特許第6236890号(P6236890)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6236890表示装置の設定装置、表示装置の設定方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6236890
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】表示装置の設定装置、表示装置の設定方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 9/73 20060101AFI20171120BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20171120BHJP
   G09G 5/02 20060101ALI20171120BHJP
   G09G 5/10 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   H04N9/73 B
   G09G5/00 510H
   G09G5/02 B
   G09G5/00 X
   G09G5/00 550C
   G09G5/10 B
【請求項の数】5
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-120194(P2013-120194)
(22)【出願日】2013年6月6日
(65)【公開番号】特開2014-239307(P2014-239307A)
(43)【公開日】2014年12月18日
【審査請求日】2015年8月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【弁理士】
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】藤尾 誠
(72)【発明者】
【氏名】酒井 典子
(72)【発明者】
【氏名】岩渕 稔弘
(72)【発明者】
【氏名】浜 大悟
(72)【発明者】
【氏名】堀川 和彦
(72)【発明者】
【氏名】山崎 千鶴
【審査官】 西谷 憲人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−177569(JP,A)
【文献】 特開2006−042294(JP,A)
【文献】 特開2012−128092(JP,A)
【文献】 特開平05−127620(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 9/73
G09G 5/00
G09G 5/02
G09G 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示装置に対する、色温度および輝度を含む表示設定の目標値を取得する目標値取得手段と、
離散的に設定された複数の色温度と離散的に設定された複数の輝度とを組み合わせてなる、予め定められた複数の基準条件の中から、前記表示設定の複数の測定条件を選択する選択手段と、
前記表示設定が前記複数の測定条件に順次変更される当該表示装置から、当該複数の測定条件のそれぞれにおける、前記色温度および前記輝度を含む表示特性の測定値を取得する測定値取得手段と、
前記複数の基準条件のうち、前記選択手段で前記複数の測定条件として選択されなかった残りの基準条件における、前記色温度および前記輝度を含む表示特性の予測値を、輝度の設定が共通する測定条件を用いて補間を行うことにより予測する予測手段と、
前記目標値と複数の前記測定値と前記予測値とに基づき、前記複数の測定条件の中から、前記色温度および前記輝度を含む前記表示設定の設定値を決定する決定手段と
を含む表示装置の設定装置。
【請求項2】
前記決定手段は、決定した前記設定値を前記目標値に置き換えることを特徴とする請求項1記載の表示装置の設定装置。
【請求項3】
前記設定値に基づき、外部から入力されている色信号に色変換処理を施して前記表示装置に出力する色変換手段をさらに含み、
前記決定手段は、前記色変換手段による前記色変換処理を加味して前記設定値を決定すること
を特徴とする請求項1または2記載の表示装置の設定装置。
【請求項4】
画像を表示する表示装置に対する、色温度および輝度を含む表示設定の目標値を取得するステップと、
離散的に設定された複数の色温度と離散的に設定された複数の輝度とを組み合わせてなる、予め定められた複数の基準条件の中から、前記表示設定の複数の測定条件を選択するステップと、
前記表示設定が前記複数の測定条件に順次変更される当該表示装置から、当該複数の測定条件のそれぞれにおける、前記色温度および前記輝度を含む表示特性の測定値を取得するステップと、
前記複数の基準条件のうち、前記複数の測定条件として選択されなかった残りの基準条件における、前記色温度および前記輝度を含む表示特性の予測値を、輝度の設定が共通する測定条件を用いて補間を行うことにより予測するステップと、
前記目標値と複数の前記測定値と前記予測値とに基づき、前記複数の測定条件の中から、前記色温度および前記輝度を含む前記表示設定の設定値を決定するステップと
を含む表示装置の設定方法。
【請求項5】
コンピュータに、
画像を表示する表示装置に対する、色温度および輝度を含む表示設定の目標値を取得する機能と、
離散的に設定された複数の色温度と離散的に設定された複数の輝度とを組み合わせてなる、予め定められた複数の基準条件の中から、前記表示設定の複数の測定条件を選択する機能と、
前記表示設定が前記複数の測定条件に順次変更される当該表示装置から、当該複数の測定条件のそれぞれにおける、前記色温度および前記輝度を含む表示特性の測定値を取得する機能と、
前記複数の基準条件のうち、前記複数の測定条件として選択されなかった残りの基準条件における、前記色温度および前記輝度を含む表示特性の予測値を、輝度の設定が共通する測定条件を用いて補間を行うことにより予測する機能と、
前記目標値と複数の前記測定値と前記予測値とに基づき、前記複数の測定条件の中から、前記色温度および前記輝度を含む前記表示設定の設定値を決定する機能と
を実現させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置の設定装置、表示装置の設定方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
公報記載の従来技術として、映像信号を取得する映像信号取得部と、ユーザーからのコントラスト調整値を入力するためのコントラスト調整値入力部と、コントラスト調整値入力部へ入力されるコントラスト調整値が最大値か判断する判断部と、判断部での判断結果が最大値であるとの判断結果である場合に、取得した映像信号に応じてディスプレイ装置に出力可能なRGB信号の最大値をディスプレイ装置が表現可能な最大値とする第一ホワイトバランス調整部とを備えた映像処理装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−142983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、表示装置における色温度および輝度の設定値を、表示設定の目標値に、より容易且つ精度よく近づけることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、画像を表示する表示装置に対する、色温度および輝度を含む表示設定の目標値を取得する目標値取得手段と、離散的に設定された複数の色温度と離散的に設定された複数の輝度とを組み合わせてなる、予め定められた複数の基準条件の中から、前記表示設定の複数の測定条件を選択する選択手段と、前記表示設定が前記複数の測定条件に順次変更される当該表示装置から、当該複数の測定条件のそれぞれにおける、前記色温度および前記輝度を含む表示特性の測定値を取得する測定値取得手段と、前記複数の基準条件のうち、前記選択手段で前記複数の測定条件として選択されなかった残りの基準条件における、前記色温度および前記輝度を含む表示特性の予測値を、輝度の設定が共通する測定条件を用いて補間を行うことにより予測する予測手段と、前記目標値と複数の前記測定値と前記予測値とに基づき、前記複数の測定条件の中から、前記色温度および前記輝度を含む前記表示設定の設定値を決定する決定手段とを含む表示装置の設定装置である。
【0006】
請求項2記載の発明は、前記決定手段は、決定した前記設定値を前記目標値に置き換えることを特徴とする請求項1記載の表示装置の設定装置である。
請求項3記載の発明は、前記設定値に基づき、外部から入力されている色信号に色変換処理を施して前記表示装置に出力する色変換手段をさらに含み、前記決定手段は、前記色変換手段による前記色変換処理を加味して前記設定値を決定することを特徴とする請求項1または2記載の表示装置の設定装置である。
【0007】
請求項4記載の発明は、画像を表示する表示装置に対する、色温度および輝度を含む表示設定の目標値を取得するステップと、離散的に設定された複数の色温度と離散的に設定された複数の輝度とを組み合わせてなる、予め定められた複数の基準条件の中から、前記表示設定の複数の測定条件を選択するステップと、前記表示設定が前記複数の測定条件に順次変更される当該表示装置から、当該複数の測定条件のそれぞれにおける、前記色温度および前記輝度を含む表示特性の測定値を取得するステップと、前記複数の基準条件のうち、前記複数の測定条件として選択されなかった残りの基準条件における、前記色温度および前記輝度を含む表示特性の予測値を、輝度の設定が共通する測定条件を用いて補間を行うことにより予測するステップと、前記目標値と複数の前記測定値と前記予測値とに基づき、前記複数の測定条件の中から、前記色温度および前記輝度を含む前記表示設定の設定値を決定するステップとを含む表示装置の設定方法である。
【0008】
請求項5記載の発明は、コンピュータに、画像を表示する表示装置に対する、色温度および輝度を含む表示設定の目標値を取得する機能と、離散的に設定された複数の色温度と離散的に設定された複数の輝度とを組み合わせてなる、予め定められた複数の基準条件の中から、前記表示設定の複数の測定条件を選択する機能と、前記表示設定が前記複数の測定条件に順次変更される当該表示装置から、当該複数の測定条件のそれぞれにおける、前記色温度および前記輝度を含む表示特性の測定値を取得する機能と、前記複数の基準条件のうち、前記複数の測定条件として選択されなかった残りの基準条件における、前記色温度および前記輝度を含む表示特性の予測値を、輝度の設定が共通する測定条件を用いて補間を行うことにより予測する機能と、前記目標値と複数の前記測定値と前記予測値とに基づき、前記複数の測定条件の中から、前記色温度および前記輝度を含む前記表示設定の設定値を決定する機能とを実現させるプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、表示装置における色温度および輝度の設定値を、表示設定の目標値に、より容易且つ精度よく近づけることができる。
請求項2記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、例えば目標値に基づいて作成される色変換プロファイルの精度を向上させることができる。
請求項3記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、色変換処理された画像の色を目標とする色に近づけることができる。
請求項4記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、表示装置における色温度および輝度の設定値を、表示設定の目標値に、より容易且つ精度よく近づけることができる。
請求項5記載の発明によれば、本構成を有していない場合と比較して、表示装置における色温度および輝度の設定値を、表示設定の目標値に、より容易且つ精度よく近づけることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施の形態が適用される画像表示システムの構成の一例を示した図である。
図2】コンピュータ装置のハードウェア構成を示した図である。
図3】コンピュータ装置の機能構成例を示した図である。
図4】本実施の形態で使用される表示装置における表示設定の一覧を示した図である。
図5】表示装置のカラーマッチング動作における処理手順を示すフローチャートである。
図6】輝度目標値修正処理における処理手順を示すフローチャートである。
図7】ステップ104で取得される測定値の一例を示す図である。
図8】ステップ108で予測される予測値の一例を示す図である。
図9】ステップ108における予測値の算出手法を説明するための図である。
図10】ステップ111における差分の算出およびステップ112における差分の調整を説明するための図である。
図11】色温度重み係数および輝度重み係数を説明するための図である。
図12】ステップ110における輝度目標値修正処理の手順の一例を説明する図である。
図13】ステップ110における輝度目標値修正処理の手順の他の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態が適用される画像表示システム10の構成の一例を示した図である。
この画像表示システム10は、表示のための画像データの作成等を行うコンピュータ装置20と、コンピュータ装置20で作成された画像データに基づく画像を表示画面31に表示する表示装置30と、コンピュータ装置20に対する入力等を受け付ける入力装置40とを備えている。
【0012】
この画像表示システム10において、コンピュータ装置20および表示装置30はDVI(Digital Visual Interface)を介して接続されており、コンピュータ装置20および入力装置40はUSB(Universal Serial Bus)を介して接続されている。なお、コンピュータ装置20および表示装置30については、DVIに代えて、HDMI(High-Definition Multimedia Interface:登録商標)やDisplayPortを介して接続するようにしてもかまわない。
【0013】
コンピュータ装置20は、所謂汎用のパーソナルコンピュータ(PC)である。そして、コンピュータ装置20は、OS(Operating System)の管理下において、各種アプリケーションソフトウェアを動作させることで、画像データの作成等を実行するようになっている。
【0014】
また、表示装置30は、例えばPC用の液晶ディスプレイ、液晶テレビあるいはプロジェクタなど、加法混色にて画像を表示する機能を備えたもので構成される。したがって、表示装置30における表示方式は、液晶方式に限定されるものではない。なお、図1では、表示装置30としてPC用の液晶ディスプレイを用いた場合を例示していることから、表示装置30内に表示画面31が設けられているが、表示装置30として例えばプロジェクタを用いる場合、表示画面31は、表示装置30の外部に設けられたスクリーン等となる。
【0015】
さらに、入力装置40としては、例えば図1に示すキーボード装置や、図示しないマウス装置等が挙げられる。
【0016】
この画像表示システム10では、例えば入力装置40およびコンピュータ装置20を用いて作成した画像データに基づく画像を、表示装置30の表示画面31に表示させるようになっている。ここで、コンピュータ装置20で動作するアプリケーションソフトウェアを用いて製品のデザイン等を行う場合には、表示装置30における表示画面31に、画像を正しい色で表示させることが要求される。このため、この画像表示システム10では、表示装置30の表示画面31に表示させる画像の色を較正するカラーマッチング動作を実行できるようになっている。ここで、本実施の形態におけるカラーマッチング動作には、表示装置30の色温度および輝度のそれぞれをハードウェアの設定を変更して目標とする大きさに色調整するハードウェアカラーマッチング動作と、コンピュータ装置20での色変換処理に用いられる色変換プロファイルを、表示装置30のデバイス特性に応じて作成するソフトウェアカラーマッチング動作とが含まれる。色変換プロファイルは、コンピュータ装置20のビデオカード、OS、あるいはコンピュータ装置20で使用するアプリケーションにおいて、色変換処理を実行する際に利用される。
【0017】
なお、図1には、上記カラーマッチング動作において用いられ、表示装置30の表示画面31に表示された画像の読み取り(デバイス特性の測定)に用いられる測色器100を、画像表示システム10と併せて示している。
【0018】
図2は、コンピュータ装置20のハードウェア構成を示した図である。
コンピュータ装置20は、上述したようにパーソナルコンピュータ等により実現される。そして、コンピュータ装置20は、演算手段であるCPU(Central Processing Unit)20aと、記憶手段であるメインメモリ20bおよびHDD(Hard Disk Drive)20cとを備える。ここで、CPU20aは、OSやアプリケーションソフトウェア等の各種プログラムを実行する。また、メインメモリ20bは、各種プログラムやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、HDD20cは、各種プログラムに対する入力データや各種プログラムからの出力データ等を記憶する記憶領域である。さらに、コンピュータ装置20は、入力装置40や表示装置30を含む外部との通信を行うための通信インタフェース(以下、「通信I/F」と表記する)20dを備えている。
【0019】
なお、このプログラムに関する提供形態としては、予めHDD20cに格納された状態にて提供され、メインメモリ20bにロードされる形態がある。また、インターネット等のネットワークを介してコンピュータ装置20にプログラムが伝送され、通信I/F20dを介してHDD20cにインストールされ、メインメモリ20bにロードされる形態がある。さらにまた、DVD−ROMやフラッシュメモリ等の外部記録媒体からメインメモリ20bにロードされる形態がある。
【0020】
図3は、本実施の形態のコンピュータ装置20の機能構成例を示した図である。
このコンピュータ装置20は、表示装置30における表示条件の設定を行う表示装置設定部21と、表示装置設定部21が設定した表示条件と後述する目標値および測定値とを用いて、色変換において使用する色変換プロファイルを作成する色変換プロファイル作成部22と、色変換プロファイル作成部22が作成した色変換プロファイルを用いて、外部から入力されてくる色信号(RGB)に色変換処理を施し、変換後の色信号(R’G’B‘)を表示装置30に向けて出力する色変換部23とを有している。
【0021】
これらのうち、表示装置設定部21は、入力装置40(図1参照)等を介して入力されてくる、ハードウェアカラーマッチングにおける表示装置30の目標値を取得する目標値取得部211と、表示画面31に表示された画像を測色器100で読み取った結果である測定値を取得する測定値取得部212と、測定値取得部212が取得した測定値に基づいて予測値を演算する予測値演算部213と、目標値取得部211が取得した目標値と、測定値取得部212が取得した測定値と、予測値演算部213が演算した予測値とに基づいて、表示装置30における表示条件(設定値)を決定する表示条件決定部214とを有している。ここで、目標値、測定値および予測値は、それぞれが色温度に関する値(色温度値)と輝度に関する値(輝度値)とを含んでいる。すなわち、目標値は色温度目標値と輝度目標値とを含み、測定値は色温度測定値と輝度測定値とを含み、予測値は色温度予測値と輝度予測値とを含む。また、表示条件(設定値)も、色温度値と輝度値とを含むものとなっている。
【0022】
なお、本実施の形態では、目標値取得部211が目標値取得手段として、測定値取得部212が測定値取得手段として、予測値演算部213が予測手段として、表示条件決定部214が決定手段として、それぞれ機能している。また、色変換部23が色変換手段として機能している。
【0023】
図4は、本実施の形態で使用される表示装置30における表示設定の一覧を示した図である。この表示装置30では、画像を表示するにあたり、色温度および輝度の設定を連続的に変更できるわけではなく、それぞれを離散的に設定できるようになっている。ここで、本実施の形態では、色温度が5段階(低、低中、中、中高、高)に、輝度が3段階(暗、中、明)に、それぞれ設定できるようになっており、両者の組み合わせにより、合計で15通りの表示設定が可能となっている。そして、上記表示条件決定部214は、これら15通りの表示設定の中から、1つの表示設定を表示条件として選択するようになっている。
【0024】
なお、以下の説明においては、色温度「低」と輝度「暗」との組み合わせを第1設定Set1、色温度「低中」と輝度「暗」との組み合わせを第2設定Set2、色温度「中」と輝度「暗」との組み合わせを第3設定Set3、色温度「中高」と輝度「暗」との組み合わせを第4設定Set4、色温度「高」と輝度「暗」との組み合わせを第5設定Set5、とそれぞれ呼ぶことにする。また、色温度「低」と輝度「中」との組み合わせを第6設定Set6、色温度「低中」と輝度「中」との組み合わせを第7設定Set7、色温度「中」と輝度「中」との組み合わせを第8設定Set8、色温度「中高」と輝度「中」との組み合わせを第9設定Set9、色温度「高」と輝度「中」との組み合わせを第10設定Set10、とそれぞれ呼ぶことにする。さらに、色温度「低」と輝度「明」との組み合わせを第11設定Set11、色温度「低中」と輝度「明」との組み合わせを第12設定Set12、色温度「中」と輝度「明」との組み合わせを第13設定Set13、色温度「中高」と輝度「明」との組み合わせを第14設定Set14、色温度「高」と輝度「明」との組み合わせを第15設定Set15、とそれぞれ呼ぶことにする。
【0025】
ではここで、本実施の形態の画像表示システム10における表示装置30のカラーマッチング動作について、詳細に説明を行う。
【0026】
図5は、表示装置30のカラーマッチング動作における処理手順を示すフローチャートである。
この処理においては、まず、コンピュータ装置20の表示装置設定部21に設けられた目標値取得部211が、目標値(色温度目標値および輝度目標値)を取得する(ステップ101)。次に、コンピュータ装置20の表示装置設定部21に設けられた表示条件決定部214が、ステップ101で取得された目標値と入力装置40等を介して受け付けた指示とに基づいて、ハードウェアカラーマッチング動作における、表示装置30の測定条件を決定する(ステップ102)。なお、ステップ102では、図4に示す15個の表示設定のうちの複数(2個以上且つ15個以下)の設定が、測定条件として選択される。
【0027】
続いて、表示条件決定部214は、ステップ102で決定された複数の測定条件(表示設定)のうちの1つの測定条件を選択し、選択された1つの測定条件に、表示装置30の表示設定を変更させる(ステップ103)。そして、ステップ103において設定された測定条件(表示設定)にて、測色器100を用いて、表示装置30(表示画面31)のデバイス特性の測定を行う(ステップ104)。これにより、ステップ104では、測色器100により、1つの測定条件における測定値(色温度測定値および輝度測定値)の取得が行われ、測色器100が取得した測定値は、コンピュータ装置20の表示装置設定部21に設けられた測定値取得部212に出力される。
【0028】
そして、表示条件決定部214は、ステップ102で決定された全ての測定条件におけるデバイス特性の取得が完了したか否かを判断する(ステップ105)。ステップ105において否定の判断(NO)を行った場合、表示条件決定部214は、ステップ103へと戻り、他の測定条件におけるデバイス特性の取得を続行する。
【0029】
一方、ステップ105において肯定の判断(YES)を行った場合、表示条件決定部214は、入力装置40等を介して予測値を使用する指示を受け付けているか否かを判断する(ステップ106)。
【0030】
ステップ106において肯定の判断(YES)を行った場合、予測値演算部213は、図4に示す15個の表示設定のうち、ステップ102において測定条件として選択されなかった残りの表示設定を、予測条件として決定する(ステップ107)。そして、予測値演算部213は、上記ステップ104で取得された複数の測定値を用いて、各予測条件における表示装置30(表示画面31)のデバイス特性の予測を行い(ステップ108)、後述するステップ109へと進む。これにより、ステップ108では、各予測条件のそれぞれに対応する予測値(色温度予測値および輝度予測値)の演算が行われる。なお、ステップ106において否定の判断(NO)を行った場合は、予測値の演算を行うことなく、そのままステップ109へと進む。
【0031】
次に、表示条件決定部214は、入力装置40等を介して、ステップ101で取得した目標値における輝度目標値を修正する旨の指示を受け付けているか否かを判断する(ステップ109)。ステップ109において肯定の判断(YES)を行った場合、表示条件決定部214は、輝度目標値を修正する処理を実行し(ステップ110)、後述するステップ111へと進む。一方、ステップ109において否定の判断(NO)を行った場合は、輝度目標値を修正することなく、そのままステップ111へと進む。
【0032】
それから、表示条件決定部214は、ステップ101で取得された目標値(あるいは、ステップ110で修正された輝度目標値を含む目標値)と、ステップ104で取得された複数の測定値との差分を算出する(ステップ111)。なお、予測値を使用する場合、表示条件決定部214は、ステップ111において、ステップ101で取得された目標値(あるいは、ステップ110で修正された輝度目標値を含む目標値)と、ステップ108で取得された1または複数の予測値との差分も算出する。
【0033】
続いて、表示条件決定部214は、ステップ111で求められた複数の差分に対し、設定条件毎に差分の調整を行い(ステップ112)、複数の調整済差分を得る。そして、表示条件決定部214は、ステップ112で得られた複数の調整済差分のうち、大きさが最小となる調整済差分に対応する設定条件(第1設定Set1〜第15設定Set15のいずれか)を、表示装置30における表示条件として選択する(ステップ113)。
【0034】
そして、色変換プロファイル作成部22が、表示装置設定部21から取得した目標値、測定値(予測値)および表示条件に基づき、色変換部23で用いる色変換プロファイルを作成し(ステップ114)、カラーマッチング動作を完了する。
【0035】
なお、図5に示すカラーマッチング動作の処理手順において、ステップ101〜ステップ113がハードウェアカラーマッチング動作に対応しており、ステップ114がソフトウェアカラーマッチング動作に対応している。
【0036】
図6は、図5においてステップ110に示す輝度目標値修正処理における処理手順を示すフローチャートである。
この処理においては、まず、表示条件決定部214が、ステップ101で取得された目標値から白目標値を算出する(ステップ201)。次に、表示条件決定部214は、表示装置30の表示画面31に、RGB各色の階調がそれぞれ最大となる最大階調画像(白画像)を表示させる(ステップ202)。そして、ステップ202において表示された最大階調画像(白画像)について、測色器100を用いて、表示装置30(表示画面31)のデバイス特性の測定を行う(ステップ203)。これにより、ステップ203では、測色器100により、最大階調画像(白画像)を表示させたときの測定値(白測定値と呼ぶ)の取得が行われ、測色器100が取得した白測定値は、測定値取得部212に出力される。
【0037】
次に、表示条件決定部214は、ステップ201で算出された白目標値と、ステップ203で取得された白測定値との差分(白差分と呼ぶ)を算出する(ステップ204)。続いて、表示条件決定部214は、ステップ204で得られた白差分のうち、大きさが最小となる最小差分値に基づいて白測定値の調整を行い(ステップ205)、調整済白測定値を得る。そして、表示条件決定部214は、得られた調整済白測定値における第2調整済白測定値(詳細は後述する)を、修正輝度目標値に設定し(ステップ206)、この処理を完了する。
【0038】
では、上述したカラーマッチング動作(より具体的にはハードウェアカラーマッチング動作)における処理の内容について、具体例を挙げて説明する。なお、ここでは、ステップ101で取得される目標値Tにおいて、色温度目標値Ttは6500Kであり、輝度目標値Tbは100cd/mであるものとする。
【0039】
図7は、図5に示すステップ104において取得される測定値Mの一例を示す図である。この例では、ステップ104で得られる測定値Mが、色温度の測定値である色温度測定値Mtと、輝度の測定値である輝度測定値Mbとを含んでいる。そして、図7は、測定値Mと、測定値Mを測定した測定条件(表示設定)と、測定値Mにおける色温度測定値Mtおよび輝度測定値Mbとを対応付けたものとなっている。
【0040】
なお、ここでは、図4に示す15個の表示設定から、ステップ102において、9つの表示設定(第1設定Set1、第3設定Set3、第5設定Set5、第6設定Set6、第8設定Set8、第10設定Set10、第11設定Set11、第13設定Set13および第15設定Set15)が、測定条件として選択されているものとする。また、図7に示す例においては、測定値Mのうち、第1設定Set1にて得られるものを第1測定値M1、第3設定Set3にて得られるものを第2測定値M2、第5設定Set5にて得られるものを第3測定値M3、第6設定Set6にて得られるものを第4測定値M4、第8設定Set8にて得られるものを第5測定値M5、第10設定Set10にて得られるものを第6測定値M6、第11設定Set11にて得られるものを第7測定値M7、第13設定Set13にて得られるものを第8測定値M8、そして、第15設定Set15にて得られるものを第9測定値M9、とそれぞれ呼ぶことにする。また、第1測定値M1は第1色温度測定値Mt1と第1輝度測定値Mb1とを含み、第2測定値M2は第2色温度測定値Mt2と第2輝度測定値Mb2とを含み、第3測定値M3は第3色温度測定値Mt3と第3輝度測定値Mb3とを含み、第4測定値M4は第4色温度測定値Mt4と第4輝度測定値Mb4とを含み、第5測定値M5は第5色温度測定値Mt5と第5輝度測定値Mb5とを含み、第6測定値M6は第6色温度測定値Mt6と第6輝度測定値Mb6とを含み、第7測定値M7は第7色温度測定値Mt7と第7輝度測定値Mb7とを含み、第8測定値M8は第8色温度測定値Mt8と第8輝度測定値Mb8とを含み、第9測定値M9は第9色温度測定値Mt9と第9輝度測定値Mb9とを含んでいる。
【0041】
そして、第1測定値M1では、第1色温度測定値Mt1が4500Kであり、第1輝度測定値Mb1が70cd/mであるものとする。また、第2測定値M2では、第2色温度測定値Mt2が5500Kであり、第2輝度測定値Mb2が110cd/mであるものとする。さらに、第3測定値M3では、第3色温度測定値Mt3が8000Kであり、第3輝度測定値Mb3が130cd/mであるものとする。さらにまた、第4測定値M4では、第4色温度測定値Mt4が4800Kであり、第4輝度測定値Mb4が100cd/mであるものとする。また、第5測定値M5では、第5色温度測定値Mt5が6500Kであり、第5輝度測定値Mb5が120cd/mであるものとする。さらに、第6測定値M6では、第6色温度測定値Mt6が9000Kであり、第6輝度測定値Mb6が150cd/mであるものとする。さらにまた、第7測定値M7では、第7色温度測定値Mt7が5000Kであり、第7輝度測定値Mb7が170cd/mであるものとする。また、第8測定値M8では、第8色温度測定値Mt8が7000Kであり、第8輝度測定値Mb8が190cd/mであるものとする。さらに、第9測定値M9では、第9色温度測定値Mt9が10000Kであり、第9輝度測定値Mb9が200cd/mであるものとする。
【0042】
図8は、図5に示すステップ108において予測される予測値Pの一例を示す図である。この例では、ステップ108で得られる予測値Pが、色温度の予測値である色温度予測値Ptと、輝度の予測値である輝度予測値Pbとを含んでいる。そして、図8は、予測値Pと、予測値Pを予測した予測条件(表示設定)と、予測値Pにおける色温度予測値Ptおよび輝度予測値Pbとを対応付けたものとなっている。
【0043】
なお、ここでは、図4に示す15個の表示設定から、ステップ102において測定条件として選択されたものを除く6つの表示設定(第2設定Set2、第4設定Set4、第7設定Set7、第9設定Set9、第12設定Set12、第14設定Set14)が、予測条件として選択されているものとする。また、図8に示す例においては、予測値Pのうち、第2設定Set2にて得られるものを第1予測値P1、第4設定Set4にて得られるものを第2予測値P2、第7設定Set7にて得られるものを第3予測値P3、第9設定Set9にて得られるものを第4予測値P4、第12設定Set12にて得られるものを第5予測値P5、第14設定Set14にて得られるものを第6予測値P6、とそれぞれ呼ぶことにする。また、第1予測値P1は第1色温度予測値Pt1と第1輝度予測値Pb1とを含み、第2予測値P2は第2色温度予測値Pt2と第2輝度予測値Pb2とを含み、第3予測値P3は第3色温度予測値Pt3と第3輝度予測値Pb3とを含み、第4予測値P4は第4色温度予測値Pt4と第4輝度予測値Pb4とを含み、第5予測値P5は第5色温度予測値Pt5と第5輝度予測値Pb5とを含み、第6予測値P6は第6色温度予測値Pt6と第6輝度予測値Pb6とを含んでいる。
【0044】
そして、第1予測値P1では、第1色温度予測値Pt1が5000Kであり、第1輝度予測値Pb1が90cd/mであるものとする。また、第2予測値P2では、第2色温度予測値Pt2が6800Kであり、第2輝度予測値Pb2が125cd/mであるものとする。さらに、第3予測値P3では、第3色温度予測値Pt3が5500Kであり、第3輝度予測値Pb3が110cd/mであるものとする。さらにまた、第4予測値P4では、第4色温度予測値Pt4が7800Kであり、第4輝度予測値Pb4が135cd/mであるものとする。また、第5予測値P5では、第5色温度予測値Pt5が6000Kであり、第5輝度予測値Pb5が180cd/mであるものとする。さらにまた、第6予測値P6では、第6色温度予測値Pt6が8500Kであり、第6輝度予測値Pb6が195cd/mであるものとする。
【0045】
図9は、図5に示すステップ108における予測値の算出手法を説明するための図である。ここで、図9は、横軸を色温度(K)とし且つ縦軸を輝度(cd/m)としたときの、測定値M(第1測定値M1〜第9測定値M9)および予測値P(第1予測値P1〜第6予測値P6)の関係を示している。なお、図9には、参考のため、これら測定値Mおよび予測値Pに加えて、目標値Tも併せて示している。
【0046】
本実施の形態では、予測値Pを構成する第1予測値P1〜第6予測値P6を、測定値Mを構成する第1測定値M1〜第9測定値M9に基づいて予測している。例えば第1予測値P1および第2予測値P2は、図4に示す表示設定において輝度が「暗」となる点で共通する第1測定値M1、第2測定値M2および第3測定値M3を用い、公知の補間法(例えばラグランジュ補間やスプライン補間)にて演算を行うことで求めることができる。また、例えば第3予測値P3および第4予測値P4は、図4に示す表示設定において輝度が「中」となる点で共通する第4測定値M4、第5測定値M5および第6測定値M6を用い、上記補間法にて演算を行うことで求めることができる。さらに、例えば第5予測値P5および第6予測値P6は、図4に示す表示設定において輝度が「明」となる点で共通する第7測定値M7、第8測定値M8および第9測定値M9を用い、上記補間法にて演算を行うことで求めることができる。
【0047】
なお、図9からも明らかなように、この例においては、目標値Tを構成する色温度目標値Ttおよび輝度目標値Tbの両者の数値が一致する測定値Mあるいは予測値Pは存在しない。
【0048】
図10は、図5に示すステップ111における差分の算出およびステップ112における差分の調整を説明するための図である。ここで、図10は、測定条件(または予測条件)と、測定値M(または予測値P)と、色温度に関連する事項と、輝度に関連する事項と、調整済差分Daとを対応付けたものとなっている。また、図10において、色温度に関連する事項は、色温度目標値Ttと、色温度測定値Mt(または色温度予測値Pt)と、色温度目標値Ttおよび色温度測定値Mt(または色温度予測値Pt)の差である色温度差Dtと、色温度の大きさに基づいて決められた色温度重み係数Wtと、色温度差Dtに色温度重み係数Wtを乗じて得られる調整済色温度差Datとを有している。さらに、図10において、輝度に関連する事項は、輝度目標値Tbと、輝度測定値Mb(または輝度予測値Pb)と、輝度目標値Tbおよび輝度測定値Mb(または輝度予測値Pb)の差である輝度差Dbと、輝度の大きさに基づいて決められた輝度重み係数Wbと、輝度差Dbに輝度重み係数Wbを乗じて得られる調整済輝度差Dabとを有している。なお、上述した調整済差分Daは、調整済色温度差Datと調整済輝度差Dabとの和として表される。
【0049】
ここで、図11は、図10に示す色温度重み係数Wtおよび輝度重み係数Wbを説明するための図である。ここで、図11(a)は色温度重み係数Wtに関する図を、図11(b)は輝度重み係数Wbに関する図を、それぞれ示している。
【0050】
図11(a)において、横軸は色温度(K)であり、縦軸は色温度重み係数Wtである。この例においては、色温度の大きさが色温度目標値Tt(この例では6500K)のときに色温度重み係数Wtが0となり、色温度の大きさが色温度目標値Ttから上側または下側にずれるにしたがって、色温度重み係数Wtが一次関数的に増加するようになっている。
【0051】
一方、図11(b)において、横軸は輝度(cd/m)であり、縦軸は輝度重み係数Wbである。この例においては、輝度の大きさが輝度目標値Tb(この例では100cd/m)以上となるときに輝度重み係数Wbが1となり、輝度の大きさが輝度目標値Tbから下側にずれるにしたがって、輝度重み係数Wbが一次関数的に増加するようになっている。
【0052】
この例においては、図10に示したように、15通りの表示設定(9通りの測定条件および6通りの予測条件)のうち、第8設定Set8における調整済差分Daの値(=20)が、他の第1設定Set1〜第7設定Set7および第9設定Set9〜第15設定Set15における各調整済差分Daの値よりも小さくなっている。これにより、図5に示すステップ113では、上記第8設定Set8が設定条件として選択される。
【0053】
ここで、図9を参照すると、第8設定Set8において得られる第5測定値M5の大きさ(第5色温度測定値Mt5=6500K、第5輝度測定値Mb5=120Cd/m)は、目標値T(色温度目標値Tt=6500K、輝度目標値Tb=100Cd/m)に近いことがわかる。したがって、このような手法を用いて表示装置30における表示条件を決定することにより、表示装置30における表示条件を、目標値Tにより近づけることが可能となる。そして、表示装置30における表示条件を目標値Tにより近づけた状態で色変換プロファイルを作成することにより、色変換後の色信号における階調の潰れ等を抑制することができ、表示装置30における表示画面に、画像をより正しい色で表示させることが可能となる。
【0054】
ここで、本実施の形態では、色温度重み係数Wtについては、図11(a)に示したように色温度目標値Ttを中心として対称に設定する一方、輝度重み係数Wbについては、図11(b)に示したように輝度目標値Tbを中心として非対称に設定しているが、これは次の理由による。
【0055】
本実施の形態では、ハードウェアカラーマッチング動作を実行して表示装置30における表示条件を適切な状態に設定した後に、ソフトウェアカラーマッチング動作を実行してコンピュータ装置20における色変換プロファイルを作成する。ここで、色変換プロファイルの作成においては、設定された表示条件における色再現がより正確となるように、RGB各色の階調カーブの設定等が行われる。このとき、設定された表示条件と、要求されている目標値との乖離が大きくなってしまうほど、作成される色変換プロファイルに含まれる誤差が大きくなる。そして、この誤差が大きくなると、色変換プロファイルを用いて色変換された画像の階調性が劣化し、表示装置30に表示される画像の色が、目的としていた色からずれることになってしまう。
【0056】
ここで、色変換プロファイルの作成においては、表示装置30に表示される画像の輝度が、表示設定における輝度よりも低下する結果となることがある。このため、本実施の形態では、輝度目標値Tb未満となる輝度での輝度重み係数Wbの値を、輝度目標値Tb以上となる輝度での輝度重み係数Wbの値よりも大きくすることで、輝度目標値Tbよりも小さい輝度となる表示設定が、設定条件として選択されにくくなるようにしている。これを逆の観点からみれば、この例においては、輝度目標値Tb以上の輝度となる表示設定が、設定条件として選択されやすくなるようにしているともいえる。
【0057】
一方、色変換プロファイルの作成においては、表示装置30に表示される画像の色温度が、表示設定における色温度よりも低下したり増加したりすることは少ない。このため、本実施の形態では、色温度目標値Tt超および色温度目標値Tt未満となる色温度での色温度重み係数Wtの値を、色温度目標値Ttでの色温度重み係数Wtの値よりも大きくすることで、色温度目標値Ttよりも大きいあるいは小さい色温度となる表示設定が、設定条件として選択されにくくなるようにしている。
【0058】
図12は、図5に示すステップ110すなわち図6に示す輝度目標値修正処理の手順の一例を説明する図である。なお、図12において、図中左上部にはステップ201で算出される白目標値Twを、図中左下部にはステップ203で測定される白測定値Mwを、図中中央部にはステップ204で算出される白差分Dwを、図中右部にはステップ205で得られる調整済白測定値Maを、それぞれ示している。
【0059】
まず、ステップ201では、ステップ101で取得した目標値T(色温度目標値Ttおよび輝度目標値Tb)から、XYZ色空間への色変換を行って、白に関する目標値である白目標値Twを算出する。ここで、白目標値Twは、X成分である第1白目標値Xtと、Y成分である第2白目標値Ytと、Z成分である第3白目標値Ztとを含んでいる。なお、この例においては、Zt>Yt>Xtの関係を有しているものとする。
【0060】
続くステップ202およびステップ203では、表示装置30の表示画面31に、ステップ113(図5参照)にて選択された表示設定にて、(R,G,B)=(255,255,255)となる画像(白画像)を表示させ、表示された白画像を測色器100で読み取った結果に対し、XYZ色空間への色変換を行って、白測定値Mwを得る。ここで、白測定値Mwは、X成分である第1白測定値Xmと、Y成分である第2白測定値Ymと、Z成分である第3白測定値Zmとを含んでいる。なお、この例においては、Ym>Zm>Xmの関係を有しているものとする。
【0061】
そして、ステップ204では、白目標値Twと白測定値Mwとの差分となる白差分Dwが、X成分、Y成分およびZ成分のそれぞれについて求められる。なお、この例においては、白目標値Twおよび白測定値Mwが、Xm>Xt、Ym>Yt、Zm>Ztの関係を有しているものとする。したがって、この例においては、X成分の差分である第1白差分Xdの大きさがXd=Xm−Xt>0となり、Y成分の差分である第2白差分Ydの大きさがYd=Ym−Yt>0となり、Z成分の差分である第3白差分Zdの大きさがZd=Zm−Zm>0となる。すなわち、白差分Dwを構成する第1白差分Xd、第2白差分Ydおよび第3白差分Zdのすべてが、0を超える正の値となる。
【0062】
続くステップ205では、白目標値Twを構成する第1白目標値Xt、第2白目標値Ytおよび第3白目標値Ztのそれぞれから、白測定値Mwを構成する第1白測定値Xm、第2白測定値Ymおよび第3白測定値Zmの中で最小となる値を用いて減算を行うことで、調整済白測定値Maを得る。この例では、第3白測定値Zmが最小となっていることから、第1白目標値Xt、第2白目標値Ytおよび第3白目標値Ztのそれぞれから、第3白測定値Zmを減算することで、調整済白測定値Maとして、第1調整済白測定値Xa(=Xm−Zd)、第2調整済白測定値Ya(=Ym−Zd)および第3調整済白測定値Za(=Zm−Zd)を得る。
【0063】
そして、ステップ206では、得られた調整済白測定値Maにおける第2調整済白測定値Yaを、輝度目標値Tbに代わる修正済輝度目標値Tbcとし、輝度目標値修正処理を完了する。
【0064】
図13は、ステップ110における輝度目標値修正処理の手順の他の一例を説明するための図である。なお、図13において、図中左上部にはステップ201で算出される白目標値Twを、図中左下部にはステップ203で測定される白測定値Mwを、図中中央部にはステップ204で算出される白差分Dwを、図中右部にはステップ205で得られる調整済白測定値Maを、それぞれ示している。
【0065】
まず、ステップ201では、ステップ101で取得した目標値T(色温度目標値Ttおよび輝度目標値Tb)から、XYZ色空間への色変換を行って、白に関する目標値である白目標値Twを算出する。ここで、白目標値Twは、X成分である第1白目標値Xtと、Y成分である第2白目標値Ytと、Z成分である第3白目標値Ztとを含んでおり、Zt>Yt>Xtの関係を有している(図12と同じ)であるものとする。
【0066】
続くステップ202およびステップ203では、表示装置30の表示画面31に、ステップ113(図5参照)にて選択された表示設定にて、(R,G,B)=(255,255,255)となる画像(白画像)を表示させ、表示された白画像を測色器100で読み取った結果に対し、XYZ色空間への色変換を行って、白測定値Mwを得る。ここで、白測定値Mwは、X成分である第1白測定値Xmと、Y成分である第2白測定値Ymと、Z成分である第3白測定値Zmとを含んでおり、この例においては、Ym>Xm>Zmの関係を有している(図12と異なる)ものとする。
【0067】
そして、ステップ204では、白目標値Twと白測定値Mwとの差分となる白差分Dwが、X成分、Y成分およびZ成分のそれぞれについて求められる。なお、この例においては、白目標値Twおよび白測定値Mwが、Xm>Xt、Ym>Yt、Zm<Ztの関係を有しているものとする。したがって、この例においては、X成分の差分である第1白差分Xdの大きさがXd=Xm−Xt>0となり、Y成分の差分である第2白差分Ydの大きさがYd=Ym−Yt>0となる一方、Z成分の差分である第3白差分Zdの大きさがZd=Zt−Zm<0となる。すなわち、白差分Dwを構成する第1白差分Xd、第2白差分Ydおよび第3白差分Zdのうち、第1白差分Xdおよび第2白差分Ydは0を超える正の値となるものの、第3白差分Zdは0を超えない負の値となる。
【0068】
続くステップ205では、白差分Dwを構成する第1白差分Xd、第2白差分Ydおよび第3白差分Zdの中で最小となる値を用いて加算を行うことで、調整済白測定値Maを得る。この例では、第3白差分Zdが最小となっていることから、第1白目標値Xt、第2白目標値Ytおよび第3白目標値Ztのそれぞれに対し、第3白差分Zdを加算することで、調整済白測定値Maとして、第1調整済白測定値Xa(=Xm+Zd)、第2調整済白測定値Ya(=Ym+Zd)および第3調整済白測定値Za(=Zm+Zd)を得る。
【0069】
そして、ステップ206では、得られた調整済白測定値Maにおける第2調整済白測定値Yaを、輝度目標値Tbに代わる修正済輝度目標値Tbcとし、輝度目標値修正処理を完了する。
【0070】
なお、この例において、第2調整済白測定値Yaを、輝度目標値Tbに代わる修正済輝度目標値Tbcとしているのは、XYZ色空間におけるY成分が輝度を表すものとされていることによる。
【0071】
このように、図6に示す輝度目標値修正処理(輝度目標値Tbを修正済輝度目標値Tbcに置き換える処理)を実行した場合には、この修正済輝度目標値Tbcを用いて、表示条件を設定することになる。これにより、色変換プロファイルを作成する際に、色温度補正時における輝度低下を防止することができる。それゆえ、作成された色変換プロファイルを用いて色変換された画像の色を、より目的としていた色に近づけることが可能になる。
【0072】
なお、本実施の形態では、目標値、測定値、予測値および表示条件として、色温度と輝度とを用いる場合を例としたが、これに限られるものではなく、他の設定を用いてもかまわない。
また、本実施の形態では、図11に示したような条件にて色温度重み係数Wtおよび輝度重み係数Wbを決定していたが、これに限られるものではなく、その決定手法については変更してもかまわない。
【符号の説明】
【0073】
10…画像表示システム、20…コンピュータ装置、20a…CPU、20b…メインメモリ、20c…HDD、20d…通信I/F、21…表示装置設定部、22…色変換プロファイル作成部、23…色変換部、30…表示装置、31…表示画面、40…入力装置、100…測色器、211…目標値取得部、212…測定値取得部、213…予測値演算部、214…表示条件決定部
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8
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図10
図11
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