(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記提案メニューと異なる喫食メニューが前記選択手段により選択されると、当該選択された喫食メニューの栄養素ごとの量と前記抽出手段により抽出された喫食メニューの栄養素ごとの量との比較において過不足が助長された栄養素に関する情報を報知する報知手段を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の支援システム。
前記決定手段は、前記特定手段により特定された前記利用者に対応する前記喫食情報から求められる栄養素毎の前記摂取済み量と、前記特定手段により特定された前記利用者の個人情報に基づいて決定される栄養素毎の摂取基準量とをそれぞれ比較して、栄養素毎に、前記摂取済み量と前記摂取基準量との差又は前記摂取基準量に対する前記摂取済み量の比率を求め、前記差が最も大きい栄養素、若しくは前記比率が最も大きい又は小さい栄養素を前記重点管理栄養素として決定することを特徴とする請求項8に記載の支援システム。
前記比較手段は、前記特定手段により特定された前記利用者に対応する前記喫食情報から求められる栄養素毎の前記摂取済み量と、前記特定手段により特定された前記利用者の個人情報に基づいて決定される栄養素毎の前記摂取基準量とに基づいて、栄養素毎の摂取不足量を算出し、
前記抽出手段は、前記決定手段によって決定されたいずれかの前記重点管理栄養素の前記摂取済み量が、前記利用者の個人情報に基づいて決定される当該重点管理栄養素の前記摂取基準量に達していない場合に、前記選択手段により選択可能な複数種類の前記喫食メニューの中から、喫食後に当該重点管理栄養素の摂取量が前記摂取不足量以上とならない前記喫食メニューを抽出することを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の支援システム。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[第1実施形態]
以下、本発明に係る支援システムの一例としてのメニュー提案装置を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、第1実施形態に係るメニュー提案装置11を備える喫食メニュー提供システム10の構成を概略的に例示するブロック図である。
本実施形態に係る喫食メニュー提供システム10は、様々な喫食メニューを提供する食堂等に配置されて食堂における健康支援システムとして構成されており、利用者に適した栄養バランスの喫食メニューを提案するメニュー提案装置11を備えるように構成されており、所定のIDカードCを提示する利用者に対して選択された喫食メニューを提供するシステムである。この喫食メニュー提供システム10は、IDカードCを利用した精算処理を実施する精算機20と、メニュー照会機30とを備えている。なお、IDカードCは、電子マネー等の金銭情報を利用した精算が利用可能な精算用記録媒体であって、そのICチップに利用者を特定するための特定情報が読み取り可能に記憶されて構成されている。
【0027】
まず、精算機20の構成およびその機能について、以下に説明する。
精算機20は、IDカードCに記録された金銭情報を利用して利用者により選択された喫食メニューの精算を行うための精算手段として機能する端末であって、当該精算機20全体を制御する制御部21を備えている。この制御部21は、マイコンを主体として構成されるものであり、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を有しており、メモリ22と協働して情報処理手段として機能する。メモリ22には、提供可能な喫食メニューがデータベース化されて記憶されるとともに、後述する精算処理等を実行可能な所定のプログラムなどが記憶されている。
【0028】
また、制御部21には、入力部23、表示部24、IDカード読書部25、外部通信部26および電源制御部27などが制御可能に接続されている。入力部23は、各種の操作キーを備えており、操作キーの操作に応じた所定の情報を制御部21に対して出力するように構成されている。表示部24は、液晶モニタ等によって構成されており、制御部21からの表示処理に関する指示を受けて各種情報を表示するように動作する。なお、入力部23は、表示部24の表示画面上に配置されるタッチパネルを有するように構成されてもよい。
【0029】
IDカード読書部25は、制御部21により制御されて、アンテナ25aを介して、IDカードCとの間で電磁波による非接触通信(無線通信)を行ない、当該IDカードCの特定情報を読み取るとともに、金銭情報(残金情報)等を含めた精算関連情報を読み書き可能に機能するものである。なお、IDカード読書部25は、特許請求の範囲に記載の「特定手段」の一例に相当し得る。
【0030】
外部通信部26は、制御部21により制御されて、後述する精算情報等についてメニュー照会機30や他の外部装置との間で送受信可能に構成されている。電源制御部27は、外部電源からの電力供給を受け、制御部21や各種電気部品に電力を供給している。
【0031】
次に、精算機20の制御部21にて実行される喫食メニューを精算する精算処理について、
図2を参照して詳細に説明する。
図2は、
図1の精算機20の制御部21にて実行される精算処理の流れを例示するフローチャートである。
精算機20が作動状態になり、制御部21により精算処理が開始されると、
図2のステップS101に示す判定処理がなされ、喫食メニューが選択されたか否かについて判定される。そして、利用者が所望の食メニューを喫食するために、IDカードCをアンテナ25aにかざすことでIDカード読書部25によりIDカードCの特定情報および金銭情報等が取得されるとともに、入力部23を操作することで喫食メニューが選択されると、ステップS101にてYesと判定される。なお、入力部23または精算機20は、特許請求の範囲に記載の「選択手段」の一例に相当し得る。
【0032】
なお、IDカード読書部25によりアンテナ25aにかざされたIDカードCの特定情報および金銭情報等が取得された後に、入力部23の操作に応じて喫食メニューが選択されることで、ステップS101にてYesと判定されてもよい。また、入力部23の操作に応じて喫食メニューが選択された後に、IDカード読書部25によりアンテナ25aにかざされたIDカードCの特定情報および金銭情報等が取得されることで、ステップS101にてYesと判定されてもよい。また、食堂等に勤務する操作者が精算機20を操作して精算処理を促す場合には、この操作者により入力部23が操作されることで、喫食メニューが選択されてもよい。
【0033】
次に、ステップS103に示す支払情報取得処理がなされる。この処理では、入力部23の操作に応じて、選択された喫食メニュー(以下、選択メニューともいう)の支払いに関する支払情報が取得される。続いて、ステップS105に示す更新情報生成処理がなされる。この処理では、上述のように取得した金銭情報に基づいて、IDカードCの金銭情報を上記支払情報に応じて減額するように更新するための情報(以下、更新情報ともいう)が生成される。次に、ステップS107に示す更新情報送信処理がなされ、上述のように生成された更新情報がIDカード読書部25によりIDカードCに対して送信される。
【0034】
そして、上記更新情報を受信したIDカードCにて金銭情報が支払情報に応じて減額されるように更新されることで、IDカードCを利用した精算処理が完了する。
【0035】
上述のように更新情報が送信されると、ステップS109に示す精算情報送信処理がなされる。この処理では、精算済みの選択メニューを特定する情報と精算日時情報とが取得した特定情報に関連付けられて、精算情報として外部通信部26によりメニュー照会機30に送信される。そして、ステップS101以降の処理がなされる。
【0036】
次に、メニュー照会機30の構成およびその機能について、以下に説明する。
メニュー照会機30は、IDカードCを提示した利用者に対して適した栄養バランスの喫食メニューを照会(提案)する端末であって、当該メニュー照会機30全体を制御する制御部31を備えている。この制御部31は、マイコンを主体として構成されるものであり、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を有しており、メモリ32と協働して情報処理手段として機能する。メモリ32には、後述するデータベースが構築されるとともに、後述するメニュー提案処理等を実行可能な所定のプログラムなどが記憶されている。なお、メモリ32は、特許請求の範囲に記載の「記憶手段」の一例に相当し得る。
【0037】
また、制御部31には、入力部33、表示部34、IDカード読書部35、外部通信部36および電源制御部37などが制御可能に接続されている。入力部33は、各種の操作キーを備えており、操作キーの操作に応じた所定の情報を制御部31に対して出力するように構成されている。表示部34は、液晶モニタ等によって構成されており、制御部31からの表示処理に関する指示を受けて各種情報を表示するように動作する。なお、入力部33は、表示部34の表示画面上に配置されるタッチパネルを有するように構成されてもよい。
【0038】
IDカード読書部35は、制御部31により制御されて、アンテナ35aを介して、IDカードCとの間で電磁波による非接触通信(無線通信)を行ない、当該IDカードCの特定情報を読み取るように機能するものである。なお、IDカード読書部35は、特許請求の範囲に記載の「特定手段」の一例に相当し得る。
【0039】
外部通信部36は、制御部31により制御されて、精算情報等について精算機20や他の外部装置との間で送受信可能に構成されている。電源制御部37は、外部電源からの電力供給を受け、制御部31や各種電気部品に電力を供給している。
【0040】
次に、本実施形態に係るメニュー照会機30の特徴的構成について、
図3〜
図5を用いて詳細に説明する。
図3は、提供メニューデータベースの構成を概念的に説明する説明図である。
図4は、
図1のメニュー照会機30の制御部31にて実行されるメニュー提案処理の流れを例示するフローチャートである。
図5は、摂取済メニューデータベースの構成を概念的に説明する説明図である。
【0041】
精算機20の精算対象となる喫食メニューには、予め栄養素ごとの量がそれぞれ設定されており、メニュー照会機30にて提供メニューデータベースとしてデータベース化されてメモリ32に記憶されている。具体的には、例えば、
図3に例示するように、「鶏のから揚げ」では、カロリー「470kcal」、塩分「2.3g」、たんぱく質「20.9g」、炭水化物「8.9g」、脂質「29.5g」に設定され、「煮込みハンバーグ」では、カロリー「405kcal」、塩分「2g」、たんぱく質「21.7g」、炭水化物「10.3g」、脂質「16.6g」に設定されている。
【0042】
そして、メニュー照会機30では、利用者の要求に応じて、以下に示すメニュー提案処理を実施することにより、IDカードCを利用して利用者が実際に喫食した喫食メニューに関する情報を順次蓄積し、この蓄積情報に基づいてその利用者に適した喫食メニューを提案メニューとして提案する。このため、メモリ32では、精算済みの選択メニューに関する栄養素ごとの量などの情報(以下、喫食情報ともいう)と精算日時情報とが特定情報に関連付けられて摂取済メニューデータベースとして更新可能にデータベース化されている。上述したメニュー提案装置11は、このように構成されるメニュー照会機30と、精算機20の喫食メニューを選択する選択機能等とを備えるように構成される装置である(
図1参照)。
【0043】
以下、制御部31により実施されるメニュー提案処理について、
図4に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。
メニュー照会機30が作動状態になり、制御部31によりメニュー提案処理が開始されると、
図4のステップS201に示す判定処理がなされ、IDカードCが読み取られたか否かについて判定される。ここで、IDカードCが読み取られていなければ、ステップS201にてNoと判定されて、ステップS203に示す判定処理にて精算情報を受信したか否かについて判定され、精算情報を受信していなければ(S203でNo)、上記ステップS201からの処理がなされる。
【0044】
ステップS201,S203にてNoとの繰り返し判定中に、IDカードCの利用者が精算機20にて精算したことから精算情報が送信され(S109)、この精算情報を受信すると(S203でYes)、ステップS205に示すデータベース更新処理がなされる。この処理では、受信した精算情報に応じて、喫食情報と精算日時情報とが、IDカードCから特定される特定情報に関連付けられて追加されるように、メモリ32の摂取済メニューデータベースが更新される。
【0045】
具体的には、ID番号「XXXXXX」のIDカードCを利用して「9月7日」に「エビ天おろしうどん」と「グリーンサラダ」とを精算すると、
図5に例示するように、この精算済みの選択メニューの喫食情報と精算日時情報とが、ID番号「XXXXXX」に関連付けられて蓄積されるようにメモリ32の摂取済メニューデータベースが更新される。すなわち、利用者がIDカードCを利用して喫食メニューを喫食すると、この利用者を特定する特定情報に関連付けられて、実際に喫食した喫食メニューの情報が精算日時順にメモリ32の摂取済メニューデータベースに逐次記憶されることとなる。そして、このように、摂取済メニューデータベースが更新されると、上記ステップS201からの処理が繰り返される。
【0046】
そして、上記ステップS201,S203にてNoとの繰り返し判定中に、提案メニューの提示を所望する利用者がIDカードCをアンテナ35aにかざすことでIDカードCの特定情報等が読み取られると(S201でYes)、ステップS207に示す平均摂取量算出処理がなされる。この処理では、摂取済メニューデータベースに蓄積されている喫食情報のうち最近の5日分の平均摂取量が栄養素ごとに算出される。なお、喫食していない日がある場合には、この日を除くように最近の5日分の平均摂取量が栄養素ごとに算出される。
【0047】
例えば、
図5に示すように摂取済メニューデータベースが蓄積されている場合には、平均摂取量が、カロリー「555.6kcal」、塩分「3.1g」、たんぱく質「19.7g」、炭水化物「58.2g」、脂質「16.6g」として算出される。
【0048】
続いて、ステップS209に示す比較処理がなされる。この処理では、上述のように算出された平均摂取量と、利用者が本来摂取すべき栄養素ごとの量(以下、推奨量ともいう)とが比較されて、過不足分が算出される。本実施形態では、生活環境情報と年齢とをパラメータとして、推奨量がそれぞれ予め設定されて、メモリ32に記憶されている。また、生活環境情報および年齢は、上記特定情報の一部として、IDカードCに記憶されている。なお、上記生活環境情報とは、例えば、デスクワーク系であるか否かなどの生活スタイルを含めた諸条件から求められる情報であり、この生活環境情報や年齢に応じて推奨量が変化することとなる。
【0049】
例えば、上記ステップS201にてIDカードCから読み取った利用者の生活環境情報および年齢に基づいて、上記推奨量が、カロリー「796〜916kcal」、塩分「0.6〜4.0g」、たんぱく質「24.0〜42.8g」、炭水化物「117.7〜147.3g」、脂質「19.0〜28.8g」に設定される場合には、上記比較処理では、平均摂取量と推奨量との比較結果から塩分以外が不足していることがわかる。なお、上記比較手段を実行する制御部31は、特許請求の範囲に記載の「比較手段」の一例に相当し得る。
【0050】
次に、ステップS211に示す抽出処理がなされる。この処理では、上記過不足分に基づいてこの過不足分を解消する喫食メニューがメモリ32の提供メニューデータベースから抽出される。具体的には、上述のように塩分以外が不足していると、提供メニューデータベースから、例えば、「さばの照り焼き」と「ライス大」と「味噌汁」とが抽出される。なお、上記抽出手段を実行する制御部31は、特許請求の範囲に記載の「抽出手段」の一例に相当し得る。
【0051】
続いて、ステップS213に示す表示処理がなされる。この処理では、上述のように抽出された喫食メニューが提案メニューとして表示部34に表示される。これにより、表示部34に表示される提案メニューをみた利用者がこの提案メニューを選択することで、その利用者は、過不足している栄養素をなくすように喫食メニューを喫食することができる。なお、表示部34は、特許請求の範囲に記載の「表示手段」の一例に相当し得る。
【0052】
また、上記表示処理では、提案メニューに加えて上記比較結果に基づく過不足する栄養素に関する情報の少なくとも一部、例えば、「たんぱく質が○○○g不足しています」等の情報が表示部34に表示される。そして、このように提案メニュー等が表示部34に所定時間表示されると、上記ステップS201からの処理が再び繰り返される。
【0053】
以上説明したように、本実施形態に係るメニュー提案装置11では、アンテナ25aにIDカードCがかざされることでIDカード読書部25にて特定された利用者により選択された喫食メニューに関する情報が、当該利用者を特定する特定情報に関連付けられて喫食情報としてメモリ32の摂取済メニューデータベースに順次蓄積されるように記憶される。そして、アンテナ35aにIDカードCがかざされることでIDカード読書部35により特定された利用者の要求に応じて、当該利用者に対応する喫食情報から求められる平均摂取量と、当該利用者の上記推奨量とが比較されると、この比較結果に基づいて、選択可能な複数種類の喫食メニューの中から栄養素ごとの過不足を解消するために適した喫食メニューが抽出されて表示部34に提案メニューとして表示される。
【0054】
これにより、その利用者が実際に喫食した喫食メニューの栄養素とその量が考慮されて喫食メニューが抽出されるので、その利用者にとって適した喫食メニューを提案メニューとして表示することができる。特に、喫食メニューを選択するだけでその喫食メニューに関する情報が喫食情報としてメモリ32の摂取済メニューデータベースに蓄積されて更新されるので、上記喫食情報に関するデータベースを構築するための登録作業等をなくすことができる。また、喫食メニューが選択されるごとに喫食情報が更新されるため、平均摂取量が都度変化することから上記比較結果も変化するので、同じ喫食メニューが頻繁に提案されることもない。
したがって、実際に利用者が喫食した喫食メニューに基づいてその利用者に適した喫食メニューを提案することができる。
【0055】
また、栄養素ごとの過不足を解消するとともに摂取カロリーの過不足を解消するために適した喫食メニューが抽出されるので、摂取カロリーを気にする利用者に対して、摂取カロリーの過不足を考慮した喫食メニューを提案することができる。
【0056】
特に、表示部34には、提案メニューに加えて過不足する栄養素に関する情報の少なくとも一部が表示されるため、利用者は、実際に喫食した喫食メニューに基づいて過不足する栄養素やその関連情報を容易に把握することができる。例えば、摂取カロリーを気にする利用者に対しては、最近摂取した喫食メニューから求められる摂取済みの摂取カロリーに関する情報を表示部34に表示して報知することができる。
【0057】
また、精算機20は、特定情報および金銭情報が記録されたIDカードCを利用した精算処理が可能であって、メニュー照会機30は、IDカード読書部35にて、IDカードCに記録される特定情報を読み取ることで利用者を特定する。これにより、1つのIDカードCで提案メニューの表示と選択された喫食メニューの精算とを実施できるので、さらに利便性を向上させることができる。
【0058】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係るメニュー提案装置について
図6を参照して説明する。
図6は、第2実施形態に係るメニュー提案装置11aの構成を概略的に例示するブロック図である。
本第2実施形態に係るメニュー提案装置11aでは、上述した精算機20の機能とメニュー照会機30の機能とを1つの端末に集約した点が、上記第1実施形態に係るメニュー提案装置と主に異なる。したがって、上述した第1実施形態のメニュー提案装置と実質的に同一の構成部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0059】
図6に示すように、本実施形態に係るメニュー提案装置11aは、メニュー照会機30をベースに精算機20の機能を追加して構成されている。具体的には、メニュー提案装置11aは、主に、制御部31、メモリ32、入力部33、表示部34、IDカード読書部35、外部通信部36および電源制御部37を備えており、制御部31は、入力部33の操作に応じて、精算処理が実施されるモードとメニュー提案処理が実施されるモードとを切り替え可能に構成されている。
【0060】
そして、精算処理が実施されるモードでは、IDカード読書部35によりIDカードCの特定情報および金銭情報等が取得され、金銭情報を上記支払情報に応じて減額する更新情報が生成された後にIDカード読書部35により送信される。このモードでは、入力部33の操作に応じて喫食メニューが選択される。また、このモードでは、上記ステップS109に示す処理では、上述した精算情報送信処理に代えて、上記データベース更新処理(S205)がなされる。すなわち、ステップS101にて選択された選択メニューの喫食情報と精算日時情報とが特定情報に関連付けられて追加されるように、メモリ32の摂取済メニューデータベースが更新される。また、メニュー提案処理が実施されるモードでは、上記ステップS203,S205に示す処理が廃止される。
【0061】
以上説明したように、1つの端末で構成されるメニュー提案装置11aであっても、IDカードCをかざした利用者に対して、メニュー提案処理が実施されるモードにて提案メニューを提案し、精算処理が実施されるモードにて選択メニューを精算することができる。
【0062】
すなわち、メニュー提案装置11aは、メニュー照会機30をベースに精算機20の機能のうち選択された喫食メニューの精算処理を行う精算機能を備えているため、実際に利用者が喫食した喫食メニューに基づいてその利用者に適した喫食メニューを提案するだけでなく、選択された喫食メニューの精算処理を行うことができる。
【0063】
本第2実施形態に係る変形例として、提案メニューと異なる喫食メニューが選択されると、両メニューにおける栄養素ごとの量の比較において過不足が助長された栄養素に関する情報を、表示部34の表示または他の報知手段等により報知してもよい。これにより、提案メニューと異なる喫食メニューを喫食する場合であっても、過不足が助長された栄養素を容易に把握することができ、次に喫食する際の参考情報とすることができる。この場合、表示部34は、特許請求の範囲に記載の「報知手段」の一例に相当し得る。
【0064】
なお、上記第1実施形態において、上記変形例と同様に、提案メニューと異なる喫食メニューが選択されると、両メニューにおける栄養素ごとの量の比較において過不足が助長された栄養素に関する情報を、表示部24の表示または他の報知手段等により報知してもよい。
【0065】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る喫食メニュー提供システムについて
図7〜
図9を参照して説明する。
図7は、第3実施形態に係る喫食メニュー提供システム10aの構成を概略的に例示するブロック図である。
図8は、
図7のメニュー照会機30の制御部31にて実行されるメニュー提案処理の流れを例示するフローチャートである。
図9は、
図7のサーバ40の制御部41にて実行される提案メニュー抽出処理の流れを例示するフローチャートである。
【0066】
本第3実施形態に係る喫食メニュー提供システム10aでは、複数の利用者による同時利用が可能とするため、複数の精算機20および複数のメニュー照会機30が複数箇所設けられる点が、上記第1実施形態に係る喫食メニュー提供システムと主に異なる。したがって、上述した第1実施形態の喫食メニュー提供システムと実質的に同一の構成部分には同一符号を付し、説明を省略する。
【0067】
図7に示すように、本実施形態に係る喫食メニュー提供システム10aは、複数の精算機20および複数のメニュー照会機30と、これら各精算機20および各メニュー照会機30に対して専用回線等のネットワークNを介して通信可能なサーバ40とを備えるように構成される。
【0068】
そして、本実施形態に係る精算機20の精算処理では、上記第1実施形態と異なり、上記ステップS109に示す精算情報送信処理にて、精算情報がネットワークNを介してサーバ40に送信されるように構成されている。
【0069】
また、本実施形態に係るメニュー照会機30のメニュー提案処理では、上記第1実施形態と異なり、読み取ったIDカードCの特定情報をサーバ40に送信することで当該サーバ40から受信した提案メニュー情報に基づいて、提案メニューが表示部34に表示される。
【0070】
以下、本実施形態において、制御部31により実施されるメニュー提案処理について、
図8に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。
メニュー照会機30が作動状態になり、制御部31によりメニュー提案処理が開始され、IDカードCの特定情報等が読み取られると(
図8のS201でYes)、ステップS215に示す特定情報送信処理がなされる。この処理では、読み取った特定情報が外部通信部36によりネットワークNを介してサーバ40に送信される。この送信に応じて後述するようにサーバ40から送信された提案メニュー情報を受信すると(S217でYes)、ステップS219に示す表示処理がなされる。この処理では、サーバ40から受信した提案メニュー情報に基づいて、提案メニューが表示部34に表示される。
【0071】
このように、メニュー照会機30では、上記第1実施形態と異なり、上記ステップS207〜S211の処理を実施せずに、特定情報を送信することで得られた提案メニューが単に表示されるため、制御部31の処理負荷を軽減することができる。また、抽出処理等が不要となるため、メモリ32では摂取済メニューデータベースも不要となる。
【0072】
次に、本実施形態の特徴的部分であるサーバ40について、説明する。
サーバ40は、各精算機20および各メニュー照会機30にて取り扱う情報を一括して管理するコンピュータとして構成され、
図7に示すように、当該サーバ40全体を制御する制御部41を備えている。この制御部41は、マイコンを主体として構成されるものであり、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を有しており、メモリ42と協働して情報処理手段として機能する。
【0073】
メモリ42には、後述する提案メニュー抽出処理等を実行可能な所定のプログラムや、各精算機20から受信した精算情報等が特定情報に関連付けられてデータベース化された摂取済メニューデータベースなどが記憶されている。また、精算機20の精算対象となる各喫食メニューは、サーバ40にて提供メニューデータベースとしてデータベース化されてメモリ42に記憶されている。また、サーバ40は、精算情報などについて精算機20やメニュー照会機30との間で送受信するための通信部43を備えている。なお、メモリ42は、特許請求の範囲に記載の「記憶手段」の一例に相当し得る。
【0074】
次に、サーバ40の制御部41により実施される提案メニュー抽出処理について、
図9に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。
サーバ40の制御部41により提案メニュー抽出処理が開始されると、
図9のステップS301に示す判定処理がなされて、特定情報を受信したか否かについて判定される。ここで、特定情報を受信していなければ、ステップS301にてNoと判定されて、ステップS303に示す判定処理にて精算情報を受信したか否かについて判定され、精算情報を受信していなければ(S303でNo)、上記ステップS301からの処理がなされる。
【0075】
ステップS301,S303にてNoとの繰り返し判定中に、IDカードCの利用者が精算機20にて精算したことから精算情報が送信され(S109)、この精算情報を受信すると(S303でYes)、ステップS305に示すデータベース更新処理がなされる。この処理では、受信した精算情報に応じて、喫食情報と精算日時情報とが、IDカードCから特定される特定情報に関連付けられて追加されるように、メモリ42の摂取済メニューデータベースが更新される。そして、このように、摂取済メニューデータベースが更新されると、上記ステップS301からの処理が繰り返される。
【0076】
そして、上記ステップS301,S303にてNoとの繰り返し判定中に、提案メニューの表示を所望する利用者のIDカードCがメニュー照会機30にて読み取られたことから特定情報が送信され(S215)、この特定情報を受信すると(S301でYes)、ステップS307に示す平均摂取量算出処理がなされる。この処理では、上記ステップS207に示す平均摂取量算出処理と同様に平均摂取量が栄養素ごとに算出される。
【0077】
次に、ステップS309に示す比較処理がなされる。この処理では、上述のように算出された平均摂取量と上記推奨量とが比較されて、過不足分が算出される。続いて、ステップS311に示す抽出処理がなされる。この処理では、上記過不足分に基づいてこの過不足分を解消する喫食メニューがメモリ42の提供メニューデータベースから抽出される。
【0078】
そして、ステップS313に示す提案メニュー情報送信処理がなされる。この処理では、上述のように抽出された喫食メニューに関する情報が、上述のように特定情報を送信したメニュー照会機30に対して、提案メニュー情報として通信部43によりネットワークNを介して送信される。この提案メニュー情報がメニュー照会機30にて受信されると、提案メニューが表示部34に表示される。そして、上述のように提案メニュー情報が送信されると、上記ステップS301からの処理が繰り返される。
【0079】
以上説明したように、本実施形態に係る喫食メニュー提供システム10aでは、複数の精算機20および複数のメニュー照会機30が複数箇所設けられるため、複数の利用者による同時利用が可能となるので、メニュー提案装置を複数の端末を管理するシステムとして構築することができ、利便性を向上させることができる。
【0080】
すなわち、本第3実施形態では、IDカードCを読み取ることで利用者を特定する特定手段と提案メニューを表示する表示手段を有する端末が複数箇所設けられることで、複数の利用者による同時利用が可能となり、本発明に係るメニュー提案装置を複数の端末を管理するシステムとして構築することができ、利便性を向上させることができる。
【0081】
なお、第3実施形態では、サーバ40により、複数の精算機20と複数のメニュー照会機30とが管理されているが、これに限らず、1つの精算機20と複数のメニュー照会機30とが管理されてもよいし、複数の精算機20と1つのメニュー照会機30とが管理されてもよい。
【0082】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態に係る喫食メニュー提供システム(支援システム)について説明する。
図10に示す喫食メニュー提供システム(支援システム)410は、主にサーバ440(管理サーバ)と、精算機430(操作端末)と、カメラ412(人認識カメラ)とによって構成されている。なお、サーバ440には、
図10のようにカメラ412と精算機430の組が1組だけ接続されていてもよく、
図11のように複数の組が接続されていてもよい。
図11のように複数の組が接続される場合は、いずれのカメラ412及び精算機430も
図10のように構成すればよい。
【0083】
サーバ440は、ハードウェア的には第3実施形態のサーバ440と同様の構成となっており、情報処理装置として構成され、制御部441、メモリ442、通信部443などを備えている。制御部441は、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を有しており、メモリ442と協働して情報処理手段として機能する。メモリ442は、ROM、RAM、不揮発性メモリ、ハードディスクドライブなどの公知の記憶装置によって構成され、各種情報を記憶する機能を有する。なお、本構成では、後述する認証情報、喫食履歴(喫食情報)、メニュー情報などが記憶されている。
【0084】
精算機430は、社員(従業員)などの利用者によって操作される操作端末として機能し、ICカードを読み取る機能を有する情報処理装置として構成されている。制御部431は、CPU、システムバス、入出力インタフェース等を有しており、図示しないメモリと協働して情報処理手段として機能する。
【0085】
また、制御部431には、タッチパネル433、ICカードリーダ435などが接続されている。タッチパネル433は、ハードウェア的には公知の液晶タッチパネルなどとして構成され、具体的には、表示装置と、この表示装置を覆う入力部とを備えており、表面部を構成する入力部への操作に応じた情報を制御部431に与えるように構成されている。また、制御部431からの指令に応じた情報を表示装置に表示するように構成されている。
【0086】
ICカードリーダ435は、ハードウェア的には公知のICカードリーダとして構成され、ICチップが内蔵されたICカードとしてのIDカードC(以下、ICカードCとも称する)に記録された情報を、電波等の電磁波を媒介とした公知の非接触通信方式で読み取るように機能する。
【0087】
ICカードCは、例えば社員証などの身分証として構成され、特定の個人に関する情報が、ICカードCの内部に内蔵されたメモリに記憶されている。例えば、ICカードCの表面部に写真や氏名などが表示された個人に割り当てられた固有情報(社員IDなど)がICカードCに内蔵されたメモリに記録されており、このICカードCがICカードリーダ435の読み取り範囲内に翳されたときには、ICカードリーダ435によってICカードCに記録された固有情報(社員IDなど)が電磁波を媒介とした非接触通信で読み取られるようになっている。
【0088】
また、精算機430には、図示しない通信部が制御部431に接続されており、この通信部によってサーバ440に対する情報送信や、サーバ440からの情報受信が行われるようになっている。この通信部は、公知の有線通信方式又は無線通信方式(例えば無線LAN通信やインターネット通信)でサーバ440と通信を行い得るインターフェースとして構成されており、制御部431と協働してサーバ440に対する情報送信又はサーバ440からの情報受信を行うように機能する。
【0089】
カメラ412は、所定の撮像範囲(例えば、精算機430の前の所定範囲)を撮像する機能を有する。例えば、人が精算機430の前に立ったときに、その人の顔が撮像範囲に入る位置関係で設置されており、精算機430を操作する人を撮像するように機能する。なお、カメラ412は、所定の短時間毎に継続的に所定範囲を撮像する構成であってもよく、人が精算機430の前に立ったことが人感センサなどによって検知されたときに、その検知をトリガとしてその人の顔を撮像してもよい。或いは、人が精算機430を操作したことをトリガとしてその人の顔を撮像するような構成であってもよい。
【0090】
次に、サーバ440の制御部441が主体となって実行されるメニュー提案・精算処理について説明する。
システム410では、例えば
図13のような流れでメニュー提案・精算処理を行う。この処理は、例えばICカードリーダ435がICカードCを捕捉した場合、若しくは人がカメラ412に接近したことを図示しない人感センサが検知した場合に実行されるものであり、まず、個人認証処理を行う。(S10)。S10の個人認証処理は、利用者を特定する処理であり、ICカードリーダ435がICカードCを読み取った場合には、そのICカードCに記録される固有情報(例えば社員ID)によって利用者を特定する。また、人がカメラ412に接近したことを人感センサが検知し、カメラ412によってその人の顔画像が撮像された場合には、その顔画像に基づいて利用者を特定する。
【0091】
S10の個人認証処理では、ICカードリーダ435がICカードCを読み取った場合には、そのICカードCに記録される固有情報(例えば社員ID)が精算機430からサーバ440に送信される。そして、サーバ440のメモリ442には、利用候補者である各社員の社員ID、社員名、年齢、性別、顔の画像などの個人情報(認証情報)と、喫食履歴(喫食情報)がデータベースとして記憶されており、制御部441は、データベースを参照して精算機430から受信したICカードCの固有情報(例えば社員ID)から社員名を特定しその社員名に対応付けられた当該社員の個人情報や喫食履歴(喫食情報)を読み出す。
【0092】
また、S10の個人認証処理では、カメラ412によって利用者の顔画像が撮像された場合には、その顔画像のデータがカメラ412からサーバ440に送信される。そして、サーバ440の制御部441は、データベースを参照してカメラ412から受信した顔画像のデータから社員名を特定しその社員名に対応付けられた当該社員の個人情報や喫食履歴(喫食情報)を読み出す。なお、撮像された顔画像のデータが、登録された複数の顔画像のデータのいずれに該当するかを特定する処理は、例えばテンプレートマッチング法などの公知の顔画像認識システムと同様の方法であればいずれを用いてもよい。
【0093】
なお、本構成では、サーバ440の制御部441及びメモリ442、カメラ412、ICカードリーダ435が特定手段の一例に相当し、利用者及び当該利用者の個人情報を特定するように機能する。この特定手段は、予め複数の候補者の画像データ(具体的には、社員などの利用予定者の顔画像のデータ)が各候補者を識別する識別情報(社員ID、社員名などの固有情報)と対応付けて登録された登録手段(メモリ442)と、所定の撮像範囲を撮像可能な撮像手段(カメラ412)とを備えており、撮像手段(カメラ412)によって人が撮像された場合に、その人の撮像画像と登録手段(メモリ442)に記憶された複数の候補者の画像データに基づいて、複数の候補者の中から利用者の氏名やIDを特定する構成となっている。
【0094】
S10にて利用者及び利用者の個人情報が特定された後には、推奨メニューを取得する処理を行う(S11)。推奨メニューの取得は次のように行う。まず、利用者の特定の期間(1週間など)の喫食履歴を取得する。
【0095】
なお、本構成でも、S15での精算処理の実行毎に、第1実施形態のS205(
図4)と同様の方法で
図5のような喫食履歴が蓄積・更新されるようになっている。即ち、この蓄積・更新処理では、S15の精算処理で扱われる精算情報(S15で精算を実行するメニューの情報やS15で精算を実行する日時の情報など)に応じて、喫食情報と精算日時情報とが、S10で取得された特定情報(S10で読み取られたICカードCから特定される社員ID、或いはS10で撮像された顔画像から特定される社員ID)に関連付けられて追加されるように、メモリ442の喫食情報(摂取済メニューデータベース)が更新されるようになっている。
【0096】
具体的には、ID番号「XXXXXX」のICカードCを利用して「9月7日」に「エビ天おろしうどん」と「グリーンサラダ」とを精算すると、
図5に例示するように、この精算済みの選択メニューの喫食情報と精算日時情報とが、ID番号「XXXXXX」に関連付けられて蓄積されるようにメモリ442の摂取済メニューデータベースが更新される。すなわち、利用者がICカードCを利用して喫食メニューを喫食すると、この利用者を特定する特定情報(社員IDなど)に関連付けられて、実際に喫食した喫食メニューの情報が精算日時順にメモリ442の摂取済メニューデータベースに逐次記憶されることとなる。
【0097】
また、本構成でも第1実施形態と同様、精算機430の精算対象となる喫食メニューには、予め栄養素ごとの量がそれぞれ設定されており、提供メニューデータベース(メニュー情報)としてデータベース化されてメモリ442に記憶されている。具体的には、例えば、
図3に例示するように、「鶏のから揚げ」では、カロリー「470kcal」、塩分「2.3g」、たんぱく質「20.9g」、炭水化物「8.9g」、脂質「29.5g」に設定され、「煮込みハンバーグ」では、カロリー「405kcal」、塩分「2g」、たんぱく質「21.7g」、炭水化物「10.3g」、脂質「16.6g」に設定されている。従って、利用者がICカードCを利用して喫食メニューを喫食したときに、この利用者を特定する特定情報(社員IDなど)に関連付けられて記憶される喫食メニューの情報は、
図5のように、当該喫食メニューを特定する情報だけでなく、その喫食メニューに含まれる各栄養素の情報もその特定情報に対応付けて記憶することができる。
【0098】
なお、本構成では、メモリ442が記憶手段の一例に相当し、特定手段にて特定された利用者により選択手段を用いて選択された喫食メニューに関する情報が、当該利用者を特定する特定情報に関連付けられて喫食情報として順次蓄積されるように記憶される。
【0099】
このように、利用者を特定する特定情報(社員IDなど)に対応付けられて記憶される喫食情報(喫食履歴)は、その利用者が実際に喫食した喫食メニュー毎に、その喫食メニューの喫食日時とその喫食メニューに含まれる各栄養素の量とが対応付けられている(
図5参照)。従って、このような喫食情報(喫食履歴)を参照し、特定期間(例えば直近5日間など)を選択すれば、その特定期間の間にその利用者が摂取した各栄養素(塩分、タンパク質、炭水化物、各種ビタミンなど)のそれぞれの総摂取量や、1日当たりの平均値、振れ幅(摂取量が最小の日と最大の日の摂取量差)などを算出することができる。
【0100】
このような喫食履歴を利用してS11で推奨メニューを決定する場合、まず、S10で特定された利用者の年齢・性別を取得し、摂取すべき栄養素の目安値を算出する。S10で特定された利用者の個人情報には年齢や性別が含まれているため、この年齢及び性別に基づいて各栄養素の摂取基準量を特定する。具体的には、サーバ440のメモリ442において、年齢と性別の組み合わせに対応付けて各栄養素の1日当たりの摂取基準量(目安値)が登録されている。例えば、30代の男性の場合には、1日当たりの摂取基準量として、カロリーの摂取基準量A1g、塩分の摂取基準量A2g、タンパク質の摂取基準量A3g、炭水化物の摂取基準量A4g、脂質の摂取基準量A5といった具合に登録されており、30代の女性の場合には、1日当たりの摂取基準量として、カロリーの摂取基準量B1g、塩分の摂取基準量B2g、タンパク質の摂取基準量B3g、炭水化物の摂取基準量B4g、脂質の摂取基準量B5といった具合に登録されている。或いは、10代、20代、40代、50代、60代の男性及び女性のそれぞれについても、各栄養素の摂取基準量が登録されている。従って、このようなメモリ442に記憶された登録データを参照し、S10で特定された年齢及び性別に対応する各栄養素の1日当たりの摂取基準量(目安値)を特定する。
【0101】
このようにS10で特定された年齢及び性別に対応する各栄養素の1日当たりの摂取基準量(目安値)が特定された後には、このように特定された各栄養素の1日当たりの摂取基準量(目安値)と、S10で特定された利用者の喫食履歴に基づく各栄養素の1日当たりの平均値とを比較し、各栄養素ごとに、各栄養素の摂取基準量に対する摂取した各栄養素の過剰・不足傾向を解析する。具体的には、S10で特定された利用者の喫食情報から求められる栄養素毎の摂取済み量と、上述したように決定された栄養素毎の摂取基準量とをそれぞれ比較して、栄養素毎に、摂取済み量と摂取基準量との差又は摂取基準量に対する摂取済み量の比率を求める。例えば、S10で特定された利用者の喫食情報において、直近5日間のカロリー、塩分、タンパク質、炭水化物、脂質のそれぞれの平均値がAv1、Av2、Av3、Av4、Av5であり、S10で特定された利用者の年齢及び性別におけるカロリー、塩分、タンパク質、炭水化物、脂質の摂取基準量がA1、A2、A3、A4、A5である場合、それぞれの栄養素の差であるAv1−A1、Av2−A2、Av3−A3、Av4−A4、Av5−A5を求める。或いは栄養素の比率を利用する場合、A1/Av1、A2/Av2、A3/Av3、A4/Av4、A5/Av5をそれぞれ求める。
【0102】
例えば、上述したように、栄養素毎に、摂取済み量の平均値と摂取基準量(目安値)との差を求めた場合、摂取基準量(目安値)との差が大きいほど優先度を高くするように順位付けを行う。そして、このように設定された優先度に基づいて、
図13の処理を実際に行う利用日のメニューの中から、推奨メニューを決定する。或いは、上述したように、栄養素毎に、摂取済み量の平均値と摂取基準量(目安値)との比率を求めた場合、比率と1との差が大きいほど優先度を高くするように順位付けを行う。
【0103】
推奨メニューの決定方法は様々な方法を用いることができる。第1の方法としては、例えば、直近5日間の摂取済み量の平均値が摂取基準量(目安値)を下回る栄養素(即ち摂取不足の栄養素)の中から、摂取済み量の平均値と摂取基準量の差、又は摂取済み量の平均値と摂取基準量の比率と1との差が大きい上位1又は複数の栄養素を重点管理栄養素とし、利用日のメニュー(選択手段により選択可能なメニュー)の中からこのような重点管理栄養素を多く含む上位1又は複数のメニューを推奨メニューとしてもよい。具体的には、利用日のメニュー(選択手段により選択可能なメニュー)の中から、喫食後に当該重点管理栄養素の摂取量が摂取不足量以上とならない喫食メニューをを推奨メニューとして抽出すると良い。
【0104】
第2の方法としては、例えば、直近5日間の摂取済み量の平均値が摂取基準量(目安値)を上回る栄養素の中から、摂取済み量の平均値と摂取基準量の差又は摂取済み量の平均値と摂取基準量の比率と1との差が大きい上位1又は複数の栄養素(即ち、過剰摂取の栄養素)を重点管理栄養素とし、利用日のメニューの中からこのような重点管理栄養素が少ない上位1又は複数のメニューを推奨メニューとしてもよい。若しくは、第1の方法と第2の方法の両方で選択されたメニューを推奨メニューとしてもよい。
【0105】
また、制御部441が比較手段の一例に相当し、特定手段により特定された利用者に対応する喫食情報から求められる栄養素毎の摂取済み量(具体的には例えばその利用者の直近数日間の各栄養素の摂取済み量の平均値)と、特定手段により特定された利用者の個人情報(例えばその利用者の年齢及び性別)に基づいて決定される栄養素毎の摂取基準量とを比較する機能を有する。具体的には、比較手段に相当する制御部441は、特定手段により特定された利用者に対応する喫食情報から求められる栄養素毎の摂取済み量の平均値と、特定手段により特定された利用者の個人情報に基づいて決定される栄養素毎の摂取基準量とに基づいて、栄養素毎の摂取不足量を算出するように機能する。
【0106】
また、制御部441は、決定手段の一例に相当し、特定手段により特定された利用者の個人情報(例えばその利用者の年齢及び性別)、及び比較手段による比較結果の少なくともいずれかに基づいて、優先的に管理する1又は複数の栄養素を重点管理栄養素として決定する機能を有する。具体的には、決定手段に相当する制御部441は、特定手段により特定された利用者に対応する喫食情報から求められる栄養素毎の摂取済み量の平均値(例えば直近5日間の各平均値)と、特定手段により特定された利用者の個人情報(例えば年齢及び性別)に基づいて決定される栄養素毎の摂取基準量とをそれぞれ比較して、栄養素毎に、摂取済み量と摂取基準量との差又は摂取基準量に対する摂取済み量の比率を求め、差が最も大きい栄養素、若しくは比率が最も大きい又は小さい栄養素を重点管理栄養素として決定する。
【0107】
更に、制御部441は、抽出手段の一例に相当し、比較手段による比較結果に基づき、選択手段により選択可能な複数種類の喫食メニューの中から、決定手段によって決定された重点管理栄養素の過不足を解消するために適した喫食メニューを抽出する機能を有する。具体的には、抽出手段に相当する制御部441は、決定手段によって決定されたいずれかの重点管理栄養素の摂取済み量の平均値(例えば直近5日間の平均値)が、利用者の個人情報(例えば、年齢及び性別)に基づいて決定される当該重点管理栄養素の摂取基準量に達していない場合に、選択手段により選択可能な複数種類の喫食メニューの中から、喫食後に当該重点管理栄養素の摂取量が摂取不足量以上とならない喫食メニューを抽出する構成となっている。
【0108】
このようにS11で推奨メニューが決定した後には、その決定した推奨メニューのみを操作端末に表示する(S12)。例えば、利用日に登録されたメニューを全て表示する通常表示では
図14(A)のように表示するのに対し、S12では、
図14(B)のように、全てのメニューの中から推奨メニューのみに限定して表示を行う。本構成では、タッチパネル433の表示装置が表示手段の一例に相当し、抽出手段により抽出された喫食メニューが提案メニューとして表示される構成となっている。なお、S10で利用者が特定された場合にのみS11、S12の処理を行って
図14(B)のように推奨メニューを表示し、S10で利用者が特定されない場合には、
図14(A)のように利用日の通常メニュー(例えば全メニュー)を表示するようにしてもよい。
【0109】
S12で推奨メニューが表示された後、利用者が表示された中からメニューを選択すると、精算機430からサーバ440に対し、選択されたメニューの情報が送信される。このようにしてサーバ440は、選択されたメニューを把握する(S13)。なお、S13で選択されたメニューの情報(喫食日時、メニュー名、各栄養素の量など)は、S10で特定された利用者を特定する情報(例えば社員ID)に対応付けた形で、当該利用者の喫食情報に追加される。なお、本構成では、タッチパネル433が選択手段の一例に相当し、各栄養素の量がそれぞれ設定された複数種類の喫食メニューのうち少なくとも1つを選択可能な構成となっている。
【0110】
そして、S13の後に利用者がICカードCをICカードリーダ435に翳すとそのICカードCに記録された固有情報(社員IDなど)がサーバ440に送られる(S14)。そして、このような固有情報の送信をトリガとして、S13で選択されたメニューの代金を精算する精算処理を行う(S15)。この精算処理では、例えば、S14で読み取られた固有情報(社員IDなど)とS13で選択されたメニューの精算金額とを対応付けて記憶しておき、後に、その固有情報(社員IDなど)で特定される利用者に請求(例えば給与天引きなど)すればよい。或いは、S14で読み取られるICカードCが電子マネー機能を有する場合、そのICカードCにチャージされた金額を減算するようにしてもよい。
【0111】
このように、
図13、
図14(B)のような方法を用いれば、推奨メニューのみを表示することで、利用者が意識をしなくても健康支援を受けることができる。また、推奨メニューを複数用意することで、利用者に選択の自由度を残すことができる。
【0112】
なお、推奨メニューの決定方法は上述の例に限られるものではなく、喫食履歴、年齢・性別の情報の他に、例えば利用者の好き嫌い、アレルギー等の情報を利用して、利用者の嗜好に沿ったメニューを提供してもよい。例えば、利用者ごとに除去対象食品を登録しておき、S12で推奨メニューを選択する場合、S10で特定された利用者の除去対象食品を含まないメニューに更に絞って表示するようにしてもよい。
【0113】
また、全体のメニュ―数が少ない場合は推奨メニュー数も少なくなるため、利用者の満足度が低下する可能性がある。その場合は、まず推奨メニューを表示し、他の画面(ボタンをタップするなどの操作をはさむ)に残りのメニューを表示することで、推奨を提示しつつ、自由度を残すことができる。
【0114】
(本構成の主な効果)
本構成では、比較手段により、特定手段により特定された利用者に対応する喫食情報から求められる栄養素毎の摂取済み量と、特定手段により特定された利用者の個人情報に基づいて決定される栄養素毎の摂取基準量とを比較し、決定手段により、特定手段により特定された利用者の個人情報、及び比較手段による比較結果の少なくともいずれかに基づいて、優先的に管理する1又は複数の栄養素を重点管理栄養素として決定するように構成されている。そして、抽出手段により、比較手段による比較結果に基づき、選択手段により選択可能な複数種類の喫食メニューの中から、決定手段によって決定された重点管理栄養素の過不足を解消するために適した喫食メニューを抽出し、この抽出された喫食メニューが提案メニューとして表示手段によって表示されるようになっている。
この構成では、喫食メニューを選択するだけでその喫食メニューに関する情報が喫食情報として記憶手段に蓄積されて更新されるので、上記喫食情報に関するデータベースを構築するための登録作業等をなくすことができる。また、利用者の個人情報又は喫食履歴に基づいて重点管理栄養素を選定した上で、重点管理栄養素の過不足を解消するために適した喫食メニューを抽出し、表示することができるため、利用者は、その表示に従った選定を行えば重点管理栄養素の過不足を解消しやすくなる。
【0115】
例えば、従来から提供されているメニュー提案システムなどでは、喫食履歴を基にしたアドバイスや注意喚起は可能だが、次回喫食時への意識付けに留まり、それほど利用者に強く認識されにくく、強制力のないものとなっているが、本構成によれば、ある程度の強制力をもってメニューを提案することができるため、利用者の関心をより高めることができる。これにより、利用者の健康をより効果的に支援することができる。
【0116】
また、本構成では、決定手段は、特定手段により特定された利用者に対応する喫食情報から求められる栄養素毎の摂取済み量と、特定手段により特定された利用者の個人情報に基づいて決定される栄養素毎の摂取基準量とをそれぞれ比較して、栄養素毎に、摂取済み量と摂取基準量との差(具体的には1日当たりの摂取済み量の平均値と、その利用者の年齢及び性別で特定される1日当たりの摂取基準量との差)又は摂取基準量に対する摂取済み量の比率(具体的には1日当たりの摂取済み量の平均値と、その利用者の年齢及び性別で特定される1日当たりの摂取基準量との比率)を求め、差が最も大きい栄養素、若しくは比率が最も大きい又は小さい栄養素を重点管理栄養素として決定する構成となっている。
このように、栄養素毎に、摂取済み量と摂取基準量との差又は摂取基準量に対する摂取済み量の比率を求め、差が最も大きい栄養素、若しくは比率が最も大きい又は小さい栄養素を重点管理栄養素として決定すれば、摂取基準量に対して摂取済み量が大きすぎる栄養素又は小さすぎる栄養素を重点管理栄養素とすることができる。そして、このような栄養素の過不足を解消するために適したメニューを提案すれば、より効果的に健康を支援することができる。
【0117】
また、本構成では、比較手段は、特定手段により特定された利用者に対応する喫食情報から求められる栄養素毎の摂取済み量(具体的には栄養素毎の1日当たりの摂取済み量の平均値)と、特定手段により特定された利用者の個人情報に基づいて決定される栄養素毎の摂取基準量(具体的には年齢及び性別で特定される栄養素毎の1日当たりの摂取基準量)とに基づいて、栄養素毎の摂取不足量を算出し、抽出手段は、決定手段によって決定されたいずれかの重点管理栄養素の摂取済み量が、利用者の個人情報に基づいて決定される当該重点管理栄養素の摂取基準量に達していない場合に、選択手段により選択可能な複数種類の喫食メニューの中から、喫食後に当該重点管理栄養素の摂取量が摂取不足量以上とならない喫食メニューを抽出する構成となっている。
この構成によれば、利用者は、重点管理栄養素の摂取量が過度にならない範囲のメニューを選ぶことができ、重点管理栄養素の過剰摂取をより効果的に抑えることができる。
【0118】
また、本構成では、特定手段は、予め複数の候補者の画像データが各候補者を識別する識別情報と対応付けて登録された登録手段と、所定の撮像範囲を撮像可能な撮像手段と、を備えており、撮像手段によって人が撮像された場合に、その人の撮像画像と登録手段に記憶された複数の候補者の画像データに基づいて、複数の候補者の中から利用者を特定する構成となっている。
この構成によれば、撮像画像から自動的に利用者を特定することができるため、より一層省力化を図ることができる。また、特定の媒体を所持しない利用者であっても特定できるため、より一層利便性が増す。
【0119】
[第4実施形態の変更例1]
次に、第4実施形態の変更例1について説明する。
この変更例1は、例えば、表示された単品メニューを利用者が組み合わせて選択する形態においても管理を容易に行い得る点で有利である。この変更例1の基本的流れは、以下の通りであり、まず、メニュー選択前に個人認証を行い、利用者の喫食履歴と、栄養素の目安値を取得する。そして、利用者がメニューを選択していくと、選択したメニューの栄養素の合計と目安値と比較して、栄養素が過剰であるか、もしくは不足しているかを利用者に通知する。そして、栄養素が一定以上上回るメニューについては選択できなくするか、又は注意表示をすることで、利用者は栄養バランスを把握しながらメニューを選択することができるようになっている。
【0120】
この変更例1では、
図15、
図16のような流れで処理が行われる。
まず、
図15のS21のように個人認証処理を行う。このS21の処理は、
図13のS10と同様である。そして、S21で特定された利用者の重点管理栄養素を設定する。この変更例1でも、利用者の特定の期間(例えば直近5日間或いは直近1か月など)の喫食履歴を取得する。本構成でも、上記実施形態と同様にメニュー登録がなされるようになっており、
図3のように、登録されたメニューには、そのメニューに含まれる栄養素の量が登録されているため、利用者毎に上記実施形態と同様の喫食履歴(
図5参照)を生成できるようになっており、上記特定期間の間に利用者がどのメニューを選んだのかを特定できれば、その特定期間の間の各栄養素(カロリー、塩分、タンパク質、炭水化物、脂質など)のそれぞれの総摂取量や、1日当たりの平均値、振れ幅(摂取量が最小の日と最大の日の摂取量差)などを算出することができる。
【0121】
次に、利用者の年齢・性別を取得し、摂取すべき栄養素の目安値を算出する。S21で特定された利用者の個人情報には年齢や性別が含まれているため、この年齢及び性別に基づいて各栄養素の摂取基準量を特定する。この例でも、重点管理栄養素の決定方法は第4実施形態の代表例(
図13等)と同様に行うことができる。具体的には、サーバ440において、年齢と性別の組み合わせに対応付けて各栄養素の1日当たりの摂取基準量(目安値)が登録されている。例えば、30代の男性の場合には、1日当たりの摂取基準量として、カロリーの摂取基準量A1g、塩分の摂取基準量A2g、タンパク質の摂取基準量A3g、炭水化物の摂取基準量A4g、脂質の摂取基準量A5といった具合に登録されており、30代の女性の場合には、1日当たりの摂取基準量として、カロリーの摂取基準量B1g、塩分の摂取基準量B2g、タンパク質の摂取基準量B3g、炭水化物の摂取基準量B4g、脂質の摂取基準量B5といった具合に登録されている。或いは、10代、20代、40代、50代、60代の男性及び女性のそれぞれについても、各栄養素の摂取基準量が登録されている。従って、このようなメモリ442に記憶された登録データを参照し、S21で特定された年齢及び性別に対応する各栄養素の1日当たりの摂取基準量(目安値)を特定する。
【0122】
このようにS21で特定された年齢及び性別に対応する各栄養素の1日当たりの摂取基準量(目安値)が特定された後には、このように特定された各栄養素の1日当たりの摂取基準量(目安値)と、利用者の喫食履歴に基づく各栄養素の1日当たりの平均値とを比較し、各栄養素ごとに、各栄養素の摂取基準量に対する摂取した各栄養素の過剰・不足傾向を解析する。具体的には、S21で特定された利用者の喫食情報から求められる栄養素毎の摂取済み量と、上述したように決定された栄養素毎の摂取基準量とをそれぞれ比較して、栄養素毎に、摂取済み量と摂取基準量との差又は摂取基準量に対する摂取済み量の比率を求める。なお、重点管理栄養素の決定方法は第4実施形態の代表例(
図13)と同様である。例えば、栄養素毎に、1日当たりの摂取済み量の平均値と1日当たりの摂取基準量(目安値)との差を求めた場合、差が大きい栄養素ほど優先度を高くするように順位付けを行う。そして、このように設定された上位1又は複数の優先度の栄養素を重点管理栄養素とする。なお、以下では、最も優先度の高い栄養素を重点管理栄養素Zとした例について説明する。
【0123】
このように重点管理栄養素が決定した後には、その重点管理栄養素の上限X及び下限Y を設定する(S22)。なお、各栄養素毎に上限と下限を設定したデータを予めメモリ442に記憶しておき、S22では、このようなデータに基づいて重点管理栄養素の上限X及び下限Y を設定すればよい。そして、
図16のS23では、登録された複数のメニュー(表示メニュー)の内容を参照し、各メニューに含まれる重点管理栄養素Zの量と、上限Xとを比較する。そして、いずれか1又は複数のメニューにおいて、重点管理栄養素Zが上限Xを上回る場合、S24にてNoに進み、そのメニューの選択を不可とするか注意表示とする(S25)。注意表示とする場合には、そのメニュー(重点管理栄養素を過剰摂取するメニュー)を選択しないように促すことが望ましい。例えば、
図17(A)のような通常表示に対し、
図17(B)のような注意表示或いは選択不可表示を行う。なお、
図17(B)の例では、追加すると重点管理栄養素の上限Xを超えてしまうメニューを暗転表示(
図17(B)では網掛模様で図示)で示している。
【0124】
その後、利用者がタッチパネル433を操作して表示された中からいずれかのメニューを選択した場合、その選択されたメニューの情報がサーバ440に送信され、サーバ440は選択されたメニューを把握する(S26)。そして、その選択されたメニューに含まれる重点管理栄養素Zの量を、S23で設定された上限X及び下限Yから減算する(S27)。このとき上限Xが0未満になった場合、S28にてYesに進む。この場合、その栄養素の過剰摂取であるため、表示画面433aに過剰である旨の表示を行う(S29)。この表示は、例えば
図18(B)のように行うことができる。一方、S27での減算後に下限Yが0より大きい場合、S30にてNoに進む。この場合、その栄養素が不足しているため、表示画面433aに不足である旨の表示を行う(S31)。この表示は、例えば
図18(A)のように行うことができる。このようなS23〜S32までの処理は精算が行われるまで繰り返される。
【0125】
一方、利用者が所定の操作(例えば精算ボタンを押す操作)を行ったときには、S32にてYesに進む。S32でYesに進んだ後に利用者がICカードCをICカードリーダ435に翳すとそのICカードCに記録された固有情報がサーバ440に送られる(S33)。そして、このような固有情報の送信をトリガとして、S23〜S32で選択されたメニューの代金を精算する精算処理を行う(S34)。なお、この精算処理は、第4実施形態の代表例(
図13)と同様に行うことができる。
【0126】
なお、利用者がどのメニューを選択すべきかを把握できるように、次のように工夫してもよい。例えば、重点管理栄養素の摂取基準量(目安値)と、選択したメニューの栄養素をグラフで表示し、メニューを選択すると更新され、栄養バランスを確認できるようにしてもよい。
【0127】
また、メニュー表示部分(ボタンなど)の色を、栄養構成に従って表示するとよい。この場合、例えば、エネルギー:青色、たんばく質:赤色、脂質:黄色などとすることができる。或いは、割合の1番大きい栄養素の色のみで表示しても良く、上位の栄養素の組み合わせ、割合を表示してもよい。
【0128】
また、不足表示や過剰表示となった場合に、どのメニューを追加すると不足が解消されるのか、またどのメニューを除外すると過剰が解消されるのかを設定し、例えばメニュー表示部分(ボタンなど)に装飾を施して表示することで、利用者の使い易さを向上することもできる。
【0129】
[第4実施形態の変更例2]
上記第4実施形態の代表例や変更例1では、具体的に利用者や喫食履歴を特定して推奨メニューを提案する方法を例示したが、利用者を特定せずに性別や年齢を特定して推奨メニューを提案するようにしてもよい。
【0130】
変更例2は、
図15の処理に代えて
図19の処理を用いている点が第4実施形態の変更例1と異なり、それ以外は変更例1と同様である。この変更例2のS41では、カメラ412によって撮像された利用者の撮像画像を解析し、その利用者の年齢・性別を識別している。なお、撮像画像から利用者の年齢・性別を識別する方法は公知の人物識別方法を用いるとよい。例えば、特許5287333号に記載の方法などを用いてもよく、特許488217号に記載の方法などを用いてもよい。或いはこれら公報の先行文献に記載の方法を用いてもよく、その他の公知方法を用いることもできる。
【0131】
そして、S41で識別された利用者の年齢及び性別から特定栄養素(目安値を求める重点管理栄養素)を選定する。そして、その特定栄養素(目安値を求める重点管理栄養素)の上限をX、下限をYとする(S42)。なお、この例では、特定栄養素(目安値)が重点管理栄養素の一例に相当する。なお、本構成では、例えば年齢及び性別ごとに特定栄養素(重点管理栄養素)が定められている。例えば、30代男性の特定栄養素(重点管理栄養素)として1又は複数の栄養素が定められ、40代女性の特定栄養素(重点管理栄養素)として1又は複数の栄養素が定められるといった具合に、年齢毎或いは年齢毎に1又は複数の栄養素がメモリ442に登録されている。そして、S42では、S41で認識された年齢及び性別に対応する特定栄養素(重点管理栄養素)を決定する。そして、その決定された重点管理栄養素の上限X、下限Yを取得する(S42)。なお重点管理栄養素の上限X、下限Yの設定方法は上記変更例1と同様である。そして、S42以降は、
図16のS23以降と同様に行えばよい。
【0132】
本構成では、サーバ440の制御部441が推定手段の一例に相当し、カメラ412(撮像手段)によって利用者が撮像された場合に、当該利用者の撮像画像を解析し、当該利用者の年齢及び性別の少なくともいずれかを推定するように機能する。また、サーバ440の制御部441が決定手段の一例に相当し、推定手段によって推定された利用者の年齢及び性別の少なくともいずれかに基づいて、優先的に管理する1又は複数の栄養素を特定栄養素(重点管理栄養素)として決定するように機能する。なお、上述の例では、年齢及び性別に対応付けられた特定栄養素(重点管理栄養素)を選択したが、年齢に対応付けられた特定栄養素(重点管理栄養素)を選択してもよく、性別に対応付けられた特定栄養素(重点管理栄養素)を選択してもよい。そして、サーバ440の制御部441は抽出手段の一例に相当し、選択手段により選択可能な複数種類の喫食メニューの中から、推定手段によって推定された利用者の年齢及び性別に適した喫食メニューを抽出するように機能する。そして、タッチパネル433は表示手段の一例に相当し、抽出手段により抽出された喫食メニューを提案メニューとして表示するように機能する。
【0133】
[第4実施形態の変更例3]
図20のように、変更例1の方法と変更例2の方法を併用してもよい。この
図20の例は、
図15のS21、S22に代えて
図20のS51〜S55の処理を行う点が変更例1と異なり、それ以降は変更例1で説明した
図16と同様である。
【0134】
図20の例では、S51にて
図15のS21と同様の方法で個人認証処理を行い、認証が成功した場合にはS52にてYesに進み、
図15のS22と同様の処理(S53)を行うようになっている。一方、認証が成功しなかった場合には、S52にてNoに進み、
図19のS41、S42と同様の処理(S54、S55)を行うようになっている。なお、S53又はS55以降の処理は
図16と同様である。
【0135】
上述した変更例2、3では、撮像手段によって利用者が撮像された場合に、当該利用者の撮像画像を解析し、当該利用者の年齢及び性別の少なくともいずれかを推定する推定手段と、推定手段によって推定された利用者の年齢及び性別の少なくともいずれかに基づいて、優先的に管理する1又は複数の栄養素(推定された年齢及び性別に対応付けられて登録された1又は複数の栄養素、或いは推定された年齢に対応付けられて登録された1又は複数の栄養素、若しくは推定された性別に対応付けられて登録された1又は複数の栄養素)を重点管理栄養素として決定する決定手段とを備えている。そして、抽出手段に相当する制御部441は、選択手段により選択可能な複数種類の喫食メニューの中から、推定手段によって推定された利用者の年齢及び性別のいずれか又は両方に適した喫食メニューを抽出し、表示手段により、抽出手段により抽出された喫食メニューを提案メニューとして表示する構成となっている。
この構成によれば、撮像画像から自動的に利用者の年齢や性別を特定し、自動的に提案メニューを選定して表示することができるため、利用者に合った提案メニューを表示する上で、複雑な登録作業等をなくすことができる。また、利用者が特定の媒体などを所持していなくても適切なメニューが提案され易くなり、より利便性が高まる。従って、利用者の健康を効果的に支援することができる。また、従来のメニュー提案システムでは、喫食実績や健康診断情報のない利用者については健康支援を行うことができないという問題があったが、本構成によれば、このような蓄積がない利用者に対しても適切なメニュー提案が可能となり、より多くの利用者の健康を支援することが可能となる。
【0136】
[第5実施形態]
次に、本発明の第5実施形態に係る支援システムについて説明する。
この第5実施形態に係る支援システムは、ハードウェア的には第4実施形態と同様の構成が用いられる。従って、適宜
図10を参照して説明することとする。
【0137】
本構成では、利用者毎にキャラクタ(人物・マスコットなど)を設け、喫食内容の栄養評価結果に応じて姿形を変化させ、例えば精算時に精算端末の画面などに表示させることを基本としている。これにより、直感的に評価結果を捉えやすくし、キャラクタの変化による楽しさを付加価値として与え、利用者の関心を高めている。なお、この実施形態に係る思想は、食堂システムに限定されるものではなく、精算端末を使用したキャッシュレスシステムであれば広く適用できる。
【0138】
この第5実施形態に係る支援システム410は、
図10のようなハードウェア構成を用い、
図26のような流れで精算処理が行われるようになっている。
この
図26の処理では、まず、喫食内容を取得する(S101)。このS101の処理は、上述した実施形態(例えば第1〜第4実施形態の代表例や各変更例など)と同様の流れでメニューを選択する処理であってもよく、或いは選択した食器をトレー毎にオートレジに置きRFタグを読み取ることでメニューを把握してもよい。
【0139】
そして、S102、S103にて個人認証処理を行う。この個人認証処理は
図13のS10と同様の方法で行うことができ、これにより、利用者及び利用者の個人情報が特定されることになる。
【0140】
そして、喫食内容の評価に必要な情報を収集する(S104)。このS104では、喫食内容、利用者情報(年齢・性別)、現在のキャラクタ状態(パラメタ)を取得する。また、喫食内容を、栄養素に基づいてパラメタ化する。
【0141】
そして、S105〜S111では、予め定められたN個の栄養素についての評価を行う。具体的には、まず、S105において栄養素数をNとして設定し、繰り返し変数iを初期化して0にする。そして、1番目からN番目の栄養素まで、各栄養素についてS107〜S110の処理を行う。
【0142】
この評価方法の基本的な流れは次の通りであり、まず、利用者の年齢・性別から、摂取すべき栄養素の目安値(上限・下限)を算出する(S107)。そして、喫食内容に基づいて各栄養素の合計を評価値として算出する(S108)。そして、喫食内容について目安値との差からパラメタPを設定する(S109)。そして、累積パラメタPaを算出する(S110)
【0143】
本構成では、目安値との差を割合(±%)であらわしたものをパラメタPとする(S109)。S109の処理は、具体的には、栄養素ごとに
図27のような流れでパラメタPが設定される。ここでは、S101で取得された喫食内容(例えば精算されるメニュー)において、繰り返し変数iで着目する栄養素評価値(栄養素の量):V、目安値上限:Tu、目安値下限:Tb、パラメタ:Pとしたとき、Tb≦V≦Tuの場合には、
図27の処理のS121にてYesに進み、P=0とする(S122)。また、V<Tbの場合にはS123にてYesに進み、P=(V−Tb)/Tb×100<0とする(S124)。また、V>Tuの場合、P=(V−Tu)/Tu×100>0とする(S126)。このようにして、S109では、繰り返し変数iで着目している栄養素のパラメタPが決定する(S127)。なお、栄養素毎の目安値上限及び目安値下限は、栄養素毎に予め設定されてメモリ442に登録されていればよい。
【0144】
例えば、喫食内容に関し、S109で着目している栄養素が「カロリー」であり、評価値Vが2500kCalであり、目安値上限Tu:2200kCal、目安値下限Tb:1800kCalである場合、パラメタ:P=(2500−2200)/2200×100=+14[%]となる。
【0145】
そして、S110では、以下のように累積パラメタPaを算出する。ここでは、前回までの評価結果に対して今回の評価結果をどの程度反映させるかを、「重み」としてもたせることで次のように算出している。なお、「重み」は予め設定値としてメモリ442に登録されていればよい。ここで、S110で着目している栄養素(繰り返し変数iで着目している栄養素)の前回までの蓄積パラメタをP0とし、その栄養素についての今回の喫食内容(S101で取得された喫食内容)から得たパラメタ(即ち、S109で取得したパラメタ)をPとし、今回喫食データの重みをm(0<m≦1)とする。そして、累積パラメタPaは、Pa=P0×(1−m)+P×mの式で決定する。なお、前回までの評価結果がない場合にはm=1とする。このような累積パラメタPaを栄養素毎に求めることになる。
【0146】
例えば、いずれかの栄養素の前回までの蓄積パラメタP0が、P0=+20であり、その栄養素の今回の喫食内容(S101での喫食内容)から得たパラメタPが、P=+14であり、今回の喫食データの重みmが、m=0.75である場合、累積パラメタPaは、Pa=(+20)×0.25+(+14)×0.75=20.5となる。
【0147】
S112では、以上のように各栄養素毎に決定した累積パラメタPaに基づいて、キャラクタ状態を決定する。本構成では、栄養素毎に得られた累積パラメタPaによってキャラクタをどのように変化させるかを、
図21のようなマトリックス(各栄養素とパラメタによるマトリックス)にて定義されている。
【0148】
図21の例では、栄養素Aが例えばカロリーであり、栄養素Bが例えば食塩となっている。そして、キャラクタの体形の図形は、
図23の上段のように用意されており、カロリーがSa00(即ち、カロリーのPa=0)ならば標準体型(
図23に示す通常体形)、Sa01(即ち、カロリーのPaが0<Pa≦t1)ならばやや肥満(
図23に示すやや肥満体形)、Sa11(即ち、カロリーのPaが−t1≦Pa<0)ならばやや痩身(
図23に示すやや痩身体形)といった具合に、カロリーの評価値(累積パラメタPa)に応じてキャラクタの体格が定まるようになっている。なお、閾値となるt1、t2、t3、−t1、−t2、−t3などは、予め登録しておけばよい。なお、
図23の図形は、現在の状態(
図26による喫食前の状態)の図形を選ぶ場合には、
図23のPはそのままで良く、喫食後の状態の図形を選ぶ場合には、
図23のPをPaに代えれば良い。
【0149】
また、キャラクタの顔色は
図23の中段のように用意されており、食塩がSb00(即ち、食塩のPa=0)ならば標準の顔色(
図23に示す通常の顔色)、Sb01(即ち、食塩のPaが0<Pa≦t1)ならばやや赤(
図23に示すやや赤の顔色)、Sb11(即ち、食塩のPaが0<Pa≦t1)ならばやや青(
図23に示すやや青の顔色)といった具合に、食塩の評価値(累積パラメタPa)に応じてキャラクタの顔色が定まるようになっている。
【0150】
また、
図24のように、全ての栄養素の評価値を平均化した平均値を算出している。
図24の例では、現在の状態(
図26による喫食前の状態)での評価値の平均値(即ち、各栄養素のP0の平均値)と、喫食内容による評価値の平均値(即ち、各栄養素のPの平均値)と、喫食後の評価値(累積パラメタ)の平均値(即ち、各栄養素のPaの平均値)とをそれぞれ算出している。一方、キャラクタの表情は、
図23の下段のように用意されている。そして、現在の状態(
図26による喫食前の状態)では、評価値Pの平均が0であれば笑顔(
図23に示す笑顔)、−15≦P<0、0<P≦+15であれば普通(
図23に示す普通の顔)、−30≦P<−15、+15<P≦+30であれば不調(
図23に示す不調の顔)といった具合に、評価値平均に応じてキャラクタの表情が定まるようになっている。喫食後の状態も同様であり、この場合、
図23のPをPaに代えれば良く、評価値Paの平均が0であれば笑顔(
図23に示す笑顔)、−15≦Pa<0、0<Pa≦+15であれば普通(
図23に示す普通の顔)、−30≦Pa<−15、+15<Pa≦+30であれば不調(
図23に示す不調の顔)といった具合に、評価値平均に応じてキャラクタの表情が定まるようになっている。
【0151】
そして、
図26のS113では、このように各栄養素の累積パラメタPaに基づいて決定したキャラクタの図形をタッチパネルなどの表示画面に表示する(S113)。このようにすれば、利用者は、精算時、または清算完了画面にてキャラクタの状態を視認することができ、これにより、喫食内容の評価結果を認識しやすくする。なお、表示するキャラクタは、
図25(B)のように喫食後の内容で特定されるキャラクタ(即ち、累積パラメタPaで特定されるキャラクタ)のみを表示してもよく、
図25(A)のような喫食前の内容で特定されるキャラクタ(即ち、各栄養素の前回までの蓄積値P0で特定されるキャラクタ)と、
図25(B)のような喫食後の内容で特定されるキャラクタを表示してもよい。このように表示すれば、喫食がどの程度影響を与えたかをキャラクタの変化によって視覚的に把握することができるようになる。
【0152】
そして、S113の後に利用者がICカードCをICカードリーダ435に翳すとそのICカードCに記録された固有情報がサーバ440に送られる(S114)。そして、このような固有情報の送信をトリガとして、S101で把握されたメニューの代金を精算する精算処理を行う(S115)。
【0153】
なお、
図26のS104〜S113の処理は、例えば第4実施形態の
図13の処理において、S13とS14の間に行ってもよい。この場合、S13がS101に相当することになり、S14、S15がS114、S115に相当することになる。このようにすれば、第4実施形態の特徴を全て含み、第5実施形態の特徴をも含む発明となる。
【0154】
本構成では、各栄養素の量がそれぞれ設定された複数種類の喫食メニューのうち少なくとも1つを選択可能な選択手段(タッチパネル433)と、第4実施形態と同様の特定手段(制御部441、メモリ442、カメラ412、ICカードリーダ435)にて特定された利用者により選択手段を用いて選択された喫食メニューに関する情報が、当該利用者を特定する特定情報に関連付けられて喫食情報として順次蓄積されるように記憶される記憶手段(メモリ442)と、特定手段により特定された利用者に対応する喫食情報から求められる栄養素毎の摂取済み量に基づいてキャラクタ画像を生成する画像生成手段(制御部441)と、画像生成手段によって生成されたキャラクタ画像を表示する表示手段(タッチパネル433)を備えている。
具体的には、いずれかの第1栄養素(例えばカロリ)に対応して用意された複数種類の体型画像と、いずれかの第2栄養素(例えば塩分)に対応して用意された複数種類の顔色画像とがメモリ442に登録されており、画像生成手段は、特定手段により特定された利用者に対応する喫食情報から求められる第1栄養素の摂取済み量に基づいて(具体的には第1栄養素であるカロリの累積パラメタPaに基づいて)複数種類の体型画像からいずれかの体型画像を選択し、特定手段により特定された利用者に対応する喫食情報から求められる第2栄養素の摂取済み量に基づいて(具体的には第2栄養素である塩分の累積パラメタPaに基づいて)複数種類の顔色画像からいずれかの体型画像を選択し、それら選択された体型画像と顔色画像を反映して表されるキャラクタ画像を生成するようになっている。
この構成によれば、利用者の喫食情報から求められる栄養素毎の摂取済み量が、特定手段により特定された利用者の個人情報に基づいて決定される栄養素毎の摂取基準量と比較してどのような状態であるかをキャラクタ画像として示すことができ、利用者は自身の喫食履歴がどのような状態にあるかを視覚的に把握することができる。
【0155】
特に、喫食内容を栄養面で評価し、利用者へのアドバイスや注意喚起を行うには、精算時に精算端末に表示する方法や、利用者が参照用の端末、或いはWebクライアント等にて確認する方法などがあるが、後者のように利用者が自ら評価結果を確認する場合、その利用者は健康支援システムを認識しており、関心を持っていると考えられる。逆に、自ら評価結果を確認しない利用者は、健康を支援する上で何らかの動機付けが求められる。そこで、本構成は、前者の方法に着目し、利用者にキャラクタを視覚的に把握させることで健康に対する意識が高くなるように促している。
【0156】
なお、上記構成に加え、変化したキャラクタの状態に応じて、アプリケーションを提供するようにしてもよい。例えば利用者にポイントを付加し、このポイントを別システムのポイントや特典などに交換することで、付加価値を与えることもできる。
【0157】
具体的には、
図21のようなキャラクタの状態を定義したマトリクスについて、ポイントや特典を提供する「特典条件」を設定する。この条件は、キャラクタが複数の状態を満たす場合や、特定の1つのみを満たす場合など、自由に設定できるものとする。例えば、特典条件Sp=Sa00∧Sb00∧Sc00とした場合、
図22のように、栄養素A、B、Cにおいてすべてのパラメタが0であることが達成条件となる。例えば、特典を得られるキャラクタにするためには「バランス良く」「適正なカロリーで」喫食し続ける必要があるものとすることができ、高評価達成を認識しやすくする。
【0158】
なお、この方式は、社員食堂などの食堂システムに限られるものではなく、アミューズメントの一環、及び販売促進を目的として、食堂以外のキャッシュレスシステムにおいての利用も可能である。例えば、ショッピングモールやテーマパーク等で店舗毎に精算端末を設置し、商品毎に栄養素に変わるパラメタを与えることで、精算時にそのパラメタによって利用者のキャラクタを変化させることで、実現できる。
【0159】
また、NFC端末(スマートフォンなど)を使用してICカード決済を行う場合、キャラクタを精算端末で表示するだけでなく、利用者個人毎のNFC端末に精算時に情報を送り、キャラクタを表示、また管理できるようにすることで、利用者の関心を高め、販売促進効果を得られる。
【0160】
[他の実施形態]
なお、本発明は上記各実施形態および変形例に限定されるものではなく、例えば、以下のように具体化してもよい。
(1)上述したメニュー提案装置10,10a或いはシステム410は、無料で喫食メニューが提供される例えば会員食堂等、すなわち、精算を伴わない食堂等に採用されてもよい。また、上述したメニュー提案装置10,10a或いはシステム410は、IDカードCのみで精算がなされる食堂等に採用されることに限らず、IDカードCに加えて現金も利用可能な食堂等に採用されてもよい。
【0161】
(2)いずれの例でも、平均摂取量は、単に、最近の5日分を平均して算出されることに限らず、例えば、1週間分を平均して算出されてもよいし、最近の摂取量ほど重視されるように重みを付した平均により算出してもよい。
【0162】
(3)いずれの例でも、平均摂取量は、朝食、昼食、夕食ごとにわけて算出してもよい。具体的には、昼食時間帯であれば、昼食時間帯における最近の数日分を平均して算出してもよい。この場合、最近の数日分のうち欠落している時間帯の摂取量がある場合には、例えば、平均的な摂取量を摂取していることを前提にその時間帯の平均摂取量を算出してもよい。その際、上記推奨量も時間帯にあわせて変更することができる。
【0163】
(4)上記抽出処理では、喫食メニューの組み合わせを考慮し、栄養素ごとに差を計算して、全ての栄養素にて上記推奨量を満たすように喫食メニューを抽出してもよい。この場合には、
図5に示す例では、提供メニューデータベースから、例えば、「さばの照り焼き」と「ライス」と「冷や奴」とが抽出される。