特許第6237295号(P6237295)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6237295無線機用のパワーセーブ回路、及びパワーセーブ回路を備えた無線機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6237295
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】無線機用のパワーセーブ回路、及びパワーセーブ回路を備えた無線機
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/16 20060101AFI20171120BHJP
   H04B 1/40 20150101ALI20171120BHJP
   H04M 1/73 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   H04B1/16 U
   H04B1/16 R
   H04B1/40
   H04M1/73
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-21692(P2014-21692)
(22)【出願日】2014年2月6日
(65)【公開番号】特開2015-149624(P2015-149624A)
(43)【公開日】2015年8月20日
【審査請求日】2016年11月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000100746
【氏名又は名称】アイコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084375
【弁理士】
【氏名又は名称】板谷 康夫
(72)【発明者】
【氏名】杉垣 誠
【審査官】 金子 秀彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭58−154908(JP,A)
【文献】 特開2007−096795(JP,A)
【文献】 実開昭60−132044(JP,U)
【文献】 特開平08−256017(JP,A)
【文献】 特開2004−229203(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0175007(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/16
H04B 1/40
H04M 1/73
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信信号を復調した音声信号を増幅してスピーカに出力するAFアンプと、前記受信信号が所定条件を満たさない状態が所定時間継続した場合に前記AFアンプへの給電を停止するパワーセーブモードを設定し、前記受信信号が前記所定条件を満たした場合に前記パワーセーブモードを解除する制御部とを備え、前記制御部は、前記パワーセーブモードの設定時に前記AFアンプをシャットダウン状態にする設定信号を出力し、前記パワーセーブモードを解除する場合に解除信号を出力し、前記AFアンプは、電源から給電線を介して供給される駆動電圧に含まれる電源ノイズを除去するための平滑用コンデンサを備えた電源入力端子と、前記制御部から設定用信号線を介して前記設定信号又は解除信号が入力される設定端子を有している無線機において、前記AFアンプ及び制御部の間に設けられ、前記制御部によるAFアンプのシャットダウン状態の設定又は解除に応じて前記AFアンプ及び制御部の間の回路を切り替えるパワーセーブ回路であって、
(a)前記制御部が設定信号を出力している場合、この設定信号を前記設定端子に入力して前記AFアンプをシャットダウン状態にし、前記給電線を開放し、前記設定信号の電位を前記駆動電圧よりも低い電位に降圧した信号を前記電源入力端子に入力して前記平滑用コンデンサを充電する第1の回路と、(b)前記制御部が解除信号を出力している場合、この解除信号を前記設定端子に入力して前記シャットダウン状態を解除し、前記給電線を導通させて給電を行う第2の回路と、を切り替える構成を有していることを特徴とする無線機用のパワーセーブ回路。
【請求項2】
前記第1の回路と第2の回路とを切り替える構成は、前記設定用信号線から前記給電線へと信号を流す整流器と、前記給電線において前記整流器が接続される位置よりも電源側に設けられるスイッチと、を備え、
前記スイッチは、前記制御部が設定信号を出力している場合にオフにされて前記給電線を開放して、前記設定信号を前記整流器を介して前記電源入力端子に入力し、また、前記制御部が解除信号を出力している場合にオンされて前記給電線を導通することを特徴とする請求項1に記載の無線機用のパワーセーブ回路。
【請求項3】
前記整流器は、前記設定信号を前記駆動電圧よりも低い電位に降圧する抵抗を有していることを特徴とする請求項2に記載の無線機用のパワーセーブ回路。
【請求項4】
受信信号を復調した音声信号を増幅してスピーカに出力するAFアンプと、前記受信信号が所定条件を満たさない状態が所定時間継続した場合に前記AFアンプへの給電を停止するパワーセーブモードを設定し、前記受信信号が前記所定条件を満たした場合に前記パワーセーブモードを解除する制御部と、前記AFアンプ及び制御部の間に設けられ、前記制御部による前記AFアンプのシャットダウン状態の設定又は解除に応じて前記AFアンプ及び制御部の間の回路を切り替えるパワーセーブ回路とを備え、
前記制御部は、パワーセーブモードの設定時にAFアンプをシャットダウン状態にする設定信号を出力し、前記パワーセーブモードを解除する場合に前記シャットダウン状態の解除信号を出力し、
前記AFアンプは、電源から給電線を介して供給される駆動電圧に含まれる電源ノイズを除去するための平滑用コンデンサを備えた電源入力端子と、前記制御部から前記シャットダウン状態の設定用信号線を介して前記設定信号又は解除信号が入力される設定端子を有し、
前記パワーセーブ回路は、(a)前記制御部が設定信号を出力している場合、この設定信号を前記設定端子に入力して前記AFアンプをシャットダウン状態にし、前記給電線を開放し、前記設定信号の電位を前記駆動電圧よりも低い電位に降圧した信号を前記電源入力端子に入力して前記平滑用コンデンサを充電する第1の回路と、(b)前記制御部が解除信号を出力している場合、この解除信号を前記設定端子に入力して前記シャットダウン状態を解除し、前記給電線を導通させて給電を行う第2の回路と、を切り替える構成を有していることを特徴とする無線機。
【請求項5】
さらに、入力された音声信号を変調して無線送信する送信ユニットを含むことを特徴とする請求項4に記載の無線機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線による送受信機(トランシーバ)又は受信機(ラジオ)等の無線機に一般に搭載されるパワーセーブ回路と、このパワーセーブ回路を備えた無線機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、無線機には、検波及びフィルタリングした無線信号を増幅してスピーカに出力するAFアンプ(Audio Frequency amplifire:別名オーディオアンプ)が用いられている。無線機には、受信信号が所定条件を満たす場合にのみスピーカから音声を出力する機能、いわゆるスケルチ機能を有するものが知られている。スケルチ機能には、所定の受信強度の場合にスケルチ信号を出力するSメータスケルチ機能の他、ノイズスケルチ、トーンスケルチ、コードスケルチ等が知られている。
【0003】
無線機のAFアンプの電源入力端子には、電源ノイズによる影響を低減するため、平滑用コンデンサが接続されている。特にバッテリ駆動の無線機においては、駆動時間を長くするため、受信信号が所定条件を満たさずに音声出力がされない無音状態が、所定時間継続した場合、AFアンプへの給電を停止する(パワーセーブモードが設定されている状態という)機能を備えたものがある。給電が停止すると、平滑用コンデンサに充電されていた電荷が放電される。スケルチ機能によってAFアンプへの給電が再開された時(スケルチ解放時という)、平滑用コンデンサを充電するまでの間はスピーカから音声が出力されず、最初の音声がスピーカから出力されない、いわゆる頭切れ等の問題があった。
【0004】
上記問題を解決するため、例えば、AFアンプの電源入力端子に主電源及び副電源を並列接続しておき、パワーセーブモードの設定によりAFアンプへの給電を停止する場合には主電源からの給電線のみを開放する構成のパワーセーブ回路が知られている。スケルチ解放時、副電源によって平滑用コンデンサが充電されている状態にあるため、迅速な動作が可能である(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−18347号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来のパワーセーブ回路では、スケルチ解放時のAFアンプの応答特性を良くするために副電源を別途備える必要があり、回路構成が大型化及び複雑化するという課題がある。
【0007】
本発明は、上記従来例の問題を解決するためになされたものであり、主電源の他に副電源を用いずとも、AFアンプへの給電再開時の応答特性を良くすることのできるパワーセーブ回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する本発明は、受信信号を復調した音声信号を増幅してスピーカに出力するAFアンプと、前記受信信号が所定条件を満たさない状態が所定時間継続した場合に前記AFアンプへの給電を停止するパワーセーブモードを設定し、前記受信信号が前記所定条件を満たした場合に前記パワーセーブモードを解除する制御部とを備え、前記制御部は、前記パワーセーブモードの設定時に前記AFアンプをシャットダウン状態にする設定信号を出力し、前記パワーセーブモードを解除する場合に解除信号を出力し、前記AFアンプは、電源から給電線を介して供給される駆動電圧に含まれる電源ノイズを除去するための平滑用コンデンサを備えた電源入力端子と、前記制御部から設定用信号線を介して前記設定信号又は解除信号が入力される設定端子を有している無線機において、前記AFアンプ及び制御部の間に設けられ、前記制御部によるAFアンプのシャットダウン状態の設定又は解除に応じて前記AFアンプ及び制御部の間の回路を切り替えるパワーセーブ回路であって、(a)前記制御部が設定信号を出力している場合、この設定信号を前記設定端子に入力して前記AFアンプをシャットダウン状態にし、前記給電線を開放し、前記設定信号の電位を前記駆動電圧よりも低い電位に降圧した信号を前記電源入力端子に入力して前記平滑用コンデンサを充電する第1の回路と、(b)前記制御部が解除信号を出力している場合、この解除信号を前記設定端子に入力して前記シャットダウン状態を解除し、前記給電線を導通させて給電を行う第2の回路と、を切り替える構成を有していることを特徴とする。
【0009】
第1の回路と第2の回路とを切り替える構成は、前記設定用信号線から前記給電線へと信号を流す整流器と、前記給電線において前記整流器が接続される位置よりも電源側に設けられるスイッチと、を備え、前記スイッチは、前記制御部が設定信号を出力している場合にオフにされて前記給電線を開放して、設定信号を前記整流器を介して前記電源入力端子に入力し、また、前記制御部が解除信号を出力している場合にオンされて前記給電線を導通することが好ましい。
【0010】
前記整流器は、前記設定信号を前記駆動電圧よりも低い電位に降圧する抵抗を有していることが好ましい。
【0011】
また、本発明の無線機は、受信信号を復調した音声信号を増幅してスピーカに出力するAFアンプと、前記受信信号が所定条件を満たさない状態が所定時間継続した場合に前記AFアンプへの給電を停止するパワーセーブモードを設定し、前記受信信号が前記所定条件を満たした場合に前記パワーセーブモードを解除する制御部と、前記AFアンプ及び制御部の間に設けられ、前記制御部による前記AFアンプのシャットダウン状態の設定又は解除に応じて前記AFアンプ及び制御部の間の回路を切り替えるパワーセーブ回路とを備え、前記制御部は、パワーセーブモードの設定時にAFアンプをシャットダウン状態にする設定信号を出力し、前記パワーセーブモードを解除する場合に前記シャットダウン状態の解除信号を出力し、前記AFアンプは、電源から給電線を介して供給される駆動電圧に含まれる電源ノイズを除去するための平滑用コンデンサを備えた電源入力端子と、前記制御部から前記シャットダウン状態の設定用信号線を介して前記設定信号又は解除信号が入力される設定端子を有し、前記パワーセーブ回路は、(a)前記制御部が設定信号を出力している場合、この設定信号を前記設定端子に入力して前記AFアンプをシャットダウン状態にし、前記給電線を開放し、前記設定信号の電位を前記駆動電圧よりも低い電位に降圧した信号を前記電源入力端子に入力して前記平滑用コンデンサを充電する第1の回路と、(b)前記制御部が解除信号を出力している場合、この解除信号を前記設定端子に入力して前記シャットダウン状態を解除し、前記給電線を導通させて給電を行う第2の回路と、を切り替える構成を有していることを特徴とする。
【0012】
前記無線機は、さらに、入力された音声信号を変調して無線送信する送信ユニットを含むことが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明のパワーセーブ回路によれば、パワーセーブモードが設定されている間、AFアンプをシャットダウン状態にする設定信号を、AFアンプの設定端子だけでなく、AFアンプの電源入力端子にも入力する。これによりAFアンプの電源入力端子に接続されている平滑用コンデンサを充電した状態にしておき、パワーセーブモードが解除された場合に、給電の開始に伴いAFアンプを迅速に動作させてスピーカから音声を出力させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施の形態に係るパワーセーブ回路を備えた無線機の回路図。
図2】同無線機の制御部のCPUがパワーセーブモードの設定を実行する制御プログラムのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る無線機用のパワーセーブ回路は、受信信号が所定条件を満たさない状態が所定時間継続した場合にパワーセーブモードを設定しAFアンプへの給電を停止し、受信信号が所定条件を満たした場合にパワーセーブモードを解除してAFアンプへの給電を再開してスピーカから音声を出力する、いわゆるスケルチ機能を有する無線機に用いられる。パワーセーブ回路を備える制御部は、パワーセーブモードの設定時にAFアンプをシャットダウン状態にするために該制御部から出力される設定信号を、AFアンプが有しているシャットダウン状態の設定端子だけでなく、電源入力端子にも入力するように回路を切り替える。当該構成を採用することにより、AFアンプの電源入力端子に備えられている平滑用コンデンサを充電した状態に保ち、AFアンプへの給電再開時(スケルチ解放時)の応答特性を改善する。
【0016】
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係るパワーセーブ回路1を備えた無線機7は、パワーセーブ回路1の他、入力された音声信号を変調して無線送信する送信ユニット2と、受信信号を復調した音声信号を出力する受信ユニット3と、音声信号を増幅して出力するAFアンプ4と、スピーカ5と、制御部6とを備えている。
【0017】
送信ユニット2は、使用者の音声信号を生成するマイク21と、送信信号入力部22と、変調部23と、送信部24とを備えている。送信信号入力部22は、音声信号を増幅して変調部23に出力する。送信信号入力部22は、設定によりトーン信号によるスケルチ機能を付加する場合、トーン信号を増幅後の音声信号に重畳して出力する。変調部23は入力された音声信号を変調して送信部24に出力する。送信部24は入力される変調信号の周波数を無線周波数に変換して出力する。
【0018】
受信ユニット3は、アンテナ31と、送受信切替部32と、受信部33と、検波部34と、フィルタ部35とを備えている。送受信切替部32は、送信ユニット2の送信部24から出力された無線信号をアンテナ31に出力する送信モードと、アンテナ31によって受信した無線信号(受信信号)を受信部33に出力する受信モードと、を制御部6からの制御信号に基づいて切り替える。受信部33は、受信信号を増幅した中間周波信号を検波部34及び制御部6に出力する。検波部34は、入力される中間周波信号を復調してフィルタ部35に出力する。フィルタ部35は、復調された信号から音声信号S2を取り出してAFアンプ4へと出力する。
【0019】
AFアンプ4は、給電線L1を介して電源11からの電源電圧VCC(=7.5V)を降圧した駆動電圧VDD(=6V)が入力される電源入力端子42と、制御部6から設定用信号線L2を介してシャットダウン状態の設定信号又は解除信号が入力される設定端子43とを備えている。電源入力端子42は、駆動電圧VDDに含まれる電源ノイズを除去する平滑用コンデンサ41を備えている。また、AFアンプ4は、音声信号S2の入力される入力端子44と、増幅した音声信号を出力する出力端子45とを備えている。
【0020】
制御部6は、CPU61、制御プログラム等を記憶するROM、RAM、ハードディスク等の記憶部62と、表示部63と、音声送信時に押下するPTTスイッチ64a等を有する操作部64と、スケルチ検出部65とを備えている。CPU61は、PTTスイッチ64aが押下されている間、送受信切替部32を送信モードに設定し、PTTスイッチが押下されていない間、送受信切替部32を受信モードに設定する。
【0021】
表示部63は、ドットマトリクスタイプのLCD(液晶表示)パネルとドライバ回路等で構成されており、無線機7の操作に必要な画像を表示する。スケルチ検出部65は、受信部33からの中間周波信号に基づいて、受信信号をスピーカ5に出力するための所定条件(閾値条件又は信号一致条件等)を満たしている間は“H”のスケルチ信号S1を出力し、受信信号が前記所定条件を満たしていない間は“L”のスケルチ信号S1を出力する。前記所定条件とは、例えば、スケルチ検出部65においてSメータスケルチ機能が有効にされている場合には、受信信号の強度が所定の閾値以上であるという条件をいう。また、スケルチ検出部65においてノイズスケルチ機能が有効にされている場合には、受信信号の内、音声信号の強度が所定の閾値以上であるという条件をいう。また、スケルチ検出部65においてトーン(コード)スケルチ機能が有効にされている場合には、予定のトーン(コード)信号を受信したという条件をいう。
【0022】
制御部6による動作について図2のフローチャートを参照して説明する。CPU61は、スケルチ信号S1が“L”となって音声信号が出力されない場合(ステップS1でNO)、“H”のAFON信号(設定信号という)をAFアンプ4に出力して該AFアンプ4をシャットダウン状態に設定する(ステップS2)。スケルチ信号S1が“L”となって音声信号が出力されない状態が所定時間継続した場合(ステップS3でYES)、“L”のS5V信号(給電停止信号という)をパワーセーブ回路1に出力してパワーセーブモードを設定する(ステップS4)。パワーセーブ回路1は、給電停止信号の入力を受けてAFアンプ4への給電を停止する。
【0023】
CPU61は、スケルチ信号S1が“H”で(ステップS1でYES)、パワーセーブモードが設定されている場合(ステップS5でYES)、“H”のS5V信号(給電信号という)をパワーセーブ回路1に出力してパワーセーブモードを解除する(ステップS6)。この処理の後、又はパワーセーブモードが設定されていない場合(ステップS5でNO)、“L”のAFON信号(解除信号という)をAFアンプ4へ出力して該AFアンプ4のシャットダウン状態を解除する(ステップS7)。パワーセーブ回路1は、給電信号の入力を受けてAFアンプ4への給電を行う。
【0024】
パワーセーブ回路1は、AFアンプ4及び制御部6の間に設けられる。パワーセーブ回路1は、設定信号及び給電停止信号の入力に応じてAFアンプ4及び制御部6の間の回路構成を、AFアンプ4への給電を停止して降圧用の抵抗13cで消費でされる電力を無くし、平滑用コンデンサ41を充電する回路(第1の回路という)にする。また、パワーセーブ回路1は、解除信号及び給電信号の入力に応じて前記第1の回路からAFアンプ4に給電する回路(第2の回路という)へ切り替える機能を有している。
【0025】
詳しくは、パワーセーブ回路1は、設定用信号線L2から給電線L1へと信号を流す整流器12と、整流器12が接続される位置よりも電源11側の給電線L1に設けられるスイッチ13とを備えている。
【0026】
整流器12は、スケルチ検出時に出力される設定信号(=5V)をAFアンプ4の駆動電圧VDD(=6V)よりも低い電位(例えば4.2〜4.3V)に降圧する抵抗値を有するダイオードを順方向に接続したものである。所望の電位を得るためダイオードの他に抵抗を直列に接続してもよい。
【0027】
スイッチ13は、CPU61から出力される給電信号(S5V=“H”)の入力に応じて回線を導通し、給電停止信号(S5V=“L”)の入力に応じて回線を開放する。スイッチ13は、詳しくは、2つのスイッチングトランジスタ、即ち、給電線L1において、電源11にエミッタが接続され、電源入力端子にコレクタが接続されているpnpバイポーラトランジスタ13aと、このトランジスタ13aのベースにコレクタが接続され、エミッタが接地抵抗R1に接続されているnpnバイポーラトランジスタ13bと、で構成されている。トランジスタ13aの下流側には電源電圧Vcc(=7.5V)をAFアンプ4の駆動電圧VDD(=6V)に降圧する抵抗13cが設けられている。給電信号がトランジスタ13bのベースに入力されると、トランジスタ13bはオンし、これに応じてトランジスタ13aはオンし、回線を導通し、給電線L1を介して電力を供給する。給電停止信号がトランジスタ13bのベースに入力されると、トランジスタ13bはオフし、これに応じてトランジスタ13aはオフし、回線を開放する。
【0028】
前記第1の回路は、制御部6が設定信号(AFON=“H”)及び給電停止信号(S5V=“L”)を出力している場合に構成される。第1の回路では、スイッチ13が開放されているため、設定信号が設定用信号線L2を介してAFアンプ4の設定端子43に入力されるだけでなく、整流器12を介して電源入力端子42にも入力される。整流器12によって駆動電圧VDDよりも低い電位にまで降圧された設定信号が電源入力端子42に入力されることによって、AFアンプ4は動作しないが、平滑用コンデンサ41は充電される。
【0029】
前記第2の回路は、制御部6が解除信号(AFON=Lowレベル)及び給電信号(S5V=“H”)を出力している場合に構成される。第2の回路では、解除信号が設定用信号線L2を介してAFアンプ4の設定端子43に入力されて、AFアンプ4のシャットダウン状態が解除される。また、給電信号の入力を受けてスイッチ13が閉じて、回線を導通させるので、電源11から電源入力端子42に駆動電圧VDDが印加されAFアンプ4が動作する。
【0030】
前記第1の回路から第2の回路への切り替え時、AFアンプ4の電源入力端子42に接続されている平滑用コンデンサ41はすでに充電されているので、AFアンプ4は速やかに動作する。これにより、スケルチ解放時に最初の音声がスピーカ5から出力されない、いわゆる頭切れの不具合が解消され、音声信号の出力特性が改善される。
【0031】
なお、本発明は、上記各種実施形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、パワーセーブ回路1は、正論理回路で構成されているが、同一の作用効果が得られるように負論理回路によって構成することも可能である。また、制御部6は受信信号が所定条件を満たさない状態が所定時間継続した場合にパワーセーブモードを設定するが、この“所定時間継続した場合”には、例えば5〜30秒間だけでなく、受信信号が所定条件を満たさない場合に実質的に遅滞なく、即ち直ちにパワーセーブモードを設定する場合を含む。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明のパワーセーブ回路、及びこのパワーセーブ回路を備えた無線機は、受信ユニットのみを備えている受信機(ラジオ)、受信ユニット及び送信ユニットを備えている送受信機(トランシーバ)等の無線機に使用することができる。
【符号の説明】
【0033】
1 パワーセーブ回路
4 AFアンプ
5 スピーカ
6 制御部
7 無線機
11 電源
12 整流器
13 スイッチ
41 平滑用コンデンサ
42 電源入力端子
43 設定端子
AFON 設定信号又は解除信号
L1 給電線
L2 設定用信号線
図1
図2