特許第6237187号(P6237187)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6237187
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】密閉型電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/26 20060101AFI20171120BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   H01M2/26 A
   H01M10/04 W
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-257827(P2013-257827)
(22)【出願日】2013年12月13日
(65)【公開番号】特開2015-115261(P2015-115261A)
(43)【公開日】2015年6月22日
【審査請求日】2016年11月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104732
【弁理士】
【氏名又は名称】徳田 佳昭
(74)【代理人】
【識別番号】100116078
【弁理士】
【氏名又は名称】西田 浩希
(72)【発明者】
【氏名】吉田 聡司
(72)【発明者】
【氏名】森本 卓弥
(72)【発明者】
【氏名】出井 寛人
(72)【発明者】
【氏名】濱口 侑祐
【審査官】 松本 陶子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−143224(JP,A)
【文献】 特開2004−214174(JP,A)
【文献】 特開2012−174387(JP,A)
【文献】 特開2013−041822(JP,A)
【文献】 特開2010−097785(JP,A)
【文献】 特開平11−250892(JP,A)
【文献】 特開2009−289570(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/26
H01M 10/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極芯体上に形成された正極活物質層を有する正極極板及び負極芯体上に形成された負極活物質層を有する負極極板がセパレータを介して巻回された偏平状の電極体を備え、
前記正極極板は巻始め側の端部に正極芯体露出部を有し、前記正極芯体露出部には正極タブが接続され、
前記負極極板は巻始め側の端部に負極芯体露出部を有し、前記負極芯体露出部には負極タブが接続され、
前記正極芯体露出部は前記正極タブより巻始め側に正極芯体折り返し部を有し、正極極板巻始め側切断部が前記正極芯体で挟まれている密閉型電池。
【請求項2】
請求項1記載の密閉型電池において、前記正極芯体露出部が前記正極芯体折り返し部を有することに代えて、前記負極芯体露出部が前記負極タブより巻始め側に負極芯体折り返し部を有し、負極極板巻始め側切断部が前記負極芯体で挟まれている密閉型電池。
【請求項3】
請求項1記載の密閉型電池において、前記負極芯体露出部が前記負極タブより巻始め側に負極芯体折り返し部を有し、負極極板巻始め側切断部が前記負極芯体で挟まれている密閉型電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、正極タブ及び負極タブのいずれもが極板の巻始め側に接続された偏平状の電極体を備える密閉型電池に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンを含む携帯電話機、タブレット型コンピュータ及び携帯型ゲーム機等の電子機器が多く普及している。これらの電子機器に対する高機能化、小型化及び軽量化の要求を満たすために、それらの駆動電源として非水電解質二次電池やニッケル水素電池などの高エネルギー密度を有する密閉型電池が利用されている。密閉型電池には、その外装ケースの形状や材質に応じて、円筒形電池、角形電池又はパウチ型電池などに類別される。中でも角形及びパウチ型の密閉型電池は、電子機器の形状に合わせた電池サイズの設計に適しているため、小型の電子機器の駆動電源としての需要が大きい。
【0003】
角形及びパウチ型の密閉型電池には、正極極板及び負極極板がセパレータを介して、巻回された偏平状の電極体が用いられる。正極極板及び負極極板は、集電体としての芯体上に活物質層を形成して作製される。それぞれの極板の一部には、その表裏に活物質層が形成されていない芯体露出部が設けられている。その芯体露出部には、極板と外部端子の間の電流経路となるタブが接続されている。例えば角形の密閉型電池においては、図5に示すように、正極タブ11及び負極タブ12が電極体18から絶縁スペーサー17の開口部を経由して、封口板16側に向かって同一方向に導出されている。正極タブ11は封口板16に接続され、負極タブ12は封口板16の一部に取り付けられた負極端子13に接続されている。絶縁板14によって負極端子13は封口板16から絶縁されている。封口板16は外装ケース(図示していない)の開口部に高エネルギー線によって溶接されるため、封口板16及び外装ケースが正極端子としての機能を有する。
【0004】
密閉型電池の内部では、充放電時に正極タブと負極タブとの間で電流が流れる。巻回電極体において、正極タブ及び負極タブの一方を巻始め側に、他方を巻終り側に配置すると、電池内部で電流がコイル状に流れることになり、大きな磁界が発生してしまう。電子機器の中には、磁界によって悪影響を受けるものがある。
【0005】
密閉型電池から発生する磁界を抑制する手段として、正極タブ及び負極タブが互いに近くに配置されるように電極体を構成することが特許文献1に記載されている。その手段の有効性については特許文献1の中で次のように説明されている。正極タブ及び負極タブが近くに配置されていれば、正極極板及び負極極板のそれぞれに流れる電流が逆向きとなる。そのため、正極極板及び負極極板のそれぞれに流れる電流によって発生する磁界が互いに打ち消しあうように作用するというものである。
【0006】
正極タブ及び負極タブをそれぞれ正極極板及び負極極板の巻始め側に接続すると、図4に示すように、タブ接続部と芯体露出部の厚みの差によって電極体の内部に段差が生じることになる。タブがセパレータ(図示していない)を介して異なる極性の極板と対向する場合、タブの端部がセパレータを突き破って内部短絡を引き起こす可能性がある。このような内部短絡を防止するために、従来はタブ上に絶縁性の保護テープが貼り付けられていた。確かに、保護テープによって内部短絡の可能性を低下させることができる。しかし、タブ上に貼り付けられた保護テープの厚みの分だけタブ接続部と芯体露出部との厚みの差が拡大して、電極体の内部に生じる段差も必然的に大きくなってしまう。
【0007】
特許文献2には、タブによって生じる段差を平滑化するために、電極体の最内周部に平坦化部材を配置することが記載されている。この技術は、平坦化部材を配置することで、段差による電極体の損傷、例えば活物質の脱落や内部短絡を防止しようとするものである。
【0008】
特許文献3及び4には、極板の巻始め部分に存在する芯体露出部を、その芯体露出部に接続されたタブ上に折り返した電極体の構成が開示されている。タブを、同一極性の芯体で覆うことで、タブや極板の切断端部に起因する内部短絡を防止しようとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2013−171784号公報
【特許文献2】特開2013−41822号公報
【特許文献3】特開平9−270252号公報
【特許文献4】特開2000−277159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献2に記載されているように、電極体の最内周部の段差を平坦化部材で覆うことで、タブ接続部と芯体露出部との厚みの差によって生じる段差は解消される。しかし、電極体の最内周部に平坦化部材を配置するためには、電極体を巻き取る前に、平坦化部材を極板上に配置させる必要がある。極板上に平坦化部材を配置した状態での巻取りは困難であり、また、電極体中に充放電に関与しない部材が大きな体積を占めることになるため、電池のエネルギー密度が低下してしまうという問題がある。
【0011】
特許文献3及び4に記載されているように、芯体露出部をタブ上に折り返してしまえば、タブの端部や極板の切断部に起因する発生する内部短絡を抑制することができる。しかし、芯体露出部をタブ上に重ねるように折り返した場合、タブ接続部と芯体露出部との厚みの差は変化しないため、電極体内部に生じる段差を緩和することができない。また、芯体露出部をタブ側に1回折り返しただけでは、極板の切断部の表裏のうち一方は、セパレータを介して異なる極性の極板と対向する可能性がある。そのため、特許文献3及び4に記載された手段のみでは、極板の切断部に起因する内部短絡を完全に防止できるものではない。
【0012】
本発明者らが確認したところ、電極体の内部に段差が生じている場合、内部短絡が発生する可能性の他に、電池の充放電に伴う膨れ量が大きくなるという新たな課題を発見した。タブ上に絶縁テープを貼り付ける手段では、内部短絡を抑制することができても、上記の課題を解決することができない。
【0013】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、タブ接続部と芯体露出部の厚みの差によって生じる電極体内部の段差を緩和することで、内部短絡や充放電に伴う電池の膨れが抑制された密閉型電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するための手段として、本発明は以下の第1〜第3の態様によって表される密閉型電池に関する。
【0015】
本発明の第1の態様は、正極芯体上に形成された正極活物質層を有する正極極板及び負極芯体上に形成された負極活物質層を有する負極極板がセパレータを介して巻回された偏平状の電極体を備え、前記正極極板は巻始め側の端部に正極芯体露出部を有し、前記正極芯体露出部には正極タブが接続され、前記負極極板は巻始め側の端部に負極芯体露出部を有し、前記負極芯体露出部には負極タブが接続され、前記正極芯体露出部は前記正極タブより巻始め側に正極芯体折り返し部を有し、前記正極極板巻始め側切断部が前記正極芯体で挟まれている密閉型電池である。
【0016】
本発明の第2の態様は、第1の態様の密閉型電池において、前記正極芯体露出部が前記正極芯体折り返し部を有することに代えて、前記負極芯体露出部が前記負極タブより巻始め側に負極芯体折り返し部を有し、前記負極極板巻始め側切断部が前記負極芯体で挟まれている密閉型電池である。
【0017】
本発明の第3の態様は、第1の態様の密閉型電池において、前記負極芯体露出部が前記負極タブより巻始め側に負極芯体折り返し部を有し、前記負極極板巻始め側切断部が前記負極芯体で挟まれている密閉型電池である。つまり、本発明の第3の態様は正極極板及び負極極板の両方に、芯体の折り返し部を配置させることを必須の要件とした構成となっている。
【0018】
本発明の第1から第3の態様においては、正極極板及び負極極板を巻回して電極体を作製する際にいずれか一方が先行して巻回されることが好ましい。先行する極板として正極極板及び負極極板のいずれも用いることができるが、負極極板を先行する極板として用いることが好ましい。電極体内部の段差を緩和する観点から、タブ及び芯体折り返し部が電極体の内部で重なり合わないように配置することが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、極板の巻始め側切断部が同一極性の芯体で挟まれるため、極板の切断時に生じるバリによる内部短絡が防止される。また本発明によれば、極板の巻始め側に芯体の折り返し部が形成されるため、芯体露出部の一部の厚みが大きくなる。そのため、正極タブ及び負極タブが極板の巻始め側に配置されることで生じる段差が緩和される。その結果、充放電に伴う電池の膨れが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1(A)は本発明の一実施形態にかかる電極体の巻始め部の正極極板及び負極極板の配置を示す平面図であり、図1(B)は本発明の一実施形態にかかる電極体をタブが導出されている方向から見た断面図である。
図2図2(A)は本発明の一実施形態にかかる電極体の巻始め部の正極極板及び負極極板の配置を示す平面図であり、図2(B)は本発明の一実施形態にかかる電極体をタブが導出されている方向から見た断面図である。
図3図3(A)は本発明の一実施形態にかかる電極体の巻始め部の正極極板及び負極極板の配置を示す平面図であり、図3(B)は本発明の一実施形態にかかる電極体をタブが導出されている方向から見た断面図である。
図4図4(A)は従来技術にかかる電極体の巻始め部の正極極板及び負極極板の配置を示す平面図であり、図4(B)は従来技術にかかる電極体をタブが導出されている方向から見た断面図である。
図5図5は角形密閉型電池の電極体から導出するタブと外部端子との従来技術にかかる集電構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための形態としての角形非水電解質二次電池の実施例を、本発明の一実施形態を表した図1を参照しながら詳細に説明する。本発明は下記の実施形態によって何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
【0022】
(実施例)
(正極極板の作製)
正極活物質としてのコバルト酸リチウム(LiCoO)が95質量部、導電剤としてのアセチレンブラックが2.5質量部、結着剤としてのポリフッ化ビニリデンが2.5質量部となるように混合し、この混合物を分散媒としてのN−メチルピロリドンの中に均一に分散するように混錬して、正極合剤スラリーを作製した。この正極合剤スラリーを厚みが13μmのアルミニウム製の正極芯体の両面にドクターブレード法により塗布、乾燥して正極芯体の両面に正極活物質層21aを形成した。そして正極活物質層21aを圧延ローラーで圧延し、所定サイズに切断して正極極板21を作製した。正極極板21の長さ方向の両端部のうち、電極体の巻始め側となる端部には、正極活物質層21aが形成されていない正極芯体露出部21bを設けた。
【0023】
(正極タブの接続)
正極芯体露出部21bに厚みが0.03mmのアルミニウム製の正極タブ11を超音波溶接し、正極タブ11の溶接部の両面にはポリプロピレン製の保護テープ23を貼り付けた。さらに図1(B)に示すように、正極極板巻始め側切断部21cの電極体内周側及び電極体外周側の両面に正極芯体が配置されるように、正極芯体露出部21bを正極タブ11の方向に2回折り返した。このようにして正極芯体折り返し部21dを形成した。
【0024】
(負極極板の作製)
負極活物質としての黒鉛が98質量部、結着剤としてのスチレンブタジエンゴムが1質量部、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロースが1質量部となるように混合し、この混合物を分散媒としての水の中に均一に分散するように混錬して、負極合剤スラリーを作製した。この負極合剤スラリーを厚みが8μmの銅製の負極芯体の両面にドクターブレード法により塗布し、乾燥させて負極芯体の両面に負極活物質層22aを形成した。さらに負極活物質層22aを圧延ローラーで圧延し、所定サイズに切断して負極極板22を作製した。負極極板22の長さ方向の両端部のうち、電極体の巻始め側となる端部には、負極活物質層22aが形成されていない負極芯体露出部22bを設けた。
【0025】
(負極タブの接続)
負極芯体露出部22bに厚みが0.1mmのニッケル製の負極タブ12を超音波溶接した。なお、負極芯体露出部22bには芯体折り返し部が形成されていない。
【0026】
(電極体の作製)
上記のようにして作製した正極極板21及び負極極板22を、ポリエチレン製微多孔膜からなるセパレータ(図示していない)を介して偏平状に巻回して電極体を作製した。電極体の巻始め部は図1(A)及び(B)に示されるように、負極極板が先行して巻回されている。電極体中心部24から正極タブ11までの距離L1は6mm、負極タブ12までの距離L2は4mmであり、正極タブ及び負極タブの間に正極芯体折り返し部21dが配置されている。
【0027】
(非水電解質の調製)
エチレンカーボネート(EC)、エチルメチルカーボネート(EMC)及びジエチルカーボネート(DEC)を体積比で40:30:30(25℃、1気圧)となるように混合して、非水電解質に用いる非水溶媒を調製した。この非水溶媒に、電解質塩としてのヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF)を1.0mol/Lとなるように溶解して、非水電解質を調製した。
【0028】
(角形非水電解質二次電池の作製)
上記のようにして作製した偏平状の電極体を角形の外装ケースに挿入し、正極タブ11を封口板16に、負極タブ12を負極端子13に接続した後、封口板16を外装ケースの開口部にレーザー溶接した。そして封口板16に設けられた注液孔15から非水電解質を注液して、注液孔15を封止することにより実施例にかかる角形非水電解質二次電池を作製した。この角形非水電解質二次電池の外形サイズは厚み5.1mm×幅54mm×高さ78mmで、設計容量は3200mAhである。
【0029】
(比較例)
正極芯体折り返し部を配置させなかったことを除いては、実施例と同様にして比較例にかかる角形非水電解質二次電池を作製した。比較例にかかる電極体の巻始め部の構成は図5に示した。
【0030】
(初期充電後の電池厚み測定)
実施例及び比較例にかかる電池各30セルを、1It(=3200mA)の定電流で電池電圧が4.2Vになるまで充電し、その後4.2Vの定電圧で電流が1/50It(=64mA)になるまで充電した。充電後の電池厚みをマイクロメーターで測定した。
【0031】
(充放電サイクル後の電池厚み測定)
実施例及び比較例各5セルについて、室温(25℃)で充放電を500サイクル行い、充放電サイクル後の電池厚みをマイクロメーターで測定した。充放電サイクルは次の条件で行った。充電は上記の初期充電と同様の条件で行い、放電は1Itの定電流で電圧が3.0Vになるまで行った。充電と放電の間には、10分の休止時間を設けた。また、充放電サイクル中の放電容量の推移も記録し、1サイクル目の放電容量に対する500サイクル目の放電容量の割合を百分率で算出し、算出された値を容量維持率とした。表1に、初期充電後及び充放電サイクル後の電池厚み並びに容量維持率をまとめて示す。実験結果はすべて実施例及び比較例それぞれの平均値である。
【0032】
【表1】
【0033】
表1より、実施例は初期充電後及び充放電サイクル後の電池厚みが比較例に比べて低減していることがわかる。電極体の内部に段差が生じていると、その外周側の極板やセパレータには段差によって局所的な応力が加えられることになる。一方、本発明によれば電極体内部の段差が緩和されることになるため、前述の局所的な応力も緩和される。局所的な応力が緩和されることによって、充放電に伴う電池の膨れが抑制されているものと推測される。さらに、充放電サイクル後の容量維持率の結果から、本発明にはサイクル特性を向上させる効果もみられることがわかる。
【0034】
上記実施例においては、正極芯体露出部21bにのみ正極芯体折り返し部21dが配置された電極体の構成について説明した。本発明の他の実施形態として、図2に示すように負極芯体露出部22bに負極芯体折り返し部22dが配置された電極体の構成が例示される。この構成であれば、負極極板巻始め側切断部22cが同一極性である負極芯体に挟まれることになるため、負極極板の切断部に起因する内部短絡が防止される。さらに図3に示すように正極芯体露出部21b及び負極芯体露出部22bのそれぞれに正極芯体折り返し部21d及び負極芯体折り返し部22dが配置された電極体の構成も本発明の実施形態として例示される。なお、正極芯体露出部21b及び負極芯体露出部22bの少なくとも一方に芯体折り返し部が配置されていれば、電極体の内部の段差が緩和されるため本発明の効果が発揮される。
【0035】
図1〜3には、負極極板22が正極極板21よりも先行して巻回された電極体の構成が記載されている。これらの構成においては、正極タブ11と負極タブ12の間に正極芯体折り返し部21dが配置されることが好ましい。電極体内部の段差が効果的に緩和されるからである。本発明には正極極板21が負極極板22よりも先行して巻回された電極体の構成も含まれる。この場合は負極芯体露出部22bに負極芯体折り返し部22dが配置されることが好ましい。なお、正極極板21が負極極板22よりも先行して巻回された電極体の構成においても、正極極板21にのみ芯体露出部が配置されている電極体の構成も本発明に含まれることはいうまでもない。
【0036】
上記実施例においては、正極極板巻始め側切断部21cが同一極性である正極芯体で挟まれるように折り返された構成として、図1(B)で示すように正極芯体露出部21bが2回折り返された構成を挙げた。芯体折り返し数については、タブ接続部と芯体露出部との厚みの差に応じて適宜調整することができる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明によれば、携帯電話やタブレット型コンピュータなどの小型の電子機器だけでなく、電気自動車などの駆動電源としても優れた品質及び特性を有する密閉型電池を提供することができる。そのため本発明の産業上の利用可能性は大きい。
【符号の説明】
【0038】
11 正極タブ
12 負極タブ
13 負極端子
14 絶縁板
15 注液孔
16 封口板
17 絶縁スペーサー
18 電極体
21 正極極板
21a 正極活物質層
21b 正極芯体露出部
21c 正極極板巻始め側切断部
21d 正極芯体折り返し部
22 負極極板
22a 負極活物質層
22b 負極芯体露出部
22c 負極極板巻始め側切断部
22d 負極芯体折り返し部
23 保護テープ
24 電極体中心部
図1
図2
図3
図4
図5