(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記運転支援部は、前記車線変更可否判定部が前記自車両が車線変更できないと判定すると、前記加速能力判定部が判定した前記合流車両の加速能力が低いほど前記自車両と前記合流車両との間の車間距離が長くなるように前記自車両の乗員への報知、及び前記自車両の制御の少なくともいずれかを行う請求項1に記載の運転支援装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明に係る実施形態について図面を参照しつつ説明する。
(第1実施形態)
(構成)
図1は、本実施形態の運転支援装置を搭載した自車両Aの構成を表す図である。
図1に示すように、自車両Aは、レーダー装置1、走行車線検出部2、ナビゲーション装置3、車速検出部4、コントローラ5及び運転支援部6を備える。
【0009】
図2は、自車両Aの周囲に存在する車両(以下、周囲車両とも呼ぶ)を説明する説明図である。周囲車両としては、例えば、
図2に示すように、自車両Aの走行車線(以下、自車線とも呼ぶ)に合流する車線(以下、合流車線とも呼ぶ)を走行する車両(以下、合流車両とも呼ぶ)Bがある。また、例えば、自車線に隣接する走行車線(以下、隣接車線とも呼ぶ)のうち、自車線に対して合流車線と反対側に存在する車線(以下、反対側隣接車線とも呼ぶ)を走行する車両(以下、反対側隣接車両とも呼ぶ)Cがある。また、
図3は、車両横方向幅Wv、車両前後方向長Lvを説明する説明図である。
【0010】
レーダー装置1は、周囲車両(合流車両B、反対側隣接車両C)の走行状態を表す周囲車両情報(合流車両情報、反対側隣接車両情報)を検出する。周囲車両情報としては、例えば、周囲車両の位置、車速、及び加速度がある。また、例えば、
図3に示すように、周囲車両の車両横方向幅Wv、車両前後方向長Lvがある。そして、レーダー装置1は、検出結果をコントローラ5に出力する。レーダー装置1としては、例えば、自車両Aの周囲にレーザー光を出射して反射光を検出するレーザ距離計を採用できる。
【0011】
走行車線検出部2は、自車両Aの周囲に存在する走行車線を検出する。本実施形態では、走行車線検出部2は、走行車線の種別(合流車線、反対側隣接車線)、及び走行車線の位置を検出する。そして、走行車線検出部2は、検出結果をコントローラ5に出力する。走行車線検出部2としては、例えば、自車両Aの周囲の画像を撮影するCCD(Charge Coupled Device)カメラと、CCDカメラが撮影した画像に画像処理を行って自車両Aの周囲に存在する走行車線を検出する画像処理装置とを採用できる。
【0012】
ナビゲーション装置3は、GPS(Global Positioning System)受信機、地図データベース、及び表示モニタを備える。そして、ナビゲーション装置3は、GPS受信機及び地図データベースから自車両Aの位置及び道路情報を取得する。続いて、ナビゲーション装置3は、取得した自車両Aの位置及び道路情報に基づいて経路探索を行う。続いて、ナビゲーション装置3は、経路探索の結果を表示モニタに表示する。また、ナビゲーション装置3は、自車両Aの位置(自車両情報)及び道路情報(例えば、自車線と合流車線とが合流する地点(以下、合流地点とも呼ぶ)の位置)をコントローラ5に出力する。
【0013】
車速検出部4は、自車両Aの車速(自車両情報)を検出する。そして、車速検出部4は、検出結果をコントローラ5に出力する。車速検出部4としては、例えば、自車両Aの車輪速を検出して自車両Aの車速を演算する車輪速センサを採用できる。
コントローラ5は、A/D(Analog to Digital)変換回路、D/A(Digital to Analog)変換回路、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等から構成した集積回路を備える。ROMは、各種処理を実現する1または2以上のプログラムを記憶している。CPUは、ROMが記憶している1または2以上のプログラムに従って各種処理(運転支援処理)を実行する。そして、CPUは、
図1に示すように、周囲車両情報検出部5a、走行車線判定部5b、合流車両接近予測部5c、車種判定部5d及び車線変更可否判定部5eを実現する。
【0014】
周囲車両情報検出部5aは、レーダー装置1が出力した検出結果(周囲車両情報(合流車両情報、反対側隣接車両情報))を取得する。周囲車両情報検出部5aは、取得結果(検出結果)を走行車線判定部5b、合流車両接近予測部5c、車種判定部5d及び車線変更可否判定部5eに出力する。
走行車線判定部5bは、走行車線検出部2及び周囲車両情報検出部5aが出力した検出結果(走行車線の情報、周囲車両情報(合流車両情報、反対側隣接車両情報))を取得する。続いて、走行車線判定部5bは、取得した検出結果(走行車線の情報、周囲車両情報(合流車両情報、反対側隣接車両情報))に基づいて、周囲車両の走行車線(合流車線、反対側隣接車線)を判定する。具体的には、走行車線判定部5bは、走行車線の位置及び周囲車両の位置に基づき、周囲車両(合流車両B、反対側隣接車両C)が存在する走行車線(合流車線、反対側隣接車線)を判定する。これにより、走行車線判定部5bは、合流車線を走行する合流車両Bが存在するか否かを判定する。また、走行車線判定部5bは、各周囲車両が合流車両B及び反対側隣接車両Cのいずれに該当するのかを判定し、周囲車両情報検出部5aが取得した周囲車両情報(合流車両情報、反対側隣接車両情報)に判定結果を対応付ける。そして、走行車線判定部5bは、判定結果を合流車両接近予測部5c、車種判定部5d及び車線変更可否判定部5eに出力する。
【0015】
合流車両接近予測部5cは、ナビゲーション装置3が出力した自車両Aの位置(自車両情報)及び道路情報(合流地点の位置)を取得する。続いて、合流車両接近予測部5cは、取得した自車両Aの位置(自車両情報)及び道路情報(合流地点の位置)に基づいて、自車両Aが合流地点に接近しているか否かを判定する。具体的には、合流車両接近予測部5cは、自車両Aの位置(自車両情報)及び合流地点の位置に基づき、自車両Aから自車両Aの進行方向の設定距離(例えば、100m)以内に合流地点が存在するか否かを判定する。そして、合流車両接近予測部5cは、設定距離(100m)以内に合流地点が存在すると判定した場合には、自車両Aが合流地点に接近していると判定する。一方、合流車両接近予測部5cは、設定距離(100m)以内に合流地点が存在しないと判定した場合には、自車両Aが合流地点に接近していないと判定する。
【0016】
また、合流車両接近予測部5cは、自車両Aが合流地点に接近していると判定した場合には、走行車線判定部5bで合流車線を走行する合流車両Bが存在すると判定すると、ナビゲーション装置3が出力した自車両Aの位置(自車両情報)、車速検出部4及び周囲車両情報検出部5aが出力した検出結果(自車両Aの車速(自車両情報)、周囲車両情報(合流車両情報))に基づいて、合流車両Bの予測相対位置L’を予測する。合流車両Bの予測相対位置L’としては、例えば、合流車線で合流車両Bが加速し、将来自車両Aの車速V(自車両情報)と合流車両Bの車速Voとの差が予め設定した設定値(≒0)以下になるときの自車両Aと合流車両Bとの間の車間距離がある。具体的には、合流車両接近予測部5cは、
図2に示すように、自車両Aの位置(自車両情報)と合流車両Bの位置とに基づき、現在の自車両Aと合流車両Bとの間の車間距離Lを算出する。続いて、合流車両接近予測部5cは、算出した車間距離L、合流車両Bの車速Vo、加速度αo、自車両Aの車速V(自車両情報)に基づき、下記(1)式に従って合流車両Bの予測相対位置L’を算出する。そして、合流車両接近予測部5cは、算出結果を車線変更可否判定部5eに出力する。
【0017】
L’=L−(Vo−V)
2/(2×αo) ・・・(1)
図4は、合流車両Bの車種C1〜C3判定用の制御マップを説明する説明図である。
車種判定部5dは、走行車線判定部5bで合流車線を走行する合流車両Bが存在すると判定すると、周囲車両情報検出部5aが出力した周囲車両情報(周囲車両(合流車両)の車両横方向幅Wv、車両前後方向長Lv)に基づいて、合流車両Bの車種を判定する。合流車両Bの車種としては、例えば、普通車C2(加速能力:高)、普通車C2よりも加速能力の低い車両(例えば、軽自動車C1(加速能力:中))、軽自動車C1よりも加速能力の低い車両(例えば、トラック・バスC3(加速能力:低))がある。具体的には、車種判定部5dは、レーダー装置1が検出した合流車両Bの車両横方向幅Wv及び車両前後方向長Lvに基づき、
図4の制御マップを参照し、合流車両Bの車種(軽自動車C1、普通車C2、トラック・バスC3)を判定する。
図4の制御マップでは、合流車両Bの車両横方向幅Wvが2.5m以上であり且つ車両前後方向長Lvが3.4m以上である場合には、トラック・バスC3(加速能力:低)であると判定する。また、合流車両Bの車両横方向幅Wvが1.48m以上2.5m未満であり且つ車両前後方向長Lvが6.0m以上である場合にも、トラック・バスC3(加速能力:低)であると判定する。さらに、合流車両Bの車両横方向幅Wvが2.5m以上であり且つ車両前後方向長Lvが3.4m未満である場合、または合流車両Bの車両横方向幅Wvが1.48m以上2.5m未満であり且つ車両前後方向長Lvが6.0m未満である場合には、普通車C2(加速能力:高)であると判定する。また、合流車両Bの車両横方向幅Wvが1.48m未満であり且つ車両前後方向長Lvが3.4m以上である場合にも、普通車C2(加速能力:高)であると判定する。さらに、合流車両Bの車両横方向幅Wvが1.48m未満であり且つ車両前後方向長Lvが3.4m以上である場合にも、普通車C2(加速能力:高)であると判定する。また、合流車両Bの車両横方向幅Wvが1.48m未満であり且つ車両前後方向長Lvが3.4m未満である場合には、軽自動車C1(加速能力:中)であると判定する。これにより、車種判定部5dは、合流車両Bの加速能力を判定する。そして、車種判定部5dは、判定結果を車線変更可否判定部5eに出力する。
【0018】
なお、本実施形態では、周囲車両情報検出部5aが出力した周囲車両情報、つまり、レーダー装置1が出力した検出結果(周囲車両の車両横方向幅Wv、車両前後方向長Lv)に基づいて、合流車両Bの車種(軽自動車C1、普通車C2、トラック・バスC3)を判定する例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、自車両Aの周囲の映像をCCDカメラで撮影し、撮影した画像に画像処理を行って合流車両Bの車種(軽自動車C1、普通車C2、トラック・バスC3)を判定する構成としてもよい。また、例えば、合流車両Bの車載装置が当該合流車両Bの車種(軽自動車C1、普通車C2、トラック・バスC3)の情報を送信している場合には、合流車両Bが送信している車種(軽自動車C1、普通車C2、トラック・バスC3)の情報を通信装置で取得する構成としてもよい。
【0019】
図5は、判定閾値L1を説明する説明図である。
車線変更可否判定部5eは、走行車線判定部5bで合流車線を走行する合流車両Bが存在すると判定すると、合流車両接近予測部5cが出力した検出結果(予測相対位置L’)及び車種判定部5dが出力した判定結果(合流車両Bの車種(C1、C2、C3。合流車両Bの加速能力))に基づいて、自車両Aと合流車両Bとが干渉するか否か(走行状態に影響を与えるか否か)を判定する。具体的には、車線変更可否判定部5eは、合流車両Bの車種(軽自動車C1、普通車C2、トラック・バスC3)に基づき、
図5の制御マップを参照し、自車両Aと合流車両Bとの干渉の有無判定用の判定閾値L1を設定する。
図5の制御マップでは、合流車両Bの車種が普通車C2(加速能力:高)である場合には、判定閾値L1を第2設定距離(例えば、40m)とする。また、合流車両Bの車種が軽自動車C1(加速能力:中)である場合には、判定閾値L1を第2設定距離よりも長い第1設定距離(例えば、80m)とする。さらに、合流車両Bの車種がトラック・バスC3(加速能力:低)である場合には、判定閾値L1を第1設定距離よりも長い第3設定距離(例えば、100m)とする。続いて、車線変更可否判定部5eは、設定した判定閾値L1及び予測相対位置L’に基づき、予測相対位置L’の絶対値が判定閾値L1未満であるか否かを判定する。そして、車線変更可否判定部5eは、予測相対位置L’の絶対値が判定閾値L1未満であると判定すると、自車両Aと合流車両Bとが干渉すると判定する。一方、車線変更可否判定部5eは、予測相対位置L’の絶対値が判定閾値L1以上であると判定すると、自車両Aと合流車両Bとが干渉しないと判定する。
【0020】
また、車線変更可否判定部5eは、自車両Aと合流車両Bとが干渉すると判定すると、自車両Aの反対側隣接車線への車線変更の可否を判定する。自車両Aが反対側隣接車線へ車線変更可能であるか否かの判定は、周囲車両情報検出部5aが検出した周囲車両情報(反対側隣接車両Cの位置。反対側隣接車両情報)及び走行車線判定部5bが判定した周囲車両の走行車線の判定結果(反対側隣接車両Cが走行する反対側隣接車線の情報)に基づいて行う。具体的には、車線変更可否判定部5eは、反対側隣接車両Cの位置及び反対側隣接車両Cが走行する反対側隣接車線の情報に基づき、自車両Aの後方で自車両Aから設定距離(例えば、100m)以内に反対側隣接車両Cが存在するか否かを判定する。そして、車線変更可否判定部5eは、自車両Aから設定距離(100m)以内に反対側隣接車両Cが存在しないと判定すると、自車両Aを反対側隣接車線へ車線変更可能であると判定する。
【0021】
一方、車線変更可否判定部5eは、自車両Aから設定距離(100m)以内に反対側隣接車両Cが存在すると判定すると、自車両Aを反対側隣接車線へ車線変更できないと判定する。そして、車線変更可否判定部5eは、自車両Aを反対側隣接車線へ車線変更可能であると判定すると、自車両Aの乗員(例えば、運転者、同乗者)に車線変更を促す音声を出力させる指令(以下、車線変更指令とも呼ぶ)を運転支援部6に出力する。一方、車線変更可否判定部5eは、自車両Aを反対側隣接車線へ車線変更できないと判定すると、自車両Aの乗員に合流車両Bが存在するので注意する旨の音声を出力させる指令(以下、注意指令とも呼ぶ)を運転支援部6に出力する。
【0022】
運転支援部6は、車線変更可否判定部5eが出力した指令に基づいて音声を出力する。具体的には、運転支援部6は、車線変更可否判定部5eが車線変更指令を出力すると、車線変更を促す音声を出力する。一方、運転支援部6は、車線変更可否判定部5eが注意指令を出力すると、合流車両Bが存在するので注意する旨の音声を出力する。
なお、本実施形態では、運転支援部6が、車線変更指令を取得すると、自車両Aの乗員に車線変更を促す音声を出力する例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、運転支援部6が、自車両Aの乗員に車線変更を促す画像を表示する構成としてもよく、自車両Aが隣接車線に車線変更を行うように車両制御を行う構成としてもよい。車両制御を行う場合、左右輪を転舵し、自車両Aが隣接車線に車線変更を行う構成としてもよく、左右輪の制動力を制御し、自車両Aが隣接車線に車線変更を行う構成としてもよい。
【0023】
(運転支援処理)
次に、コントローラ5が実行する運転支援処理について説明する。運転支援処理は、予め設定した制御周期毎に実施する。
図6は、コントローラ5が実行する運転支援処理を表すフローチャートである。
図6に示すように、まず、ステップS101では、コントローラ5(合流車両接近予測部5c)は、ナビゲーション装置3が出力した自車両Aの位置(自車両情報)及び道路情報(合流地点の位置)を取得する。
【0024】
続いてステップS102に移行して、コントローラ5(合流車両接近予測部5c)は、前記ステップS101で取得した自車両Aの位置(自車両情報)及び道路情報(合流地点の位置)に基づいて、自車両Aが合流地点に接近しているか否かを判定する。そして、コントローラ5(合流車両接近予測部5c)は、自車両Aが合流地点に接近していると判定した場合には(Yes)ステップS103に移行する。一方、コントローラ5(合流車両接近予測部5c)は、自車両Aが合流地点に接近していないと判定した場合には(No)前記ステップS101に移行する。
【0025】
前記ステップS103では、コントローラ5(周囲車両情報検出部5a)は、レーダー装置1が出力した検出結果(周囲車両情報(合流車両情報、反対側隣接車両情報))を取得する。
続いてステップS104に移行して、コントローラ5(走行車線判定部5b)は、走行車線検出部2が出力した検出結果(走行車線の情報)を取得する。
【0026】
続いてステップS105に移行して、コントローラ5(走行車線判定部5b)は、前記ステップS103で取得した周囲車両情報(周囲車両の位置)及び前記ステップS104で取得した走行車線の情報に基づいて、周囲車両(合流車両B、反対側隣接車両C)の走行車線を判定する。これにより、コントローラ5(走行車線判定部5b)は、各周囲車両が合流車両B及び反対側隣接車両Cのいずれに該当するのかを判定し、前記ステップS103で取得した周囲車両情報に判定結果を対応付ける。
【0027】
続いてステップS106に移行して、コントローラ5(走行車線判定部5b)は、前記ステップS105の判定結果(走行車線の情報)に基づいて、合流車線を走行する合流車両Bが存在するか否かを判定する。そして、コントローラ5(走行車線判定部5b)は、合流車線を走行する合流車両Bが存在すると判定した場合には(Yes)ステップS106に移行する。一方、コントローラ5(走行車線判定部5b)は、合流車線を走行する合流車両Bが存在しないと判定した場合には(No)前記ステップS101に移行する。
【0028】
前記ステップS107では、コントローラ5(合流車両接近予測部5c)は、車速検出部4が出力した検出結果(自車両Aの車速(自車両情報))を取得する。
続いてステップS108に移行して、コントローラ5(合流車両接近予測部5c)は、前記ステップS103で取得した周囲車両情報(合流車両情報)及び前記ステップS107で取得した自車両Aの車速(自車両情報)に基づいて、合流車両Bの予測相対位置L’を算出する。
【0029】
続いてステップS109に移行して、コントローラ5(車種判定部5d)は、前記ステップS103で取得した周囲車両情報(周囲車両(合流車両)の車両横方向幅Wv、車両前後方向長Lv。合流車両情報)に基づき、
図4の制御マップを参照して、合流車両Bの車種(軽自動車C1、普通車C2、トラック・バスC3)を判定する。これにより、コントローラ5(車種判定部5d)は、合流車両Bの加速能力を判定する。
【0030】
続いてステップS110に移行して、コントローラ5(車線変更可否判定部5e)は、前記ステップS109で判定した車種(軽自動車C1、普通車C2、トラック・バスC3。合流車両Bの加速能力)に基づき、
図5の制御マップを参照して、判定閾値L1を設定する。続いて、コントローラ5(車線変更可否判定部5e)は、設定した判定閾値L1及び前記ステップS108で算出した予測相対位置L’に基づいて、自車両Aと合流車両Bとが干渉するか否かを判定する。そして、コントローラ5(車線変更可否判定部5e)は、自車両Aと合流車両Bとが干渉すると判定した場合には(Yes)ステップS111に移行する。一方、コントローラ5(車線変更可否判定部5e)は、自車両Aと合流車両Bとが干渉しないと判定した場合には(Yes)前記ステップS101に移行する。
【0031】
前記ステップS111では、コントローラ5(車線変更可否判定部5e)は、前記ステップS103で取得した周囲車両情報(反対側隣接車両情報)及び前記ステップS105の判定結果(走行車線の情報)に基づいて、自車両Aを反対側隣接車線へ車線変更可能であるか否かを判定する。そして、コントローラ5(車線変更可否判定部5e)は、自車両Aを反対側隣接車線へ車線変更可能であると判定した場合には(Yes)ステップS112に移行する。一方、コントローラ5(車線変更可否判定部5e)は、自車両Aを反対側隣接車線へ車線変更できないと判定した場合には(Yes)ステップS113に移行する。
【0032】
前記ステップS112では、コントローラ5(車線変更可否判定部5e)は、車線変更指令を運転支援部6に出力した後、この演算処理を終了する。これにより、運転支援部6が、反対側隣接車線への車線変更を促す音声を出力する。
なお、本実施形態では、コントローラ5が、自車両Aを反対側隣接車線へ車線変更可能であると判定すると、すぐに車線変更指令を運転支援部6に出力する例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、コントローラ5が、自車両Aを反対側隣接車線へ車線変更可能であると判定すると、普通車C2(加速能力:高)、軽自動車C1(加速能力:中)、トラック・バスC3(加速能力:低)の順に、つまり、合流車両Bの加速能力が高いほど車線変更指令を運転支援部6に出力するタイミングを遅くする構成としてもよい。これにより、コントローラ5が、合流車両Bの加速能力が高いほど、反対側隣接車線への車線変更を促す音声を出力するタイミングを遅らせることができる。また、コントローラ5が、合流車両Bの加速能力が低いほど、反対側隣接車線への車線変更を促す音声を出力するタイミングを早めることができる。
【0033】
一方、前記ステップS113では、コントローラ5(車線変更可否判定部5e)は、注意指令を運転支援部6に出力した後、この演算処理を終了する。これにより、運転支援部6が、合流車両Bが存在するので注意する旨の音声を出力する。
【0034】
(動作その他)
次に、本実施形態の運転支援装置を搭載した車両の動作について説明する。
自車両Aの走行中、コントローラ5が、運転支援処理を実行したとする。すると、コントローラ5(合流車両接近予測部5c)が、ナビゲーション装置3が出力した自車両Aの位置(自車両情報)及び道路情報(合流地点の位置)を取得する(
図6のステップS101)。ここで、自車両Aから自車両Aの進行方向の100m以内に合流地点が存在したとする。すると、コントローラ5(合流車両接近予測部5c)が、取得した自車両Aの位置(自車両情報)及び道路情報(合流地点の位置)に基づいて、自車両Aが合流地点に接近していると判定する(
図6のステップS102「Yes」)。
【0035】
続いて、コントローラ5(周囲車両情報検出部5a)が、レーダー装置1が出力した検出結果(周囲車両情報(合流車両情報、反対側隣接車両情報))を取得する(
図6のステップS103)。続いて、コントローラ5(走行車線判定部5b)が、走行車線検出部2が出力した検出結果(走行車線の情報)を取得する(
図6のステップS104)。続いて、コントローラ5(走行車線判定部5b)が、取得した周囲車両情報(周囲車両の位置)及び取得した走行車線の情報に基づいて、周囲車両(合流車両B、反対側隣接車両C)の走行車線を判定する(
図6のステップS105)。これにより、走行車線判定部5bは、各周囲車両が合流車両B及び反対側隣接車両Cのいずれに該当するのかを判定する。ここで、
図2(a)に示すように、合流車線を走行する合流車両Bが存在したとする。すると、コントローラ5(走行車線判定部5b)が、判定結果(走行車線の情報)に基づいて合流車線を走行する合流車両Bが存在すると判定する(
図6のステップS106「Yes」)。
【0036】
続いて、コントローラ5(合流車両接近予測部5c)が、車速検出部4が出力した検出結果(自車両Aの車速(自車両情報))を取得する(
図6のステップS107)。続いて、コントローラ5(合流車両接近予測部5c)が、取得した自車両Aの車速(自車両情報)及び周囲車両情報(合流車両情報)に基づいて、合流車両Bの予測相対位置L’、つまり、将来自車両Aの車速V(自車両情報)と合流車両Bの車速Voとの差が予め設定した設定値(≒0)以下となるときの自車両Aと合流車両Bとの間の車間距離を予測する(
図6のステップS108)。ここで、合流車両Bが、軽自動車であったとする。すると、コントローラ5(車種判定部5d)は、取得した周囲車両情報(車両横方向幅Wv、車両前後方向長Lv。合流車両情報)に基づき、
図4の制御マップを参照して、合流車両Bの車種が軽自動車C1(加速能力:中)であると判定する(
図6のステップS109)。続いて、コントローラ5(車線変更可否判定部5e)が、判定した車種(軽自動車C1(加速能力:中))に基づき、
図5の制御マップを参照して、判定閾値L1を80m、つまり、合流車両Bが普通車C2である場合(80m)よりも長い距離に設定する(
図6のステップS110)。ここで、予測した予測相対位置L’が判定閾値L1未満であったとする。すると、コントローラ5(車線変更可否判定部5e)が、自車両Aと合流車両Bとが干渉すると判定する(
図6のステップS110「Yes」)。
【0037】
また、自車両Aの後方の自車両Aから設定距離(40m)以内に反対側隣接車両Cが存在しなかったとする。すると、コントローラ5(車線変更可否判定部5e)が、取得した周囲車両情報(反対側隣接車両情報)及び前記ステップS105の判定結果(走行車線の情報)に基づいて、自車両Aを反対側隣接車線へ車線変更可能であると判定する(
図6のステップS111「Yes」)。続いて、コントローラ5(車線変更可否判定部5e)が、車線変更指令を運転支援部6に出力する(
図6のステップS112)。これにより、運転支援部6が、車線変更指令を取得すると、反対側隣接車線への車線変更を促す音声を自車両Aの乗員に出力する。
【0038】
本実施形態では、合流車両Bの加速能力を考慮して自車両Aと合流車両Bとが干渉するか否かを判定し、判定結果を基に自車両Aの乗員への報知や自車両Aの制御を行う。このため、本実施形態では、合流車両Bの加速能力を考慮したよりスムーズな合流を行うことができる。それゆえ、本実施形態では、合流車両Bが合流してくる際に自車両Aに対しより適切な運転支援ができる。
【0039】
本実施形態では、
図1の合流車両接近予測部5c、
図6のステップS101、S107が自車両情報検出部を構成する。以下同様に、
図1の周囲車両情報検出部5a、
図6のステップS103が周囲車両情報検出部を構成する。また、
図1の車種判定部5d、
図6のステップS109が加速能力判定部を構成する。さらに、
図1の車線変更可否判定部5e、
図6のステップS110が干渉判定部、車間距離予測部、車両干渉判定実行部及び判定閾値設定部を構成する。また、
図1の車線変更可否判定部5e、
図6のステップS111が車線変更可否判定部を構成する。さらに、
図1の運転支援部6が運転支援部を構成する。
【0040】
(本実施形態の効果)
本実施形態は、次のような効果を奏する。
(1)コントローラ5が、自車両情報、合流車両情報、及び合流車両Bの加速能力に基づいて、自車両Aと合流車両Bとが干渉するか否かを判定する。続いて、コントローラ5が、自車両Aと合流車両Bとが干渉すると判定すると、反対側隣接車両の走行情報を表す反対側隣接車両情報に基づいて、自車両Aの反対側隣接車線への車線変更の可否を判定する。そして、コントローラ5が、判定した自車両Aの反対側隣接車線への車線変更の可否に基づいて、自車両Aの乗員への報知、及び自車両Aの制御の少なくともいずれかを行う。
【0041】
このような構成によれば、加速能力を考慮して自車両Aと合流車両Bとが干渉するか否かを判定し、判定結果を基に自車両Aの乗員への報知や自車両Aの制御を行う。このため、合流車両Bの加速能力を考慮したよりスムーズな合流を行うことができる。それゆえ、合流車両Bが合流してくる際に自車両Aに対しより適切な運転支援ができる。
(2)コントローラ5が、合流車両Bの加速能力が低いほど判定閾値L1を大きくする。
このような構成によれば、例えば、合流車両Bの加速能力が低い場合に、自車両Aと合流車両Bとが干渉すると判定されやすくすることができる。
【0042】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、第1実施形態と同様な構成等については同一の符号を使用して、その詳細は省略する。
本実施形態では、自車両Aが車線変更できないと判定すると、合流車両Bの車種(合流車両Bの加速能力)に基づく自車両Aと合流車両Bとの間の車間距離となるように、自車両Aの乗員への報知を行う点が第1実施形態と異なる。具体的には、本実施形態は、第1実施形態とは、
図6のステップS113の内容が異なっている。
【0043】
前記ステップS113では、コントローラ5(車線変更可否判定部5e)は、注意指令を運転支援部6に出力した後、この演算処理を終了する。その際、コントローラ5(車線変更可否判定部5e)は、前記ステップS104の判定結果(合流車両Bの車種(C1、C2、C3))に基づいて、合流車両Bの車種が軽自動車C1及びトラック・バスC3の少なくともいずれかであるか否かを判定する。そして、コントローラ5(車線変更可否判定部5e)は、合流車両Bの車種が軽自動車C1(加速能力:中)及びトラック・バスC3(加速能力:低)の少なくともいずれかであると判定した場合には、車間距離増大指令を運転支援部6に出力した後、この演算処理を終了する。車間距離増大指令としては、例えば、自車両Aの乗員に自車両Aと合流車両Bとの間の車間距離Lの増大を促す音声を出力させる指令がある。
【0044】
なお、本実施形態では、運転支援部6が、車間距離増大指令を取得すると、自車両Aの乗員に自車両Aと合流車両Bとの車間距離Lの増大を促す音声を出力する例を示したが、他の構成を採用することもできる。例えば、運転支援部6が、車間距離増大指令を取得すると、合流車両Bの車種(軽自動車C1、普通車C2、トラック・バスC3。合流車両Bの加速能力)に基づいて目標車間距離L2を設定し、設定した目標車間距離L2に自車両Aと合流車両Bとの間の車間距離が一致するように車両制御を行う構成としてもよい。具体的には、コントローラ5(車線変更可否判定部5e)は、合流車両Bの車種(軽自動車C1、普通車C2、トラック・バスC3)に基づき、
図7の制御マップを参照し、自車両Aと合流車両Bとの間の目標車間距離を設定する。
図7の制御マップでは、合流車両Bの車種が普通車C2(加速能力:高)である場合には、目標車間距離L2を第5設定距離(例えば、60m)とする。また、合流車両Bの車種が軽自動車C1(加速能力:中)である場合には、目標車間距離L2を第4設定距離よりも長い第4設定距離(例えば、100m)とする。さらに、合流車両Bの車種がトラック・バスC3(加速能力:低)である場合には、目標車間距離L2を第5設定距離よりも長い第6設定距離(例えば、120m)とする。続いて、コントローラ5(車線変更可否判定部5e)は、設定した目標車間距離L2に自車両Aと合流車両Bとの間の車間距離が一致するように車両制御を行う。車両制御を行う場合、各車輪の制動力を制御し、自車両Aの車速を低減する構成としてもよく、自車両Aの駆動力を抑制する構成としてもよい。
【0045】
(本実施形態の効果)
本実施形態は、第1実施形態の効果(1)(2)に加え、次のような効果を奏する。
(1)コントローラ5は、自車両Aが反対側隣接車線へ車線変更できないと判定すると、合流車両Bの加速能力が低いほど自車両Aと合流車両Bとの間の車間距離が長くなるように、自車両Aの乗員への報知及び自車両Aの制御の少なくともいずれかを行う。
このような構成によれば、例えば、合流車両Bの加速能力が低い場合に、よりスムーズな合流を行うことができる。