(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1熱交換手段および前記第2熱交換手段それぞれは、少なくとも一部が互いの対向方向から見たときに前記燃料電池と重合し、且つ、前記対向方向に直交する方向から見たときに前記燃料電池と非重合となるように配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池装置。
前記燃料改質器の内部における前記燃料ガスの流路は、前記燃料改質器における前記燃料電池に対向する対向面の温度分布が均一となるように、燃料ガス流れ上流側と下流側とが隣り合うように設定されている請求項1ないし5のいずれか1つに記載の燃料電池装置。
前記酸化剤ガス予熱器に流入する前の前記酸化剤ガスと前記燃料電池から排出された未反応ガスを燃焼させた際に生ずる燃焼ガスと熱交換させることで、前記酸化剤ガス予熱器に流入する前の前記酸化剤ガスを加熱する予熱器(33)を備え、
前記酸化剤ガス予熱器は、前記予熱器にて昇温した前記酸化剤ガスを、前記予熱器を流通する前記燃焼ガスよりも高温の前記燃焼ガスと熱交換させる高温の予熱器であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の燃料電池装置。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
【0023】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態について説明する。本実施形態では、
図1に示す燃料電池システムに本発明の燃料電池装置1を適用している。
【0024】
本実施形態の燃料電池装置1は、断熱性を有するハウジング2、ハウジング2の内部に収容された燃料電池10、後述する第2空気予熱器34および燃料改質器44にて構成されている。なお、燃料電池装置1の内部における具体的な配置形態については後述する。
【0025】
燃料電池10は、燃料ガスと酸化剤ガス(本実施形態では空気)との電気化学反応により電気エネルギを出力する平板型の発電セル10aを複数積層した積層体(スタック構造)で構成されている。
【0026】
また、燃料電池10は、
図2に示すように、外部に露出する面として、発電セル10aの積層方向に沿って延びる4つの積層面10b、および発電セル10aの積層方向の両端部に形成される一対の積層端面10c、10dを有している。なお、一対の積層端面10c、10dは、燃料電池10における発電セル10aの積層方向に直交する方向に延びる端面である。
【0027】
本実施形態の燃料電池10は、作動温度が高温(例えば、500℃〜1000℃)となる固体酸化物型燃料電池(SOFC)で構成されている。なお、説明の便宜上、
図1では、燃料電池10を単一の発電セル10aとして図示している。
【0028】
本実施形態の発電セル10aは、固体電解質体11、空気極(カソード)12、燃料極(アノード)13、燃料ガスおよび酸化剤ガスの流路が形成されたセパレータ14、15で構成されている。なお、本実施形態の発電セル10aは、炭化水素系の原料であるメタンガス(CH4)を改質した改質ガス(H2、CO)を燃料としている。
【0029】
セパレータ14、15は、各発電セル10aを電気的に接続すると共に、燃料ガスおよび酸化剤ガスといった反応ガスを各発電セル10aへ供給する機能を有する。なお、セパレータ14、15には、燃料ガスを各発電セル10aへ供給する燃料ガス通路(図示略)、および空気を空気極12および燃料極13へ供給する空気通路(図示略)が形成されている。
【0030】
本実施形態の燃料電池10は、発電セル10aの外周部にガス漏れ防止シール(図示略)が設けられたシール構造となっており、各発電セル10aからのオフガスが、図示しないマニホールドを介して、後述する空気排出経路6a、燃料排出経路6bに排出される。
【0031】
各発電セル10aでは、以下の反応式F1、F2に示す水素および酸素の電気化学反応により、電気エネルギが出力される。
(燃料極)2H
2+2O
2−→2H
2O+4e
−…F1
(空気極)O
2+4e
−→2O
2−…F2
また、各発電セル10aでは、以下の反応式F3、F4に示す一酸化炭素(CO)および酸素の電気化学反応により、電気エネルギが出力される。
(燃料極)2CO+2O
2−→2CO
2+4e
−…F3
(空気極)O
2+4e
−→2O
2−…F4
なお、図示しないが燃料電池10のセル積層方向の両端には、各発電セル10aから出力される電流を集電する集電板が設けられており、当該集電板にて集電された電流が、バスバー等を介して外部へ引き出される。
【0032】
燃料電池10の空気の入口側には、空気の供給経路である空気供給経路3が接続されている。この空気供給経路3には、空気流れ上流側から順に、塵や埃等を除去する空気フィルタ31、燃料電池10へと空気を圧送する空気用ブロワ32、第1空気予熱器33、および第2空気予熱器34が設けられている。
【0033】
各空気予熱器33、34それぞれは、燃料電池10の空気極12に供給する空気と燃料極13に供給する高温の燃料ガスとの温度差を縮小して、各発電セル10aにおける発電効率の向上を図るために設けられている。
【0034】
第1空気予熱器33は、空気用ブロワ32から圧送された空気を、後述するオフガス燃焼器61で生成した燃焼ガスと熱交換させて加熱するものである。第1空気予熱器33では、空気用ブロワ32から圧送された空気と、発電時における燃料電池10の温度(例えば、700℃〜800℃)よりも低い温度の燃焼ガスとを熱交換させる低温の予熱器である。本実施形態の第1空気予熱器33は、その内部における空気が、後述する燃料改質器44に流入する燃料ガスと同等の温度に昇温するように構成されている。これにより、第1空気予熱器33の空気流れ下流側の第2空気予熱器34には、燃料改質器44に流入する燃料ガスと同等の温度の空気が流入する。
【0035】
第2空気予熱器34は、第1空気予熱器33にて昇温した空気を、第1空気予熱器33を流通する燃焼ガスよりも高温の燃焼ガスと熱交換させる高温の予熱器(酸化剤ガス予熱器)である。
【0036】
本実施形態の第2空気予熱器34は、燃料電池10と共にハウジング2の内部に収容されており、燃料電池10の発電時に生ずる放射熱を吸熱して、内部を流通する空気を加熱する放射熱型の熱交換器で構成されている。本実施形態では、第2空気予熱器34が、第1空気予熱器33にて昇温した空気を第2流体として、燃料電池10の発電時に生ずる放射熱と熱交換させる第2熱交換手段を構成している。なお、第2空気予熱器34には、発電時における燃料電池10の温度よりも低い空気が流入する。
【0037】
ここで、第2空気予熱器34では、内部における空気流れ上流側の部位が低温、空気流れ下流側の部位が高温となる傾向があり、燃料電池10に対向する対向面に温度分布が生じ易い。
【0038】
このため、第2空気予熱器34の内部における空気の流路は、燃料電池10に対向する対向面の温度分布が均一となるように、空気流れ上流側と下流側とが隣り合うように設定することが望ましい。
【0039】
一方、燃料電池10の燃料ガスの入口側には、燃料ガスの供給経路である燃料供給経路4が接続されている。この燃料供給経路4には、燃料ガス流れ上流側から順に、燃料ガスに含まれる硫黄成分を除去する脱硫器41、燃料電池10へと燃料ガスを圧送する燃料用ブロワ42、燃料予熱器43、燃料改質器44が設けられている。
【0040】
燃料予熱器43は、燃料用ブロワ42から圧送された燃料ガスを後述するオフガス燃焼器61で生成した燃焼ガスと熱交換させて加熱するものである。この燃料予熱器43は、水供給経路5にも接続されており、純水器51を介して水ポンプ52から供給される水を燃焼ガスと熱交換させて蒸発させる水蒸気生成器としての機能も果たしている。なお、燃料予熱器43では、燃料用ブロワ42から圧送された燃料ガスと燃料電池10よりも低い温度の燃焼ガスとを熱交換させる低温の予熱器である。
【0041】
燃料改質器44は、燃料予熱器43にて加熱された燃料ガス、および水蒸気を混合した混合ガスを燃焼ガスと熱交換させて加熱すると共に、水蒸気改質により水素および一酸化炭素を含む燃料ガスを生成する燃料ガス生成器である。
【0042】
本実施形態の燃料改質器44は、燃料電池10や第2空気予熱器34と共にハウジング2の内部に収容されており、燃料電池10の発電時に生ずる放射熱を吸熱して、内部を流通する燃料ガスを加熱する放射熱型の熱交換器で構成されている。本実施形態では、燃料改質器44が、燃料予熱器43にて昇温した燃料ガスを第1流体として、燃料電池10の発電時に生ずる放射熱と熱交換させる第1熱交換手段を構成している。なお、燃料改質器44には、発電時における燃料電池10の温度(例えば、700℃〜800℃)よりも低い燃料ガスが流入する。
【0043】
ここで、水蒸気改質は、吸熱反応であり、本実施形態の如く、燃料電池10の発電時に生ずる放射熱を吸熱可能な高温の条件下で行うことで、より高転化率の改質反応を実現することができる。但し、燃料電池10の起動時等には、燃料改質器44にて部分酸化改質を行うようにしてもよい。
【0044】
また、燃料改質器44では、内部における燃料ガス流れ上流側の部位が低温、燃料ガス流れ下流側の部位が高温となる傾向があり、燃料電池10に対向する対向面に温度分布が生じ易い。
【0045】
このため、燃料改質器44の内部における燃料ガスの流路は、燃料電池10に対向する対向面の温度分布が均一となるように、燃料ガス流れ上流側と下流側とが隣り合うように設定することが望ましい。
【0046】
なお、図示しないが、空気供給経路3および燃料供給経路4それぞれには、燃料電池10に供給する燃料ガスの供給量を調整する調整弁や、燃料電池10に供給する空気の供給量を調整する調整弁等が設けられている。
【0047】
燃料電池10の空気の出口側には、燃料電池10からの排出空気(酸化剤ガスのオフガス)が流れる空気排出経路6aが接続され、燃料電池10の燃料ガスの出口側には、排出燃料(燃料ガスのオフガス)が流れる燃料排出経路6bが接続されている。各排出経路6a、6bは、オフガス燃焼器61に接続されている。
【0048】
オフガス燃焼器61は、排出燃料と排出空気とを混合して燃焼させることで、燃料電池10に供給する空気や燃料ガスの予熱等の熱源として利用される高温(例えば、900℃〜1000℃)の燃焼ガスを生成する燃焼器である。なお、燃料電池10から排出される排出燃料および排出空気には、発電に利用されなかった未反応ガスが含まれている。このため、当該未反応ガスを有効活用するために、オフガス燃焼器が設けられている。
【0049】
このオフガス燃焼器61には、高温の燃焼ガスを排出する燃焼ガス経路6が接続されている。この燃焼ガス経路6は、内部を流れる燃焼ガスの熱を有効利用すべく、上流側から順に燃料改質器44、第2空気予熱器34、燃料予熱器43、第1空気予熱器33といった機器に接続されている。なお、図示しないが、燃焼ガス経路6における第1空気予熱器33の下流側には、給湯水を加熱する熱交換器を設けられており、燃料ガスが有する熱にて、給湯水等を加熱するようになっている。
【0050】
続いて、本実施形態の燃料電池装置1の内部における具体的な配置形態について、
図2に示す模式図、
図3に示す模式的な断面図を用いて説明する。
【0051】
図2、
図3に示すように、本実施形態の燃料電池10は、直方体型のスタック構造であり、天地方向が発電セル10aの積層方向と一致するように、ハウジング2の中央部に配置されている。この点については、以降の実施形態においても同様である。
【0052】
また、本実施形態の燃料電池10は、内部に空気を導入する空気導入部14aが第2空気予熱器34の空気出口部34bに接続され、内部から空気を排出する空気排出部14bが空気排出経路6aに接続されている。また、燃料電池10は、内部に燃料ガスを導入する燃料導入部15aが燃料改質器44の燃料出口部44bに接続され、内部から燃料ガスを排出する燃料排出部15bが燃料排出経路6bに接続されている。
【0053】
燃料電池10の空気導入部14aは、第2空気予熱器34に対向する対向面における第2空気予熱器34の空気出口部34bに対応する位置に設けられている。また、燃料電池10の燃料導入部15aは、燃料改質器44に対向する対向面における燃料改質器44の燃料出口部44bに対応する位置に設けられている。なお、本実施形態の燃料電池10は、第2空気予熱器34から導入された空気が、第2空気予熱器34側から燃料改質器44側へ発電部位を流通するように空気流路が設定されている。
【0054】
第2空気予熱器34および燃料改質器44は、各機器34、44間における不必要な熱交換を避けるために、互いに離間して配置されている。また、第2空気予熱器34および燃料改質器44は、一方の熱交換手段と燃料電池10との間に、他方の熱交換手段が介在しないように、燃料電池10の周囲に対向配置されている。換言すれば、本実施形態の第2空気予熱器34は、燃料改質器44と燃料電池10との間に介在しないように、燃料電池10を挟んで燃料改質器44の反対側に配置されている。同様に、本実施形態の燃料改質器44は、第2空気予熱器34と燃料電池10との間に介在しないように、燃料電池10を挟んで第2空気予熱器34の反対側に配置されている。
【0055】
また、第2空気予熱器34および燃料改質器44は、それぞれ燃料電池10との間に、他の熱交換手段が介在せず、燃料電池10からの放射熱を直接的に受熱するように配置されている。なお、他の熱交換手段は、燃料電池10の放射熱を積極的に受熱する熱交換器を想定しており、燃料電池10の放射熱を受熱するものの受熱量が少ない空気供給経路3や燃料供給経路4等の各種配管、燃料電池10に接続される各種配線は含まれない。つまり、各種配管や配線については、各機器34、44と燃料電池10との間に介在していてもよい。
【0056】
本実施形態の第2空気予熱器34および燃料改質器44は、燃料電池10からの充分な熱伝達、および放射熱(輻射熱)が得られるように、燃料電池10における積層面10bに対向する位置に燃料電池10から適切に離間して配置されている。なお、本実施形態の第2空気予熱器34および燃料改質器44それぞれは、燃料電池10からの距離が互いに等しくなるように配置されている。
【0057】
また、本実施形態の第2空気予熱器34および燃料改質器44は、少なくとも一部が、互いの対向方向Xから見たときに燃料電池10と重合し、且つ、対向方向に直交する方向Yから見たときに燃料電池10と非重合となるように配置されている。なお、「重合」とは、重なり合う状態を意味している。また、「非重合」とは、重なり合わない状態を意味している。
【0058】
本実施形態の第2空気予熱器34および燃料改質器44は、燃料電池10に対向する対向面が、燃料電池10の1つの積層面10bの大きさと同等となっている。なお、対向方向Xは、空気予熱器34および燃料改質器44における互いの対向面積が最も大きくなる面に対して直交する方向である。
【0059】
なお、本実施形態の第2空気予熱器34は、空気入口部34aが空気供給経路3に接続され、空気出口部34bが燃料電池10の空気導入部14aに接続されている。また、本実施形態の燃料改質器44は、燃料入口部44aが燃料供給経路4に接続され、燃料出口部44bが燃料電池10の燃料導入部15aに接続されている。
【0060】
次に、上記構成に係る燃料電池システムの作動について説明する。図示しないコントローラからの制御指令により、燃料電池システムの運転が開始されると、空気用ブロワ32、燃料用ブロワ42、水ポンプ52等が作動する。
【0061】
空気供給経路3では、空気用ブロワ32にて圧送された空気が第1空気予熱器33にて所望の温度となるまで加熱された後、さらに第2空気予熱器34にて加熱されて燃料電池10に供給される。
【0062】
一方、燃料供給経路4では、燃料用ブロワ42にて圧送された燃料ガス、および水ポンプ52にて圧送された水が、燃料予熱器43にて所望の温度まで加熱された後、燃料改質器44にてリッチな燃料ガスに改質されて燃料電池10に供給される。
【0063】
燃料電池10は、燃料ガスおよび空気が供給されると、水素および一酸化炭素を燃料として前述の反応式F1〜F4に示す電気化学反応により、電気エネルギを出力する。
【0064】
燃料電池10から排出された各オフガスは、オフガス燃焼器61にて燃焼される。そして、オフガス燃焼器61にて生ずる高温の燃焼ガスは、燃焼ガス経路6を介して燃料改質器44、第2空気予熱器34、燃料予熱器43、第1空気予熱器33の順に流れ、各機器における熱源として利用された後に外部へ排出される。
【0065】
以上説明した本実施形態の燃料電池装置1では、同等の温度の燃料ガスおよび空気が流入する第2空気予熱器34および燃料改質器44を、燃料電池10の周囲に対向配置する構成としている。
【0066】
これによれば、燃料電池10の発電時に生ずる放射熱を第2空気予熱器34および燃料改質器44にて均等に吸熱することができるので、燃料電池10の温度ばらつきを抑制しつつ、燃料電池10における余剰の熱を回収することができる。
【0067】
この際、第2空気予熱器34および燃料改質器44が、互いに離間すると共に、一方の熱交換手段と燃料電池10との間に他方の熱交換手段が介在しない配置構成としているので、第2空気予熱器34を流通する空気および燃料改質器44を流通する燃料ガス同士の不必要な熱交換を抑制することができる。この結果、燃料電池10における余剰の熱を効率よく回収することができる。
【0068】
特に、本実施形態では、第2空気予熱器34および燃料改質器44を互いの対向方向Xに直交する方向Yから見たときに燃料電池と非重合となる配置構成としている。これによれば、各熱交換手段を流通する流体同士の不必要な熱交換を効果的に抑制することができ、燃料電池における余剰の熱をより効率よく回収することができる。
【0069】
また、本実施形態の燃料電池装置1では、比較的作動温度の近い構成機器である第2空気予熱器34および燃料改質器44を燃料電池の周囲に配置する構成としている。これによれば、燃料電池10からの放射熱を燃料ガスの改質、および酸化剤ガスである空気の加熱に有効利用することができる。
【0070】
ここで、本実施形態では、第2空気予熱器34および燃料改質器44それぞれにおける燃料電池10に対向する対向面の大きさが、燃料電池10の1つの積層面10bの大きさと同等となっている例について説明したが、これに限定されない。
【0071】
例えば、
図4に示すように、第2空気予熱器34および燃料改質器44それぞれにおける燃料電池10に対向する対向面を、燃料電池10の1つの積層面10bの大きさよりも大きくすることが望ましい。このことは、以降の実施形態においても同様である。
【0072】
これによれば、燃料電池10における発電セル10aの積層方向の両端部より放射される放射熱についても、第2空気予熱器34および燃料改質器44で充分受けることができる。これにより、燃料電池10における積層面10bからの放射熱の熱流束を均一化させることができ、燃料電池10における温度ばらつきを効果的に抑制することができる。
【0073】
勿論、
図5に示すように、第2空気予熱器34および燃料改質器44それぞれにおける燃料電池10に対向する対向面を、燃料電池10の1つの積層面10bの大きさよりも小さくしてもよい。
【0074】
また、
図6に示すように、第2空気予熱器34および燃料改質器44のうち、一方における燃料電池10に対向する対向面を、燃料電池10の1つの積層面10bの大きさよりも大きくする。さらに、第2空気予熱器34および燃料改質器44のうち、他方における燃料電池10に対向する対向面を、燃料電池10の1つの積層面10bの大きさよりも小さくしてもよい。
【0075】
また、本実施形態では、第2空気予熱器34および燃料改質器44それぞれの外形状を直方体型とする例について説明したが、これに限定されない。第2空気予熱器34および燃料改質器44は、対向方向Xに直交する方向Yから見たときに燃料電池10と非重合となる配置形態であれば、L字型やU字型の外形状としてもよい。
【0076】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態では、第1実施形態に対して、燃料電池装置1における第2空気予熱器34および燃料改質器44の配置形態を変更した例について説明する。本実施形態では、第1実施形態と同様または均等な部分についての説明を省略、または簡略化して説明する。
【0077】
燃料改質器44における水蒸気改質は、吸熱反応であり、燃料改質器44の内部では、改質反応時の吸熱効果によりガス流れ上流側から下流側に至る範囲の温度勾配が小さくなる傾向がある。
【0078】
これに対して、第2空気予熱器34の内部では、燃料改質器44のように水蒸気改質による吸熱効果が生じないことから、燃料改質器44の内部に比べて、ガス流れ上流側から下流側に至る範囲の温度勾配が大きくなり易い傾向がある。
【0079】
このように、第2空気予熱器34内部のガス流路における温度勾配が大きいと、燃料電池10における温度ばらつきを助長する要因となり得ることから、好ましくない。
【0080】
そこで、本実施形態の燃料電池装置1は、
図7の構成図に示すように、第2空気予熱器34と燃料電池10との間の間隔(距離δ1)が、燃料改質器44と燃料電池10との間の間隔(距離δ2)よりも広くなるように、第2空気予熱器34を配置している(δ1>δ2)。
【0081】
その他の構成および作動は、第1実施形態と同様である。本実施形態の燃料電池装置1では、燃料改質器44に比べて内部の温度勾配が大きくなり易い第2空気予熱器34を、燃料改質器44よりも燃料電池10から離間させる構成としている。
【0082】
これによれば、燃料電池10から第2空気予熱器34側への放射熱を拡散させることができる。これにより、第2空気予熱器34内部の温度勾配によって燃料電池10が局所的に冷却されてしまうことを抑制することができ、燃料電池10における温度ばらつきを効果的に抑制することができる。
【0083】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。本実施形態では、第1実施形態に対して、燃料電池10の構造を変更した例について説明する。本実施形態では、第1、第2実施形態と同様または均等な部分についての説明を省略、または簡略化して説明する。
【0084】
本実施形態の燃料電池10は、
図8に示すように、発電セル10aにおける空気排出側の外周部にガス漏れ防止シール(図示略)が設けられていないシールレス構造となっており、各発電セル10aからの排出空気が、燃料電池10の空気排出部(オフガス排出部)14cから自由に放出されるようになっている。
【0085】
また、本実施形態の燃料改質器44は、燃料電池10の空気排出部14cからの排出空気に晒されるように、空気排出部14cに対向する位置に配置されている。なお、第2空気予熱器34は、燃料改質器44と燃料電池10との間に介在しないように、燃料電池10を挟んで燃料改質器44の反対側に配置されている。
【0086】
なお、図示しないが、本実施形態のオフガス燃焼器61には、ハウジング2内の空気が供給されるようになっており、オフガス燃焼器61は、燃料ガスのオフガスとハウジング2内から供給された空気を混合して燃焼させる構成となっている。
【0087】
その他の構成および作動は、第1実施形態と同様である。本実施形態の燃料電池装置1では、燃料改質器44が燃料電池10から排出される高温の排出空気に晒される構成となっている。このため、燃料改質器44にて燃料ガスの改質に必要とされる熱を充分に得ることができ、燃料改質器44における改質反応を促進することができる。
【0088】
また、発電セル10aの空気排出側をシールレス構造としているので、燃料電池10の構造の簡素化を図ることができる。
【0089】
なお、本実施形態では、発電セル10aの空気排出側をシールレス構造とする例について説明したが、これに限定されない。
【0090】
例えば、
図9に示すように、発電セル10aの空気導入側をシールレス構造とし、第2空気予熱器34側の空気出口部34bからの空気を燃料電池10の空気導入部(オフガス導入部)14dから導入する構成としてもよい。
【0091】
また、図示しないが、発電セル10aの燃料ガスの排出側をシールレス構造とし、各発電セル10aからの排出燃料が、燃料電池10の燃料排出部(オフガス排出部)から自由に放出される構成としてもよい。この場合、第2空気予熱器34を、燃料電池10の燃料排出部からの排出燃料に晒されるように、燃料排出部に対向する位置に配置することで、第2空気予熱器34にて空気の加熱に必要とされる熱を充分に得ることができる。勿論、発電セル10aの空気の排出側および燃料ガスの排出側それぞれをシールレス構造としてもよい。
【0092】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。本実施形態では、第1実施形態に対して、第2空気予熱器34および燃料改質器44の形状を変更した例について説明する。本実施形態では、第1実施形態と同様または均等な部分についての説明を省略、または簡略化して説明する。
【0093】
本実施形態では、第2空気予熱器34および燃料改質器44それぞれが、
図10に示すように、燃料電池10の積層面10bの全体を覆うようにU字形状で構成されている。本実施形態の第2空気予熱器34および燃料改質器44は、燃料電池10を挟んで対称となる形状としている。なお、本実施形態の第2空気予熱器34および燃料改質器44は、互いの対向方向Xに直交する方向Yから見たときに燃料電池10に重合するように配置されていることになる。
【0094】
その他の構成および作動は、第1実施形態と同様である。本実施形態の燃料電池装置1では、第2空気予熱器34および燃料改質器44を燃料電池10の積層面10bの全体を覆うU字形状としている。これにより、第2空気予熱器34および燃料改質器44における燃料電池10からの放射熱の受熱面(対向面)を拡大することができるので、燃料電池10における温度ばらつきを効果的に抑制しつつ、燃料電池10における余剰の熱を回収することができる。
【0095】
なお、本実施形態では、第2空気予熱器34および燃料改質器44を、燃料電池10を挟んで対称となる形状とする例について説明したが、これに限定されない。例えば、
図11に示すように、第2空気予熱器34および燃料改質器44を、燃料電池10を挟んで対称となる形状としてもよい。
【0096】
また、本実施形態では、第2空気予熱器34および燃料改質器44をU字形状とする例について説明したが、これに限定されない。例えば、
図11に示すように、第2空気予熱器34および燃料改質器44を、燃料電池10を挟んで非対称となる形状としてもよい。また、第2空気予熱器34および燃料改質器44は、燃料電池10の積層面10bの全体を覆うことが可能であれば、例えば、L字形状としてもよい。
【0097】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態について説明する。本実施形態では、燃料電池装置1内部における燃焼ガス経路6の具体的な配置形態について説明する。本実施形態では、第1実施形態と同様または均等な部分についての説明を省略、または簡略化して説明する。
【0098】
本実施形態では、
図12、
図13に示すように、燃料電池装置1内部における燃焼ガス経路6である第1、第2ガス経路62、63を、第2空気予熱器34および燃料改質器44における燃料電池10に対向する対向面の反対側に熱的に接触するように配置している。なお、「熱的に接触する」とは、伝熱が可能なように部材同士が直接的に接触している状態だけでなく、仮に部材間が離間したとしても、部材間の空間を介して部材同士の伝熱が可能となっている状態を含む意味である。
【0099】
燃焼ガス経路6を構成する第1ガス経路62は、オフガス燃焼器61にて生成された燃焼ガスが流通するガス経路である。具体的には、第1ガス経路62は、燃料改質器44における燃料電池10に対向する対向面の反対側の背面全域に直接的に接触した状態で配置されている。なお、第1ガス経路62は、燃料改質器44との間で伝熱が可能であれば、燃料改質器44の背面から離間した状態で配置されていてもよい。
【0100】
燃焼ガス経路6を構成する第2ガス経路63は、第1ガス経路62を通過した燃焼ガスが流通するガス経路である。具体的には、第2ガス経路63は、第2空気予熱器34における燃料電池10に対向する対向面の反対側の背面全域に直接的に接触した状態で配置されている。なお、第2ガス経路63は、第2空気予熱器34との間で伝熱が可能であれば、第2空気予熱器34の背面から離間した状態で配置されていてもよい。
【0101】
その他の構成および作動は、第1実施形態と同様である。本実施形態の燃料電池装置1では、燃焼ガス経路6を構成する第1、第2ガス経路62、63を、第2空気予熱器34および燃料改質器44における燃料電池10に対向する対向面の反対側に熱的に接触するように配置する構成を採用している。
【0102】
このように、燃焼ガスの熱を利用して、第2空気予熱器34および燃料改質器44それぞれを昇温させる構成とすれば、第2空気予熱器34および燃料改質器44と燃料電池10との温度差を縮小することができる。これにより、燃料電池10の積層面10bからの放射熱の熱流束のばらつきが縮小されるので、燃料電池10における温度ばらつきを効果的に抑制することができる。
【0103】
なお、本実施形態では、第2ガス経路63が第1ガス経路62の燃料ガス流れ下流側に位置する例について説明したが、これに限定されない。例えば、第2ガス経路63が第1ガス経路62の燃料ガス流れ上流側に位置するようにしてもよい。また、燃焼ガス経路6を燃料電池装置1内部で2つに分岐し、分岐したガス経路を第1、第2ガス経路62、63として用いてもよい。
【0104】
また、第1ガス経路62と第2ガス経路63とは、図示しない配管により接続されることになるが、当該配管については、第2空気予熱器34および燃料改質器44に対して熱的に接触させる必要がないことは言うまでもない。このことは、第1ガス経路62と第2ガス経路63との間の配管に限らず、燃料電池装置1内部におけるオフガス燃焼器61等と接続するための配管についても同様である。
【0105】
(第6実施形態)
次に、第6実施形態について説明する。本実施形態では、第5実施形態に対して、燃料電池装置1内部における燃焼ガス経路6の具体的な配置形態を変更した例について説明する。本実施形態では、第5実施形態と同様または均等な部分についての説明を省略、または簡略化して説明する。
【0106】
燃料電池10を複数の発電セル10aを積層した積層体で構成する場合、発電セル10aの積層方向(以下、セル積層方向と呼ぶ。)における端部側に位置する部位B、Cは、セル積層方向の中段部Aに比べて、外部に露出する面積(放熱面積)が大きい。
【0107】
このため、発電セル10aの積層体で構成される燃料電池10では、セル積層方向における端部側に位置する部位B、Cの温度が、セル積層方向の中段部Aの温度に比べて低くなる傾向がある。なお、燃料電池10におけるセル積層方向における端部側に位置する部位B、Cは、一対の積層端面10c、10dを含むセル積層方向における端部側に位置する発電セル10aで構成される領域である。また、燃料電池10におけるセル積層方向の中段部Aは、複数の発電セル10aのうち、セル積層方向における端部側に位置する発電セル10aを除く発電セル10aで構成される領域である。
【0108】
そこで、本実施形態では、燃焼ガス経路6を流通する燃焼ガスの熱を利用して、燃料電池10のセル積層方向の端部側に位置する部位Bの温度を昇温させる構成としている。
【0109】
具体的には、本実施形態では、
図14に示すように、燃焼ガス経路6を構成する第1、第2ガス経路62、63同士を接続する第3ガス経路64を、燃料電池10の一対の積層端面10c、10dの一方の積層端面10cに対向するように配置している。なお、本実施形態の第3ガス経路64は、燃料電池10のセル積層方向の端部側に位置する部位Bに対して充分に熱が放射されるように、燃料電池10の積層端面10cから離間して配置されている。
【0110】
その他の構成および作動は、第1、第5実施形態と同様である。本実施形態の燃料電池装置1では、燃焼ガス経路6を構成する第1、第2ガス経路62、63を、第2空気予熱器34および燃料改質器44に熱的に接触させると共に、第3ガス経路64を燃料電池10の積層端面10cに対向するように配置している。
【0111】
このように、燃焼ガスの熱を利用して、燃料電池10における低温となり易いセル積層方向の端部側に位置する部位Bを昇温させる構成とすれば、燃料電池10におけるセル積層方向の温度分布を縮小することができる。
【0112】
なお、本実施形態では、第3ガス経路64を、燃料電池10の一対の積層端面10c、10dのうち、一方の積層端面10cに対向するように配置する例について説明したが、これに限定されない。例えば、第3ガス経路64を、燃料電池10の一対の積層端面10c、10dのうち、他方の積層端面10dに対向するように配置したり、燃料電池10の一対の積層端面10c、10dの双方に対向するように配置したりしてもよい。
【0113】
また、各ガス経路62、63、64は、図示しない配管により接続されることになるが、当該配管については、各機器34、44に対して熱的に接触させたり、燃料電池10の積層端面10c、10dに対向配置させたりする必要がないことは言うまでもない。このことは、各ガス経路62、63、64間の配管に限らず、燃料電池装置1内部におけるオフガス燃焼器61等と接続するための配管についても同様である。
【0114】
(第7実施形態)
次に、第7実施形態について説明する。本実施形態では、第5実施形態に対して、燃料電池装置1内部における燃焼ガス経路6の具体的な配置形態を変更した例について説明する。本実施形態では、第5実施形態と同様または均等な部分についての説明を省略、または簡略化して説明する。
【0115】
本実施形態では、第6実施形態と同様に、燃焼ガス経路6を流通する燃焼ガスの熱を利用して、燃料電池10のセル積層方向の端部側に位置する部位Bの温度を昇温させる例について説明する。
【0116】
具体的には、本実施形態では、
図15、
図16に示すように、燃焼ガス経路6を構成する第1、第2ガス経路62、63同士を接続する第3ガス経路64を、燃料電池10のセル積層方向の端部側に位置する部位Bの積層面10bと対向するように配置している。
【0117】
ここで、本実施形態では、第3ガス経路64を、燃料電池10のセル積層方向の端部側に位置する部位Bの積層面10bのうち、第2空気予熱器34および燃料改質器44と対向する積層面10bを除く積層面10bに対向するように配置している。なお、本実施形態の第3ガス経路64は、燃料電池10のセル積層方向の端部側に位置する部位Bに対して充分に熱が放射されるように、燃料電池10の積層面10bから離間して配置されている。
【0118】
その他の構成および作動は、第1、第5実施形態と同様である。本実施形態の燃料電池装置1では、燃焼ガス経路6を構成する第1、第2ガス経路62、63を、第2空気予熱器34および燃料改質器44に熱的に接触させると共に、第3ガス経路64を燃料電池10のセル積層方向の端部側に位置する部位Bに対向するように配置している。
【0119】
このように、燃焼ガスの熱を利用して、燃料電池10における低温となり易いセル積層方向の端部側に位置する部位Bを昇温させる構成とすれば、燃料電池10におけるセル積層方向の温度分布を縮小することができる。
【0120】
なお、本実施形態では、第3ガス経路64を、燃料電池10のセル積層方向の端部側に位置する部位Bに対向するように配置する構成を例示したが、これに限定されない。例えば、第3ガス経路64を、燃料電池10のセル積層方向の端部側に位置する部位Cに対向するように配置したり、燃料電池10のセル積層方向の端部側に位置する部位B、Cの双方に対向するように配置したりしてもよい。
【0121】
また、本実施形態では、第3ガス経路64を、燃料電池10のセル積層方向の端部側に位置する部位Bの積層面10bのうち、各機器34、44と対向する積層面10bを除く積層面10bに対向配置する構成を例示したが、これに限定されない。
【0122】
例えば、第3ガス経路64を、燃料電池10のセル積層方向の端部側に位置する部位Bの各積層面10bの全周を囲むように、各積層面10bに対向配置してもよい。この場合、第3ガス経路64は、第2空気予熱器34および燃料改質器44と燃料電池10との間にも介在することとなる。
【0123】
(第8実施形態)
次に、第8実施形態について説明する。本実施形態では、第1実施形態と同様または均等な部分についての説明を省略、または簡略化して説明する。
【0124】
前述の第6実施形態にて説明したように、発電セル10aの積層体で構成される燃料電池10は、セル積層方向における端部側に位置する部位B、Cの温度が、セル積層方向の中段部Aの温度に比べて低くなる傾向がある。
【0125】
このため、燃料電池10のセル積層方向の端部側に位置する部位B、Cと第2空気予熱器34および燃料改質器44とを対向配置するだけでは、燃料電池10のセル積層方向における温度分布が依然として生ずる虞がある。
【0126】
そこで、本実施形態では、燃料電池10におけるセル積層方向の端部側に位置する部位から、第2空気予熱器34や燃料改質器44への熱の移動を抑制する構成としている。本実施形態では、
図17に示すように、第2空気予熱器34と燃料電池10におけるセル積層方向の端部側に位置する部位Cとの間に、燃料電池10から出力電流を引き出すためのバスバー16を配置している。
【0127】
これにより、本実施形態のバスバー16は、燃料電池10から出力電流を引き出すための部材として機能すると共に、第2空気予熱器34と燃料電池10との間の熱移動を妨げる熱遮断手段としても機能する。
【0128】
ここで、第2空気予熱器34における空気入口部34a付近は、燃料電池10の輻射熱により昇温した空気が流れる空気出口部34b付近よりも低温となり易い傾向がある。このように、第2空気予熱器34において温度分布が生ずると、燃料電池10の温度ばらつきの発生要因となってしまう。つまり、燃料電池10では、第2空気予熱器34における低温となる空気入口部34a付近に対向する部位の温度が、高温となる空気出口部34b付近に対向する部位の温度よりも低くなり易くなって虞がある。
【0129】
この点を考慮して、本実施形態では、第2空気予熱器34の空気入口部34a付近の部位と燃料電池10におけるセル積層方向の端部側に位置する部位Cとの間に、バスバー16を配置している。
【0130】
その他の構成および作動は第1実施形態と同様である。本実施形態では、第2空気予熱器34と燃料電池10におけるセル積層方向の端部側に位置する部位Cとの間に、熱遮断手段として機能するバスバー16を配置している。
【0131】
これによれば、燃料電池10におけるセル積層方向の端部側に位置する部位Cから、第2空気予熱器34への熱の移動が抑制されることで、セル積層方向における端部側に位置する部位Cの温度低下を抑えることができる。この結果、燃料電池10におけるセル積層方向の温度分布を縮小することができる。
【0132】
特に、本実施形態では、第2空気予熱器34の空気入口部34a付近の部位と燃料電池10におけるセル積層方向の端部側に位置する部位Cとが対向する配置構成であるため、燃料電池10におけるセル積層方向の温度分布をより効果的に縮小することができる。
【0133】
また、本実施形態では、燃料電池10から出力電流を引き出すためのバスバー16を熱遮断手段として利用しているので、別途部材を追加することなく、燃料電池10におけるセル積層方向の温度分布を縮小することができる。
【0134】
なお、本実施形態では、第2空気予熱器34と燃料電池10におけるセル積層方向の端部側に位置する部位Cとの間に、熱遮断手段として機能するバスバー16を配置する例について説明したが、これに限定されない。
【0135】
すなわち、第2空気予熱器34および燃料改質器44のうち少なくとも一方と、燃料電池10におけるセル積層方向の端部側に位置する部位との間に熱遮断手段が配置されていればよい。
【0136】
例えば、第2空気予熱器34と燃料電池10におけるセル積層方向の端部側に位置する部位Bとの間に、熱遮断手段として機能するバスバー16を配置してもよい。また、燃料改質器44と燃料電池10におけるセル積層方向の端部側に位置する部位Cとの間に、熱遮断手段として機能するバスバー16を配置してもよい。
【0137】
また、本実施形態では、バスバー16を熱遮断手段として機能させる例について説明したが、これに限定されない。例えば、燃料電池装置1を構成する部材のうち、バスバー16以外の部材を熱遮断手段として機能させるようにしてもよい。勿論、熱遮断手段として専用の熱遮蔽板を用いるようにしてもよい。
【0138】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。例えば、以下のように種々変形可能である。
【0139】
(1)上述の各実施形態では、第1空気予熱器33および第2空気予熱器34を独立した構成機器とすると共に、燃料予熱器43および燃料改質器44を独立した構成機器とする例について説明したが、これに限定されない。例えば、第1空気予熱器33および第2空気予熱器34を一体化すると共に、燃料予熱器43および燃料改質器44を一体化し、これらを燃料電池10の周囲に配置するようにしてもよい。
【0140】
(2)上述の各実施形態では、第2空気予熱器34および燃料改質器44を燃料電池10の周囲に配置する例について説明したが、これに限定されない。
【0141】
例えば、第2空気予熱器34を、互いに流入する空気の温度が同等となる2つ以上の予熱器で構成し、各予熱器同士が燃料電池10との間に介在しないように、燃料電池10の周囲に配置してもよい。また、燃料改質器44を、互いに流入する燃料ガスの温度が同等となる2つ以上の改質器で構成し、各改質器同士が燃料電池10との間に介在しないように、燃料電池10の周囲に配置してもよい。
【0142】
(3)上述の第1、第2、第4実施形態では、燃料電池10、第2空気予熱器34、および燃料改質器44をハウジング2内に収容する例について説明したが、これに限定されず、ハウジング2を省略してもよい。
【0143】
(4)上述の各実施形態では、燃料電池10を直方体型のスタック構造とする例について説明したが、これに限らず、燃料電池10を円柱型のスタック構造としてもよい。
【0144】
(5)また、燃料電池10を平板型の発電セル10aを複数積層したスタック構造で構成する例について説明したが、これに限らず、燃料電池10を複数の円筒型の発電セル10aを積層した積層体で構成してもよい。
【0145】
(6)上述の第5〜第7実施形態では、第1ガス経路62を燃料改質器44の背面全域に熱的に接触するように配置すると共に、第2ガス経路63を第2空気予熱器34の背面全域に熱的に接触するように配置する例について説明したが、これに限定されない。例えば、第1ガス経路62を燃料改質器44の背面の一部に熱的に接触した状態で配置すると共に、第2ガス経路63を第2空気予熱器34の背面の一部に熱的に接触した状態で配置するようにしてもよい。
【0146】
(7)上述の各実施形態では、発電セル10aの積層方向(セル積層方向)が天地方向と一致する燃料電池10を例示したが、これに限定されない。燃料電池10のセル積層方向が、天地方向に交差する方向(例えば、水平方向)となっていてもよい。
【0147】
(8)上述の各実施形態では、燃料電池10を高温で作動する固体酸化物型燃料電池とする例について説明したが、これに限定されず、例えば、燃料電池10を高温で作動する溶融炭酸塩型燃料電池としてもよい。
【0148】
(9)上述の各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上述の各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。