特許第6237089号(P6237089)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6237089
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】チェックアウト端末装置
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/00 20060101AFI20171120BHJP
【FI】
   G07G1/00 301G
【請求項の数】4
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-211406(P2013-211406)
(22)【出願日】2013年10月8日
(65)【公開番号】特開2015-75900(P2015-75900A)
(43)【公開日】2015年4月20日
【審査請求日】2016年9月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】特許業務法人 英知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】千田 勝紀
【審査官】 森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】 特開平02−015394(JP,A)
【文献】 特表平04−501028(JP,A)
【文献】 特開2000−251152(JP,A)
【文献】 特開2011−073237(JP,A)
【文献】 特開2000−355128(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 − 5/00
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール状の用紙を繰り出して、その印刷面に情報を印刷する印刷部と、前記印刷部よりも後方側に設けられた表示部とを備えたチェックアウト端末装置であって、
鋳造で成形される下部筐体に一体的に作り込まれた、前記ロール状の用紙を収容する収容部と、前記収容部よりも後方側に設けられ、前記表示部を支持する支持部材が固定される被固定部とを有し、前記被固定部が前記下部筐体の底面よりも高い位置に形成されていることを特徴とするチェックアウト端末装置。
【請求項2】
前記収容部は、前記ロール状の用紙の外周面を周接する円弧状部と、前記ロール状の用紙の左右端を受ける壁部を有することを特徴とする請求項1に記載のチェックアウト端末装置。
【請求項3】
前記下部筐体は、背面側の電源が収納される電源収納部を備え、前記電源収納部は前記被固定部を兼ねることを特徴とする請求項1または2に記載のチェックアウト端末装置。
【請求項4】
前記下部筐体の前記被固定部は、前記収容部よりも高い位置に形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のチェックアウト端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール状の用紙を繰り出して、その印刷面に情報を印刷する印刷機能を備えたチェックアウト端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、客が買い上げた商品の精算を行うチェックアウト端末装置(例えば、POS(Point Of Sale)端末装置など)には、買い上げた商品の商品名、単価、買い上げ数量、及び、複数商品を買い上げた際の当該商品に関する小計などからなる買い上げ品項目一覧と、買い上げた商品の合計金額と、客が店員に預けた預かり金額と、店員が客へ払い戻した釣り銭額などを、所定の印刷形式で印刷したレシートを発行する印刷機能を備えたものがあり、レシート用の印刷用紙(以下、「レシート用紙」という)としては、ロール状に巻かれた長尺な印刷用紙が用いられることが多い(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−172014号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなチェックアウト端末装置では、ロール状のレシート用紙を収容するための部品(以下、「収容部品」という)を用いていて、その収容部品を、例えば、チェックアウト端末装置の基台にネジ止め等して固定していた。
そのため、従来、製造時に収容部品を必要とするとともに、その収容部品を固定するための工程が必要となり、製造時の部品コストが嵩むとともに、製造する際の工数が増え、さらに、組み付け部品としての収容部品を保管管理する手間がかかるという不具合を生じるおそれがあった。
【0005】
この発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、製造時の部品コストを低減できるとともに、製造する際の工数、及び、組み付け部品の保管管理の手間を削減できるチェックアウト端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、ロール状の用紙を繰り出して、その印刷面に情報を印刷する印刷部と、前記印刷部よりも後方側に設けられた表示部とを備えたチェックアウト端末装置(精算装置)であって、鋳造で成形される下部筐体に一体的に作り込まれた、前記ロール状の用紙を収容する収容部と、前記収容部よりも後方側に設けられ、前記表示部を支持する支持部材が固定される被固定部とを有し、前記被固定部が前記下部筐体の底面よりも高い位置に形成されていることを特徴とする。
また、前記収容部は、前記ロール状の用紙の外周面を周接する円弧状部と、前記ロール状の用紙の左右端を受ける壁部を有することを特徴とする。
また、前記下部筐体は、背面側の電源が収納される電源収納部を備え、前記電源収納部は前記被固定部を兼ねることを特徴とする。
また、前記下部筐体の前記被固定部は、前記収容部よりも高い位置に形成されていることを特徴とする。
前記収容部は、ロール状の用紙の左右端を受ける壁部に設けられた切り欠き部、又は、該収容部の円弧状の部分若しくはその近傍部分に設けられた切り欠き部を有することを特徴とする。
また、前記収容部は、前記ロール状の用紙の底部に接するローラの軸を係止するための係止部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
以上説明したように、本発明によれば、収容部を装置筐体に一体的に設けたので、製造時の部品コストを低減できるとともに、製造する際の工数、及び、組み付け部品の保管管理の手間を削減できる。効果の詳細は、後述する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施例にかかるチェックアウト端末装置の概略を示した斜視図。
図2】本発明の一実施例に係るチェックアウト端末装置の背面側斜視図。
図3】本発明の一実施例にかかるチェックアウト端末装置において、ロール状に巻かれた印刷用紙を収容する収容部の概略を示した部分正面図。
図4】本発明の一実施例にかかるチェックアウト端末装置の下部筐体(基台)の概略を示した斜視図。
図5】(a),(b)は、ロール紙の底部を受けるローラの取付の一例を説明するための概略側面図及び概略平面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら、この発明の実施の形態を詳細に説明する。
〔実施例〕
図1は、本発明の一実施例にかかるチェックアウト端末装置100の概略を示した斜視図、図2はチェックアウト端末装置100の背面側斜視図、図3は本発明の一実施例にかかるチェックアウト端末装置100において、ロール状に巻かれた印刷用紙(以下、「ロール紙」という)を収容する収容部114の概略を示した部分正面図である。
図4はチェックアウト端末装置100の下部筐体(基台)の概略を示した斜視図である。図5(a),(b)は、ロール紙の底部を受けるローラ115の取付の一例を説明するための概略側面図及び概略平面図である。
【0010】
図1において、POS端末装置などに用いられるチェックアウト端末装置100は、本体部110と、操作表示部120と、サイン表示部130とから構成されている。
【0011】
本体部110は、下部筐体(基台)110aと、上部カバー部110bとからなり、上部カバー部110bには、操作員が数値情報等を入力するためのキー入力部111、及び、レシートなどの印刷物を印刷して発行するプリンタ部112とが備えられている。
【0012】
また、上部カバー部110bに設けられた上カバー113は、プリンタ部112で使用するロール紙(後述)を収容する収容部を開閉するためのものである。
【0013】
操作表示部120は、種々の表示を出力するための表示装置121と、この表示装置121に表示された表示項目をタッチ操作するためのタッチパネル装置122とを備えたものである。
【0014】
サイン表示部130は、このチェックアウト端末装置100の種別や設定されたレジ番号などを表示するためのものである。
【0015】
また、チェックアウト端末装置100は、図2に示すように、下部筐体110a(ダイカスト)のうち、背面側の電源部を収納する部分110dの上に、操作表示部120を支持・固定する金属部材201を備える。この金属部材201は、操作表示部120を下部筐体110aに対して傾動自在に支持する。チェックアウト端末装置100は、下部筐体110aに、金属部材201を固定するための孔が形成され、ボルトやネジなどの固定部材205をその孔と金属部材201に形成された孔に貫通・係合させることにより、その金属部材201を下部筐体110aに固定した構造となっている。
このように、固定部材205を用いて上記金属部材201を下部筐体110aに直接固定したので、下部筐体110aと操作表示部120との結合強度が大きく、操作表示部120の安定性が増加する。例えば、操作者が操作表示部120に対してタッチ操作を行った場合であっても、操作表示部120や本体部110の揺れが小さく、安定性を有するチェックアウト端末装置100を提供することができる。
【0016】
図3に示すように、上カバー113を開くと、ロール紙(図示略)を収容するための収容部114が露出する。この収容部114は、ロール紙の左端部を受ける壁部114aと、ロール紙の右端部を受ける壁部114bと、ロール紙の手前側の面を受ける曲面部11cと、ロール紙の後ろ側の面を受ける曲面部114dを有する。つまり、収容部114は、ロール状の用紙の外周面を周接するように円弧状に形成されている。
【0017】
この収容部114は、ロール状の用紙の左右端を受ける壁部に設けられた切り欠き部、又は、その収容部114の円弧状の部分若しくはその近傍部分に設けられた切り欠き部(不図示)を有する。
詳細には、本実施形態では、ロール状の用紙の左右端を受ける壁部に切り欠き部114e,114fが設けられている。具体的には、壁部114aに形成された切り欠き部114e及び壁部114bに形成された切り欠き部114fは、ロール紙を交換する際、ロール紙を扱う作業者が新たなロール紙を容易にセットできるようにするための空間を確保するためのものである。ここで、切り欠き部114fは、隣接する部材と一体的に組み合わされて凹部を形成している。
また、切り欠き部は、収容部114の円弧状の部分若しくはその近傍部分に設けられていてもよい。
【0018】
また、係止部114gは、ロール紙の底部と当接し、ロール紙の転動を円滑にするためのローラ(後述)の軸を係止するためのものである。
【0019】
図4に示すように、収容部114は、下部筐体110aに一体的に作り込まれている。この下部筐体110aは、例えば、ダイキャスト鋳造で形成されるものであり、そのダイキャスト鋳造の際に用いる金型に、収容部114を作り込むための要素を設けることで、下部筐体110aを製造する際に、同時に収容部114が形成される。
【0020】
図5(a),(b)に示すように、ロール紙200の底部を受けるローラ115の軸115aが、係止部114gに係止されている。また、ローラ115を設置する位置に合わせて、下部筐体110aには抜き孔110abが形成されていて、ローラ115の下部がその抜き孔110abに落ち込むようになっている。
【0021】
このように、ロール紙200の底部に当接するローラ115を設けて、ローラ115でロール紙200の底部を受けているので、印刷用紙にレシート等を印刷する際にロール紙200から印刷用紙が繰り出されるとき、ロール紙200の回転方向に対して逆方向にローラ115が回転し、ロール紙200の外周面とローラ115の外周面との間に作用するころがり摩擦による摩擦力が小さい。すなわち、ロール紙200の転動を妨げる方向に作用する抵抗力が極めて小さいものとなり、その結果、ロール紙200が転動する際の動きが円滑になり、印刷用紙を搬送する搬送ローラ対等(図示略)を駆動するために必要な駆動力を小さくすることができる。
【0022】
以上のように、本実施例では、下部筐体110aに収容部114を一体的に形成しているので、従来のように、収容部114を別部品で筐体等に組み付ける場合に比べて、製造時の部品コストを低減できるとともに、製造する際の工数、及び、組み付け部品の保管管理の手間を削減できる。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明は、ロール状の用紙を繰り出して、その印刷面に情報を印刷する印刷機能を備えたチェックアウト端末装置であれば、任意の装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0024】
100 チェックアウト端末装置
110 本体部
110a 下部筐体(基台)
114 収容部
114a,114b 壁部
114c,114d 曲面部
114e,114f 切り欠き部
114g 係止部
115 ローラ
115a 軸
200 ロール紙
図1
図2
図3
図4
図5