特許第6237247号(P6237247)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6237247
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】チョッパー折装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 45/18 20060101AFI20171120BHJP
【FI】
   B65H45/18
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-4989(P2014-4989)
(22)【出願日】2014年1月15日
(65)【公開番号】特開2015-131723(P2015-131723A)
(43)【公開日】2015年7月23日
【審査請求日】2016年12月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】新谷 浩三
(72)【発明者】
【氏名】新司 悠
【審査官】 大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−245064(JP,A)
【文献】 特開昭62−136478(JP,A)
【文献】 特開平09−142729(JP,A)
【文献】 特表平07−508701(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 45/00−45/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻紙輪転印刷機に連結された折機または単独の折機に設けられたチョッパー折装置であって、
紙当てと、チョッパーブレードと、折丁減速手段と、を備え、
紙当ては搬送された折丁の先端部を当てて折丁を停止させてその位置を規制するもので
チョッパーブレードは搬送が停止された折丁を搬送方向と平行に折丁を折るもので、
折丁減速手段は、折丁押さえブラシおよびガイドで構成され、前記紙当てに折丁を当てる際に搬送中の折丁に上方から接触して折丁を減速するもので、
チョッパーブレードを中心として、折丁の搬送方向と直交する方向に前記折丁押さえブラシおよびガイドが備えられたことを特徴とするチョッパー折装置。
【請求項2】
前記チョッパーブレードを中心として、前記折丁押さえブラシ、前記ガイドがこの順に配列されたことを特徴とする請求項1に記載のチョッパー折装置。
【請求項3】
前記折丁押さえブラシは、上下方向に昇降する機構を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のチョッパー折装置。
【請求項4】
前記折丁押さえブラシは、水平方向に移動する機構を備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のチョッパー折装置。
【請求項5】
記ガイドは、上下方向に昇降する機構を備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のチョッパー折装置。
【請求項6】
記ガイドは、水平方向に移動する機構を備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のチョッパー折装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフセット輪転機のような巻紙輪転印刷機に連結された折機、または単独の折機、に設けられたチョッパー折装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図1は折機の一例を示す構成図である。巻紙輪転印刷機は一般にその後部に折機が連結されており、折機では巻紙(ウエブ)1をフォーマー2で幅方向に半折りし、断裁胴3で所定寸法に断裁された折丁は折り胴4と咥胴5の間で折られる。この時4ページ折りとなり、表裏で8ページとなる。咥胴5で咥えられた折丁は一回転する前に該咥胴から離れ折丁搬送ベルト11で上下を挟まれて水平方向に進み、チョッパー折装置10へ運ばれる。チョッパー折装置10は、折丁搬送ベルト11、チョッパーブレード12、ニップローラ13、羽根車15、等より構成されている。
【0003】
図2はチョッパー折装置の構成を示す斜視図で、図3図2に示される矢印100の方向から見た側面図である。チョッパー折装置10は、プレート16上に折丁を上下に挟んで図の左から右へ連続走行する複数条の折丁搬送ベルト11があり、前記プレートの折丁走行端近くには、折丁を停止させる紙当て17がある。尚、符号24は折丁押さえブラシを示す。
【0004】
折機のフレームに軸支されたチョッパー揺動軸18には、チョッパーアーム19が取り付けられその端部にはその揺動方式により異なるが薄いチョッパーブレード12が取り付けられている。折丁の紙当て17への到達タイミングに合わせてチョッパーブレード12を降ろし、折丁を叩き紙当て17に対し直角に折り、プレートのブレード降下近辺に設けられた開口部20(図3)を通ってその下方に設けられた上部ニップローラ21で下方に押し込まれ、更にその下方に設けられた下部ニップローラ22により折り目がつくように咥え込まれた後、矢印27で示す方向に押し出される。これら上下のニップローラを通過した折り丁はガイドベルトとガイド(図示せず)に案内されて下部にある羽根車15(図1)に一部ずつ投入され、羽根車15の回転により搬送された後排出コンベア25に送り出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−270731号公報
【特許文献2】特開平6−234463号公報
【特許文献3】実開平7−8364号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような従来のチョッパー折装置においては、機械の高速化に伴い、正確な直角折をすることが困難となっている。すなわち、前工程の折胴より折丁の紙当て部まで、ねじれや、遅れがないように正確に搬送し折丁を正しく紙当てに当てることが困難となるため、直角に折れず、また強く当たりすぎると破れや、跳ね返りの原因になるため、不良製品の増加、生産性の低下を生ずる欠点があった。
【0007】
前記折丁にブレーキをかける(減速させる)方法としては、折丁押さえブラシを用いる方法と、スチールガイドを用いる方法が採用されている。
【0008】
図4は前記折丁押さえブラシを用いた場合を示す上面図で、図4では折丁押さえブラシ24がチョッパーブレード12の左右にそれぞれ3個設けられている場合を示す。尚、矢印28は折丁の搬送方向を示す。
【0009】
しかしながら、折丁押さえブラシを用いる方法ではブレーキ力(減速力)が強く折丁が歪んでしまい、一方スチールガイド用いる方法では用紙の進入は安定するがブレーキ力が弱く、そのため折丁が紙当てに強く当たりすぎて破れや、跳ね返ってしまうといった問題があった。
【0010】
前記折丁を正しく紙当てに当てることが困難な理由は、上記のように折機の紙当て17に折丁を減速させて当てるが、印刷時の紙継ぎ時には、静電気の発生量が変化したり、用紙の搬送速度が変化するために、折丁の歪みと破れの両方が発生しないように減速のかけ具合を調整する場合の調整幅が少ないことが挙げられる。
【0011】
そこで本発明は係る問題点に鑑みて、折丁の歪みや破れの発生のないチョッパー折装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の請求項1に記載の発明は、
巻紙輪転印刷機に連結された折機または単独の折機に設けられたチョッパー折装置であって、
紙当てと、チョッパーブレードと、折丁減速手段と、を備え、
紙当ては搬送された折丁の先端部を当てて折丁を停止させてその位置を規制するもので
チョッパーブレードは搬送が停止された折丁を搬送方向と平行に折丁を折るもので、
折丁減速手段は、折丁押さえブラシおよびガイドで構成され、前記紙当てに折丁を当てる際に搬送中の折丁に上方から接触して折丁を減速するもので、
チョッパーブレードを中心として、折丁の搬送方向と直交する方向に前記折丁押さえブラシおよびガイドが備えられたことを特徴とするチョッパー折装置である。
【0013】
本発明の請求項2に記載の発明は、
前記チョッパーブレードを中心として、前記折丁押さえブラシ、前記ガイドがこの順に配列されたことを特徴とする請求項1に記載のチョッパー折装置である。
【0014】
本発明の請求項3に記載の発明は、
前記折丁押さえブラシは、上下方向に昇降する機構を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のチョッパー折装置である。
【0015】
本発明の請求項4に記載の発明は、
前記折丁押さえブラシは、水平方向に移動する機構を備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のチョッパー折装置である。
【0016】
本発明の請求項5に記載の発明は、
記ガイドは、上下方向に昇降する機構を備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のチョッパー折装置である。
【0017】
本発明の請求項に記載の発明は、
記ガイドは、水平方向に移動する機構を備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のチョッパー折装置である。
【発明の効果】
【0018】
本発明の請求項1に記載のチョッパー折装置によれば、折丁押さえブラシおよびガイドによって搬送速度が減速され、更に折丁の搬送方向と直交する方向にチョッパーブレードを中心として、折丁押さえブラシおよびガイドが設けられているため、減速効果が得られ、またガイドによって折丁を容易に進入することが出来る。その結果、折丁の歪みや破れの発生を防止することが可能となる。
【0019】
本発明の請求項2に記載のチョッパー折装置によれば、折丁の搬送方向と直交する方向にチョッパーブレードを中心として、折丁押さえブラシ、ガイドがこの順に設けられているため、最も折丁が膨らむ中央部を折丁押さえブラシによって押さえることによって減速効果が得られ、またブラシの外側に設けられたガイドによって折丁を容易に進入することが出来る。その結果、折丁の歪みや破れの発生を防止することが可能となる。
【0020】
本発明の請求項3に記載のチョッパー折装置によれば、折丁押さえブラシは、上下方向に昇降する機構を備えたことによって、紙質が変わった場合でも折丁の押さえ具合を調整することが可能となる。
【0021】
本発明の請求項4に記載のチョッパー折装置によれば、折丁押さえブラシは、水平方向に移動する機構を備えたことによって折丁が膨らむ部分に応じて水平位置を調整することが出来る。
【0022】
本発明の請求項5に記載のチョッパー折装置によれば、ガイドは、上下方向に昇降する機構を備えたことによって、紙質が変わった場合でも折丁を容易に進入することが出来るように高さ調整することが可能となる。
【0023】
本発明の請求項6に記載のチョッパー折装置によれば、ガイドは、水平方向に移動する機構を備えたことによって紙質が変わった場合でも折丁を容易に進入することが出来るように水平位置調整することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】折機の一例を示す構成図。
図2】従来のチョッパー折装置の構成を示す斜視図。
図3】従来のチョッパー折装置の側面図。
図4】従来の折丁押さえブラシを用いたチョッパー折装置を示す上面図。
図5】本発明のチョッパー折装置が適用される折機の一例を示す図。
図6】本発明のチョッパー折装置の構成を示す図。
図7】本発明に係る折丁減速手段の上面図を示す図。
図8図7とは別の本発明のチョッパー折装置の構成を示す図。
図9】本発明に係る折丁押さえブラシを2個、スチールガイドを2個設けた場合を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明のチョッパー折装置の実施形態を図を用いて説明する。
【0026】
図5は本発明のチョッパー折装置が適用される折機の一例を示す図で、従来用いられている折機を用いることが出来る。図5に示す折機は、巻紙(ウエブ)1を幅方向に半折りするフォーマー2と、これを規定寸法にカットする断裁胴3と、断裁胴3で所定寸法に断裁された折丁を折り胴4と咥胴5の間で折り、咥胴5で咥えられた折丁を一回転する前に該咥胴から離れ、折丁搬送ベルト11で上下を挟んで水平方向に進め、チョッパー折装置30へ運ぶ。
【0027】
図6は本発明のチョッパー折装置30の構成を示す図である。本発明のチョッパー折装置30は、紙当て37と、チョッパーブレード32と、折丁減速手段33と、を備えている。紙当て37は連続走行する複数条の折丁搬送ベルト11によって搬送された折丁の先端部を当てて搬送を停止するものである。チョッパーブレード32は搬送停止された折丁を搬送方向と平行に折丁を折るものである。折丁減速手段33は、図示しない折丁押さえブラシとスチールガイドで構成され、前記紙当て37に折丁を当てる際に搬送中の折丁に接触して折丁を減速するものである。
【0028】
図7は折丁減速手段33の上面図を示す。折丁減速手段33は、折丁押さえブラシ34とスチールガイド35で構成されており、前記紙当て37に折丁を当てる際に搬送ベルト11によって矢印38で示す方向に搬送中の折丁に接触して折丁を減速するものである。
【0029】
前記折丁押さえブラシ34及びスチールガイド35がチョッパーブレード32を中心として、折丁の搬送方向38と直交する方向にこの順に備えられている。このようにして、最も折丁が膨らむ中央部を折丁押さえブラシ34によって押さえることが出来、その結果減速効果が得られ、また折丁押さえブラシ34の外側に設けられたスチールガイド35によって折丁を容易に進入することが出来る。その結果、折丁の歪みや破れの発生を防止することが可能となる。
【0030】
尚、図7では折丁押さえブラシ34を2個、スチールガイド35を4個設けた例を示しているが、これに限定されず例えば図8に示すように折丁押さえブラシ34を4個、スチールガイド35を2個設けても良く、それぞれの数は適宜選択すれば良い。例えば、図9は前記折丁押さえブラシ34を2個、スチールガイド35を2個設けた場合を示す図である。
【0031】
前記折丁押さえブラシ34は、図示しない上下方向に昇降する機構及び水平方向に移動する機構を備えており、紙質が変わった場合でも上下方向に昇降する機構によって折丁の押さえ具合を調整することが可能となり、また折丁が膨らむ部分に応じて水平方向に移動する機構によって水平位置を調整することが出来る。
【0032】
また、前記スチールガイドは、図示しない上下方向に昇降する機構及び水平方向に移動する機構を備えており、紙質が変わった場合でも折丁を容易に進入することが出来るように高さ調整と水平位置調整を行うことが出来る。
【0033】
以上のように、本発明によるチョッパー折装置によれば折丁の減速のかけ具合を調整する場合の調整幅が大きく取れ、折丁の歪みや破れの発生を防止することが出来る。
【符号の説明】
【0034】
1・・・巻紙(ウエブ)
2・・・フォーマー
3・・・断裁胴
4・・・折り胴
5・・・咥胴
10・・・チョッパー折装置
11・・・折丁搬送ベルト
12・・・チョッパーブレード
13・・・ニップローラ
15・・・羽根車
16・・・プレート
17・・・紙当て
18・・・チョッパー揺動軸
19・・・チョッパーアーム
20・・・ブレード降下近辺に設けられた開口部
21・・・上部ニップローラ
22・・・下部ニップローラ
24・・・折丁押さえブラシ
25・・・排出コンベア
27・・・折丁が押し出される方向
28・・・折丁の搬送方向
30・・・本発明のチョッパー折装置
32・・・チョッパーブレード
33・・・折丁減速手段
34・・・折丁押さえブラシ
35・・・スチールガイド
37・・・紙当て
38・・・折丁の搬送方向
100・・・図2を見る方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9