特許第6237107号(P6237107)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6237107
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】プロジェクター
(51)【国際特許分類】
   G03B 21/14 20060101AFI20171120BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20171120BHJP
   H04N 9/31 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   G03B21/14 A
   G03B21/00 E
   H04N9/31 C
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-218616(P2013-218616)
(22)【出願日】2013年10月21日
(65)【公開番号】特開2015-81953(P2015-81953A)
(43)【公開日】2015年4月27日
【審査請求日】2016年8月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100122312
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 正優
(72)【発明者】
【氏名】有賀 進
(72)【発明者】
【氏名】上島 俊司
【審査官】 佐野 浩樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−316607(JP,A)
【文献】 特開2008−256824(JP,A)
【文献】 特表2010−517275(JP,A)
【文献】 特開2013−044800(JP,A)
【文献】 特開2006−048049(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/013221(WO,A1)
【文献】 特開2010−151870(JP,A)
【文献】 特開2010−210854(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0103497(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0152810(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13 、 1/1335、 1/13363、
1/137− 1/141、
G03B21/00 −21/10 、21/12 −21/13 、
21/134−21/30 、33/00 −33/16 、
H04N 9/12 − 9/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の光および第2の光を射出する光源と、
前記光源から射出された前記第1の光および前記第2の光の光路上に設けられた複数のセルを備える回折光学素子と、
前記第1の光および前記第2の光が入射する位置を前記複数のセルの間で移動させる入射位置切り替え装置と、
画像形成領域を備えた光変調装置と、
前記回折光学素子から射出された複数の回折光を前記画像形成領域上で互いに重畳させる重畳光学系と、
前記光変調装置から射出された光を投射する投射光学系と、を備え、
前記複数のセルは、第1の回折素子パターンを有する第1のセルと、前記第1の回折素子パターンとは異なる第2の回折素子パターンを有する第2のセルと、前記第1の回折素子パターンおよび前記第2の回折素子パターンのいずれとも異なる第3の回折素子パターンを有する第3のセルと、を含み、
第1期間において、前記第1の光は、前記第1のセルに入射するとともに、前記第2の光は、前記第2のセルに入射し、
前記第1期間経過後の第2期間において、前記第1の光は、前記第3のセルに入射するとともに、前記第2の光は、前記第1のセルに入射することを特徴とするプロジェクター。
【請求項2】
前記複数のセルは、前記第1の回折素子パターン、前記第2の回折素子パターンおよび前記第3の回折素子パターンのいずれとも異なる第4の回折素子パターンを有する第4のセルを含み、
前記第2期間経過後の第3期間において、前記第1の光は前記第4のセルに入射するとともに、前記第2の光は前記第3のセルに入射することを特徴とする請求項1に記載のプロジェクター。
【請求項3】
時間平均において前記画像形成領域の全面が照明されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のプロジェクター。
【請求項4】
前記画像形成領域のうち、前記回折光学素子によって照明される領域は時間に対して不変であることを特徴とする請求項に記載のプロジェクター。
【請求項5】
前記画像形成領域のうち、前記回折光学素子によって照明される領域は時間に対して変化することを特徴とする請求項に記載のプロジェクター。
【請求項6】
前記画像形成領域における時間平均照度分布は均一であることを特徴とする請求項1から請求項までのいずれか一項に記載のプロジェクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
照明装置から射出された光により光変調装置を照明し、光変調装置により変調された画像光を投射光学系によりスクリーンに拡大投射するプロジェクターが知られている。プロジェクターに使用される光源として、高輝度で高出力の光が得られるレーザー光源が注目されている。レーザー光源は、従来のランプに比べて小型化が図れる、色再現性に優れる、瞬時点灯が可能である、長寿命である等の利点を有している。その反面、レーザー光がコヒーレンス光であるため、スペックルが生じやすいという課題を有している。
【0003】
この課題に対して、コヒーレント光を射出する複数の光源部と、複数のコヒーレント光を回折させる回折光学素子と、回折光学素子を動かすことにより回折光学素子上でのコヒーレント光の入射位置を変化させる駆動手段と、を備えたプロジェクターが提案されている(特許文献1参照)。このプロジェクターにおいては、回折光学素子に複数のホログラム構造が形成され、駆動手段を駆動させることによりコヒーレント光が入射するホログラム構造が時間的に変化する。これにより、スペックルを低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−210854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のプロジェクターにおいては、赤色、緑色、青色の各色に対応する光源は1個である。各色光は、回折光学素子の各色光に対応した個別の回折領域に入射し、回折する。そのため、単色の画像、例えば赤色の画像が表示されているときには、1個の光源、例えば赤色の光源からの光のみが観察者の目に入る。この場合、互いに異なる複数のスペックルパターンが観察者の網膜上で時間的に重畳されるのみである。そのため、スペックルの発生による表示品質の低下を充分に抑えることが難しい。
【0006】
本発明の一つの態様は、上記の課題を解決するためになされたものであって、スペックルの発生による表示品質の低下が充分に抑えられるプロジェクターの提供を目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明の一つの態様のプロジェクターは、第1の光および第2の光を射出する光源と、前記光源から射出された前記第1の光および前記第2の光の光路上に設けられた複数のセルを備える回折光学素子と、前記第1の光および前記第2の光が入射する位置を前記複数のセルの間で移動させる入射位置切り替え装置と、画像形成領域を備えた光変調装置と、前記回折光学素子から射出された複数の回折光を前記画像形成領域上で互いに重畳させる重畳光学系と、前記光変調装置から射出された光を投射する投射光学系と、を備え、前記複数のセルは、第1の回折素子パターンを有する第1のセルと、前記第1の回折素子パターンとは異なる第2の回折素子パターンを有する第2のセルと、前記第1の回折素子パターンおよび前記第2の回折素子パターンのいずれとも異なる第3の回折素子パターンを有する第3のセルと、を含み、第1期間において、前記第1の光は、前記第1のセルに入射するとともに、前記第2の光は、前記第2のセルに入射し、前記第1期間経過後の第2期間において、前記第1の光は、前記第3のセルに入射するとともに、前記第2の光は、前記第1のセルに入射することを特徴とする。
【0008】
すなわち、本発明の一つの態様のプロジェクターにおいて、回折光学素子の複数のセルは、第1の回折素子パターンを有する第1のセルと、第1の回折素子パターンとは異なる第2の回折素子パターンを有する第2のセルと、を含んでいる。光源からの光が第1のセルと第2のセルとに同時に入射することが可能なように構成されている。したがって、第1のセルによる回折パターンと第2のセルによる回折パターンとは重畳光学系により画像形成領域上で空間的に重畳される。第1のセルによる回折光のスペックルパターンは、第2のセルによる回折光のスペックルパターンとは異なる。そのため、単色表示を行っている場合であっても、互いに異なる複数のスペックルパターンが空間的に重畳され、スペックルの発生による表示品質の低下を抑えることができる。さらに、入射位置切り替え装置により光が入射する位置が複数のセルの間で移動する。これにより、複数のスペックルパターンが時間的に重畳され、スペックルの発生による表示品質の低下をさらに低減できる。このように、本発明の一つの態様のプロジェクターによれば、複数のスペックルパターンが空間的および時間的に重畳され、スペックルの発生による表示品質の低下が充分に抑えられる。
【0009】
本発明の一つの態様のプロジェクターにおいて、前記入射位置切り替え装置は、前記光が入射する位置を、前記第1のセルから、前記複数のセルのうち前記第1の回折素子パターンとは異なる回折素子パターンを有するセルに移動させる構成であってもよい。
この構成によれば、互いに異なる複数のスペックルパターンが時間的に重畳されるため、スペックルの発生による表示品質の低下がより充分に抑えられる。
【0010】
本発明の一つの態様のプロジェクターにおいて、前記第3の回折素子パターンは、前記第1の回折素子パターンおよび前記第2の回折素子パターンのいずれとも異なり、前記入射位置切り替え装置は、前記光が入射する位置を、前記第1のセルから、前記第3のセルに移動させてもよい。
この構成によれば、第1の回折素子パターンによるスペックルパターンが、第1の回折素子パターンによるスペックルパターンおよび第2の回折素子パターンによるスペックルパターンのいずれとも異なるスペックルパターンと時間的に重畳されるため、スペックルの発生による表示品質の低下をより十分に抑えることができる。
【0011】
本発明の一つの態様のプロジェクターにおいて、時間平均において前記画像形成領域の全面が照明されるように構成してもよい。
この構成によれば、光が入射する位置を複数のセルの間で移動させた場合であっても、時間平均において画像形成領域の全面が照明されるため、スペックルを低減しつつ、画像形成領域全体を照明することができる。
【0012】
本発明の一つの態様のプロジェクターにおいて、前記画像形成領域のうち、前記回折光学素子によって照明される領域は時間に対して不変であってもよい。
この構成によれば、光が入射する位置を複数のセルの間で移動させた場合であっても、画像形成領域のうち、回折光学素子によって照明される領域は時間に対して不変であるため、光の照射位置が画像形成領域からずれることがない。そのため、光の利用効率を高めることができる。
【0013】
本発明の一つの態様のプロジェクターにおいて、前記画像形成領域のうち、前記回折光学素子によって照明される領域は時間に対して変化してもよい。
この構成によれば、各セルの設計の自由度が広がる。したがって、スペックルを低減しつつ、画像形成領域全体を容易に照明することができる。
【0014】
本発明の一つの態様のプロジェクターにおいて、前記画像形成領域における時間平均照度分布は均一であってもよい。
この構成によれば、スペックルを低減しつつ、輝度が均一な画像を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1実施形態のプロジェクターの概略構成図である。
図2】プロジェクターの構成要素である照明装置の概略構成図である。
図3】(A)〜(C)回折光学素子における3個のセルの回折素子パターンを示す断面図である。
図4】回折光学素子への光の入射位置の時間的変化を説明するための図である。
図5】回折光学素子の複数のセルによる複数の回折光の照度分布の第1の例を示す図である。
図6】回折光学素子の複数のセルによる複数の回折光の照度分布の第2の例を示す図である。
図7】回折光学素子の他の例を示す図である。
図8】第2実施形態の回折光学素子を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1図7を用いて説明する。
本実施形態のプロジェクターは、赤色光、緑色光、青色光の各色の照明装置を備えた3板式のプロジェクターの例である。
以下の各図面においては各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
【0017】
本実施形態のプロジェクター10は、スクリーン15上にカラー映像を投射する投射型画像表示装置である。プロジェクター10は、3組の照明装置11と、各照明装置に対応した3個の光変調装置12と、を備えている。照明装置11の光源として、高輝度、高出力の光が得られる半導体レーザー(LD)などのレーザー光源が用いられる。
【0018】
図1に示すように、プロジェクター10は、赤色光用照明装置11Rと、緑色光用照明装置11Gと、青色光用照明装置11Bと、赤色光用光変調装置12Rと、緑色光用光変調装置12Gと、青色光用光変調装置12Bと、合成光学系13と、投射光学系14と、を備えている。
【0019】
赤色光用照明装置11Rは、赤色レーザー光LRを射出する。赤色光用光変調装置12Rは、赤色光用照明装置11Rから射出された赤色レーザー光LRを画像信号に応じて変調し、赤色に対応した画像光を生成する。緑色光用照明装置11Gは、緑色レーザー光LGを射出する。緑色光用光変調装置12Gは、緑色光用照明装置11Gから射出された緑色レーザー光LGを画像信号に応じて変調し、緑色に対応した画像光を生成する。青色光用照明装置11Bは、青色レーザー光LBを射出する。青色光用光変調装置12Bは、青色光用照明装置11Bから射出された青色レーザー光LBを画像信号に応じて変調し、青色に対応した画像光を生成する。
【0020】
赤色光用照明装置11R、緑色光用照明装置11G、および青色光用照明装置11Bは、光源として赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色に対応した半導体レーザーを用いる以外は、基本的に同一の構成を有している。赤色光用照明装置11Rは、時間平均において均一な照度分布となるように調整された照明光を赤色光用光変調装置12Rに向けて照射する。緑色光用照明装置11Gは、時間平均において均一な照度分布となるように調整された照明光を緑色光用光変調装置12Gに向けて照射する。青色光用照明装置11Bは、時間平均において均一な照度分布となるように調整された照明光を青色光用光変調装置12Bに向けて照射する。
【0021】
赤色光用光変調装置12R、緑色光用光変調装置12G、および青色光用光変調装置12Bは、基本的に同一の構成を有している。赤色光用光変調装置12R、緑色光用光変調装置12G、および青色光用光変調装置12Bのそれぞれは、液晶ライトバルブと一対の偏光板とを備えている。一対の偏光板は、液晶ライトバルブの光入射側と光射出側とに配置されている。
【0022】
合成光学系13は、クロスダイクロイックプリズムから構成されている。合成光学系13には、赤色光用光変調装置12R、緑色光用光変調装置12G、および青色光用光変調装置12Bのそれぞれから射出された画像光が入射する。合成光学系13は、赤色、緑色、青色の各色に対応した画像光を合成し、合成された画像光を投射光学系14に向けて射出する。
【0023】
投射光学系14は、複数のレンズを含む投射レンズ群から構成されている。投射光学系14は、合成光学系13により合成された画像光をスクリーン15に向けて拡大投射する。これにより、スクリーン15上には、拡大されたカラー映像が表示される。
【0024】
以下、赤色光用照明装置11R、緑色光用照明装置11G、および青色光用照明装置11Bの具体的な構成について説明する。
上述したように、赤色光用照明装置11R、緑色光用照明装置11G、および青色光用照明装置11Bは、光源として赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色に対応した半導体レーザーを用いる以外は、基本的に同一の構成を有している。したがって、以下の説明では、単に照明装置11として説明する。
【0025】
図2に示すように、照明装置11は、光源17と、コリメート光学系4と、回折光学素子5と、入射位置切り替え装置8と、重畳光学系18と、を備えている。光源17から射出され、コリメート光学系4、回折光学素子5、重畳光学系18を経た光が、照明装置11からの照明光として光変調装置12に照射される。
【0026】
光源17は、複数の半導体レーザー1が照明光軸AX1と直交する面内にアレイ状に配列されたものである。半導体レーザー1から射出されるレーザー光Lは、コヒーレントな直線偏光の光である。複数の半導体レーザー1から射出される複数のレーザー光Lは、互いに平行に射出される。光源17を構成する半導体レーザー1の個数や配置は、特に限定されるものではない。
【0027】
コリメート光学系4は、コリメーターレンズアレイ19で構成されている。コリメーターレンズアレイ19は、複数の半導体レーザー1に対応する複数のコリメーターレンズ2が照明光軸AX1と直交する面内にアレイ状に配列されたものである。コリメーターレンズアレイ19は、複数の半導体レーザー1から射出された複数のレーザー光Lのそれぞれを平行光に変換する機能を有する。
【0028】
回折光学素子5は、計算機合成ホログラム(CGH:Computer Generated Hologram)から構成されている。回折光学素子5は、アレイ状に配列された複数のセル9を有している。CGHは、例えば石英(ガラス)や合成樹脂などの光透過性材料からなる基材の一面に、計算機により設計された微細な凹凸構造が設けられた表面レリーフ型のホログラム素子である。回折光学素子5は、回折現象を利用して入射光の波面を変換する波面変換素子として機能する。
【0029】
回折光学素子5は、互いに異なる深さの矩形状の断面形状を有する複数の凹部と、互いに異なる高さの矩形状の断面形状を有する複数の凸部と、を有している。回折光学素子5においては、凹部や凸部のピッチ、凹部の深さや凸部の高さ等の設計条件を適宜調整することにより、被照明領域の大きさや形状、および回折光の照度分布を自在に設定することができる。回折光学素子5の設計条件を最適化する手法として、例えば反復フーリエ法などの演算手法を用いることができる。
【0030】
本実施形態の場合、複数のセル9は、第1の回折素子パターンを有する第1のセル9Aと、第1の回折素子パターンとは異なる第2の回折素子パターンを有する第2のセル9Bと、第1の回折素子パターンおよび第2の回折素子パターンとは異なる第3の回折素子パターンを有する第3のセル9Cと、第1の回折素子パターン、第2の回折素子パターンおよび第3の回折素子パターンとは異なる第4の回折素子パターンを有する第4のセル9Dと、を含む。回折素子パターンは、CGHの凹凸構造のことを意味する。
【0031】
図3(A)は、回折光学素子5を構成する第1のセル9Aの断面図である。図3(B)は、回折光学素子5を構成する第2のセル9Bの断面図である。図3(C)は、回折光学素子5を構成する第3のセル9Cの断面図である。図3(D)は、回折光学素子5を構成する第4のセル9Dの断面図である。このように、第1のセル9Aの回折素子パターン22Aと、第2のセル9Bの回折素子パターン22Bと、第3のセル9Cの回折素子パターン22Cと、第4のセル9Dの回折素子パターン22Dと、はそれぞれ異なる。図2に示すように、コリメート光学系4から射出された複数の光は、第1のセル9A、第2のセル9B、第3のセル9C、および第4のセル9Dのうちのいずれか2個のセルに同時に入射する。
なお、半導体レーザー1は図2の紙面と平行な方向に複数並んでおり、回折光学素子5のセル9も図2の紙面と平行な方向に複数並んでいる。ただし、以下では説明を簡略化するため、2個の半導体レーザー1から射出された光が回折光学素子5の4個のセル9のうちのいずれか2個のセルに入射するものとして説明する。
【0032】
図2に示すように、回折光学素子5による回折光の主光線は、回折光学素子5から射出される0次光L0の光軸に対して傾いている。ここで、「回折光の主光線」は、1次回折光L1である+1次回折光および−1次回折光の何れか一方の主光線を意味する。特に本実施形態では、「回折光の主光線」は、1次回折光L1である+1次回折光の主光線を意味する。複数の1次回折光L1の主光線は互いに平行である。
【0033】
回折光学素子5から射出される0次光L0が光変調装置12に入射すると、光変調装置12上の0次光L0の入射位置がスクリーン15上で輝点となり、表示品質を低下させる虞がある。その点、本実施形態のプロジェクター10では、回折光L1の主光線が回折光学素子5から射出される0次光L0の光軸に対して傾いているため、0次光L0が光変調装置12に入射しない構成を実現することができる。
【0034】
回折光学素子5には、入射位置切り替え装置8が接続されている。入射位置切り替え装置8は、回折光学素子5を複数のセル9の配列方向(矢印Fで示す方向)に振動(往復運動)させる機能を有する。入射位置切り替え装置8は、例えばピエゾアクチュエーターで構成されている。入射位置切り替え装置8を駆動することにより、回折光学素子5への光の入射位置が複数のセル9の間で移動する。図4に示すように、コリメート光学系4から射出された1本のレーザー光L1に着目したとき、レーザー光は第1期間で例えば第1のセル9Aに入射し、第2期間では例えば第1のセル9Aに隣り合う第3のセル9Cに入射する。
【0035】
なお、入射位置切り替え装置8は、必ずしも回折光学素子5を振動させるものでなくてもよい。入射位置切り替え装置8は、例えば回折光学素子5を主面に垂直な回転軸を中心として回転させるものであってもよい。その場合、入射位置切り替え装置8は、例えばモーターで構成されていてもよい。具体的な一例については、第2実施形態で説明する。
【0036】
図2に戻って、重畳光学系18は、重畳レンズ6とコンデンサーレンズ7との2枚のレンズから構成されている。重畳レンズ6は、回折光学素子5から射出された光を集光する。コンデンサーレンズ7は、重畳レンズ6から射出された光をテレセントリック照明光に変換する。重畳レンズ6の中心軸AX2とコンデンサーレンズ7の中心軸AX3とは互いに一致している。
【0037】
重畳光学系18の前側焦点に回折光学素子5が設けられ、重畳光学系18の後側焦点に光変調装置12が設けられている。重畳光学系18は、回折光学素子5からの複数の回折光を光変調装置12の画像形成領域上で重畳させる。このように、回折光学素子5から射出された光は、重畳光学系18によりテレセントリック照明光として光変調装置12に照射される。
【0038】
本実施形態のプロジェクター10においては、回折光学素子5の複数のセル9から得られる互いに異なるスペックルパターンが空間的にも時間的にも重畳されることにより、スペックルの発生による表示品質の低下を抑えることができる。
【0039】
図4は、回折光学素子5へのレーザー光L1およびレーザー光L2の入射位置の時間的変化を説明するための図である。図4における第1期間、第2期間、および第3期間は、回折光学素子5が下方に移動するときの時間的に隣り合う期間を示している。回折光学素子5は、第3期間以降で再度上昇する。図4に示すように、第1期間では、レーザー光L1は第1のセル9Aに入射し、レーザー光L2は第2のセル9Bに入射する。このとき、第1のセル9Aによる回折パターンと第2のセル9Bによる回折パターンとは、重畳光学系18により光変調装置12の画像形成領域上で空間的に重畳される。
【0040】
図3(A)、(B)に示すように、第1のセル9Aの回折素子パターン22Aと第2のセル9Bの回折素子パターン22Bとが互いに異なることから、第1のセル9Aによる回折パターンと第2のセル9Bによる回折パターンとは互いに異なり、第1のセル9Aによる回折光のスペックルパターンと第2のセル9Bによる回折光のスペックルパターンとは互いに異なる。このように、互いに異なるスペックルパターンが一定期間内で空間的に重畳されることにより、スペックルが視認されにくくなる。
【0041】
以下、第2期間および第3期間においても、第1期間と同様、異なる回折パターンが空間的に重畳される。すなわち、図4に示すように、第2期間では、レーザー光L1が入射する第3のセル9Cによる回折パターンと、レーザー光L2が入射する第1のセル9Aによる回折パターンとは、重畳光学系18により光変調装置12の画像形成領域上で空間的に重畳される。第3のセル9Cによる回折パターンと第1のセル9Aによる回折パターンとは互いに異なるため、互いに異なるスペックルパターンが一定期間内で空間的に重畳され、スペックルが視認されにくくなる。
【0042】
第3期間では、レーザー光L1が入射する第4のセル9Dによる回折パターンと、レーザー光L2が入射する第3のセル9Cによる回折パターンとは、重畳光学系18により光変調装置12の画像形成領域上で空間的に重畳される。第4のセル9Dによる回折パターンと第3のセル9Cによる回折パターンとは互いに異なるため、互いに異なるスペックルパターンが一定期間内で空間的に重畳され、スペックルが視認されにくくなる。
【0043】
さらに、互いに異なる回折パターンが空間的に重畳されて得られた回折パターンが第1期間、第2期間、第3期間の時間経過に伴って変化する。このとき、第1のセル9Aによる回折パターンと第2のセル9Bによる回折パターンとが空間的に重畳された回折パターン(第1期間)と、第3のセル9Cによる回折パターンと第1のセル9Aによる回折パターンとが空間的に重畳された回折パターン(第2期間)と、第4のセル9Dによる回折パターンと第3のセル9Cによる回折パターンとが空間的に重畳された回折パターン(第3期間)と、が時間的に重畳される。これにより、互いに異なるスペックルパターンが観察者の網膜上で時間的に重畳され、スペックルが視認されにくくなる。
【0044】
以下、回折光学素子5の複数のセル9による複数の回折光の照度分布の2つの例について説明する。
図4に示したように、第1の例、第2の例に共通して、回折光学素子5の移動距離は例えば2個分のセル9に対応する距離であり、回折光学素子5が移動した際に1本のレーザー光の入射位置が3個のセル9の間を順次移動する。レーザー光の入射位置の往復移動の周波数は120Hzとする。この場合、1本のレーザー光の入射位置は、1/120秒毎に3個のセル9を移動する。例えば、レーザー光L1は、往復移動の1周期において、セルA、セルC、セルD、セルCの順に移動する。レーザー光L2は、1周期において、セルB、セルA、セルC、セルAの順に移動する。
【0045】
図5は、複数の回折光の照度分布の第1の例を示す図である。4個のセル9A,9B,9C,9Dから射出される回折光の照度分布をそれぞれI,I,I,Iとする。
光変調装置12の画像形成領域のうち、4個のセル9の各々から射出される回折光によって照明される領域は互いに同じである。つまり、画像形成領域のうち、4個のセル9の各々から射出される回折光によって照明される領域は時間に対して不変である。また、4個のセル9の各々から射出される回折光によって照明される領域の形状は、光変調装置12の画像形成領域に対応する矩形である。さらに、回折光によって照明される領域のアスペクト比(縦横比)は、光変調装置12の画像形成領域のアスペクト比(縦横比)と一致している。
【0046】
図5に模式的に複数の円弧状の曲線パターンで示すように、4個のセル9の各々から射出される回折光の照度分布は互いに異なっている。ただし、個々の照度分布は異なっても、画像形成領域における時間平均照度分布は均一であることが望ましい。具体的には、前述したように、第1期間における照度分布は[IA+IB]であり、第2期間における照度分布は[IA+IC]であり、第3期間における照度分布は[IC+ID]である。したがって、1周期において、照度分布は、[IA+IB]、[IA+IC]、[IC+ID]、[IA+IC]の順に変化する。1周期において積分した照度分布が均一であることが好ましい。
【0047】
図6は、複数の回折光の照度分布の第2の例を示す図である。
図6に示す矩形で示した画像形成領域のうち、斜めのハッチングが付された領域F1は回折光によって照明される領域、すなわち被照明領域を示す。斜めのハッチングが付されていない領域F2は回折光によって照明されない領域を示す。
【0048】
このように、第2の例では、第1の例と異なり、画像形成領域のうち、回折光によって照明される領域は、4個のセル9の各々から射出される回折光毎に異なる。つまり、画像形成領域のうち、回折光学素子5によって照明される領域F1は時間に対して変化する。4個のセル9の各々から射出される回折光によって照明される領域F1の形状は、光変調装置12の画像形成領域に対応する矩形状とはならない。光変調装置12の画像形成領域に対応する矩形のうち、回折光が照射されない領域F2が部分的に生じる。そのため、画像形成領域の照度分布は時間的に変化する。しかしながら、第1の例と同様に、照度分布を1周期において積分した場合、回折光によって照明される領域の形状は矩形となる。また、照度分布が時間的に変化しても、時間平均照度分布は均一であることが望ましい。
【0049】
また、図5に示す複数の回折光の照度分布の第1の例のように、回折光の各々によって照明される領域が互いに同じであり、複数の回折光の各々の照度分布が互いに異なる場合、回折光学素子5が移動して光の入射位置が時間的に変化したとしても、光の照射位置が光変調装置12の画像形成領域から外れることが少なく、光の利用効率を高めつつ、スペックルを充分に低減することができる。
【0050】
また、図6に示す複数の回折光の照度分布の第2の例のように、回折光の各々によって照明される領域が互いに異なったとしても、画像形成領域における時間平均照度分布が均一であれば、スペックルを低減しつつ、画像形成領域での照度の均一性を維持することができる。また、回折光学素子5の各セルの設計の自由度が広がる。したがって、スペックルを低減しつつ、画像形成領域全体を容易に照明することができる。
【0051】
本実施形態では、2個の半導体レーザー1の各々から射出された光が4個のセル9のいずれかに入射する構成を示したが、この構成に限るものではない。例えば図7に示すように、2個の半導体レーザー1の各々から射出された光が3個のセル9のいずれかに入射する構成であってもよい。この構成において、第1期間では、レーザー光L1は第1のセル9Aに入射し、レーザー光L2は第2のセル9Bに入射する。このとき、第1のセル9Aによる回折パターンと第2のセル9Bによる回折パターンとは、重畳光学系18により光変調装置12の画像形成領域上で空間的に重畳される。第2期間では、レーザー光L1は第3のセル9Cに入射し、レーザー光L2は第1のセル9Aに入射する。このとき、第3のセル9Cによる回折パターンと第1のセル9Aによる回折パターンとは、重畳光学系18により光変調装置12の画像形成領域上で空間的に重畳される。
【0052】
さらに、第1のセル9Aによる回折パターンと第2のセル9Bによる回折パターンとが空間的に重畳された回折パターン(第1期間)と、第3のセル9Cによる回折パターンと第1のセル9Aによる回折パターンとが空間的に重畳された回折パターン(第2期間)と、が時間的に重畳される。このように、本構成の場合も、互いに異なるスペックルパターンが空間的にも時間的にも重畳され、スペックルが視認されにくくなる。
【0053】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について、図8を参照して説明する。
本実施形態のプロジェクターの基本構成は第1実施形態と同様であり、回折光学素子の構成が第1実施形態と異なる。
図8は、本実施形態の回折光学素子を示す正面図である。
【0054】
図8に示すように、本実施形態の回折光学素子28は、複数の半導体レーザー1から射出された複数のレーザー光LA〜LIが入射する複数の回折素子パターン領域30a〜30iを有している。各回折素子パターン領域30a〜30iは、回折素子パターンが互いに異なる複数のサブ領域を有している。例えば、回折素子パターン領域30aは、回折素子パターンが互いに異なる複数のサブ領域31a〜31iを有している。同様に、回折素子パターン領域30bは、図示しないが、回折素子パターンが互いに異なる複数のサブ領域を有している。
【0055】
複数の回折素子パターン領域30a〜30iは、複数の半導体レーザー1に対応して、矩形状をなす回折光学素子28の面内にマトリクス状に配列されている。図8に示した例では、回折素子パターン領域30a〜30iが3行×3列のマトリクス状に配置されており、光源15は9個の半導体レーザー1が3行×3列のマトリクス状に配置されている。これにより、各回折素子パターン領域30a〜30iには、各半導体レーザー20から射出されたレーザー光LA〜LIがそれぞれ入射する。具体的には、レーザー光LAが回折素子パターン領域30aに入射し、レーザー光LBが回折素子パターン領域30bに入射する。レーザー光LAは回折素子パターン領域30aに対応した半導体レーザー1から射出され、レーザー光LBは回折素子パターン領域30bに対応した半導体レーザー1から射出される。
【0056】
回折光学素子28は、各回折素子パターン領域30a〜30iに、対応した半導体レーザー20からのレーザー光Lが入射したときに、回折光それぞれが光変調装置の画像形成領域を照明するように設計されている。また、回折光学素子28から射出される複数の1次回折光L1の主光線は互いに平行である。これにより、上記の2本の回折光は、同一の画像形成領域を効率的に照射することができる。さらに、回折素子パターン領域30aの複数のサブ領域31a〜31iの各々の回折素子パターンは、回折素子パターン領域30bの複数のサブ領域のいずれの回折素子パターンとも異なっている。これにより、後述するように、効果的にスペックルを低減することができる。
【0057】
複数のサブ領域31a〜31iは、回折素子パターン領域30a内に3行×3列のマトリクス状に配置されている。各サブ領域31a〜31iには、それぞれ互いに異なる回折素子パターンが設けられており、サブ領域31a〜31i各々とレーザー光LAとによって形成される回折光の回折パターンは互いに異なる。
【0058】
同様に、図示しないが、回折素子パターン領域30bは3行×3列のマトリクス状に配置された複数のサブ領域を備える。複数のサブ領域各々の回折素子パターンは互いに異なるため、サブ領域各々とレーザー光LBとによって形成される回折光の回折パターンは互いに異なる。他の回折素子パターン領域の構成も同様である。
【0059】
なお、図8に示す回折光学素子28では、9個(3行×3列)の回折素子パターン領域30a〜30i各々が9個(3行×3列)のサブ領域を有する場合について例示しているが、この場合に必ずしも限定されるものではなく、回折素子パターン領域の数や配列及びサブ領域の数や配列等については適宜変更を加えることが可能である。
【0060】
回折光学素子28には、回折光学素子28を駆動する駆動機構40が接続されている。駆動機構40は、特許請求の範囲における入射位置切り替え装置に対応する。ここで、複数の回折素子パターン領域30a〜30iが設けられている回折光学素子28の面を主面と呼ぶことにする。駆動機構40は、主面内において回折光学素子28を揺動させる揺動駆動部を有している。揺動駆動部の具体的な構成は周知のモーターや偏芯カム等を用いることができるが、特に限定されるものではない。
【0061】
以上の構成により、各半導体レーザー1から射出されたレーザー光LA〜LIが入射する位置を各回折素子パターン領域30a〜30i内で移動させることができる。さらに、各回折素子パターン領域30a〜30i内に配置された複数のサブ領域の間で、各レーザー光LA〜LIが入射する位置を周期的に変化させることができる。具体的には、例えば回折素子パターン領域30aに対応する半導体レーザー1から射出されたレーザー光LAは、回折素子パターン領域30aに入射する。回折素子パターン領域30aでのレーザー光LAの入射位置は、回折素子パターン領域30aに設けられたサブ領域31a〜31iの間で移動する。なお、図8に示した円弧状の矢印は、レーザー光の入射位置の軌跡を表している。同様に、レーザー光LBの入射位置は、回折素子パターン領域30bに設けられた複数のサブ領域の間で移動する。
【0062】
本実施形態は、回折光学素子28の構成および駆動機構が第1実施形態と異なるものの、各々が異なる回折素子パターンを有する回折素子パターン領域30a〜30iから射出された回折光が空間的にも時間的にも重畳される点は第1実施形態と同様である。したがって、本実施形態においても、互いに異なるスペックルパターンが空間的にも時間的にも重畳されることにより、スペックルが視認されにくくなる。
【0063】
本実施形態では、各回折素子パターン領域30a〜30iは、回折素子パターンが互いに異なる複数のサブ領域を有し、かつ、複数のサブ領域各々の回折素子パターンは、複数のサブ領域のいずれの回折素子パターンとも異なっていたが、必ずしもこれに限らない。回折光学素子28が備える複数のサブ領域が、回折素子パターンが同一である複数のサブ領域を含んでいてもよい。その場合であっても、第1の期間において、レーザー光LAが入射するサブ領域の回折素子パターンが、他のレーザー光、例えばレーザー光LBが入射するサブ領域の回折素子パターンと異なるように各サブ領域の回折素子パターンが形成されていれば、互いに異なるスペックルパターンが空間的に重畳される。さらに、第1の期間において、回折光学素子28から射出される複数の回折光によって形成されるスペックルパターンが重畳されて得られるスペックルパターンが、第2の期間において、複数の回折光によって形成されるスペックルパターンが重畳されて得られるスペックルパターンと異なるように各サブ領域の回折素子パターンが形成されていれば、互いに異なるスペックルパターンが時間的に重畳される。これにより、スペックルが視認されにくくなる。
【0064】
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、上記実施形態のプロジェクターを構成する各構成要素の数、形状、配置等に関しては適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0065】
5,28…回折光学素子、8,40…入射位置切り替え装置、9…セル、9A…第1のセル、9B…第2のセル、9C…第3のセル、9D…第4のセル、10…プロジェクター、12…光変調装置、12R…赤色光用光変調装置、12G…緑色光用光変調装置、12B…青色光用光変調装置、14…投射光学系、17…光源、18…重畳光学系、22A,22B,22C,22D…回折素子パターン。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8