特許第6237005号(P6237005)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6237005
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20171120BHJP
   B41J 29/46 20060101ALI20171120BHJP
   B41J 2/175 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   B41J29/38 Z
   B41J29/46 Z
   B41J2/175 175
   B41J2/175 119
【請求項の数】10
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2013-179754(P2013-179754)
(22)【出願日】2013年8月30日
(65)【公開番号】特開2015-47731(P2015-47731A)
(43)【公開日】2015年3月16日
【審査請求日】2016年8月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【弁理士】
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 一
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 泰
(72)【発明者】
【氏名】宮澤 誠
【審査官】 小宮山 文男
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−071471(JP,A)
【文献】 特開2012−006229(JP,A)
【文献】 特開2001−071469(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0160886(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
B41J 2/01−2/215
B41J 29/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷材容器の識別情報と各色のインク消費量情報とを記憶する記憶装置を有する複数色一体の印刷材容器を、装着可能な印刷装置であって、
前記印刷装置に装着されたことがある前記印刷材容器の識別情報と、前記印刷材容器の各色のインク消費量情報に基づく第1の使用情報とを記憶する第1の不揮発性メモリーと、
直前の前記印刷装置の電源オフ時又は印刷材容器の交換前において前記印刷装置に装着されていた印刷材容器の識別情報と各色のインク消費量情報とを記憶する第2の不揮発性メモリーと、
印刷処理の制御を行う印刷装置制御部と、
を含み、
前記印刷装置制御部は、
前記印刷装置に装着されている前記印刷材容器の前記記憶装置から読み出された各色のインク消費量情報に基づく印刷材容器側使用情報と、
前記印刷装置に装着されている前記印刷材容器の識別情報と同一の識別情報に対応付けられた前記第1の使用情報と、
を比較し、
前記印刷材容器側使用情報と前記第1の使用情報との関係が、予め設定された関係を満たさない場合には、前記印刷材容器の前記記憶装置のエラー処理を実行し、
前記印刷装置制御部は、
前記第2の不揮発性メモリーに記憶されている識別情報と現在装着されている前記印刷材容器の前記記憶装置から読み出された識別情報とが一致しない場合であって、且つ、前記第2の不揮発性メモリーに記憶された各色のインク消費量情報に基づく第2の使用情報が所定の条件を満たす場合には、前記第1の不揮発性メモリーに対して前記第2の不揮発性メモリーに記憶されている前記識別情報と前記第2の使用情報とを追加書き込みする処理を行うことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
請求項において、
前記印刷装置制御部は、
前記第2の不揮発性メモリーに記憶されている前記識別情報と同一の識別情報が前記第1の不揮発性メモリーに記憶されている場合には、前記第2の使用情報と前記第1の不揮発性メモリーに記憶されている前記同一の識別情報に対応付けられた前記第1の使用情報とを比較し、比較結果に基づいて、前記第1の不揮発性メモリーに対して前記第2の不揮発性メモリーに記憶されている前記識別情報と前記第2の使用情報とを追加書き込みするか否かを判断することを特徴とする印刷装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記第1の不揮発性メモリーは、前記第1の使用情報として、前記印刷材容器の各色のインク消費量情報のうちインク消費量が最も大きい色のインク消費量情報を記憶し、
前記第2の不揮発性メモリーに記憶された各色のインク消費量情報に基づく前記第2の使用情報は、前記各色のインク消費量情報のうちインク消費量が最も大きい色のインク消費量情報であることを特徴とする印刷装置。
【請求項4】
請求項1又は2において、
前記第1の不揮発性メモリーは、前記第1の使用情報として、前記印刷材容器の各色のインク消費量情報のうちインク消費量が最も小さい色のインク消費量情報を記憶し、
前記第2の不揮発性メモリーに記憶された各色のインク消費量情報に基づく前記第2の使用情報は、前記各色のインク消費量情報のうちインク消費量が最も小さい色のインク消費量情報であることを特徴とする印刷装置。
【請求項5】
請求項1又は2において、
前記第1の不揮発性メモリーは、前記第1の使用情報として、前記印刷材容器の各色のインク消費量の合計インク消費量についての情報を記憶し、
前記第2の不揮発性メモリーに記憶された各色のインク消費量情報に基づく前記第2の使用情報は、前記各色のインク消費量の前記合計インク消費量についての情報であることを特徴とする印刷装置。
【請求項6】
請求項1又は2において、
前記第1の不揮発性メモリーは、前記第1の使用情報として、前記印刷材容器の各色のインク消費量情報のうちインク消費量が最も大きい色の色情報と前記色のインク消費量情報とを記憶し、
前記第2の不揮発性メモリーに記憶された各色のインク消費量情報に基づく前記第2の使用情報は、前記第1の不揮発性メモリーに記憶された前記色情報の色に対応するインク消費量情報であることを特徴とする印刷装置。
【請求項7】
請求項1乃至のいずれかにおいて、
前記印刷装置制御部は、
印刷動作の開始前、又は省電力モードからの復帰時、又は前記印刷材容器の交換後に、前記印刷材容器の前記記憶装置の前記エラー処理を行うことを特徴とする印刷装置。
【請求項8】
請求項1乃至のいずれかにおいて、
前記印刷装置制御部は、
前記印刷材容器側使用情報に基づくインク消費量が前記第1の使用情報に基づくインク消費量よりも小さい場合には、前記印刷材容器側使用情報と前記第1の使用情報との関係が、予め設定された関係を満たさないと判断して、前記記憶装置の前記エラー処理を実行することを特徴とする印刷装置。
【請求項9】
請求項において、
前記印刷装置制御部は、
前記印刷材容器側使用情報と前記第2の不揮発性メモリーに記憶された各色のインク消費量情報に基づく前記第2の使用情報とを比較し、前記印刷材容器側使用情報に基づくインク消費量が前記第2の使用情報に基づくインク消費量よりも小さい場合には、前記記憶装置の前記エラー処理を実行することを特徴とする印刷装置。
【請求項10】
印刷材容器の識別情報と各色のインク消費量情報とを記憶する記憶装置を有する複数色一体の印刷材容器を、装着可能な印刷装置であって、
前記印刷装置に装着されたことがある前記印刷材容器の識別情報と、前記印刷材容器の各色のインク消費量情報に基づく第1の使用情報とを記憶する第1の不揮発性メモリーと、
印刷処理の制御を行う印刷装置制御部と、
を含み、
前記印刷装置制御部は、
前記印刷装置に装着されている前記印刷材容器の前記記憶装置から読み出された各色のインク消費量情報に基づく印刷材容器側使用情報と、
前記印刷装置に装着されている前記印刷材容器の識別情報と同一の識別情報に対応付けられた前記第1の使用情報と、
を比較し、
前記印刷材容器側使用情報と前記第1の使用情報との関係が、予め設定された関係を満たさない場合には、前記印刷材容器の前記記憶装置のエラー処理を実行し、
前記印刷装置制御部は、
前記第1の不揮発性メモリーに対して前記識別情報と前記第1の使用情報とを書き込む頻度よりも高い頻度で、前記印刷材容器の前記記憶装置に対して各色のインク消費量情報を更新する書き込みを行うことを特徴とする印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、印刷装置の印刷材容器(カートリッジ)として、インクに関する情報(例えばインク消費量)や印刷材容器の識別情報などを記憶する記憶装置を搭載したものが利用されている。しかし、印刷材容器の記憶装置にメモリーエラーが発生すると、印刷装置が印刷材容器に関する処理(例えばインク消費量の算出や、印刷材容器交換の要否の判定)を正しく行えない可能性がある。
【0003】
この課題に対して例えば特許文献1には、印刷材容器の記憶装置を含む回路に不具合が発生した場合に適切な対策を取ることを可能にし、また、印刷材容器の記憶装置に格納されている識別情報を利用して、新規な印刷材容器が装着されたか否かを正確に判定する手法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−6229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながらこの手法では、複数色一体型の印刷材容器を用いる印刷装置では効率的なエラーチェックが難しいなどの課題がある。本発明の幾つかの態様によれば、複数色一体の印刷材容器を装着可能であって、印刷材容器が有する記憶装置の効率的なエラー処理をすることができる印刷装置等を提供できる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、印刷材容器の識別情報と各色のインク消費量情報とを記憶する記憶装置を有する複数色一体の印刷材容器を、装着可能な印刷装置であって、前記印刷装置に装着されたことがある前記印刷材容器の識別情報と、前記印刷材容器の各色のインク消費量情報に基づく第1の使用情報とを記憶する第1の不揮発性メモリーと、印刷処理の制御を行う印刷装置制御部と、を含み、前記印刷装置制御部は、前記印刷装置に装着されている前記印刷材容器の前記記憶装置から読み出された各色のインク消費量情報に基づく印刷材容器側使用情報と、前記印刷装置に装着されている前記印刷材容器の識別情報と同一の識別情報に対応付けられた前記第1の使用情報と、を比較し、前記印刷材容器側使用情報と前記第1の使用情報との関係が、予め設定された関係を満たさない場合には、前記印刷材容器の前記記憶装置のエラー処理を実行する印刷装置に関係する。
【0007】
本発明の一態様によれば、複数色一体の印刷材容器を装着することができるから、印刷材容器を小型化することができ、その結果コンパクトで持ち運びができる印刷装置を実現することなどが可能になる。また、印刷材容器側使用情報と第1の使用情報との関係が予め設定された関係を満たさない場合には、印刷材容器の記憶装置のエラー処理を実行することができるから、記憶装置のエラーを確実に検出して対処することができる。その結果、印刷処理の信頼性を高めることなどが可能になる。
【0008】
また本発明の一態様では、第2の不揮発性メモリーをさらに含み、前記第2の不揮発性メモリーは、直前の前記印刷装置の電源オフ時又は印刷材容器の交換前において前記印刷装置に装着されていた印刷材容器の識別情報と各色のインク消費量情報とを記憶し、前記印刷装置制御部は、前記第2の不揮発性メモリーに記憶されている識別情報と現在装着されている前記印刷材容器の前記記憶装置から読み出された識別情報とが一致しない場合であって、且つ、前記第2の不揮発性メモリーに記憶された各色のインク消費量情報に基づく第2の使用情報が所定の条件を満たす場合には、前記第1の不揮発性メモリーに対して前記第2の不揮発性メモリーに記憶されている前記識別情報と前記第2の使用情報とを追加書き込みする処理を行ってもよい。
【0009】
このようにすれば、第2の使用情報が所定の条件を満たす場合に限って、第1の不揮発性メモリーに対して識別情報と第2の使用情報とを追加書き込みする処理を行うことができるから、第1の不揮発性メモリーに記憶する情報量を低減することができる。
【0010】
また本発明の一態様では、前記印刷装置制御部は、前記第2の不揮発性メモリーに記憶されている前記識別情報と同一の識別情報が前記第1の不揮発性メモリーに記憶されている場合には、前記第2の使用情報と前記第1の不揮発性メモリーに記憶されている前記同一の識別情報に対応付けられた前記第1の使用情報とを比較し、比較結果に基づいて、前記第1の不揮発性メモリーに対して前記第2の不揮発性メモリーに記憶されている前記識別情報と前記第2の使用情報とを追加書き込みするか否かを判断してもよい。
【0011】
このようにすれば、第1の不揮発性メモリーに記憶する情報量をさらに低減することができるから、第1の不揮発性メモリーの記憶容量を低減することができ、その結果コストを低減することなどが可能になる。
【0012】
また本発明の一態様では、前記第1の不揮発性メモリーは、前記第1の使用情報として、前記印刷材容器の各色のインク消費量情報のうちインク消費量が最も大きい色のインク消費量情報を記憶し、前記第2の不揮発性メモリーに記憶された各色のインク消費量情報に基づく前記第2の使用情報は、前記各色のインク消費量情報のうちインク消費量が最も大きい色のインク消費量情報であってもよい。
【0013】
このようにすれば、第1の不揮発性メモリーに記憶される情報量をさらに少なくすることができる。
【0014】
また本発明の一態様では、前記第1の不揮発性メモリーは、前記第1の使用情報として、前記印刷材容器の各色のインク消費量情報のうちインク消費量が最も小さい色のインク消費量情報を記憶し、前記第2の不揮発性メモリーに記憶された各色のインク消費量情報に基づく前記第2の使用情報は、前記各色のインク消費量情報のうちインク消費量が最も小さい色のインク消費量情報であってもよい。
【0015】
このようにすれば、第1の不揮発性メモリーに記憶される情報量をさらに少なくすることができる。
【0016】
また本発明の一態様では、前記第1の不揮発性メモリーは、前記第1の使用情報として、前記印刷材容器の各色のインク消費量の合計インク消費量についての情報を記憶し、前記第2の不揮発性メモリーに記憶された各色のインク消費量情報に基づく前記第2の使用情報は、前記各色のインク消費量の前記合計インク消費量についての情報であってもよい。
【0017】
このようにすれば、第1の不揮発性メモリーに記憶される情報量をさらに少なくすることができる。
【0018】
また本発明の一態様では、前記第1の不揮発性メモリーは、前記第1の使用情報として、前記印刷材容器の各色のインク消費量情報のうちインク消費量が最も大きい色の色情報と前記色のインク消費量情報とを記憶し、前記第2の不揮発性メモリーに記憶された各色のインク消費量情報に基づく前記第2の使用情報は、前記第1の不揮発性メモリーに記憶された前記色情報の色に対応するインク消費量情報であってもよい。
【0019】
このようにすれば、第1の不揮発性メモリーに記憶される情報量をさらに少なくすることができる。
【0020】
また本発明の一態様では、前記印刷装置制御部は、印刷動作の開始前、又は省電力モードからの復帰時、又は前記印刷材容器の交換後に、前記印刷材容器の前記記憶装置の前記エラー処理を行ってもよい。
【0021】
このようにすれば、印刷動作の開始前、又は省電力モードからの復帰時、又は前記印刷材容器の交換後に、記憶装置のエラー処理を実行することができるから、印刷処理の信頼性を高めることなどが可能になる。また、併せて第1の不揮発性メモリーに対する追加書き込み処理を実行することもできる。
【0022】
また本発明の一態様では、前記印刷装置制御部は、前記印刷材容器側使用情報に基づくインク消費量が前記第1の使用情報に基づくインク消費量よりも小さい場合には、前記印刷材容器側使用情報と前記第1の使用情報との関係が、予め設定された関係を満たさないと判断して、前記記憶装置の前記エラー処理を実行してもよい。
【0023】
このようにすれば、記憶装置に記憶されたインク消費量情報のエラーを確実に検出することができる。
【0024】
また本発明の一態様では、前記印刷装置制御部は、前記印刷材容器側使用情報と前記第2の不揮発性メモリーに記憶された各色のインク消費量情報に基づく前記第2の使用情報とを比較し、前記印刷材容器側使用情報に基づくインク消費量が前記第2の使用情報に基づくインク消費量よりも小さい場合には、前記記憶装置の前記エラー処理を実行してもよい。
【0025】
このようにすれば、記憶装置に記憶されたインク消費量情報のエラーをさらに確実に検出することができる。
【0026】
また本発明の一態様では、前記印刷装置制御部は、前記第1の不揮発性メモリーに対して前記識別情報と前記使用情報とを書き込む頻度よりも高い頻度で、前記印刷材容器の前記記憶装置に対して各色のインク消費量情報を更新する書き込みを行ってもよい。
【0027】
このようにすれば、第1の不揮発性メモリーに対する識別情報と使用情報との書き込みの頻度を低減させることができるから、第1の不揮発性メモリーに記憶される情報量をさらに少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】印刷装置の基本的な構成例。
図2図2(A)〜図2(D)は、印刷装置の第1〜第4の構成例における使用情報を説明する図。
図3】印刷装置の具体的な構成例。
図4】キャリッジ及び印刷材容器の詳細な構成例。
図5】キャリッジ及び印刷材容器の詳細な構成例。
図6】キャリッジの詳細な構成例。
図7】使用履歴リストの更新処理及び印刷材容器のエラー検出処理のフローチャートの一例。
図8】印刷材容器チェック処理の詳細なフローチャートの一例。
図9】使用履歴リスト更新処理の詳細なフローチャートの一例。
図10】記憶装置のエラー判定処理の詳細なフローチャートの一例。
図11】インク消費量記録の更新処理の詳細なフローチャートの一例。
図12図12(A)、図12(B)、図12(C)は、初期状態から使用を開始して印刷材容器を交換した場合の使用履歴リストの更新処理を説明する図。
図13図13(A)、図13(B)、図13(C)は、印刷材容器を再装着した場合の使用履歴リストの更新処理を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
【0030】
1.印刷装置
図1に本実施形態の印刷装置100の基本的な構成例を示す。本実施形態の印刷装置100は、印刷装置制御部110、第1の不揮発性メモリー120及び第2の不揮発性メモリー130を含む。なお、本実施形態の印刷装置100は図1の構成に限定されず、その構成要素の一部を省略したり、他の構成要素に置き換えたり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
【0031】
印刷装置100は、複数色一体の印刷材容器を装着可能な印刷装置である。例えば図1に示す印刷装置100は、単色の印刷材容器210及び複数色一体の印刷材容器220を装着することができる。単色の印刷材容器210は、例えばブラック(Bk)のインクを収容する。複数色一体の印刷材容器220は、例えばシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の3色のインクを収容する。単色の印刷材容器210、複数色一体の印刷材容器220は、各々、収容するインクが消費された場合に、交換可能な消耗品である。以下では印刷材容器を「インク印刷材容器」又は単に「印刷材容器」とも呼ぶ。
【0032】
印刷材容器210、220は、印刷材容器の識別情報IDCと各色のインク消費量情報WCとを記憶する記憶装置310、320をそれぞれ有する。例えば、単色の印刷材容器210の記憶装置310は、印刷材容器210の識別情報IDC(Bk)とブラック(Bk)のインクのインク消費量情報とを記憶する。また、複数色一体の印刷材容器220の記憶装置320は、印刷材容器220の識別情報IDC(CL)とシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色のインクのインク消費量情報WC(C)、WC(M)、WC(Y)とを記憶する。記憶装置310、320は、フラッシュメモリー、EEPROMなどの不揮発性メモリーにより構成することができる。
【0033】
識別情報IDCは、印刷材容器を一意的に識別できるユニークな情報(ユニークID)である。インク消費量情報WCは、印刷材容器に収容されているインクの消費量に関する情報であって、例えば未使用の印刷材容器の場合には0%、印刷材容器に収容されているインクを使い切った場合には100%となる相対値で表す。
【0034】
印刷装置制御部110は、キャリッジの制御や印刷ヘッドの制御など印刷処理に必要な制御を行う。また、印刷装置制御部110は、印刷処理や印刷ヘッドのクリーニング処理で消費される各色のインク量をカウントし、カウントされたインク消費量に基づいて各印刷材容器210、220の記憶装置310、320にインク消費量情報WCを書き込む処理を行う。また、印刷装置制御部110は、第1の不揮発性メモリー120に格納される使用履歴リストに対して印刷材容器の識別情報と使用情報とを書き込む処理を行い、第2の不揮発性メモリー130に対して印刷材容器の識別情報と各色のインク消費量情報とを書き込む処理を行う。さらに印刷材容器210、220の記憶装置310、320のエラー処理を行う。第1、第2の不揮発性メモリー120、130に対する書き込み処理及び記憶装置310、320のエラー処理の詳細については、後述する。
【0035】
第1の不揮発性メモリー120は、例えばフラッシュメモリーなどの不揮発性メモリーであって、印刷材容器の使用履歴リストを記憶する。使用履歴リストは、印刷装置100に装着されたことがある印刷材容器の識別情報IDA1〜IDAn(nは自然数)と識別情報に対応する使用情報UA1〜UAn(第1の使用情報)とを含む。新たな識別情報と使用情報とが書き込まれる際には、上書きされるのではなく、前回に書き込まれたアドレスの次のアドレスに書き込まれる。使用情報の詳細については後述する。
【0036】
使用履歴リストをEEPROMではなくフラッシュメモリーに記憶する理由は、フラッシュメモリーの方が安価だからである。但し、フラッシュメモリー以外の他の種類の不揮発性メモリーに使用履歴リストを記憶してもよい。
【0037】
第2の不揮発性メモリー130は、例えばEEPROMなどの不揮発性メモリーであって、直前の印刷装置100の電源オフ時又は印刷材容器の交換前において印刷装置100に装着されていた印刷材容器の識別情報IDBと各色のインク消費量情報WBとを記憶する。また、第2の不揮発性メモリー130は、使用履歴リストの書き込み開始アドレスをさらに記憶してもよい。
【0038】
図2(A)〜図2(D)は、本実施形態の印刷装置100の第1〜第4の構成例における使用情報を説明する図である。第1の不揮発性メモリー120に格納される使用履歴リストには、印刷装置100に装着されたことがある印刷材容器の識別情報とその識別情報に対応する使用情報が書き込まれる。この使用情報は、印刷装置制御部110により、印刷材容器の各色のインク消費量情報に基づいて特定される。なお、以下では例としてシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の3色一体型の印刷材容器について説明する。
【0039】
第1の構成例では、印刷材容器の各色のインク消費量情報のうちインク消費量が最も大きい色のインク消費量情報を使用情報とする。例えば図2(A)に示すように、(1)の場合、即ちC、M、Yのインク消費量が30%、20%、15%である場合には、最もインク消費量が大きいCの消費量30%を使用情報とする。また、(2)の場合、即ちC、M、Yのインク消費量が5%、15%、10%である場合には、最もインク消費量が大きいMの消費量15%を使用情報とする。また、(3)の場合、即ちC、M、Yのインク消費量が60%、50%、70%である場合には、最もインク消費量が大きいYの消費量70%を使用情報とする。
【0040】
第2の構成例では、印刷材容器の各色のインク消費量情報のうちインク消費量が最も小さい色のインク消費量情報を使用情報とする。例えば図2(B)に示すように、(1)の場合には最もインク消費量が小さいYの消費量15%を使用情報とする。また、(2)の場合には最もインク消費量が小さいCの消費量5%を使用情報とする。また、(3)の場合には最もインク消費量が小さいMの消費量50%を使用情報とする。
【0041】
第3の構成例では、印刷材容器の各色のインク消費量の合計インク消費量を使用情報とする。例えば図2(C)に示すように、(1)の場合には合計インク消費量65%を使用情報とする。また、(2)の場合には合計インク消費量30%を使用情報とする。また、(3)の場合には合計インク消費量180%を使用情報とする。
【0042】
第4の構成例では、印刷材容器の各色のインク消費量情報のうちインク消費量が最も大きい色の色情報とその色のインク消費量情報とを使用情報とする。例えば図2(D)に示すように、(1)の場合には最もインク消費量が大きいCの色情報と消費量30%とを使用情報とする。また、(2)の場合には最もインク消費量が大きいMの色情報と消費量15%とを使用情報とする。また、(3)の場合には最もインク消費量が大きいYの色情報と消費量70%とを使用情報とする。
【0043】
このように本実施形態の印刷装置100によれば、使用履歴リストに各色のインク消費量を書き込むのではなく、例えばインク消費量が最も大きい色のインク消費量情報だけを使用情報として書き込むことができる。こうすることで、書き込まれる情報量を少なくすることができるから、フラッシュメモリー(第1の不揮発性メモリー)の記憶容量を低減させることができる。
【0044】
後述するように、印刷装置制御部110は、印刷材容器側使用情報と使用履歴リストに書き込まれた使用情報(第1の使用情報)との関係が予め設定された関係を満たさない場合に、印刷材容器の記憶装置のエラー処理を実行する。この際に使用履歴リストの使用情報と比較される印刷材容器側使用情報は、図2(A)〜図2(D)で示したように、印刷材容器の記憶装置から読み出された各色のインク消費量情報に基づいて特定される。
【0045】
さらに印刷装置制御部110は、印刷材容器側使用情報と第2の不揮発性メモリーに記憶された各色のインク消費量情報に基づく使用情報(第2の使用情報)とを比較して印刷材容器の記憶装置のエラー処理を実行する。この使用情報も、図2(A)〜図2(D)で示したように、第2の不揮発性メモリーから読み出された各色のインク消費量情報に基づいて特定される。
【0046】
図3に、本実施形態の印刷装置100の具体的な構成例を示す。印刷装置100は、搬送ローラー23とキャリッジ25とを有している。また、印刷装置100は、媒体搬送機構(図示せず)とキャリッジ搬送機構(図示せず)とを有している。媒体搬送機構は、モーター(図示せず)からの動力によって搬送ローラー23を駆動することによって、記録媒体PをY軸方向に沿って搬送する。キャリッジ搬送機構は、モーター(図示せず)からの動力をタイミングベルト27を介してキャリッジ25に伝達することによって、キャリッジ25をX軸方向に沿って搬送する。
【0047】
キャリッジ25は、キャリッジ搬送機構によって、X軸方向に沿って、第1待機位置29Aと第2待機位置29Bとの間を往復移動することができる。本実施形態では、第1待機位置29Aと第2待機位置29Bとの間が、キャリッジ25の可動領域である。
【0048】
図4図5に、キャリッジ25及び印刷材容器210、220の詳細な構成例を示す。また、図6に、キャリッジ25の詳細な構成例を示す。
【0049】
キャリッジ25は、ホルダー31を有している。ホルダー31には、印刷材容器210、220が搭載される。印刷材容器210、220は、ホルダー31に対して着脱可能に搭載されるように構成されている。印刷材容器210には、ブラックのインクが収容されている。印刷材容器220は3色一体型の印刷材容器であって、イエロー、マゼンタ、及びシアンの3種類のインクが収容されている。
【0050】
ホルダー31には、Z軸方向において印刷材容器210、220側とは反対側に、印刷ヘッド41が設けられている。つまり、キャリッジ25に印刷ヘッド41が搭載されている。印刷ヘッド41には、各印刷材容器210、220からインクが供給される。印刷ヘッド41は、印刷材容器210、220から供給されたインクをノズル(図示せず)からインク滴として吐出する。
【0051】
上述したように、印刷ヘッド41は、キャリッジ25に搭載されている。このため、印刷ヘッド41は、キャリッジ搬送機構によって、キャリッジ25を介してX軸方向に搬送され得る。媒体搬送機構及びキャリッジ搬送機構によって、記録媒体Pに対する印刷ヘッド41の相対位置を変化させながら、印刷ヘッド41からインク滴を吐出することによって記録媒体Pに印刷が施される。
【0052】
なお、印刷装置100では、印刷ヘッド41がキャリッジ25を介して搬送される方向がX軸方向であり、記録媒体Pが搬送される方向がY軸方向であると定義される。そして、X軸方向及びY軸方向の双方に直交する方向がZ軸方向である。印刷装置100の使用状態では、X軸方向及びY軸方向が、それぞれ、水平方向になり、Z軸方向が鉛直方向になる。しかしながら、以下の説明では、Z軸方向を鉛直方向とは異なる(交差する)方向として説明されることがある。なお、キャリッジ25の配置される向きを90度変更しても、本実施形態の発明を適用することができる。
【0053】
ホルダー31は、図4に示すように、凹部43を有している。印刷材容器210、220は、ホルダー31の凹部43内に装着される。
【0054】
凹部43内には、凹部43内に装着される印刷材容器210及び印刷材容器220のそれぞれに対応する装着位置44が規定されている。2つの装着位置44は、凹部43内において、X軸方向に並んでいる。つまり、印刷材容器210及び印刷材容器220は、X軸方向に互いに並んだ状態で、凹部43内に装着される。以下において、2つの装着位置44のそれぞれを識別する場合に、印刷材容器210に対応する装着位置44は、装着位置44BKと表記される。同様に、印刷材容器220に対応する装着位置44は、装着位置44CLと表記される。
【0055】
凹部43内には、ホルダー31の底部45に、導入部47と3つの導入部49とが設けられている。導入部47は、装着位置44BKに設けられている。また、3つの導入部49は、装着位置44CLに設けられている。このため、導入部47は、印刷材容器210に対応している。同様に、3つの導入部49は、印刷材容器220に対応している。導入部47と3つの導入部49とは、X軸方向に沿って並んでいる。
【0056】
また、ホルダー31には、側壁51に複数の係合穴53が設けられている。本実施形態では、装着位置44ごとに、2つの係合穴53が設けられている。このため、本実施形態では、ホルダー31に4つの係合穴53が設けられている。4つの係合穴53は、X軸方向に並んでいる。以下において、4つの係合穴53を装着位置44ごとに識別する場合に、装着位置44BKに対応する係合穴53を係合穴53BKと表記し、装着位置44CLに対応する係合穴53を係合穴53CLと表記する。
【0057】
ホルダー31は、図6に示すように、Y軸方向に導入部47及び導入部49を挟んで側壁51の反対側(Y軸負方向)に、側壁55を有している。また、導入部47及び導入部49を挟んでX軸方向に対峙するそれぞれの位置に、側壁57と側壁59とが設けられている。側壁57は、導入部47及び導入部49よりもX軸負方向側に位置している。側壁59は、導入部47及び導入部49よりもX軸正方向側に位置している。側壁51と、側壁55と、側壁57と、側壁59とは、それぞれ、底部45からZ軸正方向に突出している。底部45は、側壁51と、側壁55と、側壁57と、側壁59とによって囲まれている。これにより、凹部43が区画されている。
【0058】
側壁55には、装着位置44ごとに、被係合部61が設けられている。2つの被係合部61は、それぞれ、側壁55の導入部47及び導入部49側(Y軸正方向)に設けられている。2つの被係合部61は、それぞれ、側壁55から導入部47及び導入部49側に向かって突出している。以下において、2つの被係合部61のそれぞれを識別する場合に、装着位置44BKに対応する被係合部61が被係合部61BKと表記され、装着位置44CLに対応する被係合部61が被係合部61CLと表記される。
【0059】
また、側壁55には、2つの被係合部61の間に、2つの接点機構63が設けられている。2つの接点機構63のうち一方は、装着位置44BKに設けられている。また、2つの接点機構63のうち他方は、装着位置44CLに設けられている。以下において、2つの接点機構63を装着位置44ごとに識別する場合に、装着位置44BKに対応する接点機構63が接点機構63BKと表記され、装着位置44CLに対応する接点機構63が接点機構63CLと表記される。
【0060】
印刷材容器210、220には、図4に示すように、回路基板64が設けられている。回路基板64には、記憶装置310、320が設けられている。接点機構63は、印刷材容器210、220の回路基板64に設けられた記憶装置310、320と電気的に接続可能に構成されている。そして、印刷材容器210、220がホルダー31に装着された状態において、印刷材容器210、220の回路基板64に設けられた記憶装置310、320と印刷装置100とが、接点機構63を介して互いに電気的に接続される。これにより、印刷材容器210、220の回路基板64に設けられた記憶装置310、320と印刷装置100の印刷装置制御部110との間で種々の情報が授受される。
【0061】
2.印刷装置制御部による処理
2−(1)メインフロー
印刷装置制御部110は、印刷動作の開始前、又は省電力モードからの復帰時、又は印刷材容器の交換後に、印刷材容器210、220の記憶装置310、320のエラー処理、又は第1の不揮発性メモリー120に対する識別情報と第2の使用情報とを追加書き込みする処理を行う。
【0062】
図7は、本実施形態の印刷装置100における使用履歴リストの更新処理及び印刷材容器のエラー検出処理のフローチャートの一例である。図7に示すフローは、印刷装置制御部110の制御により実行される。但し、ステップS101の電源オンはユーザーにより行われる。
【0063】
電源がオンされると(ステップS101)、印刷装置制御部110は第2の不揮発性メモリーから使用履歴リストの書き込み開始アドレスを読み出す。印刷装置制御部110が第1の不揮発性メモリー120に記憶されている使用履歴リストに識別情報と使用情報を追加書き込みする際に、この書き込み開始アドレスに書き込む。
【0064】
次に印刷装置制御部110は、第2の不揮発性メモリー130から直前の電源オフ時に印刷装置100に装着されていた印刷材容器の識別情報IDBとインク消費量情報WBを読み出す(ステップS103)。そして印刷装置制御部110は、第1の不揮発性メモリー120から使用履歴リスト内の識別情報IDA1〜IDAn及び対応する使用情報UA1〜UAnを読み出す(ステップS104)。これらの読み出された識別情報IDB、インク消費量情報WB及び識別情報IDA1〜IDAn、使用情報UA1〜UAnは、印刷装置制御部110が有するRAMに展開される。
【0065】
次に印刷装置制御部110は、印刷材容器チェック処理を実行する(ステップS105)。印刷材容器チェック処理のフローについては後述する。
【0066】
次に、印刷装置制御部110は、印刷動作を行うと共に、各インク色のインク消費量をカウントする(ステップS106)。そしてインク消費量記録の更新処理を行う(ステップS107)。インク消費量記録の更新処理のフローについては後述する。
【0067】
次に印刷装置制御部110は、インクエンドに達した印刷材容器の有無を判断する(ステップS108)。具体的には、印刷装置制御部110は、印刷材容器210、220の記憶装置310、320にインクエンド情報が書き込まれているか否かを判断する。インクエンドに達した印刷材容器が存在する場合には、印刷装置制御部110は、ユーザーに印刷材容器の交換を促すメッセージ等を表示する処理を行う(ステップS109)。そしてステップS105〜S107を繰り返す。
【0068】
一方、インクエンドに達した印刷材容器が存在しない場合には、ステップS110に進み、印刷装置制御部110が電源オフを検出しない場合にはステップS106〜S108を繰り返す。
【0069】
印刷装置制御部110が電源オフを検出した場合には、印刷装置制御部110は第2の不揮発性メモリーに使用履歴リストの書き込み開始アドレスを書き込む(ステップS111)。
【0070】
2−(2)印刷材容器チェック処理
図8は、印刷材容器チェック処理(図7のステップS105)の詳細なフローチャートの一例である。
【0071】
始めに、印刷装置制御部110は、現在装着されている印刷材容器210(又は220)の記憶装置310(又は320)から識別情報IDCとインク消費量情報WCを読み出す(ステップS201)。
【0072】
次に、印刷装置制御部110は、図7のステップS103で第2の不揮発性メモリー130から読み出された識別情報IDBと記憶装置310(320)から読み出された識別情報IDCとを比較し、両者が同一であるか否かを判断する(ステップS202)。
【0073】
識別情報IDBと識別情報IDCとが同一でない場合、即ち印刷材容器が交換された場合には、印刷装置制御部110は使用履歴リストの更新処理を行う(ステップS203)。この使用履歴リスト更新処理によって、交換前に装着されていた印刷材容器の識別情報と使用情報が使用履歴リストに追加書き込みされる。使用履歴リストの更新処理の詳細なフローについては、後述する。
【0074】
次に、印刷装置制御部110は、記憶装置310(320)から読み出した識別情報IDCとインク消費量情報WCとを第2の不揮発性メモリー130に書き込む。即ち、印刷材容器210(220)の記憶装置310(320)の識別情報IDCとインク消費量情報WCとで、第2の不揮発性メモリー130の識別情報IDBとインク消費量情報WBを更新する。(ステップS204)。そして印刷材容器交換フラグを1にセットする(ステップS205)。
【0075】
一方、識別情報IDBと識別情報IDCとが同一である場合には、印刷装置制御部110は、使用履歴リストの更新処理を行わずにステップS206に進む。
【0076】
次に、印刷装置制御部110は、印刷材容器210(220)の記憶装置310(320)にインクエンド情報が書き込まれているか否かを判断する(ステップS206)。インクエンド情報が書き込まれている場合には、印刷装置制御部110は、ユーザーに印刷材容器の交換を促すメッセージ等を表示する処理を行う(ステップS207)。
【0077】
一方、インクエンド情報が書き込まれていない場合には、印刷装置制御部110は、記憶装置のエラー判定処理を行う(ステップS208)。エラー判定処理の詳細なフローは後述する。エラー判定処理によりエラー有りと判定した場合には、印刷装置制御部110は、記憶装置のエラー処理を行う(ステップS211)。このエラー処理は、例えば以下のような処理を含む。
(1)記憶装置310(320)から再度インク消費量情報WCを読み出す。
(2)使用履歴リストから読み出された使用情報に基づくインク消費量情報を記憶装置310(320)に書き込む。
(3)印刷材容器210(220)の交換又は再装着を促すメッセージ等を表示する。
【0078】
印刷装置制御部110は、エラー処理終了後には、次にチェックする印刷材容器の有無を判断し(ステップS212)、次の印刷材容器があればステップS201に戻って次の印刷材容器について処理を行う。
【0079】
一方、エラー判定処理によりエラー無しと判定した場合には、印刷装置制御部110は、印刷材容器交換フラグが1にセットされているか否かを判断し(ステップS210)、1にセットされている場合には交換クリーニング処理(印刷材容器から印刷ヘッドに至るインク通路へのインク充填処理)を行う(ステップS210)。
【0080】
交換クリーニング終了後には、次にチェックする印刷材容器の有無を判断し(ステップS212)、次の印刷材容器があればステップS201に戻って次の印刷材容器について処理を行う。
【0081】
2−(3)使用履歴リスト更新処理
印刷装置制御部110は、第2の不揮発性メモリー130に記憶されている識別情報と現在装着されている印刷材容器210、220の記憶装置310、320から読み出された識別情報とが一致しない場合であって、且つ、第2の不揮発性メモリー130に記憶された各色のインク消費量情報に基づく第2の使用情報が所定の条件を満たす場合には、第1の不揮発性メモリー120に対して第2の不揮発性メモリー130に記憶されている識別情報と、第2の不揮発性メモリー130に記憶された各色のインク消費量情報に基づく第2の使用情報と、を追加書き込みする処理を行う。
【0082】
また印刷装置制御部110は、第2の不揮発性メモリー130に記憶されている識別情報と同一の識別情報が第1の不揮発性メモリー120に既に記憶されている場合には、第2の使用情報と第1の不揮発性メモリー120に既に記憶されている同一の識別情報に対応付けられた第1の使用情報とを比較し、比較結果に基づいて、第1の不揮発性メモリー120に対して第2の不揮発性メモリー130に記憶されている識別情報と第2の使用情報とを追加書き込みするか否かを判断する。
【0083】
図9は、使用履歴リスト更新処理(図8のステップS203)の詳細なフローチャートの一例である。図8のフローチャートから分かるように、印刷材容器が交換された場合に使用履歴リスト更新処理が実行される。
【0084】
最初に、印刷装置制御部110は、第1の不揮発性メモリー120の使用履歴リストに識別情報と使用情報を追加書き込み可能か否かを判断する(ステップS301)。追加書き込み可能である場合には、次のステップS302に進むが、追加書き込み可能でない場合には使用履歴リスト更新処理を行わない。通常の使用形態(印刷材容器は、1つの印刷装置で使用され、印刷材容器の使用開始から印刷材がなくなるまで、継続して使用される使用形態)では、使用履歴リストへの追加書き込みは1つの印刷材容器について1回であり、従って第1の不揮発性メモリー120(フラッシュメモリー)の記憶容量が不足することはほとんどない。
【0085】
次に、印刷装置制御部110は、第2の不揮発性メモリー130から読み出した所定のインク消費量が複数の規定値のうちの最も小さい値である最初の規定値に達したか否かを判断する(ステップS302)。第2の不揮発性メモリー130には、交換前に装着されていた印刷材容器の識別情報とインク消費量情報が記憶されている。従って、交換前に装着されていた印刷材容器の所定のインク消費量が、複数の規定値のうちの最も小さい値である最初の規定値に達したか否かが判断される。
【0086】
ここで「所定のインク消費量」とは、図2(A)〜図2(D)で説明した使用情報として用いられるインク消費量情報である。以下では、図2(A)に示す使用情報の場合(第1の構成例の場合)について説明するが、図2(B)、図2(C)、図2(D)に示す場合であっても同様である。「複数の規定値」とは、予め設定されたインク消費量の複数の規定値であって、例えば10%,30%,50%,70%,90%である。この場合には、「最初の規定値」とは、10%のことである。
【0087】
所定のインク消費量が最初の規定値を超えていない場合(ステップS302の判断でNOの場合)には、使用履歴リストを更新しないため、処理を終了する。
【0088】
所定のインク消費量が複数の規定値のうちの次の規定値に達した場合には、印刷装置制御部110は、第2の不揮発性メモリー130から読み出した識別情報IDBと同一の識別情報が使用履歴リストにあるか否かを判断する(ステップS303)。識別情報IDBと同一の識別情報が使用履歴リストにない場合には、使用履歴リストに識別情報と使用情報(所定のインク消費量情報)を追加書き込みする処理を行う(ステップS305)。
【0089】
一方、識別情報IDBと同一の識別情報が使用履歴リストにある場合には、印刷装置制御部110は、使用履歴リストにある識別情報に対応する使用情報が、達した規定値と次の規定値との間にあるか否かを判断する(ステップS304)。例えば第2の不揮発性メモリーから読み出された所定のインク消費量が35%である場合には、達した規定値は30%であり、次の規定値は50%である。使用履歴リストにある識別情報に対応する使用情報が30%と50%との間にある場合には、使用履歴リストを更新しない。一方、使用履歴リストにある識別情報に対応する使用情報が30%と50%との間にない場合には、使用履歴リストに識別情報と使用情報を追加書き込みする処理を行う(ステップS305)。この後、図8のステップ204の処理に回帰する。
【0090】
このように本実施形態の印刷装置100では、印刷材容器を交換した場合に、交換前に装着されていた印刷材容器の識別情報と使用情報とを使用履歴リストに追加書き込みすることができる。こうすることで、一度取り外された印刷材容器が後に再度装着された場合であっても、その印刷材容器が新規のものでないことを判定することができる。
【0091】
さらに本実施形態の印刷装置100では、交換前の印刷材容器の所定のインク消費量が複数の規定値のうちの次の規定値に達した場合であって、使用履歴リストに同一の識別情報が記憶されていない場合か、或いは、使用履歴リストに同一の識別情報が記憶されているが、それに対応する使用情報が、交換前の印刷材容器の所定のインク消費量が達した規定値と次の規定値との間にない場合に限って、使用履歴リストに識別情報と使用情報が追加書き込みされる。このようにすることで、第1の不揮発性メモリー120(フラッシュメモリー)に書き込む回数を、可能な限り少ない回数に制限することができる。
【0092】
2−(4)エラー判定処理
印刷装置制御部110は、印刷装置100に装着されている印刷材容器210、220の記憶装置310、320から読み出された各色のインク消費量情報に基づく印刷材容器側使用情報と、印刷装置100に装着されている印刷材容器210、220の識別情報と同一の識別情報に対応付けられた第1の使用情報とを比較する。そして印刷材容器側使用情報と第1の使用情報との関係が予め設定された関係を満たさない場合には、印刷材容器210、220の記憶装置310、320のエラー処理を実行する。
【0093】
具体的には、印刷装置制御部110は、印刷材容器側使用情報に基づくインク消費量が第1の使用情報に基づくインク消費量よりも小さい場合には、印刷材容器側使用情報と第1の使用情報との関係が予め設定された関係を満たさないと判断して記憶装置310、320のエラー処理を実行する。また印刷装置制御部は、印刷材容器側使用情報と第2の不揮発性メモリーに記憶された各色のインク消費量情報に基づく第2の使用情報とを比較し、印刷材容器側使用情報に基づくインク消費量が第2の使用情報に基づくインク消費量よりも小さい場合には、記憶装置310、320のエラー処理を実行する。
【0094】
図10は、記憶装置のエラー判定処理(図8のステップS208)の詳細なフローチャートの一例である。
【0095】
印刷装置制御部110は、第2の不揮発性メモリーから読み出した識別情報と同じ識別情報が使用履歴リストにあるか否かを判断する(ステップS401)。同じ識別情報が使用履歴リストにある場合には、現在装着されている印刷材容器の所定のインク消費量WC(印刷材容器側使用情報)が使用履歴リストの識別情報IDAk(kは1≦k≦nである整数)に対応する使用情報UAk(第1の使用情報)よりも小さいか否かを判断する(ステップS402)。
【0096】
ステップS401において、使用履歴リスト中に、第2の不揮発性メモリー130から読み出した識別情報と同じ識別情報が複数あった場合には、最新に更新された識別情報IDAkに対応する使用情報UAkと、印刷材容器の所定のインク消費量WCとを比較する。また、上述した第4の構成例(例えば図2(D))では、第2の不揮発性メモリー130から読み出した識別情報と同じ識別情報が使用履歴リスト中にある場合には、第2の不揮発性メモリー130に記憶されたインク消費量のうちの、最新に更新された使用情報UAkの色情報に対応する色のインク消費量を比較する。
【0097】
UAk>WCである場合には、印刷装置制御部110は、記憶装置のエラーが有ると判定する。UAk>WCでない場合には、印刷装置制御部110は、第2の不揮発性メモリーから読み出された所定のインク消費量WB(第2の使用情報)よりも小さいか否かをさらに判断する(ステップS403)。そしてWB>WCである場合には、印刷装置制御部110は、記憶装置のエラーが有ると判定する。WB>WCでない場合には、印刷装置制御部110は、記憶装置のエラーが無いと判定する。
【0098】
ステップS401において、同じ識別情報が使用履歴リストにない場合には、ステップS403によりエラー判定を行う。
【0099】
記憶装置に記憶されているインク消費量情報が正常であれば、UAk≦WCであり、且つWB≦WCである。即ち、印刷材容器の記憶装置に記憶された現在のインク消費量が、使用履歴リスト又は第2の不揮発性メモリー130に記憶された過去のインク消費量より減少することはないからである。もし減少していれば、印刷材容器の記憶装置の情報にエラーが生じたか、或いは記憶装置からの読み出し時に読み出しエラーが生じたことなどが考えられる。
【0100】
このように本実施形態の印刷装置100によれば、一度取り外された印刷材容器が後に再度装着された場合であっても、その印刷材容器が新規のものでないことを判定することができ、さらにその印刷材容器の記憶装置に記憶されているインク消費量情報が正常であるか否かを判定することができる。
【0101】
2−(5)インク消費量記録の更新処理
図11は、インク消費量記録の更新処理(図7のステップS107)の詳細なフローチャートの一例である。
【0102】
印刷装置制御部110は、印刷材容器210、220の記憶装置310、320にインク消費量を書き込む(ステップS501)。具体的には、印刷装置制御部110は、印刷動作を行うと共に、各インク色のインク消費量をカウントし、所定の時間間隔で印刷材容器210、220の記憶装置310、320に各インク色のインク消費量を書き込む。この書き込みの頻度は、印刷装置制御部110が第1の不揮発性メモリー120に識別情報及び使用情報を書き込む頻度よりも大きい。即ち、印刷装置制御部110は、第1の不揮発性メモリー120に対して識別情報と使用情報とを書き込む頻度よりも高い頻度で、印刷材容器210、220の記憶装置310、320に対して各色のインク消費量情報を更新する書き込みを行う。
【0103】
次に、印刷装置制御部110は、第2の不揮発性メモリー130に識別情報とインク消費量情報を書き込む(ステップS502)。こうすることで、第2の不揮発性メモリー130には、印刷動作に伴う各色のインク消費量の増加と共に、各色のインク消費量が正確に記憶される。その結果、第2の不揮発性メモリー130は、直前の印刷装置100の電源オフ時又は印刷材容器の交換前において印刷装置100に装着されていた印刷材容器の識別情報と各色のインク消費量情報とを記憶することができる。
【0104】
2−(6)使用履歴リスト更新処理の具体例
図12(A)、図12(B)、図12(C)は、本実施形態の印刷装置100における、初期状態から使用を開始して印刷材容器を交換した場合の使用履歴リストの更新処理を説明する図である。なお、図12(A)、図12(B)、図12(C)では、3色一体型印刷材容器220の場合について示すが、単色型印刷材容器210の場合も同様である。また、使用履歴リストに記憶される使用情報は、図2(A)に示したように3色(C、M、Y)のインク消費量のうち最大のものを使用情報とする。
【0105】
図12(A)は、初期状態において印刷材容器(識別情報aaaa)を装着し、印刷処理を繰り返した結果、第2の不揮発性メモリー130と記憶装置320にはC、M、Yのインク消費量として70%、80%、90%が記憶されている状態を示す。印刷材容器交換は一度もされていないので、使用履歴リストは初期状態のままであって、何も記憶されていない。
【0106】
図12(B)は、新しい印刷材容器(識別情報bbbb)を装着した状態を示す。第2の不揮発性メモリー130に記憶された識別情報aaaaと記憶装置320に記憶された識別情報bbbbとは同じでないから、印刷装置制御部110は、使用履歴リストの更新処理を実行する(図8のステップS202)。第2の不揮発性メモリー130に記憶されたインク消費量の最大値は90%であり、この値は複数の規定値のうちの90%に達している(図9のステップS302)。さらに、第2の不揮発性メモリー130に記憶された識別情報aaaaと同一の識別情報は、使用履歴リストに存在しないから(図9のステップS303)、印刷装置制御部110は、使用履歴リストに識別情報aaaaと使用情報90%を追加書き込みする(図8のステップS305)。
【0107】
図12(C)に示すように、印刷装置制御部110は、使用履歴リストの更新後に、記憶装置320から読み出した識別情報bbbbとインク消費量(C、M、Yいずれも0%)を第2の不揮発性メモリー130に書き込む(図8のステップS204)。
【0108】
図13(A)、図13(B)、図13(C)は、本実施形態の印刷装置100における、印刷材容器を再装着した場合の使用履歴リストの更新処理を説明する図である。上述した図12(A)、図12(B)、図12(C)と同様に、3色一体型印刷材容器220の場合について示し、3色(C、M、Y)のインク消費量のうち最大のものを使用情報とする。
【0109】
図13(A)は、3つの印刷材容器(識別情報aaaa、bbbb、cccc)を順に装着して印刷を行い、印刷材容器(識別情報bbbb)を再装着した状態を示す。第2の不揮発性メモリー130に記憶された識別情報ccccと記憶装置320に記憶された識別情報bbbbとは同じでないから、印刷装置制御部110は、使用履歴リストの更新処理を実行する(図8のステップS202)。第2の不揮発性メモリー130に記憶されたインク消費量の最大値は95%であり、この値は複数の規定値のうちの90%に達している(図9のステップS302)。さらに、第2の不揮発性メモリー130に記憶された識別情報ccccと同一の識別情報は、使用履歴リストに存在しないから(図9のステップS303)、印刷装置制御部110は、使用履歴リストに識別情報ccccと使用情報95%を追加書き込みする(図8のステップS305)。
【0110】
図13(A)に示す状態では、記憶装置320に記憶されているインク消費量の最大値35%は、使用履歴リストに記憶されている識別情報bbbbに対応する使用情報35%より小さくないから、記憶装置のエラー判定処理においてエラー無しと判定される(図10のステップS402)。しかし、何らかの原因により記憶装置320に記憶されているインク消費量の最大値が35%より小さい値になっている場合には、エラー有りと判定される。
【0111】
図13(B)は、再装着した印刷材容器(識別情報bbbb)を使用して印刷を行った後、新しい印刷材容器(識別情報dddd)を装着した場合を示す。第2の不揮発性メモリー130に記憶された識別情報bbbbと記憶装置320に記憶された識別情報ddddとは同じでないから、印刷装置制御部110は、使用履歴リストの更新処理を実行する(図8のステップS202)。第2の不揮発性メモリー130に記憶されたインク消費量の最大値は95%であり、この値は複数の規定値のうちの90%に達している(図9のステップS302)。さらに、第2の不揮発性メモリー130に記憶された識別情報bbbbと同一の識別情報は使用履歴リストに存在し(図9のステップS303)、且つ使用履歴リストにある使用情報35%は達した規定値90%より小さいから(図9のステップS304)、印刷装置制御部110は、使用履歴リストに識別情報bbbbと使用情報95%を追加書き込みする(図8のステップS305)。
【0112】
図13(C)に示すように、印刷装置制御部110は、使用履歴リストの更新後に、記憶装置320から読み出した識別情報ddddとインク消費量(C、M、Yいずれも0%)を第2の不揮発性メモリー130に書き込む(図8のステップS204)。
【0113】
以上説明したように、本実施形態の印刷装置100によれば、複数色一体型の印刷材容器を用いることができるから、印刷材容器を小型化することができ、その結果コンパクトで持ち運びができる印刷装置を実現することができる。
【0114】
また、過去に使用した印刷材容器の情報を記録する使用履歴リストには、複数色一体型の印刷材容器の各色のインク消費量に基づく使用情報を、所定の条件を満たす場合に限って追加書き込みすることができる。こうすることで、使用履歴リストを格納するフラッシュメモリー等の記憶容量を低減することができ、その結果コストを低減することなどが可能になる。
【0115】
また、印刷材容器の記憶装置に記憶されたインク消費量情報と使用履歴リストに記憶された使用情報とを比較して、両者の関係が予め設定された関係を満たさない場合には記憶装置のエラー処理を実行することができる。こうすることで、記憶装置のエラーを確実に検出して対処することができるから、印刷処理の信頼性を高めることなどが可能になる。
【0116】
なお、以上のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また印刷装置の構成、動作等も本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0117】
23 搬送ローラー、25 キャリッジ、27 タイミングベルト、
29A 第1待機位置、29B 第2待機位置、43 凹部、
44,44BK,44CL 装着位置、45 底部、47、49 導入部、51 側壁、
53,53BK,53CL 係合穴、55 側壁、57 側壁、59 側壁、
61 被係合部、63 接点機構、64 回路基板、
100 印刷装置、110 印刷装置制御部、120 第1の不揮発性メモリー、
130 第2の不揮発性メモリー、210 印刷材容器(単色)、
220 印刷材容器(複数色)、310、320 記憶装置、
IDA1〜IDAn、IDB、IDC 識別情報、
UA1〜UAn 使用情報、WB、WC インク消費量情報
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