特許第6237095号(P6237095)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ダイキン工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6237095-風向調整具 図000002
  • 特許6237095-風向調整具 図000003
  • 特許6237095-風向調整具 図000004
  • 特許6237095-風向調整具 図000005
  • 特許6237095-風向調整具 図000006
  • 特許6237095-風向調整具 図000007
  • 特許6237095-風向調整具 図000008
  • 特許6237095-風向調整具 図000009
  • 特許6237095-風向調整具 図000010
  • 特許6237095-風向調整具 図000011
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6237095
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】風向調整具
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/14 20060101AFI20171120BHJP
   F24F 13/20 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   F24F13/14 E
   F24F1/00 401C
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-214210(P2013-214210)
(22)【出願日】2013年10月11日
(65)【公開番号】特開2015-75322(P2015-75322A)
(43)【公開日】2015年4月20日
【審査請求日】2016年9月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】特許業務法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松村 修
【審査官】 河野 俊二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−324951(JP,A)
【文献】 特開平01−179858(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3056447(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3183736(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 13/14
F24F 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気調和機(AC)からの吹出風の風向きを調整する風向調整具(1)であって、
天井面(61)又は空気調和機のケーシング(60,62)に取り付けられる複数の基部(10)と、
前記吹出風を受けて当該吹出風の風向きを変更し得る羽板(40)と、
一端が前記基部(10)に接続され、他端が前記羽板(40)に接続される支持柱(20)と
を備えており、
前記支持柱(20)と羽板(40)との接続部に当該羽板(40)の向きを上下方向及び左右方向に変更可能な角度調整機構が配設されており、
支持柱(20)と羽板(40)との間に一つの中間支持部(30)が配設されており、
支持柱(20)は、基部(10)の数と同数の柱部(21)を有しており、各柱部(21)と各基部(10)とが接続されていることを特徴とする風向調整具(1)。
【請求項2】
空気調和機(AC)からの吹出風の風向きを調整する風向調整具(1)であって、
天井面(61)又は空気調和機のケーシング(60,62)に取り付けられる基部(10)と、
前記吹出風を受けて当該吹出風の風向きを変更し得る羽板(40)と、
一端が前記基部(10)に接続され、他端が前記羽板(40)に接続される支持柱(20)と
を備えており、
前記支持柱(20)と羽板(40)との接続部に当該羽板(40)の向きを上下方向及び左右方向に変更可能な角度調整機構が配設されており、
前記角度調整機構が、羽板(40)の回動軸として機能する軸部と、この軸部が嵌入される孔を有する支持部とで構成されていることを特徴とする風向調整具(1)。
【請求項3】
前記角度調整機構が、回動軸として機能する軸部と、この軸部が嵌入される孔を有する支持部とで構成されている、請求項1に記載の風向調整具(1)。
【請求項4】
複数の基部(10)を備えており、
支持柱(20)と羽板(40)との間に一つの中間支持部(30)が配設されており、
支持柱(20)は、基部(10)の数と同数の柱部(21)を有しており、各柱部(21)と各基部(10)とが接続されている、請求項2に記載の風向調整具(1)。
【請求項5】
前記支持部が、
支持柱(20)の他端側に形成された第1支持部(24)と、
羽板(40)に形成された第2支持部(43)と、
第1支持部(24)と第2支持部(43)との間に配設される中間支持部(30)とで構成されており、
前記軸部が、
第1支持部(24)に形成された孔(26)と、中間支持部(30)に形成された上部孔(35)とに嵌入される第1ボルト(4)と、
第2支持部(43)に形成された孔(44)と、中間支持部(30)に形成された下部孔(36)とに嵌入される第2ボルト(6)とで構成されている請求項2又はに記載の風向き調整具(1)。
【請求項6】
前記第1ボルト(4)及び第2ボルト(6)が、金属製のねじ部と、合成樹脂製の頭部とで構成されており、
前記ねじ部に合成樹脂製のナット(5,7)が締結されている、請求項に記載の風向調整具(1)。
【請求項7】
前記基部(10)と支持柱(20)との間に当該支持柱(20)の向きを上下方向に変更可能な角度調整部(50)が設けられている請求項1〜のいずれか1項に記載の風向き調整具(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は風向調整具に関する。さらに詳しくは、空気調和機から吹き出される吹出風の風向きを調整する風向調整具に関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和機(室内機)から吹き出される風が直接に体にあたると不快に感じることがある。また、吹出口に配設されたフラップやルーバーなどにより、当該吹出口から吹き出される風の向きや分布をある程度調整することができるが、室内に均一に風を行きわたらせることは難しい。さらに、温度感覚は人により異なるため、特に冷房時において冷風が自身の近傍に吹き出されるのを嫌う人がいる。
【0003】
そこで、空気調和機から吹き出された風の向きを変更することができる風向調整具が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1記載のエアコン用風向調整具101は、図9〜10に示されるように、空気調和機102の吹出口103周辺のエアコン外装104に取り付けられる基台105と、基台105に取り付けられる支持柱106と、支持柱106によって吹出口103と並行に支持される短冊形状の羽板107と、支持柱106と基台105又は羽板107との間に設けられる角度調整部108a,108bとを備えている。特許文献1記載のエアコン用風向調整具101では、角度調整部108a,108bによって、図10の矢印Aで示されるように、羽板107を上下方向に回動させることができ、これにより、吹出口103から吹き出される風の向きを上下方向において変更させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3183736号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1記載の風向調整具101は、上下方向にしか風の向きを調整することができないので、室内の気流制御には限界があった。特に、一方向吹出型又は二方向吹出型の空気調和機では、風の吹き出し方向と直交する方向への風の流れがほとんどないため、室内の気流を十分に制御することは困難である。このため、例えば冷房時において、冷え過ぎの場所と、冷えが足りない場所とが同じ室内において混在することがある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、空気調和機から吹き出される風の向きを多方向に変更させることができる風向調整具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明の第1の観点に係る風向調整具は、空気調和機からの吹出風の風向きを調整する風向調整具であって、
天井面又は空気調和機のケーシングに取り付けられる複数の基部と、
前記吹出風を受けて当該吹出風の風向きを変更し得る羽板と、
一端が前記基部に接続され、他端が前記羽板に接続される支持柱と
を備えており、
前記支持柱と羽板との接続部に当該羽板の向きを上下方向及び左右方向に変更可能な角度調整機構が配設されており、
支持柱と羽板との間に一つの中間支持部が配設されており、
支持柱は、基部の数と同数の柱部を有しており、各柱部と各基部とが接続されていることを特徴としている。
【0009】
本発明の第1の観点に係る風向調整具では、支持柱と羽板との接続部に配設された角度調整機構によって、羽板の向きを上下方向及び左右方向に変更することができ、かかる上下方向及び左右方向の変更の程度を適宜組み合わせることにより、羽板の向きを多方向に変更させることができる。これにより、室内の気流の制御を従来よりも高精度に行うことができ、例えば、冷房時において冷風が体に強く当たり不快に感じたり、あるいは逆に冷風が来なくて冷えが足りないといった不具合を緩和することができる。また、複数の基部を用いているので、風向調整具を安定した状態で天井面などに取り付けることができる。
(2)また、本発明の第2の観点に係る風向調整具は、空気調和機からの吹出風の風向きを調整する風向調整具であって、
天井面又は空気調和機のケーシングに取り付けられる基部と、
前記吹出風を受けて当該吹出風の風向きを変更し得る羽板と、
一端が前記基部に接続され、他端が前記羽板に接続される支持柱と
を備えており、
前記支持柱と羽板との接続部に当該羽板の向きを上下方向及び左右方向に変更可能な角度調整機構が配設されており、
前記角度調整機構が、羽板の回動軸として機能する軸部と、この軸部が嵌入される孔を有する支持部とで構成されていることを特徴としている。
本発明の第2の観点に係る風向調整具では、支持柱と羽板との接続部に配設された角度調整機構によって、羽板の向きを上下方向及び左右方向に変更することができ、かかる上下方向及び左右方向の変更の程度を適宜組み合わせることにより、羽板の向きを多方向に変更させることができる。これにより、室内の気流の制御を従来よりも高精度に行うことができ、例えば、冷房時において冷風が体に強く当たり不快に感じたり、あるいは逆に冷風が来なくて冷えが足りないといった不具合を緩和することができる。また、支持部の孔に嵌入された軸部を回動させるという簡単な構成により、羽板の角度を上下方向及び左右方向に変更させることができる。
【0010】
)前記(1)の風向調整具において、前記角度調整機構を、回動軸として機能する軸部と、この軸部が嵌入される孔を有する支持部とで構成することができる。この場合、支持部の孔に嵌入された軸部を回動させるという簡単な構成により、羽板の角度を上下方向及び左右方向に変更させることができる。
【0011】
)前記(2)の風向調整具において、複数の基部を備えており、
支持柱と板との間に一つの中間支持部が配設されており、
支持柱は、基部の数と同数の柱部を有しており、各柱部と各基部とが接続されているものとすることができる。この場合、複数の基部を用いているので、風向調整具を安定した状態で天井面などに取り付けることができる。
【0012】
)前記(2)又は()の風向調整具において、前記支持部を、
支持柱の他端側に形成された第1支持部と、
羽板に形成された第2支持部と、
第1支持部と第2支持部との間に配設される中間支持部とで構成するとともに、
前記軸部を、
第1支持部に形成された孔と、中間支持部の形成された上部孔とに嵌入される第1ボルトと、
第2支持部に形成された孔と、中間支持部に形成された下部孔とに嵌入される第2ボルトとで構成することができる。この場合、第1支持部の孔及び中間支持部の上部孔に嵌入された第1ボルト、並びに、第2支持部の孔及び中間支持部の下部孔に嵌入された第2ボルトを回動させることにより、羽板の角度を上下方向及び左右方向に変更させることができる。
【0013】
)前記()の風向調整具において、前記第1ボルト及び第2ボルトが、金属製のねじ部と、合成樹脂製の頭部とで構成されており、
前記ねじ部に合成樹脂製のナットが締結されていることが好ましい。この場合、ねじ部を金属製とし、他の部位(ボルトの頭部及びナット)を合成樹脂製とすることで、必要な強度を確保しつつ全体の軽量化を図ることができる。また、外部に露出する部位を合成樹脂製とすることで、耐腐食性を向上させることができる。
【0014】
)前記(1)〜()の風向調整具において、前記基部と支持柱との間に当該支持柱の向きを上下方向に変更可能な角度調整部が設けられていることが好ましい。この場合、羽板の水平方向における位置を変更させることができるので、基部の取付位置と吹出風の吹出口とが水平方向に離れているときでも、当該羽板を吹出口の下方に位置させることができ、吹出口からの吹出風を効果的に羽板の上面に当てることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の風向調整具によれば、空気調和機から吹き出される風の向きを多方向に変更させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の風向調整具の一実施形態の分解斜視図である。
図2】(a)は図1に示される基部の正面図であり、(b)は同側面図である。
図3】(a)は図1に示される支持柱の正面図であり、(b)は同側面図である。
図4】(a)は図1に示される中間支持部の平面図であり、(b)は同正面図であり、(c)は同側面図である。
図5】(a)は支持柱と中間支持部との接続状態を説明する正面図であり、(b)は同側面図である。
図6】(a)は中間支持部と羽板との接続状態を説明する正面図であり、(b)は同側面図である。
図7図1に示される風向調整具の空気調和機への取付状態の一例を示す図である。
図8図1に示される風向調整具の空気調和機への取付状態の他の例を示す図である。
図9】従来の風向調整具の斜視説明図である。
図10図9に示される風向調整具の空気調和機への取付状態説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の風向調整具の実施形態を詳細に説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係る風向調整具1の分解斜視図である。風向調整具1は、図1に示されるように、複数の部材ないし部品を組み立てることで構成されている。本実施形態に係る風向調整具1は、基部10と、支持柱20と、中間支持部30と、羽板40とを備えている。基部10、支持柱20、中間支持部30及び羽板40は、いずれも例えばポリエチレンなどの合成樹脂で作製することができる。以下、各構成について説明する。なお、以下の説明では、羽板40の長手方向を「左右方向」としている。また、天井面に対し垂直な方向(図1において、略上下の方向)を「上下方向」としている。
【0019】
〔基部〕
基部10は、空気調和機が配設される部屋の天井面、又は当該空気調和機のケーシングに取り付けられ、風向調整具1を所定の箇所に配設するために用いられる部材である。本実施形態における基部10は、図1〜2に示されるように、長方形状の板部11と、この板部11の下面に形成された支持部12とを有している。支持部12は、板部11の下面において互いに離間して立設された一対の板体12aからなっており、各板体12aの略中央には孔13が穿設されている。また、図2の(b)に示されるように、板体12aの下部は半円形状に形成されている。
【0020】
本実施形態では、支持柱20の形状に合わせて2つの基部10が採用されている。2つの基部10は、同じ形状及びサイズであり、左右に所定距離だけ離れた状態で空気調和機が配設される部屋の天井面、又は当該空気調和機のケーシングに取り付けられる。2つの基部10を用いることにより、風向調整具1を安定した状態で天井面などに取り付けることができる。
【0021】
〔支持柱〕
支持柱20は、羽板40を支持ないし保持するための部材であり、本実施形態では、図3に示されるように、正面から見てV字形状を呈している。支持柱20は、左右対称の部材であり、左側の柱部21と、右側の柱部22と、両柱部21、22の根本部が接続された矩形状のベース部23と、このベース部23の下面側に設けられた第1支持部24とを有している。
【0022】
柱部21及び22は、いずれも帯状の板材からなっている。柱部21及び22は、先端側(基部10側)の係止部21a、22aと、当該係止部21a,22aよりベース部23側に位置しており、平坦で細長の板材からなる本体部21b、22bとを有している。係止部21a、22aは、風向調整具1を天井面などに取り付けた状態において、水平面に垂直な面内に位置し、一方、本体部21b、22bは、水平面に対し0〜45°傾斜した傾斜面内に位置する。係止部21a,22aと本体部21b、22bとは曲面部21c、22cで接続されており、本体部21b、22bとベース部23とは曲面部21d、22dで接続されている。係止部21a,22aの先端側は半円形状に形成されている。また、係止部21a,22aにはそれぞれ孔25が穿設されている。
【0023】
本実施形態では、前記基部10の支持部12と、柱部21、22の係止部21a、22aと、後述するボルト及びナットとで角度調整部50が構成されており、この角度調整部50によって支持柱20の向きを上下方向に変更することができる。係止部21a、22aの厚さt1(図3の(a)参照)は、支持部12を構成する一対の板体12a,12a間の距離d1(図2(a)参照)よりもわずかに小さくなるように設定されている。係止部21a、22aを前記一対の板体12a,12a間に挟み込み、支持部12の孔13の中心と、係止部21a、22aの孔25の中心とが同一直線上に位置するように係止部21a、22a又は支持部12の位置を調整した後に孔25及び孔13にボルト2を挿通し、ついでボルト2の先端側からナット3を締め付けることで角度調整部50を構成することができる。このように、基部10と支持柱20との間に角度調整部50を設けることで、羽板40の水平方向における位置を変更させることができる.これにより、図を参照しつつ後述するように、基部10の取付位置と吹出風の吹出口とが水平方向に離れているときでも、羽板40を吹出口の下方に位置させることができ、吹出口からの吹出風を効果的に羽板40の上面に当てることができる。
【0024】
第1支持部24は、支持柱20の一部を構成するベース部23の下面に形成された一対の板体24a,24aから構成されており、この板体24a,24aは、図3の(a)に示されるように、互いに所定距離だけ離間した状態でベース部23の下面に立設されている。また、前記板体24a,24aは、矩形状のベース部23における対向する辺ないし縁(曲面部21d,22dが接続される辺ないし縁)に沿って立設されている。板体24a,24aは、下方に突出する半円形状を呈しており、その中央付近には孔26が穿設されている。
【0025】
〔羽板〕
羽板40は長方形状の板体から作製されており、一方の長辺が上方に向けて湾曲した形状を呈している。この湾曲した立壁部41は、空気調和機の吹出口から吹き出された空気が当該空気調和機の下面中央付近の吸込口へと流れ込むのを抑制する機能を有している。羽板40の長手方向の両端、換言すれば、羽板40の両短辺、及び羽板40の長手方向の中央には、補強用のリブ42が形成されている。
【0026】
また、羽板40の長手方向の中央には第2支持部43が設けられている。第2支持部43は、正面から見て上方へ突出する山形形状を呈する板体43aからなり、本実施形態では、この第2支持部43は羽板41と一体に形成されている。第2支持部43の中央付近には孔44が穿設されている。
【0027】
本実施形態における羽板40は、その上面40aに、例えば発砲ポリエチレンからなるシート状の断熱層45が設けられている。断熱層45は接着剤により羽板40の上面40aに貼付されている。断熱層45の厚さは、本発明において特に限定されるものではないが、通常、2〜10mm程度である。このような断熱層45を羽板40の上面40aに設けることにより、冷房時において、当該羽板40の上面40aに吹き付けられる冷風により羽板40の温度が露点以下に低下し、当該羽板40の下面40bに結露が生じるのを防ぐことができる。
【0028】
〔中間支持部〕
中間支持部30は、正面から見て下方に突出する円弧形状を呈する部材であり、図1及び図4に示されるように、前板部31、後板部32、及びこれら両板部31、32の各上端側を接続する天板部33を有している。天板部33の上面33aには、一対の係合突起34が左右方向に所定距離だけ離間して立設されている。図4の(c)に示されるように、係合突起34の上縁の両隅部は面取りされている。各係合突起34の上部中央付近には孔(上部孔)35が穿設されている。また、前板部31及び後板部32の中央付近にも孔(下部孔)36が穿設されている。
【0029】
〔角度調整機構〕
本実施形態では、羽板40の向きを上下方向及び左右方向に変更することができる角度調整機構として、前述した第1支持部24、第2支持部43及び中間支持部30で構成される支持部と、後述する第1ボルト及び第2ボルトからなる軸部とを採用している。
図5は、支持柱20と中間支持部30との接続状態を説明する図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。第1支持部24の対向する一対の板体24aの外側面間の距離d2(図3の(a)参照)は、中間支持部30の一対の係合突起34間の距離d3(図4の(b)参照)よりもわずかに小さくなるように設定されている。第1支持部24の一対の板体24aを中間支持部30の一対の係合突起34の間に挟み込み、第1支持部24の孔26の中心と、係合突起34の孔35の中心とが同一直線上に位置するように板体24a又は係合突起34の位置を調整した後に孔35及び孔26に第1ボルト4を挿通し、ついで第1ボルト4の先端側からナット5を締め付けることで、羽板40の向きを上下方向に変更する角度調整機構を構成することができる。
【0030】
図6は、中間支持部30と羽板40との接続状態を説明する図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。第2支持部43を構成する板体43aの厚さt2(図6の(b)参照)は、中間支持部30の前板部31と後板部32との間の距離d4(図4の(c)参照)よりもわずかに小さくなるように設定されている。第2支持部43の板体43aを中間支持部30の前板部31と後板部32との間に挟み込み、前板部31及び後板部32の孔36の中心と、第2支持部43の板体43aの孔44の中心とが同一直線上に位置するように前板部31及び後板部32又は板体43aの位置を調整した後に孔36及び孔44に第2ボルト6を挿通し、ついで第2ボルト6の先端側からナット7を締め付けることで、羽板40の向きを左右方向に変更する角度調整機構を構成することができる。
前述したナット5による第1ボルト4の締め付け、及び、ナット7による第2ボルト6の締め付けは、当該第1ボルト4及び/又は第2ボルト6を回動軸として羽板40を上下方向及び/又は左右方向に変更させることはできるが、一旦、羽板40の姿勢を決めた後は当該姿勢を保持することができる程度の締付力に調整される。
【0031】
なお、本実施形態では、角度調整機構の回動操作によりナット5、7が緩むのを防止するために、ナット5と係合突起34との間、及び、ナット7と後板部32との間にワッシャ8を配設している。また、本実施形態では、第1ボルト4及び第2ボルト6の頭部、並びに、ナット5及びナット7を合成樹脂で作製している。第1ボルト4及び第2ボルト6の各ねじ部は金属製である。このように、ねじ部を金属製とし、他の部位(ボルトの頭部及びナット)を合成樹脂製とすることで、必要な強度を確保しつつ全体の軽量化を図ることができる。また、外部に露出する部位を合成樹脂製とすることで、耐腐食性を向上させることができる。
【0032】
次に本実施形態に係る風向調整具1を空気調和機に取り付ける態様について説明する。
図7は、風向調整具1を空気調和機(室内機)ACの化粧パネル60に取り付ける場合を示している。空気調和機ACは、空調室の天井面61に埋め込まれるタイプの室内機であり、天井裏スペースの配設されるケーシング62、及び天井面61の開口に配置される化粧パネル60を備えている。ケーシング62は、下面が開口した略箱形状を呈しており、このケーシング62内には、モータ63aとファンロータ63bとからなる送風機63、この送風機63を囲むように配設された熱交換器64、この熱交換機64からの凝縮水を貯留するドレンパン65、及び、このドレンパン65に溜まった凝縮水を機外に排出するドレンポンプ(図示せず)が配設されている。
【0033】
化粧パネル60は、前記ケーシング62の下面中央の開口を覆うように配設されており、空調室の空気を吸い込むための吸込口66と、この吸込口66の外周において矩形を描くように配置された4つの吹出口67とを有している。吸込口66には、吸込グリル68と、この吸込グリル68から吸い込まれた空気中の塵埃などを除去するためのフィルタ69と、このフィルタ69の上方において、吸込口66から吸い込まれた空気をケーシング62内に案内するベルマウス70が配設されている。一方、吹出口67には、図示しないモータによって当該吹出口67の長手方向に延びる軸回りに揺動されるフラップ71が設けられており、このフラップ71の揺動により、吹出口67から空調室内に吹き出される空気流の向きを変更させることができるようになっている。
【0034】
図7に示される態様では、基部10の板部11の上面が化粧パネル60の下面60aに固定されている。板部11の固定は、例えば接着剤や両面テープを用いて行うことができる。風向調整具1を化粧パネル60へ固定した後、角度調整部50により、羽板40が吹出口67の略下方に位置するように支持柱20を前後方向(図7において左右方向)に回動させる。
【0035】
角度調整機構の第1ボルト4又は第2ボルト6を軸として、羽板40を上下方向及び/又は左右方向に回動させることにより、当該羽板40の向きを多方向に変更させることができ、これにより吹出口67から吹き出される空気の向きを多方向に変更させることができる。その結果、室内の気流の制御を従来よりも高精度に行うことができ、例えば、冷房時において冷風が体に強く当たり不快に感じたり、あるいは逆に冷風が来なくて冷えが足りないといった不具合を緩和することができる。
【0036】
図8は、風向調整具1の基部10の板部11を天井面61と化粧パネル60との間に挿入して、当該風向調整具1を天井面61に取り付ける場合を示している。この場合、図2の(b)に示されるように、板部11の先端(天井面61と化粧パネル60との間に挿入される側の先端)に凸条14を形成することが好ましい。このような凸条14を設けることで、天井面61と化粧パネル60との間から基部10が抜け出るのを確実に防止することができる。
図8に示される態様においても、風向調整具1を天井面61に取り付けた後、角度調整部50により、羽板40が吹出口67の略下方に位置するように支持柱20を前後方向(図7において左右方向)に回動させる。
【0037】
本発明の風向調整具は、空気調和機の吹出口から吹き出された空気流の向きを変更する目的のために種々のタイプの空気調和機に適用が可能である。吹出風が一方向にしか吹き出されない一方向型の空気調和機や、二方向にしか吹き出されない二方向型の空気調和機に好適に適用することができるが、図7〜8に示されるような四方向吹き出し型の空気調和機など他のタイプの空気調和機にも適用することができる。四方向吹き出し型の空気調和機では、空調室の気流をある程度制御することが可能であるが、それでも空調室の隅部などへの空気の供給が不十分になることがある。また、吹出風が直接に当たるのを避けたいという要請もある。このような場合に、本発明の風向調整具を用いることで吹出風の向きを変更して、不具合を解消又は緩和させることができる。
【0038】
〔その他の変形例〕
なお、今回開示された実施の形態はすべての点において単なる例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、前記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内のすべての変更が含まれることが意図される。
【0039】
例えば、前述した実施形態では、空気調和機のケーシングとは別体の化粧パネルに風向調整具を取り付けているが、これに限定されるものではない。すなわち、ケーシングの開口端が外方にフランジ状に折り曲げられ、この折り曲げられた部分が天井面に当接するタイプの空気調和機の場合は、当該折り曲げられた部分に風向調整具を取り付けることができる。したがって、本明細書において「ケーシング」とは、空気調和機の送付機や熱交換器などを収容する筐体だけでなく、当該筐体の開口に配置される、いわゆる化粧パネルも含む概念である。
【0040】
また、前述した実施形態では、角度調整機構として、支持部(第1支持部、第2支持部及び中間支持部)と軸部(第1ボルト及び第2ボルト)とで構成されたものを採用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の機構、例えばボールジョイントを採用することもできる。この場合、上下方向と左右方向との組み合わせで多方向を実現するのではなく、ボールの回転位置だけで多方向を実現することができ、よりスムーズに羽板の向きを変更させることができる。
【符号の説明】
【0041】
1 風向調整具
4 第1ボルト
5 ナット
6 第2ボルト
7 ナット
10 基部
12 支持部
13 孔
20 支持柱
21 柱部
21a 係止部
22 柱部
22a 係止部
24 第1支持部
25 孔
26 孔
30 中間支持部
34 係合突起
35 孔
36 孔
40 羽板
42 リブ
43 第2支持部
44 孔
45 断熱層
50 角度調整部
60 化粧パネル
61 天井面
62 ケーシング
67 吹出口
AC 空気調和機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10