特許第6237178号(P6237178)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6237178インクジェットヘッド及びインクジェットプリンタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6237178
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】インクジェットヘッド及びインクジェットプリンタ
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/145 20060101AFI20171120BHJP
   B41J 2/015 20060101ALI20171120BHJP
   B41J 2/135 20060101ALI20171120BHJP
   B41J 2/16 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   B41J2/145
   B41J2/015 101
   B41J2/135
   B41J2/16 401
【請求項の数】8
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-252750(P2013-252750)
(22)【出願日】2013年12月6日
(65)【公開番号】特開2015-110277(P2015-110277A)
(43)【公開日】2015年6月18日
【審査請求日】2016年3月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】特許業務法人梶・須原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小出 祥平
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 敦
【審査官】 藏田 敦之
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−278317(JP,A)
【文献】 特開2007−261205(JP,A)
【文献】 特開2007−137049(JP,A)
【文献】 特開平10−309815(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0030717(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01 − 2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のノズルを含むインク流路が形成された流路構造体を有し、所定の走査方向に移動しつつ前記複数のノズルからインクを吐出するインクジェットヘッドであって、
前記流路構造体は、
第1インクを吐出するノズルが前記走査方向と交差するノズル配列方向に配列されてなる、第1インク用の第1ノズル列、第2ノズル列、及び、第3ノズル列と、
第2インクを吐出するノズルが前記ノズル配列方向に配列されてなる、第2インク用の第1ノズル列と第2ノズル列と、を有し、
前記第1インク用の第1ノズル列、第2ノズル列、及び、第3ノズル列と、前記第2インク用の第1ノズル列及び第2ノズル列は、前記走査方向に並べて配置され、
前記第1インク用の第1ノズル列と前記第2インク用の第1ノズル列の間で、各ノズルの前記ノズル配列方向における位置が同じであり、
前記第1インク用の第2ノズル列と前記第2インク用の第2ノズル列の間でも、各ノズルの前記ノズル配列方向における位置が同じであり、
前記第1インク用の第3ノズル列は、前記第1インク用の第1ノズル列と第2ノズル列に対して、各ノズルの前記ノズル配列方向における位置が異なっており、
前記走査方向において、前記第1インク用の第1ノズル列と第2ノズル列との間に、前記第2インク用の第1ノズル列と第2ノズル列が配置される、又は、前記第2インク用の第1ノズル列と第2ノズル列の間に、前記第1インク用の第1ノズル列と第2ノズル列が配置され、
前記第1インク用の第1ノズル列と前記第2インク用の第1ノズル列の、前記走査方向における離間距離が、前記第1インク用の第2ノズル列と前記第2インク用の第2ノズル列の、前記走査方向における離間距離と等しいことを特徴とするインクジェットヘッド。
【請求項2】
前記走査方向において、前記第2インク用の第1ノズル列と第2ノズル列の間に、前記第1インク用の第1ノズル列、第2ノズル列、及び、第3ノズル列が配置されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
【請求項3】
前記走査方向において、前記第1インク用の第1ノズル列と第2ノズル列の間に、前記第1インク用の第3ノズル列が配置されていることを特徴とする請求項2に記載のインクジェットヘッド。
【請求項4】
前記流路構造体は、
前記第1インク用のノズル列に前記第1インクを供給する複数の第1共通インク室と、前記第2インク用のノズル列に前記第2インクを供給する複数の第2共通インク室と、を有し、
前記第1インク用の第1ノズル列と第2ノズル列は、異なる前記第1共通インク室と個別に接続され、
前記第1インク用の第1ノズル列、又は、前記第1インク用の第2ノズル列に接続された前記第1共通インク室が、前記第1インク用の第3ノズル列にも接続されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のインクジェットヘッド。
【請求項5】
前記流路構造体の各ノズル列は、複数の前記ノズルが前記ノズル配列方向において所定ピッチで配列されてなるものであり、
前記第1インク用の第2ノズル列と前記第2インク用の第2ノズル列は、それぞれ、前記第1インク用の第1ノズル列と前記第2インク用の第1ノズル列に対して、前記所定ピッチの1/2だけずれており、
前記第1インク用の第3ノズル列は、前記第1インク用の第1ノズル列に対して、各ノズルの前記ノズル配列方向における位置が、前記所定ピッチの1/4だけずれており、
前記流路構造体は、さらに、前記第1インク用の第3ノズル列に対して、各ノズルの前記ノズル配列方向における位置が、前記所定ピッチの1/2だけずれた、第1インク用の第4ノズル列を有し、
前記第1インク用の第3ノズル列と第4ノズル列に対して、前記走査方向一方側に、前記第1インク用の第1ノズル列と前記第2インク用の第2ノズル列が配置され、
前記第1インク用の第3ノズル列と第4ノズル列に対して、前記走査方向他方側に、前記第1インク用の第2ノズル列と前記第2インク用の第1ノズル列が配置されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のインクジェットヘッド。
【請求項6】
前記流路構造体は、
前記第1インク用の第3ノズル列と第4ノズル列を含むインク流路が形成された第1流路部材と、
前記第1流路部材に対して前記走査方向一方側に配置され、前記第1インク用の第1ノズル列と前記第2インク用の第2ノズル列を含むインク流路が形成された第2流路部材と、
前記第1流路部材に対して前記走査方向他方側に配置され、前記第1インク用の第2ノズル列と前記第2インク用の第1ノズル列を含むインク流路が形成された第3流路部材と、を有し、
前記第1流路部材、前記第2流路部材、及び、前記第3流路部材の間で、インク流路の流路構造が同一であり、且つ、前記第1流路部材、前記第2流路部材、及び、前記第3流路部材は、互いに別の部材であることを特徴とする請求項5に記載のインクジェットヘッド。
【請求項7】
前記第2流路部材及び前記第3流路部材は、前記ノズル配列方向における位置が同じであり、
前記第1流路部材は、前記第2流路部材に対して、前記ノズル配列方向における位置が、前記所定ピッチの1/4だけずれていることを特徴とする請求項6に記載のインクジェットヘッド。
【請求項8】
請求項1〜の何れかに記載のインクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドを前記走査方向に移動させるヘッド駆動部と、前記インクジェットヘッドと前記ヘッド駆動部とを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記インクジェットヘッドを前記走査方向一方側に移動させつつ、前記第1インク用の第1ノズル列及び第2ノズル列と、前記第2インク用の第1ノズル列及び第2ノズル列からそれぞれインクを吐出させ、
前記インクジェットヘッドを前記走査方向他方側に移動させつつ、前記第1インク用の第1ノズル列及び第2ノズル列と、前記第2インク用の第1ノズル列及び第2ノズル列からそれぞれインクを吐出させる、第1インク吐出処理と、
前記インクジェットヘッドを前記走査方向に移動させながら、前記第1インク用の第1ノズル列、第2ノズル列、及び、第3ノズル列からそれぞれインクを吐出させる、第2インク吐出処理と、
を実行することを特徴とするインクジェットプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットヘッド、及び、インクジェットプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数のノズルを有するインクジェットヘッドを所定の走査方向に移動させながら、前記複数のノズルから被記録媒体に向けてインクを吐出させて画像等を印刷する方式の、インクジェットプリンタが知られている。また、この方式のインクジェットプリンタの印刷動作として、インクジェットヘッドが前記走査方向の一方向に移動する際と、前記走査方向の他方向に移動する際の両方において、それぞれインクを吐出させて画像等を印刷する、いわゆる、双方向印刷が知られている。尚、本願明細書を通して、双方向印刷を行う際のインクジェットヘッドの、所定の一方向への移動を「往動」とし、インクジェットヘッドの前記往動時とは反対方向への移動を「復動」という。
【0003】
前記の双方向印刷では、インクジェットヘッドが、往動時と復動時の両方でインクを吐出するために印刷速度が速くなるという利点がある。しかし、インクジェットヘッドが、カラーインクジェットヘッドなどの、複数種類のインクを吐出するものである場合、往動時と復動時とで、前記複数種類のインクの吐出順(着弾順序)が異なってしまい、画質の低下につながる。これに関して、往動時と復動時とで、複数種類のインクの吐出順序を等しくするために、複数種類のインクをそれぞれ吐出する複数種類のノズル列が、左右に分けて配置された構成を有するものが従来から知られている。
【0004】
例えば、特許文献1のインクジェットヘッドは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4色のインクを吐出するものである。このインクジェットヘッドは、1色のインクに対して2列のノズル列を有する。尚、各色2列のノズル列の間で、各ノズルの配列方向の位置が互いにずれている。また、各色2列のノズル列のうちの一方の列は、他の色の2列のノズル列のうちの一方の列と各ノズルの位置が一致する。また、各色2列のノズル列のうちの他方の列は、他の色の他方の列とノズル位置が一致する。
【0005】
4色のインクを吐出する合計8列のノズル列は、走査方向において対称に配置されている。具体的には、まず、イエローの2列のノズル列が走査方向における中央に隣接して配置されている。そして、上記のイエローの2列のノズル列に対して、走査方向における外側に、マゼンタの2列のノズル列、シアンの2列のノズル列、ブラックの2列のノズル列が、この順に配置されている。つまり、走査方向の一方から他方へ、“K”“C”“M”“Y”“Y”“M”“C”“K”の順に、8列のノズル列が並べられている。このようなノズル列の配置とすることにより、双方向印刷におけるインクジェットヘッドの往動時と復動時とで、インクの吐出順が同じとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−320926号公報(図7
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記特許文献1で示されているような、従来の双方向印刷用のヘッドでは、複数種類のインクについて、ノズル列の数が等しくなっている。これに対して、本願出願人は、ある特定のインクを吐出するノズルについてのみ、ノズル列を増やして、その特定のインクを吐出するときの印刷速度を速くすることを検討している。
【0008】
具体的には、前記特定のインク(例えば、ブラックインク)を吐出するノズル列として、(1)他のインクを吐出するノズル列と、ノズル配列方向におけるノズルの位置が一致しており、他のインクの吐出時に同時に使用されうるノズル列と、(2)他のインクを吐出するノズル列とは、ノズル配列方向におけるノズルの位置がずれており、前記特定のインクを吐出する際にのみ使用されるノズル列を設ける。
【0009】
しかし、(1)のノズル列だけでなく、(2)のノズル列を余計に配置する必要があるために、以下のような問題が生じうる。特許文献1のような左右対称のノズル列配置では、各ノズルの位置が一致する上記(1)のノズル列の組が2組存在している。この特許文献1では、(1)の各組2つのノズル列間の走査方向における離間距離は、2組の間で等しくなっている。しかし、さらに、上記(2)のノズル列が配置された場合に、その配置によっては、(1)の各組2つのノズル列間の走査方向における離間距離が等しくなった構成が崩れてしまう。
【0010】
(1)の2組の間で、上記のノズル列間の離間距離が異なると、一方の組のノズル列によって形成されるドットと、他方の組のノズル列によって形成されるドットとの間で、複数種類のインクが被記録媒体に着弾する時間間隔が異なってしまう。つまり、ある種類のインクが被記録媒体に先に着弾した後に、別の種類のインクが着弾するまでの時間が異なるために、被記録媒体へ先のインクが浸透する量も異なることになる。これにより、2つのドット間でインクの発色性が異なってしまうことになり、画質が低下する。
【0011】
本発明の目的は、複数種類のインクを用いた双方向印刷において画質を向上させること、及び、特定のインクについてのみノズル列を増やして、この特定のインクのみを用いた高速印刷を可能にすること、の両方を実現することである。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0012】
本発明のインクジェットヘッドは、複数のノズルを含むインク流路が形成された流路構造体を有し、所定の走査方向に移動しつつ前記複数のノズルからインクを吐出するインクジェットヘッドであって、
前記流路構造体は、第1インクを吐出するノズルが前記走査方向と交差するノズル配列方向に配列されてなる、第1インク用の第1ノズル列、第2ノズル列、及び、第3ノズル列と、第2インクを吐出するノズルが前記ノズル配列方向に配列されてなる、第2インク用の第1ノズル列と第2ノズル列と、を有し、
前記第1インク用の第1ノズル列、第2ノズル列、及び、第3ノズル列と、前記第2インク用の第1ノズル列及び第2ノズル列は、前記走査方向に並べて配置され、
前記第1インク用の第1ノズル列と前記第2インク用の第1ノズル列の間で、各ノズルの前記ノズル配列方向における位置が同じであり、前記第1インク用の第2ノズル列と前記第2インク用の第2ノズル列の間でも、各ノズルの前記ノズル配列方向における位置が同じであり、前記第1インク用の第3ノズル列は、前記第1インク用の第1ノズル列と第2ノズル列に対して、各ノズルの前記ノズル配列方向における位置が異なっており、
前記走査方向において、前記第1インク用の第1ノズル列と第2ノズル列との間に、前記第2インク用の第1ノズル列と第2ノズル列が配置される、又は、前記第2インク用の第1ノズル列と第2ノズル列の間に、前記第1インク用の第1ノズル列と第2ノズル列が配置され、前記第1インク用の第1ノズル列と前記第2インク用の第1ノズル列の、前記走査方向における離間距離が、前記第1インク用の第2ノズル列と前記第2インク用の第2ノズル列の、前記走査方向における離間距離と等しいことを特徴とするものである。
【0013】
本発明のインクジェットヘッドは、第1インク用に、第1ノズル列、第2ノズル列、及び、第3ノズル列を有し、また、第2インク用に、第1ノズル列と第2ノズル列を有する。第1インク用の第1ノズル列と第2インク用の第1ノズル列の間、及び、第1インク用の第2ノズル列と第2インク用の第2ノズル列の間で、各ノズルのノズル配列方向におけるノズルの位置が同じになっている。
【0014】
また、第1インク用の第1ノズル列及び第2ノズル列と、第2インク用の第1ノズル列及び第2ノズル列は、両者の一方が他方の間に配置された位置関係となっている。これにより、往動時と復動時で、第1インクと第2インクの吐出順(被記録媒体へのインクの着弾順)を等しくすることが可能となる。
【0015】
また、第1インク用の第3ノズル列は、第1インク用の第1ノズル列及び第2ノズル列のそれぞれに対して、ノズルの位置がずれている。従って、第1ノズル列、第2ノズル列、及び、第3ノズル列からそれぞれ同時に第1インクを吐出させることによって、第1インクのみを用いた高速印刷を行うことが可能となる。
【0016】
上記の特徴に加えて、さらに、ノズルの位置が等しい、第1インク用の第1ノズル列と第2インク用の第2ノズル列との間の走査方向における離間距離が、同じくノズルの位置が等しい、第1インク用の第2ノズル列と第2インク用の第2ノズル列との間の走査方向における離間距離と等しくなっている。これにより、第1インクと第2インクを用いて双方向印刷を行う際に、第1インク用及び第2インク用の第1ノズル列と、第1インク用及び第2インク用の第2ノズル列との間で、先のインクが着弾した後に、その上に次のインクが着弾するまでの時間も等しくすることができる。従って、第1インク用及び第2インク用の第1ノズル列によって形成したドットと、第1インク用及び第2インク用の第2ノズル列によって形成したドットとの間での、インクの発色性の違いが小さくなり、印刷画質が向上する。
【0017】
本発明のインクジェットプリンタは、前記インクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドを前記走査方向に移動させるヘッド駆動部と、前記インクジェットヘッドと前記ヘッド駆動部とを制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記インクジェットヘッドを前記走査方向一方側に移動させつつ、前記第1インク用の第1ノズル列及び第2ノズル列と、前記第2インク用の第1ノズル列及び第2ノズル列からそれぞれインクを吐出させ、前記インクジェットヘッドを前記走査方向他方側に移動させつつ、前記第1インク用の第1ノズル列及び第2ノズル列と、前記第2インク用の第1ノズル列及び第2ノズル列からそれぞれインクを吐出させる、第1インク吐出処理と、前記インクジェットヘッドを前記走査方向に移動させながら、前記第1インク用の第1ノズル列、第2ノズル列、及び、第3ノズル列からそれぞれインクを吐出させる、第2インク吐出処理と、を実行することを特徴とするものである。
【0018】
第1インク吐出処理では、インクジェットヘッドの往動時及び復動時のそれぞれにおいて、第1インク用の第1ノズル列及び第2ノズル列と第2インク用の第1ノズル列及び第2ノズル列からインクを吐出させる。これにより、インクジェットヘッドの往動時と復動時とで、第1インクと第2インクの吐出順が同じとなる。さらに、第1インク用の第1ノズル列と第2インク用の第1ノズル列の間の走査方向における離間距離と、第1インク用の第2ノズル列と第2インク用の第2ノズル列の間の離間距離と等しいことから、第1インクと第2インクの吐出間隔も同じとなる。
一方、第2インク吐出処理では、第1ノズル列、第2ノズル列、及び、第3ノズル列からそれぞれ第1インクを吐出させることで、第1インクによる高速印刷が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本実施形態に係るプリンタの概略的な平面図である。
図2】プリンタの電気的構成を概略的に示すブロック図である。
図3】インクジェットヘッドの平面図である。
図4】(a)は図3のA部拡大図、(b)は(a)のB−B線断面図である。
図5図3のインクジェットヘッドの、ノズル及びマニホールドの配置を示す図である。
図6】変更形態のインクジェットヘッドの、ノズル及びマニホールドの配置を示す図である。
図7】別の変更形態のインクジェットヘッドの、ノズル及びマニホールドの配置を示す図である。
図8】別の変更形態のインクジェットヘッドの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
次に、本発明の実施の形態について説明する。図1は、本実施形態に係るプリンタの概略的な平面図である。図2は、プリンタの電気的構成を概略的に示すブロック図である。
【0021】
(プリンタの概略構成)
図1に示すように、プリンタ1は、プラテン2、キャリッジ3、サブタンク4、インクジェットヘッド5、ホルダ6、給紙ローラ7、排紙ローラ8、制御装置9などを備えている。尚、以下では、図1の紙面手前側をプリンタ1の「上方」、紙面向こう側をプリンタ1の「下方」と定義する。また、図1に示す前後方向及び左右方向を、プリンタ1の「前後方向」及び「左右方向」と定義する。以下、前後、左右、上下の各方向語を適宜使用して説明する。
【0022】
プラテン2の上面には、被記録媒体である記録用紙100が載置される。また、プラテン2の上方には、図1の左右方向(走査方向ともいう)に平行に延びる2本のガイドレール15,16が設けられる。
【0023】
キャリッジ3は、2本のガイドレール15,16に取り付けられ、プラテン2と対向する領域において2本のガイドレール15,16に沿って走査方向に往復移動可能である。また、キャリッジ3には、駆動ベルト17が取り付けられている。駆動ベルト17は、2つのプーリ18,19に巻き掛けられた無端状のベルトである。プーリ18はキャリッジ駆動モータ14に連結されている。キャリッジ駆動モータ14によってプーリ18が回転駆動されることで駆動ベルト17が走行し、これにより、キャリッジ3が走査方向に往復移動することになる。
【0024】
このキャリッジ3には、サブタンク4とインクジェットヘッド5が搭載されている。サブタンク4は、ホルダ6と、4本のチューブ12によって接続されている。ホルダ6には、4色(ブラック、イエロー、シアン、マゼンタ)をそれぞれ貯留する4つのインクカートリッジ10が取り外し可能に装着される。ホルダ6に装着された4つのインクカートリッジ10から、それぞれチューブ12を介して、4色のインクが供給される。
【0025】
尚、以下の説明において、プリンタ1の構成要素のうち、ブラック(K)、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)のインクにそれぞれ対応するものについては、その構成要素を示す符号の後に、どのインクに対応するかが分かるように、適宜、ブラックを示す“k”、イエローを示す“y”、シアンを示す“c”、マゼンタを示す“m”の何れかの記号を付す。例えば、インクカートリッジ10kとは、ブラックインクを貯留するインクカートリッジ10のことを指す。また、ブラックインクを除く、イエロー、シアン、マゼンタの3色のインクを、「カラーインク」と総称することもある。
【0026】
インクジェットヘッド5は、サブタンク4の下部に設けられている。インクジェットヘッド5には、サブタンク4から、4色のインクが供給される。また、インクジェットヘッド5は、その下面に、4色のインクをそれぞれ吐出する、4種類のノズル47(図3図4参照)を有する。インクジェットヘッド5の具体的な流路構造等については、後で詳述する。
【0027】
給紙ローラ7と排紙ローラ8は、搬送モータ11(図2参照)によってそれぞれ同期して回転駆動される。給紙ローラ7と排紙ローラ8は協働して、プラテン2に載置された記録用紙100を図1の搬送方向(前方)に搬送する。
【0028】
図2に示す制御装置9は、ROM(Read Only Memory)20、RAM(Random Access Memory)21、及び、各種制御回路を含むASIC(Application Specific Integrated Circuit)22等を備える。図2に示すように、制御装置9は、インクジェットヘッド5、キャリッジ駆動モータ14、搬送モータ13等の、プリンタ1を構成する様々な装置と接続されている。また、制御装置9は、外部装置であるPC23と接続されている。
【0029】
制御装置9は、ROM20に格納されたプログラムに従い、ASIC22により下記の印刷処理を実行する。即ち、制御装置9は、PC23から送信された印刷指令に基づいて、インクジェットヘッド5、キャリッジ駆動モータ14、及び、搬送モータ13等を制御して、記録用紙100に画像や文字等を印刷させる。より詳細には、プラテン2上に載置された記録用紙100に対して、キャリッジ3を走査方向に移動させつつインクジェットヘッド5の複数のノズル47からそれぞれインクを吐出させる。また、2つのローラ7,8によって記録用紙100を搬送方向に所定量搬送する。上記の、インクジェットヘッド5のインク吐出動作とローラ7,8の搬送動作とを、交互に繰り返して実行させることによって、記録用紙100に画像等を印刷する。尚、上の説明では、制御装置9は、ROM、RAM、及び、ASICを備えたものとして説明したが、本発明はこれに限るものではなく、制御装置9はいかなるハードウェア構成で実現してもよい。例えば、ASICなどの2つ以上のICに処理を分担させて実現してもよい。
【0030】
(インクジェットヘッドの詳細)
図3は、インクジェットヘッド5の上面図である。図4(a)は図3のA部拡大図、(b)は(a)のB−B線断面図である。図3図4に示すように、インクジェットヘッド5は、流路構造体40と、圧電アクチュエータ41を備えている。
【0031】
(流路構造体)
図4(b)に示すように、流路構造体40は、5枚のプレート42〜46が積層された構造を有する。5枚のプレート42〜46のうちの最下層のプレート46は、複数のノズル47が形成されたノズルプレートである。一方、上側の残り4枚のプレート42〜45には、複数のノズル47に連通するマニホールド50や圧力室52等の流路が形成されている。
【0032】
図3に示すように、流路構造体40の、搬送方向上流側の端部の上面には、走査方向に並ぶ7つの供給口51が形成されている。これらの供給口51には、インクジェットヘッド3の上方に位置するサブタンク4(図1参照)から、4色のインクが供給される。7つの供給口51は、ブラックの供給口51k、イエローの2つの供給口51y1,51y2、シアンの2つの供給口51c1,51c2、マゼンタの2つの供給口51m1,51m2である。
【0033】
7つの供給口51は走査方向に配列されている。詳細には、まず、ブラックの供給口51kは、走査方向における中央に配置されている。そして、このブラックの供給口51kを中心に左右両側に向けて、カラーの供給口51が、イエローの供給口51y、シアンの供給口51c、マゼンタの供給口51mの順に、左右対称に配置されている。
【0034】
また、流路構造体40の内部には、7つの供給口51に連通し、搬送方向に延在する複数のマニホールド50が形成されている。より詳細には、ブラックの供給口51kに連通する4本のマニホールド50k1〜50k4、イエローの2つの供給口51y1,51y2にそれぞれ連通する2つのマニホールド50y1,50y2、シアンの2つの供給口51c1,51c2にそれぞれ連通する2つのマニホールド50c1,50c2、マゼンタの2つの供給口51m1,51m2にそれぞれ連通する2つのマニホールド50m1,50m2である。尚、図では、1つのブラックの供給口51kから4本のマニホールド50k1〜50k4にインクを供給する構成であり、そのために、ブラックの供給口51kは、他のインクの供給口51と比べて、孔のサイズが大きくなっている。但し、この構成は必須ではなく、例えば、4本のブラックのマニホールド50k1〜50k4のそれぞれに連通する、4つの供給口51kが設けられてもよい。
【0035】
流路構造体40は、最下層のノズルプレート46に形成された複数のノズル47と、最上層のプレート42に形成された複数の圧力室52を有する。図3に示すように、複数のノズル47は、合計20のノズル列48を構成している。これら複数のノズル47の配列については、後で詳細に説明する。複数の圧力室52は、上記の20のノズル列48にそれぞれ対応して、マニホールド50の上方の位置において、搬送方向に沿って配列されている。尚、1つのマニホールド50に対して、2列の圧力室列が接続されている。
【0036】
図4(b)に示すように、各圧力室52は、対応するノズル47と連通している。そして、図4(b)に矢印で示すように、流路構造体40内には、各マニホールド50から分岐して、圧力室52を経てノズル47に至る個別流路が複数形成されている。
【0037】
(圧電アクチュエータ)
圧電アクチュエータ41は、流路構造体40の上面に、複数の圧力室52を覆うように接合されている。図3図4に示すように、圧電アクチュエータ41は、インク封止膜59と、2枚の圧電層53,54と、複数の個別電極55と、共通電極56とを備えている。
【0038】
インク封止膜59は、インク透過性の低い材料、例えば、ステンレス鋼等の金属材料で形成された薄い膜である。インク封止膜59は、複数の圧力室52を覆うように、流路構造体40の上面に接合されている。
【0039】
2枚の圧電層53,54は、それぞれ、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との混晶であるチタン酸ジルコン酸鉛を主成分とする圧電材料からなる。圧電層53,54は互いに積層された状態で、インク封止膜59の上面に配置されている。
【0040】
複数の個別電極55は、上層の圧電層53の上面に配置されている。より詳細には、図4に示すように、各個別電極55は、圧電層53の上面の、圧力室52の中央部と対向する領域に配置されている。複数の個別電極55は、複数の圧力室52に対応して配列されている。各個別電極55からは個別端子57が引き出されている。複数の個別端子57には、図示しない配線部材が接続されている。そして、複数の個別電極55は、配線部材に実装されたドライバIC58と電気的に接続される。ドライバIC58は、制御装置9(図1図2参照)からの信号に基づいて、各個別電極55に対して、所定の駆動電位とグランド電位の何れか一方を選択的に印加する。
【0041】
共通電極56は、2枚の圧電層53,54の間に配置されている。共通電極56は、圧電層53を挟んで、複数の個別電極55と共通に対向している。具体的な電気的接続構造の図示は省略するが、この共通電極56からも圧電層53の上面に接続端子が引き出され、複数の個別電極55と同様に、配線部材と接続されている。共通電極56は、配線部材に形成されているグランド配線と接続されることによって、共通電極56の電位は、常にグランド電位に維持されている。
【0042】
尚、圧電層53の、個別電極55と共通電極56に挟まれた部分(活性部53aという)は、厚み方向(下向き)に分極されている。この活性部53aは、個別電極55と共通電極56の間に電位差が生じて、その厚み方向に電界が作用したときに、圧電変形(圧電歪)が生じる部分である。
【0043】
上記の圧電アクチュエータ41の動作について説明する。ドライバIC58から、ある個別電極55に対して駆動電位が印加されると、この個別電極55と共通電極56との間に電位差が生じる。このとき、圧電層53の活性部53aには、その厚み方向(下向き)に電界が作用し、その電界の方向は活性部53aの分極方向と一致する。そのため、活性部53aは面方向に収縮し、それに伴って、2枚の圧電層53,54に、圧力室52側に凸となるような撓みが生じる。これにより、圧力室52の容積が変化して圧力室52を含む個別流路内に圧力波が発生することで、インクに吐出エネルギーが付与され、ノズル47からインクの液滴が吐出される。
【0044】
(ノズル配列の詳細)
次に、ノズルプレート46に形成された複数のノズル47の配列について詳細に説明する。図5は、図3のインクジェットヘッド5の、ノズル47及びマニホールド50の配置を示す図である。尚、図5では、実際は隠れ線で示されるべき、ノズル47及びマニホールド50を実線で示してある。図3図5に示すように、ノズルプレート46には、複数のノズル47が、搬送方向と平行な方向に沿ってピッチPで配列されており、これら複数のノズル47は、走査方向に並ぶ合計20のノズル列48を構成している。尚、本実施形態では、複数のノズル47の配列方向が、走査方向と直交し、搬送方向と平行であるとして説明するが、これは必須ではなく、ノズル47の配列方向が走査方向に対して90度以外の角度で交差していてもよい。
【0045】
20のノズル列48は、ブラックインクを吐出する8列のノズル列48k1〜48k8、イエローインクを吐出する4列のノズル列48y1〜48y4、シアンインクを吐出する4列のノズル列48c1〜48c4、マゼンタインクを吐出する4列のノズル列48m1〜48m4からなる。また、同色のインクをそれぞれ吐出する2列のノズル列48が、そのインクを供給するマニホールド50を挟むように、マニホールド50の走査方向両側に配置されており、そのマニホールド50と接続されている。例えば、ブラックのマニホールド50kには、その両側に配置された2つのノズル列48k1,48k2が接続されている。
【0046】
尚、以下の説明の便宜上、マニホールド50を挟んで配置されている、同色のインクを吐出する2列のノズル列48からなるノズル47の群を、「ノズル群49」と称する。即ち、本実施形態の流路構造体40には、ブラックの4つのノズル群49k1〜49k4、イエローの2つのノズル群49y1,49y2、シアンの2つのノズル群49c1,49c2、マゼンタの2つのノズル群49m1,49m2が存在する。1つのノズル群49を構成する2つのノズル列48は、ノズル47の配列方向である搬送方向におけるノズル47の位置が、各ノズル列48のピッチPの半分(P/2)だけずれている。
【0047】
ブラックの4つのノズル群49k1〜49k4は、走査方向における中央に配置されている。イエローの2つのノズル群49y1,49y2は、ブラックの4つのノズル群49k1〜49k4の走査方向両側において、これらブラックのノズル群49k1〜49k4を挟むように配置されている。シアンの2つのノズル群49c1,49c2は、さらに両側に配置され、マゼンタの2つのノズル群49m1,49m2は、またさらに両側に配置されている。つまり、イエロー、シアン、マゼンタのカラーインクのノズル列48(ノズル群49)は、走査方向において、ブラックインクのノズル列48を挟むように、左右対称に配置されている。
【0048】
左側に配置されている4色のノズル群49k1,49y1,49c1,49m1の間では、ノズル47の配列方向である搬送方向における、各ノズル47の位置が等しくなっている。同様に、右側に配置されている4色のノズル群49k2,49y2,49c2,49m2の間でも、ノズル47の位置は全て等しくなっている。尚、右側のノズル群49k2,49y2,49c2,49m2のノズル列48は、左側のノズル群49k1,49y1,49c1,49m1のノズル列48に対して、搬送方向下流側にP/4ずれている。例えば、ノズル群49k2のノズル列48k3は、ノズル群49k1のノズル列48k2に対して搬送方向下流側にP/4ずれている。また、ノズル群49k2のノズル列48k4は、ノズル群49k1のノズル列48k1に対して搬送方向下流側にP/4ずれている。
【0049】
カラーのノズル群49とノズルの位置が一致する、ブラックの2つのノズル群49k1,49k2は、カラーのノズル群49と同時に使用されうるノズル群49である。即ち、2つのノズル群49k1,49k2は、4色全てのインクを使用して画像を印刷するカラー印刷にも使用可能なノズル群である。もちろん、2つのノズル群49k1,49k2は、ブラックインクのみを使用するモノクロ印刷にも使用できる。
【0050】
ブラックのノズル群49k3,49k4は、走査方向において、上述した、カラー印刷に使用するブラックのノズル群49k1,49k2に挟まれている。即ち、ブラックのノズル群49k3,49k4は、10個全てのノズル群49の中で、走査方向における中央に位置している。ノズル群49k3,49k4を構成するノズル列48のノズル47は、ノズル群49k1、ノズル群49k2を構成するノズル列48に対して、搬送方向にずれている。これにより、4つのノズル群49k1〜49k4を構成する、合計8つのノズル列48k1〜48k8のそれぞれのノズル47が、搬送方向において、P/8のピッチで配列される。尚、ノズル群49k3,49k4は、カラーインクのノズル群49y,49c,49mとは、各ノズル47の位置が一致していない。つまり、ノズル群49k3,49k4は、ブラックインクのみを使用するモノクロ印刷専用のノズル群であり、カラー印刷には使用されない。
【0051】
さらに、図5に示すように、カラー印刷で使用する左側のノズル群49k1,49y1,49c1、49m1のうちの、ブラックのノズル群49k1の2つのノズル列48と、カラーノズル群49y1,49c、49m1の2つのノズル列48との間での、走査方向における離間距離が等しくなっている。具体的には、ノズル47の位置が一致する、ブラックのノズル列48k1とイエローのノズル列48y1との間の走査方向の離間距離A1と、同じくノズル47の位置が一致する、ブラックのノズル列48k2とイエローのノズル列48y2との間の走査方向の離間距離A2とが等しい。また、右側のノズル群49k2,49y2,49c2、49m2についても同様である。ノズル47の位置が一致する、ブラックのノズル列48k3とイエローのノズル列48y3との間の走査方向の離間距離A3と、ブラックのノズル列48k4とイエローのノズル列48y4との間の走査方向の離間距離A4とが等しい。
【0052】
さらに、左側のノズル群49k1,49y1,49c1、49m1と右側のノズル群49k2,49y2,49c2、49m2の間で、上記の走査方向の離間距離が等しくなっている。つまり、A1=A2=A3=A4である。
【0053】
以上のノズル配列を有するインクジェットヘッド5を用いて、制御装置9は、次のような印刷をプリンタ1に行わせることが可能となっている。
【0054】
(カラー印刷:第1インク吐出処理)
制御装置9は、インクジェットヘッド5の左方への移動時(以下、往動時という)と、右方への移動時(以下、復動時という)のそれぞれにおいて、左側の4つのノズル群49k1,49y1,49c1,49m1と、右側の4つのノズル群49k2,49y2,49c2,49m2から、それぞれ4色のインクを吐出させる。これにより、インクジェットヘッド5を走査方向において双方向に移動させつつ、記録用紙100に、ドットピッチP/4のカラー印刷を行う。この場合、往動時と復動時の何れにおいても、4色のインクの吐出順が、M→C→Y→K→K→Y→C→Mとなり、記録用紙へのインクの着弾順が等しくなる。このように、往動時と復動時とで、4色のインクの着弾順を等しくすることで、色合いの違いが抑えられ、非常に高い画質が得られる。
【0055】
(モノクロ印刷:第2インク吐出処理)
制御装置9は、キャリッジ3を走査方向に移動させつつ、4つのノズル群49k1〜49k4の、合計8列のノズル列48k1〜48k8からそれぞれブラックインクを吐出させる。これにより、インクジェットヘッド5を走査方向に移動させつつ、ドットピッチP/8の高解像度のモノクロ印刷を高速で行うことができる。尚、このモノクロ印刷は、カラー印刷と同じく双方向印刷にて行ってもよいが、一方向への移動のときにのみインクを吐出させる、いわゆる、片方向印刷によってモノクロ印刷を行ってもよい。
【0056】
上述したように、本実施形態では、左側のノズル群49k1のノズル列48とカラーのノズル群49y1,49c1、49m1のノズル列48との離間距離(A1,A2)と、右側のノズル群49k2のノズル列48とカラーのノズル群49y2,49c2、49m2のノズル列48との離間距離(A3,A4)とが等しくなっている。さらに、左側と右側で、上記の離間距離が等しくなっている。つまり、A1=A2=A3=A4である。
【0057】
これによれば、双方向印刷でカラー印刷を行う際に、左側のノズル群49k1,49y1,49c1、49m1のインク吐出時と、右側のノズル群49k2,49y2,49c2,49m2のインク吐出時とで、先のインクが着弾した後に、その上に次のインクが着弾するまでの時間が等しくなる。従って、ドット間でのインクの発色性の違いが小さくなり、印刷画質が向上する。
【0058】
また、本実施形態では、カラーインクを吐出する、ノズル群49y1,49c1,49m1とノズル群49y2,49c2,49m2の間に、ブラックインクを吐出する4つのノズル群49k1〜49k4(8つのノズル列48k1〜48k8)が配置されている。この構成では、同じブラックインクを吐出する、8列のノズル列48k1〜48k8が中央に集中して配置されるため、モノクロ印刷の際に使用するノズル列48k1〜48k8の、走査方向における配置範囲が小さくなる。従って、インクジェットヘッド5の向きを交互に反転させながら、双方向印刷でモノクロ印刷を行う場合に、往動時又は復動時のキャリッジ3の走査範囲を小さくすることができるため、印刷速度が高くなる。また、8つのノズル列48k1〜48k8が中央に固めて配置されることによって、これらのノズル列48k1〜48k8へのブラックインクの供給経路を簡素にすることが可能となる。例えば、8つのノズル列48k1〜48k8にインクを供給する供給口51kを共通化することができる。
【0059】
モノクロ印刷でのみ使用されるブラックのノズル群49k3,49k4は、カラー印刷でも使用されるノズル群49k1,49k2と比べて、インクを吐出する機会が少なく、ノズル47内のインクが乾燥によって増粘しやすい。この点、モノクロ印刷でのみ使用されるノズル群49k3,49k4は、カラー印刷でも使用されるノズル群49k1,49k2に挟まれて内側に配置された構成であるため、吐出機会の少ないノズル群49k3,49k4に属するノズル47の乾燥の進行を遅らせることが可能となる。
【0060】
尚、本実施形態において、各ノズル47内のインクの増粘を抑制するために、制御装置9によってドライバIC58を制御して、ノズル47からインクが吐出されない程度のエネルギーをインクに与え、ノズル47内でインクを振動させる、という技術を適用することができる。しかし、この場合、あるノズル47内のインクに振動を発生させたときに、その振動の影響により、隣接するノズル47におけるインクの吐出特性が変化することが考えられる。また、モノクロ印刷でしか使用しないノズル群49k3,49k4は、他のノズル群49によるカラー印刷を行っている間にインクを吐出しないため、カラー印刷中に、増粘防止のために上記のインク振動を行わせる必要が生じることもある。この点に関し、本実施形態では、ノズル群49k3,49k4は中央に配置されており、ノズル群49k3,49k4に隣接するノズル群49は、ノズル群49k1,49k2のみとなる。つまり、ノズル群49k3,49k4にインクの振動を生じさせたときに、その振動の影響が、カラーインクのノズル群49には及びにくくなる。
【0061】
以上説明した実施形態において、制御装置9が本発明の制御部に相当する。キャリッジ駆動モータ14が本発明のヘッド駆動部に相当する。ブラックインクが本発明の第1インクに相当し、カラーインク(イエロー、マゼンタ、シアン)が本発明の第2インクに相当する。ノズル群49k1を構成する2つのノズル列48k1,48k2が、本発明の第1インク用の第1ノズル列に相当し、ノズル群49k2を構成する2つのノズル列48k3,48k4が、本発明の第1インク用の第2ノズル列に相当する。ノズル群49k3を構成する2つのノズル列48k5,48k6、及び、ノズル群49k4を構成する2つのノズル列48k7,48k8が、本発明の第1インク用の第3ノズル列に相当する。ノズル群49y1,49c1,49m1を構成する2つのノズル列48が、本発明の第2インク用の第1ノズル列に相当し、ノズル群49y2,49c2,49m2を構成する2つのノズル列48が、本発明の第2インク用の第2ノズル列に相当する。
【0062】
次に、前記実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。但し、前記実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
【0063】
1]前記実施形態では、流路構造体40が、ブラックの4つのノズル群49k1〜49k4にそれぞれ対応した4つのマニホールド50k1〜50k4を有する構成であったが、ブラックのノズル群49kとマニホールド50kとが1対1で対応している必要は特にない。
【0064】
図6では、4つのブラックのノズル群49k1〜49k4(8つのノズル列48k1〜48k8)に対して、5つのマニホールド50k1〜50k5が設けられている。左端に位置するマニホールド50k1には、カラー印刷に使用するノズル群49k1のノズル列48k1のみが接続されている。同様に、右端に位置するマニホールド50k2には、カラー印刷に使用するノズル群49k2のノズル列48k4のみが接続されている。
【0065】
中央3つのマニホールド50k3〜50k5の各々は、その両側に配置された2つのノズル列48kと接続されている。詳細には、マニホールド50k3には、カラー印刷に使用するノズル列48k2とモノクロ印刷にのみ使用するノズル列48k5が接続されている。同様に、マニホールド50k4には、カラー印刷に使用するノズル列48k3とモノクロ印刷にのみ使用するノズル列48k8が接続されている。一方、真ん中のマニホールド50k5には、それぞれモノクロ印刷にのみ使用するノズル列48k6とノズル列48k7とが接続されている。
【0066】
図6の形態では、カラー印刷に使用するノズル列48k1,48k2(本発明における第1インク用の第1ノズル列に相当)と、ノズル列48k3,48k4(本発明における第1インク用の第2ノズル列に相当)は、それぞれ異なるマニホールド50k1〜k4に接続されている。従って、これら4つのノズル列48k1〜48k4には、それぞれ異なるマニホールド50kからインクが供給される。
【0067】
尚、モノクロ印刷にのみ使用するノズル列48k5〜48k8についても、カラー印刷に使用するノズル列48k1〜48k4と接続されるマニホールド50k1〜k4とは、別のマニホールド50に接続された構成としてもよいのだが、そうすると、マニホールド50の数が増えて、インクジェットヘッドの走査方向における幅が大きくなる。そこで、図6では、カラー印刷に使用するノズル列48k2が接続されるマニホールド50k3が、モノクロ印刷にのみ使用するノズル列48k5(本発明における第3ノズル列)にも接続されている。同じく、カラー印刷に使用するノズル列48k3が接続されているマニホールド50k4が、モノクロ印刷にのみ使用するノズル列48k8(本発明における第3ノズル列)にも接続されている。
【0068】
ノズル列48k5(48k8)はカラー印刷では使用されないノズル列であるため、カラー印刷時には、4つのマニホールド50k1〜50k4から、4つのノズル列48k1〜48k4に対してのみ、インクが供給される。従って、特に、カラー印刷時に、ノズル列48k1〜48k4のそれぞれにおいて、インク供給不足による吐出不良が生じにくくなる。図6の形態におけるマニホールド50k1〜50k5が、本発明の第1共通インク室に相当し、マニホールド50y1,50y2,50c1,50c2,50m1,50m2が、本発明の第2共通インク室に相当する。
【0069】
尚、図6では、カラーの2つのノズル列48は、マニホールド50を挟んで両側に配置されているのに対し、カラーのノズル列48と同時に使用されうる、ブラックのノズル群49k1(49k2)の2つのノズル列48k1,48k2(48k3,48k4)は、間にマニホールド50を挟むことなく配置されている。このため、前記実施形態と異なり、ブラックのノズル列48kを普通に配置したのでは、ブラックのノズル列48k1とイエローのノズル列48y1との間の走査方向における離間距離A1と、ブラックのノズル列48k2とイエローのノズル列48y2との間の走査方向における離間距離A2が異なってしまう。また、ノズル列48k3とノズル列48y3との間の離間距離A3と、ノズル列48k4とノズル列48y4との間の離間距離A4も同様である。そこで、図6では、ノズル列48k1とノズル列48k2との間、及び、ノズル列48k3とノズル列48k4との間がそれぞれ広げられている。これにより、A1=A2=A3=A4が実現されている。
【0070】
その他、図6において、マニホールド50が間に存在するかしないかに関係なく、全てのノズル列48が等間隔に配置された構成を採用することによっても、A1=A2=A3=A4を実現することが可能である。
【0071】
また、複数のノズル列48のそれぞれに対してマニホールドを1対1で対応させた構成、即ち、1つのマニホールド50に1つのノズル列48のみが接続された構成を採用することも可能である。ブラックのノズル列48kについてのみ上記構成を採用してもよいし、カラーも含めた全てのノズル列48について上記構成を採用してもよい。
【0072】
2]前記実施形態では、数の多いブラックのノズル列48が走査方向中央に配置され、カラーのノズル列48が、走査方向においてブラックのノズル列48を挟むように左右両側に分かれて配置されていたが、ブラックとカラーのノズル列48の内外の配置関係が逆であってもよい。
【0073】
3]前記実施形態では、カラー印刷に使用するノズル群49のうちの、左側のノズル群49k1,49y1,49c1,49m1と、右側のノズル群49k2,49y2,49c2,49m2との間で、各ノズル47の位置がずれている。これに対して、上記の左側のノズル群49k1,49y1,49c1,49m1と、右側のノズル群49k2,49y2,49c2,49m2との間で、各ノズル47の位置が一致していてもよい。この構成では、双方向印刷を行う際には、左側のノズル群49k1,49y1,49c1,49m1が、往動(又は復動)専用となり、右側のノズル群49k2,49y2,49c2,49m2は、復動(又は往動)専用となる。
【0074】
4]前記実施形態の図5では、モノクロ印刷でのみ使用されるブラックのノズル群49k3,49k4が、カラー印刷でも使用されるノズル群49k1,49k2の間に挟まれて配置されているが、このような構成には限られない。例えば、モノクロ印刷でのみ使用されるノズル群49k3,49k4が外側に配置され、カラー印刷で使用されるノズル群49k1,49k2が内側に配置されていてもよい。また、モノクロ印刷で使用されるノズル群49k3,49k4が、カラー印刷で使用されるノズル群49k1,49k2から離れた位置に配置されていてもよい。例えば、図7に示すように、ノズル群49k3,49k4が、マゼンタのノズル群49m2(あるいは、ノズル群49m1)よりも、走査方向における外側に配置されていてもよい。
【0075】
5]カラー印刷に使用する、各色のノズル列48の数は、2以上の数であって、左右両側に振り分けることができれば、特に限定はされない。また、カラー印刷に使用する2以上のノズル列48が、左側と右側とでノズル列48の数が異なるように振り分けられてもよい。また、モノクロ印刷に使用するブラックのノズル列48の数も特に限定されない。
【0076】
6]前記実施形態では、ノズル47の位置が一致するノズル列48は、走査方向における同じ側に寄せて配置されている。具体的には、図5において、ノズル群49k1,49y1,49c1,49m1は左側に配置され、ノズル群49k2,49y2,49c2,49m2が右側に配置されている。これに対して、図8に示すように、各ノズル47の位置が一致する4色のノズル列が、左右に分かれて配置されてもよい。
【0077】
図8のインクジェットヘッド65の流路構造体60は、ブラックのノズル列68k1,68k2,68k3,68k4、イエローのノズル列68y1,68y2、シアンのノズル列68c1,68c2、マゼンタのノズル列68m1,68m2を有する。尚、前記実施形態では、1つの流路構造体60に、4色のノズル列の全てが形成されていたが、この図8では、流路構造体60が5つの流路ユニット61a〜61eを有し、各流路ユニット61には互いに隣接する2列のノズル列が形成された構成となっている。また、各流路ユニット61には、圧電アクチュエータ62が設けられている。ブラックのノズル列68k1、イエローのノズル列68y1、シアンのノズル列68c1、マゼンタのノズル列68m1の間で、各ノズル67の位置が一致している。また、ブラックのノズル列68k2、イエローのノズル列68y2、シアンのノズル列68c2、マゼンタのノズル列68m2の間でも、各ノズル67の位置が一致している。即ち、ブラックのノズル列68k1,68k2は、カラー印刷にも使用されうるノズル列である。ノズル列68k1,68y1,68c1,68m1と、ノズル列68k2,68y2,68c2,68mは、各ノズル67の、配列方向における位置(ここでは搬送方向における位置)が、各ノズル列におけるピッチPの半分(P/2)だけずれている。
【0078】
ノズル列68k3は、ノズル列68k1,68y1,68c1,68m1に対して、各ノズル67の位置がP/4だけ搬送方向下流側にずれている。ノズル列68k4は、ノズル列68k2,68y2,68c2,68m2に対して、各ノズル67の位置がP/4だけ搬送方向下流側にずれている。また、ブラックのノズル列68k4は、ノズル列68k3に対して、各ノズル67の位置がP/2だけずれている。これらのブラックのノズル列68k3,68k4は、モノクロ印刷にのみ使用されるノズル列である。
【0079】
ブラックのノズル列68k3とノズル列68k4は、走査方向中央に配置されている。これらのノズル列68k3,68k4の右側に、ブラックのノズル列68k1とイエローのノズル列68y2が配置されている。さらにその右側に、シアンのノズル列68c1とマゼンタのノズル列68m2が配置されている。また、ノズル列68k3,68k4の左側に、ブラックのノズル列68k2とイエローのノズル列68y1が配置されている。さらにその左側に、シアンのノズル列68c2とマゼンタのノズル列68m1が配置されている。つまり、ノズル67の位置が一致する4色のノズル列68k1,68y1,68c1,68m1のうち、ノズル列68k1とノズル列68c1は右側に、ノズル列68y1とノズル列68m1は左側に配置されている。また、4色のノズル列68k2,68y2,68c2,68m2については、ノズル列68k2とノズル列68c2は左側に、ノズル列68y2とノズル列68m2は右側に配置されている。
【0080】
また、ノズル67の位置が一致する、ブラックのノズル列68k1とイエローのノズル列68y1との間の走査方向における離間距離B1は、ブラックノズル列68k2とイエローのノズル列68y2との間の走査方向における離間距離B2と等しくなっている。ブラックのノズル列68k1(68k2)と、シアンのノズル列68c1(68c2)、及び、マゼンタのノズル列68m1(68m2)との間の離間距離についても同様である。
【0081】
この形態において、ノズル列68k1が、本発明における第1インク用の第1ノズル列に相当し、ノズル列68k2が、本発明における第1インク用の第2ノズル列に相当する。ノズル列68k3が、本発明における第1インク用の第3ノズル列に相当し、ノズル列68k4が、本発明における第1インク用の第4ノズル列に相当する。また、ノズル列68y1,68c1,68m1が、本発明における第2インク用の第1ノズル列に相当し、ノズル列68y2,68c2,68m2が、本発明における第2インク用の第2ノズル列に相当する。
【0082】
図8の構成において、隣接する2つのノズル列68を1つのノズル群69とすると、合計5つのノズル群69a〜69eが存在することになる。即ち、左から、ノズル列68m1,68c2からなるノズル群69a、ノズル列68y1,68k2からなるノズル群69b、ノズル列68k3,68k4からなるノズル群69c、ノズル列68k1,68y2からなるノズル群69d、ノズル列68c1,68m2からなるノズル群69eである。そして、図8に示すように、これら5つのノズル群69a〜69eの間で、ノズル配列が全て同一となっている。このような構成であるが故に、インクジェットヘッド5の、5つのノズル群69a〜69eにそれぞれ対応する部材や構造等を全く同一にすることが可能となる。以下に、その具体例と示す。
【0083】
前述したように、図8では、インクジェットヘッド5の流路構造体60が、5つのノズル群69a〜69eをそれぞれ有する5つの流路ユニット61a〜61eを有する。各流路ユニット61には、圧電アクチュエータ62が設けられている。5つのノズル群69a〜69eの間で、ノズル配列が同一であることから、5つの流路ユニット61a〜61eの間でも、それぞれのインク流路の構造(ノズル、圧力室、あるいは、マニホールド)を同一にすることが可能である。これによって、1種類の流路ユニット61を5つ組み合わせて流路構造体60を構成することができるため、コスト面で有利である。尚、ノズル列68k3,68k4からなるノズル群69cは、他のノズル群69に対して、P/4だけずれて配置される必要がある。そのため、このノズル群69cを有する中央の流路ユニット61cは、他の4つの流路ユニット61と構造を同一とされた上で、図8に示すように、他の4つの流路ユニット61に対して搬送方向下流側にP/4だけずれて配置されている。この形態では、5つの流路ユニット61が、本発明における流路部材に相当する。
【0084】
尚、各流路ユニット61のインク流路の全体が同じ構造である必要は必ずしもなく、インク流路の一部が形成されている部材のみが同一であってもよい。例えば、流路構造体60が、5つのノズル群69a〜69eがそれぞれ形成される5枚のノズルプレートを有し、これら5枚のノズルプレートの構造が同一であってもよい。また、5つの圧電アクチュエータ62の構造が同一であってもよい。これらの形態では、流路構造体60の、構造を同一にする部材以外の流路プレートやアクチュエータユニット62等が、5つのノズル群69a〜69eの間で異なる構造を有するものであってもよい。あるいは、構造を同一にする部材以外の流路プレートやアクチュエータユニット62等が、5つのノズル群69a〜69eの間で跨る、共通の1つの部材であってもよい。
【符号の説明】
【0085】
1 プリンタ
5 インクジェットヘッド
9 制御装置
14 キャリッジ駆動モータ
40 流路構造体
47 ノズル
48 ノズル列
50 マニホールド
60 流路構造体
61 流路ユニット
65 インクジェットヘッド
67 ノズル
68 ノズル列
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8