバ400への保険点数情報の登録が完了すると、更新完了通知をWEBサーバ200に送信する(
図9に示す更新完了通知D)。APサーバ300からの通知を受けたWEBサーバ200は、更新完了通知をクライアント端末100に送信する(
図9に示す更新完了通知E)。
図10(A)に、更新前の点数マスタファイルの一例を示し、
図10(B)に、更新後の点数マスタファイルの一例を示す。点数マスタファイルの更新処理により、更新後の点数マスタファイルには、診療行為コードが「000001」、「000002」であって、更新日時が2012年10月2日、1時23分45秒の保険点数情報が追加登録されている。
【0044】
次に、
図11を参照しながら、保険点数情報の取込み指示をクライアント端末100から受信した場合のWEBサーバ200とAPサーバ300の処理の概要を説明する。
WEBサーバ200は、クライアント端末100から保険点数情報の取込み指示を受け付ける(
図11に示す保険点数情報の取込み指示A)。取込み指示を受け付けたWEBサーバ200は、HDD250に記憶するWEB点数ファイルから更新日時情報を取得する。WEBサーバ200は、点数マスタファイルに登録された保険点数情報のうち、更新日時が最も新しい保険点数情報の更新日時情報を取得する(
図11に示す更新日時情報の取得B)。WEBサーバ200は、保険点数情報の取得要求を生成して、生成した取得要求に、取得した更新日時情報を付加してAPサーバ300に送信する(
図11に示す保険点数情報の取得要求C)。保険点数情報の取得要求を受信したAPサーバ300は、DBサーバ400に保険点数情報の取得要求を送信する(
図11に示す険点数情報の取得要求D)。この取得要求にも、更新日時情報が付加されている。DBサーバ400は、取得要求を受信すると、受信した取得要求に付加された更新日時情報の示す更新日時よりも更新日時が新しい保険点数情報を点数マスタファイルから取得する。すなわち、APサーバ300から受信した更新日時情報が示す更新日時の保険点数情報と、この更新日時よりも前の保険点数情報とは、WEBサーバ200のWEB点数ファイルに登録されている。このため、DBサーバ400は、APサーバ300から受信した更新日時情報の示す更新日時よりも更新日時が新しい保険点数情報を点数マスタファイルから取得する。DBサーバ400は、取得した保険点数情報をAPサーバ300に送信する(
図11に示す保険点数情報の送信E)。APサーバ300は、保険点数情報をDBサーバ400から受信すると、受信した保険点数情報をWEBサーバ200に送信する(
図11に示す保険点数情報の送信F)。
図12を参照しながら、上述の処理についてより具体的に説明する。
図12(A)に、DBサーバ400が記憶する点数マスタファイルの一例を示し、
図12(B)に、WEBサーバ200が記憶するWEB点数ファイルの一例を示す。WEBサーバ200は、WEB点数ファイルを参照して、更新日時情報として2012年9月15日の10時03分20秒を選択する。WEBサーバ200は、WEB点数ファイルに登録された保険点数情報のうち、更新日時が最も新しい更新日時を選択する。WEBサーバ200は、選択した更新日時情報をAPサーバ300を介してDBサーバ400に送信する。DBサーバ400は、APサーバ300から受信した更新日時が、2012年9月15日の10時03分20秒であった場合、この日時よりも更新日時が新しい2012年10月2日1時23分45秒の保険点数情報を取得する。DBサーバ400は、取得した保険点数情報をAPサーバ300に送信する。
【0045】
WEBサーバ200は、APサーバ300から保険点数情報を受信すると、受信した保険点数情報をHDD250のWEB点数ファイルに登録する(
図11に示す保険点数情報のWEB点数ファイルへの登録G)。また、WEBサーバ200は、保険点数情報の登録が終了すると、点数マスタファイルの更新完了通知をクライアント端末100に送信する(
図11に示す保険点数情報の取込み完了通知H)。
【0046】
次に、クライアント端末100から保険点数情報の同期指示を受信した場合のWEBサーバ200及び更新日時管理装置500の処理の概要を
図13を参照しながら説明する。なお、
図13を参照しながら行う説明では、WEBサーバ200として、WEBサーバ200a、200b、200cの3つがあるものとし、WEBサーバ200aが処理を実行するものとして説明する。
【0047】
WEBサーバ200aは、クライアント端末100から保険点数情報の同期処理の指示を受け付ける(
図13に示す同期処理指示A)。同期処理の指示を受け付けたWEBサーバ200aは、更新日時管理装置500に、各WEBサーバ200a、200b、200cのIPアドレスの取得要求を送信する(
図13に示すIPアドレスの取得要求B)。IPアドレスの取得要求を受信した更新日時管理装置500は、WEBサーバ200aに、各WEBサーバ200a、200b、200cのIPアドレスを送信する(
図13に示すIPアドレスの送信C)。IPアドレスを取得したWEBサーバ200aは、各WEBサーバ200a、200b、200cのIPアドレスを比較し、自身のIPアドレスが値の最も小さいIPアドレスであるか否かを判定する。ここでは、WEBサーバ200aのIPアドレスが値の最も小さいIPアドレスであるとする。自身のIPアドレスが値の最も小さいIPアドレスであると判定したWEBサーバ200aは、他のWEBサーバ200b、200cに更新日時情報の取得要求を送信する(
図13に示す更新日時情報の取得要求D1、D2)。更新日時情報の取得要求を受信したWEBサーバ200b、200cは、それぞれに記憶するWEB点数ファイルに登録された保険点数情報のうち、更新日時が最も新しい保険点数情報を選択し、選択した保険点数情報の更新日時情報を取得する。WEBサーバ200b、200cは、取得した更新日時情報をWEBサーバ200aに送信する(
図13に示す更新日時情報の送信E1、E2)。WEBサーバ200aは、各WEBサーバ200から更新日時情報を取得すると、取得した更新日時情報のなかから更新日時が最も古い更新日時を選択する(
図13に示す更新日時の選択F)。WEBサーバ200aは、更新日時の登録要求に、選択した更新日時を添付して更新日時管理装置500に送信する(
図13に示す更新日時の登録要求G)。また、WEBサーバ200aは、要求元のクライアント端末100に、同期処理の完了通知を送信する(
図13に示す同期処理完了通知H)。
【0048】
次に、WEBサーバ200の起動時の処理の概要について、
図14に示すシーケンス図を参照しながら説明する。なお、
図14を参照しながら行う説明でも、WEBサーバ200として、WEBサーバ200a、200b、200cの3つがあるものとし、WEBサーバ200aが処理を実行するものとして説明する。
WEBサーバ200は、起動すると、自身のRAM213に各WEBサーバ200のIPアドレスが記憶されているか否かを判定する(
図14に示す起動A、構成情報の確認B)。IPアドレスがRAM213に記憶されていないと判定すると、WEBサーバ200は、APサーバ300に、IPアドレスの取得要求を送信する(
図14に示すIPアドレスの取得要求C)。APサーバ300は、WEBサーバ200からの取得要求に応じて、各WEBサーバ200のIPアドレスをDBサーバ400から取得する(
図14に示すIPアドレスの取得要求D及びIPアドレスの送信E)。APサーバ300は、IPアドレスを取得すると、取得したIPアドレスをWEBサーバ200に送信する(
図14に示すIPアドレスの送信F)。
【0049】
次に、WEBサーバ200は、更新日時管理装置500に、更新日時情報が記憶されているか否かを確認する処理を行う。WEBサーバ200は、更新日時管理装置500に、更新日時情報の送信を要求する(
図14に示す更新日時情報の送信要求G)。WEBサーバ200は、更新日時管理装置500から更新日時情報を受信することができた場合には、この処理を終了する。また、WEBサーバ200は、更新日時情報を受信することができなかった場合、他のWEBサーバ200b、200cに更新日時情報の取得要求を送信する(
図14に示す更新日時情報の取得要求H1、H2)。なお、この後のWEBサーバ200a、200b、200c及び更新日時管理装置500の処理は、
図13に示すシーケンス図のD〜Hで説明済みであるので省略する。また、
図14に示す処理は、WEBサーバ200の起動時だけに行われるものではなく、例えば、WEBサーバ200が処理を行っていない時間帯に行うものであってもよい。
【0050】
図15に、クライアント端末100の表示装置131に表示される表示画面の一例を示す。
図15に示す表示画面には、ネットワーク50に接続したサーバを選択するサーバ選択欄610と、サーバ選択欄610に表示された各サーバが保険点数情報の更新を行った最新の更新日時を示す更新日時表示欄620とが表示される。また、表示画面には、サーバ選択欄610で選択されたサーバの記憶する点数マスタファイル又はWEB点数ファイルの登録情報を表示するメイン表示欄630が表示される。このメイン表示欄630には、サーバ選択欄610で選択されたサーバに、保険点数情報のDBサーバ400からの取得を要求する取込ボタン631が表示される。この取込ボタン631が押下されることで、
図11のシーケンス図で説明した保険点数情報の取込み処理が、サーバ選択欄610で選択したサーバで実行される。また、メイン表示欄630には、サーバ選択欄610で選択したサーバに、このサーバが記憶する古い保険点数情報を消去するように指示する削除ボタン632が表示される。削除ボタン632が押下されることで、サーバ選択欄610で選択されたサーバが記憶する、選択された保険点数情報が削除される。さらに、メイン表示欄630には、更新日時管理装置500の記憶する更新日時情報を更新する同期ボタン633が表示される。この同期ボタン633が押下されることで、
図13のシーケンス図で説明した保険点数情報の同期処理が、サーバ選択欄610で選択されたサーバで実行される。
【0051】
図16には、サーバ選択欄610に表示された更新日時管理装置500が選択された場合に、メイン表示欄630に表示される表示画面の一例を示す。
図16に示す表示画面には、自動ボタン651と、マニュアルボタン652と、更新日時入力欄653と、設定ボタン654とが表示される。自動ボタン651が操作されると、クライアント端末100から事前に設定されたWEBサーバ200に、
図13で説明した保険点数情報の同期処理の指示が送信される。
また、
図16に示すマニュアルボタン652が選択された状態で、更新日時入力欄653に更新日時が入力され、設定ボタン654が押下されると、更新日時入力欄653に入力された更新日時情報が更新日時管理装置500に送られる。更新日時管理装置500は、クライアント端末100から送られた更新日時情報を新たな更新日時として記憶する。従って、各WEBサーバ200、APサーバ300が保険点数の計算に使用する保険点数情報の更新日時を、クライアント端末100の表示画面から指定することができる。このため、例えば、WEBサーバ200に、更新日時が古い保険点数情報を使用した保険点数の計算を行わせることも可能となる。
【0052】
次に、フローチャートを参照しながら、各サーバの個別の動作手順について説明する。まず、クライアント端末100から保険点数の計算指示を受けた場合のWEBサーバ200の制御部210の処理手順を
図17に示すフローチャートを参照しながら説明する。
WEBサーバ200の制御部210は、保険点数の計算指示を受信した場合(ステップS1/YES)、更新日時管理装置500に更新日時情報の取得要求を送信する(ステップS2)。制御部210は、更新日時管理装置500からデータ送信があるまで待機する。更新日時管理装置500から送信されたデータを受信した場合(ステップS3/YES)、制御部210は、受信したデータが更新日時情報であるか否かを判定する(ステップS4)。受信したデータが更新日時情報ではなかった場合、制御部210は、ステップS3の処理に戻る。また、受信したデータが更新日時情報であった場合(ステップS4/YES)、制御部210は、HDD250に記憶するWEB点数ファイルから保険点数情報を取得する(ステップS5)。制御部210は、更新日時管理装置500から取得した更新日時情報の示す更新日時の保険点数情報をWEB点数ファイルから取得する(ステップS5)。また、WEB点数ファイルに登録された保険点数情報は、診療行為コードごとに更新され、診療行為コードには、更新日時管理装置500から取得した更新日時のものが登録されていないものがある。この場合、制御部210は、更新日時管理装置500から取得した更新日時情報よりも更新日時が古い保険点数情報のうち版数の値が最も大きい保険点数情報をWEB点数ファイルから取得する(ステップS5)。制御部210は、取得した保険点数情報を使用して保険点数を計算する(ステップS6)。制御部210は、保険点数を計算すると、保険点数の計算結果をクライアント端末100に送信して、表示装置131に表示させる(ステップS7)。
【0053】
次に、
図18に示すフローチャートを参照しながら、APサーバ300に保険点数の計算処理を実行させる場合のWEBサーバ200の制御部210の処理手順を説明する。
WEBサーバ200の制御部210は、保険点数の計算指示をクライアント端末100から受信すると(ステップS11/YES)、クライアント端末100から受信した診療データと、保険点数の計算要求とをAPサーバ300に送信する(ステップS12)。
【0054】
APサーバ300に保険点数の計算要求を送信した制御部210は、APサーバ300から保険点数の計算完了通知があるまで待機する(ステップS13)。APサーバ300からデータを受信すると、(ステップS13/YES)、制御部210は、受信したデータは、保険点数の計算結果であるか否かを判定する(ステップS14)。受信したデータが保険点数の計算結果ではなかった場合(ステップS14/NO)、制御部210は、ステップS13に戻り、APサーバ300からのデータ受信を待機する。受信したデータが保険点数の計算結果であった場合(ステップS14/YES)、制御部210は、受信した保険点数の計算結果をクライアント端末100に送り、クライアント端末100の表示装置131に表示させる(ステップS15)。
【0055】
次に、WEBサーバ200から保険点数の計算要求を受信した場合のAPサーバ300の制御部310の処理手順を
図19に示すフローチャートを参照しながら説明する。
APサーバ300の制御部310は、WEBサーバ200から保険点数の計算要求を受信すると(ステップS21/YES)、更新日時管理装置500に更新日時情報の取得要求を送信する(ステップS22)。制御部310は、更新日時管理装置500からデータ送信があるまで待機する。更新日時管理装置500から送信されたデータを受信した場合(ステップS23/YES)、制御部310は、受信したデータが更新日時情報であるか否かを判定する(ステップS24)。受信したデータが更新日時情報ではなかった場合、制御部310は、ステップS23の処理に戻る。また、受信したデータが更新日時情報であった場合(ステップS24/YES)、制御部310は、DBサーバ400の記憶する点数マスタファイルから保険点数情報を取得する(ステップS25)。制御部310は、WEBサーバ200の場合と同様に、更新日時管理装置500から取得した更新日時情報の示す更新日時の保険点数情報をDBサーバ400から取得する(ステップS25)。また、点数マスタファイルに登録された保険点数情報には、更新日時管理装置500から取得した更新日時のものが登録されていないものもある。この場合、制御部310は、更新日時管理装置500から取得した更新日時情報よりも更新日時が古い保険点数情報のうち版数の値が最も大きい保険点数情報を点数マスタファイルから取得する(ステップS25)。制御部310は、取得した保険点数情報を使用して保険点数を計算する(ステップS26)。制御部310は、保険点数を計算すると、保険点数の計算結果をWEBサーバ200に送信する(ステップS27)。
【0056】
次に、クライアント端末100から点数マスタファイルの更新指示を受信した場合のWEBサーバ200の処理手順を
図20に示すフローチャートを参照しながら説明する。
クライアント端末100の操作者は、入力装置121を操作して、点数マスタファイルの更新指示を入力する。クライアント端末100は、点数マスタファイルの更新要求を入力装置121で受け付けると、受け付けた更新指示をWEBサーバ200に送信する。
【0057】
WEBサーバ200の制御部210は、クライアント端末100から点数マスタファイルの更新指示を受信すると(ステップS31/YES)、APサーバ300に点数マスタファイルの更新要求を送信する(ステップS32)。制御部210は、点数マスタファイルの更新要求に、クライアント端末100から受信した、更新する保険点数情報を付加してAPサーバ300に送り、点数マスタファイルの更新を要求する(ステップS32)。そして、制御部210は、APサーバ300からデータを受信するまで待機する(ステップS33)。APサーバ300からデータを受信すると(ステップS33/YES)、制御部210は、受信したデータは、点数マスタファイルの更新完了通知であるか否かを判定する(ステップS34)。受信したデータが、点数マスタファイルの更新完了通知ではない場合(ステップS34/NO)、制御部210は、ステップS33に戻り、APサーバ300からのデータ受信があるまで待機する。また、受信したデータが、点数マスタファイルの更新完了通知であった場合(ステップS34/YES)、制御部210は、点数マスタファイルの更新完了通知をクライアント端末100に通知する(ステップS35)。
【0058】
次に、WEBサーバ200から点数マスタファイルの更新要求を受信したAPサーバ300の処理手順を
図21に示すフローチャートを参照しながら説明する。
APサーバ300の制御部310は、WEBサーバ200から点数マスタファイルの更新要求を受信すると(ステップS41)、点数マスタファイルの更新要求に付加された保険点数情報をDBサーバ400に送ってDBサーバ400に登録する。DBサーバ400に送られた保険点数情報は、DBサーバ400の記憶する点数マスタファイルに登録される(ステップS42)。また、制御部310は、WEBサーバ200から更新要求を受信した時刻を、DBサーバ400に登録した保険点数情報の更新日時とし、この時刻をDBサーバ400に登録する(ステップS42)。保険点数情報のDBサーバ400への登録が完了すると、制御部310は、WEBサーバ200に点数マスタファイルの更新完了通知を送信する(ステップS43)。
【0059】
次に、DBサーバ400から保険点数情報を取得して、WEBサーバ200のWEB点数ファイルを更新する手順を
図22に示すフローチャートを参照しながら説明する。
WEBサーバ200の制御部210は、クライアント端末100から保険点数情報の取込み指示を受信すると(ステップS51/YES)、HDD250に記憶したWEB点数ファイルから更新日時を取得する(ステップS52)。制御部210は、WEB点数ファイルに登録された保険点数情報のうち、更新日時が最も新しい保険点数情報を選択し、選択した保険点数情報の更新日時を取得する(ステップS52)。次に、制御部210は、保険点数情報の取得要求に、取得した更新日時を付加してAPサーバ300に送信する(ステップS53)。その後、制御部210は、APサーバ300からの応答があるまで待機する(ステップS54)。APサーバ300からデータを受信すると(ステップS54/YES)、制御部210は、受信したデータに保険点数情報が含まれるか否かを判定する(ステップS55)。APサーバ300は、WEBサーバ200から取得した更新日時よりも更新日時が新しい保険点数情報がDBサーバ400の点数マスタファイルに登録されていない場合、WEBサーバ200に保険点数情報を送信しない。この場合、APサーバ300は、WEBサーバ200に、WEBサーバ200のWEB点数ファイルは最新の状態である旨を通知する。また、APサーバ300は、WEBサーバ200から取得した更新日時よりも更新日時が新しい保険点数情報がDBサーバ400の点数マスタファイルに登録されている場合、該当する保険点数情報をDBサーバ400から取得する。APサーバ300は、DBサーバ400から取得した保険点数情報をWEBサーバ200に送信する。
制御部210は、APサーバ300から保険点数情報を受信しなかった場合(ステップS55/NO)、受信したデータに、WEB点数ファイルは最新の状態である旨の通知が含まれるか否かを判定する(ステップS56)。制御部210は、WEB点数ファイルは最新の状態である旨の通知を受信すると(ステップS56/YES)、この処理を終了する。また、制御部210は、APサーバ300から保険点数情報を受信した場合(ステップS55/YES)、受信した保険点数情報をHDD250に記憶したWEB点数ファイルに登録する(ステップS57)。
【0060】
次に、WEBサーバ200から保険点数情報の取得要求を受信したAPサーバ300の処理手順を
図23に示すフローチャートを参照しながら説明する。
WEBサーバ200から保険点数情報の取得要求と、更新日時とを受信すると(ステップS61)、APサーバ300の制御部310は、受信した取得要求と更新日時とをDBサーバ400に送信する(ステップS62)。DBサーバ400は、APサーバ300から保険点数情報の取得要求を受信すると、APサーバ300から受信した更新日時よりも更新日時が新しい保険点数情報が点数マスタファイルに登録されているか否かを判定する。DBサーバ400は、受信した更新日時よりも新しい保険点数情報が点数マスタファイルに登録されている場合には、該当する保険点数情報を取得してAPサーバ300に送信する。また、DBサーバ400は、受信した更新日時よりも新しい保険点数情報が登録されていない場合には、その旨をAPサーバ300に通知する。
制御部310は、DBサーバ400から保険点数情報を受信した場合には(ステップS63/YES)、受信した保険点数情報をWEBサーバ200に送信する(ステップS64)。また、制御部310は、DBサーバ400から保険点数情報を受信することができなかった場合には(ステップS63/NO)、WEBサーバの点数マスタファイルは最新の状態である旨をWEBサーバ200に通知する(ステップS65)。
【0061】
次に、クライアント端末100から同期処理の指示を受信した場合のWEBサーバ200の処理手順について
図24に示すフローチャートを参照しながら説明する。
WEBサーバ200の制御部210は、クライアント端末100から同期処理の指示を受信すると(ステップS71/YES)、更新日時管理装置500に各WEBサーバ200のIPアドレスの取得要求を送信する(ステップS72)。制御部210は、更新日時管理装置500から各WEBサーバ200のIPアドレスを受信すると(ステップS73/YES)、自身のIPアドレスと、他のWEBサーバ200のIPアドレスとを比較する(ステップS74)。制御部210は、取得したIPアドレスのなかから自身のIPアドレスを取得し、自身のIPアドレスの値が他のIPアドレスよりも小さいか否かを判定する(ステップS74)。自身のIPアドレスが最も値の小さいアドレスではないと判定すると(ステップS74/NO)、制御部210は、自身のIPアドレスよりも値の小さいWEBサーバ200にpingコマンドを送信する(ステップS75)。そして、制御部210は、pingコマンドを送信したWEBサーバ200から応答を受信したか否かを判定する(ステップS76)。pingコマンドを送信したWEBサーバ200からの応答を受信した場合(ステップS76/YES)、制御部210は、この処理を終了する。また、pingコマンドを送信したWEBサーバ200からの応答を受信できなかった場合(ステップS76/NO)、制御部210は、ステップS77の処理に移行する。また、自身のIPアドレスが最も値の小さいアドレスであると判定した場合も(ステップS74/YES)、制御部210は、ステップS77の処理に移行する。ステップS77では、制御部210は、取得したIPアドレスを使用して他のWEBサーバ200との通信を行う。制御部210は、他のWEBサーバ200に、他のWEBサーバ200の記憶する保険点数情報のうち、更新日時が最も新しい保険点数情報の更新日時を送信するように要求する(ステップS77)。すべてのWEBサーバ200から更新日時を取得すると(ステップS78/YES)、制御部210は、取得した更新日時のうち、日時が最も古い更新日時を、更新日時管理装置500に記憶させる更新日時として選択する(ステップS79)。制御部210は、選択した更新日時を更新日時管理装置500に送り、更新日時管理装置500に記憶させる(ステップS80)。
【0062】
以上、詳細に説明したように本実施形態は、WEBサーバ200が、他の各WEBサーバ200から、各WEBサーバ200の記憶する保険点数情報のうち、更新日時が最新の保険点数情報の更新日時を取得する。そして、取得した更新日時情報のうち、更新日時が最も古い更新日時をWEBサーバ200に保険点数の計算に使用させる保険点数情報として選択する。このため、他のWEBサーバ200に記憶されていない更新日時の保険点数情報を使用して保険点数を計算してしまうことがなく、各WEBサーバ200が保険点数の計算に使用する保険点数情報の更新日時を揃えることができる。従って、複数のWEBサーバ200間で、各WEBサーバ200が処理に使用するデータを同期させることができる。
【0063】
例えば、WEBサーバ200、APサーバ300及びDBサーバ400といった複数のサーバ間で、分散トランザクション制御により、DBサーバ400の記憶する点数マスタファイルを同期させる場合を考える。この場合、トランザクションの制御が複雑となり、また、分散トランザクション制御を実現するためのシステムを作成するためのコストがかかる。これに対して本実施形態は、各WEBサーバ200がDBサーバ400から取得済みの保険点数情報のうち、最新のものを選択して、選択した保険点数情報の更新日時を更新日時管理装置500に記憶させる構成を採用している。従って、複雑な制御を必要とせず、各WEBサーバ200が処理に使用するデータを同期させることができる。
【0064】
また、どのサーバからもアクセスが可能な更新日時管理装置500に更新日時情報を記憶させておき、保険点数の計算の際には、WEBサーバ200に更新日時情報を更新日時管理装置から取得させる。従って、複数のWEBサーバ200間で、各WEBサーバ200が処理に使用するデータを同期させることができる。
【0065】
また、WEBサーバ200が、更新日時管理装置に、更新日時情報が登録されているか否かを問い合わせ、更新日時情報が登録されていない場合に、前述のように各WEBサーバ200に保険点数情報の取得要求を送信する。取得要求を受け付けた他のWEBサーバ200は、各WEBサーバ200の記憶する保険点数情報のうち、更新日時が最新の保険点数情報の更新日時を取得要求を受け付けたWEBサーバ200に送る。従って、更新日時管理装置に更新日時情報が登録されていない場合に、更新日時管理装置に更新日時情報を登録することができる。
【0066】
上述した実施形態は、本発明の好適な実施の形態である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、更新日時情報を記憶する更新日時管理装置500をWEBサーバ200やAPサーバ300とは別に設ける構成としていた。これ以外に、更新日時情報を記憶するWEBサーバ200又はAPサーバ300を事前に設定しておいて、設定したWEBサーバ200又はAPサーバ300に更新日時情報を記憶させるものであってもよい。
【0067】
また、上述した実施形態では、保険点数情報を登録した点数マスタファイルを例に説明した。これ以外に、システム制御情報を登録した共通マスタファイルについても点数マスタファイルと同様に処理することができる。例えば、患者の年齢に応じて設定された入院基本料計算条件や、IDカードを発行するか否かを設定したIDカード発行条件等の情報が共通マスタファイルに登録される。
【0068】
なお、以上の説明に関して更に以下の付記を開示する。
(付記1) 複数のサーバから、各サーバの記憶するデータのうち、更新日時が最も新しいデータの更新日時情報を取得し、取得した更新日時情報のなかから、更新日時が最も古い更新日時情報を選択して、選択した前記更新日時情報に対応するデータを、前記複数のサーバで処理に使用するデータに決定し、前記決定したデータの前記更新日時情報を出力する処理をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
(付記2) 前記出力する処理は、前記決定したデータの更新日時情報を記憶し、サーバからの要求により、該要求のあったサーバに前記更新日時情報を送信する管理装置に、前記決定したデータの更新日時情報を送信する処理であることを特徴とする付記1記載のプログラム。
(付記3) 前記管理装置に、前記更新日時情報が記憶されているか否かを問い合わせ、前記管理装置に前記更新日時情報が記憶されていない場合に、前記複数のサーバに、前記更新日時が最も新しいデータの更新日時情報の取得を要求することを特徴とする付記2記載のプログラム。
(付記4) 複数のサーバから、各サーバの記憶するデータのうち、更新日時が最も新しいデータの更新日時情報を取得するステップと、
前記取得するステップで取得した更新日時情報のなかから、更新日時が最も古い更新日時情報を選択して、選択した前記更新日時情報に対応するデータを、前記複数のサーバで処理に使用するデータに決定するステップと、
前記決定したデータの前記更新日時情報を出力するステップと、
を有することを特徴とするデータ同期方法。
(付記5) 前記出力するステップは、前記決定したデータの更新日時情報を記憶し、サーバからの要求により、該要求のあったサーバに前記更新日時情報を送信する管理装置に、前記決定したデータの更新日時情報を送信する処理であることを特徴とする付記4記載のデータ同期方法。
(付記6) 前記管理装置に、前記更新日時情報が記憶されているか否かを問い合わせ、前記管理装置に前記更新日時情報が記憶されていない場合に、前記複数のサーバに、前記更新日時が最も新しいデータの更新日時情報の取得を要求するステップを有することを特徴とする付記5記載のデータ同期方法。
(付記7) 複数のサーバから、各サーバの記憶するデータのうち、更新日時が最も新しいデータの更新日時情報を取得する取得手段と、
前記取得手段で取得した更新日時情報のなかから、更新日時が最も古い更新日時情報を選択して、選択した前記更新日時情報に対応するデータを、前記複数のサーバで処理に使用するデータに決定する選択手段と、
前記決定したデータの前記更新日時情報を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とするデータ同期装置。
(付記8) 前記出力手段は、前記決定したデータの更新日時情報を記憶し、サーバからの要求により、該要求のあったサーバに前記更新日時情報を送信する管理装置に、前記決定したデータの更新日時情報を送信する手段であることを特徴とする付記7記載のデータ同期装置。
(付記9) 前記取得手段は、前記管理装置に、前記更新日時情報が記憶されているか否かを問い合わせ、前記管理装置に前記更新日時情報が記憶されていない場合に、前記複数のサーバに、前記更新日時が最も新しいデータの更新日時情報の取得を要求することを特徴とする付記8記載のデータ同期装置。