【文献】
Intel Corporation, Vodafone,New Study Item Proposal for Opportunistic Carrier Aggregation across 3GPP-LTE and WLAN[online],3GPP TSG-RAN♯53 RP-111094,URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/TSG_RAN/TSGR_53/Docs/RP-111094.zip,2011年 9月13日
【文献】
LG Electronics,LG's View on Evolution of LTE in Release 12 and beyond[online],3GPP workshop 2012-06-11_12_RAN_REL12 RWS-120036,URL:http://www.3gpp.org/ftp/workshop/2012-06-11_12_RAN_REL12/Docs/RWS-120036.zip,2012年 6月11日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
移動局と、当該移動局と無線により通信可能に構成された基地局と、当該基地局よりも上位側に配置され且つ当該基地局と通信可能に構成された中継装置と、を備える無線通信システムであって、
前記基地局は、
前記基地局と前記移動局とを接続する複数の無線通信路へパケットを分配することにより当該パケットを伝送する通信である第1のLA(Link Aggregation)通信を実行する第1の通信手段と、
前記基地局の状態が、前記第1のLA通信を実行可能に前記移動局と接続されているLA接続状態であるか否かを判定する第1の判定手段と、
前記基地局の状態が前記LA接続状態であるか否かを表す状態通知を前記中継装置へ送信する第1の送信手段と、
前記基地局の状態が前記LA接続状態であるか否かに基づいて前記第1のLA通信を実行するように前記第1の通信手段を制御する第1の制御手段と、
を備え、
前記中継装置は、
前記中継装置と前記移動局とを接続する複数の通信路へパケットを分配することにより当該パケットを伝送する通信である第2のLA通信を実行する第2の通信手段と、
前記基地局から前記状態通知を受信する第2の受信手段と、
前記状態通知に基づき、前記第1のLA通信が実行可能でない場合に、前記第2のLA通信を実行するように前記第2の通信手段を制御する第2の制御手段と、
を備える、無線通信システム。
移動局と、当該移動局と無線により通信可能に構成された基地局と、当該基地局よりも上位側に配置され且つ当該基地局と通信可能に構成された中継装置と、を備える無線通信システムに適用される無線通信方法であって、
前記基地局が、
前記基地局の状態が、当該基地局と前記移動局とを接続する複数の無線通信路へパケットを分配することにより当該パケットを伝送する通信である第1のLA(Link Aggregation)通信を実行可能に当該移動局と接続されているLA接続状態であるか否かを判定し、
前記基地局の状態が前記LA接続状態であるか否かを表す状態通知を前記中継装置へ送信し、
前記基地局の状態が前記LA接続状態であるか否かに基づいて前記第1のLA通信を実行するように当該基地局を制御し、
前記中継装置が、
前記基地局から前記状態通知を受信し、
前記状態通知に基づき、前記第1のLA通信が実行可能でない場合に、前記中継装置と前記移動局とを接続する複数の通信路へパケットを分配することにより当該パケットを伝送する通信である第2のLA通信を実行するように前記中継装置を制御する、
無線通信方法。
移動局と、当該移動局と無線により通信可能に構成された基地局と、当該基地局よりも上位側に配置され且つ当該基地局と通信可能に構成された中継装置と、を備える無線通信システムの前記基地局であって、
前記基地局と前記移動局とを接続する複数の無線通信路へパケットを分配することにより当該パケットを伝送する通信である第1のLA(Link Aggregation)通信を実行する第1の通信手段と、
前記基地局の状態が、前記第1のLA通信を実行可能に前記移動局と接続されているLA接続状態であるか否かを判定する第1の判定手段と、
前記基地局の状態が前記LA接続状態であるか否かを表す状態通知を前記中継装置へ送信する第1の送信手段と、
前記基地局の状態が前記LA接続状態であるか否かに基づいて前記第1のLA通信を実行するように前記第1の通信手段を制御する第1の制御手段と、
を備え、
前記状態通知は、前記第1のLA通信が実行可能でない場合に、前記中継装置において、前記中継装置と前記移動局とを接続する複数の通信路へパケットを分配することにより当該パケットを伝送する通信である第2のLA通信を実行するために使用される、基地局。
移動局と、当該移動局と無線により通信可能に構成された基地局と、当該基地局よりも上位側に配置され且つ当該基地局と通信可能に構成された中継装置と、を備える無線通信システムの前記中継装置であって、
前記中継装置と前記移動局とを接続する複数の通信路へパケットを分配することにより当該パケットを伝送する通信である第2のLA通信を実行する第2の通信手段と、
前記基地局の状態が、当該基地局と前記移動局とを接続する複数の無線通信路へパケットを分配することにより当該パケットを伝送する通信である第1のLA(Link Aggregation)通信を実行可能に当該基地局と当該移動局とが接続されているLA接続状態であるか否かを表す状態通知を当該基地局から受信する第2の受信手段と、
前記状態通知に基づき、前記基地局と前記移動局とを接続する複数の無線通信路へパケットを分配することにより当該パケットを伝送する通信である第1のLA通信が実行可能でない場合に、前記第2のLA通信を実行するように前記第2の通信手段を制御する第2の制御手段と、
を備える、中継装置。
移動局と、当該移動局と無線により通信可能に構成された基地局と、当該基地局よりも上位側に配置され且つ当該基地局と通信可能に構成された中継装置と、を備える無線通信システムの前記移動局であって、
前記基地局と前記移動局とを接続する複数の無線通信路へパケットを分配することにより当該パケットを伝送する通信である第1のLA(Link Aggregation)通信によって当該パケットが受信され且つ当該パケットとともに当該パケットに対する確認応答が既に送信されていることを表すフラグ情報が受信された場合、及び、前記中継装置と前記移動局とを接続する複数の通信路へパケットを分配することにより当該パケットを伝送する通信であり、前記第1のLA通信が実行可能でない場合に実行される第2のLA通信によって前記パケットが受信された場合、当該パケットが前記移動局によって正しく受信されたことを表す確認応答を外部へ送信せず、前記パケットが前記第1のLA通信によって受信され且つ当該パケットとともに前記フラグ情報が受信されなかった場合、当該確認応答を当該パケットに設定された送信元へ送信する第3の送信手段を備える、移動局。
【発明を実施するための形態】
【0022】
上述した課題の少なくとも1つに対処するため、以下、本発明に係る、無線通信システム、無線通信方法、基地局、中継装置、及び、移動局の各実施形態について
図1乃至
図24を参照しながら説明する。
【0023】
<第1実施形態>
(概要)
第1実施形態に係る無線通信システムは、移動局と、当該移動局と無線により通信可能に構成された基地局と、当該基地局よりも上位側に配置され且つ当該基地局と通信可能に構成された中継装置と、を備える。基地局は、基地局と移動局とを接続する複数の無線通信路へパケットを分配することにより当該パケットを伝送する通信である第1のLA(Link Aggregation)通信を実行可能に構成される。
【0024】
基地局は、基地局の状態が、第1のLA通信を実行可能に移動局と接続されているLA接続状態であるか否かを判定する。更に、基地局は、基地局の状態がLA接続状態であるか否かを表す状態通知を中継装置へ送信する。基地局は、基地局の状態がLA接続状態であるか否かに基づいて第1のLA通信を実行するように当該基地局を制御する。
【0025】
中継装置は、中継装置と移動局とを接続する複数の通信路へパケットを分配することにより当該パケットを伝送する通信である第2のLA通信を実行可能に構成される。中継装置は、基地局からの状態通知に基づいて第2のLA通信を実行するように中継装置を制御する。
【0026】
上記構成によれば、基地局の状態がLA接続状態である場合、基地局の状態がLA接続状態であることを表す状態通知が基地局から中継装置へ送信される。これにより、中継装置は、基地局が移動局との間で第1のLA通信を実行可能であることを認識できる。更に、この場合、中継装置は、第2のLA通信を実行しない。一方、基地局は、第1のLA通信を実行する。
【0027】
従って、例えば、基地局による第1のLA通信と、中継装置による第2のLA通信と、の両方が実行可能な場合において、無線通信システムは、第1のLA通信のみを実行することができる。この結果、無線通信システムが第2のLA通信を実行する場合と比較して、単位時間あたりに移動局へ伝送されるデータ量であるスループットを高めることができる。
【0028】
以下、第1実施形態に係る無線通信システムについて詳細に説明する。
(構成)
図1に示したように、第1実施形態に係る無線通信システム1は、サーバ装置11と、中継装置21と、複数の基地局31,32,33,…と、移動局41と、を備える。サーバ装置11は、Server Device(SD)11とも表記される。中継装置21は、Relay Device(RD)21とも表記される。
【0029】
基地局31は、Base Station(BS)31とも表記される。基地局32,33も基地局31と同様である。また、基地局31は、基地局#1(BS#1)とも表記される。同様に、基地局32は、基地局#2(BS#2)とも表記される。同様に、基地局33は、基地局#3(BS#3)とも表記される。移動局41は、Mobile Station(MS)41とも表記される。
なお、基地局31,32,33,…の数は、4つ以上であってもよい。また、サーバ装置11の数及び移動局41の数のそれぞれは、2つ以上であってもよい。
【0030】
無線通信システム1は、基地局31,32,33,…と移動局41との間で、複数の無線通信方式に従った複数の無線通信をそれぞれ行なう。複数の無線通信方式は、第1の無線通信方式と第2の無線通信方式とを含む。本例では、第1の無線通信方式は、LTE(Long Term Evolution)である。本例では、第2の無線通信方式は、無線LAN(Local Area Network)方式(例えば、IEEE 802.11シリーズ、又は、IEEE 802.15シリーズのいずれか)である。IEEEは、Institute of Electrical and Electronics Engineersの略記である。
【0031】
なお、無線通信システム1は、3つ以上の無線通信方式に従って、基地局と移動局との間で無線通信を行なってもよい。また、無線通信システム1は、無線通信方式として、他の無線通信方式に従った通信を行なうように構成されていてもよい。例えば、他の無線通信方式は、LTE−Advanced、WiMAX、3G、2G、GSM(登録商標)、EDGE、W−CDMA、UMTS、cdmaOne、又は、CDMA2000等である。
【0032】
WiMAXは、Worldwide Interoperability for Microwave Accessの略記である。3Gは、3rd Generationの略記である。2Gは、2nd Genarationの略記である。GSM(登録商標)は、Global System for Mobile Communicationsの略記である。EDGEは、Enhanced Data Rates for GSM(登録商標) Evolutionの略記である。W−CDMAは、Wideband Code Division Multiple Accessの略記である。UMTSは、Universal Mobile Telecommunications Systemの略記である。
【0033】
本例では、基地局#1は、フェムト基地局である。基地局#1は、移動局41との間で、第1の無線通信方式に従った第1の無線通信と、第2の無線通信方式に従った第2の無線通信と、の両方を同時に実行可能に構成されている。基地局#1は、第1の基地局側通信網NWB1を介して中継装置21と通信可能に接続されている。なお、基地局#1は、eNB(Evolved Node B)、NB(Node B)、マクロ基地局、又は、ホーム基地局であってもよい。例えば、第1の基地局側通信網NWB1は、ISP(Internet Services Provider)網である。
【0034】
本例では、基地局#2は、マクロ基地局である。基地局#2は、移動局41との間で、第1の無線通信のみを実行可能に構成されている。基地局#2は、第2の基地局側通信網NWB2を介して中継装置21と通信可能に接続されている。なお、基地局#2は、eNB、NB、フェムト基地局、又は、ホーム基地局であってもよい。また、基地局#2は、第1の無線通信に加えて、第2の無線通信も実行可能に構成されていてもよい。なお、基地局#2は、第1の無線通信に加えて、又は、第1の無線通信に代えて、第3の無線通信方式に従った第3の無線通信を実行可能に構成されていてもよい。例えば、第2の基地局側通信網NWB2は、ISP網、又は、EPC(Evolved Packet Core)網である。
【0035】
本例では、基地局#3は、アクセスポイントである。基地局#3は、移動局41との間で、第2の無線通信のみを実行可能に構成されている。基地局#3は、第3の基地局側通信網NWB3を介して中継装置21と通信可能に接続されている。なお、基地局#3は、eNB、NB、フェムト基地局、マクロ基地局、又は、ホーム基地局であってもよい。また、基地局#3は、第2の無線通信に加えて、第1の無線通信も実行可能に構成されていてもよい。なお、基地局#3は、第2の無線通信に加えて、又は、第2の無線通信に代えて、第3の無線通信方式に従った第3の無線通信を実行可能に構成されていてもよい。例えば、第3の基地局側通信網NWB3は、公衆無線LAN網である。
【0036】
各基地局#1,#2,#3は、少なくとも1つのセル(カバレッジ・エリア又は通信領域)を有する。本例では、セルは、マクロセル、マイクロセル、ナノセル、ピコセル、フェムトセル、ホームセル、又は、セクタセル等である。各基地局#1,#2,#3は、自局#1,#2,#3が有する(提供する)セル内に位置する移動局41と無線通信可能に構成される。
【0037】
具体的には、各基地局#1,#2,#3は、自局#1,#2,#3が有するセルにおいて無線リソース(本例では、時間スロット及び周波数帯域)を提供する。各基地局#1,#2,#3は、自局#1,#2,#3が有するセル内に位置する移動局41と、当該セルにおいて提供されている無線リソースを用いることにより通信を行なう。なお、本例では、基地局#1,#2,#3が有するセルにおいて提供されている無線リソースを用いることにより、移動局41が基地局#1,#2,#3と通信可能であることは、移動局41が基地局#1,#2,#3に接続されていることの一例である。
【0038】
なお、基地局#1は、第1の無線通信を行なうために用いられる無線リソースが提供される第1のセルと、第2の無線通信を行なうために用いられる無線リソースが提供される第2のセルと、を有する。本例では、第1のセルと第2のセルとは、互いに異なる。なお、第1のセルと第2のセルとは、一致していてもよい。
【0039】
なお、基地局#1,#2、及び、無線通信システム1のうちの基地局#1,#2よりも通信網NWB1,NWB2(即ち、上位)側の部分は、E−UTRANとも呼ばれる。なお、E−UTRANは、Evolved Universal Terrestrial Radio Access Networkの略記である。
【0040】
本例では、基地局#1,#2,#3は、有線通信可能に通信網NWB1,NWB2,NWB3にそれぞれ接続されている。なお、基地局#1,#2,#3の少なくとも1つは、無線通信可能に通信網NWB1,NWB2,NWB3に接続されていてもよい。
【0041】
本例では、中継装置21は、ゲートウェイである。なお、中継装置21は、スイッチ、又は、ルータ等であってもよい。中継装置21は、サーバ側通信網NWA1を介してサーバ装置11と通信可能に接続されている。即ち、中継装置21は、基地局#1,#2,#3よりも上位側に配置されている。なお、本例では、サーバ装置11から移動局41へデータが伝送される経路において、サーバ装置11が中継装置21よりも上位に配置され、且つ、中継装置21が各基地局#1,#2,#3よりも上位に配置されている、と言える。更に、本例では、当該経路において、各基地局#1,#2,#3が移動局41よりも上位に配置されている、と言える。
【0042】
移動局41は、自局41が接続されている基地局#1,#2,#3が有するセルにおいて提供されている無線リソースを用いることにより、基地局#1,#2,#3と通信を行なう。なお、移動局41は、UE(User Equipment)とも表記される。
【0043】
次に、各装置の構成について、より詳細に説明する。
(構成;中継装置)
図2に示したように、中継装置21は、バスBSA1を介して互いに接続された、制御装置211と、記憶装置212と、第1の有線通信装置213と、第2の有線通信装置214と、を備える。
【0044】
制御装置211は、後述する機能を実現するために、中継装置21が備える各装置を制御する。本例では、制御装置211は、LSI(Large Scale Integration)により構成される。なお、制御装置211は、プログラム可能な論理回路装置(PLD;Programmable Logic Device)により構成されていてもよい。また、制御装置211は、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置を備え、処理装置が記憶装置212に記憶されているプログラムを実行することにより、後述する機能を実現してもよい。
【0045】
記憶装置212は、情報を読み書き可能に記憶する。例えば、記憶装置212は、RAM、ROM、HDD、SSD、半導体メモリ、及び、有機メモリの少なくとも1つを備える。RAMは、Random Access Memoryの略記である。ROMは、Read Only Memoryの略記である。HDDは、Hard Disk Driveの略記である。SSDは、Solid State Driveの略記である。なお、記憶装置212は、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、及び、半導体メモリ等の記録媒体と、記録媒体から情報を読み取り可能な読取装置と、を備えていてもよい。
【0046】
第1の有線通信装置213は、通信ケーブルを接続可能な通信ポートを備える。第1の有線通信装置213は、通信ケーブルを介してサーバ側通信網NWA1に接続されることにより、サーバ側通信網NWA1に接続された他の装置(例えば、サーバ装置11)と通信を行なう。
【0047】
第2の有線通信装置214は、通信ケーブルを接続可能な通信ポートを備える。第2の有線通信装置214は、通信ケーブルを介して通信網NWB1,NWB2,NWB3に接続されることにより、通信網NWB1,NWB2,NWB3に接続された他の装置(例えば、基地局#1,#2,#3のそれぞれ)と通信を行なう。
【0048】
(構成;サーバ装置)
サーバ装置11は、図示しない、制御装置211と同様の制御装置と、記憶装置212と同様の記憶装置と、第1の有線通信装置213と同様の有線通信装置と、を備える。サーバ装置11が備える有線通信装置は、サーバ側通信網NWA1に接続されることにより、サーバ側通信網NWA1に接続された他の装置(例えば、中継装置21)と通信を行なう。
【0049】
(構成;基地局#1)
図3に示したように、基地局#1は、バスBSB1を介して互いに接続された、制御装置311と、記憶装置312と、第1の無線通信装置313と、第2の無線通信装置314と、有線通信装置315と、を備える。
制御装置311は、制御装置211と同様に、後述する機能を実現するために、基地局#1が備える各装置を制御する。記憶装置312は、記憶装置212と同様に構成される。
【0050】
第1の無線通信装置313は、図示しないアンテナを介して、基地局#1が有する第1のセル内に位置する移動局41と、第1の無線通信方式に従った第1の無線通信を行なう。第2の無線通信装置314は、図示しないアンテナを介して、基地局#1が有する第2のセル内に位置する移動局41と、第2の無線通信方式に従った第2の無線通信を行なう。
【0051】
有線通信装置315は、通信ケーブルを接続可能な通信ポートを備える。有線通信装置315は、通信ケーブルを介して第1の基地局側通信網NWB1に接続されることにより、第1の基地局側通信網NWB1に接続された他の装置(例えば、中継装置21)と通信を行なう。
【0052】
(構成;基地局#2)
図4に示したように、基地局#2は、バスBSB2を介して互いに接続された、制御装置321と、記憶装置322と、第1の無線通信装置323と、有線通信装置324と、を備える。
制御装置321は、制御装置311と同様に、後述する機能を実現するために、基地局#2が備える各装置を制御する。記憶装置322は、記憶装置312と同様に構成される。第1の無線通信装置323は、第1の無線通信装置313と同様に構成される。
【0053】
有線通信装置324は、有線通信装置315と同様に構成される。有線通信装置324は、通信ケーブルを介して第2の基地局側通信網NWB2に接続されることにより、第2の基地局側通信網NWB2に接続された他の装置(例えば、中継装置21)と通信を行なう。
【0054】
(構成;基地局#3)
図5に示したように、基地局#3は、バスBSB3を介して互いに接続された、制御装置331と、記憶装置332と、第2の無線通信装置333と、有線通信装置334と、を備える。
制御装置331は、制御装置311と同様に、後述する機能を実現するために、基地局#3が備える各装置を制御する。記憶装置332は、記憶装置312と同様に構成される。第2の無線通信装置333は、第2の無線通信装置314と同様に構成される。
【0055】
有線通信装置334は、有線通信装置315と同様に構成される。有線通信装置334は、通信ケーブルを介して第3の基地局側通信網NWB3に接続されることにより、第3の基地局側通信網NWB3に接続された他の装置(例えば、中継装置21)と通信を行なう。
【0056】
(構成;移動局)
図6に示したように、移動局41は、バスBSC1を介して互いに接続された、制御装置411と、記憶装置412と、第1の無線通信装置413と、第2の無線通信装置414と、を備える。
制御装置411は、制御装置311と同様に、後述する機能を実現するために、移動局41が備える各装置を制御する。記憶装置412は、記憶装置312と同様に構成される。
【0057】
第1の無線通信装置413は、図示しないアンテナを介して、自局41が接続されている基地局#1,#2が有するセルにおいて提供されている無線リソースを用いることにより、基地局#1,#2と第1の無線通信方式に従った第1の無線通信を行なう。第2の無線通信装置414は、図示しないアンテナを介して、自局41が接続されている基地局#1,#3が有するセルにおいて提供されている無線リソースを用いることにより、基地局#1,#3と第2の無線通信方式に従った第2の無線通信を行なう。
【0058】
(機能;基地局#1)
次に、基地局#1の機能について説明する。基地局#1の機能は、
図7に示したように、接続状態判定部(第1の判定手段)3101と、接続状態送信部(第1の送信手段)3102と、制御部(第1の制御手段)3103と、通信処理部(第1の通信手段)3104と、を含む。
【0059】
接続状態判定部3101は、基地局#1の状態が、第1の無線通信方式に従った第1の無線通信を実行可能に移動局41と接続されている第1の接続状態であるか否かを判定する。例えば、移動局41が、第1の無線通信を行なうために用いられる無線リソースが基地局#1により提供される第1のセル内に位置することは、基地局#1の状態が第1の接続状態であることの一例である。
【0060】
同様に、接続状態判定部3101は、基地局#1の状態が、第2の無線通信方式に従った第2の無線通信を実行可能に移動局41と接続されている第2の接続状態であるか否かを判定する。例えば、移動局41が、第2の無線通信を行なうために用いられる無線リソースが基地局#1により提供される第2のセル内に位置することは、基地局#1の状態が第2の接続状態であることの一例である。
【0061】
更に、接続状態判定部3101は、基地局#1の状態が、第1のLA通信を実行可能に移動局41と接続されているLA接続状態であるか否かを判定する。
【0062】
第1のLA通信は、基地局#1と移動局41とを接続する、第1の無線通信路及び第2の無線通信路へパケットを分配することによりパケットを伝送する通信である。例えば、LA通信は、複数の無線通信路(物理回線)を集約することにより構成された1つの論理回線(仮想回線)を用いることにより行なわれる通信である。
【0063】
第1の無線通信路は、第1の無線通信方式に従った第1の無線通信を行なうための通信路である。本例では、第1の無線通信路は、第1の無線通信装置313及び第1の無線通信装置413によって形成される。同様に、第2の無線通信路は、第2の無線通信方式に従った第2の無線通信を行なうための通信路である。本例では、第2の無線通信路は、第2の無線通信装置314及び第2の無線通信装置414によって形成される。
【0064】
本例では、接続状態判定部3101は、基地局#1の状態が第1の接続状態であり且つ基地局#1の状態が第2の接続状態であると判定された場合、基地局#1の状態がLA接続状態であると判定する。一方、接続状態判定部3101は、基地局#1の状態が第1の接続状態でないと判定された場合、または、基地局#1の状態が第2の接続状態でないと判定された場合、基地局#1の状態がLA接続状態でないと判定する。なお、接続状態判定部3101は、移動局毎に基地局#1の状態がLA接続状態であるか否かを判定する。ある移動局に関して、基地局#1の状態がLA接続状態であったとしても、別の移動局に関しては、基地局#1の状態がLA接続状態でない場合がある。
【0065】
接続状態送信部3102は、接続状態判定部3101によって、基地局#1の状態がLA接続状態であると判定された場合、LA接続状態通知を中継装置21へ送信する。LA接続状態通知は、基地局#1の状態がLA接続状態であることを表す情報である。本例では、接続状態送信部3102は、LA接続状態通知を、状態通知として送信する。
【0066】
状態通知は、
図8に示したように、移動局識別子フィールドF1と、接続状態フィールドF2と、を含む。移動局識別子フィールドF1は、移動局(本例では、移動局41)を識別するための識別子が格納される領域である。接続状態フィールドF2は、基地局#1の状態がLA接続状態であるか否かを表す情報が格納される領域である。
【0067】
一方、接続状態送信部3102は、接続状態判定部3101によって、基地局#1の状態がLA接続状態でないと判定された場合、LA未接続状態通知を中継装置21へ送信する。LA未接続状態通知は、基地局#1の状態がLA接続状態でないことを表す情報である。本例では、接続状態送信部3102は、LA未接続状態通知を、状態通知として送信する。
【0068】
制御部3103は、接続状態判定部3101によって、基地局#1の状態がLA接続状態であると判定された場合、第1のLA通信を実行するように通信処理部3104を制御する。即ち、制御部3103は、通信処理部3104の状態を後述する第1のLA通信状態に設定する。
【0069】
一方、制御部3103は、接続状態判定部3101によって、基地局#1の状態がLA接続状態でないと判定された場合、第1のLA通信を実行しないように通信処理部3104を制御する。
【0070】
本例では、制御部3103は、基地局#1の状態がLA接続状態でないと判定された場合において、基地局#1の状態が第1の接続状態であると判定されたとき、第1の無線通信のみを実行するように通信処理部3104を制御する。即ち、制御部3103は、通信処理部3104の状態を後述する第1の無線通信状態に設定する。
【0071】
同様に、制御部3103は、基地局#1の状態がLA接続状態でないと判定された場合において、基地局#1の状態が第2の接続状態であると判定されたとき、第2の無線通信のみを実行するように通信処理部3104を制御する。即ち、制御部3103は、通信処理部3104の状態を後述する第2の無線通信状態に設定する。
【0072】
制御部3103は、基地局#1の状態が第1の接続状態でないと判定され、且つ、基地局#1の状態が第2の接続状態でないと判定された場合、いずれの無線通信も実行しないように通信処理部3104を制御する。即ち、制御部3103は、通信処理部3104の状態を非通信状態に設定する。
【0073】
通信処理部3104は、有線通信装置315を介して中継装置21からパケットを受信する。
通信処理部3104は、第1のLA通信状態と、第1の無線通信状態と、第2の無線通信状態と、非通信状態と、のいずれかの状態にて無線通信を実行する。通信処理部3104は、制御部3103による制御に従って状態を切り替える。
【0074】
通信処理部3104は、パケット振分部3104aを含む。通信処理部3104は、第1のLA通信状態において、第1のLA通信を実行する。パケット振分部3104aは、第1のLA通信状態において、第1の無線通信装置313及び第2の無線通信装置314へ、受信されたパケットを分配する(振り分ける)ように、第1の無線通信装置313及び第2の無線通信装置314へパケットを出力する。
【0075】
本例では、パケット振分部3104aは、第1の無線通信路の状態を表す情報と、第2の無線通信路の状態を表す情報と、を取得する。更に、パケット振分部3104aは、取得された情報に基づいてパケットの分配を制御する(例えば、分配率等を調整する)。例えば、無線通信路の状態は、無線通信路の利用率、伝送速度、又は、誤り率等である。
【0076】
第1の無線通信装置313及び第2の無線通信装置314のそれぞれは、自装置に入力されたパケットを移動局41へ送信する。即ち、通信処理部3104は、第1のLA通信状態において、第1の無線通信及び第2の無線通信を同時に実行することにより第1のLA通信を実行する。
【0077】
また、通信処理部3104は、第1の無線通信状態において、第1の無線通信のみを実行する。本例では、通信処理部3104は、第1の無線通信状態において、第1の無線通信装置313のみに、受信されたパケットを出力する。第1の無線通信装置313は、自装置に入力されたパケットを移動局41へ送信する。
【0078】
同様に、通信処理部3104は、第2の無線通信状態において、第2の無線通信のみを実行する。本例では、通信処理部3104は、第2の無線通信状態において、第2の無線通信装置314のみに、受信されたパケットを出力する。第2の無線通信装置314は、自装置に入力されたパケットを移動局41へ送信する。
【0079】
通信処理部3104は、中継装置21により転送された、後述する未送達パケットが受信された場合、第1のLA通信を実行することにより、未送達パケットをフラグ情報とともに移動局41へ送信する。フラグ情報は、パケットに対する確認応答が既に送信されていることを表す情報である。
【0080】
(機能;中継装置)
次に、中継装置21の機能について説明する。中継装置21の機能は、
図9に示したように、接続状態受信部(第2の受信手段)2101と、制御部(第2の制御手段)2102と、通信処理部(第2の通信手段)2103と、を含む。
接続状態受信部2101は、基地局#1からLA接続状態通知を受信する。同様に、接続状態受信部2101は、基地局#1からLA未接続状態通知を受信する。
【0081】
制御部2102は、LA接続状態通知が受信された場合、第2のLA通信を実行しないように通信処理部2103を制御する。本例では、制御部2102は、通信処理部2103の状態を後述する第1のLA通信用中継状態に設定する。
【0082】
一方、制御部2102は、LA未接続状態通知が受信された場合において、第1の通信路及び第2の通信路のそれぞれを介して中継装置21と移動局41とが通信可能に接続されているとき、第2のLA通信を実行するように通信処理部2103を制御する。即ち、制御部2102は、通信処理部2103の状態を後述する第2のLA通信状態に設定する。
【0083】
第1の通信路は、移動局41と基地局#1,#2,#3のいずれかとの間の区間(即ち、無線通信路)において、第1の無線通信方式に従った第1の無線通信を行なうための通信路である。本例では、第1の通信路は、基地局#1又は基地局#2を経由した、中継装置21と移動局41とを結ぶ経路を有する。同様に、第2の通信路は、移動局41と基地局#1,#2,#3のいずれかとの間の区間(即ち、無線通信路)において、第2の無線通信方式に従った第2の無線通信を行なうための通信路である。本例では、第2の通信路は、基地局#1又は基地局#3を経由した、中継装置21と移動局41とを結ぶ経路を有する。
【0084】
また、制御部2102は、LA未接続状態通知が受信された場合において、第1の通信路のみを介して中継装置21と移動局41とが通信可能に接続されているとき、第1の非LA通信用中継を実行するように通信処理部2103を制御する。即ち、制御部2102は、通信処理部2103の状態を後述する第1の非LA通信用中継状態に設定する。
【0085】
同様に、制御部2102は、LA未接続状態通知が受信された場合において、第2の通信路のみを介して中継装置21と移動局41とが通信可能に接続されているとき、第2の非LA通信用中継を実行するように通信処理部2103を制御する。即ち、制御部2102は、通信処理部2103の状態を後述する第2の非LA通信用中継状態に設定する。
【0086】
通信処理部2103は、第1の有線通信装置213を介してサーバ装置11からパケットを受信する。
通信処理部2103は、第1のLA通信用中継状態と、第2のLA通信状態と、第1の非LA通信用中継状態と、第2の非LA通信用中継状態と、のいずれかの状態にて通信を実行する。通信処理部2103は、制御部2102による制御に従って状態を切り替える。
【0087】
通信処理部2103は、プロトコル処理部2103aと、バッファ管理部(第2の転送手段)2103bと、パケット振分部2103cと、透過型プロキシ部(第2の送信手段)2103dと、を含む。
【0088】
通信処理部2103は、第1のLA通信用中継状態において、サーバ装置11と移動局41との間のメインコネクションによる通信を中継する。即ち、通信処理部2103は、第1のLA通信用中継状態において、サーバ装置11からパケットを受信し、受信されたパケットを基地局#1へ送信する。メインコネクションは、移動局41とサーバ装置11との間で、所定の通信プロトコル(本例では、TCP)に従って確立されたコネクションである。メインコネクションは、メインコネクション#1とも表記される。
【0089】
TCPは、Transmission Control Protocolの略記である。なお、通信プロトコルは、DCCP、又は、SCTPであってもよい。DCCPは、Datagram Congestion Control Protocolの略記である。SCTPは、Stream Control Transmission Protocolの略記である。
【0090】
通信処理部2103は、第2のLA通信状態において、第2のLA通信を実行する。第2のLA通信は、中継装置21と移動局41とを接続する、第1のLA通信路及び第2のLA通信路へパケットを分配することによりパケットを伝送する通信である。第1のLA通信路は、中継装置21と移動局41とを接続する第1の通信路にて確立されるコネクションである。同様に、第2のLA通信路は、中継装置21と移動局41とを接続する第2の通信路にて確立されるコネクションである。
【0091】
プロトコル処理部2103aは、第2のLA通信状態において、中継装置21と移動局41とを接続する第1の通信路にて、上記通信プロトコルに従ったコネクション(第1のサブコネクション)を第1のLA通信路として確立する。同様に、プロトコル処理部2103aは、第2のLA通信状態において、中継装置21と移動局41とを接続する第2の通信路にて、上記通信プロトコルに従ったコネクション(第2のサブコネクション)を第2のLA通信路として確立する。なお、第1のサブコネクションは、サブコネクション#1−1とも表記される。また、第2のサブコネクションは、サブコネクション#1−2とも表記される。
【0092】
本例では、トランスポート層におけるプロトコルスタックを表す
図10に示したように、第1のサブコネクションC11及び第2のサブコネクションC12は、メインコネクションC10の下層に配置されている。本例では、パケットは、メインコネクションにて伝送されるパケットをカプセル化することにより、各サブコネクションにて伝送される。即ち、各サブコネクションにて伝送されるパケットは、メインコネクションにおけるヘッダと、サブコネクションにおけるヘッダと、の両方を含む。
【0093】
更に、プロトコル処理部2103aは、第2のLA通信状態において、基地局#1からLA接続状態通知が受信された場合、確立されている第1のサブコネクション及び第2のサブコネクションを解放する。
【0094】
バッファ管理部2103bは、第1のLA通信路にて伝送されるパケットを一時的に記憶する第1のバッファと、第2のLA通信路にて伝送されるパケットを一時的に記憶する第2のバッファと、を管理する。第1のバッファ及び第2のバッファは、記憶装置212により構成される。
【0095】
バッファ管理部2103bは、第1のバッファに記憶されているパケットを第2の有線通信装置214を介して第1のサブコネクションにて送信する。同様に、バッファ管理部2103bは、第2のバッファに記憶されているパケットを第2の有線通信装置214を介して第2のサブコネクションにて送信する。
【0096】
バッファ管理部2103bは、送信されたパケットのうちの、当該パケットに対して確認応答(例えば、ACK信号)がサブコネクションにて受信されたパケットを第1のバッファ及び第2のバッファから削除(消去)する。確認応答は、パケットが移動局41によって正しく受信されたことを表す情報である。
【0097】
即ち、通信処理部2103は、第2のLA通信状態において、第1のサブコネクションを用いる第1の通信と、第2のサブコネクションを用いる第2の通信と、を同時に実行することにより第2のLA通信を実行する。
【0098】
更に、バッファ管理部2103bは、あるLA通信路にて輻輳が発生した場合、そのLA通信路にて単位時間あたりに送信するパケットのデータ量を低減させることにより輻輳制御を行なう。例えば、バッファ管理部2103bは、スロースタート、輻輳回避、TCP高速再送アルゴリズム、及び/又は、ファストリカバリ等の方式に従った輻輳制御を行なう。
【0099】
パケット振分部2103cは、第2のLA通信状態において、第1のバッファ及び第2のバッファへ、受信されたパケットを分配する(振り分ける)ように、第1のバッファ及び第2のバッファにパケットを記憶させる。本例では、パケット振分部2103cは、第1のバッファに記憶されているパケットのデータ量と、第2のバッファに記憶されているパケットのデータ量と、に基づいてパケットの分配を制御する。例えば、パケット振分部2103cは、各バッファに記憶されているデータ量が等しくなるように、パケットの分配率を調整する。
【0100】
透過型プロキシ部2103dは、第2のLA通信状態において、移動局41が宛先として設定されたパケットを受信したとき、メインコネクションに対する確認応答を、当該パケットに設定された送信元(例えば、サーバ装置11)へメインコネクションにて送信する。確認応答は、上記パケットが移動局41によって正しく受信されたことを表す情報である。本例では、透過型プロキシ部2103dは、確認応答として、ACK信号を送信する。このACK信号は、パケットの宛先として設定された移動局41に代わって、中継装置21によって送信されるため、疑似ACK信号とも呼ばれる。
【0101】
バッファ管理部2103bは、第2のLA通信状態において、基地局#1からLA接続状態通知が受信された場合、未送達パケットを基地局#1へ転送(送信)する。未送達パケットは、サーバ装置11から受信されたパケットのうちの、移動局41が宛先として設定され且つ第1のバッファ及び第2のバッファに記憶されているパケットである。
【0102】
即ち、未送達パケットは、移動局41によって未だ正しく受信されておらず且つ移動局41へ送信するために保持されているパケットである、と言える。なお、あるパケットに対して、移動局41によって正しく受信されたことを表す確認応答が移動局41から未だ受信されていないことは、当該パケットが移動局41によって未だ正しく受信されていないことの一例である。
【0103】
また、通信処理部2103は、第1の非LA通信用中継状態において、第1の非LA通信用中継を実行する。第1の非LA通信用中継は、サーバ装置11と移動局41との間のメインコネクションによる通信を中継する通信である。即ち、通信処理部2103は、第1の非LA通信用中継状態において、サーバ装置11からパケットを受信し、受信されたパケットを、移動局41が第1の無線通信方式に従った第1の無線通信を実行可能に接続されている基地局#1,#2へ送信する。従って、基地局#1,#2が第1の無線通信を実行することにより移動局41へパケットが伝送される。なお、第1の非LA通信用中継及び第1の無線通信は、第1の非LA通信を構成する。
【0104】
同様に、通信処理部2103は、第2の非LA通信用中継状態において、第2の非LA通信用中継を実行する。第2の非LA通信用中継は、サーバ装置11と移動局41との間のメインコネクションによる通信を中継する通信である。即ち、通信処理部2103は、第2の非LA通信用中継状態において、サーバ装置11からパケットを受信し、受信されたパケットを、移動局41が第2の無線通信方式に従った第2の無線通信を実行可能に接続されている基地局#1,#3へ送信する。従って、基地局#1,#3が第2の無線通信を実行することにより移動局41へパケットが伝送される。なお、第2の非LA通信用中継及び第2の無線通信は、第2の非LA通信を構成する。
【0105】
(機能;移動局)
次に、移動局41の機能について説明する。移動局41の機能は、
図11に示したように、通信処理部4101を含む。通信処理部4101は、プロトコル処理部4101aと、ACK処理部(第3の送信手段)4101bと、を含む。
【0106】
通信処理部4101は、第1のLA通信、第2のLA通信、第1の非LA通信、及び、第2の非LA通信のそれぞれによって送信されたパケットを、第1の無線通信装置413及び/又は第2の無線通信装置414を介して受信する。
プロトコル処理部4101aは、サーバ装置11との間でメインコネクションを確立する。更に、プロトコル処理部4101aは、中継装置21との間で第1のサブコネクション及び第2のサブコネクションを確立する。
【0107】
ACK処理部4101bは、パケットが第1のLA通信によって受信され且つ当該パケットとともにフラグ情報が受信されなかった場合、メインコネクションに対する確認応答をパケットに設定された送信元(例えば、サーバ装置11)へメインコネクションにて送信する。確認応答は、パケットが移動局41によって正しく受信されたことを表す情報である。更に、ACK処理部4101bは、パケットが第1の非LA通信又は第2の非LA通信によって受信された場合、メインコネクションに対する確認応答をパケットに設定された送信元(例えば、サーバ装置11)へメインコネクションにて送信する。
【0108】
ACK処理部4101bは、パケットが第1のLA通信によって受信され且つ当該パケットとともにフラグ情報が受信された場合、メインコネクションに対する確認応答を送信しない。更に、ACK処理部4101bは、パケットが第2のLA通信によって受信された場合、サブコネクションに対する確認応答を、当該サブコネクションにおけるヘッダにてパケットに設定された送信元(例えば、中継装置21)へ送信する。一方、この場合、ACK処理部4101bは、メインコネクションに対する確認応答を外部へ送信しない。
【0109】
(作動)
次に、上述した無線通信システム1の作動について、
図12乃至
図17を参照しながら説明する。
先ず、移動局41がいずれかの基地局#1,#2,#3と無線通信可能に接続されている場合を想定する。この場合において、移動局41とサーバ装置11との間で通信を開始するとき、移動局41は、サーバ装置11との間で上記通信プロトコル(本例では、TCP)に従ってコネクション(メインコネクション#1)を確立する(
図12のステップS101)。
【0110】
その後、移動局41が、第1のセル及び第2のセルの両方に含まれる位置に配置された場合を想定する。この場合、移動局41は、第1の無線通信方式に従った第1の無線通信を実行可能に基地局#1に接続される(
図12のステップS102)。この接続は、接続#1とも表記される。更に、移動局41は、第2の無線通信方式に従った第2の無線通信を実行可能に基地局#1に接続される(
図12のステップS103)。この接続は、接続#2とも表記される。これにより、基地局#1の状態は、第1の接続状態となり、且つ、第2の接続状態となる。
【0111】
基地局#1は、
図13にフローチャートにより示した接続判定処理を実行する。具体的には、基地局#1は、基地局#1の状態が、LA未接続状態からLA接続状態へ変化したか否かを判定する(
図13のステップS201)。上記仮定に従えば、基地局#1は、「Yes」と判定し、LA接続状態通知を中継装置21へ送信する(
図13のステップS202、
図12のステップS104)。
【0112】
次いで、基地局#1は、基地局#1の通信状態を第1のLA通信状態に設定する(
図13のステップS203)。具体的には、基地局#1は、記憶装置312に記憶されている通信状態情報を、第1のLA通信状態を表す情報に変更する。なお、基地局#1が基地局#1の通信状態を他の通信状態に設定する場合も同様である。その後、基地局#1は、
図13のステップS201へ戻り、ステップS201〜ステップS206の処理を繰り返し実行する。なお、ステップS204〜ステップS206の処理については後述する。
【0113】
一方、中継装置21は、
図14にフローチャートにより示した通信状態制御処理を実行する。具体的には、中継装置21は、基地局#1から状態通知(本例では、LA接続状態通知、又は、LA未接続状態通知)を受信したか否かを判定する(
図14のステップS301)。
【0114】
上記仮定に従えば、中継装置21は、「Yes」と判定し、受信された状態通知がLA接続状態通知であるか否かを判定する(
図14のステップS302)。上記仮定に従えば、中継装置21は、「Yes」と判定し、中継装置21の通信状態を第1のLA通信用中継状態に設定する(
図14のステップS303)。具体的には、中継装置21は、記憶装置212に記憶されている通信状態情報を、第1のLA通信用中継状態を表す情報に変更する。なお、中継装置21が中継装置21の通信状態を他の通信状態に設定する場合も同様である。
【0115】
次に、中継装置21は、未送達パケットが存在する場合、未送達パケットを基地局#1へ送信する(
図14のステップS304)。上記仮定に従えば、この時点では、未送達パケットが存在しないため、中継装置21は、未送達パケットを送信しない。次いで、中継装置21は、サブコネクションが確立されている場合、サブコネクションを解放する(
図14のステップS305)。上記仮定に従えば、この時点では、サブコネクションが確立されていないため、中継装置21は、サブコネクションを解放しない。その後、中継装置21は、
図14のステップS301へ戻り、ステップS301〜ステップS309の処理を繰り返し実行する。なお、ステップS306〜ステップS309の処理については後述する。
【0116】
その後、中継装置21がサーバ装置11からパケットを受信する前に、移動局41が、第1のセル及び第2のセルのいずれにも含まれず、且つ、第3のセル及び第4のセルの両方に含まれる位置に配置された場合を想定する。本例では、第3のセルは、第1の無線通信方式に従った第1の無線通信を行なうために用いられる無線リソースが基地局#2により提供される領域である。同様に、第4のセルは、第2の無線通信方式に従った第2の無線通信を行なうために用いられる無線リソースが基地局#3により提供される領域である。
【0117】
この場合、移動局41と基地局#1との間の接続#1は切断される(
図12のステップS105)。この切断は、切断#1とも表記される。同様に、移動局41と基地局#1との間の接続#2は切断される(
図12のステップS106)。この切断は、切断#2とも表記される。
一方、移動局41は、第1の無線通信方式に従った第1の無線通信を実行可能に基地局#2に接続される。同様に、移動局41は、第2の無線通信方式に従った第2の無線通信を実行可能に基地局#3に接続される。
【0118】
この時点では、基地局#1は、
図13のステップS201に進んだとき、「No」と判定し、基地局#1の状態が、LA接続状態からLA未接続状態へ変化したか否かを判定する(
図13のステップS204)。上記仮定に従えば、基地局#1は、「Yes」と判定し、LA未接続状態通知を中継装置21へ送信する(
図13のステップS205、
図12のステップS107)。
【0119】
次いで、基地局#1は、基地局#1の通信状態を第1の無線通信状態、第2の無線通信状態、又は、非通信状態に設定する(
図13のステップS206)。具体的には、基地局#1は、基地局#1の状態が第1の接続状態である場合、基地局#1の通信状態を第1の無線通信状態に設定する。同様に、基地局#1は、基地局#1の状態が第2の接続状態である場合、基地局#1の通信状態を第2の無線通信状態に設定する。また、基地局#1は、基地局#1の状態が、第1の接続状態及び第2の接続状態のいずれでもない場合、基地局#1の通信状態を非通信状態に設定する。
上記仮定に従えば、この時点では、基地局#1は、基地局#1の通信状態を非通信状態に設定する。その後、基地局#1は、
図13のステップS201へ戻る。
【0120】
この時点では、中継装置21は、
図14のステップS302に進んだとき、「No」と判定し、第1の通信路及び第2の通信路のそれぞれを介して中継装置21と移動局41とが通信可能に接続されているか否かを判定する(
図14のステップS306)。上記仮定に従えば、中継装置21は、「Yes」と判定し、中継装置21の通信状態を第2のLA通信状態に設定する(
図14のステップS307)。
【0121】
次いで、中継装置21は、移動局41との間で上記通信プロトコル(本例では、TCP)に従って、2つのサブコネクション#1−1,#1−2を確立する(
図14のステップS308、
図12のステップS112,S113)。上記仮定に従えば、サブコネクション#1−1は、基地局#2を経由した第1の通信路にて確立される。同様に、サブコネクション#1−2は、基地局#3を経由した第2の通信路にて確立される。
【0122】
なお、本例では、中継装置21は、サーバ装置11からパケットを受信した後に、サブコネクションを確立する。また、中継装置21は、サーバ装置11からパケットを受信する前に、サブコネクションを確立してもよい。
そして、中継装置21は、
図14のステップS301へ戻る。
【0123】
その後、サーバ装置11から中継装置21へ、移動局41が宛先として設定されたパケットがメインコネクションを介して送信された場合を想定する。本例では、パケットは、DATA#iとも表記される。ここで、iは、自然数である。
【0124】
中継装置21は、
図15にフローチャートにより示したパケット送信処理を実行する。具体的には、中継装置21は、サーバ装置11からパケットを受信したか否かを判定する(
図15のステップS401)。上記仮定に従えば、中継装置21は、サーバ装置11からパケット(DATA#1)を受信する(
図12のステップS108)。
【0125】
従って、中継装置21は、「Yes」と判定し、中継装置21の通信状態が第2のLA通信状態に設定されているか否かを判定する(
図15のステップS402)。この時点では、中継装置21の通信状態は、第2のLA通信状態に設定されている。従って、中継装置21は、「Yes」と判定し、ACK信号(ACK#1)を、受信されたパケットに設定された送信元(本例では、サーバ装置11)へ送信する(
図15のステップS403、
図12のステップS109)。本例では、ACK信号は、ACK#iとも表記される。
【0126】
そして、中継装置21は、受信されたパケットを第2のLA通信により移動局41へ送信する(
図15のステップS404)。具体的には、中継装置21は、第1のバッファ及び第2のバッファへ、受信されたパケットを分配するように、第1のバッファ及び第2のバッファにパケットを記憶させる。ここでは、中継装置21がパケット(DATA#1)を第1のバッファに記憶させた場合を想定する。
そして、中継装置21は、
図15のステップS401へ戻り、ステップS401〜ステップS407の処理を繰り返し実行する。なお、ステップS405〜ステップS407の処理については後述する。
【0127】
同様に、中継装置21は、サーバ装置11からパケット(DATA#2)を受信する(
図12のステップS110)と、ACK信号(ACK#2)をパケットに設定された送信元(本例では、サーバ装置11)へ送信する(
図12のステップS111)。ここでは、中継装置21がパケット(DATA#2)を第2のバッファに記憶させた場合を想定する。
【0128】
そして、中継装置21は、第1のバッファに記憶されているパケット(DATA#1)を、サブコネクション#1−1を用いることにより(即ち、サブコネクション#1−1を介して)、移動局41へ送信する(
図12のステップS114)。なお、本例では、サブコネクションにおけるパケットは、DATA#i’とも表記される。また、サブコネクションにおけるACK信号は、ACK#i’とも表記される。
【0129】
移動局41は、
図16にフローチャートにより示したACK送信処理を実行する。具体的には、移動局41は、基地局#1,#2,#3のいずれかからパケットを受信したか否かを判定する(
図16のステップS501)。上記仮定に従えば、移動局41は、サブコネクション#1−1を経由して(即ち、基地局#2を経由して)、パケットDATA#1’を受信する。
【0130】
従って、移動局41は、「Yes」と判定し、サブコネクションを経由してパケットが受信されたか否かを判定する(
図16のステップS502)。この時点では、移動局41は、「Yes」と判定し、サブコネクション#1−1に対するACK信号(ACK#1’)を送信する(
図16のステップS503、
図12のステップS115)。具体的には、移動局41は、ACK信号(ACK#1’)を、サブコネクション#1−1に対するヘッダにて設定された送信元(本例では、中継装置21)へサブコネクション#1−1を介して送信する。
その後、移動局41は、
図16のステップS501へ戻り、ステップS501〜ステップS505の処理を繰り返し実行する。なお、ステップS504〜ステップS505の処理については後述する。
【0131】
同様に、中継装置21は、第2のバッファに記憶されているパケット(DATA#2)を、サブコネクション#1−2を用いることにより、移動局41へ送信する(
図12のステップS116)。そして、移動局41は、サブコネクション#1−2に対するACK信号(ACK#2’)を送信する(
図12のステップS117)。具体的には、移動局41は、ACK信号(ACK#2’)を、サブコネクション#1−2に対するヘッダにて設定された送信元(本例では、中継装置21)へサブコネクション#1−2を介して送信する。
【0132】
次いで、中継装置21は、サーバ装置11からパケット(DATA#3)を受信する(
図12のステップS118)。これにより、中継装置21は、ACK信号(ACK#3)を、受信されたパケットに設定された送信元(本例では、サーバ装置11)へ送信する(
図12のステップS119)。
【0133】
その後、中継装置21が上記パケット(DATA#3)を移動局41へ送信する前に、移動局41が、第1のセル及び第2のセルの両方に含まれる位置に配置された場合を想定する。
【0134】
この場合、移動局41は、第1の無線通信方式に従った第1の無線通信を実行可能に基地局#1に接続される(
図12のステップS120)。更に、移動局41は、第2の無線通信方式に従った第2の無線通信を実行可能に基地局#1に接続される(
図12のステップS121)。これにより、基地局#1の状態は、第1の接続状態となり、且つ、第2の接続状態となる。従って、基地局#1は、LA接続状態通知を中継装置21へ送信する(
図12のステップS122)。
【0135】
この時点では、中継装置21が、
図14のステップS304に進んだとき、未送達パケットが存在する。即ち、第1のバッファ又は第2のバッファが、移動局41が宛先として設定されたパケット(DATA#3)を記憶している。このパケットは、ACK信号(確認応答)が移動局41から未だ受信されず且つ移動局41へ送信するために保持されているパケット(即ち、未送達パケット)である。従って、中継装置21は、未送達パケット(DATA#3)をフラグ情報とともに基地局#1へ送信(転送)する(
図14のステップS304、
図12のステップS123)。
【0136】
基地局#1は、中継装置21により送信された未送達パケットが受信された場合、第1のLA通信を実行することにより、未送達パケットをフラグ情報とともに移動局41へ送信する(
図12のステップS124)。
【0137】
この時点では、移動局41は、
図16のステップS502に進んだとき、「No」と判定し、パケットとともにフラグ情報を受信したか否かを判定する(
図16のステップS504)。上記仮定に従えば、移動局41は、「Yes」と判定し、ACK信号を送信することなく、ステップS501へ戻る。
【0138】
更に、この時点では、サブコネクション#1−1,#1−2が確立されている。従って、中継装置21は、
図14のステップS305に進んだとき、確立されているサブコネクション#1−1,#1−2を解放する(
図14のステップS305、
図12のステップS125,S126)。
【0139】
次いで、中継装置21は、サーバ装置11からパケット(DATA#4)を受信する(
図12のステップS127)。この時点では、中継装置21は、
図15のステップS402に進んだとき、「No」と判定し、中継装置21の通信状態が第1のLA通信用中継状態に設定されているか否かを判定する(
図15のステップS405)。この時点では、中継装置21の通信状態は、第1のLA通信用中継状態に設定されている。従って、中継装置21は、「Yes」と判定し、受信されたパケット(DATA#4)を基地局#1へ送信する(
図15のステップS406、
図12のステップS128)。その後、中継装置21は、
図15のステップS401へ戻る。
【0140】
基地局#1は、
図17にフローチャートにより示した無線通信処理を実行する。具体的には、基地局#1は、中継装置21からパケットを受信したか否かを判定する(
図17のステップS601)。上記仮定に従えば、基地局#1は、「Yes」と判定し、基地局#1の通信状態が第1のLA通信状態に設定されているか否かを判定する(
図17のステップS602)。
【0141】
この時点では、基地局#1の通信状態は、第1のLA通信状態に設定されている。従って、基地局#1は、「Yes」と判定し、受信されたパケット(DATA#4)を第1のLA通信により移動局41へ送信する(
図17のステップS603、
図12のステップS129)。その後、基地局#1は、
図17のステップS601へ戻り、ステップS601〜ステップS605の処理を繰り返し実行する。なお、ステップS604〜ステップS605の処理については後述する。
【0142】
これにより、移動局41は、基地局#1からパケット(DATA#4)を受信する。この時点では、移動局41は、
図16のステップS504に進んだとき、「No」と判定し、メインコネクション#1に対するACK信号(ACK#4)を送信する(
図16のステップS505、
図12のステップS130)。具体的には、移動局41は、ACK信号(ACK#4)を、メインコネクション#1に対するヘッダにて設定された送信元(本例では、サーバ装置11)へメインコネクション#1を介して送信する。その後、移動局41は、
図16のステップS501へ戻る。
【0143】
基地局#1は、移動局41から受信したACK信号(ACK#4)を中継装置21へ中継(転送)する(
図12のステップS131)。中継装置21は、基地局#1から受信したACK信号をサーバ装置11へ中継する(
図12のステップS132)。
【0144】
なお、中継装置21は、
図14のステップS306に進んだ場合において、第1の通信路又は第2の通信路の一方のみを介して中継装置21と移動局41とが通信可能に接続されているとき、「No」と判定する。この場合、中継装置21は、中継装置21の通信状態を、第1の非LA通信用中継状態、又は、第2の非LA通信用中継状態に設定する(
図14のステップS309)。
【0145】
具体的には、中継装置21は、第1の通信路のみを介して中継装置21と移動局41とが通信可能に接続されている場合、中継装置21の通信状態を第1の非LA通信用中継状態に設定する。また、中継装置21は、第2の通信路のみを介して中継装置21と移動局41とが通信可能に接続されている場合、中継装置21の通信状態を第2の非LA通信用中継状態に設定する。
その後、中継装置21は、
図14のステップS301へ戻る。
【0146】
また、中継装置21は、
図15のステップS405に進んだ場合において、中継装置21の通信状態が第1のLA通信用中継状態に設定されていないとき、「No」と判定する。この場合、中継装置21は、受信されたパケットを接続先基地局(接続先BS)へ送信する(
図15のステップS407)。接続先基地局は、移動局41が通信可能に接続されている基地局#1,#2,#3である。この場合、接続先基地局は、中継装置21から受信したパケットを移動局41へ送信する。
その後、中継装置21は、
図15のステップS401へ戻る。
【0147】
また、基地局#1は、
図17のステップS602に進んだ場合において、基地局#1の通信状態が第1のLA通信状態に設定されていないとき、「No」と判定する。この場合、基地局#1は、基地局#1の通信状態が、第1の無線通信状態、又は、第2の無線通信状態に設定されているか否かを判定する(
図17のステップS604)。
【0148】
そして、基地局#1の通信状態が、第1の無線通信状態、又は、第2の無線通信状態に設定されている場合、基地局#1は、「Yes」と判定する。次いで、基地局#1は、第1の無線通信状態、又は、第2の無線通信状態により、受信されたパケットを移動局41へ送信する(
図17のステップS605)。
【0149】
具体的には、基地局#1は、基地局#1の通信状態が第1の無線通信状態に設定されている場合、第1の無線通信状態によりパケットを送信する。同様に、基地局#1は、基地局#1の通信状態が第2の無線通信状態に設定されている場合、第2の無線通信状態によりパケットを送信する。その後、基地局#1は、
図17のステップS601へ戻る。
【0150】
また、基地局#1の通信状態が非通信状態に設定されている場合、基地局#1は、
図17のステップS604にて「No」と判定する。この場合、基地局#1は、パケットを送信することなく、
図17のステップS601へ戻る。
【0151】
なお、上述した作動においては、移動局41が第1のセル及び第2のセルの両方に含まれる位置に配置された後に、移動局41が第3のセル及び第4のセルの両方に含まれる位置に配置された場合を想定していた。ところで、移動局41が第1のセル及び第2のセルの両方に含まれる位置に配置されることなく、移動局41が第3のセル及び第4のセルの両方に含まれる位置に配置された場合についても、無線通信システム1は、上述した場合と同様に作動する。
【0152】
具体的には、無線通信システム1は、
図12に示した処理から、ステップS102〜ステップS107の処理を省略した処理を実行する。なお、この場合、初期状態において記憶されている情報として、
図12のステップS107の処理が終了した時点と同様の情報が予め設定されていることが好適である。
【0153】
以上、説明したように、第1実施形態に係る無線通信システム1によれば、基地局#1は、基地局#1の状態がLA接続状態であると判定された場合、基地局#1の状態がLA接続状態であることを表す状態通知(LA接続状態通知)を中継装置21へ送信する。更に、基地局#1は、この場合、第1のLA通信を実行するように基地局#1を制御する。加えて、中継装置21は、基地局#1からLA接続状態通知が受信された場合、第2のLA通信を実行しないように中継装置21を制御する。
【0154】
これによれば、基地局#1の状態がLA接続状態である場合、LA接続状態通知が基地局#1から中継装置21へ送信される。これにより、中継装置21は、基地局#1が移動局41との間で第1のLA通信を実行可能であることを認識できる。更に、この場合、中継装置21は、第2のLA通信を実行しない。一方、基地局#1は、第1のLA通信を実行する。
【0155】
従って、例えば、基地局#1による第1のLA通信と、中継装置21による第2のLA通信と、の両方が実行可能な場合において、無線通信システム1は、第1のLA通信のみを実行することができる。この結果、無線通信システム1が第2のLA通信を実行する場合と比較して、単位時間あたりに移動局41へ伝送されるデータ量であるスループットを高めることができる。
【0156】
また、第1実施形態に係る無線通信システム1によれば、基地局#1は、基地局#1の状態がLA接続状態でないと判定された場合、基地局#1の状態がLA接続状態でないことを表す状態通知(LA未接続状態通知)を中継装置21へ送信する。更に、基地局#1は、この場合、第1のLA通信を実行しないように基地局#1を制御する。加えて、中継装置21は、基地局#1からLA未接続状態通知が受信された場合、第2のLA通信を実行するように中継装置21を制御する。
【0157】
これによれば、基地局#1の状態がLA接続状態でない場合、LA未接続状態通知が基地局#1から中継装置21へ送信される。これにより、中継装置21は、基地局#1が移動局41との間で第1のLA通信を実行不能であることを認識できる。更に、この場合、中継装置21は、第2のLA通信を実行する。
【0158】
従って、例えば、基地局#1による第1のLA通信が実行可能な状態から、基地局#1による第1のLA通信が実行不能な状態へ、無線通信システム1の状態が変化した場合、無線通信システム1は、迅速に第2のLA通信を実行することができる。この結果、無線通信システム1が第2のLA通信を実行しない場合と比較して、スループットを高めることができる。
【0159】
また、第1実施形態に係る無線通信システム1によれば、中継装置21は、第2のLA通信を実行している場合において、基地局#1からLA接続状態通知が受信されたとき、未送達パケットを基地局#1へ転送する。更に、基地局#1は、第1のLA通信を実行することにより、中継装置21から転送された未送達パケットを移動局41へ送信する。
【0160】
これによれば、第2のLA通信を実行している状態から第1のLA通信を実行している状態へ無線通信システム1の状態が切り替わった場合であっても、移動局41へ送信される予定のパケットを確実に移動局41へ送信することができる。
特に、TCPにおける輻輳制御においては、パケットロスが多いと、送信レートが比較的大きく低下させられる。このため、スループットが比較的大きく低下してしまう。これに対し、第1実施形態に係る無線通信システム1によれば、未送達パケットのロスを回避することができるので、より確実にスループットを高めることができる。
【0161】
また、第1実施形態に係る無線通信システム1によれば、中継装置21は、第2のLA通信を実行している場合において、移動局41が宛先として設定されたパケットを受信したとき、確認応答を、当該パケットに設定された送信元へ送信する。更に、基地局#1は、未送達パケットをフラグ情報とともに移動局41へ送信する。加えて、移動局41は、パケットが第1のLA通信によって受信され且つ当該パケットとともにフラグ情報が受信された場合、及び、パケットが第2のLA通信によって受信された場合、確認応答を外部へ送信しない。更に、移動局41は、パケットが第1のLA通信によって受信され且つ当該パケットとともにフラグ情報が受信されなかった場合、確認応答を当該パケットに設定された送信元へ送信する。
【0162】
これによれば、無線通信システム1は、パケットに設定された送信元へ確認応答を迅速に送信することができる。この結果、送信元と中継装置21との間のスループットが無駄に低下することを回避できる。
更に、中継装置21によって既に確認応答が送信されたパケットに対して、移動局41が確認応答を送信することを回避できる。これにより、移動局41と基地局#1との間の無線通信路の通信帯域が無駄に減少することを回避できる。
【0163】
また、第1実施形態に係る無線通信システム1によれば、中継装置21は、中継装置21と移動局41とを接続する複数の通信路のそれぞれとして、所定の通信プロトコルに従って確立されたコネクションを用いることにより第2のLA通信を実行する。更に、中継装置21は、第2のLA通信を実行している場合において、基地局#1からLA接続状態通知が受信されたとき、確立されたコネクションを解放する。
【0164】
これによれば、第2のLA通信を実行している状態から第1のLA通信を実行している状態へ無線通信システム1の状態が切り替わった場合に、コネクションが確立された状態が無駄に継続することを回避できる。
【0165】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る無線通信システムについて説明する。第2実施形態に係る無線通信システムは、第1実施形態に係る無線通信システムに対して、基地局が第1のLA通信を実行している場合において、基地局の状態がLA接続状態でないと判定されたとき、未送達パケットを中継装置へ転送する点において相違している。以下、かかる相違点を中心として説明する。なお、第2実施形態の説明において、上記第1実施形態にて使用した符号と同じ符号を付したものは、同一又は略同様のものである。
【0166】
(機能)
図18に示したように、第2実施形態に係る基地局#1の機能は、通信処理部3104に代えて、通信処理部(第1の転送手段)3104Aを含む。
通信処理部3104Aは、通信処理部3104と同様の機能を有する。更に、通信処理部3104Aは、バッファ管理部3104bを含む。
【0167】
バッファ管理部3104bは、第1のLA通信によって伝送されるパケットを一時的に記憶する、第3のバッファ及び第4のバッファを管理する。第3のバッファは、第1の無線通信によって伝送されるパケットを一時的に記憶する。同様に、第4のバッファは、第2の無線通信によって伝送されるパケットを一時的に記憶する。第3のバッファ及び第4のバッファは、記憶装置312により構成される。
【0168】
バッファ管理部3104bは、第3のバッファに記憶されているパケットを第1の無線通信装置313へ出力する。同様に、バッファ管理部3104bは、第4のバッファに記憶されているパケットを第2の無線通信装置314へ出力する。
【0169】
バッファ管理部3104bは、出力されたパケットのうちの、移動局41によって正しく受信されたパケットを第3のバッファ及び第4のバッファから削除(消去)する。本例では、バッファ管理部3104bは、移動局41からサーバ装置11へ送信された確認応答を受信することにより、パケットが移動局41によって正しく受信されたことを認識する。なお、バッファ管理部3104bは、第1の無線通信装置313又は第2の無線通信装置314へ出力されたパケットのすべてが、移動局41によって正しく受信されたと認識してもよい。
【0170】
通信処理部3104Aは、第1のLA通信状態において、基地局#1の状態がLA接続状態でないと判定された場合、未送達パケットを中継装置21へ転送(送信)する。未送達パケットは、サーバ装置11から受信されたパケットのうちの、移動局41が宛先として設定され且つ第3のバッファ及び第4のバッファに記憶されているパケットである。即ち、未送達パケットは、移動局41によって未だ正しく受信されておらず且つ移動局41へ送信するために保持されているパケットである、と言える。
【0171】
図19に示したように、第2実施形態に係る中継装置21の機能は、通信処理部2103に代えて、通信処理部(第2の通信手段)2103Aを含む。通信処理部2103Aは、透過型プロキシ部2103dに代えて、透過型プロキシ部(第2の送信手段)2103dAを含む点を除いて、通信処理部2103と同様の機能を有する。
更に、通信処理部2103Aは、基地局#1により転送された未送達パケットが受信された場合、第2のLA通信を実行することにより、未送達パケットを移動局41へ送信する。
【0172】
透過型プロキシ部2103dAは、透過型プロキシ部2103dと同様の機能を有する。更に、透過型プロキシ部2103dAは、基地局#1から未送達パケットとしてのパケットが受信された場合、確認応答を、当該パケットに設定された送信元(例えば、サーバ装置11)へ送信する。確認応答は、上記パケットが移動局41によって正しく受信されたことを表す情報である。本例では、透過型プロキシ部2103dAは、確認応答として、ACK信号を送信する。このACK信号は、パケットの宛先として設定された移動局41に代わって、中継装置21によって送信されるため、疑似ACK信号とも呼ばれる。
【0173】
(作動)
次に、第2実施形態に係る無線通信システム1の作動について、
図20及び
図21を参照しながら説明する。
第2実施形態に係る基地局#1は、
図13に示した接続判定処理に代えて、
図21にフローチャートにより示した接続判定処理を実行する。
図21に示した接続判定処理は、
図13に示した接続判定処理に、ステップS701の処理をステップS205とステップS206との間に追加した処理である。
【0174】
第2実施形態に係る無線通信システム1は、
図12に示した処理を、第1実施形態に係る無線通信システム1と同様に実行する。その後、中継装置21は、サーバ装置11からパケット(DATA#5)を受信する(
図20のステップS141)。この時点では、中継装置21の通信状態は、第1のLA通信用中継状態に設定されている。従って、中継装置21は、受信されたパケット(DATA#5)を基地局#1へ送信する(
図20のステップS142)。
【0175】
この時点にて、基地局#1がパケット(DATA#5)を移動局41へ送信する前に、移動局41が、第1のセル及び第2のセルのいずれにも含まれず、且つ、第3のセル及び第4のセルの両方に含まれる位置に配置された場合を想定する。
【0176】
この場合、移動局41と基地局#1との間の接続#1は切断される(
図20のステップS143)。同様に、移動局41と基地局#1との間の接続#2は切断される(
図20のステップS144)。
一方、移動局41は、第1の無線通信方式に従った第1の無線通信を実行可能に基地局#2に接続される。同様に、移動局41は、第2の無線通信方式に従った第2の無線通信を実行可能に基地局#3に接続される。
【0177】
この時点では、基地局#1は、
図21のステップS201に進んだとき、「No」と判定し、基地局#1の状態が、LA接続状態からLA未接続状態へ変化したか否かを判定する(
図21のステップS204)。上記仮定に従えば、基地局#1は、「Yes」と判定し、LA未接続状態通知を中継装置21へ送信する(
図21のステップS205、
図20のステップS145)。
【0178】
この時点では、未送達パケットが存在する。即ち、第3のバッファ又は第4のバッファが、移動局41が宛先として設定されたパケット(DATA#5)を記憶している。このパケットは、ACK信号(確認応答)が移動局41から未だ受信されず且つ移動局41へ送信するために保持されているパケット(即ち、未送達パケット)である。従って、基地局#1は、未送達パケット(DATA#5)を中継装置21へ送信(転送)する(
図21のステップS701、
図20のステップS146)。
【0179】
これにより、中継装置21は、基地局#1からパケット(DATA#5)を受信する。従って、中継装置21が
図15のステップS401に進んだとき、「Yes」と判定し、中継装置21の通信状態が第2のLA通信状態に設定されているか否かを判定する(
図15のステップS402)。この時点では、中継装置21の通信状態は、第2のLA通信状態に設定されている。従って、中継装置21は、「Yes」と判定し、ACK信号(ACK#5)を、受信されたパケットに設定された送信元(本例では、サーバ装置11)へ送信する(
図15のステップS403、
図20のステップS147)。
【0180】
その後、無線通信システム1は、
図12のステップS110〜ステップS117と同様に、
図20のステップS148〜ステップS155を実行する。これにより、パケット(DATA#5及びDATA#6)が第2のLA通信によって、中継装置21から移動局41へ送信される。
【0181】
以上、説明したように、第2実施形態に係る無線通信システム1は、第1実施形態に係る無線通信システム1と同様の作用及び効果を奏することができる。
更に、第2実施形態に係る無線通信システム1によれば、基地局#1は、第1のLA通信を実行している場合において、基地局#1の状態がLA接続状態でないと判定されたとき、未送達パケットを中継装置21へ転送する。更に、中継装置21は、第2のLA通信を実行することにより、基地局#1から転送された未送達パケットを移動局41へ送信する。
【0182】
これによれば、第1のLA通信を実行している状態から第2のLA通信を実行している状態へ無線通信システム1の状態が切り替わった場合であっても、移動局41へ送信される予定のパケットを確実に移動局41へ送信することができる。
特に、TCPにおける輻輳制御においては、パケットロスが多いと、送信レートが比較的大きく低下させられる。このため、スループットが比較的大きく低下してしまう。これに対し、第2実施形態に係る無線通信システム1によれば、未送達パケットのロスを回避することができるので、より確実にスループットを高めることができる。
【0183】
また、第2実施形態に係る無線通信システム1によれば、中継装置21は、基地局#1から未送達パケットとしてのパケットが受信された場合、確認応答を、当該パケットに設定された送信元へ送信する。更に、移動局41は、パケットが第1のLA通信によって受信された場合、確認応答を当該パケットに設定された送信元へ送信する。加えて、移動局41は、パケットが第2のLA通信によって受信された場合、確認応答を外部へ送信しない。
【0184】
これによれば、無線通信システム1は、パケットに設定された送信元へ確認応答を迅速に送信することができる。この結果、送信元と中継装置21との間のスループットが無駄に低下することを回避できる。
更に、中継装置21によって既に確認応答が送信されたパケットに対して、移動局41が確認応答を送信することを回避できる。これにより、移動局41と基地局#1との間の無線通信路の通信帯域が無駄に減少することを回避できる。
【0185】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る無線通信システムについて説明する。第3実施形態に係る無線通信システムは、第1実施形態に係る無線通信システムに対して、未送達パケットを第1のサブコネクションを介して移動局へ送信する点において相違している。以下、かかる相違点を中心として説明する。なお、第3実施形態の説明において、上記第1実施形態にて使用した符号と同じ符号を付したものは、同一又は略同様のものである。
【0186】
(機能)
図22に示したように、第3実施形態に係る中継装置21の機能は、通信処理部2103に代えて、通信処理部(第2の通信手段)2103Bを含む。
通信処理部2103Bは、プロトコル処理部2103aに代えてプロトコル処理部2103aBを含む点、及び、バッファ管理部2103bに代えてバッファ管理部(第2の転送手段)2103bBを含む点を除いて、通信処理部2103と同様の機能を有する。
【0187】
プロトコル処理部2103aBは、第2のLA通信状態において、中継装置21と移動局41とを接続する第1の通信路にて、上記通信プロトコルに従ったコネクション(第1のサブコネクション)を第1のLA通信路として確立する。同様に、プロトコル処理部2103aBは、第2のLA通信状態において、中継装置21と移動局41とを接続する第2の通信路にて、上記通信プロトコルに従ったコネクション(第2のサブコネクション)を第2のLA通信路として確立する。なお、第1のサブコネクションは、サブコネクション#1−1とも表記される。また、第2のサブコネクションは、サブコネクション#1−2とも表記される。
【0188】
本例では、上述したように、第1の無線通信方式は、LTEである。LTEにおいて確立されるコネクションは、基地局がハンドオーバを行なうことにより、コネクションが有する経路が変化した場合であっても、移動局41に割り当てられるIPアドレスを維持可能なアドレス維持コネクションである。IPは、Internet Protocolの略記である。従って、本例では、第1のサブコネクションは、アドレス維持コネクションである。なお、第1の無線通信方式は、アドレス維持コネクションを確立可能な他の無線通信方式であってもよい。
【0189】
更に、プロトコル処理部2103aBは、第2のLA通信状態において、基地局#1からLA接続状態通知が受信された場合、確立されているサブコネクションのうちの、アドレス維持コネクション以外のサブコネクションを解放する。即ち、本例では、この場合、プロトコル処理部2103aBは、第2のサブコネクションのみを解放する。
【0190】
バッファ管理部2103bBは、未送達パケットを基地局#1へ送信することに代えて、未送達パケットを第1のサブコネクションを介して移動局41へ送信する点を除いて、バッファ管理部2103bと同様の機能を有する。具体的には、バッファ管理部2103bBは、第2のLA通信状態において、基地局#1からLA接続状態通知が受信された場合、未送達パケットを第1のバッファに記憶させる。
【0191】
これにより、バッファ管理部2103bBは、第1のバッファに記憶されているパケットを第1のサブコネクションにて送信する。即ち、バッファ管理部2103bBは、未送達パケットを第1のサブコネクション(アドレス維持コネクション)を介して移動局41へ送信する。未送達パケットは、サーバ装置11から受信されたパケットのうちの、移動局41が宛先として設定され且つ第1のバッファ及び第2のバッファに記憶されているパケットである。
【0192】
(作動)
次に、第3実施形態に係る無線通信システム1の作動について、
図23及び
図24を参照しながら説明する。
第3実施形態に係る中継装置21は、
図14に示した通信状態制御処理に代えて、
図24にフローチャートにより示した通信状態制御処理を実行する。
図24に示した通信状態制御処理は、
図14に示した通信状態制御処理のステップS304〜ステップS305の処理を、ステップS801〜ステップS802の処理に置換した処理である。
第3実施形態に係る無線通信システム1は、
図23のステップS101〜ステップS122の処理を、第1実施形態に係る無線通信システム1と同様に実行する。
【0193】
この時点では、中継装置21が、
図24のステップS801に進んだとき、未送達パケットが存在する。即ち、第1のバッファ又は第2のバッファが、移動局41が宛先として設定されたパケット(DATA#3)を記憶している。このパケットは、ACK信号(確認応答)が移動局41から未だ受信されず且つ移動局41へ送信するために保持されているパケット(即ち、未送達パケット)である。従って、中継装置21は、サブコネクション#1−1を介して未送達パケット(DATA#3’)を移動局41へ送信(転送)する(
図24のステップS801、
図23のステップS161)。
【0194】
更に、この時点では、サブコネクション#1−1,#1−2が確立されている。従って、中継装置21は、
図24のステップS802に進んだとき、確立されているサブコネクション#1−1,#1−2のうちの、サブコネクション#1−2のみを解放する(
図24のステップS802、
図23のステップS126)。
【0195】
一方、移動局41は、中継装置21から未送達パケット(DATA#3’)を受信する。この時点では、移動局41は、
図16のステップS502に進んだとき、「Yes」と判定し、サブコネクション#1−1に対するACK信号(ACK#3’)を送信する(
図16のステップS503、
図23のステップS162)。具体的には、移動局41は、ACK信号(ACK#3’)を、サブコネクション#1−1に対するヘッダにて設定された送信元(本例では、中継装置21)へサブコネクション#1−1を介して送信する。
【0196】
その後、第3実施形態に係る無線通信システム1は、
図23のステップS127〜ステップS132の処理を、第1実施形態に係る無線通信システム1と同様に実行する。
【0197】
以上、説明したように、第3実施形態に係る無線通信システム1は、第1実施形態に係る無線通信システム1と同様の作用及び効果を奏することができる。
更に、第3実施形態に係る無線通信システム1によれば、中継装置21は、第2のLA通信を実行している場合において、基地局#1からLA接続状態通知が受信されたとき、未送達パケットをアドレス維持コネクションを介して移動局41へ送信する。
【0198】
これによれば、第2のLA通信を実行している状態から第1のLA通信を実行している状態へ無線通信システム1の状態が切り替わった場合であっても、移動局41へ送信される予定のパケットを確実に移動局41へ送信することができる。
特に、TCPにおける輻輳制御においては、パケットロスが多いと、送信レートが比較的大きく低下させられる。このため、スループットが比較的大きく低下してしまう。これに対し、第3実施形態に係る無線通信システム1によれば、未送達パケットのロスを回避することができるので、より確実にスループットを高めることができる。
【0199】
また、第3実施形態に係る無線通信システム1によれば、中継装置21は、第2のLA通信を実行している場合において、移動局41が宛先として設定されたパケットを受信したとき、確認応答を当該パケットに設定された送信元へ送信する。更に、移動局41は、パケットがサブコネクションを介して受信されなかった場合、確認応答を当該パケットに設定された送信元へ送信する。加えて、移動局41は、パケットがサブコネクションを介して受信された場合、確認応答を外部へ送信しない。
【0200】
これによれば、無線通信システム1は、パケットに設定された送信元へ確認応答を迅速に送信することができる。この結果、送信元と中継装置21との間のスループットが無駄に低下することを回避できる。
更に、中継装置によって既に確認応答が送信されたパケットに対して、移動局41が確認応答を送信することを回避できる。これにより、移動局41と基地局#1との間の無線通信路の通信帯域が無駄に減少することを回避できる。
【0201】
また、第3実施形態に係る無線通信システム1によれば、中継装置21は、第2のLA通信を実行している場合に、基地局#1からLA接続状態通知が受信されたとき、サブコネクションのうちの、アドレス維持コネクション以外のサブコネクションを解放する。
【0202】
これによれば、第2のLA通信を実行している状態から第1のLA通信を実行している状態へ無線通信システム1の状態が切り替わった場合に、アドレス維持コネクション以外のサブコネクションが確立された状態が無駄に継続することを回避できる。
【0203】
以上、上記実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成及び詳細に、本願発明の範囲内において当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0204】
また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、上記実施形態の他の変形例として、上述した実施形態及び変形例の任意の組み合わせが採用されてもよい。
【0205】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のように記載され得るが、以下には限られない。
【0206】
(付記1)
移動局と、当該移動局と無線により通信可能に構成された基地局と、当該基地局よりも上位側に配置され且つ当該基地局と通信可能に構成された中継装置と、を備える無線通信システムであって、
前記基地局は、
前記基地局と前記移動局とを接続する複数の無線通信路へパケットを分配することにより当該パケットを伝送する通信である第1のLA(Link Aggregation)通信を実行する第1の通信手段と、
前記基地局の状態が、前記第1のLA通信を実行可能に前記移動局と接続されているLA接続状態であるか否かを判定する第1の判定手段と、
前記基地局の状態が前記LA接続状態であるか否かを表す状態通知を前記中継装置へ送信する第1の送信手段と、
前記基地局の状態が前記LA接続状態であるか否かに基づいて前記第1のLA通信を実行するように前記第1の通信手段を制御する第1の制御手段と、
を備え、
前記中継装置は、
前記中継装置と前記移動局とを接続する複数の通信路へパケットを分配することにより当該パケットを伝送する通信である第2のLA通信を実行する第2の通信手段と、
前記基地局から前記状態通知を受信する第2の受信手段と、
前記状態通知に基づいて前記第2のLA通信を実行するように前記第2の通信手段を制御する第2の制御手段と、
を備える、無線通信システム。
【0207】
(付記2)
付記1に記載の無線通信システムであって、
前記第1の送信手段は、前記基地局の状態が前記LA接続状態であると判定された場合、当該基地局の状態が当該LA接続状態であることを表す前記状態通知を前記中継装置へ送信し、
前記第1の制御手段は、前記基地局の状態が前記LA接続状態であると判定された場合、前記第1のLA通信を実行するように前記第1の通信手段を制御し、
前記第2の制御手段は、前記基地局の状態が前記LA接続状態であることを前記状態通知が示す場合、前記第2のLA通信を実行しないように前記第2の通信手段を制御する、無線通信システム。
【0208】
(付記3)
付記1又は付記2に記載の無線通信システムであって、
前記第1の送信手段は、前記基地局の状態が前記LA接続状態でないと判定された場合、当該基地局の状態が当該LA接続状態でないことを表す前記状態通知を前記中継装置へ送信し、
前記第1の制御手段は、前記基地局の状態が前記LA接続状態でないと判定された場合、前記第1のLA通信を実行しないように前記第1の通信手段を制御し、
前記第2の制御手段は、前記基地局の状態が前記LA接続状態でないことを前記状態通知が示す場合、前記第2のLA通信を実行するように前記第2の通信手段を制御する、無線通信システム。
【0209】
(付記4)
付記1乃至付記3のいずれか一項に記載の無線通信システムであって、
前記中継装置は、
前記第2のLA通信を実行している場合において、前記基地局の状態が前記LA接続状態であることを示す前記状態通知が受信されたとき、前記移動局によって未だ正しく受信されておらず且つ当該移動局へ送信するために保持されている未送達パケットを前記基地局へ転送する第2の転送手段を備え、
前記第1の通信手段は、
前記第1のLA通信を実行することにより、前記中継装置から転送された前記未送達パケットを前記移動局へ送信する、無線通信システム。
【0210】
(付記5)
付記4に記載の無線通信システムであって、
前記中継装置は、
前記第2のLA通信を実行している場合において、前記移動局が宛先として設定されたパケットを受信したとき、当該パケットが前記移動局によって正しく受信されたことを表す確認応答を、当該パケットに設定された送信元へ送信する第2の送信手段を備え、
前記第1の通信手段は、
前記未送達パケットを、パケットに対する確認応答が既に送信されていることを表すフラグ情報とともに前記移動局へ送信し、
前記移動局は、
前記パケットが前記第1のLA通信によって受信され且つ当該パケットとともに前記フラグ情報が受信された場合、及び、前記パケットが前記第2のLA通信によって受信された場合、当該パケットが前記移動局によって正しく受信されたことを表す確認応答を外部へ送信せず、前記パケットが前記第1のLA通信によって受信され且つ当該パケットとともに前記フラグ情報が受信されなかった場合、当該確認応答を当該パケットに設定された送信元へ送信する第3の送信手段を備える、無線通信システム。
【0211】
(付記6)
付記4又は付記5に記載の無線通信システムであって、
前記第2の通信手段は、
前記中継装置と前記移動局とを接続する前記複数の通信路のそれぞれとして、所定の通信プロトコルに従ったコネクションを確立し、当該確立されたコネクションを用いることにより前記第2のLA通信を実行し、
前記第2のLA通信を実行している場合において、前記基地局の状態が前記LA接続状態であることを示す前記状態通知が受信されたとき、前記確立されたコネクションを解放する、無線通信システム。
【0212】
(付記7)
付記1乃至付記3のいずれか一項に記載の無線通信システムであって、
前記第2の通信手段は、
前記中継装置と前記移動局とを接続する前記複数の通信路のそれぞれとして、所定の通信プロトコルに従ったコネクションを確立し、当該確立されたコネクションを用いることにより前記第2のLA通信を実行し、
前記確立された複数のコネクションの少なくとも1つは、当該コネクションが有する経路が変化した場合であっても、前記移動局に割り当てられるIP(Internet Protocol)アドレスを維持可能なアドレス維持コネクションであり、
前記第2の転送手段は、
前記第2のLA通信を実行している場合において、前記基地局の状態が前記LA接続状態であることを示す前記状態通知が受信されたとき、前記移動局によって未だ正しく受信されておらず且つ当該移動局へ送信するために保持されている未送達パケットを、前記アドレス維持コネクションを介して前記移動局へ送信する、無線通信システム。
【0213】
(付記8)
付記7に記載の無線通信システムであって、
前記中継装置は、
前記第2のLA通信を実行している場合において、前記移動局が宛先として設定されたパケットを受信したとき、当該パケットが前記移動局によって正しく受信されたことを表す確認応答を、当該パケットに設定された送信元へ送信する第2の送信手段を備え、
前記移動局は、
前記パケットが前記コネクションを介して受信されなかった場合、当該パケットが前記移動局によって正しく受信されたことを表す確認応答を当該パケットに設定された送信元へ送信し、前記パケットが前記コネクションを介して受信された場合、当該確認応答を外部へ送信しない第3の送信手段を備える、無線通信システム。
【0214】
(付記9)
付記7又は付記8に記載の無線通信システムであって、
前記第2の通信手段は、
前記第2のLA通信を実行している場合において、前記基地局の状態が前記LA接続状態であることを示す前記状態通知が受信されたとき、前記コネクションのうちの、前記アドレス維持コネクション以外のコネクションを解放する、無線通信システム。
【0215】
(付記10)
付記1乃至付記9のいずれか一項に記載の無線通信システムであって、
前記基地局は、
前記第1のLA通信を実行している場合において、前記基地局の状態が前記LA接続状態でないと判定されたとき、前記移動局によって未だ正しく受信されておらず且つ当該移動局へ送信するために保持されている未送達パケットを前記中継装置へ転送する第1の転送手段を備え、
前記第2の通信手段は、
前記第2のLA通信を実行することにより、前記基地局から転送された前記未送達パケットを前記移動局へ送信する、無線通信システム。
【0216】
(付記11)
付記10に記載の無線通信システムであって、
前記中継装置は、
前記基地局から前記未送達パケットとしてのパケットが受信された場合、及び、前記第2のLA通信を実行しており且つ前記移動局が宛先として設定されたパケットを受信した場合、当該パケットが当該移動局によって正しく受信されたことを表す確認応答を、当該パケットに設定された送信元へ送信する第2の送信手段を備え、
前記移動局は、
前記パケットが前記第1のLA通信によって受信された場合、前記確認応答を当該パケットに設定された送信元へ送信し、前記パケットが前記第2のLA通信によって受信された場合、当該確認応答を外部へ送信しない第3の送信手段を備える、無線通信システム。
【0217】
(付記12)
移動局と、当該移動局と無線により通信可能に構成された基地局と、当該基地局よりも上位側に配置され且つ当該基地局と通信可能に構成された中継装置と、を備える無線通信システムに適用される無線通信方法であって、
前記基地局が、
前記基地局の状態が、当該基地局と前記移動局とを接続する複数の無線通信路へパケットを分配することにより当該パケットを伝送する通信である第1のLA(Link Aggregation)通信を実行可能に当該移動局と接続されているLA接続状態であるか否かを判定し、
前記基地局の状態が前記LA接続状態であるか否かを表す状態通知を前記中継装置へ送信し、
前記基地局の状態が前記LA接続状態であるか否かに基づいて前記第1のLA通信を実行するように当該基地局を制御し、
前記中継装置が、
前記基地局から前記状態通知を受信し、
前記状態通知に基づいて、前記中継装置と前記移動局とを接続する複数の通信路へパケットを分配することにより当該パケットを伝送する通信である第2のLA通信を実行するように前記中継装置を制御する、
無線通信方法。
【0218】
(付記13)
付記12に記載の無線通信方法であって、
前記基地局が、
前記基地局の状態が前記LA接続状態であると判定された場合、当該基地局の状態が当該LA接続状態であることを表す前記状態通知を前記中継装置へ送信し、
前記基地局の状態が前記LA接続状態であると判定された場合、前記第1のLA通信を実行するように当該基地局を制御し、
前記中継装置が、
前記基地局の状態が前記LA接続状態であることを前記状態通知が示す場合、前記第2のLA通信を実行しないように前記中継装置を制御する、無線通信方法。
【0219】
(付記14)
付記12又は付記13に記載の無線通信方法であって、
前記基地局が、
前記基地局の状態が前記LA接続状態でないと判定された場合、当該基地局の状態が当該LA接続状態でないことを表す前記状態通知を前記中継装置へ送信し、
前記基地局の状態が前記LA接続状態でないと判定された場合、前記第1のLA通信を実行しないように前記基地局を制御し、
前記中継装置が、
前記基地局の状態が前記LA接続状態でないことを前記状態通知が示す場合、前記第2のLA通信を実行するように前記中継装置を制御する、無線通信方法。
【0220】
(付記15)
移動局と、当該移動局と無線により通信可能に構成された基地局と、当該基地局よりも上位側に配置され且つ当該基地局と通信可能に構成された中継装置と、を備える無線通信システムの前記基地局であって、
前記基地局と前記移動局とを接続する複数の無線通信路へパケットを分配することにより当該パケットを伝送する通信である第1のLA(Link Aggregation)通信を実行する第1の通信手段と、
前記基地局の状態が、前記第1のLA通信を実行可能に前記移動局と接続されているLA接続状態であるか否かを判定する第1の判定手段と、
前記基地局の状態が前記LA接続状態であるか否かを表す状態通知を前記中継装置へ送信する第1の送信手段と、
前記基地局の状態が前記LA接続状態であるか否かに基づいて前記第1のLA通信を実行するように前記第1の通信手段を制御する第1の制御手段と、
を備える、基地局。
【0221】
(付記16)
付記15に記載の基地局であって、
前記第1の送信手段は、前記基地局の状態が前記LA接続状態であると判定された場合、当該基地局の状態が当該LA接続状態であることを表す前記状態通知を前記中継装置へ送信し、
前記第1の制御手段は、前記基地局の状態が前記LA接続状態であると判定された場合、前記第1のLA通信を実行するように前記第1の通信手段を制御する、基地局。
【0222】
(付記17)
付記15又は付記16に記載の基地局であって、
前記第1の送信手段は、前記基地局の状態が前記LA接続状態でないと判定された場合、当該基地局の状態が当該LA接続状態でないことを表す前記状態通知を前記中継装置へ送信し、
前記第1の制御手段は、前記基地局の状態が前記LA接続状態でないと判定された場合、前記第1のLA通信を実行しないように前記第1の通信手段を制御する、基地局。
【0223】
(付記18)
移動局と、当該移動局と無線により通信可能に構成された基地局と、当該基地局よりも上位側に配置され且つ当該基地局と通信可能に構成された中継装置と、を備える無線通信システムの前記中継装置であって、
前記中継装置と前記移動局とを接続する複数の通信路へパケットを分配することにより当該パケットを伝送する通信である第2のLA通信を実行する第2の通信手段と、
前記基地局の状態が、当該基地局と前記移動局とを接続する複数の無線通信路へパケットを分配することにより当該パケットを伝送する通信である第1のLA(Link Aggregation)通信を実行可能に当該基地局と当該移動局とが接続されているLA接続状態であるか否かを表す状態通知を当該基地局から受信する第2の受信手段と、
前記状態通知に基づいて前記第2のLA通信を実行するように前記第2の通信手段を制御する第2の制御手段と、
を備える、中継装置。
【0224】
(付記19)
付記18に記載の中継装置であって、
前記第2の制御手段は、前記基地局の状態が前記LA接続状態であることを前記状態通知が示す場合、前記第2のLA通信を実行しないように前記第2の通信手段を制御する、中継装置。
【0225】
(付記20)
付記18又は付記19に記載の中継装置であって、
前記第2の制御手段は、前記基地局の状態が前記LA接続状態でないことを前記状態通知が示す場合、前記第2のLA通信を実行するように前記第2の通信手段を制御する、中継装置。
【0226】
(付記21)
移動局と、当該移動局と無線により通信可能に構成された基地局と、当該基地局よりも上位側に配置され且つ当該基地局と通信可能に構成された中継装置と、を備える無線通信システムの前記移動局であって、
前記基地局と前記移動局とを接続する複数の無線通信路へパケットを分配することにより当該パケットを伝送する通信である第1のLA(Link Aggregation)通信によって当該パケットが受信され且つ当該パケットとともに当該パケットに対する確認応答が既に送信されていることを表すフラグ情報が受信された場合、及び、前記中継装置と前記移動局とを接続する複数の通信路へパケットを分配することにより当該パケットを伝送する通信である第2のLA通信によって前記パケットが受信された場合、当該パケットが前記移動局によって正しく受信されたことを表す確認応答を外部へ送信せず、前記パケットが前記第1のLA通信によって受信され且つ当該パケットとともに前記フラグ情報が受信されなかった場合、当該確認応答を当該パケットに設定された送信元へ送信する第3の送信手段を備える、移動局。