【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成24年度、総務省、「先進的ICT国際標準化推進事業」(スマートコミュニティにおけるエネルギーマネジメント通信技術)研究開発委託契約に基づく開発項目「スマートコミュニティ用ゲートウェイ技術の研究開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
提示情報を提示する際に用いる1又は複数の計測データを選定し、選定した前記計測データを送信するように計測デバイスに指示し、指示に基づいて前記計測デバイスから送信された計測データを取得するデータ取得部を有することを特徴とする請求項1乃至6のうち何れか1項に記載の情報収集装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら実施例について詳細に説明する。
【0012】
<第1実施形態における情報収集システムの概略構成例>
図1は、第1実施形態における情報収集システムの概略構成の一例を示す図である。
図1に示す情報収集システム10は、情報収集装置11と、収集対象空間の一例である建物12とを有する。情報収集装置11と、建物12とは、例えばインターネットやLocal Area Network(LAN)等に代表される通信ネットワーク13によりデータの送受信が可能な状態で接続される。
【0013】
情報収集システム10において、情報収集装置11は、例えば建物12の内外にある1又は複数の機器やセンサ等の各種デバイス等により得られた計測データを収集する。情報収集装置11は、1つの提示情報としてユーザに提示する際に必要となる計測データが複数ある場合に、それらの計測データをグループ化する。また、情報収集装置11は、グループ毎に各計測データの収集タイミングを同期させて、グループ間の計測データの収集タイミングを調整(コントロール)する。これにより、本実施形態は、通信ネットワーク13や情報収集装置11等による収集負荷の軽減とリアルタイム性とを確保することができる。
【0014】
情報収集装置11は、例えば、Personal Computer(PC)やサーバ等でもよく、1以上の情報処理装置を有するクラウドコンピューティングにより構成されていてもよいが、これに限定されるものではない。
【0015】
また、建物12は、例えば家屋やビル(例えば、企業ビル)等であるが、これに限定されるものではなく、例えば車両や飛行機、船、商用施設等の空間であってもよい。また、情報収集装置11は、複数の建物12から計測データを収集して提示情報を生成してもよい。
【0016】
<第1実施形態における情報収集装置11の機能構成>
図1の例に示す第1実施形態における情報収集装置11は、提示情報設定部21と、提示情報データベース(以下、データベースを「DB」という)22と、データ収集タイミング調整部23と、データ取得部24と、データ加工部25と、提示部26とを有する。
【0017】
提示情報設定部21は、ユーザが提示部26から目的の提示情報(例えば、表やグラフ)を提示するために必要な計測データ(使用データ)を設定する。例えば、提示情報設定部21は、「室内外温度」や「時間別消費電力」等のように予め設定されたグラフ(提示情報)から少なくとも1つを選択することで、各提示情報に対応する計測データが自動的に設定されてもよい。
【0018】
例えば、提示情報設定部21は、グラフ毎を提示する際に必要な情報として、例えば「使用データ」、「データ間隔」、及び複数データを用いた「演算式」等のうち、少なくとも1つを設定するが、これに限定されるものではない。提示情報設定部21は、例えばグラフの縦軸、横軸等を設定することもできる。
【0019】
提示情報設定部21は、上述した設定情報をグラフ識別情報と共に提示情報DB22に記憶させる。また、提示情報設定部21は、提示情報DB22の内容が更新された場合に、その更新通知をデータ収集タイミング調整部23に出力する。
【0020】
提示情報DB22は、上述したように、提示情報設定部21から得られる「グラフ識別情報」、「使用データ」、「データ間隔」、「演算式」等の情報を登録し、必要に応じて読み出しや書き込み等の管理を行う。
【0021】
データ収集タイミング調整部23は、提示情報DB22に記憶された情報に基づいて、同じタイミングでデータを収集するグラフが複数ある場合、上述した「データ間隔」に影響しない範囲でデータ収集タイミングを調整する。例えば、データ収集タイミング調整部23による調整要素として、例えば「同一データの使用有無」、「データ収集先アドレス」、及び「データ更新間隔」等のうち、少なくとも1つを基準に調整することができるが、これに限定されるものではない。
【0022】
例えば、データ収集タイミング調整部23は、建物12にある1又は複数のデバイス等からそれぞれの計測データを収集し、1つの提示情報としてユーザに提示する際に必要となる1又は複数の計測データをグループ化する。そして、データ収集タイミング調整部23は、グループ毎に計測データの収集タイミングを同期させて、グループ間の計測データの収集タイミングを調整する。
【0023】
例えば、データ収集タイミング調整部23は、同一タイミングで多数のグループが同時に建物12に要求することがないように、グループ間の計測データの収集タイミングをグループ毎に所定間隔ずらして、グループ間の計測データの収集タイミングを分散させる。データ収集タイミング調整部23は、例えばグループ間で収集するデータ総数が均等になるように調整することができるが、これに限定されるものではない。
【0024】
例えば、提示情報DB22から得られる情報から複数のグラフ(提示情報)に共通の計測データがあり、更に同一の更新間隔(例えば、5分間隔)等の計測データが必要な場合がある。そのような場合、データ収集タイミング調整部23は、例えば1度取得した計測データを複数のグラフ用の計測データとして利用する。
【0025】
データ取得部24は、提示情報を提示する際に用いる1又は複数の計測データを選定し、選定した計測データを送信するように計測デバイスに指示し、指示に基づいてデバイスから送信された計測データを取得する。例えば、データ取得部24は、データ収集タイミング調整部23により調整された収集タイミングに基づいて、通信ネットワーク13を介して建物12から対応するデバイス(機器、センサ)で計測された情報を収集する。データ取得部24は、上述した収集タイミング(時間間隔)に合わせて建物12に目的の計測データの収集要求を出力してもよく、予め収集する周期やタイミングを建物12に出力しておき、そのタイミングで収集された計測データを取得するようにしてもよい。
【0026】
例えば、データ取得部24は、同一グラフで使用するために設定された複数の計測データを、設定されたデータ間隔で、かつ同一タイミングで収集する。また、データ取得部24は、通信ネットワーク13を介して気象庁や環境省等の団体から建物12付近の天候、外気の温度、湿度等の実際の気象情報又は未来の気象を予測した気象予測情報等を取得してもよい。
【0027】
データ加工部25は、提示情報設定部21で設定されたグラフを生成するために、データ取得部24で取得した1又は複数の計測データを加工して所定のグラフを生成する。また、データ加工部25は、提示情報DB22を参照し、グラフ生成に対して予め設定された演算式がある場合に、その演算式を用いて演算を行ってデータ加工等を行う。
【0028】
提示部26は、データ加工部25により加工されたグラフ等を画面に表示してユーザ等に表示(いわゆる"見える化")する。なお、提示部26は、データ加工部25により加工された情報を記憶部等に記憶してもよい。提示部26は、例えばPCのディスプレイでもよく、タブレット端末等の表示画面でもよく、提示情報を紙媒体として印刷するプリンタ等でもよい。また、提示部26は、例えば通信ネットワーク13を介して接続された外部装置に提示情報が提示させてもよい。
【0029】
<第1実施形態における建物12の機能構成例>
図1の例における建物12は、機器31と、センサ32と、データ収集部33とを有する。機器31やセンサ32は、建物12に設けられた各家電機器等の消費電力、太陽光発電による電力、建物12の内外の環境状況等を取得するための計測デバイスである。
【0030】
機器31の一例としては、例えば各家電製品(PC、テレビ、エアコン)における消費電力や照明装置の消費電力を計測する電力計測器(電気メーター)、使用した水量を計測する水量計等があるが、これに限定されるものではない。また、センサ32の一例としては、建物12の内外の温度を計測する温度センサや、湿度を計測する湿度センサ等があるが、これに限定されるものではない。例えば、機器31やセンサ32の一例として、建物12にソーラーパネル等の太陽光発電設備を設けている場合には、その設備から取得したで電力量を計測してもよい。
【0031】
図1の例において、建物12には、便宜上、機器31とセンサ32とをそれぞれ1つ有しているが、これに限定されるものではなく、それぞれの計測データを取得するために複数の機器31やセンサ32を有していてもよく、機器31のみ又はセンサ32のみでもよい。機器31及びセンサ32は、異なる識別情報(例えば、Internet Protocol(IP)アドレスやMedia Access Control(MAC)アドレス等のアドレス情報等)で管理される。なお、例えばエアコンから温度や湿度、風量等を取得するように、同一の機器31やセンサ32から複数の計測データが得られる場合には、同一の識別情報で管理される。
【0032】
データ収集部33は、収集先の計測デバイスの識別情報に基づいて、所定のタイミングで所定の機器31やセンサ32等からそれぞれの計測データを収集する。例えば、データ収集部33は、情報収集装置11のデータ取得部24から指示を受けたタイミング、又はデータ取得部24により指示されたタイミングで、指示された計測データのみを機器31やセンサ32等から収集する。また、データ収集部33は、収集した結果を、通信ネットワーク13を介してデータ取得部24に出力する。
【0033】
なお、本実施形態では、情報収集装置11におけるデータ加工部25や提示部26の構成を建物12に設けてもよく、データ収集部33で取得した情報を用いて建物12内でデータ加工部25によるデータ加工を行い、提示部26により加工結果のグラフ(提示情報)を提示してもよい。
【0034】
<情報収集装置11のハードウェア構成例>
次に、情報収集装置11のハードウェア構成例について、図を用いて説明する。
図2は、情報収集装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2の例において、情報収集装置11は、入力装置41と、出力装置42と、ドライブ装置43と、補助記憶装置44と、主記憶装置45と、Central Processing Unit(CPU)46と、ネットワーク接続装置47とを有し、これらはシステムバスBで相互に接続されている。
【0035】
入力装置41は、ユーザ等が操作するキーボード及びマウス等のポインティングデバイスや、マイクロフォン等の音声入力デバイスを有しており、ユーザ等からのプログラムの実行指示、各種操作情報、ソフトウェア等を起動するための情報等の入力を受け付ける。
【0036】
出力装置42は、本実施形態における処理を行うためのコンピュータ本体(情報収集装置11)を操作するのに必要な各種ウィンドウやデータ等を表示するディスプレイ等を有する。出力装置42は、CPU46が有する制御プログラムによりプログラムの実行経過や結果等を表示することができる。
【0037】
ここで、本実施形態において、例えばコンピュータ本体にインストールされる実行プログラムは、記録媒体48等により提供される。記録媒体48は、ドライブ装置43にセット可能である。CPU46からの制御信号に基づき、記録媒体48に格納された実行プログラムが、記録媒体48からドライブ装置43を介して補助記憶装置44にインストールされる。
【0038】
補助記憶装置44は、例えばHard Disk Drive(HDD)やSolid State Drive(SSD)等のストレージ手段等である。補助記憶装置44は、CPU46からの制御信号に基づき、本実施形態における実行プログラム(情報収集プログラム)や、コンピュータに設けられた制御プログラム等を記憶し、必要に応じて入出力を行う。補助記憶装置44は、CPU46からの制御信号等に基づいて、記憶された各情報から必要な情報を読み出したり、書き込むことができる。
【0039】
主記憶装置45は、CPU46により補助記憶装置44から読み出された実行プログラム等を格納する。主記憶装置45は、Read Only Memory(ROM)やRandom Access Memory(RAM)等である。
【0040】
CPU46は、Operating System(OS)等の制御プログラム、及び主記憶装置45に格納されている実行プログラムに基づいて、各種演算や各ハードウェア構成部とのデータの入出力等、コンピュータ全体の処理を制御して各処理を実現する。プログラムの実行中に必要な各種情報(例えば、提示情報DB22)等は、補助記憶装置44から取得することができ、また実行結果等を格納することもできる。
【0041】
具体的には、CPU46は、例えば入力装置41から得られるプログラムの実行指示等に基づき、補助記憶装置44にインストールされたプログラムを実行させることにより、主記憶装置45上でプログラムに対応する処理を行う。例えば、CPU46は、情報収集プログラムを実行させることで、上述した提示情報設定部21による提示情報の設定、データ収集タイミング調整部23による建物12等から計測データを収集するタイミングの調整等の処理を行う。また、CPU46は、情報収集プログラムを実行させることにより、例えばデータ取得部24による建物12からの計測データの取得等の処理を行う。また、CPU46は、情報収集プログラムを実行させることにより、例えばデータ加工部25による提示情報設定部21で設定されたグラフ等の提示情報を生成するためのデータ加工やグラフの生成、提示部26によるグラフ提示等の処理を行う。CPU46における処理内容は、上述した内容に限定されるものではない。CPU46により実行された内容は、必要に応じて補助記憶装置44等に記憶される。
【0042】
ネットワーク接続装置47は、上述した通信ネットワーク13を介して、建物12や他の外部装置との通信を行う。ネットワーク接続装置47は、CPU46からの制御信号に基づき、通信ネットワーク13等と接続することにより、計測データを建物12から取得したり、実行プログラムやソフトウェア、設定情報等を外部装置等から取得する。また、ネットワーク接続装置47は、プログラムを実行することで得られた実行結果を建物12や外部装置に提供したり、本実施形態における実行プログラム自体を外部装置等に提供してもよい。
【0043】
記録媒体48は、上述したように実行プログラム等が格納されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体である。記録媒体48は、例えばフラッシュメモリ等の半導体メモリやCD−ROM、DVD等の可搬型の記録媒体であるが、これに限定されるものではない。
【0044】
図2に示すハードウェア構成に実行プログラム(例えば、情報収集プログラム等)をインストールすることで、ハードウェア資源とソフトウェアとが協働して本実施形態における情報収集処理等を実現することができる。
【0045】
<情報収集装置11における処理の一例>
次に、本実施形態における情報収集装置11における処理(情報収集処理)の一例について、フローチャートを用いて説明する。
図3は、情報収集装置の処理の一例を示すフローチャートである。
図3の例において、情報収集装置11の提示情報設定部21は、提示するグラフ情報等を設定する(S01)。なお、S01の処理は、情報を収集する前処理としてユーザや管理者等が事前に行っていてもよい。S01の処理で得られた各種設定情報は、提示情報DB22に記憶される。
【0046】
次に、情報収集装置11のデータ収集タイミング調整部23は、提示情報設定部21により設定されたグラフを生成するのに必要となるデータ(使用データ)の収集タイミングを調整する(S02)。なお、S02の処理において、データ収集タイミング調整部23は、例えば予め設定された条件に基づいて同時に取得する計測データをグループ化し、そのグループ間の計測データの収集タイミングを調整する。
【0047】
次に、情報収集装置11のデータ取得部24は、S02の処理により調整されたデータ収集タイミングに対応させてデータ収集要求を建物12等の収集対象空間に送信する(S03)。なお、S03の処理において、データ取得部24は、収集するデータの種類や時間間隔等を送信することができるが、これに限定されるものではなく、例えば建物12は、要求を受信したタイミングで対応する計測データを収集してもよい。
【0048】
データ取得部24は、要求した計測データを建物12等の収集対象空間から取得する(S04)。なお、上述したS03、S04の処理では、建物12外から計測データを収集してもよい。建物12以外からの計測データの例としては、例えば気象庁から得られる建物12付近の外気温や雨量、日照時間、天候等のデータ等があるが、これに限定されるものではない。
【0049】
次に、データ加工部25は、S04の処理で取得した計測データを加工する(S05)。次に、提示部26は、S05の処理により加工して得られたグラフ情報を提示する(S06)。
【0050】
<提示情報設定部21の具体例>
次に、上述した提示情報設定部21の具体例について、フローチャートを用いて説明する。
図4は、提示情報設定部の処理の一例を示すフローチャートである。
図4の例において、提示情報設定部21は、提示するグラフ毎に必要なデータを設定する(S11)。なお、設定は、ユーザ等によりキーボード等の入力手段等を用いて設定することができるが、これに限定されるものではない。
【0051】
指定項目の例としては、例えばグラフに提示する計測データ(使用データ)、グラフの目盛間隔、及びグラフに提示するデータが複数のセンサデータを演算加工する必要がある場合の演算式等のうち、少なくとも1つであるが、これに限定されるものではない。
【0052】
次に、提示情報設定部21は、設定した内容を提示情報DB22に記憶する(S12)なお、S12の処理では、各グラフをグラフ識別子(識別情報)で管理する。グラフ識別しは、例えば本実施形態で提示する複数のグラフを識別するための識別子であり、グラフ識別子毎に、該当グラフに提示するデータ識別子を登録する。例えば、提示情報DB22は、データ識別子毎に、計測データの収集先アドレスや、計測データの更新間隔、複数のセンサデータを演算加工する場合は演算式等を登録する。また、グラフ識別子毎に、該当グラフの目盛間隔等を登録する。
【0053】
次に、提示情報設定部21は、提示情報DB22が更新されたことをデータ収集タイミング調整部23に通知する(S13)。
【0054】
<データ収集タイミング調整部23の具体例>
次に、上述したデータ収集タイミング調整部23の具体例について、フローチャートを用いて説明する。
図5は、データ収集タイミング調整部の処理の一例を示すフローチャートである。
【0055】
図5の例において、データ収集タイミング調整部23は、提示情報DB22を参照し、同じタイミングでデータ(計測データ)を収集するグラフが複数あるか否か判断する(S21)。データ収集タイミング調整部23は、同じタイミングでデータを収集するグラフが複数ある場合(S21において、YES)、同一データを使用するグラフが複数あるか否かを判断する(S22)。
【0056】
データ収集タイミング調整部23は、同一データを使用するグラフが複数ある場合(S22において、YES)、建物12の機器31やセンサ32等に割り当てられた識別情報(例えば、収集先アドレス等)が同一のデータが複数あるか否かを判断する(S23)。
【0057】
データ収集タイミング調整部23は、収集先アドレスが同一のデータが複数ある場合(S23において、YES)、データ更新間隔が同一のデータが複数あるか否かを判断する(S24)。データ収集タイミング調整部23は、データ更新間隔が同一のデータが複数ある場合(S24において、YES)、同一の収集タイミンググループ(Gr)を設定する(S25)。例えば、同一のグループには、同一のID等を設定して管理するがこれに限定されるものではない。
【0058】
次に、データ収集タイミング調整部23は、必要に応じて収集タイミンググループを追番で付与する(S26)。S26の処理において、データ収集タイミング調整部23は、同一データを使用するグラフが複数ない場合(S22において、NO)、それまでにグループ化されたデータに対して収集タイミンググループを追番で付与する。また同様に、データ収集タイミング調整部23は、収集先アドレスが同一のデータが複数ない場合(S23において、NO)、データ更新間隔が同一のデータが複数ない場合(S24において、NO)も、S26の処理を行う。
【0059】
なお、S26の処理において、データ収集タイミング調整部23は、別のグラフで同一データを使用する場合には、例えばそれぞれの収集タイミンググループのIDを同一にし、更に枝番を付与して管理してもよい。
【0060】
次に、データ収集タイミング調整部23は、グループ間の計測データの収集タイミングをグループ毎に所定間隔ずらして、グループ間の計測データの収集タイミングを分散させる。例えば、データ収集タイミング調整部23は、収集タイミンググループ間で収集データ数(総数)が同じ(又はほぼ均等)になるように調整する(S27)。これにより、同一時刻によるデータ収集が多くなることで生じるネットワークやコンピュータの負荷を軽減することができる。
【0061】
S27の処理において、データ収集タイミング調整部23は、例えばグラフ目盛間隔の一番短いグラフに使用するデータが、該当間隔で確実にデータが収集できるようにする。例えば、各時間の「00秒」時点は、最もタイミングが重なる可能性があるタイミングである。したがって、「00秒」の場合には、その時間を基準に一定間隔ずつずらしたタイミングでデータを収集することができる。
【0062】
データ収集タイミング調整部23は、調整したデータを提示情報DB22に記憶する(S28)。データ収集タイミング調整部23は、S28の処理後、データ取得部24に所定のタイミングによるデータの取得を通知する(S29)。また、データ収集タイミング調整部23は、S21の処理において、同じタイミングでデータ収集するグラフが複数ない場合(S21において、NO)、上述したグループ化を行う必要がないため、そのままS29の処理を行う。
【0063】
<提示情報DB22の具体例>
ここで、提示情報DB22の具体例について、図を用いて説明する。
図6は、提示情報DBの具体例を示す図である。
図6の例において、提示情報DB22の項目としては、例えば「グラフ識別子」、「使用データ」、「収集先アドレス」、「データ更新間隔」、「演算式」、「グラフ目盛間隔」、「収集タイミンググループ」等があるが、これに限定されるものではない。
【0064】
「グラフ識別子」は、提示するグラフを識別するための情報である。提示情報として設定されるグラフや表等の種類によって識別子が付与される。「使用データ」は、対象のグラフに使用される計測データの種類を識別する情報である。
図6の例では、文字や数字により設定されているが、これらのデータに対する計測データの内容は、予め対応付けられている。また、
図6の例では、「使用データ」において、計測データの識別情報と、演算式を用いる場合の識別情報とを異なる形式で記載しているが、これに限定されるものではない。
【0065】
「収集先アドレス」は、使用データを計測するための計測デバイスのアドレス情報(例えば、IPアドレスやMACアドレス、Uniform Resource Locator(URL)等)である。
図6の例では、「aa.bb.cc.dd」、「www.hoge.jp」等が設定されているが、これに限定されるものではない。例えば、収集先の計測デバイスが同一の場合には、同一のアドレス情報が設定され、収集先の計測デバイスが異なる場合には異なるアドレス情報が設定される。
【0066】
「データ更新間隔」は、使用データを更新する間隔である。
図6の例において「随時」とは、例えばデータ取得要求をその計測デバイスに行った場合に、すぐにその時点での計測データを取得できることを意味するが、これに限定されるものではない。
【0067】
「演算式」は、使用データの種類を用いて演算式の値を示している。演算式により演算した結果が新たな使用データとして扱われる。「演算式」は、加減算に限定されるものではなく、乗算や除算等を有していてもよい。例えば、電力会社から買う電力と、太陽光発電で蓄電された電力(売る電力)とから電力料金を算出する場合等では、加算だけでなく減算等の計算も行われる。
【0068】
「グラフ目盛間隔」は、提示するグラフの目盛間隔を示している。「収集タイミンググループ」は、上述したグループ識別情報等である。「収集タイミンググループ」は、例えばグループ毎に必要に応じて追番や枝番が付与される。
図6の例において、「Gr02−1」、「Gr02−2」は、それぞれのグループが同一の使用データ(0041)を有するため枝番が付与されている。
【0069】
ここで、
図6の例を用いてデータ収集タイミング調整部23における収集タイミングを調整する例を説明する。
図6の例において、グラフ識別子Aは、グラフ目盛間隔が1分で収集タイミンググループGr01が設定されている。グラフ識別子Bは、グラフ目盛間隔が5分で収集タイミンググループGr02−1が設定され、グラフ識別子Cは、グラフ目盛間隔が5分で収集タイミンググループGr02−2が設定されている。
【0070】
この場合、データ収集タイミング調整部23は、例えば設定したグループ識別情報の順で調整を行う。
図6の例において、データ収集タイミング調整部23は、Gr01では毎分00秒にデータを収集するよう調整し、Gr02−1では5分毎に収集するが、Gr01の00秒と同一にならないように10秒遅らした時点でデータを収集する。これにより、「00秒」時点におけるネットワークやデバイスの負荷を軽減することができる。
【0071】
なお、上述したように10秒ずつ収集間隔をずらした場合には、グループ数6個でずらすすべがなくなり00秒に戻ってしまう。その場合、データ収集タイミング調整部23は、00秒時、10秒時、・・・、毎にそれぞれ収集するデータ数が均等になるようにデータ収集する数を調整してもよい。
【0072】
ここで、
図7は、収集データのタイミング調整例を示す図である。
図7に示すように、データ収集タイミング調整部23は、タイミング調整により、毎分「00秒」、「10秒」、「20秒」、「30秒」、「40秒」、「50秒」で、順に「Gr01」、「Gr02−1」、「Gr02−2」、「Gr03」、「Gr04」、「Gr05」を収集するよう調整する。また、データ収集タイミング調整部23は、「Gr06」以降のデータを「00秒」、「10秒」、「20秒」、「30秒」、「40秒」、「50秒」の何れかに割り振るが、このとき、他の収集タイミングにおけるデータ数がほぼ均等になるように調整を行う。
図7の例では、各秒における収集データ総数が10〜21の範囲で調整されているが、調整内容についてはこれに限定されるものではない。
【0073】
また、データ収集タイミング調整部23は、他の建物12や他サービスでの使用の有無等に基づいて収集タイミングを調整してもよい。例えば、データ収集タイミング調整部23は、建物12付近の建物や他サービスが、同一センサのデータを使用している場合に、他の建物や他サービスに対するグラフ提示に関する情報とも合わせて調整してもよい。これにより、ネットワークやデバイスに対する一時的な負荷の増大やネットワークへの負荷を軽減することができ、時間的にも同期の取れた適切なグラフ等を提示することができる。
【0074】
<データ取得部24の具体例>
次に、上述したデータ取得部24の具体例について、フローチャートを用いて説明する。
図8は、データ取得部の処理の一例を示すフローチャートである。
図8の例において、データ取得部24は、データ収集要求を、データ収集タイミング調整部23で調整された収集間隔かつ同一タイミングで建物12に送信し(S31)、提示するグラフで使用されるデータを建物12から取得する(S32)。
【0075】
S31の処理において、データ取得部24は、例えば収集タイミンググループのID毎に、指定されたタイミングで、収集先アドレスに収集要求を通知(指示)する。収集要求には、例えば収集するデータに対応するデバイス情報(例えば、デバイスID)等が含まれるが、これに限定されるものではない。また、収集先アドレスが、インターネット情報(例えば、URL等)の場合、設定されたタイミングでアクセスし、設定されたデータを取得する。
【0076】
建物12は、収集要求を受信した後、指定されたデバイスIDのデータを収集し、データ取得部24に送信する。なお、複数デバイスのデータを通知する場合には、1つのメッセージにまとめて通知してもよいが、これに限定されるものではない。
【0077】
また、S31及びS32の処理では、収集先アドレスが建物12外の場合もある。その場合には、その収集先アドレスに対してデータ収集要求を送信し、建物外の計測デバイスから計測データを取得する。
【0078】
次に、データ取得部24は、収集されたデータをグラフ識別子毎に複数の使用データを同時にデータ加工部25に通知する(S33)。
【0079】
ここで、
図9は、データ取得部により入出力されるデータの具体例を示す図である。
図9(A)は、建物12から得られる収集データの一例を示す。
図9(B)〜(D)は、データ加工部25に出力するグラフ識別子毎のデータの具体例を示す。
【0080】
図9(A)の例では、デバイスID毎の収集データが示されており、デバイスIDは、使用データに対応した識別情報が設定されているが、これに限定されるものではない。データ収集は、設定されたグラフ間隔や収集タイミンググループでの調整内容等に基づいて設定されたタイミングで行われる。
図9(B)〜(D)では、それぞれ上述したグラフ識別子A〜Cに対応する使用データと、その使用データに対する収集データ(計測データ)例が示されている。
【0081】
<データ加工部25の具体例>
次に、上述したデータ加工部25の具体例について、フローチャートを用いて説明する。
図10は、データ加工部の処理の一例を示すフローチャートである。
図10の例において、データ加工部25は、データ取得部24から通知を受けた後、使用データ毎に、データ補間の必要があるか否か判定する(S41)。S41の処理において、データ加工部25は、例えば1つ前に受信したデータの時刻と、最新データの時刻との差が、グラフ目盛間隔より大きい場合や、データ更新間隔がグラフ目盛間隔より大きい場合に、データ補間の必要があると判定する。S41の判定手法は、これに限定されるものではない。
【0082】
データ加工部25は、データ補間の必要ありと判断した場合(S41において、YES)、データの補間を行う(S42)。S42において、データ加工部25は、補間手法として、例えば1つ前に受信したデータ値で、最新データまでを補間する手法や、1つ前に受信したデータ値と最新データ値とを直線又は所定の補間関数(曲線)で結んで補間する手法等がある。また、データ加工部25は、補間手法として、例えば予め設定されたデータモデル(補間パターン)とのマッチングによりデータを補間する手法等があるが、補間手法については、これに限定されるものではなく、1又は複数の補間手法を組み合わせてもよい。
【0083】
データ加工部25は、S41の処理において、データ補間の必要がない場合(S41において、NO)、又はS42の処理後、グラフ識別子毎に、収集データを用いて演算する必要があるか否かを判断する(S43)。なお、S43の処理において、データ加工部25は、上述した提示情報DB22を参照し、そのグラフ識別子に対する演算式の有無により演算を行う必要があるか否かを判断する。
【0084】
データ加工部25は、演算する必要がある場合(S43において、YES)、収集されたデータを用いて、提示情報DB22に記憶された設定した演算式で演算する(S44)。
【0085】
また、データ加工部25は、演算する必要がない場合(S43において、NO)、又はS44の処理後、得られたデータから提示情報設定部21で設定されたグラフを生成し(S45)、生成したグラフ等の情報を提示部26に通知する(S46)。
【0086】
これにより、提示部26は、設定されたグラフを画面等に提示することで、"見える化サービス"を提供することができる。
【0087】
<補間手法の具体例>
上述したデータ加工部25における補間手法(S42の処理)の具体例について説明する。本実施形態における補間手法では、定期的に収集データを収集し、時系列データを生成する。次に、データ加工部25は、この時系列データから、ベース以外の時系列データを抽出する。例えば、最低値付近の値で変化が小さい期間をベースとすると、最低値付近で値が大きく「+」に変化したタイミングから、逆に最低値付近で変化が小さくなったタイミングまでの期間がベース以外となる。
【0088】
次に、データ加工部25は、ベース以外の期間の時系列データをグラフ化する。次に、データ加工部25は、グラフを線分表現する。線分表現とは、変動の大きい個所を直線で繋ぎ、その後残った部分を直線で繋ぐことである。その際、なるべく少ない直線で繋ぐのが好ましい。
【0089】
次に、データ加工部25は、例えば予め設定された時系列データモデルと、線分表現した図形とを比較し、最も近い時系列データモデルと抽出し、抽出した時系列モデルに必要なパラメータ値を線分表現した図形から抽出する。その後、データ加工部25は、計測デバイス毎に時系列データモデルとパラメータとをモデルDB等に登録しておく。
【0090】
これにより、データ加工部25は、補間の必要がある計測デバイスがある場合に、上述したモデルDBを参照して、データ欠損位置がモデルDBのどのフェーズにあるかを判定し、判定したモデルDBに対応するパラメータを用いて欠損部分を補間することができる。なお、データ加工部25におけるデータの補間手法については、これに限定されるものではない。
【0091】
<取得データと加工データの具体例>
次に、
図11は、取得データと加工データの具体例を説明するための図である。
【0092】
図11(A)は、上述したグラフ識別子Aに対する取得データの一例を示し、
図11(B)は、上述したグラフ識別子Bに対する取得データ及び加工データの一例を示し、
図11(C)は、グラフ識別子Aに対する取得データ及び加工データの一例を示している。また、
図11(A)〜(C)の例では、使用データ(デバイスID)に対応するデータ内容(例えば、室温、エアコン消費電力量等)も示している。
【0093】
図11(A)〜(C)の例では、上述した提示情報DB22で設定された時間間隔毎に所定のデータが時系列データとして継続して取得されている。ここで、
図11(B)、(C)に示す「0041(太陽光発電量)」については、同一のタイミング(例えば、5分間隔)で取得されるため、データ取得部24は、1度の取得要求を行い、その結果として得られる値を
図11(B)、(C)に示すグラフに使用する。具体的には、
図11(B)の収集タイミンググループGr02−1で収集した太陽光発電量を、枝番が付与された
図11(C)の「Gr02−1_0041」のデータとして利用する。なお、
図11(C)の例における「Gr02−1_0041」の表記は、これに限定されるものではなく、例えば「Gr02−2」のような枝番で管理されていてもよい。
【0094】
また、
図11(B)の例では、使用データ「B01(総消費電力量)」、「B02(買電量)」が演算により得られるデータであるため、データ加工部25は、提示情報DB22で設定された演算式による加工を行い、その結果を格納する。
【0095】
また、
図11(C)の例において、使用データ「0101(外気温)」は1時間間隔でデータが更新されるが、グラフ感覚は、5分間隔である。したがって、データ加工部25は、1時間間隔でデータを取得し、その間の時間の値は上述した補間手法等を用いて補間した値を格納する。
【0096】
<提示部26により提示されるデータ例>
次に、上述した提示部26により提示されるデータ例について、図を用いて説明する。
図12は、提示部により提示されたデータ例を示す図である。提示部26は、上述したグラフ識別子に基づいて、例えば
図12(A)〜(C)に示すようなグラフを画面等に表示したり、紙等に印刷することで、ユーザに提示することができる。
【0097】
なお、
図12(A)〜(C)の例は、それぞれグラフ識別子A〜Cに対応するものである。第1実施形態では、提示するグラフ等を生成するのに必要な計測データをグループ化し、各グループで収集タイミングが同期するよう調整してデータの収集を行うことで、収集負荷の軽減とリアルタイム性を確保して適切な情報収集を実現することができる。
【0098】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態における機能構成やハードウェア構成は、上述した第1実施形態における構成と同様の構成を用いることができるため、ここでの具体的な説明は省略する。第2実施形態は、上述した第1実施形態と比較すると、例えば提示情報設定部21において、グラフに提示するデータの単位を設定する。
【0099】
例えば、提示情報設定部21は、グラフ毎に必要なデータを設定する。第2実施形態における設定項目としては、例えばグラフに提示するデータ、グラフの目盛間隔、演算式、更にはデータの単位等があるが、これに限定されるものではない。第2実施形態では、例えばグラフ識別子毎に、該当グラフのデータ単位を登録する。
【0100】
ここで、
図13は、第2実施形態における提示情報DBの一例を示す図である。
図13の例では、上述した第1実施形態における提示情報DB22の項目の他に「データ単位」の項目等を有している。
図13の例では、「Wh」から「kWh」への単位の変換内容が設定されているが(Wh→kWh)、設定内容はこれに限定されるものではない。この設定により、収集したデータの単位が「Wh」である場合に、その値を「kWh」に変換する。なお、単位が「Wh」でなかった場合には、上述した単位変換処理は行わなくてもよい。
【0101】
図14は、第2実施形態におけるデータ加工部の処理の一例を示すフローチャートである。
図14の例において、データ加工部25は、第1実施形態と同様に、収集データを受信した後、使用データ毎に、データ補間の必要があるか否か判定する(S51)。データ加工部25は、データ補間の必要ありと判断した場合(S51において、YES)、データの補間を行う(S52)。
【0102】
次に、データ加工部25は、S51の処理において、データ補間の必要がない場合(S51において、NO)、又はS52の処理後、単位を揃える必要があるか否かを判断する(S53)。データ加工部25は、単位を揃える必要がある場合(S53において、YES)、提示情報DBの「データ単位」を参照し、設定した条件でデータ単位を揃える(S54)。
【0103】
データ加工部25は、S53の処理において、データ単位を揃える必要がない場合(S53において、NO)、又はS54の処理後、グラフ識別子毎に、収集データを用いて演算する必要があるか否かを判断する(S55)。
【0104】
データ加工部25は、演算する必要がある場合(S55において、YES)、収集されたデータを用いて、提示情報DB22に記憶された設定した演算式で演算する(S56)。
【0105】
また、データ加工部25は、演算する必要がない場合(S55において、NO)、又はS56の処理後、得られたデータから提示情報設定部21で設定されたグラフを生成し(S57)、生成したグラフ等の情報を提示部26に通知する(S58)。
【0106】
これにより、提示部26は、設定されたグラフを画面等に提示することで、"見える化サービス"を提供することができる。なお、上述したデータ加工部25以外の構成等による処理については、上述した第1実施形態と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0107】
このように、第2実施形態では、グラフ識別子毎に、計測データの数値の単位を揃えることで、より分かり易いグラフをユーザや管理者等に提示することができる。
【0108】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態について説明する。なお、第3実施形態における機能構成やハードウェア構成は、上述した第1実施形態における構成と同様の構成を用いることができるため、ここでの具体的な説明は省略する。第3実施形態は、上述した第1実施形態と比較すると、収集タイミングをデバイス種別の優先度に応じて調整する機能を有する。
【0109】
第3実施形態において、提示情報設定部21は、グラフ毎に必要なデータを設定する。第3実施形態における設定項目としては、例えばグラフに提示するデータ、グラフの目盛間隔、演算式、データの単位、更にはデバイス種別とその優先度等がある。第3実施形態では、デバイス種別毎に優先度を設定する。
【0110】
ここで、
図15は、第3実施形態における提示情報DBの一例を示す図である。
図15(A)の例では、上述した第2実施形態における提示情報DBの項目の他に「デバイス種別」の項目(例えば、温度、電力量)等を有している。
【0111】
また、第3実施形態では、
図15(B)に示すようにデバイス種別毎に優先度が設定されている。
図15(B)の例では、数値の小さい方が、優先度が高く、具体的には電力量の方が温度より優先度が高いことを示しているが、優先度の設定については、これに限定されるものではない。
【0112】
図16は、第3実施形態におけるデータ収集タイミング調整部の処理の一例を示すフローチャートである。
図16の例において、データ収集タイミング調整部23は、第1実施形態と同様に、まず提示情報DB22を参照し、同じタイミングでデータを収集するグラフが複数あるか否か判断する(S61)。データ収集タイミング調整部23は、同じタイミングでデータを収集するグラフが複数ある場合(S61において、YES)、同一データを使用するグラフが複数あるか否かを判断する(S62)。
【0113】
データ収集タイミング調整部23は、同一データを使用するグラフが複数ある場合(S62において、YES)、建物12の機器31やセンサ32に対応する収集先アドレスが同一のデータが複数あるか否かを判断する(S63)。
【0114】
データ収集タイミング調整部23は、収集先アドレスが同一のデータが複数ある場合(S63において、YES)、データ更新間隔が同一のデータが複数あるか否かを判断する(S64)。
【0115】
データ収集タイミング調整部23は、データ更新間隔が同一のデータが複数ある場合(S64において、YES)、
図15(B)に示すデバイス種別毎の優先度から優先度の高い順にソートする(S65)。S65の処理において、データ収集タイミング調整部23は、例えばグラフ識別子毎に、デバイス種別毎の優先度の平均値を算出し、高い順にソートするが、これに限定されるものではない。例えば、
図15(A)、(B)の例では、収集タイミンググループGr01の計測データ(使用データ)0001(温度)、0002(電力量)の優先度の平均は、「(2+1)/2=1.5」となる。また、収集タイミンググループGr02−1の計測データの優先度の平均は、全てが電力量であるため、
図15(B)を参照すると「(1+1+1+1)/4=1」となる。したがって、第3実施形態において、データ収集タイミング調整部23は、Gr02−1の方がGr01より優先度が高くなるため、先に目的の収集時間に近い時間で収集タイミングが調整される。
【0116】
次に、データ収集タイミング調整部23は、S65で得られた順番で収集タイミンググループを追番で付与する(S66)。S66の処理において、データ収集タイミング調整部23は、同一データを使用するグラフが複数ない場合(S62において、NO)、それまでにグループ化されたデータに対して収集タイミンググループを追番で付与する。また同様に、データ収集タイミング調整部23は、収集先アドレスが同一のデータが複数ない場合(S63において、NO)、データ更新間隔が同一のデータが複数ない場合(S64において、NO)も、S66の処理を行う。
【0117】
なお、S66の処理において、データ収集タイミング調整部23は、別のグラフで同一データを使用する場合には、例えばそれぞれの収集タイミンググループのIDを同一にし、更に枝番を付与して管理してもよい。
【0118】
次に、データ収集タイミング調整部23は、グループ間の計測データの収集タイミングをグループ毎に所定間隔ずらして、グループ間の計測データの収集タイミングを分散させる。例えば、データ収集タイミング調整部23は、収集タイミンググループ間で収集データ数(総数)が同じ(又はほぼ均等)になるように調整する(S67)。これにより、同一時刻によるデータ収集が多くなることで生じるネットワークやコンピュータの負荷を軽減することができる。
【0119】
データ収集タイミング調整部23は、調整したデータを提示情報DB22に記憶する(S68)。データ収集タイミング調整部23は、S68の処理後、データ取得部24に所定のタイミングによるデータの取得を通知する(S69)。また、データ収集タイミング調整部23は、S61の処理において、同じタイミングでデータ収集するグラフが複数ない場合(S61において、NO)、上述したグループ化を行う必要がないため、そのままS29の処理を行う。
【0120】
上述したように、第3実施形態では、優先度に応じたグループ毎に収集タイミングを調整することで、優先度に高い計測データを、その時間通り又は少ない誤差で収集することができる。したがって、見える化に応じた適切なデータ収集を実現することができる。
【0121】
上述したように本実施形態によれば、計測データを適切に収集することができる。例えば、本実施形態は、情報収集負荷の軽減とリアルタイム性の確保の両立を可能とする。また、本実施形態は、例えばEMS(エネルギーマネジメントシステム)等に適用することができる。
【0122】
以上、実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、上述した各実施例の一部又は全部を組み合わせることも可能である。
【0123】
なお、以上の実施例に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
提示情報を提示する際に必要な計測データをグループ化し、グループ内の計測データの収集タイミングを同期させるように調整するデータ収集タイミング調整部と、
前記データ収集タイミング調整部により調整された前記収集タイミングで1又は複数の計測デバイスから計測データを取得するデータ取得部とを有することを特徴とする情報収集装置。
(付記2)
前記データ取得部で取得した計測データを用いて予め設定された演算を実行して前記提示情報を取得するデータ加工部を有し、
前記データ加工部は、前記提示情報で提示する時間間隔において取得できていない期間の計測データを、前記データ取得部で既に取得した計測データを用いて補間することを特徴とする付記1に記載の情報収集装置。
(付記3)
前記データ加工部は、
前記提示情報に対応させて前記計測データの数値の単位を変換することを特徴とする付記2に記載の情報収集装置。
(付記4)
前記データ収集タイミング調整部は、
前記計測データの収集タイミングを、前記計測デバイスのデバイス種別毎の優先度に応じて調整することを特徴とする付記1乃至3のうち何れか1項に記載の情報収集装置。
(付記5)
前記データ収集タイミング調整部は、
前記グループ間の計測データの収集タイミングを前記グループ毎に所定間隔ずらして、前記グループ間の計測データの収集タイミングを分散させることを特徴とする付記1乃至4のうち何れか1項に記載の情報収集装置。
(付記6)
前記データ収集タイミング調整部は、
前記グループ毎に所定間隔ずらした収集タイミングを設定し、設定した各収集タイミングにおいて収集される計測データのデータ数が均等になるように調整することを特徴とする付記1乃至5のうち何れか1項に記載の情報収集装置。
(付記7)
前記データ収集タイミング調整部は、
複数の提示情報に同一の計測データが含まれる場合に、他のグループの収集タイミングで取得される計測データを他の提示情報で使用するために前記収集タイミングを調整することを特徴とする付記1乃至6のうち何れか1項に記載の情報収集装置。
(付記8)
提示情報を提示する際に用いる1又は複数の計測データを選定し、選定した前記計測データを送信するように計測デバイスに指示し、指示に基づいて前記計測デバイスから送信された計測データを取得するデータ取得部を有することを特徴とする情報収集装置。
(付記9)
情報収集装置が、
提示情報を提示する際に必要な計測データをグループ化し、グループ内の計測データの収集タイミングを同期させるように調整し、
調整された前記収集タイミングで1又は複数の計測デバイスから計測データを取得することを特徴とする情報収集方法。
(付記10)
提示情報を提示する際に必要な計測データをグループ化し、グループ内の計測データの収集タイミングを同期させるように調整し、
調整された前記収集タイミングで1又は複数の計測デバイスから計測データを取得する、処理をコンピュータに実行させるための情報収集プログラム。