特許第6237092号(P6237092)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6237092
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】現像器
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20171120BHJP
【FI】
   G03G15/08 360
【請求項の数】8
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-212866(P2013-212866)
(22)【出願日】2013年10月10日
(65)【公開番号】特開2015-75696(P2015-75696A)
(43)【公開日】2015年4月20日
【審査請求日】2016年10月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103517
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 寛之
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 正吾
【審査官】 國田 正久
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭63−107448(JP,U)
【文献】 実開昭61−173956(JP,U)
【文献】 特開平05−027567(JP,A)
【文献】 実開昭63−101951(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0209114(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端部に開口を有し、現像剤を収容する現像剤収容部を備える筐体と、
前記現像剤収容部内の現像剤を撹拌するように構成されるアジテータと、
前記開口の近傍に配置され、現像剤を担持するように構成される現像ローラと、
前記現像ローラに接触し、前記現像剤収容部に収容された現像剤を前記現像ローラに供給するように構成される第1供給ローラと、
前記第1供給ローラに接触し、前記第1供給ローラに現像剤を供給するように構成される第2供給ローラと、
前記現像ローラに接触し、前記現像ローラに担持される現像剤の層厚を規制するように構成される層厚規制部材と、
前記第2供給ローラよりも鉛直方向の上方に配置され、前記層厚規制部材により規制された現像剤を前記現像剤収容部に戻すように構成される搬送機構と
を備え、
前記筐体は、
前記現像剤収容部に収容された現像剤を前記第2供給ローラに供給するための第1部分と、
前記第1部分よりも鉛直方向の上方に配置され、前記層厚規制部材により規制された現像剤を前記現像剤収容部に戻すための第2部分と、
前記第1部分と前記第2部分とを仕切る仕切壁と、
前記現像剤収容部の周壁であって、前記第1部分と前記現像剤収容部とを仕切るとともに、前記第2部分と前記現像剤収容部とを仕切る周壁であって、前記第1部分と前記現像剤収容部とを連通させる供給口と、前記第2部分と前記現像剤収容部とを連通させる回収口とを有する周壁と
を有し、
前記供給口は、前記現像ローラが延びる方向において、前記回収口に対して間隔を隔てて位置することを特徴とする、現像器。
【請求項2】
前記第1供給ローラは、鉛直方向において、前記現像ローラの上端部よりも下方に位置し、
前記第2供給ローラは、鉛直方向において、前記第1供給ローラの上端部よりも下方に位置することを特徴とする、請求項1に記載の現像器。
【請求項3】
前記第1供給ローラの回転中心と前記第2供給ローラの回転中心とを通る第1直線は、水平面に対して第1の鋭角をなすように傾斜しており、
前記現像ローラの回転中心と前記第1供給ローラの回転中心とを通る第2直線は、水平面に対して第2の鋭角をなすように傾斜しており、
前記第1の鋭角は、前記第2の鋭角よりも小さいことを特徴とする、請求項2に記載の現像器。
【請求項4】
前記第2供給ローラに現像剤を供給するための供給手段をさらに備えることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の現像器。
【請求項5】
前記現像剤収容部は、前記一端部と反対側の他方に位置することを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の現像器。
【請求項6】
記搬送機構は、前記仕切壁であり、
前記仕切壁は、前記一端部から前記一端部に対して反対側の他方へ向かうにつれて、鉛直方向の下方へ傾斜していることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の現像器。
【請求項7】
前記搬送機構は、前記層厚規制部材に向かい合うように配置され、現像剤を前記現像剤収容部へ向けて搬送するように構成される搬送部材であることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の現像器。
【請求項8】
前記周壁は、前記第1部分と前記現像剤収容部とを連通させる戻し口であって、前記現像ローラが延びる方向において、前記供給口に対して間隔を隔てて位置する戻し口であり、前記アジテータの回転方向において、前記回収口に対して間隔を隔てて位置する戻し口を有し、
前記第1部分内に設けられるスクリューであって、現像剤を前記供給口から前記戻し口に向かって搬送するように構成されるスクリューを、さらに備えることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれか一項に記載の現像器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式が採用される画像形成装置に装備される現像器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置として、静電潜像が形成される像担持体と、像担持体に現像剤を供給する現像カートリッジとを備える画像形成装置が知られている。
【0003】
例えば、感光ドラムを備えるプロセスフレームと、トナーを担持する現像ローラを備え、プロセスフレームに対して着脱可能に装着される現像カートリッジとを備えるレーザプリンタが知られている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【0004】
このレーザプリンタに設けられる現像カートリッジは、さらに、現像ローラにトナーを供給する供給ローラと、現像ローラに担持されたトナーの厚みを規制する層厚規制ブレードとを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−180772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかるに、上記した特許文献1に記載のレーザプリンタにおいて、印刷の高速化を図るには、現像カートリッジから感光ドラムに対するトナーの供給速度を上昇させることが検討される。
【0007】
トナーの供給速度を上昇させるには、供給ローラから現像ローラへのトナーの供給速度を上昇させる必要がある。
【0008】
しかし、供給ローラから現像ローラへのトナーの供給速度を上昇させると、画像形成動作中に、現像ローラの近傍に大量のトナーが滞留される場合があり、滞留されたトナーが、層厚規制ブレードと現像ローラとの間などから漏れるおそれがある。
【0009】
そこで、本発明の目的は、現像ローラへの現像剤の供給速度を上昇させた場合でも、現像ローラの周辺から現像剤が漏れることを防止することができる現像器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)上記した目的を達成するために、本発明の現像器は、筐体と、現像ローラと、第1供給ローラと、第2供給ローラと、層厚規制部材と、搬送機構とを備える。筐体は、一端部に開口を有する。現像ローラは、開口の近傍に配置され、現像剤を担持するように構成される。第1供給ローラは、現像ローラに接触し、現像剤収容部に収容された現像剤を現像ローラに供給するように構成される。第2供給ローラは、第1供給ローラに接触し、第1供給ローラに現像剤を供給するように構成される。層厚規制部材は、現像ローラに接触し、現像ローラに担持される現像剤の層厚を規制するように構成される。
【0011】
搬送機構は、第2供給ローラよりも鉛直方向の上方に配置され、層厚規制部材により規制された現像剤を現像剤収容部に戻すように構成される。
【0012】
このような構成によれば、現像剤収容部内の現像剤は、第2供給ローラにより第1供給ローラに供給され、その後、第1供給ローラにより現像ローラに供給される。
【0013】
つまり、現像剤収容部内の現像剤は、第1供給ローラに直接供給されることなく、第2供給ローラを介して第1供給ローラに供給され、その後、第1供給ローラを介して現像ローラに供給される。
【0014】
これにより、第1供給ローラに過度に現像剤が供給されることを抑制でき、ひいては、現像ローラに過度に現像剤が供給されることを抑制できる。
【0015】
また、現像ローラに供給された現像剤は、層厚規制部材によって層厚が規制され、現像ローラ表面に担持される。
【0016】
このとき、層厚規制部材により規制された現像剤は、搬送機構により現像剤収容部に戻される。
【0017】
これにより、層厚規制部材により規制された現像剤が現像ローラと第1供給ローラとの接触部分の近傍に溜まることを抑制できる。
【0018】
つまり、このような構成によれば、現像ローラに過度に現像剤が供給されることを抑制できながら、層厚規制部材により規制された現像剤が現像ローラと第1供給ローラとの接触部分の近傍に溜まることを抑制できる。
【0019】
その結果、現像ローラへの現像剤の供給速度を上昇させた場合でも、現像ローラと第1供給ローラとの接触部分の近傍に過度に現像剤が溜まることを抑制でき、現像ローラの周辺から現像剤が漏れることを防止することができる。
(2)第1供給ローラは、鉛直方向において、現像ローラの上端部よりも下方に位置してもよい。第2供給ローラは、鉛直方向において、第1供給ローラの上端部よりも下方に位置してもよい。
【0020】
このような構成によれば、現像剤収容部内の現像剤を、重力に抗して、現像ローラに供給することができる。
【0021】
そのため、第1供給ローラに過度に付着した現像剤を、重力を利用して自重で落下させることができる。
【0022】
その結果、現像ローラに過度に現像剤が供給されることを、より抑制できる。
(3)第1供給ローラの回転中心と第2供給ローラの回転中心とを通る第1直線は、水平面に対して第1の鋭角をなすように傾斜していてもよい。現像ローラの回転中心と第1供給ローラの回転中心とを通る第2直線は、水平面に対して第2の鋭角をなすように傾斜しておいてもよい。この場合、第1の鋭角は、第2の鋭角よりも小さくてもよい。
【0023】
このような構成によれば、第2直線の斜度、すなわち、第1供給ローラから現像ローラへ向かう斜度を、比較的大きく設定することができる。
【0024】
そのため、第1供給ローラに過度に付着した現像剤を、現像ローラに供給される前に確実に落下させることができる。
【0025】
その結果、現像ローラに過度に現像剤が供給されることを、より一層抑制できる。
(4)本発明の現像器は、第2供給ローラに現像剤を供給するための供給手段をさらに備えてもよい。
【0026】
このような構成によれば、供給手段により、第2供給ローラに確実に現像剤を供給することができる。
(5)本発明の現像器は、一端部と反対側の他方において、現像剤を収容する現像剤収容部をさらに備えてもよい。
【0027】
このような構成によれば、開口と反対側において、現像剤を収容することができる。
【0028】
そのため、現像剤収容部内の現像剤を、第1供給ローラおよび第2供給ローラを介して現像ローラに供給し、層厚規制部材により規制された現像剤を、第2部分を介して現像剤収容部に回収することができる。
(6)筐体は、現像剤収容部に収容された現像剤を第2供給ローラに供給するための第1部分と、第1部分よりも鉛直方向の上方に配置され、層厚規制部材により規制された現像剤を現像剤収容部に戻すための第2部分と、第1部分と第2部分とを仕切る仕切壁とを有してもよい。この場合、搬送機構は、仕切壁であってもよい。仕切壁は、一端部から一端部に対して反対側の他方へ向かうにつれて、鉛直方向の下方へ傾斜していてもよい。
【0029】
このような構成によれば、層厚規制部材により規制された現像剤を、仕切壁の傾斜を利用して、他方へ流動させることができる。
【0030】
そのため、現像ローラと第1供給ローラとの接触部分の近傍に過度に現像剤が溜まることを、確実に抑制できる。
(7)搬送機構は、層厚規制部材に向かい合うように配置され、現像剤を現像剤収容部へ向けて搬送するように構成される搬送部材であってもよい。
【0031】
このような構成によれば、層厚規制部材により規制された現像剤を、搬送部材により、現像剤収容部へ搬送することができる。
【0032】
そのため、現像ローラと第1供給ローラとの接触部分の近傍に過度に現像剤が溜まることを、確実に抑制できる。
【発明の効果】
【0033】
本発明の現像器によれば、現像ローラへの現像剤の供給速度を上昇させた場合でも、現像ローラと第1供給ローラとの接触部分の近傍に過度に現像剤が溜まることを抑制でき、現像ローラの周辺から現像剤が漏れることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1図1は、本発明の現像器の第1実施形態としての現像カートリッジの側断面図である。
図2図2は、図1に示す現像カートリッジが装着されるプリンタの中央断面図である。
図3図3は、図1に示す現像カートリッジのA−A断面図である。
図4図4は、図1に示す現像カートリッジのB−B断面図である。
図5図5は、現像カートリッジの変形例を示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
1.現像カートリッジの概略
図1に示すように、現像器の一例としての現像カートリッジ1は、現像ローラ2と、第1供給ローラ3と、層厚規制部材の一例としての層厚規制ブレード4と、現像剤収容部の一例としてのトナー収容部5とを備えている。
【0036】
なお、以下の説明において、現像カートリッジ1の方向に言及するときには、現像カートリッジ1を後述する画像形成装置11に装着した状態を上下の基準とする。すなわち、上下方向は、鉛直方向であり、図1の紙面上方が上方であり、図1の紙面下方が下方である。また、図1の紙面右方が前方であり、図1の紙面左方が後方である。また、現像カートリッジ1を前方から見たときを左右の基準とする。すなわち、図1の紙面手前が左方であり、図1の紙面奥が右方である。後方は、一方の一例であり、前方は、他方の一例である。
【0037】
現像ローラ2は、現像カートリッジ1の後端部に配置されている。
【0038】
第1供給ローラ3は、現像ローラ2の前下方に配置されている。第1供給ローラ3は、現像ローラ2の前下端部に接触している。
【0039】
層厚規制ブレード4は、現像ローラ2の前上方に配置されている。層厚規制ブレード4は、現像ローラ2の前端部に接触している。
【0040】
トナー収容部5は、現像カートリッジ1の前端部に配置されている。トナー収容部5は、現像剤の一例としてのトナーを収容するように構成されている。
2.現像カートリッジの使用態様
図2に示すように、現像カートリッジ1は、画像形成装置11に装着されて使用される。
【0041】
画像形成装置11は、電子写真方式のモノクロプリンタである。画像形成装置11は、装置本体12と、プロセスカートリッジ13と、スキャナユニット14と、定着ユニット15とを備えている。
【0042】
装置本体12は、略ボックス形状を有している。装置本体12は、開口部16と、フロントカバー17と、給紙トレイ18と、排紙トレイ19とを有している。
【0043】
開口部16は、装置本体12の前端部に配置されている。開口部16は、プロセスカートリッジ13の通過を許容するように、装置本体12の内外を前後方向に連通している。
【0044】
フロントカバー17は、装置本体12の前端部に配置されている。フロントカバー17は、上下方向に延びる略平板形状を有している。フロントカバー17は、その下端部を支点として揺動可能である。フロントカバー17は、開口部16を開放または閉鎖するように構成されている。
【0045】
給紙トレイ18は、装置本体12の底部に配置されている。給紙トレイ18は、用紙Pを収容するように構成されている。
【0046】
排紙トレイ19は、装置本体12の上壁の前半分に配置されている。排紙トレイ19は、装置本体12の上面から下方へ凹んでいる。
【0047】
プロセスカートリッジ13は、装置本体12の上下方向略中央に収容されている。プロセスカートリッジ13は、開口部16を介して、装置本体12に対して装着または離脱するように構成されている。プロセスカートリッジ13は、ドラムカートリッジ20と、現像カートリッジ1とを備えている。
【0048】
ドラムカートリッジ20は、感光ドラム21と、スコロトロン型帯電器22と、転写ローラ23とを備えている。
【0049】
感光ドラム21は、ドラムカートリッジ20の後端部に回転可能に支持されている。
【0050】
スコロトロン型帯電器22は、感光ドラム21の前上方において、感光ドラム21と間隔を隔てて配置されている。
【0051】
転写ローラ23は、感光ドラム21の後下方に配置されている。転写ローラ23は、感光ドラム21の後下端部と接触している。
【0052】
現像カートリッジ1は、感光ドラム21の前方において、現像ローラ2が感光ドラム21の前下端部に接触するように、ドラムカートリッジ20に装着されている。
【0053】
スキャナユニット14は、プロセスカートリッジ13の上方に配置されている。スキャナユニット14は、感光ドラム21に向けて画像データに基づくレーザービームを出射するように構成されている。
【0054】
定着ユニット15は、プロセスカートリッジ13の後上方に配置されている。定着ユニット15は、加熱ローラ24と、加熱ローラ24の後端部に圧接される加圧ローラ25とを備えている。
【0055】
画像形成装置11が画像形成動作を開始すると、スコロトロン型帯電器22は、感光ドラム21の表面を一様に帯電する。スキャナユニット14は、感光ドラム21の表面を露光する。これにより、画像データに基づく静電潜像が、感光ドラム21の表面に形成される。
【0056】
また、トナー収容部5内のトナーは、現像ローラ2と第1供給ローラ3との間で正極性に摩擦帯電され、現像ローラ2に担持される。層厚規制ブレード4は、現像ローラ2に担持されたトナーの層厚を一定厚さに規制する。
【0057】
そして、現像ローラ2に担持されたトナーは、感光ドラム21表面の静電潜像に供給される。これにより、トナー像が、感光ドラム21の表面に担持される。
【0058】
用紙Pは、給紙トレイ18から、各種ローラの回転により、所定のタイミングで1枚ずつ、感光ドラム21と転写ローラ23との間に給紙される。感光ドラム21表面のトナー像は、用紙Pが感光ドラム21と転写ローラ23との間を通過するときに、用紙Pに転写される。
【0059】
その後、用紙Pは、加熱ローラ24と加圧ローラ25との間を通過するときに加熱および加圧される。これにより、用紙P上のトナー像は、用紙Pに熱定着される。その後、用紙Pは、排紙トレイ19に排紙される。
3.現像カートリッジの詳細
(1)現像カートリッジの構成
現像カートリッジ1は、図1に示すように、筐体の一例としての現像フレーム31と、現像ローラ2と、第1供給ローラ3と、第2供給部材の一例としての第2供給ローラ41と、供給手段の一例としてのスクリュー42と、層厚規制ブレード4と、搬送機構および搬送部材の一例としての第1搬送部材43と、第2搬送部材44と、アジテータ6とを備えている。
(1−1)現像フレーム
現像フレーム31は、上記したトナー収容部5と、現像部33とを備えている。
【0060】
トナー収容部5は、図1図3および図4に示すように、現像フレーム31の前半分を構成している。トナー収容部5は、左右方向に延び、左右両端部が閉鎖された略円筒形状を有している。トナー収容部5は、供給口34と、戻し口32と、回収口35とを有している。
【0061】
供給口34は、トナー収容部5の後周壁の右端部に配置されている。供給口34は、トナー収容部5の後周壁を、前後方向に貫通している。
【0062】
戻し口32は、トナー収容部5の後周壁の左端部において、左右方向に見て供給口34と重なる位置に配置されている。戻し口32は、トナー収容部5の後周壁を、前後方向に貫通している。
【0063】
回収口35は、戻し口32よりも上方において、トナー収容部5の後周壁の左端部に配置されている。回収口35は、トナー収容部5の後周壁を、前後方向に貫通している。
【0064】
現像部33は、トナー収容部5の後方に連続し、現像フレーム31の後半分を構成している。現像部33は、左右方向に延び、左右両端部が閉鎖された略角柱形状を有している。現像部33は、1対の側壁36と、下壁37と、上壁38と、仕切壁40を備えている。
【0065】
1対の側壁36のそれぞれは、現像部33の左右方向両端部のそれぞれに配置されている。1対の側壁36のそれぞれは、側面視略矩形の平板形状を有している。1対の側壁36のそれぞれは、トナー収容部5の左右方向両側壁のそれぞれの後端部から連続して前方へ延びている。1対の側壁36のそれぞれの後端部は、現像ローラ2および第1供給ローラ3を支持する部分において、左右方向外方へ膨出している。
【0066】
下壁37は、現像部33の下端部に配置されている。下壁37は、前後方向に延びる略平板形状を有している。下壁37の前端部は、供給口34および戻し口32よりも下方において、トナー収容部5の後周壁に連続している。下壁37の左右方向両端部のそれぞれは、1対の側壁36のそれぞれの下端部に連続している。
【0067】
上壁38は、現像部33の上端部に配置されている。上壁38は、前後方向に延びる略平板形状を有している。上壁38の前端部は、回収口35よりも上方において、トナー収容部5の上端部に連続している。上壁38の左右方向両端部のそれぞれは、1対の側壁36のそれぞれの上端部に連続している。上壁38の後端部は、下壁37の後端部の前上方に間隔を隔てて配置されている。上壁38の後端部は、1対の側壁36の後端部、および、下壁37の後端部とともに、開口39を画定する。つまり、現像フレーム31は、後端部において開口39を有している。
【0068】
仕切壁40は、現像部33の上下方向略中央に配置されている。仕切壁40は、後上方と前下方とを結ぶ方向に延びる略平板形状を有している。すなわち、仕切壁40は、前方へ向かうに従って下方へ傾斜している。仕切壁40の前端部は、供給口34および戻し口32の上方、かつ、回収口35の下方において、トナー収容部5の後周壁に連続している。仕切壁40の後端部は、第1供給ローラ3の上端部の前方にわずかに間隔を隔てて配置されている。仕切壁40は、現像部33の内部空間を、仕切壁40よりも下方の第1部分の一例としてのトナー供給室51と、仕切壁40よりも上方の第2部分の一例としてのトナー回収室52とに仕切っている。詳しくは、トナー供給室51は、1対の側壁36、下壁37、トナー収容部5の後周壁、第1供給ローラ3および仕切壁40によって画定されている。また、トナー回収室52は、1対の側壁36、上壁38、トナー収容部5の後周壁、現像ローラ2、第1供給ローラ3、層厚規制ブレード4および仕切壁40によって画定されている。
(1−2)現像フレーム以外の構成
現像ローラ2は、現像フレーム31の開口39の内方、すなわち近傍に配置されている。現像ローラ2は、現像ローラ軸2Aと、現像ローラ本体2Bと、現像ローラ駆動ギア2Cを有している。
【0069】
現像ローラ軸2Aは、略円柱形状を有している。現像ローラ軸2Aは、左右方向に延びている。現像ローラ軸2Aは、金属からなる。現像ローラ軸2Aの左右方向両端部のそれぞれは、1対の側壁36それぞれに回転可能に支持されている。現像ローラ軸2Aの左端部は、左方の側壁36から左方へ突出している。
【0070】
現像ローラ本体2Bは、略円筒形状を有している。現像ローラ本体2Bは、左右方向に延びている。現像ローラ本体2Bは、導電性を有するゴムからなる。現像ローラ本体2Bは、現像ローラ軸2Aの左右両端部を被覆せず、現像ローラ軸2Aの左右方向略中央を被覆している。
【0071】
現像ローラ駆動ギア2Cは、左方の側壁36の左方において、現像ローラ軸2Aの左端部に相対回転不能に支持されている。現像ローラ駆動ギア2Cは、左右方向に厚みを有する略円板形状を有している。現像ローラ駆動ギア2Cは、その周面すべてにわたってギア歯を有している。
【0072】
第1供給ローラ3は、現像ローラ2の前下方において、現像ローラ2の上端部よりも下方に配置されている。現像ローラ2の回転中心A1と第1供給ローラ3の回転中心A2とを通る第2直線の一例としての直線L1は、水平面Hに対して、第2の鋭角の一例としての角度θ1をなすように傾斜している。角度θ1は、例えば、30°〜80°であり、この実施形態では、例えば、40°である。また、第1供給ローラ3は、仕切壁40の後端部の後下方にわずかに間隔を隔てて配置されている。第1供給ローラ3は、現像ローラ2との接触部分N1よりも左側面視反時計回り方向の上流、かつ、後述する第2供給ローラ41との接触部分N2よりも左側面視反時計回り方向の下流において、仕切壁40の後端部に対向している。第1供給ローラ3は、第1供給ローラ軸3Aと、第1供給ローラ本体3Bと、第1供給ローラ駆動ギア3Cを有している。
【0073】
第1供給ローラ軸3Aは、略円柱形状を有している。第1供給ローラ軸3Aは、左右方向に延びている。第1供給ローラ軸3Aは、金属からなる。第1供給ローラ軸3Aの左右方向両端部のそれぞれは、1対の側壁36それぞれに回転可能に支持されている。第1供給ローラ軸3Aの左端部は、左方の側壁36から左方へ突出している。
【0074】
第1供給ローラ本体3Bは、略円筒形状を有している。第1供給ローラ本体3Bは、左右方向に延びている。第1供給ローラ本体3Bは、導電性を有するスポンジからなる。第1供給ローラ本体3Bは、第1供給ローラ軸3Aの左右両端部を被覆せず、第1供給ローラ軸3Aの左右方向略中央を被覆している。第1供給ローラ本体3Bは、現像ローラ本体2Bの前下端部に接触している。
【0075】
第1供給ローラ駆動ギア3Cは、左方の側壁36の左方において、第1供給ローラ軸3Aの左端部に相対回転不能に支持されている。第1供給ローラ駆動ギア3Cは、左右方向に厚みを有する略円板形状を有している。第1供給ローラ駆動ギア3Cは、その周面すべてにわたってギア歯を有している。
【0076】
第2供給ローラ41は、第1供給ローラ3の前下方において、第1供給ローラ3の上端部よりも下方に配置されている。第1供給ローラ3の回転中心A2と第2供給ローラ41の回転中心A3とを通る第1直線の一例としての直線L2は、水平面Hに対して、第1の鋭角の一例としての角度θ2をなすように傾斜している。角度θ2は、角度θ1よりも小さく、例えば、15°〜45°であり、この実施形態では、例えば、25°である。第2供給ローラ41は、第2供給ローラ軸41Aと、第2供給ローラ本体41Bと、第2供給ローラ駆動ギア41Cを備えている。
【0077】
第2供給ローラ軸41Aは、略円柱形状を有している。第2供給ローラ軸41Aは、左右方向に延びている。第2供給ローラ軸41Aは、金属からなる。第2供給ローラ軸41Aの左右方向両端部のそれぞれは、1対の側壁36それぞれに回転可能に支持されている。第2供給ローラ軸41Aの左端部は、左方の側壁36から左方へ突出している。
【0078】
第2供給ローラ本体41Bは、略円筒形状を有している。第2供給ローラ本体41Bは、左右方向に延びている。第2供給ローラ本体41Bは、導電性を有するスポンジからなる。第2供給ローラ本体41Bのスポンジの気泡は、第1供給ローラ本体3Bのスポンジの気泡よりも大きい。また、第2供給ローラ本体41Bのスポンジは、第1供給ローラ本体3Bのスポンジよりもやわらかい。このような構成により、第2供給ローラ本体41Bは、第1供給ローラ本体3Bよりもトナーの搬送力を高くすることができ、かつ、トナーへのストレス(トナー粒子の表面に対する摩擦など)を小さくすることができる。第2供給ローラ本体41Bは、第2供給ローラ軸41Aの左右両端部を被覆せず、第2供給ローラ軸41Aの左右方向略中央を被覆している。第2供給ローラ本体41Bは、第1供給ローラ本体3Bの前下端部に接触している。
【0079】
第2供給ローラ駆動ギア41Cは、第2供給ローラ軸41Aの左端部に相対回転不能に支持されている。第2供給ローラ駆動ギア41Cは、左右方向に厚みを有する略円板形状を有している。第2供給ローラ駆動ギア41Cは、その周面すべてにわたってギア歯を有している。
【0080】
スクリュー42は、トナー供給室51内において、第2供給ローラ41の前方に間隔を隔てて配置されている。スクリュー42は、左右方向に延びる左ねじ状のオーガスクリューである。スクリュー42の左右方向両端部のそれぞれは、1対の側壁36それぞれに回転可能に支持されている。スクリュー42の左端部は、左方の側壁36から左方へ突出している。スクリュー42は、スクリュー駆動ギア45を備えている。
【0081】
スクリュー駆動ギア45は、左方の側壁36の左方において、スクリュー42の左端部に相対回転不能に支持されている。スクリュー駆動ギア45は、左右方向に厚みを有する略円板形状を有している。スクリュー駆動ギア45は、その周面にすべてにわたってギア歯を有している。
【0082】
層厚規制ブレード4は、上下方向に延びる略平板形状を有している。層厚規制ブレード4の上端部は、上壁38の後端部に固定されている。層厚規制ブレード4の下端部は、現像ローラ本体2Bの後端部に接触している。
【0083】
第1搬送部材43は、層厚規制ブレード4の前方において、第1供給ローラ3の上方に配置されている。第1搬送部材43は回転軸43Aと、複数の羽根43Bと、第1搬送部材駆動ギア43Cとを備えている。
【0084】
回転軸43Aは、左右方向に延びる略円柱形状を有している。回転軸43Aの左右方向両端部のそれぞれは、1対の側壁36のそれぞれに回転可能に支持されている。回転軸43Aの左端部は、左方の側壁36から左方へ突出している。
【0085】
複数の羽根43Bのそれぞれは、左右方向に並列配置されている。複数の羽根43Bのそれぞれは、樹脂フィルムなどの可撓性を有する材料からなり、回転軸43Aの外周面から回転軸43Aの径方向外方へ向かって延びる略矩形平板形状を有している。
【0086】
第1搬送部材駆動ギア43Cは、左方の側壁36の左方において、回転軸43Aの左端部に相対回転不能に支持されている。第1搬送部材駆動ギア43Cは、左右方向に厚みを有する略円板形状を有している。第1搬送部材駆動ギア43Cは、その周面すべてにわたってギア歯を有している。
【0087】
第2搬送部材44は、第1搬送部材43の前方に間隔を隔てて、回収口35の後方に配置されている。第2搬送部材44は、回転軸44Aと、複数の羽根44Bと、第2搬送部材駆動ギア44Cを備えている。
【0088】
回転軸44Aは、左右方向に延びる略円柱形状を有している。回転軸44Aの左右方向両端部のそれぞれは、1対の側壁36のそれぞれに回転可能に支持されている。回転軸44Aの左端部は、左方の側壁36から左方へ突出している。
【0089】
複数の羽根44Bのそれぞれは、左右方向に並列配置されている。複数の羽根44Bのそれぞれは、樹脂フィルムなどの可撓性を有する材料からなり、回転軸44Aの外周面から回転軸44Aの径方向外側へ向かって延びる略矩形平板形状を有している。羽根44Bの遊端部(回転軸44Aの径方向における外端部)は、右方へ向かうに従って回転軸44Aからの長さ(自由長)が短くなるように、傾斜している。
【0090】
第2搬送部材駆動ギア44Cは、左方の側壁36の左方において、回転軸44Aの左端部に相対回転不能に支持されている。第2搬送部材駆動ギア44Cは、左右方向に厚みを有する略円板形状を有している。第2搬送部材駆動ギア44Cは、その周面すべてにわたってギア歯を有している。
【0091】
アジテータ6は、トナー収容部5内に配置されている。アジテータ6は、アジテータ軸6Aと、複数の攪拌羽根6Bと、アジテータ駆動ギア6Cとを備えている。
【0092】
アジテータ軸6Aは、トナー収容部5の径方向略中央に配置されている。アジテータ軸6Aは、左右方向に延びる略円柱形状を有している。アジテータ軸6Aの左右方向両端部のそれぞれは、トナー収容部5の左右方向両側壁のそれぞれに回転可能に支持されている。アジテータ軸6Aの左端部は、トナー収容部5の左壁から左方へ突出している。
【0093】
複数の攪拌羽根6Bのそれぞれは、左右方向に並列配置されている。複数の攪拌羽根6Bのそれぞれは、樹脂フィルムなどの可撓性を有する材料からなり、アジテータ軸6Aの外周面からアジテータ軸6Aの径方向外方へ向かって延びる略矩形平板形状を有している。複数の攪拌羽根6Bのそれぞれの遊端部は、左方へ向かうに従ってアジテータ軸6Aからの長さ(自由長)が短くなるように、湾曲している。
【0094】
アジテータ駆動ギア6Cは、左方の側壁36の左方において、アジテータ軸6Aの左端部に相対回転不能に支持されている。アジテータ駆動ギア6Cは、左右方向に厚みを有する略円板形状を有している。アジテータ駆動ギア6Cは、その周面すべてにわたってギア歯を有している。
(2)現像カートリッジの駆動、および、現像カートリッジに対する電力の供給
上記した画像形成動作が開始されるときには、装置本体12は、現像カートリッジ1に、駆動力を入力するとともに電力を供給する。
【0095】
装置本体12が現像カートリッジ1に駆動力を入力すると、現像ローラ駆動ギア2C、第1供給ローラ駆動ギア3C、第2供給ローラ駆動ギア41C、スクリュー駆動ギア45、第1搬送部材駆動ギア43C、第2搬送部材駆動ギア44Cおよびアジテータ駆動ギア6Cに駆動力が伝達される。
【0096】
すると、図1に示すように、現像ローラ2、第1供給ローラ3、第2供給ローラ41、スクリュー42、第1搬送部材43および第2搬送部材44は、左側面視反時計回りに回転する。また、アジテータ6は、左側面視時計回りに回転する。
【0097】
また、装置本体12が現像カートリッジ1に電力を供給すると、現像ローラ軸2Aに、例えば、+500Vの現像バイアスが印加され、第1供給ローラ軸3Aに、例えば、+550Vの第1供給バイアスが印加され、第2供給ローラ軸41Aに、例えば、+600Vの第2供給バイアスが印加される。
4.トナーの供給動作
図1および図3に示すように、現像カートリッジ1が駆動されると、トナー収容部5内のトナーは、アジテータ6の回転によりトナー収容部5内で右方へ搬送され、供給口34を介してトナー供給室51内に供給される。
【0098】
トナー供給室51内に供給されたトナーは、スクリュー42の回転により、トナー供給室51の前端部内を右方から左方へ搬送され、その途中において、第2供給ローラ41の表面の発泡部分に付着する。
【0099】
なお、第2供給ローラ41の付着しなかったトナーは、引き続き、スクリュー42の回転により、トナー供給室51の前端部内を右方から左方へ搬送され、戻し口32を介してトナー収容部5内に回収される。すなわち、トナー供給室51とトナー収容部5との間で、トナーが循環されている。
【0100】
第2供給ローラ41の表面に付着したトナーは、第1供給ローラ3と第2供給ローラ41との接触部分N2で摩擦帯電され、第1供給ローラ3の表面に静電気的に担持される。
【0101】
第1供給ローラ3の表面に担持されたトナーは、現像ローラ2と第1供給ローラ3との接触部分N1で再度摩擦帯電され、現像ローラ2の表面に静電気的に担持される。このように、トナー収容部5内のトナーは、トナー供給室51を通過して現像ローラ2に供給される。
【0102】
現像ローラ2の表面に担持されたトナーは、一定厚さの薄層となるように、層厚規制ブレード4によってその厚みが規制される。
【0103】
このとき、現像ローラ2の表面に担持されたトナーのうち、余剰のトナーは、現像ローラ2と層厚規制ブレード4との接触部分N3において、層厚規制ブレード4によって掻き落とされる。
【0104】
層厚規制ブレード4によって掻き落とされたトナーは、自重により、現像ローラ2と第1供給ローラ3との接触部分N1の近傍に落下する。
【0105】
現像ローラ2と第1供給ローラ3との接触部分N1の近傍に落下したトナーは、図1および図4に示すように、第1搬送部材43の回転により、前方へ搬送される。
【0106】
すると、第1搬送部材43によって搬送されたトナーは、仕切壁40の傾斜に沿って滑り落ちる。滑り落ちたトナーは、仕切壁40の傾斜により後方に戻ることなく、第2搬送部材44の回転により右方から左方へ搬送され、回収口35を介してトナー収容部5内に回収される。このように、層厚規制ブレード4によって掻き落とされたトナーは、トナー回収室52を通過してトナー収容部5内に回収される。
5.作用効果
(1)この現像カートリッジ1によれば、図1および図3に示すように、トナー供給室51内のトナーは、第2供給ローラ41の回転により、第1供給ローラ3と第2供給ローラ41との接触部分N2において第1供給ローラ3に供給される。
【0107】
第1供給ローラ3に供給されたトナーは、第1供給ローラ3の回転により、現像ローラ2と第1供給ローラ3との接触部分N1において現像ローラ2に供給される。
【0108】
つまり、トナー供給室51内のトナーは、第1供給ローラ3に直接供給されることなく、第2供給ローラ41を介して第1供給ローラ3に供給され、その後、第1供給ローラ3を介して現像ローラ2に供給される。
【0109】
このとき、トナーは、第1供給ローラ3と第2供給ローラ41との接触部分N2、および、現像ローラ2と第1供給ローラ3との接触部分N1において、摩擦帯電される。
【0110】
これにより、第1供給ローラ3に未帯電のトナーを含むトナーが過度に供給されることを抑制でき、ひいては、現像ローラ2に過度にトナーが供給されることを抑制できる。
【0111】
また、現像ローラ2に供給されたトナーは、図1および図4に示すように、現像ローラ2の回転により、現像ローラ2と層厚規制ブレード4との接触部分N3において層厚が規制され、現像ローラ2表面に担持される。
【0112】
このとき、層厚規制ブレード4により規制されたトナーは、仕切壁40によって、トナー供給室51内に直接戻ることが規制され、第1搬送部材43および第2搬送部材44の回転により、トナー回収室52を通過してトナー収容部5に戻される。
【0113】
これにより、層厚規制ブレード4により規制されたトナーが現像ローラ2と第1供給ローラ3との接触部分N1に溜まることを抑制できる。
【0114】
つまり、この現像カートリッジ1によれば、現像ローラ2に過度にトナーが供給されることを抑制しながら、層厚規制ブレード4により規制されたトナーが現像ローラ2と第1供給ローラ3との接触部分N1に溜まることを抑制できる。
【0115】
そのため、現像ローラ2へのトナーの供給速度を上昇させた場合でも、現像ローラ2と第1供給ローラ3との接触部分N1に過度にトナーが溜まることを抑制でき、現像ローラ2の周辺からトナーが漏れることを防止することができる。
(2)この現像カートリッジ1によれば、図1に示すように、仕切壁40は、第1供給ローラ3と第2供給ローラ41との接触部分N2よりも左側面視反時計回り方向下流、かつ、現像ローラ2と第1供給ローラ3との接触部分N1よりも左側面視反時計回り方向上流において、第1供給ローラ3に対向している。
【0116】
そのため、層厚規制ブレード4により規制されたトナーがトナー供給室51内に直接戻ることを、確実に規制することができる。
【0117】
また、トナー供給室51内のトナーは、第2供給ローラ41によって第1供給ローラ3に過度に供給されたとしても、仕切壁40のうちの第1供給ローラ3に向かい合う部分によって、第1供給ローラ3に担持される量が抑制される。
【0118】
そのため、第1供給ローラ3に過度にトナーが担持されることを抑制でき、ひいては、現像ローラ2に過度にトナーが供給されることを抑制できる。
(3)この現像カートリッジ1によれば、図1に示すように、第1供給ローラ3は、現像ローラの上端部よりも下方に位置し、第2供給ローラ41は、第1供給ローラ3の上端部よりも下方に位置している。
【0119】
そのため、トナー供給室51内のトナーを、重力に抗して、現像ローラ2に供給することができる。
【0120】
これにより、第1供給ローラ3に過度に付着したトナーを、重力を利用して自重で落下させることができる。
【0121】
その結果、現像ローラ2に過度にトナーが供給されることを、より抑制できる。
(4)この現像カートリッジ1によれば、図1に示すように、第1供給ローラ3の回転中心A2と第2供給ローラ41の回転中心A3とを通る直線L2が水平面Hに対してなす角度θ2は、現像ローラ2の回転中心A1と第1供給ローラ3の回転中心A2とを通る直線L1が水平面Hに対してなす角度θ1よりも小さい。
【0122】
そのため、第1供給ローラ3から現像ローラ2へ向かう斜度を、比較的大きく設定することができる。
【0123】
これにより、第1供給ローラ3に過度に付着したトナーを、現像ローラ2に供給される前に確実に落下させることができる。
【0124】
また、第2供給ローラ41は、トナー供給室51の後端部内に配置されており、供給口34に対して後方に間隔を隔てている。そのため、供給口34を介してトナー供給室51に入ったトナーは、トナー供給室51内において第2供給ローラ41の前方にたまり、第2供給ローラ41に直接供給されることがない。
【0125】
そして、第2供給ローラ41の前方に溜まったトナーは、スクリュー42によって攪拌されながら第2供給ローラ41に供給される。
【0126】
これにより、トナー供給室51内のトナーが第2供給ローラ41に過度に供給されることを抑制できる。
【0127】
その結果、現像ローラ2に過度にトナーが供給されることを、より一層抑制できる。
(5)この現像カートリッジ1は、図1に示すように、第2供給ローラ41にトナーを供給するためのスクリュー42をさらに備えている。
【0128】
そのため、スクリュー42により、第2供給ローラ41に確実にトナーを供給することができる。
(6)この現像カートリッジ1によれば、図1に示すように、その前端部において、トナーを収容するトナー収容部5を備えている。
【0129】
そのため、開口39と反対側において、トナーを収容することができ、トナー収容部5内のトナーを、第1供給ローラ3および第2供給ローラ41を介して現像ローラ2に供給し、層厚規制ブレード4により規制されたトナーを、トナー回収室52を介してトナー収容部5に回収することができる。
【0130】
また、現像カートリッジ1の全体の高さ(上下方向寸法)を低く抑えることができる。
(7)この現像カートリッジ1によれば、図1に示すように、仕切壁40は、後端部から前方へ向かうにつれて、下方へ傾斜している。
【0131】
そのため、層厚規制ブレード4により規制されたトナーを、仕切壁40の傾斜を利用して、前方へ流動させることができる。
【0132】
その結果、現像ローラ2と第1供給ローラ3との接触部分N1に過度にトナーが溜まることを、確実に抑制できる。
(8)この現像カートリッジ1によれば、図1に示すように、第1搬送部材43は、層厚規制ブレード4に向かい合い、トナー収容部5に向かって前方へトナーを搬送する。
【0133】
そのため、層厚規制ブレード4により規制されたトナーを、第1搬送部材43により、トナー収容部5へ搬送することができる。
【0134】
その結果、現像ローラ2と第1供給ローラ3との接触部分N1に過度にトナーが溜まることを、確実に抑制できる。
6.変形例
(1)上記した実施形態では、層厚規制ブレード4により規制されたトナーを、第1搬送部材43の回転と、仕切壁40の傾斜とによって、前方へ搬送しているが、例えば、図5に示すように、第1搬送部材43を有さなくてもよい。
【0135】
この場合、現像カートリッジ1は、前端部が後端部に対してより下方に位置するように傾斜させて装置本体12内に装着されており、層厚規制ブレード4により規制されたトナーは、トナーの安息角よりも大きな斜度を有する搬送機構の一例としての仕切壁40のみによって、前方へ搬送される。
(2)また、上記した実施形態では、第2搬送部材44を設け、層厚規制ブレード4により規制されたトナーを、第1搬送部材43の回転と、仕切壁40の傾斜とによって、前方へ搬送し、第2搬送部材44の回転によって回収口35からトナー収容部5内に回収しているが、第1搬送部材43および第2搬送部材44を有さなくてもよい。
【0136】
この場合、現像カートリッジ1は、前端部が後端部に対してより下方に位置するように傾斜させて装置本体12内に装着されており、層厚規制ブレード4により規制されたトナーは、仕切壁40の傾斜のみによって、前方へ搬送され、回収口35を介してトナー収容部5内に回収される。
(3)また、図5に示すように、仕切壁40の後端部の形状を、第1供給ローラ3に対向させるだけではなく、第1供給ローラ3の表面の上部を覆うように構成してもよい。
【0137】
このような構成により、層厚規制ブレード4により規制されたトナーが接触部分N1に留まることを、より抑制することができる。
(4)また、上記した実施形態では、現像カートリッジ1は、トナー収容部5と現像部33とを一体的に有する現像フレーム31を備えているが、例えば、トナー収容部5を、現像部33に対して着脱自在に構成することもできる。
(5)また、上記した実施形態では、第1供給ローラ3および第2供給ローラ41は、ともに左側面視反時計回りに回転しているが、第1供給ローラ3は、左側面視反時計回りに回転し、第2供給ローラ41は、左側面視時計回りに回転してもよい。この場合、第1供給ローラ3と第2供給ローラ41とは、互いに異なる周速で回転してもよい。
(6)また、上記した実施形態では、現像カートリッジ1は、現像剤収容部の一例としてトナー収容部5を備えているが、たとえば、トナー収容部5とトナー供給室51との間に、トナー収容部5からトナー供給室51へ搬送されるトナーを一旦貯留する第2トナー収容室を設け、トナー回収室52からのトナーを第2トナー収容室に戻すように構成することもできる。この場合、第2トナー収容室が現像剤収容部として機能する。
【符号の説明】
【0138】
1 現像カートリッジ
2 現像ローラ
3 第1供給ローラ
4 層厚規制ブレード
5 トナー収容部
31 現像フレーム
39 開口
40 仕切壁
41 第2供給ローラ
42 スクリュー
43 第1搬送部材
51 トナー供給室
52 トナー回収室
A1 回転中心
A2 回転中心
A3 回転中心
L1 直線
L2 直線
θ1 角度
θ2 角度
H 水平面
図1
図2
図3
図4
図5