(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記処理手段は、前記判定手段によって前記付箋が自己紹介付箋であると判定された場合は、該自己紹介付箋によって紹介された操作者が作成した付箋を、前記検知手段によって検知された付箋の移動とともに移動させる
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面に基づき本発明を実現するにあたっての好適な一実施の形態の例を説明する。
図1は、本実施の形態の構成例についての概念的なモジュール構成図を示している。
なお、モジュールとは、一般的に論理的に分離可能なソフトウェア(コンピュータ・プログラム)、ハードウェア等の部品を指す。したがって、本実施の形態におけるモジュールはコンピュータ・プログラムにおけるモジュールのことだけでなく、ハードウェア構成におけるモジュールも指す。それゆえ、本実施の形態は、それらのモジュールとして機能させるためのコンピュータ・プログラム(コンピュータにそれぞれの手順を実行させるためのプログラム、コンピュータをそれぞれの手段として機能させるためのプログラム、コンピュータにそれぞれの機能を実現させるためのプログラム)、システム及び方法の説明をも兼ねている。ただし、説明の都合上、「記憶する」、「記憶させる」、これらと同等の文言を用いるが、これらの文言は、実施の形態がコンピュータ・プログラムの場合は、記憶装置に記憶させる、又は記憶装置に記憶させるように制御するの意である。また、モジュールは機能に一対一に対応していてもよいが、実装においては、1モジュールを1プログラムで構成してもよいし、複数モジュールを1プログラムで構成してもよく、逆に1モジュールを複数プログラムで構成してもよい。また、複数モジュールは1コンピュータによって実行されてもよいし、分散又は並列環境におけるコンピュータによって1モジュールが複数コンピュータで実行されてもよい。なお、1つのモジュールに他のモジュールが含まれていてもよい。また、以下、「接続」とは物理的な接続の他、論理的な接続(データの授受、指示、データ間の参照関係等)の場合にも用いる。「予め定められた」とは、対象としている処理の前に定まっていることをいい、本実施の形態による処理が始まる前はもちろんのこと、本実施の形態による処理が始まった後であっても、対象としている処理の前であれば、そのときの状況・状態に応じて、又はそれまでの状況・状態に応じて定まることの意を含めて用いる。「予め定められた値」が複数ある場合は、それぞれ異なった値であってもよいし、2以上の値(もちろんのことながら、全ての値も含む)が同じであってもよい。また、「Aである場合、Bをする」という意味を有する記載は、「Aであるか否かを判断し、Aであると判断した場合はBをする」の意味で用いる。ただし、Aであるか否かの判断が不要である場合を除く。
また、システム又は装置とは、複数のコンピュータ、ハードウェア、装置等がネットワーク(一対一対応の通信接続を含む)等の通信手段で接続されて構成されるほか、1つのコンピュータ、ハードウェア、装置等によって実現される場合も含まれる。「装置」と「システム」とは、互いに同義の用語として用いる。もちろんのことながら、「システム」には、人為的な取り決めである社会的な「仕組み」(社会システム)にすぎないものは含まない。
また、各モジュールによる処理毎に又はモジュール内で複数の処理を行う場合はその処理毎に、対象となる情報を記憶装置から読み込み、その処理を行った後に、処理結果を記憶装置に書き出すものである。したがって、処理前の記憶装置からの読み込み、処理後の記憶装置への書き出しについては、説明を省略する場合がある。なお、ここでの記憶装置としては、ハードディスク、RAM(Random Access Memory)、外部記憶媒体、通信回線を介した記憶装置、CPU(Central Processing Unit)内のレジスタ等を含んでいてもよい。
【0021】
本実施の形態である共有電子付箋情報処理装置110は、個人用付箋情報処理装置150から送信されてきた付箋情報に基づいて付箋(電子付箋、電子カード等ともいわれる)を台紙上に貼り付けて表示し、その付箋に対する処理を行うものであって、
図1の例に示すように、付箋状態定義モジュール112、付箋状態判定モジュール114、機能選択定義モジュール116、機能選択判断モジュール118、電子付箋機能実行モジュール120、付箋属性保持モジュール122、通信モジュール124、付箋操作モジュール126、制御モジュール128を有している。また、共有電子付箋情報処理装置110は、通信回線を介して個人用付箋情報処理装置150と接続されている。この通信回線は、有線、無線を問わない。個人用付箋情報処理装置150は、付箋作成モジュール152、付箋属性付加モジュール154、通信モジュール156、制御モジュール158を有している。
共有電子付箋情報処理装置110は、付箋情報を用いて、ファシリテーター(一般的には一人)と複数人の参加者によって行われる会合(ワークショップ、会議、アイデア抽出会、検討会等)で利用される。参加者は参加者用端末としての端末装置(個人用付箋情報処理装置150等)を用いて、アイデア等が記載された付箋情報を作成する。一般的に、
図2の例に示すように、個人用付箋情報処理装置150として、個人用付箋情報処理装置150a、個人用付箋情報処理装置150b、個人用付箋情報処理装置150c等(以下、代表して個人用付箋情報処理装置150という)があり、個人用付箋情報処理装置150は複数ある。そして、共有電子付箋情報処理装置110は、個人用付箋情報処理装置150から付箋情報を受け取って、台紙上にその付箋情報による付箋を貼り付ける。ファシリテーターは共有電子付箋情報処理装置110の表示先である共有画面を用いて、その台紙上で、付箋の位置を決定又は変更したり、付箋をまとめたり(第1の付箋と第2の付箋を関連付けること、グループ形成等ともいわれる)、自らも付箋情報の作成等を行って、その会合を進行させる。なお、本実施の形態において、参加者には、ファシリテーターを含む。
【0022】
通信モジュール124は、制御モジュール128、個人用付箋情報処理装置150の通信モジュール156と接続されている。通信モジュール124は、個人用付箋情報処理装置150との通信を行い、制御モジュール128から渡された情報を個人用付箋情報処理装置150へ送信する。また、個人用付箋情報処理装置150から送信された情報を受信し、制御モジュール128に渡す。例えば、個人用付箋情報処理装置150の操作者の操作によって作成された付箋に関する情報である付箋情報を受信し、制御モジュール128に渡す。
付箋操作モジュール126は、制御モジュール128と接続されている。付箋操作モジュール126は、共有電子付箋情報処理装置110の表示装置に対するファシリテーター等の操作者の操作に応じて、台紙上の付箋に対する処理を行う。操作としては、例えば、付箋の選択、移動、削除、グループ形成等がある。そして、付箋操作モジュール126は、台紙に貼り付けられている付箋に対する操作(付箋の選択、移動等を含む)を検知する。具体的には、画面の接触を検知するセンサーを用いて、操作者の指等が触っている付箋を検知する。
【0023】
付箋属性保持モジュール122は、制御モジュール128と接続されている。付箋属性保持モジュール122は、共有電子付箋情報処理装置110と通信が可能な個人用付箋情報処理装置150で作成された付箋に関する情報(又は、共有電子付箋情報処理装置110が表示している台紙に貼り付けられている付箋に関する情報)を記憶する。例えば、付箋情報テーブル600、グループ化包囲線テーブル700を記憶している。
図6は、付箋情報テーブル600のデータ構造例を示す説明図である。付箋情報テーブル600は、付箋ID欄610、表示付箋情報欄612、位置欄614、サイズ欄616、送信日時欄618、関連付けられた最終日時欄620、表示付箋情報に対する操作欄622、操作された最終日時欄624、自己紹介付箋欄626、色欄628、枠線形状欄630、枠線色欄632、枠線太さ欄634、グループ付箋欄636を有している。付箋ID欄610は、本実施の形態において付箋を一意に識別するための情報(付箋ID:IDentification)を記憶している。表示付箋情報欄612は、付箋の内容として表示する情報を記憶している。例えば、表示付箋情報として、テキスト情報、手書き文字、図形等を示すベクトルデータ、音声情報、写真等の静止画像情報、動画情報等、又はこれらの組み合わせがある。位置欄614は、その付箋が表示される台紙上の位置を記憶している。例えば、台紙のXY座標系における座標である。サイズ欄616は、その付箋の表示サイズを記憶している。例えば、表示する付箋が矩形である場合は、縦と横のサイズを記憶している。送信日時欄618は、その付箋が送信(又は受信)された日時(年、月、日、時、分、秒、秒以下、又はこれらの組み合わせであってもよい)を記憶している。関連付けられた最終日時欄620は、グループに関連付けされた(その付箋がグループのメンバーとなった)最終日時を記憶している。表示付箋情報に対する操作欄622は、その表示されている付箋に対する操作(例えば、移動、削除等)を記憶している。操作された最終日時欄624は、その操作が行われた最終日時を記憶している。自己紹介付箋欄626は、紹介付箋に関する情報を記憶している。例えば、その付箋が紹介付箋であるか否かを示す情報を記憶していてもよいし、紹介付箋である場合は、その紹介付箋によって紹介されている参加者(参加者ID等)を記憶していてもよい。色欄628は、その付箋の表示色を記憶している。枠線形状欄630は、その付箋の表示における枠線の形状を記憶している。例えば、通常線、点線等がある。枠線色欄632は、その付箋の表示における枠線の色を記憶している。枠線太さ欄634は、その付箋の表示における枠線の太さを記憶している。グループ付箋欄636は、グループ付箋に関する情報を記憶している。例えば、その付箋がグループ付箋であるか否かを示す情報を記憶していてもよいし、グループ付箋である場合は、グループIDやそのグループ付箋によってグループ化されている付箋ID等を記憶していてもよい。
【0024】
図7は、グループ化包囲線テーブル700のデータ構造例を示す説明図である。グループ化包囲線テーブル700は、グループID欄710、始点位置欄712、途中位置の数欄714、途中位置欄716、終了位置欄720、線形状欄722、線色欄724、線太さ欄726、包囲付箋欄728、グループ付箋領域欄730を有している。グループID欄710は、本実施の形態においてグループを一意に識別するための情報(グループID)を記憶している。始点位置欄712は、そのグループを囲むグループ化包囲線の始点位置(座標)を記憶している。途中位置の数欄714は、そのグループ化包囲線を形成する途中位置の数を記憶している。途中位置間(最初は始点位置であり、最後は終点位置)を直線又は曲線で補間することによって、グループ化包囲線を形成する。この途中位置の数だけ、途中位置欄716が継続する。途中位置欄716は、途中位置を記憶している。終了位置欄720は、終了位置を記憶している。線形状欄722は、そのグループ化包囲線の形状を記憶している。線色欄724は、そのグループ化包囲線の色を記憶している。線太さ欄726は、そのグループ化包囲線の太さを記憶している。包囲付箋欄728は、そのグループ化包囲線によって囲まれている付箋ID(付箋ID欄610参照)を記憶している。つまり、その付箋IDの付箋は、このグループに属しているメンバーである。グループ付箋領域欄730は、グループ付箋領域を記憶している。このグループ付箋領域は、
図13(a)の例を用いて後述する。
【0025】
付箋状態定義モジュール112は、付箋状態判定モジュール114と接続されている。付箋状態定義モジュール112は、例えば、付箋状態定義テーブル800、シナリオテーブル900を記憶している。
図8は、付箋状態定義テーブル800のデータ構造例を示す説明図である。付箋状態定義テーブル800は、条件ID欄802、自己紹介/グループ欄804、状態定義欄806を有している。条件ID欄802は、本実施の形態において条件を一意に識別するための情報(条件ID)を記憶している。自己紹介/グループ欄804は、対応する状態定義欄806の状態定義は、自己紹介付箋として識別するためのものであるか、グループ付箋として識別するためのものであるかを示す情報を記憶している。状態定義欄806は、状態定義を記憶している。対象としている付箋がこの状態定義に合致していれば、その付箋は、自己紹介/グループ欄804の自己紹介付箋又はグループ付箋として、識別されることになる。
状態定義は、例えば、付箋の属性、台紙上における付箋の位置、付箋が作成された時間、該付箋に記載されている内容、又はこれらの組み合わせを用いて定義されている。付箋の属性として、その付箋のサイズ、色、枠線形状、枠線色、枠線太さ等(付箋情報テーブル600内のサイズ欄616、色欄628等)がある。例えば、付箋のサイズが予め定められた範囲にあると、対象としている付箋は自己紹介付箋又はグループ付箋であるとしてもよい。また、付箋の色が予め定められた色である、付箋の枠線色が予め定められた色である、又は付箋の枠線太さが予め定められた範囲にあると、対象としている付箋は自己紹介付箋又はグループ付箋であるとしてもよい。また、台紙上における付箋の位置(付箋情報テーブル600の位置欄614)が予め定められた領域内にあると、対象としている付箋は自己紹介付箋又はグループ付箋であるとしてもよい。付箋が作成された時間が予め定められた範囲にあると、対象としている付箋は自己紹介付箋又はグループ付箋であるとしてもよい。例えば、その会合はあるシナリオ(スケジュール、進行表等)にしたがって進行しており、そのシナリオ内の自己紹介付箋作成の時間帯に作成された付箋は、自己紹介付箋と判定される。また、そのシナリオ内のグループ形成作業の時間帯に作成された付箋は、グループ付箋と判定される。シナリオについては、
図9を用いて後述する。付箋に記載されている内容が予め定められた内容であると、対象としている付箋は自己紹介付箋又はグループ付箋であるとしてもよい。例えば、付箋の内容に対して形態素解析を施して、自己紹介にかかわる文が含まれている場合は、その付箋は自己紹介付箋であると判定される。また、グループ名が含まれている場合は、その付箋はグループ付箋であると判定される。もちろんのことながら、これらの条件が論理和、論理積等によって組み合わせられてもよい。
【0026】
図9は、シナリオテーブル900のデータ構造例を示す説明図である。シナリオテーブル900は、シナリオID欄902、シナリオ名称欄904、次シナリオ移行動作欄906、時間帯欄908を有している。シナリオID欄902は、本実施の形態においてシナリオを一意に識別するための情報(シナリオID)を記憶している。シナリオ名称欄904は、そのシナリオの名称を記憶している。次シナリオ移行動作欄906は、次のシナリオへの移行動作を記憶している。例えば、予め定められたボタンが選択された等の動作が該当する。具体的には、シナリオの一覧が画面の端に表示されており、表示されているもののうち次のシナリオを選択(タップ)等することがある。時間帯欄908は、そのシナリオにおける時間帯を記憶している。つまり、前述の状態定義欄806における条件として、シナリオIDの時間帯を、付箋作成日時の条件として用いることができる。時間帯欄908に記憶される時間帯は、予定の時間帯であってもよいし、その会合での実際の時間帯であってもよい。例えば、シナリオとして、(1)自己紹介付箋を作成して、各自が自己紹介を行う、(2)作業1(アイデア抽出として、付箋にアイデア記載)、(3)作業2(付箋のグループ形成、例えば、関係のある付箋を集めて、グループ化包囲線で囲む)、(4)作業3(解決用アイデアの抽出として、付箋にそのアイデア記載)、(5)作業4(作業ふりかえり)等がある。この一覧が表示されており、ファシリテーターが(1)の箇所を選択したら、その時刻をシナリオ(1)の開始時刻とし、(2)の箇所を選択したら、その時刻をシナリオ(1)の終了時刻として、時間帯欄908に記憶する。つまり、この時間帯((1)の開始時刻から(1)の終了時刻まで)に作成された付箋を自己紹介付箋とするという条件が付箋状態定義テーブル800の状態定義欄806に記載されることになる。
【0027】
付箋状態判定モジュール114は、付箋状態定義モジュール112、制御モジュール128と接続されている。付箋状態判定モジュール114は、付箋操作モジュール126によって検知された付箋の状態が、付箋状態定義モジュール112に記憶されている予め定められた状態であるか否かを判定する。また、付箋状態判定モジュール114は、付箋状態定義モジュール112に記憶されている予め定められた状態と比較するので、付箋の属性、台紙上における付箋の位置、付箋が作成された時間、付箋に記載されている内容、又はこれらの組み合わせを用いて判定してもよい。そして、付箋状態判定モジュール114は、付箋の状態からその付箋を作成した操作者を紹介する自己紹介付箋、又は他の付箋のグループを示すグループ付箋のいずれであるかを判定するようにしてもよい。具体的には、対象としている付箋の状態に該当する付箋状態定義テーブル800の状態定義欄806に対応する自己紹介/グループ欄804を抽出すればよい。
【0028】
機能選択定義モジュール116は、機能選択判断モジュール118と接続されている。機能選択定義モジュール116は、例えば、機能選択定義テーブル1000を記憶している。
図10は、機能選択定義テーブル1000のデータ構造例を示す説明図である。機能選択定義テーブル1000は、機能ID欄1002、条件ID欄1004、機能定義欄1006を有している。機能ID欄1002は、本実施の形態において機能を一意に識別するための情報(機能ID)を記憶している。条件ID欄1004は、条件IDを記憶している。機能定義欄1006は、その条件IDに対応する機能定義を記憶している。機能定義として、例えば、条件ID欄1004の条件IDが、対象としている付箋が自己紹介付箋である状態定義の条件IDである場合には、その自己紹介付箋によって紹介された操作者が作成した付箋を、他の付箋とは異なる形態(形状、模様、色彩若しくはこれらの結合又はこれらが動的に変化する(例えば、フラッシュ、アニメーション等)ことを含む。以下、同様)にする処理がある。又は、その自己紹介付箋によって紹介された操作者が作成した付箋を、対象としている付箋の移動とともに移動させるという処理がある。もちろんのことながら、その自己紹介付箋の移動を検知した場合に、その操作者が作成した付箋を一緒に移動させるものである。そして、条件ID欄1004の条件IDが、対象としている付箋がグループ付箋である状態定義の条件IDである場合には、そのグループ付箋が示すグループ内の付箋を、他の付箋とは異なる形態にする処理がある。又は、そのグループ付箋が示すグループ内の付箋を、対象としている付箋の移動とともに移動させるという処理がある。もちろんのことながら、そのグループ付箋の移動を検知した場合に、そのグループに含まれている付箋を一緒に移動させるものである。
機能選択判断モジュール118は、機能選択定義モジュール116、制御モジュール128と接続されている。機能選択判断モジュール118は、付箋状態判定モジュール114によって判定された付箋の状態が、機能選択定義モジュール116に記憶されている機能選択定義テーブル1000のいずれに該当するかを判断する。機能選択判断モジュール118は、対象としている付箋に対応する処理(電子付箋機能実行モジュール120が行う処理)を抽出する。
【0029】
電子付箋機能実行モジュール120は、制御モジュール128と接続されている。電子付箋機能実行モジュール120は、付箋状態判定モジュール114によって予め定められた状態であると判定された場合、付箋に対応付けられた処理を行う。例えば、機能選択判断モジュール118によって選択された処理を行う。また、電子付箋機能実行モジュール120は、付箋状態判定モジュール114によって付箋が自己紹介付箋であると判定された場合は、その自己紹介付箋によって紹介された操作者が作成した付箋を、他の付箋とは異なる形態にしてもよい。又は、その自己紹介付箋によって紹介された操作者が作成した付箋を、付箋操作モジュール126によって検知された付箋の移動とともに移動させるようにしてもよい。また、電子付箋機能実行モジュール120は、付箋状態判定モジュール114によって付箋がグループ付箋であると判定された場合は、そのグループ付箋が示すグループ内の付箋を、他の付箋とは異なる形態にしてもよい。又は、そのグループ付箋が示すグループ内の付箋を、付箋操作モジュール126によって検知された付箋の移動とともに移動させるようにしてもよい。
制御モジュール128は、付箋状態判定モジュール114、機能選択判断モジュール118、電子付箋機能実行モジュール120、付箋属性保持モジュール122、通信モジュール124、付箋操作モジュール126と接続されている。制御モジュール128は、共有電子付箋情報処理装置110内のモジュールを制御して、共有電子付箋情報処理装置110、個人用付箋情報処理装置150を用いた会合に必要な処理を行う。例えば、台紙上で付箋を表示すること等を行う。
【0030】
個人用付箋情報処理装置150は、例えば、タッチパネル方式の表示装置及び入力装置を有しており、参加者の指、ペン等を用いた操作を受け付けて、付箋情報の作成等が行われる。また、タッチパネル以外にも、キーボード、マウスを用いた入力、マイクを用いた音声入力、カメラを用いた画像入力等であってもよい。付箋情報は、カード型の情報を管理し得るデータ構造であればよく、その内容は、例えば、テキスト情報、手書き文字、図形等を示すベクトルデータ、音声情報、写真等の静止画像情報、動画情報等、又はこれらの組み合わせであってもよい。
【0031】
通信モジュール156は、制御モジュール158、共有電子付箋情報処理装置110の通信モジュール124と接続されている。通信モジュール156は、共有電子付箋情報処理装置110との通信を行い、制御モジュール158から渡された情報を共有電子付箋情報処理装置110へ送信する。また、共有電子付箋情報処理装置110から送信された情報を受信し、制御モジュール158に渡す。例えば、共有電子付箋情報処理装置110から台紙の画面情報(制御モジュール128によって表示される内容等)を受信し、個人用付箋情報処理装置150の表示装置に表示する表示モジュールに渡すようにしてもよい。
付箋作成モジュール152は、制御モジュール158と接続されている。付箋作成モジュール152は、操作者の操作を受け付けて、付箋情報を作成する。例えば、タッチパネルに対する操作にしたがって付箋情報を作成する。
付箋属性付加モジュール154は、制御モジュール158と接続されている。付箋属性付加モジュール154は、付箋作成モジュール152によって作成された付箋に対して属性を付加するものである。例えば、属性として自己紹介付箋又はグループ付箋であることを示す情報等がある。
制御モジュール158は、付箋作成モジュール152、付箋属性付加モジュール154、通信モジュール156と接続されている。制御モジュール158は、個人用付箋情報処理装置150内のモジュールを制御して、共有電子付箋情報処理装置110、個人用付箋情報処理装置150を用いた会合に必要な処理を行う。
【0032】
図2は、本実施の形態を実現するにあたってのシステム構成例を示す説明図である。共有電子付箋情報処理装置110、複数の個人用付箋情報処理装置150が用いられる例として、共有電子付箋情報処理装置110、個人用付箋情報処理装置150a、個人用付箋情報処理装置150b、個人用付箋情報処理装置150c、個人用付箋情報処理装置150z等が、通信回線299を介してそれぞれ接続されている。必ずしも、全ての装置が1つの部屋(会議室等)にある必要はないが、一般的には、参加者が用いる個人用付箋情報処理装置150a等とファシリテーターが用いる共有電子付箋情報処理装置110は、同じ部屋にある。通信回線299は、有線回線であってもよいし、無線回線であってもよい。また、一般的には、各参加者は1台の個人用付箋情報処理装置150を所持しており、共有電子付箋情報処理装置110は、主にファシリテーターによって操作される。
【0033】
図3は、本実施の形態が使用される会議室等の例を示す説明図である。
図3(a)の例に示すように、会議室等内に、参加者311、312、ファシリテーター321が集まっている。参加者311は個人用付箋情報処理装置150aを利用し、参加者312は個人用付箋情報処理装置150bを利用する。一般的に、端末装置(個人用付箋情報処理装置150a等)は参加者一人に1個付与されており、
図3(c)の例に示す参加者用端末150のように、ノート程度の大きさ(例えば、A4、B5、7〜10インチ等)であり、タブレット型の端末であり、指又はペン等を用いて操作されるものである。参加者によって、テキストデータ、手書きの文字、図形等が記載された付箋情報が作成される。なお、端末装置は、タブレット型の端末に限られず、キーボード、マウス等を備えたPC(ノートPCを含む)等であってもよい。
図3(a)の例に示す共有電子付箋情報処理装置110xは、プロジェクターであって、台紙を表示する。また、共有電子付箋情報処理装置110yは、電子白板であって、ファシリテーター321の指又はペン等の動きを検知して、付箋を台紙に貼り付けること、付箋の移動、付箋の関連付け(グループ化)を行うこと等の操作を受け付けるものである。例えば、共有電子付箋情報処理装置110yにペンが備えられており、そのペンが予め定められたペン置きから離れたこと(ファシリテーター321が操作するためにペンを持ち上げたこと)、そしてペンの先端の位置(ペン先端が共有電子付箋情報処理装置110yに触れたこと等)を検知することによって、台紙、付箋に対する操作を受け付ける。例えば、ペン置きにセンサー(ペンの重力でスイッチがオンオフとなるセンサー等)を設け、複数のペン(黒色のペン、赤色のペン、青色のペン等)のうち、どのペンが用いられているかを検知すればよい。また、共有電子付箋情報処理装置110yの表示画面全体がタッチセンサーであり、表示画面に触れられた位置、圧力を検知すればよい。
また、共有電子付箋情報処理装置110は、
図3(b)の例に示すような電子ボードであってもよい。電子ボードは、一般的に大画面の表示装置(少なくとも、個人用付箋情報処理装置150の表示装置よりも大きい)を有しており、その表示装置はタッチパネルであり、表示画面に触れられた位置、圧力を検知する。例えば、画面として、80インチ等の大きさを備えたものであってもよい。
【0034】
図4は、本実施の形態による共有電子付箋情報処理装置110の表示例を示す説明図である。共有電子付箋情報処理装置110は、
図3(a)(b)の例に示されている共有電子付箋情報処理装置110y、共有電子付箋情報処理装置110に表示されているものである。
共有電子付箋情報処理装置110は、台紙領域410を有している。台紙領域410内には、一般的な付箋(
図4内では、小さい長方形)の他に、それらの付箋を関連付けたグループ領域A420、グループ領域C440、グループ領域D450、グループ領域E460、グループ領域F470が表示されている。例えば、グループ領域A420内には、A1〜A8の8枚の付箋が含まれており、グループ領域A420のグループ化包囲線に重なるようにグループA付箋422が貼り付けられている。そして、参加者であるファシリテーター321の操作に応じて、付箋を台紙領域410内で移動させる(例えば、他のグループに移動等)。
なお、グループの形成方法として、ファシリテーター321によってグループ領域A420の枠(グループ化包囲線)を書き込むような明示的な操作を検知し、その枠内にある付箋を同じグループとするようにしてもよい。また、付箋を移動させることによって発生した、付箋の存在が予め定められた値以上又はより大の密度となる領域を検知して、その領域にある付箋を同じグループとするようにしてもよい。
台紙領域410に貼り付けられている付箋には、前述した自己紹介付箋、グループ付箋(グループA付箋422等)が含まれている。
【0035】
図5は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
ステップS502では、個人用付箋情報処理装置150の付箋作成モジュール152は、個人用付箋情報処理装置150の参加者の操作によって付箋情報を作成する。
ステップS504では、個人用付箋情報処理装置150の付箋属性付加モジュール154は、付箋の属性の付加/変更があるか否かを判断し、ある場合はステップS506へ進み、それ以外の場合はステップS508へ進む。
ステップS506では、個人用付箋情報処理装置150の付箋属性付加モジュール154は、属性の付加/変更を行う。
ステップS508では、個人用付箋情報処理装置150の通信モジュール156は、付箋情報を共有電子付箋情報処理装置110へ送信する。
ステップS510では、共有電子付箋情報処理装置110の通信モジュール124は、個人用付箋情報処理装置150から送信された付箋情報を受信する。
ステップS512では、共有電子付箋情報処理装置110の制御モジュール128は、付箋情報を属性(作成者を示す作成者ID、作成日時等)と共に付箋属性保持モジュール122に記憶させる。
【0036】
図11は、本実施の形態による処理例を示すフローチャートである。
ステップS1102では、付箋操作モジュール126は、付箋に対する操作を検知する。
ステップS1104では、制御モジュール128は、付箋属性保持モジュール122から付箋の状態を抽出する。
ステップS1106では、付箋状態判定モジュール114は、付箋状態定義モジュール112を用いて、その付箋は定義済み状態(状態定義欄806)に合致するか否かを判断し、合致する場合はステップS1108へ進み、それ以外の場合はステップS1110へ進む。
ステップS1108では、機能選択判断モジュール118は、機能選択定義モジュール116を用いて、該当状態で定義済み操作(機能定義欄1006)があるか否かを判断し、ある場合はステップS1112へ進み、それ以外の場合はステップS1110へ進む。
ステップS1110では、制御モジュール128は、該当付箋への選択を実行する。
ステップS1112では、電子付箋機能実行モジュール120は、定義済み機能を実行する。例えば、該当付箋が自己紹介付箋であれば、その自己紹介付箋を作成した操作者が作成した付箋を該当付箋(自己紹介付箋)とともに移動する。また、該当付箋がグループ付箋であれば、そのグループ付箋が示すグループに含まれている付箋を該当付箋(グループ付箋)とともに移動する。
【0037】
図12は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。ここでのワークショップ(会合)は、シナリオにしたがって行われるとする。
最初に、ファシリテーターはワークショップの最初のパートで自己紹介を促し、付箋に名前を書いてもらう。
図12(a)の例では、付箋(富士太郎)1202、付箋(XXXXX花子)1204がそれぞれ参加者(富士太郎、XXXXX花子)によって作成され、画面1200に貼り付けられた状態を示している。予めシナリオ(自己紹介)に定められた時刻までに貼り付けられた付箋を自己紹介付箋とする。また、ファシリテーターの操作(自己紹介が終了したことを示す操作)に応じて、それまでに貼り付けられた付箋を自己紹介付箋とするようにしてもよい。
この後、
図12(b)の例に示すように、ワークショップの中で、各参加者は付箋を作成する。5枚の付箋(付箋A1210等)が作成され、貼り付けられている。
【0038】
図12(c)の例では、ファシリテーターの操作によって指示用アイコン1230を用い付箋(富士太郎)1202が選択されたとする。すると、その選択が検知され、前述したように、付箋(富士太郎)1202の状態が自己紹介付箋の選択であるので、付箋(富士太郎)1202を作成した参加者が作成した他の付箋(付箋B1212、付箋C1214)をハイライトする(
図12(c)の例では、太点線枠線で表示している)。
また、シナリオ(グループ形成)にしたがって、これらの付箋が整理され、
図12(c)の例に示すように、付箋B1212、付箋E1218、付箋D1216、付箋C1214が集められたとする。これらが含まれている領域の密度は予め定められた値以上であるので、これら4つの付箋によってグループが形成されたと判断する。そして、新たに付箋F1240が作成され、このシナリオの時間帯で作成されたのでグループ付箋として判断される。そして、付箋F1240は、付箋B1212等によって形成されたグループの周辺(グループに含まれている付箋によって形成される領域から予め定められた距離以内にある領域)に移動されたことを検知して、付箋F1240を付箋B1212等によって形成されたグループのグループ付箋とする。
図12(d)の例では、ファシリテーターの操作によって指示用アイコン1230を用い付箋F1240が選択されたとする。すると、その選択が検知され、前述したように、付箋F1240の状態がグループ付箋の選択であるので、付箋F1240が示すグループに含まれている付箋(付箋B1212、付箋E1218、付箋D1216、付箋C1214)をハイライトする(
図12(d)の例では、太点線枠線で表示している)。
【0039】
図13は、本実施の形態による処理例を示す説明図である。
図13(a)の例では、付箋1302、付箋1304、付箋1306、付箋1308を囲むグループ化包囲線1320が、ファシリテーターの操作によって描かれたとする。グループ化包囲線1320で囲まれた領域内の上部(
図13(a)の例ではグループ付箋定義領域1322)に、付箋が移動した場合は、その付箋をグループ付箋と判定する。例えば、付箋1312がグループ付箋定義領域1322に移動(ドロップイン)1330することによって、付箋1312をこのグループにおけるグループ付箋と判定する。また、グループ化包囲線1320に重なるように付箋が移動してきた場合、その付箋をグループ付箋と判定するようにしてもよい。
この後、
図13(b)の例に示すように、グループ付箋となった付箋1312を移動1340すると、グループ全体(そのグループに含まれる付箋(付箋1302、付箋1304、付箋1306、付箋1308))を平行移動する。なお、グループ化包囲線1320も平行移動するようにしてもよい。
【0040】
なお、本実施の形態(共有電子付箋情報処理装置110、個人用付箋情報処理装置150又はこれらの組み合わせによる情報処理システム)としてのプログラムが実行されるコンピュータのハードウェア構成は、
図14に例示するように、一般的なコンピュータであり、具体的にはパーソナルコンピュータ、サーバーとなり得るコンピュータ等である。つまり、具体例として、処理部(演算部)としてCPU1401を用い、記憶装置としてRAM1402、ROM1403、HD1404を用いている。HD1404として、例えばハードディスクを用いてもよい。付箋状態判定モジュール114、機能選択判断モジュール118、電子付箋機能実行モジュール120、制御モジュール128、付箋操作モジュール126、通信モジュール124、通信モジュール156、制御モジュール158、付箋作成モジュール152、付箋属性付加モジュール154等のプログラムを実行するCPU1401と、そのプログラムやデータを記憶するRAM1402と、本コンピュータを起動するためのプログラム等が格納されているROM1403と、補助記憶装置(フラッシュメモリ等であってもよい)であるHD1404と、キーボード、マウス、タッチパネル等に対する利用者の操作に基づいてデータを受け付ける受付装置1406と、CRT、液晶ディスプレイ等の出力装置1405と、ネットワークインタフェースカード等の通信ネットワークと接続するための通信回線インタフェース1407、そして、それらをつないでデータのやりとりをするためのバス1408により構成されている。これらのコンピュータが複数台互いにネットワークによって接続されていてもよい。
【0041】
前述の実施の形態のうち、コンピュータ・プログラムによるものについては、本ハードウェア構成のシステムにソフトウェアであるコンピュータ・プログラムを読み込ませ、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働して、前述の実施の形態が実現される。
なお、
図14に示すハードウェア構成は、1つの構成例を示すものであり、本実施の形態は、
図14に示す構成に限らず、本実施の形態において説明したモジュールを実行可能な構成であればよい。例えば、一部のモジュールを専用のハードウェア(例えばASIC等)で構成してもよく、一部のモジュールは外部のシステム内にあり通信回線で接続しているような形態でもよく、さらに
図14に示すシステムが複数互いに通信回線によって接続されていて互いに協調動作するようにしてもよい。また、特に、パーソナルコンピュータの他、情報家電、複写機、ファックス、スキャナ、プリンタ、複合機(スキャナ、プリンタ、複写機、ファックス等のいずれか2つ以上の機能を有している画像処理装置)などに組み込まれていてもよい。
【0042】
なお、説明したプログラムについては、記録媒体に格納して提供してもよく、また、そのプログラムを通信手段によって提供してもよい。その場合、例えば、前記説明したプログラムについて、「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」の発明として捉えてもよい。
「プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、プログラムのインストール、実行、プログラムの流通などのために用いられる、プログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体をいう。
なお、記録媒体としては、例えば、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)であって、DVDフォーラムで策定された規格である「DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM等」、DVD+RWで策定された規格である「DVD+R、DVD+RW等」、コンパクトディスク(CD)であって、読出し専用メモリ(CD−ROM)、CDレコーダブル(CD−R)、CDリライタブル(CD−RW)等、ブルーレイ・ディスク(Blu−ray(登録商標) Disc)、光磁気ディスク(MO)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去及び書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM(登録商標))、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、SD(Secure Digital)メモリーカード等が含まれる。
そして、前記のプログラム又はその一部は、前記記録媒体に記録して保存や流通等させてもよい。また、通信によって、例えば、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)、メトロポリタン・エリア・ネットワーク(MAN)、ワイド・エリア・ネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、エクストラネット等に用いられる有線ネットワーク、あるいは無線通信ネットワーク、さらにこれらの組み合わせ等の伝送媒体を用いて伝送させてもよく、また、搬送波に乗せて搬送させてもよい。
さらに、前記のプログラムは、他のプログラムの一部分であってもよく、あるいは別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。また、複数の記録媒体に分割して
記録されていてもよい。また、圧縮や暗号化など、復元可能であればどのような態様で記録されていてもよい。