(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記生成手段は、前記受付手段により前記色評価用シートの画像を受け付ける際、前記色評価用シートに表示されたマーカーを合わせる為の基準点及び前記色見本の色情報を取得する取得領域を、前記色評価用シートの画像に重ね合わせた合成画像信号を生成する
請求項1記載の色評価結果画像生成装置。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、作用、機能が同じ働きを担う構成要素及び処理には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明を適宜省略する場合がある。
【0018】
図1に、色評価システム10の構成例を示す。
【0019】
同図に示されるように、色評価システム10は、例えば画像形成装置としてのカラープリンタ20(以下、単にプリンタ20という)、プリンタ20により形成された評価用チャート30、及び携帯端末装置としてのスマートフォン40を含んで構成される。
【0020】
プリンタ20は、例えば図示しない通信回線に接続された図示しないパーソナルコンピュータ等から指示された画像の表示色と、実際に用紙等の記録媒体に形成された画像の表示色と相違を抑制するため、必要に応じて記録媒体に評価用チャート30を形成する。
【0021】
評価用チャート30は、プリンタ20が形成した画像の表示色の評価及び画像の表示色の補正等に利用される。本実施形態の場合、スマートフォン40で評価用チャート30を撮影し、スマートフォン40の画面上に、評価用チャート30の画像から得られる色見本の表示色を一意に表す情報である色情報と、プリンタ20が記録媒体に形成しようとした評価用チャート30の色見本の色情報、すなわち、評価用チャート30の色見本が本来有する色情報である基準表色値との差分を表示することで、プリンタ20が形成する画像色の評価を実施する。
【0022】
なお、画像形成装置はプリンタ20に限られず、例えばコピー機、ファクシミリ、並びにこれらの装置が一体化された複合機等のカラー画像を用紙等の記録媒体に形成する装置、更には、ディスプレイ等のカラー画像を液晶等の表示媒体に形成する装置であってもよい。
【0023】
また、携帯端末装置はスマートフォン40に限られず、ノート型パーソナルコンピュータ、タブレット型パーソナルコンピュータ、デジタルカメラ、ビデオカメラ等の、撮影機能及び撮影した画像を表示する表示機能を備えた装置であればよい。
【0024】
図2は、評価用チャート30の一例を示した図である。評価用チャート30は、例えばプリンタ20で画像形成の際に用いられるトナー色に対応した表示色であるシアンC、マゼンタM、及びイエローY、ブラックK毎の色評価用画像及びスマートフォン40で評価用チャート30を撮影する際の基準となるマーカー301を含んで構成される。
【0025】
色評価用画像は、例えば同色内で表示色の濃度が徐々に高くなるよう配置されており、例えばシアンCの色評価用画像において、色評価用画像ブロック1Cの濃度は最も低く、色評価用画像ブロック2C、・・・、色評価用画像ブロック(N−1)Cと進むに従ってシアンCの濃度が高くなり、色評価用画像ブロックNCにおけるシアンCの濃度が最も高くなるよう配置されている。なお、Nの値はプリンタ20の種類毎に予め定められた整数である。
【0026】
同様に、マゼンタM、イエローY、及びブラックKに対しても、それぞれ色評価用画像ブロック(1M、2M、・・・、NM)、(1Y、2Y、・・・、NY)、(1K、2K、・・・、NK)が配置されている。
【0027】
ここで、各表示色の各々の色評価用画像ブロックを色見本と言い、色見本毎に指定の表示色が指定の濃度で記録媒体に形成されているか評価することにより、プリンタ20の色再現性が評価される。なお、評価用チャート30における色見本の配置に関して特に制限はなく、本実施形態のように各色見本が表示色毎の濃度順に配置されている必要はなく、また、色見本の形状も四角形に限定されるものではなく、円等の他の形状であってもよい。
【0028】
一方、マーカー301は、例えば評価用チャート30の色見本が表示されている面の端部に形成される印しであり、本実施形態では例えば矢印の図形として表されているが、マーカー301の形状は特に限定されず、矢印以外の図形であってもよい。また、マーカー301の表示色に関する制限もない。
【0029】
次に、評価用チャート30を撮影して、プリンタ20が形成する画像の表示色の評価を実施するスマートフォン40の構成について説明する。
【0030】
図3は、スマートフォン40の機能的な構成を示した機能ブロック図である。
【0031】
スマートフォン40は、評価用チャート30を撮影する撮影部401、撮影した画像及び利用者からの指示を受け付ける受付部402、撮影した画像からRGB値を取得するRGB値取得部403、RGB値をL
*a
*b
*色空間の表色値に変換するL
*a
*b
*変換部404、撮影した画像の色情報に対応した表色値と基準表色値との色差を演算する色差演算部405、色差を表すオブジェクトを生成するオブジェクト生成部406、撮影した画像と色差を表すオブジェクトを合成する合成部407、合成した画像信号を表示媒体に出力する出力部408、合成した画像信号を表示する表示部409、利用者にスマートフォン40への指示手段を提供する操作部410、図示しない外部装置と相互にデータ通信を行う通信部411、及び画像データ等を記憶する記憶部412、を含んで構成される。
【0032】
撮影部401は、プリンタ20で形成された評価用チャート30を撮影して、画像信号に変換する。
【0033】
受付部402では、撮影部401で撮影した評価用チャート30の画像信号を受け付けると共に、操作部410を介して、利用者から評価用チャート30の色見本の色情報取得指示を受け付ける。
【0034】
RGB値取得部403では、まず、色情報取得指示を受け付けた際の評価用チャート30の画像信号から、各々の色見本の位置に対応した色見本画像信号を取得する。そして、この色見本画像信号に基づいて色見本の表示色をレッドR、グリーンG、及びブルーBの色空間における各成分色に分解し、RGB値を取得する。
【0035】
L
*a
*b
*変換部404では、RGB値取得部403で取得したRGB値をL
*a
*b
*色空間における表色値(以下、実測表色値という)に変換する。L
*a
*b
*色空間は明度L
*に関連する成分と色相及び彩度に関連する成分a
*、b
*とによって定義された色空間であり、CIE(Commission Internationale de l'Eclairage:国際照明委員会)1976年推奨の表色系である。
【0036】
RGB値取得部403で取得したRGB値をL
*a
*b
*色空間の表色値に変換する理由は、L
*a
*b
*色空間の表色値はスマートフォン40等の個別デバイスに依存しない値であるため、より精度の高い表示色の比較が行われるという理由からである。
【0037】
なお、RGB値取得部403で取得したRGB値の変換先の色空間はL
*a
*b
*色空間に限られず、表示色に対して個別デバイスの影響を排除した色空間、例えばXYZ色空間等の他の色空間に変換してもよい。
【0038】
色差演算部405では、記憶部412から、評価用チャート30の各色見本に対応した基準表色値を読み出し、実測表色値と、当該色見本に対応する基準表色値との色差ΔEを色見本毎に演算する。具体的には、各色見本の実測表色値と、当該色見本に対応する基準表色値との色差ΔEは、実測表色値によって表されるL
*a
*b
*色空間内の点と、基準表色値によって表されるL
*a
*b
*色空間内の点との距離によって表される。
【0039】
なお、各色見本に対応する基準表色値は、L
*a
*b
*変換部404における変換先の色空間で表わされた値として、予め記憶部412に記憶しておくものとする。例えば、本実施形態の場合、基準表色値はL
*、a
*、及びb
*を含む表色値として表わされている。
【0040】
オブジェクト生成部406では、色差演算部405で色見本毎に求めた色差ΔEを、予め定めた表現方法に従ったオブジェクトとして生成する。色差ΔEを表すオブジェクトの種類としては、例えば、色、模様、文字、及び形状等が用いられ、以下、色差ΔEを表すオブジェクトを色差オブジェクトという。
【0041】
色差オブジェクトとして「色」が設定されている場合、例えば色差ΔEの値が0の場合はグリーンG、0を超え値X未満の場合はイエローY、値X以上の場合はレッドRで表わすようにする。
【0042】
また、色差オブジェクトとして「模様」が設定されている場合、例えば色差ΔEの値が0の場合は模様無し、0を超え値X未満の場合はドット模様、値X以上の場合は格子模様で表わすようにする。
【0043】
また、色差オブジェクトとして「文字」が設定されている場合、例えば色差ΔEの値をそのまま数字で表わしたり、色差ΔEの大きさに応じて、「*」や「#」等の記号で表わしたりしてもよい。
【0044】
更に、色差オブジェクトとして「形状」が設定されている場合、例えば色差ΔEの値を棒グラフとして表したり、また、色差ΔEの値が予め定めた閾値未満の場合には、色差ΔEが予め定めた閾値未満に収まっていることを意味する球体、色差ΔEの値が予め定めた閾値以上の場合には、色差ΔEが予め定めた閾値未満に収まっていないことを意味する三角錐等を用いて表したりしてもよい。
【0045】
更に、色差オブジェクトとして、色、模様、文字、及び形状等を各々組み合わせたものを用いるようにしてもよい。
【0046】
合成部407では、画像受付部402で受け付けた評価用チャート30の色見本の各々の表示位置に、オブジェクト生成部406で生成した各色見本に対応した色差オブジェクトを重ね合わせて、評価用チャート30と色差オブジェクトとを合成した合成画像信号を生成する。
【0047】
出力部408では、合成部407で生成した合成画像信号を表示部409に出力する。
【0048】
表示部409は、出力部408から出力された合成画像信号を画像に変換して、評価用チャート30の色見本の各々の表示位置に各色見本に対応した色差オブジェクトが合成された画像を、スマートフォン40に内蔵された液晶ディスプレイ等の表示媒体に表示する。
【0049】
操作部410は、例えば液晶ディスプレイ等の表示媒体上に配置されたタッチパネル及び電源ボタン等のハードウェアキーを含んで構成され、例えば、スマートフォン40の電源の入切指示、液晶ディスプレイに表示されたソフトウエアボタンの押下、及び画面のスクロール指示等を受付部402に通知する。
【0050】
通信部411は、図示しない通信回線に接続された他のスマートフォン40やプリンタ20等の外部装置と、相互にデータ通信を実施するためのインターフェースであり、有線または無線によって図示しない通信回線に接続される。
【0051】
記憶部412は、撮影部401〜通信部411の各機能部で参照される各種データや、スマートフォン40を制御するためのプログラムを記憶すると共に、撮影部401〜通信部411の各機能部が処理を実施する上で必要なデータを一時的に記憶する記憶領域を提供する。
【0052】
なお、本実施形態の受付部402は、撮影部401で撮影した評価用チャート30の画像信号を受け付けるものとしたが、図示しない通信回線に接続された撮影機能を有する外部装置、例えば、他のスマートフォン40、デジタルカメラ、タブレット端末等で撮影した評価用チャート30の画像信号を、通信部411を介して受け付けるようにしてもよい。
【0053】
また、本実施形態の出力部408は、合成部407で生成した合成画像信号を表示部409に出力するようにしたが、図示しない通信回線に接続された表示機能を有する外部装置、例えば、他のスマートフォン40、ディスプレイ等に、合成部407で生成した合成画像信号を出力するようにしてもよい。
【0054】
図4は、本実施形態に係るスマートフォン40の要部構成間の電気系統の接続を示したブロック図である。
【0055】
スマートフォン40の制御部は、例えばコンピュータ50として構成される。コンピュータ50は、CPU(Central Processing Unit)501、ROM(Read Only Memory)502、RAM(Random Access Memory)503、不揮発性メモリ504、及び入出力インターフェース(I/O)505がバス506を介して各々接続された構成であり、I/O505にはカメラコントローラ62、表示コントローラ64、タッチパネル66、及び通信回線I/F68が接続されている。そして、カメラコントローラ62にはカメラモジュール61、表示コントローラ64には液晶ディスプレイ63がそれぞれ接続されている。
【0056】
本実施形態におけるカメラモジュール61は、一例としてCMOSカメラモジュールが搭載されているが、撮像素子の種類に制限はなく、例えばCCDカメラモジュール等であってもよい。
【0057】
また、カメラコントローラ62は、コンピュータ50からの指示に従ってカメラモジュール61の制御をすると共に、カメラモジュール61で撮影した評価用チャート30等の画像信号を、コンピュータ50との間で予め取り決めた手順に従って、コンピュータ50に送信する。
【0058】
表示コントローラ64は、コンピュータ50から送信される画像信号及び画像の表示に係る各種指示を受け付け、コンピュータ50からの指示に従って画像信号を液晶ディスプレイ63に表示する。なお、本実施形態の場合、表示媒体として液晶ディスプレイ63が表示コントローラ64に接続されているが、表示媒体はこれに限定されず、例えば有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)等を用いるようにしてもよい。
【0059】
通信回線I/F68は、図示しない通信回線に接続され、例えば、当該通信回線に接続された図示しない他のスマートフォン40、デジタルカメラ、タブレット端末、ディスプレイ等の外部装置と、相互にデータ通信を行うためのインターフェースであり、有線若しくは無線を問わない。
【0060】
以上のように構成されたスマートフォン40における処理は、プログラムを実行することにより、コンピュータ50を利用したソフトウエア構成により実現される。以下では、本実施形態に係る色評価結果画像生成処理を実行する際のスマートフォン40の作用について説明する。
【0061】
図5は、本実施形態に係るスマートフォン40に内蔵されたコンピュータ50のCPU501によって実行される色評価結果画像生成プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。当該プログラムはROM502の予め定められた領域に予め記憶されており、例えば、CPU501が当該プログラムの起動指示を受け付けた場合等に、CPU501により実行される。
【0062】
なお、色評価結果画像生成プログラムは、ROM502に予めインストールされて提供される形態に限らず、CD−ROMやメモリカード等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納された状態で提供される形態、有線又は無線による通信手段を介して配信される形態等を適用してもよい。
【0063】
まず、ステップS100では、カメラコントローラ62に対して画像取得指示を送信して、カメラモジュール61で取得した評価用チャート30の画像を画像信号としてカメラコントローラ62から取得する。そして、取得した画像信号を画像表示指示と共に表示コントローラ64へ送信することで、カメラモジュール61で撮影した評価用チャート30の画像を液晶ディスプレイ63に表示させる。
【0064】
カメラモジュール61で取得する画像は、静止画、動画のいずれであってもよいが、本実施形態におけるカメラモジュール61は画像を動画として取り込むものとする。
【0065】
ところで、プリンタ20で形成される評価用チャート30は、プリンタ20の色再生特性等を考慮して数パターン用意される場合があるが、何れの評価用チャート30においても、色見本数及び色見本の配置位置は予め定められている。
【0066】
そこで、ステップS105では、スマートフォン40の利用者が評価用チャート30の各色見本の色情報を容易に取得できるように、液晶ディスプレイ63に表示されている評価用チャート30の種類に応じて、不揮発性メモリ504の予め定めた領域に予め記憶されている評価用チャート30の色見本数、色見本の配置位置を示した補助表示画像データを読み出すと共に、表示コントローラ64に対して補助表示画像データ及び補助表示開始指示を送信して、評価用チャート30の画像上に、色見本の色情報取得を支援するための補助表示画像を重ねて表示するよう制御する。
【0067】
図6はこの様子を示した図である。なお、以降の説明を簡略化するため、評価用チャート30は、3種類の濃度を有するシアンCの色見本1C、2C、及び3Cを含んだものとして説明するが、例えば
図2に示した評価用チャート30を用いた場合であっても、本説明と同様の処理が適用される。
【0068】
本実施形態の場合、評価用チャート30の補助表示画像として、例えば、基準点302及び取得領域303が表示される。
【0069】
基準点302は、評価用チャート30を撮影する際の基準となる目印を表したものであり、取得領域303は、撮影された評価用チャート30のうち、どの部分の色情報を取得するかの範囲を表したものであり、評価用チャート30の色見本数と同じ数の取得領域303が表示されることで、各色見本の色情報が取得される。
【0070】
液晶ディスプレイ63に補助表示画像が表示されたスマートフォン40の利用者は、基準点302が、評価用チャート30のマーカー301の矢印の先端部分と重なるようにスマートフォン40を移動させて位置決めをした後、評価用チャート30の各色見本1C、2C、及び3Cの画像上に取得領域303が表示されるように、例えばズーム倍率の調節等の微調整を行い、色見本の色情報取得の準備をする。
【0071】
なお、評価用チャート30の種類の選択は、例えばステップS100を実施する前に液晶ディスプレイ63に表示した、評価用チャート30の種類選択ボタン等の押下をタッチパネル66で検知することにより、予め取得しておけばよい。
【0072】
ステップS110では、例えば利用者によるタッチパネル66の押下等により、評価用チャート30の色見本の色情報取得指示が行われたか否かを判定する。否定判定の場合には、色情報取得指示があるまでステップS110の処理を繰り返し実施し、肯定判定の場合にはステップS115へ移行する。
【0073】
ステップS115では、取得領域303の範囲に位置する色見本の色情報を取得して、例えばRAM503の予め定めた領域に記憶する。具体的には、評価用チャート30の画像信号の中から、取得領域303の範囲内に含まれる画像信号を抽出し、当該画像信号が表す表示色をRGB値に変換して、各色見本の色情報をRGB値としてRAM503に記憶する。
【0074】
ステップS120では、ステップS115でRAM503に記憶した各色見本の色情報に対応したRGB値を各々読み出し、L
*a
*b
*色空間における表色値L
*、a
*、b
*、すなわち実測表色値に変換する。この変換には、RGB各成分値とL
*、a
*、b
*各表色値との対応関係が定義されたテーブルである色変換テーブルが用いられる。色変換テーブルはスマートフォン40の実機による実験やスマートフォン40の設計仕様に基づくコンピュータシミュレーション等により定められ、例えば、不揮発性メモリ504の予め定めた領域に予め記憶されている。
【0075】
ステップS125では、不揮発性メモリ504の予め定めた領域に予め記憶されている評価用チャート30の各色見本に対応した基準表色値を読み出す。なお、基準表色値の取得方法はこれに限られず、例えば、通信回線I/F68を介して、図示しない通信回線に接続されたプリンタ20から評価用チャート30の各色見本に対応した基準表色値を取得するようにしてもよい。
【0076】
ステップS130では、ステップS120で取得した実測表色値と、ステップS125で取得した基準表色値との色差ΔEを評価用チャート30の色見本毎に演算し、演算結果をRAM503の予め定めた領域に記憶する。ここで、実測表色値を(L
1*、a
1*、b
1*)、基準表色値を(L
2*、a
2*、b
2*)とすると、色差ΔEは(1)式として求められる。
【数1】
【0077】
なお、色見本の実測表色値と基準表色値との差分が定量的に表されるのであれば、色差ΔEの算出式は(1)式に限られない。また、L
*a
*b
*色空間の原点と実測表色値との距離をΔE1、L
*a
*b
*色空間の原点と基準表色値との距離をΔE2として、例えば、ΔE1≧ΔE2の場合には色差ΔEの符号をプラスに設定し、ΔE1<ΔE2の場合には色差ΔEの符号をマイナスに設定するようにしてもよい。
【0078】
ステップS135では、ステップS130で求めた評価用チャート30の各色見本に対応した色差ΔEをRAM503から読み出し、予め定めた表現方法に従った色差オブジェクトを生成すると共に、生成した色差オブジェクトを、例えば不揮発性メモリ504の予め定めた領域に記憶する。色差オブジェクトの表現方法は、例えば、液晶ディスプレイ63に表示された色差オブジェクトの表現方法選択ボタン等の押下をタッチパネル66で検知することにより取得される。
【0079】
図7(A)〜
図7(E)は、例えば、色見本1Cに対応した色差ΔEが「1」、色見本2Cに対応した色差ΔEが「4」、色見本3Cに対応した色差ΔEが「10」である場合に、色差ΔEを表す色差オブジェクトの例を示した図である。
【0080】
図7(A)は色差ΔEを3次元グラフで表わしており、
図7(B)は色差ΔEを数値で表している。
【0081】
図7(C)は、色差ΔEを色の区別によって表しており、例えば、色差ΔEが「0」の場合は緑色、「0」を超え「3」未満であれば黄色、「3」以上「7」未満であれば橙色、「7」以上の場合は赤色で表示する。この場合、具体的には色見本1C上に黄色、色見本2C上に橙色、色見本3C上に赤色を表示して、色差ΔEを表すことになる。なお、色差ΔEの表示色及び表示色が表す色差ΔEの範囲は一例であり、上記具体例以外の表示色や範囲を用いてもよいことは言うまでもない。
【0082】
図7(D)は、色差ΔEを模様の区別によって表しており、例えば、色差ΔEが「0」の場合は無地、「0」を超え「3」未満であれば点描画(水玉模様)、「3」以上「7」未満であれば斜め縞模様、「7」以上の場合は格子模様で表示する。この場合、具体的には色見本1C上に点描画、色見本2C上に斜め縞模様、色見本3C上に格子模様を表示して、色差ΔEを表すことになる。なお、色差ΔEの模様及び模様が表す色差ΔEの範囲は一例であり、上記具体例以外の模様や範囲を用いてもよいことは言うまでもない。
【0083】
図7(E)は、色差ΔEを
図7(A)の3次元グラフ及び
図7(B)の数値の組み合わせによって表わしたものである。このように、色差オブジェクトは、
図7(A)〜
図7(D)の各々を組み合わせて生成するようにしてもよい。
【0084】
なお、
図7(C)、
図7(D)では、色見本1C〜3Cの表示面積と同じ大きさの色差オブジェクトを生成する例を示したが、
図7(A)のように、色見本の表示面積より小さい色差オブジェクトを生成して、色見本の一部が表示されるようにしてもよい。この場合、色見本と色差オブジェクトとの対応付けがより明確に表される。反対に、
図7(A)では、色見本1C〜3Cの表示面積より底面積が小さい3次元グラフを生成する例を示したが、
図7(C)、
図7(D)のように、色見本の表示面積と同じ底面積を有する3次元グラフを生成するようにしてもよい。
【0085】
ステップS140では、ステップS100で取得した評価用チャート30の画像と、ステップS135で生成した評価用チャート30の色見本毎の色差オブジェクトと、を合成した合成画像信号を生成する。この際、色差オブジェクトを、各々の色差オブジェクトに対応した評価用チャート30の色見本の表示位置に重ね合わせるように合成画像信号を生成する。
【0086】
ステップS145では、ステップS140で生成した合成画像信号を液晶ディスプレイ63に表示させるように、表示コントローラ64へ合成画像信号及び画像表示指示を送信する。これにより、液晶ディスプレイ63に、評価用チャート30の各色見本上に色差オブジェクトが重ね合わされた合成画像が表示される。
【0087】
なお、同じ評価用チャート30に対して、以前の色評価結果画像生成処理で生成された色差オブジェクトが不揮発性メモリ504に記憶されている場合、今回の色評価結果画像生成処理で生成した色差オブジェクトと、以前の色評価結果画像生成処理で生成された色差オブジェクトとを、時系列に従って連続的に液晶ディスプレイ63に表示するようにしてもよい。
【0088】
図8はこの様子を示した図であり、
図8(A)は、不揮発性メモリ504に記憶されている評価用チャート30の色差オブジェクトのうち、最も古い色差オブジェクトを色見本1C〜3Cに重ねて表示したものである。そして、
図8(B)は次に古い色差オブジェクトを色見本1C〜3Cに重ねて表示したものであり、
図8(C)は最も新しい色差オブジェクトを色見本1C〜3Cに重ねて表示したものである。
【0089】
図8(A)、(B)、(C)の順に、例えば予め定めた間隔で液晶ディスプレイ63に表示することにより、評価用チャート30の色見本に対する色差ΔEの変化の過程が表示され、以前に生成した評価用チャート30の色差オブジェクトを表示しない場合と比較して、プリンタ20が形成する画像の表示色の変化傾向がより容易に把握される。
【0090】
また、ステップS100において、評価用チャート30を動画として取得している場合、スマートフォン40での評価用チャート30の撮影位置が変われば、それに伴い、液晶ディスプレイ63に表示される評価用チャート30の大きさ、表示角度、表示位置等の表示属性も変化することになる。そこでステップS140で、ステップS100で取得した評価用チャート30の画像と、ステップS135で生成した評価用チャート30の色見本毎の色差オブジェクトとを合成した合成画像信号を生成する際、変化する評価用チャート30の表示属性に基づいて、色差オブジェクトを各々の色差オブジェクトに対応した評価用チャート30の色見本の表示位置に重ね合わせるようにして合成画像信号を生成するようにしてもよい。
【0091】
図9はこの様子を示した図であり、例えば、
図9(A)に示すような角度で取得した評価用チャート30の画像に対して、
図9(B)に示すような3次元グラフが色差オブジェクトとして色見本1C〜3C上に重ね合わされ、液晶ディスプレイ63に表示されているとする。この状態から、評価用チャート30の撮影位置を変えて、
図9(C)に示すような角度から評価用チャート30の画像を取得した場合、評価用チャート30の表示属性に合わせて色差オブジェクトを表示することで、
図9(D)のように色見本と色差オブジェクトとの対応関係が変わらないように表示する。
【0092】
なお、評価用チャート30の表示属性に基づく色差オブジェクトは、例えば、色差オブジェクト生成テーブルを参照して生成される。色差オブジェクト生成テーブルは、液晶ディスプレイ63に表示されるマーカー301の大きさ、表示角度、表示位置等に対応した評価用チャート30の表示属性が定義されたテーブルであり、スマートフォン40の実機による実験やスマートフォン40の設計仕様に基づくコンピュータシミュレーション等により定められ、例えば、不揮発性メモリ504の予め定めた領域に予め記憶されている。
【0093】
従って、例えば、ステップS140において、マーカー301に対応する画像信号を抽出し、マーカー301の大きさ、表示角度、表示位置等を解析することで、色差オブジェクト生成テーブルを介して評価用チャート30の表示属性を得るようにする。そして、取得した表示属性に基づいて、色差オブジェクトを、各々の色差オブジェクトに対応した評価用チャート30の色見本の表示位置に重ね合わせるように合成画像信号を生成すればよい。
【0094】
このように、本実施形態に係る色評価結果画像生成処理を実施することで、評価用チャート30の各色見本の映像上に色差オブジェクトが重ね合わされて表示されるため、色見本と色差オブジェクトとの対応付けがより明確になる。
【0095】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施の形態に多様な変更または改良を加えることができ、当該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0096】
また、本実施形態では、一連の画像処理をソフトウエア構成によって実現した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば当該処理をハードウェア構成により実現する形態としてもよい。
【0097】
この場合の形態例としては、例えば、CPU501が実行する処理に対応した機能デバイスを作成して用いる形態がある。この場合は、本実施形態の場合と比較して、処理の高速化が期待される。