特許第6236942号(P6236942)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6236942配管接続構造、冷却システム、及び、電子機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6236942
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】配管接続構造、冷却システム、及び、電子機器
(51)【国際特許分類】
   F16L 21/00 20060101AFI20171120BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20171120BHJP
   F16L 21/02 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   F16L21/00 C
   H05K7/20 M
   F16L21/00 B
   F16L21/02 Z
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-144900(P2013-144900)
(22)【出願日】2013年7月10日
(65)【公開番号】特開2015-17653(P2015-17653A)
(43)【公開日】2015年1月29日
【審査請求日】2016年4月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】角田 洋介
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 真純
(72)【発明者】
【氏名】青木 亨匡
(72)【発明者】
【氏名】魏 杰
【審査官】 大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第06145895(US,A)
【文献】 実開昭59−144291(JP,U)
【文献】 国際公開第2009/034632(WO,A1)
【文献】 特開平03−263899(JP,A)
【文献】 特開2007−146882(JP,A)
【文献】 特開2009−072574(JP,A)
【文献】 特開2013−026526(JP,A)
【文献】 特開2006−049382(JP,A)
【文献】 実公平08−000797(JP,Y2)
【文献】 実開昭59−103987(JP,U)
【文献】 特公昭60−021275(JP,B2)
【文献】 特開2005−198782(JP,A)
【文献】 特開平06−050481(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L21/00−21/08
H05K7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管と、
伸縮性を有し、前記配管と接続されるチューブとを備え、
前記チューブは、前記配管が挿入されて嵌合される接続部と、前記接続部と連続する本体部とを有し、
前記配管が前記接続部に嵌合された状態では、前記接続部が拡径するように弾性変形することで前記本体部における前記接続部側に傾斜面が形成されて、前記本体部の内周面と前記配管の内周面との間に隙間が生じ、
前記本体部には、前記本体部の周方向に沿って環状に形成されると共に、前記本体部の軸方向における一端部から他端部に亘って形成され、且つ、前記接続部に前記配管が嵌合される前の状態において前記接続部の内周面に対して前記チューブの径方向内側に突出する凸部が形成され
前記チューブは、前記凸部の先端側における前記接続部側の角部から突出すると共に、前記凸部の周方向に沿って前記チューブの製造時に前記チューブの一部として環状に形成された隙間閉塞部をさらに有し、
前記隙間閉塞部は、前記本体部の内周面と前記配管の内周面との間の隙間に設けられている、
配管接続構造。
【請求項2】
前記本体部の内周面は、前記配管の内周面と面一状に並んでいる、
請求項1に記載の配管接続構造。
【請求項3】
前記隙間閉塞部の先端部は、前記配管における前記凸部側の端面に接している、
請求項1又は請求項2に記載の配管接続構造。
【請求項4】
それぞれ配管を有する第一ユニット及び第二ユニットと、
一対の前記配管を接続し、前記第一ユニットと前記第二ユニットとの間で冷媒を流通させるチューブとを備え、
前記チューブは、一対の前記配管が挿入されて嵌合される一対の接続部と、一対の前記接続部と連続する本体部とを有し、
前記配管が前記接続部に嵌合された状態では、前記接続部が拡径するように弾性変形することで前記本体部における前記接続部側に傾斜面が形成されて、前記本体部の内周面と前記配管の内周面との間に隙間が生じ、
前記本体部には、前記本体部の周方向に沿って環状に形成されると共に、前記本体部の軸方向における一端部から他端部に亘って形成され、且つ、前記接続部に前記配管が嵌合される前の状態において前記接続部の内周面に対して前記チューブの径方向内側に突出する凸部が形成され、
前記チューブは、前記凸部の先端側における前記接続部側の角部から突出すると共に、前記凸部の周方向に沿って前記チューブの製造時に前記チューブの一部として環状に形成された隙間閉塞部をさらに有し、
前記隙間閉塞部は、前記本体部の内周面と前記配管の内周面との間の隙間に設けられている、
冷却システム。
【請求項5】
発熱体と、
前記発熱体を冷却する冷却システムとを備え、
前記冷却システムは、
それぞれ配管を有する第一ユニット及び第二ユニットと、
一対の前記配管を接続し、前記第一ユニットと前記第二ユニットとの間で冷媒を流通させるチューブとを備え、
前記チューブは、一対の前記配管が挿入されて嵌合される一対の接続部と、一対の前記接続部と連続する本体部とを有し、
前記配管が前記接続部に嵌合された状態では、前記接続部が拡径するように弾性変形することで前記本体部における前記接続部側に傾斜面が形成されて、前記本体部の内周面と前記配管の内周面との間に隙間が生じ、
前記本体部には、前記本体部の周方向に沿って環状に形成されると共に、前記本体部の軸方向における一端部から他端部に亘って形成され、且つ、前記接続部に前記配管が嵌合される前の状態において前記接続部の内周面に対して前記チューブの径方向内側に突出する凸部が形成され、
前記チューブは、前記凸部の先端側における前記接続部側の角部から突出すると共に、前記凸部の周方向に沿って前記チューブの製造時に前記チューブの一部として環状に形成された隙間閉塞部をさらに有し、
前記隙間閉塞部は、前記本体部の内周面と前記配管の内周面との間の隙間に設けられている、
電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の開示する技術は、配管接続構造、冷却システム、及び、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、配管と、この配管が挿入されて嵌合されたチューブとを備えた配管接続構造が知られている。この配管接続構造では、配管及びチューブの内側を流体が流通される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭52−151351号公報
【特許文献2】特開2009−58120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような配管構造では、配管とチューブとの嵌合部分に流路の断面積が変化する領域があると、この領域で流体の圧力損失が生じる虞がある。
【0005】
そこで、本願の開示する技術は、一つの側面として、配管とチューブとの嵌合部分において流体の圧力損失が生じることを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願の開示する技術によれば、配管と、伸縮性を有し配管と接続されるチューブとを備えた配管接続構造が提供される。チューブは、配管が挿入されて嵌合される接続部と、接続部と連続する本体部とを有している。配管が接続部に嵌合された状態では、接続部が拡径するように弾性変形することで本体部における接続部側に傾斜面が形成されて、本体部の内周面と配管の内周面との間に隙間が生じる。本体部には、本体部の周方向に沿って環状に形成されると共に、本体部の軸方向における一端部から他端部に亘って形成され、且つ、接続部に配管が嵌合される前の状態において接続部の内周面に対してチューブの径方向内側に突出する凸部が形成され、前記チューブは、前記凸部の先端側における前記接続部側の角部から突出すると共に、前記凸部の周方向に沿って前記チューブの製造時に前記チューブの一部として環状に形成された隙間閉塞部をさらに有し、前記隙間閉塞部は、前記本体部の内周面と前記配管の内周面との間の隙間に設けられている。
【発明の効果】
【0007】
本願の開示する技術によれば、配管とチューブとの嵌合部分において流体の圧力損失が生じることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】冷却システムを備えた電子機器の斜視図である。
図2】配管接続構造の斜視図である。
図3】配管接続構造の縦断面図である。
図4】チューブの縦断面図である。
図5】配管接続構造の変形例を示す縦断面図である。
図6】チューブの変形例を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本願の開示する技術の一実施形態を説明する。
【0010】
図1に示される本実施形態に係る電子機器10は、一例として、サーバとされており、筐体12と、基板14と、冷却システム20とを備えている。基板14及び冷却システム20は、偏平箱型に形成された筐体12の内部に収容されている。基板14には、例えばCPU(Central Processing Unit)等の発熱体16が実装されている。
【0011】
冷却システム20は、発熱体16を冷却するためのものであり、一対の熱交換器22と、接続管24と、一対の冷却機構26とを有している。熱交換器22は、蛇行する冷却管28と、この冷却管28に形成された各U字形状部分の内側に設けられた複数のフィン30とを有している。冷却管28の出口部は、接続管24の入口部と接続されている。
【0012】
冷却機構26は、タンク32と、複数のポンプ34と、受熱板36とを有している。タンク32の入口部は、接続管24の出口部と接続されている。タンク32には、分配部と合流部とが形成されており、各ポンプ34の入口部は、タンク32の分配部と接続され、各ポンプ34の出口部は、タンク32の合流部と接続されている。タンク32の合流部には、タンク32の出口部が設けられており、このタンク32の出口部は、受熱板36の入口部と接続されている。受熱板36は、発熱体16と接続されており、この受熱板36の内部には、流体の一例である冷媒が流通する流路が形成されている。この場合の冷媒は、例えば、冷却水である。
【0013】
そして、この冷却システム20では、複数のポンプ34が作動すると、ポンプ34から吐出された冷媒が、タンク32の合流部を通って受熱板36の内部に供給される。また、受熱板36の内部に冷媒が供給されると、この冷媒によって発熱体16が冷却される。
【0014】
受熱板36の出口部は、図示しない配管部材を介して熱交換器22の入口部と接続されており、受熱板36の内部を流通し発熱体16と熱交換した冷媒は、上述の図示しない配管部材を通じて熱交換器22に戻される。また、熱交換器22に戻された冷媒は、外気と熱交換し冷却される。そして、熱交換器22にて冷却された冷媒は、接続管24を通じてタンク32に戻される。以上の要領で、冷媒が熱交換器22と受熱板36との間を循環することにより、発熱体16が継続して冷却される。
【0015】
また、上述の冷却システム20において、タンク32とポンプ34との接続と、タンク32と受熱板36との接続とには、本実施形態に係る配管接続構造40がそれぞれ適用されている。
【0016】
図2に示されるように、配管接続構造40は、一対の配管42と、一対の配管42を接続するチューブ44とを有している。この配管接続構造40は、一例として、その軸方向中央部を中心に対称に形成されている。一対の配管42は、それぞれ金属製の円筒体により形成されている。
【0017】
なお、図1に示されるタンク32の分配部とポンプ34の入口部との接続に適用された配管接続構造40の場合、一方の配管42は、タンク32の分配部に設けられ、他方の配管42は、ポンプ34の入口部に設けられる。また、ポンプ34の出口部とタンク32の合流部との接続に適用された配管接続構造40の場合、一方の配管42は、ポンプ34の出口部に設けられ、他方の配管42は、タンク32の合流部に設けられる。さらに、タンク32の出口部と受熱板36の入口部との接続に適用された配管接続構造40の場合、一方の配管42は、タンク32の出口部に設けられ、他方の配管42は、受熱板36の入口部に設けられる。
【0018】
図2図3に示されるチューブ44は、金属製の配管42よりも軟質な材料の一例として、ゴム製、又は、例えば塩化ビニール等の樹脂製とされている。このチューブ44の全体は、ゴム製又は樹脂製とされることにより、軸方向及び径方向に伸縮性を有すると共に、可撓性(フレキシブル性)を有している。
【0019】
チューブ44の軸方向における両端部には、一対の接続部46がそれぞれ形成されている。この一対の接続部46に一対の配管42が嵌合される前の状態では、図4に示されるように、チューブ44は、円管形状を成している。また、一対の配管42が一対の接続部46に嵌合される前の状態において、チューブ44の外形(外周面)は、チューブ44の軸方向における一端部から他端部に亘って一定の断面(円形断面)を有している。
【0020】
なお、本実施形態において、「一対の接続部46に一対の配管42が嵌合される前の状態」には、接続部46に配管42が初めて嵌合される前の状態に加え、接続部46に配管42が嵌合された後、接続部46に配管42が再び嵌合される前の状態も含まれる。
【0021】
チューブ44における一対の接続部46の間の部分は、チューブ44の本体部48(中間部)として形成されている。この本体部48は、一対の接続部46と連続して形成されている。この本体部48は、図3図4に示されるように、一対の接続部46の内周面46Aに対してチューブ44の径方向内側に突出する凸部50を有している。
【0022】
凸部50は、本体部48の軸方向における一端部から他端部に亘って形成されると共に、本体部48の周方向に沿って環状に形成されている。一対の配管42が一対の接続部46に嵌合される前の状態では、図4に示されるように、凸部50は、本体部48の軸方向における一端部から他端部に亘って一定の断面を有している。
【0023】
そして、図3に示されるように、一対の接続部46には、一対の配管42がそれぞれ挿入されて嵌合される。また、各配管42は、凸部50の基端部に当接するまで接続部46に挿入される。配管42が接続部46に嵌合された状態では、接続部46が拡径するように弾性変形される。
【0024】
また、各配管42が接続部46に嵌合された状態では、凸部50における配管42側の端面50A(側面)がチューブ44の軸方向端側且つ径方向外側に引っ張られる。そして、凸部50における配管42側の端面50Aは、チューブ44の軸方向端側に向かうに従ってチューブ44の径方向外側に向かうようにチューブ44の径方向に対して傾斜されている。
【0025】
また、上述のように一対の接続部46に一対の配管42が嵌合された状態において、本体部48の内周面48A(凸部50の先端面)は、一対の配管42の内周面42Aとそれぞれ面一状に並んでいる。つまり、本体部48の内周面48Aと、一対の配管42の内周面42Aとは、チューブ44の径方向における略同じ位置に位置されている。この配管接続構造40では、本体部48の内周面48Aが一対の配管42の内周面42Aと面一状に並ぶように、凸部50の高さ及びチューブ44の伸縮性等が設定されている。
【0026】
なお、図1に示されるタンク32とポンプ34との接続に適用された配管接続構造40の場合、タンク32及びポンプ34の一方は、第一ユニットの一例であり、タンク32及びポンプ34の他方は、第二ユニットの一例である。また、タンク32と受熱板36との接続に適用された配管接続構造40の場合、タンク32及び受熱板36の一方は、第一ユニットの一例であり、タンク32及び受熱板36の他方は、第二ユニットの一例である。この第一ユニットと第二ユニットとの間では、上述のチューブ44を通じて冷媒が流通される。
【0027】
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0028】
本実施形態に係る配管接続構造40によれば、図3に示されるように、チューブ44の本体部48には、一対の接続部46の内周面46Aに対してチューブ44の径方向内側に突出する凸部50が形成されている。この凸部50は、本体部48の周方向に沿って環状に形成されると共に、本体部48の軸方向における一端部から他端部に亘って形成されている。従って、一対の配管42が一対の接続部46にそれぞれ挿入されて嵌合された状態でも、本体部48の内周面48Aと一対の配管42の内周面42Aとの間の隙間52を凸部50によってそれぞれ小さくすることができる。
【0029】
つまり、仮に、図3の想像線Lで示されるように、本体部48から凸部50が省かれた場合、一対の配管42が一対の接続部46にそれぞれ嵌合された状態では、本体部48における接続部46側に傾斜面70Aがそれぞれ形成される。この傾斜面70Aは、凸部50における配管42側の端面50Aよりもチューブ44の径方向に対する傾斜角度が大きい。このため、本体部48から凸部50が省かれた場合、本体部48の内周面48Aと一対の配管42の内周面42Aとの間の隙間52が大きくなる。
【0030】
これに対し、本実施形態に係る配管接続構造40によれば、本体部48の内周側に凸部50が形成されたことにより、本体部48における接続部46側の傾斜面は、凸部50における配管42側の端面50Aとされる。これにより、本体部48に凸部50が形成された分、本体部48における接続部46側の傾斜面である端面50Aの傾斜角度を傾斜面70Aに比して小さくすることができる。従って、本体部48の内周面48Aと一対の配管42の内周面42Aとの間の隙間52をそれぞれ小さくすることができる。
【0031】
すなわち、図3の想像線Lで示されるように、本体部48から凸部50が省かれた場合、隙間52の幅はW2であるが、本実施形態では、隙間52の幅がW2よりも小さいW1となる。これにより、配管42とチューブ44との嵌合部分において、流路の断面積が変化する領域を小さくすることができるので、冷媒の圧力損失が生じることを抑制することができる。
【0032】
しかも、本体部48の内周面48Aは、一対の配管42の内周面42Aとそれぞれ面一状に並んでいる。従って、一対の配管42及びチューブ44によって形成された流路では、断面積の変化が小さいので、このことによっても、冷媒の圧力損失が生じることを抑制することができる。
【0033】
また、本体部48は、凸部50を有することにより、凸部50を有しない場合(図3の想像線L参照)に比して肉厚となっている。これにより、本体部48から冷媒が透過することを抑制することができる。これにより、冷却システム20への冷媒の追加の頻度を少なくすることができる。
【0034】
また、凸部50は、本体部48に形成されており、一対の接続部46には形成されていないので、一対の接続部46の薄さを維持することができる。これにより、一対の配管42が一対の接続部46に嵌合された場合でも、配管接続構造40の厚さ(径方向の寸法)が増加することを抑制することができる。
【0035】
しかも、一対の接続部46の内周面46Aに対してチューブ44の径方向内側に突出する凸部50を本体部48が有することにより、この凸部50がストッパの役割を果たすので、各接続部46への配管42の差し込み位置を規定することができる。従って、各配管42を接続部46に正規の差し込み量で挿し込むことができるので、チューブ44の捻じれ、圧縮、及び、引張等を抑制することができる。これにより、チューブ44の寿命を伸長させることができる。
【0036】
また、図1に示されるように、本実施形態に係る配管接続構造40を備えた冷却システム20によれば、冷媒を効率良く流通させることができるので、発熱体16に対する冷却性能を向上させることができる。
【0037】
また、本実施形態に係る冷却システム20を備えた電子機器10によれば、発熱体16の一例であるCPUが高温になることを抑制することができるので、CPUの動作を安定させることができる。
【0038】
次に、本実施形態の変形例について説明する。
【0039】
上記実施形態において、チューブ44は、次のように形成されていても良い。すなわち、図5図6に示される変形例では、チューブ44に一対の隙間閉塞部62が追加されている。一対の配管42が一対の接続部46に嵌合される前の状態において、各隙間閉塞部62は、図6に示されるように、凸部50の先端側における接続部46側の角部から突出すると共に、凸部50の周方向に沿って環状に形成されている。
【0040】
また、図5に示されるように、各配管42が接続部46に嵌合された状態において、各隙間閉塞部62は、本体部48の内周面48Aと配管42の内周面42Aとの間の隙間52に設けられている。さらに、各隙間閉塞部62の先端部は、配管42における凸部50側の端面42Bに接している。
【0041】
このように、チューブ44に一対の隙間閉塞部62が追加されていると、各隙間閉塞部62によって、本体部48の内周面48Aと配管42の内周面42Aとの間の隙間52を閉塞することができる。これにより、配管42及びチューブ44を流通する冷媒に圧力損失が生じることをより一層効果的に抑制することができる。
【0042】
特に、各隙間閉塞部62の先端部が配管42における凸部50側の端面42Bに接しており、この隙間閉塞部62によって、本体部48の内周面48Aと配管42の内周面42Aとが連続して繋がれている。従って、配管42及びチューブ44を通じて冷媒を円滑に流通させることができる。
【0043】
なお、上記実施形態において、配管接続構造40は、一対の接続部46を有していた。しかしながら、配管接続構造40は、一つの接続部46を有する構成とされていても良い。
【0044】
また、一対の配管42は、それぞれ金属製とされていた。しかしながら、一対の配管42は、チューブ44よりも硬質な材料であれば、樹脂など金属以外の材料で形成されていても良い。
【0045】
また、配管接続構造40は、一例として、軸方向中央部を中心に対称に形成されていた。しかしながら、配管接続構造40は、軸方向中央部を中心に非対称に形成されていても良い。つまり、一対の配管42は、互いに外径が異なっていても良い。また、一対の接続部46は、一対の配管42の外径の違いに対応して互いに内径が異なっていても良い。
【0046】
また、配管接続構造40は、冷却システムに適用されていたが、冷却システム以外に適用されても良い。また、冷却システム20は、電子機器に適用されていたが、電子機器以外に適用されても良い。
【0047】
また、電子機器10は、一例として、サーバとされていた。しかしながら、電子機器10は、例えば、デスクトップ型パーソナルコンピュータや、モバイル型パーソナルコンピュータなどサーバ以外のものとされていても良い。
【0048】
また、上記複数の変形例のうち組み合わせ可能な変形例は、適宜、組み合わされても良い。
【0049】
以上、本願の開示する技術の一実施形態について説明したが、本願の開示する技術は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
【0050】
なお、上述の本願の開示する技術の一態様に関し、更に以下の付記を開示する。
【0051】
(付記1)
配管と、
伸縮性を有し、前記配管と接続されたチューブとを備え、
前記チューブは、
前記配管が挿入されて嵌合された接続部と、前記接続部と連続する本体部とを有し、
前記本体部は、前記本体部の周方向に沿って環状に形成されると共に、前記本体部の軸方向における一端部から他端部に亘って形成され、且つ、前記接続部の内周面に対して前記チューブの径方向内側に突出する凸部を有する、
配管接続構造。
(付記2)
前記本体部の内周面は、前記配管の内周面と面一状に並んでいる、
付記1に記載の配管接続構造。
(付記3)
前記チューブは、前記凸部の先端側における前記接続部側の角部から突出すると共に、前記凸部の周方向に沿って環状に形成された隙間閉塞部をさらに有し、
前記隙間閉塞部は、前記本体部の内周面と前記配管の内周面との間の隙間に設けられている、
付記1又は付記2に記載の配管接続構造。
(付記4)
前記隙間閉塞部の先端部は、前記配管における前記凸部側の端面に接している、
付記1〜付記3のいずれか一項に記載の配管接続構造。
(付記5)
前記配管が前記接続部に嵌合される前の状態において、前記凸部は、前記本体部の軸方向における一端部から他端部に亘って一定の断面を有する、
付記1〜付記4のいずれか一項に記載の配管接続構造。
(付記6)
前記配管が前記接続部に嵌合される前の状態において、前記チューブの外形は、前記チューブの軸方向における一端部から他端部に亘って一定の断面を有する、
付記1〜付記5のいずれか一項に記載の配管接続構造。
(付記7)
前記チューブは、ゴム製又は樹脂製とされている、
付記1〜付記6のいずれか一項に記載の配管接続構造。
(付記8)
前記配管を一対備え、
前記チューブの軸方向における両端部には、前記接続部がそれぞれ形成されている、
付記1〜付記7のいずれか一項に記載の配管接続構造。
(付記9)
それぞれ配管を有する第一ユニット及び第二ユニットと、
一対の前記配管を接続し、前記第一ユニットと前記第二ユニットとの間で冷媒を流通させるチューブとを備え、
前記チューブは、
一対の前記配管がそれぞれ挿入されて嵌合された一対の接続部と、
一対の前記接続部の間に形成された本体部とを有し、
前記本体部は、前記本体部の周方向に沿って環状に形成されると共に、前記本体部の軸方向における一端部から他端部に亘って形成され、且つ、一対の前記接続部の内周面に対して前記チューブの径方向内側に突出する凸部を有する、
冷却システム。
(付記10)
発熱体と、
前記発熱体を冷却する冷却システムとを備え、
前記冷却システムは、
それぞれ配管を有する第一ユニット及び第二ユニットと、
一対の前記配管を接続し、前記第一ユニットと前記第二ユニットとの間で冷媒を流通させるチューブとを備え、
前記チューブは、
一対の前記配管がそれぞれ挿入されて嵌合された一対の接続部と、
一対の前記接続部の間に形成された本体部とを有し、
前記本体部は、前記本体部の周方向に沿って環状に形成されると共に、前記本体部の軸方向における一端部から他端部に亘って形成され、且つ、一対の前記接続部の内周面に対して前記チューブの径方向内側に突出する凸部を有する、
電子機器。
(付記11)
配管が挿入されて嵌合される接続部と、前記接続部と連続する本体部とを有すると共に、伸縮性を有するチューブであって、
前記本体部は、前記本体部の周方向に沿って環状に形成されると共に、前記本体部の軸方向における一端部から他端部に亘って形成され、且つ、前記接続部の内周面に対して前記チューブの径方向内側に突出する凸部を有するチューブ。
【符号の説明】
【0052】
10 電子機器
16 発熱体
20 冷却システム
32 タンク(第一ユニット又は第二ユニットの一例)
34 ポンプ(第一ユニット又は第二ユニットの一例)
36 受熱板(第一ユニット又は第二ユニットの一例)
40 配管接続構造
42 配管
42A 配管の内周面
42B 配管における凸部側の端面
44 チューブ
46 接続部
46A 接続部の内周面
48 本体部
48A 本体部の内周面
50 凸部
52 隙間
62 隙間閉塞部
図1
図2
図3
図4
図5
図6