(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は、前記残量推定部によって演算された前記一の液体収容部の液体の残量が前記判定値未満であるときには、前記残量推定部によって演算された前記一の液体収容部の液体の残量が前記判定値以上であるときよりも前記液体噴射ヘッドからの液体の排出量の少ない前記メンテナンス処理を実施させる請求項2に記載の液体噴射装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
液体噴射ヘッドのノズルからの実際のインク噴射量やメンテナンス処理時における液体噴射ヘッドからの実際のインク排出量は、製造時に生じる個体差や使用環境などによって変わる。そのため、インクジェット式プリンターの内部処理で演算されるインク消費量は、一般的に、実際のインク消費量が最も多くなる個体差や使用環境を想定した値とされる。
【0007】
そのため、内部処理で演算されたインク消費量に基づいたインク残量推定値は、インクカートリッジ内における実際のインク残量よりも少ないことがある。この場合、実際にはメンテナンス処理を実施するのに十分な量のインクがインクカートリッジ内に残存するにも拘わらず、インク残量推定値が上記判定値未満であるとインク残量が少ないと推定されるために、メンテナンス処理の実施が禁止されてしまう。
【0008】
なお、こうした問題は、インクジェット式プリンターに限らず、液体を収容する液体収容部から供給される液体を噴射可能な液体噴射装置においては概ね共通したものとなっている。
【0009】
本発明の目的は、液体供給部の液体の残量が少ないと推定されている場合であっても、液体噴射ヘッドからの液体の排出を伴うメンテナンス処理を実施する機会を増やすことができる液体噴射装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する液体噴射装置は、同種の液体を収容する複数の液体収容部から供給される液体を噴射可能な液体噴射装置であって、液体を噴射する液体噴射ヘッドに液体を供給する液体収容部を切り替える切替装置と、前記液体噴射ヘッドによる液体の消費量を積算することにより、前記各液体収容部の液体の残量を個別に推定する残量推定部と、前記液体噴射ヘッドからの液体の排出を伴うメンテナンス処理を実施させる制御部と、を備え、前記各液体収容部のうち、前記液体噴射ヘッドに液体を供給している液体収容部を一の液体収容部とした場合、前記制御部は、前記残量推定部によって演算された前記一の液体収容部の液体の残量が判定値未満であるときには、前記液体噴射ヘッドに液体を供給する液体収容部を前記各液体収容部の中から選択し、該選択した液体収容部から液体を前記液体噴射ヘッドに供給する状態で前記メンテナンス処理を実施させる。
【0011】
判定値を、実施を予定しているメンテナンス処理での液体噴射ヘッドからの液体の排出量の予測値に応じて設定した場合、残量推定部によって演算された一の液体収容部の液体の残量が判定値未満である場合には、一の液体収容部の液体の残量が少ないと推定される。上記構成では、このように一の液体収容部の液体の残量が少ないと推定されるときには、一の液体収容部を含む複数の液体収容部の中から液体噴射ヘッドに液体を供給する液体収容部を選択し、該選択した液体収容部から液体を液体噴射ヘッドに供給する状態でメンテナンス処理が実施される。すなわち、各液体収容部のうち少なくとも一つの液体収容部から液体を液体噴射ヘッドに供給する状態でメンテナンス処理が実施される。したがって、一の液体供給部の液体の残量が少ないと推定されている場合であっても、メンテナンス処理を実施する機会を増やすことができる。
【0012】
上記液体噴射装置において、前記制御部は、前記残量推定部によって演算された前記一の液体収容部の液体の残量が前記判定値未満であるときには、前記各液体収容部の中から前記一の液体収容部を選択し、該一の液体収容部から液体を前記液体噴射ヘッドに供給する状態を維持したままで前記メンテナンス処理を開始させるようにしてもよい。
【0013】
残量推定部によって演算された一の液体収容部の液体の残量が実際の液体の残量よりも少ないことがある。この場合、残量推定部によって演算された一の液体収容部の液体の残量が上記判定値未満であっても、一の液体収容部の実際の液体の残量は判定値以上である可能性がある。この場合、一の液体収容部から液体を液体噴射ヘッドに供給する状態のままでもメンテナンス処理を適切に実施することができる。そこで、上記構成では、残量推定部によって演算された一の液体収容部の液体の残量が判定値未満であっても、一の液体収容部から液体を液体噴射ヘッドに供給する状態を維持したままでメンテナンス処理が開始される。そのため、一の液体収容部内の実際の液体の残量が上記判定値以上である場合には、一の液体収容部内の液体が実際になくなる前に、メンテナンス処理を終了させることができる。すなわち、一の液体収容部に収容される液体を有効に活用しつつメンテナンス処理を適切に実施することができる。
【0014】
上記液体噴射装置は、前記液体収容部に残存する液体の有無を検知する検知装置を備え、前記制御部は、前記一の液体収容部から液体を前記液体噴射ヘッドに供給する状態での前記メンテナンス処理の実施中に、前記検知装置によって前記一の液体収容部に残存する液体がなくなったことが検知されたときには、前記各液体収容部のうち、前記一の液体収容部以外の他の液体収容部から液体が前記液体噴射ヘッドに供給されるように前記切替装置を制御し、前記メンテナンス処理を実施させることが好ましい。
【0015】
残量推定部によって演算された一の液体収容部の液体の残量が、実際の液体の残量とほぼ一致していることもある。この場合、残量推定部によって演算された一の液体収容部の液体の残量が上記判定値未満であるときには、一の液体収容部の実際の液体の残量が判定値よりも小さいことがある。このように実際の液体の残量が判定値未満であるときに一の液体収容部から液体を液体噴射ヘッドに供給する状態を維持したままでメンテナンス処理を開始させると、メンテナンス処理の実施中に一の液体収容部に残存する液体がなくなることがある。そこで、上記構成では、一の液体収容部から液体を液体噴射ヘッドに供給する状態を維持したままでのメンテナンス処理の実施中に、一の液体収容部に残存する液体がなくなったことが検知装置によって検知されたときには、上記他の液体収容部から液体を液体噴射ヘッドに供給する状態にした上で、メンテナンス処理が実施される。すなわち、メンテナンス処理の実施途中で液体噴射ヘッドに液体を供給する液体収容部を変更することにより、メンテナンス処理を適切に実施することができる。
【0016】
上記液体噴射装置において、前記制御部は、前記残量推定部によって演算された前記一の液体収容部の液体の残量が前記判定値未満であるときには、前記残量推定部によって演算された前記一の液体収容部の液体の残量が前記判定値以上であるときよりも前記液体噴射ヘッドからの液体の排出量の少ない前記メンテナンス処理を実施させるようにしてもよい。
【0017】
上記構成によれば、一の液体収容部内の液体の残量が少ないと推定されるときには、液体噴射ヘッドからの液体の排出量の少ないメンテナンス処理を実施させることにより、液体噴射ヘッドに液体を供給する液体収容部を、一の液体収容部から他の液体収容部に切り替えることなく、メンテナンス処理を終了させることのできる可能性が高くなる。
【0018】
上記液体噴射装置において、前記制御部は、前記残量推定部によって演算された前記一の液体収容部の液体の残量が前記判定値未満であるときには、前記各液体収容部のうち、前記一の液体収容部以外の他の液体収容部を選択し、該他の液体収容部から液体が前記液体噴射ヘッドに供給されるように前記切替装置を制御した上で前記メンテナンス処理を実施させるようにしてもよい。
【0019】
上記構成によれば、残量推定部によって演算された一の液体収容部の液体の残量が上記判定値未満であるときには、上記他の液体収容部から液体を液体噴射ヘッドに供給する状態でメンテナンス処理が実施される。したがって、一の液体収容部内の液体の残量が少ないと推定される場合であっても、該一の液体収容部内の液体と同種の液体が収容される他の液体収容部を利用することにより、メンテナンス処理を適切に実施することができる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1の実施形態)
以下、液体噴射装置をインクジェット式プリンターに具体化した第1の実施形態を図面に従って説明する。
【0022】
図1に示すように、インクジェット式プリンター11は、略矩形箱状をなす本体ケース12を備えている。この本体ケース12内の前方下部には、用紙Sなどの印刷対象(液体噴射対象)を支持する支持部材13が主走査方向Xとなる本体ケース12の長手方向(
図1において左右方向)に沿って設けられている。
【0023】
本体ケース12内において支持部材13の後部上方には、主走査方向Xに延びるガイド軸14が設けられている。このガイド軸14は、主走査方向Xに往復移動するキャリッジ15を支持している。また、本体ケース12内の後方側面においてガイド軸14の両端のうち、一端(図中右端)と対応する位置には駆動プーリー16が回転自在に支持され、他端(図中左端)と対応する位置には従動プーリー17が回転自在に支持されている。こうした駆動プーリー16には、キャリッジモーター18が連結されている。また、一対のプーリー16,17間には、無端状のタイミングベルト19が掛装されている。そして、キャリッジモーター18の駆動力がタイミングベルト19を通じてキャリッジ15に伝達されることにより、キャリッジ15が主走査方向Xに往復移動する。
【0024】
キャリッジ15の下面側には、液体の一例としてのインクを噴射する複数のノズルを有する液体噴射ヘッド21が取り付けられている。また、主走査方向Xにおけるキャリッジ15の移動範囲内には、液体噴射ヘッド21の退避位置となるホームポジションHPが設けられている。ホームポジションHPの下方には、各種のメンテナンス処理を実施するメンテナンス装置22が設けられている。
【0025】
また、
図1及び
図2に示すように、キャリッジ15には、インクを一時的に貯留する少なくとも1つ(本実施形態では4つ)のバルブユニット24が設けられている。バルブユニット24には、インクジェット式プリンター11に装着されている液体収容部の一例であるインクカートリッジ30a〜30d,31a〜31dに収容されているインクがインク供給装置25を通じて供給される。そして、バルブユニット24から液体噴射ヘッド21のノズル21aにインクが供給される。
【0026】
バルブユニット24には、バルブユニット24内に一時貯留されているインクの量であるインク貯留量を検出する検出センサーSEが設けられている。この検出センサーSEは、検出したインク貯留量に応じた検出信号を制御装置100に出力する。なお、こうした検出センサーSEとして、例えば、バルブユニット24内のインク量に応じて変位するフロート部材を備え、このフロート部材の位置に応じた検出信号を出力するものを挙げることができる。
【0027】
また、本実施形態のインクジェット式プリンター11は、少なくとも1つ(本実施形態では2つ)のカートリッジホルダー26,27を備えている。そして、カートリッジホルダー26,27内には、少なくとも1つずつ(本実施形態では4つずつ)のインクカートリッジ30a〜30d、31a〜31dが着脱可能に装着されている。
【0028】
例えば、第1のカートリッジホルダー26には、第1のインクが収容されるインクカートリッジ30a、第2のインクが収容されるインクカートリッジ30b、第3のインクが収容されるインクカートリッジ30c及び第4のインクが収容されるインクカートリッジ30dが装着されている。また、第2のカートリッジホルダー27には、第1のインクが収容されるインクカートリッジ31a、第2のインクが収容されるインクカートリッジ31b、第3のインクが収容されるインクカートリッジ31c及び第4のインクが収容されるインクカートリッジ31dが装着されている。
【0029】
そして、インクカートリッジ30a,31a内の第1のインクは、第1のインク用のインク供給装置25を通じて第1のインク用のバルブユニット24に供給される。また、インクカートリッジ30b,31b内の第2のインクは、第2のインク用のインク供給装置25を通じて第2のインク用のバルブユニット24に供給される。また、インクカートリッジ30c,31c内の第3のインクは、第3のインク用のインク供給装置25を通じて第3のインク用のバルブユニット24に供給される。また、インクカートリッジ30d,31d内の第4のインクは、第4のインク用のインク供給装置25を通じて第4のインク用のバルブユニット24に供給される。
【0030】
次に、
図1及び
図2を参照して、インク供給装置25について説明する。
図1及び
図2には、第1のインクをバルブユニット24に供給する第1のインク用のインク供給装置25についてのみ図示している。なお、他のインク用のインク供給装置については、第1のインク用のインク供給装置25と同一構成であるため、図示及び説明を省略するものとする。
【0031】
図1及び
図2に示すように、第1のインク用のインク供給装置25は、第1のカートリッジホルダー26内のインクカートリッジ30aに接続されている第1の接続流路411と、第2のカートリッジホルダー27内のインクカートリッジ31aに接続されている第2の接続流路412とを備えている。第1及び第2の接続流路411,412には、インクカートリッジ30a,31aから第1のインクを汲み取り、同第1のインクをバルブユニット24側となる下流側に吐出する供給ポンプ421,422が設けられている。
【0032】
また、第1及び第2の接続流路411,412の下流端には切替装置43が接続されており、この切替装置43は合流流路44を通じてバルブユニット24に接続されている。切替装置43は、インクカートリッジ30aから第1のインクをバルブユニット24に供給するときには第1の接続流路411を合流流路44に接続すべく動作し、インクカートリッジ31aから第1のインクをバルブユニット24に供給するときには第2の接続流路412を合流流路44に接続すべく動作する。そして、第1の接続流路411が切替装置43を通じて合流流路44に接続されている場合、インクカートリッジ30aが、液体噴射ヘッド21に第1のインクを供給している「一の液体収容部」に該当し、インクカートリッジ31aが、一の液体収容部と同種のインク(同種の液体)を収容する「他の液体収容部」に該当する。反対に、第2の接続流路412が切替装置43を通じて合流流路44に接続されている場合、インクカートリッジ31aが「一の液体収容部」に該当し、インクカートリッジ30aが「他の液体収容部」に該当する。なお、本明細書においては、バルブユニット24にインクを供給しており、「一の液体収容部」に該当するインクカートリッジのことを、「供給カートリッジ」ということもある。
【0033】
ここで、インクカートリッジ30aが供給カートリッジである場合におけるインク供給装置25の動作の一例について説明する。この場合、第1のインク用のバルブユニット24に設けられている検出センサーSEによって検出されるインク貯留量が規定貯留量範囲内に含まれるように、第1の接続流路411に設けられている供給ポンプ421が駆動される。すなわち、インク貯留量が規定貯留量範囲の下限値未満であるときには供給ポンプ421の作動によって、インクカートリッジ30aに収容されている第1のインクがバルブユニット24に供給される。
【0034】
このとき、インクカートリッジ30aに第1のインクがほとんどない場合、供給ポンプ421が駆動されてもバルブユニット24内に第1のインクが供給されない。このように供給ポンプ421を駆動させても、検出センサーSEによって検出されるバルブユニット24内のインク貯留量が増大されない場合、制御装置100は、インクカートリッジ30aに第1のインクがほとんどない状態であると判定することができる。したがって、検出センサーSEと制御装置100とにより、インクカートリッジに残存するインクの有無を検知する「検知装置」の一例が構成される。
【0035】
次に、
図2を参照して、メンテナンス装置22について説明する。
図2に示すように、メンテナンス装置22は、液体噴射ヘッド21がホームポジションHPに位置するときに、ノズル21aを覆うように液体噴射ヘッド21に当接するキャップ51を備えている。また、メンテナンス装置22には、キャップ51を、液体噴射ヘッド21に当接させるキャッピング位置と液体噴射ヘッド21から離れた退避位置(
図2に示す位置)との間で移動させる移動機構52と、キャップ51内を吸引する吸引ポンプ53とが設けられている。
【0036】
そして、キャップ51が液体噴射ヘッド21に当接している状態で吸引ポンプ53が駆動されると、ノズル21aからインクをキャップ51内に排出させるクリーニングが行われる。この際、吸引ポンプ53の駆動仕様に応じた量のインクが、増粘したインクや気泡などとともに液体噴射ヘッド21から排出される。この点で、このクリーニングが、液体噴射ヘッド21からのインクの排出を伴う「メンテナンス処理」の一例に該当する。
【0037】
なお、インクジェット式プリンター11では、クリーニングとして、吸引ポンプ53の駆動仕様の異なる複数種類のクリーニングが予め用意されている。例えば、発生させる吸引力(負圧)を同じとすると、吸引ポンプ53の駆動時間の長い、いわゆる強クリーニングを実施した場合、液体噴射ヘッド21からのインクの排出量が多い。また、吸引ポンプ53の駆動時間が強クリーニングのときよりも短い、いわゆる弱クリーニングを実施した場合、強クリーニングを実施する場合よりも液体噴射ヘッド21からのインクの排出量が少ない。
【0038】
そして、本実施形態のインクジェット式プリンター11では、最後にクリーニングを実施した時点からの経過時間が所定時間以上になった場合やユーザーがクリーニングの実施を要求する操作を行った場合には、クリーニングの実施条件が成立したと判断され、クリーニングが実施される。
【0039】
次に、制御装置100が実行する各種の処理について説明する。
始めに、インクカートリッジのインク残量を推定する処理について説明する。
制御装置100は、インクカートリッジ30a〜30d,31a〜31d毎に、インクの消費量を演算する。例えば、インクカートリッジ30aが供給カートリッジである場合、制御装置100は、印刷時(液体噴射時)に第1のインク用のノズル21aから第1のインクが噴射された回数である噴射回数Nをカウントする。また、制御装置100は、クリーニングの実施回数、すなわち強クリーニングの実施回数M1及び弱クリーニングの実施回数M2をカウントする。そして、制御装置100は、以下に示す関係式(式1)を用いて液体噴射ヘッド21によるインクの消費量Qを演算する。なお、関係式(式1)の「A」はノズル21aによる一回のインク噴射量に応じた値であり、「A×N」はノズル21aからのインクの噴射量の積算値である。また、「B1」は強クリーニングの実施に伴う一種類のインク(例えば、第1のインク)の排出量の予測値であり、「B2」は弱クリーニングの実施に伴う一種類のインク(例えば、第1のインク)の排出量の予測値である。すなわち、「B1×M1」は強クリーニングの実施に起因するインク排出量の積算値であり、「B2×M2」は弱クリーニングの実施に起因するインク排出量の積算値である。
【0040】
Q=A×N+B1×M1+B2×M2 ・・・(式1)
そして、満タン時におけるインクカートリッジのインク収容量をインク総量「Rmax」とした場合、制御装置100は、現時点のインクカートリッジのインク残量の推定値であるインク残量推定値「R」を、以下に示す関係式(式2)を用いて演算する。すなわち、制御装置100により、液体噴射ヘッド21によるインクの消費量(=A×N)を積算することにより、各インクカートリッジ30a〜30d,31a〜31dのインク残量を個別に推定する「残量推定部」の一例が構成される。
【0041】
R=Rmax−Q ・・・(式2)
なお、上記の「A」、「B1」及び「B2」は、許容範囲内で実際のインク消費量が最も多くなる個体差及び使用環境を想定して予め設定されている。そのため、このように求めたインク残量推定値Rは、実際のインク残量を下回ることはあるものの、実際のインク残量を上回ることはほとんどない。
【0042】
次に、
図3に示すフローチャートを参照して、強クリーニングの実施条件が成立したときに制御装置100が実行する処理ルーチンについて説明する。
図3に示すように、本処理ルーチンにおいて、制御装置100は、各供給カートリッジのインク残量推定値Rを取得する(ステップS11)。続いて、制御装置100は、各供給カートリッジの中に、インク残量推定値Rが判定値RTh未満となる供給カートリッジがあるか否かを判定する(ステップS12)。この判定値RThは、強クリーニングの実施に伴う一種類のインクの排出量B2又は同排出量B2よりも僅かに大きい値に設定されている。
【0043】
そして、インク残量推定値Rが判定値RTh未満となる供給カートリッジがない場合、強クリーニングの実施中にインク残量が「0(零)」となる供給カートリッジはないと判断することができる。そのため、インク残量推定値Rが判定値RTh未満となる供給カートリッジがない場合(ステップS12:NO)、制御装置100は、実施するクリーニングとして強クリーニングを選択し(ステップS13)、強クリーニングを開始させる(ステップS14)。そして、制御装置100は、強クリーニングが終了したか否かを判定する(ステップS15)。強クリーニングが未だ実施されている場合(ステップS15:NO)、制御装置100は、強クリーニングが終了するまでステップS15の判定処理を行う。一方、強クリーニングが終了した場合(ステップS15:YES)、制御装置100は、本処理ルーチンを終了する。この点で、本実施形態のインクジェット式プリンター11では、制御装置100が、クリーニングを実施させる「制御部」としても機能する。
【0044】
その一方で、インク残量推定値Rが判定値RTh未満となる供給カートリッジがある場合、当該供給カートリッジのインク残量が、クリーニングの実施途中で「0(零)」になる可能性がある。そのため、インク残量推定値Rが判定値RTh未満となる供給カートリッジがある場合(ステップS12:YES)、制御装置100は、実施するクリーニングとして弱クリーニングを選択し(ステップS16)、弱クリーニングを開始させる(ステップS17)。すなわち、本実施形態のインクジェット式プリンター11では、制御装置100は、インク残量推定値Rが判定値RTh未満となる供給カートリッジがあるときには、当該供給カートリッジをそのまま選択し、当該供給カートリッジを利用してクリーニングを開始させる。
【0045】
そして、制御装置100は、インク無しが検知された供給カートリッジ、すなわちインク残量がほぼ「0(零)」となった供給カートリッジがあるか否かを判定する(ステップS18)。インク無しが検知された供給カートリッジがない場合(ステップS18:NO)、制御装置100は、その処理を後述するステップS22に移行する。
【0046】
一方、インク無しが検知された供給カートリッジがある場合(ステップS18:YES)、制御装置100は、弱クリーニングを一時中断する(ステップS19)。そして、制御装置100は、供給カートリッジを切り替える切替処理を実行する(ステップS20)。例えば、第1のインクを供給するインクカートリッジ30aのインク無しを検知した場合、制御装置100は、第1のインクの供給カートリッジをインクカートリッジ30a(一の液体収容部)からインクカートリッジ31a(他の液体収容部)に切り替えるべく切替装置43を制御する。そして、制御装置100は、弱クリーニングを再開し(ステップS21)、その処理を次のステップS22に移行する。
【0047】
ステップS22において、制御装置100は、弱クリーニングが終了したか否かを判定する。弱クリーニングが未だ実施されている場合(ステップS22:NO)、制御装置100は、その処理を前述したステップS18に移行する。一方、弱クリーニングが終了した場合(ステップS22:YES)、制御装置100は、本処理ルーチンを終了する。
【0048】
次に、クリーニングを実施する際の作用について説明する。なお、前提として、第1のインクの供給カートリッジであるインクカートリッジ30aのインク残量推定値Rは判定値RTh未満である一方で、他のインクの供給カートリッジであるインクカートリッジ30b,30c,30dのインク残量推定値Rは判定値RTh以上であるものとする。また、第1のインクを収容するインクカートリッジ31aのインク残量推定値Rは判定値RTh以上であるものとする。
【0049】
クリーニングの実施条件が成立すると、ホームポジションHPに位置する液体噴射ヘッド21にキャップ51が当接される。この際、インクカートリッジ30aのインク残量推定値Rは判定値RTh未満であるため、弱クリーニングが開始される。すると、吸引ポンプ53が駆動され、液体噴射ヘッド21の各ノズル21aからインクが排出され始める。
【0050】
ここで、インクカートリッジ30aの実際のインク残量がインク残量推定値Rよりも十分に多く、実際のインク残量が判定値RTh以上である場合、第1のインクの供給カートリッジがインクカートリッジ30aからインクカートリッジ31aに切り替えられることなく、弱クリーニングが終了される。
【0051】
その一方で、インクカートリッジ30aの実際のインク残量がインク残量推定値Rとほぼ等しく、実際のインク残量が判定値RTh未満である場合、弱クリーニングの実施途中で、インクカートリッジ30aのインク残量がほぼ「0(零)」であることが検知される。すると、弱クリーニングが一時中断され、第1のインクの供給カートリッジがインクカートリッジ30aからインクカートリッジ31aに切り替えられる。そして、この状態で弱クリーニングが再開される。その後、弱クリーニングの実施期間が経過すると、弱クリーニングが終了される。
【0052】
以上、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)クリーニングを実施する際に、インク残量推定値Rが判定値RTh未満となる供給カートリッジがあったとしても、該供給カートリッジを変更することなくクリーニングが開始される。このとき、インク残量推定値Rが判定値RTh未満となる供給カートリッジの実際のインク残量が判定値RTh以上である場合には、クリーニングの実施途中で供給カートリッジを変更することなく、該クリーニングが終了される。したがって、供給カートリッジのインク残量が少ないと推定される場合であっても、当該供給カートリッジに収容されているインクを有効に活用しつつクリーニングを適切に実施することができる。すなわち、インク残量推定値Rが判定値RTh未満となる供給カートリッジがある場合にはクリーニングの実施が禁止される場合と比較し、クリーニングを実施する機会を増やすことができる。
【0053】
(2)ただし、インク残量推定値Rが判定値RTh未満となる供給カートリッジの実際のインク残量が判定値RTh未満であると、クリーニングの実施途中で当該供給カートリッジのインク残量が「0(零)」であることが検出センサーSEを用いて検出されることがある。この場合、供給カートリッジを、他のインクカートリッジに切り替えることによりクリーニングを継続させることができる。したがって、インク残量が実際に少ない供給カートリッジがある状態でクリーニングを開始させた場合であっても、同種のインクが収容されている複数のインクカートリッジを利用することによりクリーニングを適切に実施することができる。
【0054】
(3)インク残量推定値Rが判定値RTh未満となる供給カートリッジがない状態では強クリーニングが実施される一方で、インク残量推定値Rが判定値RTh未満となる供給カートリッジがある状態では、強クリーニングよりも液体噴射ヘッド21からのインク排出量の少ない弱クリーニングが実施される。そのため、供給カートリッジのインク残量が少ないと推定される場合、強クリーニングが実施される場合と比較して、供給カートリッジを変更することなくクリーニングを終了させることのできる可能性が高くなる。
【0055】
(第2の実施形態)
次に、液体噴射装置をインクジェット式プリンターに具体化した第2の実施形態を図面に従って説明する。なお、第2の実施形態は、インク残量推定値Rが判定値RTh未満となる供給カートリッジがある場合における処理内容が第1の実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1の実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1の実施形態と同一の部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
【0056】
図4に示すフローチャートを参照して、クリーニングの実施条件が成立したときに制御装置100が実行する処理ルーチンについて説明する。
図4に示すように、本処理ルーチンにおいて、制御装置100は、各供給カートリッジのインク残量推定値Rを取得する(ステップS31)。続いて、制御装置100は、各供給カートリッジの中に、インク残量推定値Rが判定値RTh未満となる供給カートリッジがあるか否かを判定する(ステップS32)。インク残量推定値Rが判定値RTh未満となる供給カートリッジがない場合(ステップS32:NO)、制御装置100は、クリーニングを開始させる(ステップS33)。そして、制御装置100は、クリーニングが終了したか否かを判定する(ステップS34)。クリーニングが未だ実施されている場合(ステップS34:NO)、制御装置100は、クリーニングが終了するまでステップS34の判定処理を行う。一方、クリーニングが終了した場合(ステップS34:YES)、制御装置100は、本処理ルーチンを終了する。
【0057】
その一方で、インク残量推定値Rが判定値RTh未満となる供給カートリッジがある場合(ステップS32:YES)、制御装置100は、インク残量推定値Rが判定値RTh未満となる供給カートリッジの切り替えを行う第1の切替処理を行う(ステップS35)。例えば、第1のインクの供給カートリッジであるインクカートリッジ30aのインク残量推定値Rが判定値RTh未満である場合、制御装置100は、インクカートリッジ31aから第1のインクをバルブユニット24に供給することができるように切替装置43を制御する。すなわち、本実施形態のインクジェット式プリンター11では、制御装置100は、インク残量推定値Rが判定値RTh未満となる供給カートリッジがあるときには、同種のインクを収容する他のインクカートリッジを選択し、当該他のインクカートリッジを利用してクリーニングを実施させる。
【0058】
そして、制御装置100は、クリーニングを開始させる(ステップS36)。続いて、制御装置100は、クリーニングが終了したか否かを判定する(ステップS37)。クリーニングが未だ実施されている場合(ステップS37:NO)、制御装置100は、クリーニングが終了するまでステップS37の判定処理を行う。一方、クリーニングが終了した場合(ステップS37:YES)、制御装置100は、供給カートリッジを、クリーニングの実施前のものに戻す第2の切替処理を行う(ステップS38)。例えば、クリーニングの開始前の第1の切替処理によって第1のインクの供給カートリッジをインクカートリッジ30aからインクカートリッジ31aに切り替えていた場合、制御装置100は、インクカートリッジ30aの第1のインクがバルブユニット24に再び供給されるように切替装置43を制御する。その後、制御装置100は、本処理ルーチンを終了する。
【0059】
次に、クリーニングを実施する際の作用について説明する。なお、前提として、第1のインクの供給カートリッジであるインクカートリッジ30aのインク残量推定値Rは判定値RTh未満である一方で、他のインクの供給カートリッジであるインクカートリッジ30b,30c,30dのインク残量推定値Rは判定値RTh以上であるものとする。また、第1のインクを収容するインクカートリッジ31aのインク残量推定値Rは判定値RTh以上であるものとする。
【0060】
クリーニングを実施する前段階の第1の切替処理によって、第1のインクの供給カートリッジがインクカートリッジ30aからインクカートリッジ31aに切り替えられる。すると、全ての供給カートリッジのインク残量推定値Rは判定値RTh以上となり、この状態でクリーニングが実施される。そして、このクリーニングが終了されると、第2の切替処理によって、第1のインクの供給カートリッジがインクカートリッジ31aからインクカートリッジ30aに戻される。そのため、その後の印刷時などでは、インクカートリッジ30aのインクが消費されることとなる。
【0061】
以上、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(4)インク残量推定値Rが判定値RTh未満となる供給カートリッジがある場合、供給カートリッジを、同種のインクを収容する他のインクカートリッジに切り替えた上で、クリーニングが実施される。この場合、クリーニングの実施途中で供給カートリッジを変更することなく、クリーニングを終了させることができる。したがって、インク残量の少ない供給カートリッジがあると推定される場合であっても、上記他のインクカートリッジを利用することにより、クリーニングを適切に実施することができる。すなわち、インク残量推定値Rが判定値RTh未満となる供給カートリッジがある場合にはクリーニングの実施が禁止される場合と比較し、クリーニングを実施する機会を増やすことができる。
【0062】
(5)第1の切替処理を行った上でクリーニングが実施された場合、クリーニング終了後の第2の切替処理によって、供給カートリッジが、クリーニングの実施前のインクカートリッジに戻される。そのため、インク残量推定値Rが判定値RTh未満となる供給カートリッジを利用して、用紙Sへの印刷を行うことができる。
【0063】
なお、上各記実施形態は以下のように変更してもよい。
・インク残量推定値Rとインクの実際の残量との乖離度合いや乖離度合いの傾向は、インクジェット式プリンター11を使用するユーザーが把握していることがある。この場合、例えば第1のインクを収容するインクカートリッジ30aのインク残量推定値Rが判定値RTh未満であっても、そのままクリーニングを実施させてもよいか、第1のインクの供給カートリッジを他のインクカートリッジ31aに切り替えた上でクリーニングを実施させたほうがよいかは、ユーザーが適切に判断することができる。
【0064】
そのため、第1の実施形態において、インク残量推定値Rが判定値RTh以下となる供給カートリッジがある場合、その旨をユーザーに報知し、当該供給カートリッジを変更することなくクリーニングを開始させるか、同種のインクを収容する他のインクカートリッジに供給カートリッジを切り替えた上でクリーニングを開始させるのかを、ユーザーに選択させるようにしてもよい。そして、ユーザーが選択した内容に沿って、クリーニングを実施させるようにしてもよい。
【0065】
・インク供給装置25が、同種のインク(例えば、第1のインク)を収容する複数のインクカートリッジから同時にインクをバルブユニット24に供給することができるように構成されていたとする。この場合、インク残量推定値Rが判定値RTh以下となる供給カートリッジがあるときには、同供給カートリッジである一のインクカートリッジを含む2つ以上のインクカートリッジからインクをバルブユニット24に供給するようにした上で、クリーニングを実施するようにしてもよい。
【0066】
・第1の実施形態において、インク残量推定値Rが判定値RTh以下となる供給カートリッジがある場合のクリーニングは、インク残量推定値Rが判定値RTh以下となる供給カートリッジがない場合のクリーニングと同程度のインクを液体噴射ヘッド21から排出させるクリーニングであってもよい。
【0067】
・第1の実施形態において、インク残量推定値Rが判定値RTh以下となる供給カートリッジがある状態で開始したクリーニングの実施中に、当該供給カートリッジがインク無しになったことが検知されたときには、その旨をユーザーに報知するようにしてもよい。そして、既に装着されている他のインクカートリッジを供給カートリッジにした上でクリーニングを実施させるのか、インク無しになったインクカートリッジを新規のインクカートリッジに取り替え、当該新規のインクカートリッジを供給カートリッジとした上でクリーニングを実施させるのかをユーザーに選択させるようにしてもよい。
【0068】
・各実施形態において、判定値RThは、実施を予定しているクリーニングの種類に応じた値としてもよい。例えば、強クリーニングの実施を予定している場合、判定値RThは、強クリーニングの実施に伴う一種類のインクの排出量「B1」又は同排出量「B1」よりも僅かに大きい値としてもよい。また、弱クリーニングの実施を予定している場合、判定値RThは、弱クリーニングの実施に伴う一種類のインクの排出量「B2」又は同排出量「B2」よりも僅かに大きい値としてもよい。
【0069】
・液体噴射ヘッド21からのインクの排出を伴うメンテナンス処理として、液体噴射ヘッド21のアクチュエーターを駆動させることによりインクをノズル21aから噴射させるフラッシングを行ってもよい。こうしたフラッシングを実施する際であっても、インク残量推定値Rが判定値RTh未満となる供給カートリッジがある場合には、当該供給カートリッジを変更することなくフラッシングを実施するのか、供給カートリッジを他のインクカートリッジに切り替えた上でフラッシングを実施するのかを選択するようにしてもよい。
【0070】
・各実施形態において、インクジェット式プリンターは、同種のインクを収容するインクカートリッジを3つ以上装着することのできるプリンターであってもよい。
・上記実施形態において、液体噴射装置は、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置であってもよい。なお、液体噴射装置から微小量の液滴となって吐出される液体の状態としては、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体は、液体噴射装置から噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状体を含むものとする。また、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造等に用いられる電極材や色材等の材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置がある。また、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置であってもよい。また、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置であってもよい。
【0071】
次に、上記各実施形態及び別の実施形態から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記制御部は、前記残量推定部によって演算された前記一の液体収容部の液体の残量及び前記他の液体噴射部の液体の残量の双方が前記判定値未満であるときには、前記一の液体収容部及び前記他の液体収容部の双方を選択し、前記一の液体収容部及び前記他の液体収容部の双方から液体が前記液体噴射ヘッドに供給されるように前記切替装置を制御した上で前記メンテナンス処理を実施させるようにしてもよい。
【0072】
上記構成では、一の液体収容部内の液体の残量及び他の液体収容部内の液体の残量の双方が少ない場合であっても、一の液体収容部及び他の液体収容部の双方から液体を液体噴射ヘッドに供給できる状態にした上でメンテナンス処理が実施される。すなわち、一の液体供給部の液体の残量が少ないと推定されている場合であっても、一の液体収容部を含む2つ以上の液体収容部を利用することによりメンテナンス処理を実施する機会を増やすことができる。