(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、運転者に充電操作忘れを警告する場合、単に充電機への接続や充電状態を監視して警告が行われていた。このため、少しの時間だけ車両を離れたり、あるいは充電機が設置されていない場所に駐車して車両を離れても、警告が実施されてしまい、運転者にはその警告が煩わしかった。
【0006】
そこで、本発明は、充電が必要な場所であるにも関わらず充電を開始せずに車両から離れた場合に、充電操作忘れを運転者に通知することにより運転者の煩わしさを軽減させる携帯端末を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明において、通信判定部は、車載機に搭載され且つ充電開始情報を含む車両情報を車外に送信する車載通信装置と携帯端末内の直接通信装置との間で直接無線通信が成立している
か否かを判定する。運行管理部は、通信判定部により直接無線通信が成立していないと判定された場合に位置取得部で取得された車両の現在位置と運行計画格納部に格納された車両の運行計画とを比較する。通知部は、運行管理部の出力に基づき車両の現在位置が充電が必要である場所であるにも関わらず充電を開始しない場合に充電操作忘れを通知する。運行管理部は、車両の運転者が降車したかどうかを判断する。通信判定部は、運転者が降車したことを運行管理部が判断した時に、車載通信装置と直接通信装置との間で直接無線通信が成立している
か否かを判定する。運行管理部は、車両情報に含まれる車両内のバッテリの蓄電量と車両の現在位置から次の充電予定地点までの車両の消費電力とを比較し、比較結果により車両の現在位置から次の充電予定地点まで車両を走行できない場合、充電地点の位置情報に基づき、
降車した状態で、車両が到達可能な領域に充電地点が存在するか否かを判定する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、運行管理部は直接無線通信が成立していないと判定された場合に車両の現在位置と車両の運行計画とを比較し、通知部は車両の現在位置が充電が必要である場所であるにも関わらず充電を開始しない場合に充電操作忘れを通知する。これにより、運転者の煩わしさを軽減させることができる。運行管理部は、車両の運転者が降車したかどうかを判断する。通信判定部は、運転者が降車したことを運行管理部が判断した時に、車載通信装置と直接通信装置との間で直接無線通信が成立している
か否かを判定する。運行管理部は、車両情報に含まれる車両内のバッテリの蓄電量と車両の現在位置から次の充電予定地点までの車両の消費電力とを比較し、比較結果により車両の現在位置から次の充電予定地点まで車両を走行できない場合、充電地点の位置情報に基づき、
降車した状態で、車両が到達可能な領域に充電地点が存在するか否かを判定する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施の形態の携帯端末について図面を参照して説明する。
図1に本発明の第1の実施形態の携帯端末の構成を示す。
図2に第1の実施形態の携帯端末を含む電気自動車充電操作忘れ通知システムの構成を示す。
【0011】
電気自動車充電操作忘れ通知システムは、
図2に示すように、携帯端末1、電気自動車等の車両2、車両2に搭載された車載機3、充電機4、中継局を経由して携帯端末1と情報の送受信を行う管理センタ5を備えている。充電機4は、充電コネクタ4aを有し、充電コネクタ4aを介して車両2に接続して車両2内のバッテリを充電する。
【0012】
車載機3は、車両2に充電機4が接続されて充電操作が開始されているか否かの充電開始情報、充電状態情報、降車判別情報などの車両情報を例えばブルートゥース(Bluetooth(登録商標))により携帯端末1に送信する。ブルートゥースとは、携帯情報機器などで数m程度の機器間接続に使用される短距離無線通信技術である。
【0013】
充電状態情報は、車両2内のバッテリの現在の充電状態(SOC;State Of Charge)、充電終了時間などを含む情報からなる。降車判別情報としては、イグニッションスイッチの状態、変速機のポジション(パーキングモード)、ドアロックの状態を示す情報からなる。
【0014】
携帯端末1は、車両2の運転者が所有し、例えば、スマートフォンなどであり、車載機3から車両情報をブルートゥースにより受信し続ける。また、携帯端末1は、中継局を経由して、管理センタ5から車両2の運行計画情報を取得する。
【0015】
携帯端末1は、
図1に示すように、直接通信装置11と、位置取得部としてのナビゲーション装置12と、運行計画格納部13と、通信判定部14と、運行管理部15と、通知部16とを有している。
【0016】
直接通信装置11は、充電開始情報を含む車両情報を車外へ送信する
図4に示す車載機3内の車載通信装置31と直接無線通信を行なう。ナビゲーション装置12は、車両2及び携帯端末1の現在位置を取得するものであり、例えば、GPS(Global Positioning System)により位置取得機能を有する。
【0017】
なお、ブルートゥースによる無線通信は、数m程度の短距離無線通信であるので、ナビゲーション装置12による現在位置は、車両2及び携帯端末1の現在位置を表すものとする。
【0018】
運行計画格納部13は、中継局を経由して、管理センタ5から車両2の運行計画情報を取得し、車両2の運行計画情報を格納するものであり、例えば、ハードディスクや書き込み読み出し可能なメモリを有している。車両2の運行計画には、車両2の運行経路、運行時刻、車両2を充電する充電予定地点が指示されている。例えば、
図3に示すようなテーブルに、充電が必要である場所として、運航計画上充電が予定されている充電予定地点Bを格納している。
【0019】
通信判定部14は、
図4に示す車載通信装置31と直接通信装置11との間で直接無線通信が成立している否かを判定する。運行管理部15は、通信判定部14により直接無線通信が成立していないと判定された場合にナビゲーション装置12で取得された車両2の現在位置と運行計画格納部13に格納された車両の運行計画とを比較し、比較結果を通知部16に出力する。即ち、運行管理部15は、車両2の現在位置と運行計画格納部13に格納された充電予定地点とに基づき車両2が充電予定地点にいるか否かを判定する。
【0020】
通知部16は、運行管理部15の出力に基づき車両2の現在位置が充電が必要である場所であるにも関わらず充電を開始しない場合に充電操作忘れを運転者に通知し、例えば、表示器や警報ブザーなどである。即ち、通知部16は、車両2の現在位置が充電予定地点にある場合には、充電が開始されていない旨を表す充電操作忘れを運転者に通知する。
【0021】
なお、通信判定部14、運行管理部15は、CPU(中央処理装置)がメモリに記憶された充電操作忘れ処理プログラムを実行することにより実現される。
【0022】
車載機3は、
図4に示すように、車載通信装置31と、バッテリ電子制御ユニット(以下、バッテリECU32)を有する車両駆動用バッテリ33と、車両電子制御ユニット(以下、車両ECU34)とを有する。
【0023】
バッテリECU32は、車両駆動用バッテリ33の充電状態(SOC)や充電終了時間、充電開始時間などの車両情報を車両ECU34に出力する。車両ECU34は、バッテリECU32からの充電状態(SOC)や充電終了時間、充電開始時間、降車判別情報などの車両情報を車載通信装置31に出力する。車載通信装置31は、車両ECU34からの充電状態(SOC)や充電終了時間、充電開始情報、降車判別情報などの車両情報を携帯端末1に送信する。
【0024】
次にこのように構成された第1の実施形態の携帯端末の動作を
図5に示すフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
【0025】
まず、運行管理部15は、直接通信装置11を介して車載機3から降車を判別する降車判別情報を取得する(ステップS11)。
【0026】
次に、運行管理部15は、運転者が降車したかどうかを判定する(ステップS13)。即ち、運行管理部15は、降車判別情報を取得した場合には、運転者が降車したと判定する。
【0027】
次に、直接通信装置11は、車載機3から充電操作に関する情報、例えば、充電開始情報を取得する(ステップS15)。通信判定部14は、運行管理部15を介して、車載通信装置31と直接通信装置11との間で直接無線通信が成立している否かを判定する。具体的には、通信判定部14は、ブルートゥースリンクに繋がっているか否かを判定する(ステップS17)。
【0028】
運転者が車両2を降車し、車両2から離れていくと、運転者の有する携帯端末1が受信するブルートゥースの信号強度は次第に低下していく。最終的には車両2から一定の距離離れた位置において、ブルートゥースの無線リンクは切断される(ステップS17のNO)。
【0029】
次に、運行管理部15は、充電操作を行なったかどうかを判定する(ステップS19)。直接通信装置11から充電開始情報を入力しない場合、即ち、無線リンクが切断される間に、充電操作を行なったことを表す充電開始情報が携帯端末1に通知されていない場合、携帯端末1は、運転者が充電操作を行なわなかったことを認識する。
【0030】
即ち、充電操作忘れがあった場合には、運行計画格納部13は、管理センタ5から運行計画を取得し、運行計画の中から充電予定地点を取得し(ステップS21)、充電予定地点情報を運行管理部15に出力する。
【0031】
ナビゲーション装置12は、GPSにより車両2の現在位置を取得し(ステップS23)、取得された車両2の現在位置の情報を運行管理部15に出力する。
【0032】
次に、運行管理部15は、ナビゲーション装置12からの車両2の現在位置が運行計画格納部13からの充電予定地点かどうかを判定する(ステップS25)。車両2の現在位置が運行計画格納部13からの充電予定地点である場合には、通知部16は、充電操作忘れを音、バイブレータなどによる振動、表示部への表示により通知する(ステップS27)。
【0033】
このように、第1の実施形態の携帯端末によれば、通信判定部14は、車載機に搭載され且つ充電開始情報を含む車両情報を車外に送信する車載通信装置31と直接通信装置11との間で直接無線通信が成立している否かを判定する。運行管理部15は、通信判定部14により直接無線通信が成立していないと判定された場合にナビゲーション装置12で取得された車両2の現在位置と運行計画格納部13に格納された車両2の運行計画とを比較する。通知部16は、運行管理部15の出力に基づき車両2の現在位置が充電が必要である場所であるにも関わらず充電を開始しない場合に充電操作忘れを通知する。
【0034】
従って、充電が必要な場所であるにも関わらず充電を開始せずに車両2から離れた場合に、充電操作忘れを運転者に通知することにより運転者の煩わしさを軽減させることができる。また、運行計画上、充電することが予定されていた充電予定地点で車両2の充電を忘れずに実施することができる。
【0035】
また、TCU(Telematics Control Unit)の搭載が難しいLCV(Light Commercial Vehicle)や下位グレードの電気自動車においても、車両情報を利用した充電状態の運転者への通知が可能である。
【0036】
また、本発明は、ACC ONからACC OFFの遷移情報を用いて運転者が車両から離れたことを携帯端末が認識した後、車両との無線通信が途絶えるまでの間に携帯端末が充電開始情報を受信しない場合、充電操作忘れを運転者に通知する。これにより、運転者は充電コネクタの未接続や充電コネクタの誤接続などによる充電操作忘れを防止することができる。
【0037】
(第2の実施形態)
次に、
図6に示すフローチャートを参照しながら、第2の実施形態の携帯端末において行われる車両への充電操作忘れ通知処理を説明する。
図6に示すステップS11からステップS27までの処理は、
図5に示すそれらのステップと同じであるので、それらの説明は、省略する。
【0038】
ここでは、ステップS29からステップS35までの処理を説明する。まず、車両2が運行計画の経路を走行した場合、運行管理部15は、車両2の現在の位置から次の充電地点までの車両2の消費電力量と現在の蓄電量とを算出する(ステップS29)。車両2の消費電力量は、車両2の現在の位置から次の充電地点までの距離と単位距離に対する消費電力量との演算により求められる。バッテリの現在の蓄電量は、充電状態(SOC)の情報から求められる。
【0039】
次に、運行管理部15は、車両2の消費電力量がバッテリの現在の蓄電量よりも大きいかどうかを判定する(ステップS31)。運行管理部15は、車両2の消費電力量がバッテリの現在の蓄電量よりも大きい場合、即ち車両2の現在の位置から次の充電地点まで車両2の走行が不可能であると判定した場合、車両2が到達可能なエリアに充電地点があるか否かを判定する(ステップS33)。
【0040】
ここで、車両2が到達可能なエリアに充電地点があるか否かの位置情報は、予め管理センタ5から携帯端末1に送られて、運行管理部15に格納されているものとする。
【0041】
通知部16は、運行管理部15の判定結果に基づき、車両2が到達可能なエリアに充電地点がある場合には、到達可能な充電地点において、バッテリへの充電を行うことを促す(ステップS35)。
【0042】
走行環境の不測の変化、例えば、渋滞、工事、事故による迂回により走行距離が予定よりも嵩んだなどにより、現在位置から次の充電地点に到達できない場合に、到達可能な充電地点で充電を行うことを促すことができる。
【0043】
また、携帯端末1は、車載通信装置31から充電状態(SOC)、充電終了時間などの情報を受信できる。従って、降車して充電コネクタに車両2を接続した後、車両内のメーターなどを再度確認することなく、携帯端末1を確認することで充電終了時間を確認することができる。
【0044】
なお、上述の第1の実施の形態及び第2の実施形態の携帯端末は、本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。