特許第6237083号(P6237083)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6237083
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】車両用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 8/12 20060101AFI20171120BHJP
   F21S 8/10 20060101ALI20171120BHJP
   F21W 101/10 20060101ALN20171120BHJP
   F21W 101/12 20060101ALN20171120BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20171120BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20171120BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20171120BHJP
【FI】
   F21S8/12 265
   F21S8/10 380
   F21S8/10 180
   F21S8/12 123
   F21W101:10
   F21W101:12
   F21Y115:10
   F21Y115:15
   F21Y115:30
【請求項の数】2
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-210286(P2013-210286)
(22)【出願日】2013年10月7日
(65)【公開番号】特開2015-76184(P2015-76184A)
(43)【公開日】2015年4月20日
【審査請求日】2016年8月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】西畑 孝司
【審査官】 河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭59−173201(JP,U)
【文献】 実開昭63−054201(JP,U)
【文献】 欧州特許出願公開第01152187(EP,A1)
【文献】 特開2008−001305(JP,A)
【文献】 特開2009−295320(JP,A)
【文献】 米国特許第04408266(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/10−8/12
F21V 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1焦点を共有する複数の第1反射面と、
第2焦点を共有し、かつ、複数の前記第1反射面と交互に配置されている複数の第2反射面と、
前記第1焦点もしくはその近傍に配置されて白色光を放射する第1光源と、
前記第2焦点もしくはその近傍に配置されて橙色光を放射する第2光源と、
を備え
複数の前記第1反射面の焦点距離が複数の前記第2反射面の焦点距離よりも長く、かつ、前記第1焦点が前記第2焦点よりも光軸方向の前側に位置する、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項2】
複数の前記第1反射面と、複数の前記第2反射面と、前記第1光源と、前記第2光源とは、1つのユニットを構成し、
複数の前記ユニットを有し、
隣り合う前記ユニットの複数の前記第1反射面および複数の前記第2反射面および前記第1光源および前記第2光源は、反転配置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の配光パターンを形成する車両用灯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の車両用灯具は、従来からある(たとえば、特許文献1)。以下、従来の車両用灯具について説明する。従来の車両用灯具は、第1リフレクタ部と、第2リフレクタ部と、第1光源と、第2光源と、遮光板と、を備えるものである。従来の車両用灯具は、第1光源から出射した光の一部が遮光板により遮られ、残りの光が第1リフレクタ部で反射されて第1配光パターンを形成する。第2光源から出射した光が第1リフレクタ部および第2リフレクタ部でそれぞれ反射されて第2配光パターンを形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−164617号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、従来の車両用灯具は、第1光源から出射した光の一部が遮光板により遮られるので、第1光源から出射した光を全部有効に利用していない。
【0005】
この発明が解決しようとする課題は、従来の車両用灯具では、第1光源から出射した光を全部有効に利用していない、という点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、第1焦点を共有する複数の第1反射面と、第2焦点を共有し、かつ、複数の第1反射面と交互に配置されている複数の第2反射面と、第1焦点もしくはその近傍に配置されて白色光を放射する第1光源と、第2焦点もしくはその近傍に配置されて橙色光を放射する第2光源と、を備え、複数の第1反射面の焦点距離が複数の第2反射面の焦点距離よりも長く、かつ、第1焦点が第2焦点よりも光軸方向の前側に位置することを特徴とする。
【0008】
この発明は、複数の第1反射面と、複数の第2反射面と、第1光源と、第2光源とが、1つのユニットを構成し、複数のユニットを有し、隣り合うユニットの複数の第1反射面および複数の第2反射面および第1光源および第2光源が、反転配置されている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
この発明の車両用灯具は、第1光源から放射された光が、複数の第1反射面で反射して所定の配光パターンを形成すると共に、複数の第2反射面で反射して所定の配光パターンを形成する。また、第2光源から放射された光が、複数の第2反射面で反射して所定の配光パターンを形成すると共に、複数の第1反射面で反射して所定の配光パターンを形成する。このように、複数の配光パターンを形成する。しかも、この発明の車両用灯具は、第1光源から放射された光および第2光源から放射された光を全部有効に利用している。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、この発明にかかる車両用灯具の実施形態1を示すリフレクタおよび光源の概略正面図(図3におけるI矢視図)である。
図2図2は、リフレクタおよび光源を示す概略底面図(図1におけるII矢視図)である。
図3図3は、リフレクタおよび光源を示す概略斜視図である。
図4図4は、リフレクタおよび光源およびヒートシンク部材を示す概略断面図(図3におけるIV−IV線断面図)である。
図5図5は、第1光源から放射された光が複数の第1反射面で反射されている状態を示す光路説明用の概略底面図である。
図6図6は、第1光源から放射された光が複数の第1反射面で反射されている状態を示す光路説明用の概略断面図(図5におけるVI−VI線断面図)である。
図7図7は、第1光源から放射された光が複数の第2反射面で反射されている状態を示す光路説明用の概略底面図である。
図8図8は、第1光源から放射された光が複数の第2反射面で反射されている状態を示す光路説明用の概略断面図(図7におけるVIII−VIII線断面図)である。
図9図9は、第1光源から放射された光が複数の第1反射面および複数の第2反射面でそれぞれ反射されている状態を示す光路説明用の概略底面図である。
図10図10は、リフレクタの発光状態を示す概略正面図(図9におけるX矢視図)である。
図11図11は、第1光源から放射された光が複数の第1反射面および複数の第2反射面でそれぞれ反射されて形成される配光パターンを示す概略説明図である。
図12図12は、第2光源から放射された光が複数の第2反射面で反射されている状態を示す光路説明用の概略底面図である。
図13図13は、第2光源から放射された光が複数の第2反射面で反射されている状態を示す光路説明用の概略断面図(図12におけるXIII−XIII線断面図)である。
図14図14は、第2光源から放射された光が複数の第1反射面で反射されている状態を示す光路説明用の概略底面図である。
図15図15は、第2光源から放射された光が複数の第1反射面で反射されている状態を示す光路説明用の概略断面図(図14におけるXV−XV線断面図)である。
図16図16は、第2光源から放射された光が複数の第1反射面および複数の第2反射面でそれぞれ反射されている状態を示す光路説明用の概略底面図である。
図17図17は、リフレクタの発光状態を示す概略正面図(図16におけるXVII矢視図)である。
図18図18は、第2光源から放射された光が複数の第1反射面および複数の第2反射面でそれぞれ反射されて形成される配光パターンを示す概略説明図である。
図19図19は、この発明にかかる車両用灯具の実施形態2を示す第1ユニットのリフレクタおよび光源と第2ユニットのリフレクタおよび光源の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明にかかる車両用灯具の実施形態(実施例)のうちの2例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。図11図18において、符号「VU−VD」は、スクリーンの上下の垂直線を示す。符号「HL−HR」は、スクリーンの左右の水平線を示す。図11に示すデイタイムランニングランプ用配光パターンP1、集中パターンP1S、拡散パターンP1Wは、白抜きで図示する。図18に示すターンシグナルランプ用配光パターンP2、集中パターンP2S、拡散パターンP2Wは、斜線を施して図示する。この明細書において、前、後、上、下、左、右は、この発明にかかる車両用灯具を車両に装備した際の前、後、上、下、左、右である。
【0012】
(実施形態1の構成の説明)
図1図18は、この発明にかかる車両用灯具の実施形態1を示す。以下、この実施形態における車両用灯具の構成について説明する。この実施形態の車両用灯具は、たとえば、デイタイムランニングランプ用配光パターンP1(図11(C)を参照)と、ターンシグナルランプ用配光パターンP2(図18(C)を参照)と、を照射するフロントコンビネーションランプである。
【0013】
(車両用灯具の説明)
前記車両用灯具は、図1図4に示すように、車両(図示せず)の前部の左右両側に搭載されている。前記車両用灯具は、ランプハウジング(図示せず)と、ランプレンズ(図示せず)と、リフレクタ2と、光源ユニット3と、ヒートシンク部材4と、を備えるものである。
【0014】
前記リフレクタ2、前記光源ユニット3、前記ヒートシンク部材4は、1つのユニット1(1つのランプユニット)を構成する。前記ランプハウジングおよび前記ランプレンズは、灯室(図示せず)を区画する。1つの前記ユニット1(2、3、4)は、前記灯室内に配置されていて、取付部材(図示せず)を介して前記ランプハウジングに取り付けられている。前記灯室内には、1つの前記ユニット1(2、3、4)以外のユニット(ランプユニット)、たとえば、ロービーム用ランプ、ハイビーム用ランプ、フォグランプ、クリアランスランプ、コーナリングランプなどが配置されている場合がある。
【0015】
(リフレクタ2の説明)
前記リフレクタ2は、図1図4に示すように、回転放物線(回転放物面)の一部の形状、すなわち、下部と前部とを除いた上部と後部と左右両側部とからなる形状をなす。前記リフレクタ2は、前記ヒートシンク部材4にスクリューなどの取付部材(図示せず)により固定されている。
【0016】
前記リフレクタ2の内面には、複数の第1反射面211、212、213、214、215(以下、「211〜215」と記載する場合がある)と、複数の第2反射面221、222、223、224、225(以下、「221〜225」と記載する場合がある)と、がそれぞれ設けられている。
【0017】
すなわち、前記リフレクタ2の前記反射面211〜215、221〜225は、複数のセグメントに分割されている。この例では、左右に10個に分割されている。複数の前記第1反射面211〜215と、複数の前記第2反射面221〜225とは、左右に交互に配置されている。
【0018】
前記反射面211〜215、221〜225は、上側に向いている前記光源ユニット3の発光面と対向する。前記反射面211〜215、221〜225は、パラボラ系の自由曲面からなる反射面である。この結果、複数の前記第1反射面211〜215は、第1焦点F1(基準焦点)および光軸Z(基準光軸)を共有する。複数の前記第2反射面221〜225は、第2焦点F2(基準焦点)および光軸Z(基準光軸)を共有する。
【0019】
複数の前記第1反射面211〜215の焦点距離と、複数の前記第2反射面221〜225の焦点距離とは、異なっている。すなわち、複数の前記第1反射面211〜215の焦点距離は、複数の前記第2反射面221〜225の焦点距離よりも、長い。
【0020】
複数の前記第1反射面211〜215の前記第1焦点F1と、複数の前記第2反射面221〜225の前記第2焦点F2とは、前記光軸Z方向に前後にずれている。すなわち、前記第1焦点F1は、前記第2焦点F2よりも前側に位置する。前記第1焦点F1は、前記第2焦点F2よりも左側に位置する。なお、前記第1焦点F1と前記第2焦点F2とは、前記光軸Z方向に前後に一直線上に位置させても良い。
【0021】
複数の前記第1反射面211〜215と、複数の前記第2反射面221〜225とは、図示のように、前記光軸Zを共有するものである。なお、複数の前記第1反射面211〜215と、複数の前記第2反射面221〜225とは、別個の光軸を有しても良い。
【0022】
(光源ユニット3の説明)
前記光源ユニット3は、図4に示すように、基板30と、前記基板30の上面に実装されている第1光源としての第1半導体型光源31および第2光源としての第2半導体型光源32と、から構成されている。前記基板30は、前記ヒートシンク部材4にスクリューなどの取付部材(図示せず)により固定されている。前記第1半導体型光源31は、前記第1焦点F1もしくはその近傍に配置されている。前記第2半導体型光源32は、前記第2焦点F2もしくはその近傍に配置されている。
【0023】
前記第1半導体型光源31および前記第2半導体型光源32は、この例では、たとえば、LED、OELまたはOLED(有機EL)、LD(半導体レーザー、レーザーダイオード、ダイオードレーザー)などの自発光半導体型光源である。前記第1半導体型光源31は、白色光を放射する。前記第2半導体型光源32は、橙色光(アンバー色光)を放射する。前記第1半導体型光源31の発光チップ(LEDチップ)の発光面および前記第2半導体型光源32の発光チップ(LEDチップ)の発光面は、上側に向いていて、前記反射面211〜215、221〜225に対向する。
【0024】
(ヒートシンク部材4の説明)
前記ヒートシンク部材4は、図4に示すように、水平板部40と、複数のフィン形状の垂直板部41と、から構成されている。前記ヒートシンク部材4は、前記第1半導体型光源31および前記第2半導体型光源32において発生した熱を外部に放射させるものである。前記ヒートシンク部材4には、前記リフレクタ2および前記光源ユニット3が固定されている。
【0025】
(実施形態1の作用の説明)
この実施形態における車両用灯具は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0026】
まず、第1半導体型光源31を点灯する。すると、第1半導体型光源31から放射された白色光は、図9に示すように、複数の第1反射面211〜215と複数の第2反射面221〜225とにおいて、それぞれ反射される。その反射光L11、L12により、図11(C)に示すデイタイムランニングランプ用配光パターンP1が形成されて、車両の外部に照射される。
【0027】
すなわち、第1半導体型光源31から放射された白色光の一部は、図5図6に示すように、複数の第1反射面211〜215において、それぞれ反射される。その反射光L11により、図11(A)に示すデイタイムランニングランプ用配光パターンP1の集中パターンP1Sが形成されて、車両の外部に照射される。
【0028】
また、第1半導体型光源31から放射された白色光の残りは、図7図8に示すように、複数の第2反射面221〜225において、それぞれ反射される。その反射光L12により、図11(B)に示すデイタイムランニングランプ用配光パターンP1の拡散パターンP1Wが形成されて、車両の外部に照射される。
【0029】
図11(A)に示すデイタイムランニングランプ用配光パターンP1の集中パターンP1Sと、図11(B)に示すデイタイムランニングランプ用配光パターンP1の拡散パターンP1Wとが合成(重畳)されて、図11(C)に示すデイタイムランニングランプ用配光パターンP1が形成される。
【0030】
第1半導体型光源31の点灯状態において、車両用灯具を正面から(図9中の矢印X方向から)見る。すると、複数の第1反射面211〜215は、集中配光パターンP1Sを形成するので、高光度(高照度、高光量)の白色光で発光する。一方、複数の第2反射面221〜225は、拡散パターンP1Wを形成するので、複数の第1反射面211〜215の発光よりも、光度(照度、光量)が低い白色光で発光する。この結果、図10に示すように、強い白色光(図10中の太い実線で囲まれている白抜きの部分の白色光)と弱い白色光(図10中の太い実線で囲まれている白抜きの部分の間の白抜きの部分の白色光)との縦縞模様の発光状態が得られる。
【0031】
つぎに、第2半導体型光源32を点灯する。すると、第2半導体型光源32から放射された橙色光は、図16に示すように、複数の第1反射面211〜215と複数の第2反射面221〜225とにおいて、それぞれ反射される。その反射光L22、L21により、図18(C)に示すターンシグナルランプ用配光パターンP2が形成されて、車両の外部に照射される。
【0032】
すなわち、第2半導体型光源32から放射された橙色光の一部は、図12図13に示すように、複数の第2反射面221〜225において、それぞれ反射される。その反射光L21により、図18(A)に示すターンシグナルランプ用配光パターンP2の集中パターンP2Sが形成されて、車両の外部に照射される。
【0033】
また、第2半導体型光源32から放射された橙色光の残りは、図14図15に示すように、複数の第1反射面211〜215において、それぞれ反射される。その反射光L22により、図18(B)に示すターンシグナルランプ用配光パターンP2の拡散パターンP2Wが形成されて、車両の外部に照射される。
【0034】
図18(A)に示すターンシグナルランプ用配光パターンP2の集中パターンP2Sと、図18(B)に示すターンシグナルランプ用配光パターンP2の拡散パターンP2Wとが合成(重畳)されて、図18(C)に示すターンシグナルランプ用配光パターンP2が形成される。
【0035】
第2半導体型光源32の点灯状態において、車両用灯具を正面から(図16中の矢印XVII方向から)見る。すると、図17中の太い実線で囲まれている複数の第2反射面221〜225は、集中配光パターンP2Sを形成するので、高光度(高照度、高光量)の橙色光で発光する。一方、複数の第1反射面211〜215は、拡散パターンP2Wを形成するので、複数の第2反射面221〜225の発光よりも、光度(照度、光量)が低い白色光で発光する。この結果、図17に示すように、強い橙色光(図17中の太い実線で囲まれていて、かつ、斜線密度が高い部分の橙色光)と弱い橙色光(図17中の太い実線で囲まれていて、かつ、斜線密度が高い部分の間の斜線密度が低い部分の橙色光)との縦縞模様の発光状態が得られる。
【0036】
(実施形態1の効果の説明)
この実施形態における車両用灯具は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0037】
この実施形態における車両用灯具は、第1光源としての第1半導体型光源31から放射された白色光が、複数の第1反射面211〜215で反射して所定の配光パターンすなわち図11(A)に示すデイタイムランニングランプ用配光パターンP1の集中パターンP1Sを形成すると共に、複数の第2反射面221〜225で反射して所定の配光パターンすなわち図11(B)に示すデイタイムランニングランプ用配光パターンP1の拡散パターンP1Wを形成する。また、第2光源としての第2半導体型光源32から放射された橙色光が、複数の第2反射面221〜225で反射して所定の配光パターンすなわち図18(A)に示すターンシグナルランプ用配光パターンP2の集中パターンP2Sを形成すると共に、複数の第1反射面211〜215で反射して所定の配光パターンすなわち図18(B)に示すターンシグナルランプ用配光パターンP2の拡散パターンP2Wを形成する。このように、複数の配光パターンを形成する。すなわち、図11(C)に示す白色光のデイタイムランニングランプ用配光パターンP1(図11(A)の集中パターンP1Sと図11(B)の拡散パターンP1Wとの合成パターン)と、図18(C)に示す橙色光のターンシグナルランプ用配光パターンP2(図18(A)の集中パターンP2Sと図18(B)の拡散パターンP2Wとの合成パターン)と、を形成することができる。しかも、この実施形態における車両用灯具は、第1光源としての第1半導体型光源31から放射された光および第2光源としての第2半導体型光源32から放射された光を全部有効に利用している。
【0038】
この実施形態における車両用灯具は、複数の第1反射面211〜215と複数の第2反射面221〜225とを左右に交互に配置し、また、複数の第1反射面211〜215の第1焦点F1もしくはその近傍に第1半導体型光源31を配置し、かつ、複数の第2反射面221〜225の第2焦点F2もしくはその近傍に第2半導体型光源32を配置してなるものである。このために、第1半導体型光源31の点灯状態において、車両用灯具を正面から見ると、図10に示すように、複数の第1反射面211〜215の強い白色光と複数の第2反射面221〜225と弱い白色光との縦縞模様の発光状態が得られる。また、第2半導体型光源32の点灯状態において、車両用灯具を正面から見ると、図17に示すように、複数の第2反射面221〜225の強い橙色光と複数の第1反射面211〜215と弱い橙色光との縦縞模様の発光状態が得られる。
【0039】
この実施形態における車両用灯具は、複数の第1反射面211〜215の焦点距離が複数の第2反射面221〜225の焦点距離よりも長く、かつ、第1焦点F1が第2焦点F2よりも前側に位置するものである。このために、第1半導体型光源31を点灯すると、複数の第1反射面211〜215により図11(A)の集中パターンP1Sが形成され、かつ、第2反射面221〜225により図11(B)の拡散パターンP1Wが形成される。この結果、中央部に高光度帯を有し、かつ、上下左右に配光が広げられた図11(C)の白色光のデイタイムランニングランプ用配光パターンP1が形成されるので、視認性が向上される。また、第2半導体型光源32を点灯すると、複数の第2反射面221〜225により図18(A)の集中パターンP2Sが形成され、かつ、第1反射面211〜215により図18(B)の拡散パターンP2Wが形成される。この結果、中央部に高光度帯を有し、かつ、上下左右に配光が広げられた図18(C)の橙色光のターンシグナルランプ用配光パターンP2が形成されるので、視認性が向上される。
【0040】
(実施形態2の構成作用効果の説明)
図19は、この発明にかかる車両用灯具の実施形態2を示す。以下、この実施形態2にかかる車両用灯具について説明する。図中、図1図18と同符号は、同一のものを示す。
【0041】
この実施形態2にかかる車両用灯具は、前記の実施形態1にかかる車両用灯具の複数の第1反射面211〜215と、複数の第2反射面221〜225と、第1半導体型光源31と、第2半導体型光源32から構成されているユニットを2つのユニット1、100とする。すなわち、1つのユニット1と他のユニット100とを左右に配置する。
【0042】
1つのユニット1は、前記の実施形態1に記載の通りである。他のユニット100は、1つのユニット1の複数の第1反射面211〜215および複数の第2反射面221〜225および第1半導体型光源31および第2半導体型光源32を、反転配置してなるものである。
【0043】
この実施形態2にかかる車両用灯具は、以上のごとき構成からなるので、前記の実施形態1にかかる車両用灯具とほぼ同様の作用効果を達成することができる。特に、この実施形態2にかかる車両用灯具は、隣り合う1つのユニット1と他のユニット100との複数の第1反射面211〜215および複数の第2反射面221〜225および第1半導体型光源31および第2半導体型光源32を、反転配置してなるものである。このために、デイタイムランニングランプ用配光パターンP1およびターンシグナルランプ用配光パターンP2の上下左右がほぼ均等になり、視認性が向上する。また、車両用灯具の点等状態が均等となり見栄えが向上する。
【0044】
(実施形態1、2以外の例の説明)
なお、前記の実施形態1、2においては、デイタイムランニングランプ用配光パターンP1とターンシグナルランプ用配光パターンP2とを照射する車両用灯具について説明するものである。ところが、この発明においては、デイタイムランニングランプ用配光パターンP1とターンシグナルランプ用配光パターンP2以外の配光パターン、たとえば、クリアランスランプ用配光パターンとターンシグナルランプ用配光パターンと、あるいは、デイタイムランニングランプ用配光パターンとクリアランスランプ用配光パターンと、あるいは、テールランプ用配光パターンとストップランプ用配光パターンと、などを照射する車両用灯具にも使用することができる。
【0045】
また、前記の実施形態においては、白色光を放射する第1半導体型光源31と橙色光を放射する第2半導体型光源32とを使用するものである。ところが、この発明においては、白色光を放射する第1半導体型光源と白色光を放射する第2半導体型光源とを使用するもの、あるいは、赤色光を放射する第1半導体型光源と赤色光を放射する第2半導体型光源とを使用するもの、などであっても良い。
【0046】
さらに、前記の実施形態においては、第1半導体型光源31の発光面および第2半導体型光源32の発光面が、上側に向いていて、下側に向いている複数の第1反射面211〜215および複数の第2反射面221〜225と対向するものである。ところが、この発明においては、第1半導体型光源の発光面および第2半導体型光源の発光面が、下側に向いていて、上側に向いている複数の第1反射面および複数の第2反射面と対向するもの、あるいは、第1半導体型光源の発光面および第2半導体型光源の発光面が、左側に向いていて、右側に向いている複数の第1反射面および複数の第2反射面と対向するもの、あるいは、第1半導体型光源の発光面および第2半導体型光源の発光面が、右側に向いていて、左側に向いている複数の第1反射面および複数の第2反射面と対向するもの、あるいは、第1半導体型光源の発光面および第2半導体型光源の発光面が、斜めに向いていて、逆斜め向いている複数の第1反射面および複数の第2反射面と対向するもの、などであっても良い。
【0047】
さらにまた、前記の実施形態においては、第1光源、第2光源として第1半導体型光源31、第2半導体型光源32を使用するものである。ところが、この発明においては、第1光源、第2光源として第1半導体型光源31、第2半導体型光源32以外の光源、たとえば、放電灯、白熱灯などを使用しても良い。
【符号の説明】
【0048】
1 1つのユニット
2 リフレクタ
211、212、213、214、215 第1反射面
221、222、223、224、225 第2反射面
3 光源ユニット
30 基板
31 第1半導体型光源
32 第2半導体型光源
4 ヒートシンク部材
40 水平板部
41 垂直板部
F1 第1焦点
F2 第2焦点
HL−HR スクリーンの左右の水平線
P1 デイタイムランニングランプ用配光パターン
P1S 集中パターン
P1W 拡散パターン
P2 ターンシグナルランプ用配光パターン
P2S 集中パターン
P2W 拡散パターン
VU−VD スクリーンの上下の垂直線
Z 光軸
図1
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