特許第6237304号(P6237304)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6237304
(24)【登録日】2017年11月10日
(45)【発行日】2017年11月29日
(54)【発明の名称】車両用シートスライド装置
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/08 20060101AFI20171120BHJP
   B60N 2/07 20060101ALI20171120BHJP
【FI】
   B60N2/08
   B60N2/07
【請求項の数】4
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-24618(P2014-24618)
(22)【出願日】2014年2月12日
(65)【公開番号】特開2015-150952(P2015-150952A)
(43)【公開日】2015年8月24日
【審査請求日】2017年1月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】名倉 幹人
(72)【発明者】
【氏名】阿葉家 淳
(72)【発明者】
【氏名】星原 直明
(72)【発明者】
【氏名】川村 健貴
【審査官】 古川 峻弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−201434(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00−2/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに相対移動可能に連結されたロアレール及びアッパレールと、
前記ロアレール及び前記アッパレールの相対移動を選択的に規制するロック部材と、
前記ロアレール内に配置され、メモリピース付勢部材による付勢力で前記アッパレールと係合し、前記付勢力に抗した押圧力で前記ロアレールと係合するメモリピースと、
前記アッパレール内で該アッパレールに回動自在に連結され、メモリリンク付勢部材による付勢力で前記ロック部材及び前記メモリピースを解放し、解除方向に回動することで前記相対移動の規制を解除する回動方向に前記ロック部材を押圧するとともに前記メモリピース付勢部材による付勢力に抗して前記メモリピースを押圧するメモリリンクと、
前記相対移動の方向に前記アッパレールに移動自在に連結され、スライダ付勢部材による付勢力で前記メモリリンクを解放し、シートバックの前倒しに伴い移動することで前記解除方向に前記メモリリンクを押圧するスライド部材と、
前記アッパレールに固定され、前記シートバックの前倒しに伴い前記アッパレールがシート前方に移動した後にシート後方に移動することで前記メモリピースに当接して、移動前の前記ロアレール及び前記アッパレールの相対位置でシート後方への移動を規制するストッパ部材とを備えた、車両用シートスライド装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用シートスライド装置において、
前記アッパレールには、ガイド孔が形成されており、
前記スライド部材は、前記ガイド孔に前記相対移動の方向に移動可能に嵌挿されて前記解除方向に前記メモリリンクを押圧する押圧部材を有した、車両用シートスライド装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の車両用シートスライド装置において、
前記スライド部材は、前記アッパレールに摺接してその移動を案内するガイド部材を有した、車両用シートスライド装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両用シートスライド装置において、
前記シートバックに一方の端末が連係され、前記スライド部材に他方の端末が連結されて、前記シートバックの前倒しに伴って前記スライド部材を移動させる解除ケーブルを備え、
前記解除ケーブルは、前記相対移動の方向に前記スライド部材から前記シートバックに向かって延びる、車両用シートスライド装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用シートスライド装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用シートスライド装置としては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。図9に示すように、この車両用シートスライド装置は、ロアレール110と、該ロアレール110に対し相対移動可能に連結されたアッパレール120と、ロアレール110及びアッパレール120の相対移動を選択的に規制するロック部材(図示略)とを備える。
【0003】
ロアレール110内に配置されるメモリピース130は、メモリピース付勢部材132による上方への付勢力でアッパレール120と係合するとともにロアレール110との係合を解除し、メモリピース付勢部材132の付勢力に抗した下方への押圧力でロアレール110と係合するとともにアッパレール120との係合を解除する。
【0004】
一方、アッパレール120の上部に回動自在に連結されるロック解除用レバー141は、レバー付勢部材(図示略)による付勢力でロック部材を解放する初期回動位置を保持する。また、ロック解除用レバー141は、シートバックが着座状態から前傾した状態(以下、「前倒し」ともいう)にあるときにレバー付勢部材の付勢力に抗して回動することで前記相対移動の規制を解除する回動方向にロック部材を押圧する(以下、「ロック解除」ともいう)。
【0005】
アッパレール120の上部に回動自在に連結されるとともに連結レバー143を介してロック解除用レバー141に連結されるメモリ作動用レバー142は、ロック解除用レバー141が初期回動位置を保持するときにメモリピース130を解放する初期回動位置を保持する。また、メモリ作動用レバー142は、シートバックの前倒しに伴いロック解除用レバー141等を介して回動することでメモリピース130を下方に押圧する(以下、「メモリ作動」ともいう)。さらに、アッパレール120に固定されたメモリ保持ブラケット135は、シートバックの前倒し後のアッパレール120のシート前方への移動に伴い、メモリピース130の上方に進入して該メモリピース130のロアレール110との係合状態等を保持する。さらにまた、アッパレール120の前端部に固定されたストッパ部材136は、シートバックの前倒しに伴いアッパレール120がシート前方に移動した後にシート後方に移動した際に、メモリピース130に当接して移動前のロアレール110及びアッパレール120の相対位置(記憶された相対位置)でシート後方への移動を規制する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−201434号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1では、シートバックの前倒しに伴うロック解除及びメモリ作動のために、アッパレール120の上部でロック解除用レバー141及びメモリ作動用レバー142等を回動させる必要があり、ロック解除及びメモリ作動のために大きなスペースを確保する必要があった。
【0008】
本発明の目的は、シートバックの前倒しに伴うロック解除及びメモリ作動のために要するスペースをより縮小することができる車両用シートスライド装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決する車両用シートスライド装置は、互いに相対移動可能に連結されたロアレール及びアッパレールと、前記ロアレール及び前記アッパレールの相対移動を選択的に規制するロック部材と、前記ロアレール内に配置され、メモリピース付勢部材による付勢力で前記アッパレールと係合し、前記付勢力に抗した押圧力で前記ロアレールと係合するメモリピースと、前記アッパレール内で該アッパレールに回動自在に連結され、メモリリンク付勢部材による付勢力で前記ロック部材及び前記メモリピースを解放し、解除方向に回動することで前記相対移動の規制を解除する回動方向に前記ロック部材を押圧するとともに前記メモリピース付勢部材による付勢力に抗して前記メモリピースを押圧するメモリリンクと、前記相対移動の方向に前記アッパレールに移動自在に連結され、スライダ付勢部材による付勢力で前記メモリリンクを解放し、シートバックの前倒しに伴い移動することで前記解除方向に前記メモリリンクを押圧するスライド部材と、前記アッパレールに固定され、前記シートバックの前倒しに伴い前記アッパレールがシート前方に移動した後にシート後方に移動することで前記メモリピースに当接して、移動前の前記ロアレール及び前記アッパレールの相対位置でシート後方への移動を規制するストッパ部材とを備える。
【0010】
この構成によれば、前記シートバックの前倒しに伴い前記スライダ付勢部材の付勢力に抗して前記スライダ部材が移動すると、前記メモリリンクが前記解除方向に押圧される。これに伴い、前記メモリリンク付勢部材の付勢力に抗して前記メモリリンクが前記解除方向に回動すると、前記ロック部材が前記相対移動の規制を解除する回動方向に押圧されるとともに前記メモリピースが前記メモリピース付勢部材による付勢力に抗して押圧される。これにより、前記ロック部材は、前記相対移動の規制を解除する(ロック解除)。同時に、前記メモリピースは、前記ロアレールと係合するとともに前記アッパレールとの係合を解除する(メモリ作動)。このとき、前記アッパレールは、シート前方に移動可能となる。一方、前記アッパレールがシート後方に移動しようとする際には、前記ロアレールとの固定状態にある前記メモリピースに前記ストッパ部材が当接することでその移動が規制される。つまり、前記シートバックの前倒し時には、前記アッパレールはシート前方にのみ移動可能となる。
【0011】
前記シートバックの前倒しに伴い前記アッパレールがシート前方に移動した後にシート後方に移動してくると、前記ロアレールとの固定状態にある前記メモリピースに前記ストッパ部材が当接することでその移動が規制される。そして、前記シートバックの前倒しに伴い前記アッパレールがシート前方に移動する前の前記ロアレール及び前記アッパレールの相対位置(記憶された相対位置)が復帰される。
【0012】
その後、前記シートバックの前倒しを解消すると、前記スライダ付勢部材による付勢力で前記スライダ部材が復帰するとともに、前記メモリリンク付勢部材による付勢力で前記メモリリンクが復帰する。そして、前記メモリリンクから解放された前記ロック部材が前記相対移動を規制する。同時に、メモリピース付勢部材による付勢力で前記メモリピースが前記アッパレールと係合するとともに前記ロアレールとの係合を解除する。
【0013】
以上により、前記シートバックの前倒しに伴い前記アッパレールがシート前方に移動した後にシート後方に移動した際に、前記シートバックの前倒しの解消を経て移動前の状態が復帰される。
【0014】
特に、シートバックの前倒しに伴うロック解除及びメモリ作動に際しては、前記スライダ部材が前記相対移動の方向に移動することになり、ロック解除及びメモリ作動のために要するスペースをより縮小することができる。
【0015】
上記車両用シートスライド装置について、前記アッパレールには、ガイド孔が形成されており、前記スライド部材は、前記ガイド孔に前記相対移動の方向に移動可能に嵌挿されて前記解除方向に前記メモリリンクを押圧する押圧部材を有することが好ましい。
【0016】
この構成によれば、前記押圧部材が前記ガイド孔に前記相対移動の方向に移動可能に嵌挿されることで、前記スライド部材は、前記押圧部材により前記解除方向に前記メモリリンクをより円滑に押圧することができる。
【0017】
上記車両用シートスライド装置について、前記スライド部材は、前記アッパレールに摺接してその移動を案内するガイド部材を有することが好ましい。
この構成によれば、前記ガイド部材が前記アッパレールに摺接して前記スライド部材の移動を案内することで、該移動をより安定化することができる。
【0018】
上記車両用シートスライド装置について、前記シートバックに一方の端末が連係され、前記スライド部材に他方の端末が連結されて、前記シートバックの前倒しに伴って前記スライド部材を移動させる解除ケーブルを備え、前記解除ケーブルは、前記相対移動の方向に前記スライド部材から前記シートバックに向かって延びることが好ましい。
【0019】
この構成によれば、前記解除ケーブルは、前記相対移動の方向に前記スライド部材から前記シートバックに向かって延びることで、前記解除ケーブルを前記アッパレールに近傍に集約して配索することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、シートバックの前倒しに伴うロック解除及びメモリ作動のために要するスペースをより縮小できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態を示す分解斜視図。
図2】同実施形態を示す縦断面図。
図3】(a)、(b)は、図2の3A−3A線及び3B−3B線に沿った断面図。
図4】(a)は、相対移動の規制状態を示す縦断面図であり、(b)は、(a)の4B−4B線に沿った断面図。
図5】(a)は、シートバックの前倒しに伴う相対移動の規制解除状態を示す縦断面図であり、(b)は、(a)の5B−5B線に沿った断面図。
図6】メモリピースを示す分解斜視図。
図7】作動用スライダ及びその周辺構造を示す分解斜視図。
図8】本発明が適用される車両用シートを示す側面図。
図9】従来形態を示す縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、車両用シートスライド装置の一実施形態について説明する。なお、以下では、車両の前後方向を「前後方向」という。
図8に示すように、車両フロア2には、ロアレール3が前後方向に延在する態様で固定されるとともに、該ロアレール3には、アッパレール4がロアレール3に対し前後方向に相対移動可能に装着されている。つまり、本実施形態では、ロアレール3及びアッパレール4の長手方向であってそれらの相対移動方向(シート前後方向)は前後方向に一致している。
【0023】
なお、ロアレール3及びアッパレール4は、幅方向(図1において紙面に直交する方向)で対をなして配設されており、ここでは前方(シート前方)に向かって左側に配置されたものを示している。そして、両アッパレール4には、乗員の着座部を形成するシート5が固定・支持されている。このシート5は、シート座面を形成するシートクッション7と、該シートクッション7の後端部において回動軸Oの周りに傾動自在に支持されたシートバック8とを備えて構成される。なお、ロアレール3及びアッパレール4の相対移動は基本的に規制状態にあって、該規制状態を解除するための解除ハンドル6が設けられている。
【0024】
図1に示すように、ロアレール3は、板材からなり、幅方向両側で上下方向に延びる一対の第1縦壁部11及びこれら第1縦壁部11の下端間を連結する底壁部12を有する。そして、各第1縦壁部11の上端には、幅方向内側に張り出して更に第1縦壁部11の下端側に折り返された第1フランジ13が連続形成されている。
【0025】
また、図2に併せ示すように、ロアレール3の各第1フランジ13の長手方向中間部には、当該方向に所定の間隔をもってその先端(下端)から上向きに複数の切り欠き13aが形成されるとともに、各隣り合う切り欠き13a間に複数の四角歯状の係止爪13bが形成されている。従って、複数の係止爪13bは、前記所定の間隔をもってロアレール3の長手方向に並設されている。
【0026】
図3(a)に示すように、アッパレール4は、板材からなり、ロアレール3の両第1フランジ13間で上下方向に延びる一対の第2縦壁部14及びこれら第2縦壁部14の上端間を連結する蓋壁部15を有する。そして、各第2縦壁部14の下端には、幅方向外側に張り出して更に第1縦壁部11及び第1フランジ13に包囲されるように折り返された第2フランジ16が連続形成されている。
【0027】
つまり、ロアレール3及びアッパレール4は、開口側が互いに突き合わされた略U字状のレール断面をそれぞれ有しており、主として第1フランジ13及び第2フランジ16の係合によって上下方向に抜け止めされている。これらロアレール3及びアッパレール4により形成されるレール断面は、矩形状をなすいわゆる箱形である。ロアレール3は、アッパレール4と協働して空間Sを形成する。
【0028】
各第2フランジ16の下端部位及びこれに対向する第1縦壁部11と底壁部12との連結部位間、並びに各第2フランジ16の上端部位及びこれに対向する第1フランジ13と第1縦壁部11との連結部位間には、複数の球体状のボール20aが介設されている。図1に示すように、各ボール20aは、前後方向(レール長手方向)に延在する樹脂製のホルダ20bに装着される。各ホルダ20bに装着されるボール20aは、ホルダ20bの前端部に配置された一対及び後端部に配置された一対の合計4個である。アッパレール4は、ロアレール3との間で各ボール20aを転動させる態様で、該ロアレール3に対し長手方向(前後方向)に摺動自在に支持されている。
【0029】
アッパレール4の両第2縦壁部14には、それらの長手方向中央部において幅方向に連通する略四角形の透孔14aが形成されている。また、アッパレール4の両第2フランジ16の上端部位には、それらの長手方向における透孔14aの位置に合わせて略四角形の切り欠き16bが形成されている。各切り欠き16bは、上方に開いて幅方向に連通している。
【0030】
また、図3(a)に示すように、両第2縦壁部14には、透孔14aの前方で幅方向に連通する互いに同心の円形の軸取付孔14b,14cがそれぞれ形成されている。そして、両第2縦壁部14には、軸取付孔14b,14cに両端部の挿入された円柱状の支持軸22が支持されている。この支持軸22の中心線が幅方向に延びることはいうまでもない。
【0031】
図1に示すように、アッパレール4内には、両第2縦壁部14の幅方向内側で、支持軸22によりロックレバー30が回動自在に連結されている。すなわち、ロックレバー30は、前後方向に延在する板材からなる柄部31を備える。柄部31は、その長手方向に延在する一対の縦壁部32が幅方向に並設される態様で立設されている。両縦壁部32は、各々の前端部において接続壁33により上端縁間が幅方向に接続されるとともに、各々の後端部において天板部34により上端縁間が幅方向に接続されている。
【0032】
両縦壁部32には、支持軸22(軸取付孔14b,14c)と同等の上下方向の位置で前後方向に延在する長孔35がそれぞれ形成されている。この長孔35の短手方向(上下方向)の開口幅は、支持軸22の直径と同等に設定されている。両長孔35には、柄部31の両縦壁部32がアッパレール4の両第2縦壁部14に幅方向に挟まれた状態で、両軸取付孔14b,14cに両端部の挿入等される支持軸22が挿通される。これにより、柄部31は、長孔35の範囲で前後方向の移動が許容された状態でアッパレール4に対して上下方向に回動自在に連結されている。
【0033】
また、ロックレバー30は、柄部31の後端部下部に固着された板材からなるロックプレート39を備える。図3(b)に併せ示すように、このロックプレート39は、透孔14a及び切り欠き16bを幅方向に貫通する態様で前後方向及び幅方向に広がっている。そして、ロックプレート39には、各第1フランジ13に対向して上下方向に開口する係止孔39bが形成されている。係止孔39bは、前後方向に複数(3個)が前記所定の間隔をもって並設されており、ロアレール3の長手方向で隣り合う複数(3個)の係止爪13bと合致可能な位置に配置されている。
【0034】
そして、図3(b)に実線で示すように、ロックプレート39が上昇するようにロックレバー30が支持軸22の周りに回動するとき、各係止孔39bに対応する係止爪13bを嵌入可能となっている。各係止孔39bに対応する係止爪13bを嵌入するとき、ロアレール3及びアッパレール4の相対移動が規制される。一方、図3(b)に2点鎖線で示すように、ロックプレート39が下降するようにロックレバー30が支持軸22の周りに回動するとき、各係止孔39bが対応する係止爪13bから外れるように設定されている。このとき、ロアレール3及びアッパレール4の相対移動の規制が解除される。
【0035】
なお、ロックプレート39の幅方向の寸法は、切り欠き16bよりも下方の両第2フランジ16間の幅方向の距離よりも小さく設定されている。従って、ロックプレート39は、ロアレール3及びアッパレール4の相対移動の規制状態で切り欠き16bを幅方向に貫通するものの、前記相対移動の規制の解除状態で第2フランジ16と干渉することはない。
【0036】
図1に示すように、アッパレール4内には、1本の線材からなるロックスプリング50が配置される。このロックスプリング50は、平面視において前側に開口する略コ字状に成形されている。そして、ロックスプリング50は、その長手方向中間部を上方に湾出してなる楔部53を有するとともに、後端部を上方に屈曲してなるレバー側係止端部54を有する。また、ロックスプリング50の前端部は、レール側係止端部55を形成する。図2に併せ示すように、ロックスプリング50は、支持軸22の上方から該支持軸22を楔部53に挟入し、ロックプレート39の下方から該ロックプレート39にレバー側係止端部54を挿通・固定し、レール側係止端部55をアッパレール4の蓋壁部15下面に当接させることで、アッパレール4等に支持されている。
【0037】
このとき、ロックスプリング50は、レバー側係止端部54においてロックプレート39が上昇する側、即ち各係止孔39bに対応する係止爪13bが嵌入する側にロックレバー30を回動付勢する。また、ロックスプリング50は、その反力で楔部53において支持軸22を下方に、即ち長孔35の長手方向に交差する方向に付勢することで長孔35内での支持軸22の前後方向の移動を規制する。
【0038】
なお、前記解除ハンドル6は、筒材を曲げ成形してなり、アッパレール4の前側開口端から該アッパレール4内に挿入され、柄部31の前端部が挿入されることでロックレバー30に連結される。従って、解除ハンドル6は、基本的に支持軸22の周りにロックレバー30と一体回動する。そして、解除ハンドル6の前端が持ち上がると、該解除ハンドル6と共にロックレバー30がロックスプリング50の付勢力に抗して支持軸22の周りにロックプレート39が下降する側、即ち各係止孔39bが対応する係止爪13bから外れる側に回動する。
【0039】
ここで、解除ハンドル6の操作力が解放されているものとする。このとき、ロックスプリング50の付勢力により、解除ハンドル6と共にロックレバー30が支持軸22の周りにロックプレート39が上昇する側、即ち各係止孔39bが対応する係止爪13bに嵌入する側に回動されることで、前述の態様でロアレール3及びアッパレール4の相対移動が規制される。そして、アッパレール4に支持されるシート5の前後方向の位置が保持される。
【0040】
その後、解除ハンドル6がその前端を持ち上げるように操作されたとする。このとき、ロックスプリング50の付勢力に抗して、解除ハンドル6と共にロックレバー30が支持軸22の周りにロックプレート39が下降する側、即ち各係止孔39bが対応する係止爪13bから外れる側に回動されることで、前述の態様でロアレール3及びアッパレール4の相対移動の規制が解除される。そして、アッパレール4に支持されるシート5の前後方向の位置調整が可能になる。
【0041】
図4(a)、(b)に示すように、ロアレール3の底壁部12には、その長手方向に前記所定の間隔をもって複数の円形の下側係止孔12aが形成されている。そして、底壁部12には、アッパレール4の両第2縦壁部14間の距離よりも小さい幅を有する板材からなる略長尺状のメモリガイド25が複数の下側係止孔12aに沿って延設されている。このメモリガイド25は、その幅方向両端部を互いに対向する幅方向内側に折返してなる一対のガイド爪26を有して断面略C字形状を呈しており、その幅方向中央部には、複数の下側係止孔12aにそれぞれ対向して複数の円形の挿通孔27が形成されている。従って、複数の挿通孔27も、前記所定の間隔をもってロアレール3の長手方向に並設されている。なお、挿通孔27の内径は、下側係止孔12aの内径よりも大きく設定されている。
【0042】
メモリガイド25には、メモリピース60が載置されている。図6に併せ示すように、このメモリピース60は、メモリベース61と、メモリピン62と、係止プレート63と、外れ防止プレート64と、例えばコイルスプリングからなる第1付勢部材65及び第2付勢部材66とを備えて構成される。
【0043】
メモリベース61は、メモリガイド25の幅と同等の幅を有して略ブロック状に成形されており、メモリガイド25(ロアレール3)に沿って前後方向(シート前後方向)に移動自在となっている。すなわち、メモリベース61には、その幅方向両端面から互いの対向する幅方向内側に凹む一対のガイド溝61aが前後方向の全長に亘って形成されている。メモリベース61は、これら両ガイド溝61aにメモリガイド25の両ガイド爪26が前後方向に摺動自在に係入されることで、両ガイド爪26に案内されつつメモリガイド25に沿って前後方向に移動する。
【0044】
また、メモリベース61には、上方に開口する略四角形のガイド穴61bが形成されるとともに、前記下側係止孔12aの内径と同等の内径を有してガイド穴61bの底壁を貫通する円形の挿通孔61cが形成されている。そして、メモリベース61のガイド穴61bには、第1付勢部材65が収容されるとともに、該第1付勢部材65に挿通される態様でメモリピン62が装着される。このメモリピン62は、ガイド穴61bの外形に合わせて略四角柱状に成形された本体部62aを有しており、該本体部62aにおいてガイド穴61bにより上下方向の移動が案内されている。このとき、メモリピン62は、本体部62aが第1付勢部材65に載置されることで上方に移動する側に常時付勢される。
【0045】
メモリピン62は、本体部62aよりも幅方向及び前後方向に縮小されてその上側に突出する略四角柱状の頭部62bを有するとともに、挿通孔61cと同心で本体部62aから第1付勢部材65を貫通しつつ下側に突出する略円柱状の係止部62cを有する。係止部62cの外径は、挿通孔61c(下側係止孔12a)の内径と同等に設定されている。
【0046】
なお、本体部62aには、その幅方向全長に亘って後端面の上下方向中間部から前方に凹む略U字溝状の被係止溝62dが形成されている。また、本体部62aの上面は、頭部62bとの境界位置に略四角環状の段差部62eを形成する。
【0047】
さらに、メモリベース61には、その上下方向中間部で後端面及びガイド穴61b間を前後方向に連通する円形の収容孔61dが形成されている。この収容孔61dの内径は、ガイド穴61bの幅方向の開口幅よりも小さく設定されている。そして、この収容孔61dには、第2付勢部材66が収容されている。
【0048】
また、メモリベース61には、収容孔61dの上下方向中央部の位置で前後方向に連通するプレートガイド孔61eが形成されている。このプレートガイド孔61eは、幅方向に延在するスリット形状を呈している。プレートガイド孔61eの幅方向の開口幅は、ガイド穴61bの幅方向の開口幅よりも大きく設定されており、従って、ガイド穴61b及び収容孔61dの各々の内壁面は、プレートガイド孔61eにより幅方向両外側に溝状に切り欠かれている。そして、このプレートガイド孔61eには、その前方から係止プレート63が前後方向に摺動自在に挿入・案内されている。すなわち、係止プレート63は、プレートガイド孔61eの幅方向の開口幅と同等の幅を有する略四角板状に成形されており、前方からプレートガイド孔61eに嵌挿されている。このとき、係止プレート63は、その後端部が収容孔61dに進入して第2付勢部材66に圧接することで、前方に常時付勢されるようになっている。
【0049】
係止プレート63の中央部には、略四角形の透孔63aが形成されている。この透孔63aの幅方向の開口幅は、ガイド穴61bの幅方向の開口幅(本体部62aの幅)と同等に設定されており、前後方向の開口幅は、ガイド穴61bの前後方向の開口幅(本体部62aの前後方向の長さ)よりも大きく設定されている。
【0050】
ガイド穴61bにおいて第1付勢部材65により上方に付勢されるメモリピン62は、基本的に被係止溝62dよりも下方の本体部62aにおいて透孔63aを貫通している。従って、第2付勢部材66に付勢される係止プレート63の前方への移動は、透孔63aのシート後側縁部63cが本体部62aに当接することで規制されている。このとき、ガイド穴61b(及び透孔63a)内でのメモリピン62の上下方向の移動が許容される。
【0051】
一方、ガイド穴61b内でメモリピン62が第1付勢部材65の付勢力に抗して下方に移動し、被係止溝62dが係止プレート63の上下方向の位置に到達すると、第2付勢部材66の付勢力で前方に移動する透孔63aのシート後側縁部63cが被係止溝62dに嵌入する。このとき、ガイド穴61b(及び透孔63a)内でのメモリピン62の上下方向の移動が規制される(図5(a)参照)。
【0052】
なお、係止プレート63の前端部は、下方から後方に略弓形に折り返されて被押圧部63bを形成する。
さらに、メモリベース61には、プレートガイド孔61eの上方で前端面及びガイド穴61b間を前後方向に連通する略四角形の前側掛止孔61fが形成されるとともに、収容孔61dの下方で後端面及びガイド穴61b間を前後方向に連通する略四角形の後側掛止孔61gが形成されている。そして、外れ防止プレート64は、これら前側掛止孔61f及び後側掛止孔61gにおいてメモリベース61に固定されている。すなわち、外れ防止プレート64は、板材からなり、メモリベース61の上面に沿って広がるとともに、前端部及び後端部から下方に前側掛止爪64a及び後側掛止爪64bをそれぞれ延出する。外れ防止プレート64は、メモリベース61の上面に当接する状態でその前側掛止爪64a及び後側掛止爪64bが前側掛止孔61f及び後側掛止孔61gにそれぞれ嵌入されることでメモリベース61に固定されている。
【0053】
外れ防止プレート64の中央部には、略四角形の頭部挿入孔64cが形成されている。この頭部挿入孔64cの幅方向の開口幅及び前後方向の開口幅は、頭部62bの幅及び前後方向の長さとそれぞれ同等に設定されている。そして、第1付勢部材65に上方に付勢されるメモリピン62は、その頭部62bが頭部挿入孔64cに嵌挿されている。従って、第1付勢部材65に付勢されるメモリピン62の上方への移動は、段差部62eが頭部挿入孔64cの周縁部に当接することで規制されている。つまり、外れ防止プレート64は、メモリピン62の最上方位置を規制して該メモリピン62の上方への抜け止めをしている。なお、外れ防止プレート64は、係止プレート63を前方に付勢する第2付勢部材66の後端に圧接すること該第2付勢部材66の後方への抜け止めを併せて行っている。
【0054】
ここで、図4(a)に示すように、メモリピン62が上方に移動して段差部62eが頭部挿入孔64cの周縁部に当接する状態(段差部62eによりメモリピン62の上方への移動が規制される状態)では、頭部62bが外れ防止プレート64から上方に大きく突出している。このとき、挿通孔61cからの係止部62c先端の突出長が僅少又は皆無になるように設定されており、メモリピース60は、メモリガイド25(底壁部12)の長手方向に移動可能である。
【0055】
一方、図5(a)に示すように、下方に移動したメモリピン62の被係止溝62dに係止プレート63の透孔63aのシート後側縁部63cが嵌入してメモリピン62の上下方向への移動が規制される状態では、係止部62cがメモリベース61から下方に大きく突出している。従って、このときに係止部62cの下側に前記下側係止孔12a(挿通孔27)が開口していれば、係止部62cの先端が挿通孔27及び下側係止孔12aを貫通する。このとき、メモリピース60は、ロアレール3(底壁部12)に固定されてその長手方向に移動不能となる。
【0056】
図4(a)に示すように、アッパレール4には、ロックレバー30の後方で、板材からなるストッパ部材70が固定・支持されている。すなわち、ストッパ部材70は、メモリベース61よりも上方、且つ、該メモリベース61から相対的に大きく突出しているメモリピン62(頭部62b)よりも下方の位置で前後方向に延びる支持壁部71を有する。また、ストッパ部材70は、支持壁部71よりも拡幅されてその前端から下方に延びる押圧片72を有するとともに、支持壁部71の後端から後方上側に延びる略L字状の取付片73を有する。ストッパ部材70は、取付片73を蓋壁部15と共に上下方向に貫通する締結具78によりアッパレール4に締結されている。
【0057】
また、ストッパ部材70は、押圧片72の幅方向両端から前方に延びる一対の被支持フランジ74を有する。これら被支持フランジ74には、幅方向に連通する円形の軸挿通孔74aが形成されている。これら両被支持フランジ74間の幅方向の距離は、アッパレール4の両第2縦壁部14間の幅方向の距離と同等に設定されている。そして、両軸挿通孔74aには、両第2縦壁部14に両端部の挿入された円柱状の固定ピン79が挿通されている。この固定ピン79の中心線が幅方向に延びることはいうまでもない。
【0058】
以上により、ストッパ部材70は、締結具78及び固定ピン79により前後の2箇所でアッパレール4に堅固に固定・支持されている。
ストッパ部材70は、支持壁部71の前端部の幅方向両端から押圧片72に沿って下方に延びる一対のストッパ片75を有する。これらストッパ片75は、その後方で係止プレート63よりも上方のメモリベース61に対向している。一方、押圧片72は、その後方で係止プレート63に対向している。つまり、ストッパ部材70は、アッパレール4と共に後方に移動する際に、両ストッパ片75においてメモリベース61に当接可能であるとともに、押圧片72において係止プレート63(被押圧部63b)に当接可能である。特に、両ストッパ片75がメモリベース61に当接する状態では、押圧片72は、第2付勢部材66の付勢力に抗して係止プレート63を後方に移動させており、これにより、第1付勢部材65により上方に付勢されるメモリピン62は、その頭部62bを外れ防止プレート64から上方に大きく突出させている。
【0059】
なお、支持壁部71の中央部には、上下方向に連通する上側係止孔71aが形成されている。この上側係止孔71aの幅方向の開口幅及び前後方向の開口幅は、メモリピン62の頭部62bの幅及び前後方向の長さとそれぞれ同等に設定されている。そして、ストッパ部材70が両ストッパ片75においてメモリベース61に当接する状態では、第1付勢部材65により上方に付勢されるメモリピン62は、その頭部62bが上側係止孔71aに嵌挿されるようになっている。
【0060】
従って、メモリピン62(メモリピース60)は、ロアレール3(メモリガイド25)に沿って前後方向に移動可能である一方で、ストッパ部材70が固定されるアッパレール4に対して前後方向に移動不能である。すなわち、メモリピン62は、メモリベース61から上方に突出する状態にあるときにアッパレール4と係合するとともにロアレール3との係合を解除する。そして、ロアレール3に対してアッパレール4が前後方向の移動するとき、メモリピン62(メモリピース60)も一体で前後方向に移動する。あるいは、ロックレバー30によりロアレール3に対するアッパレール4の前後方向の移動が規制されるとき、メモリピン62(メモリピース60)の前後方向の移動も規制される。このとき、メモリピン62の係止部62cの下側に複数の下側係止孔12a(挿通孔27)のいずれか一つが開口するように設定されている。
【0061】
なお、既述のように、メモリピン62の係止部62cがメモリベース61から下方に大きく突出してその先端が挿通孔61c,27及び下側係止孔12aを貫通するとき、メモリピース60はロアレール3(底壁部12)に固定されてその長手方向に移動不能となる。このとき、メモリピン62の頭部62bは、支持壁部71よりも下方に位置するように設定されている。これにより、例えばメモリピン62の頭部62bが上側係止孔71aから外れることで、メモリピース60を残置したままでのアッパレール4の前方への移動が許容される。すなわち、メモリピン62は、メモリベース61から下方に突出する状態にあるときにロアレール3と係合するとともにアッパレール4との係合を解除する。
【0062】
ストッパ部材70は、支持壁部71の後端部の幅方向両端から上方に延びる一対の取付フランジ76を有する。そして、ストッパ部材70には、両取付フランジ76の幅方向内側で、幅方向に軸線の延びる取付ピン77によりメモリリンク80が回動自在に連結されている。すなわち、メモリリンク80は、板材からなり、前後方向に延在する略長方形の天板部81を有するとともに、該天板部81の幅方向両端から下方に延びる一対の縦壁部82を有する。そして、メモリリンク80は、両取付フランジ76に挟まれる両縦壁部82の後端部において、両取付フランジ76と共に幅方向に貫通する取付ピン77により回動自在に連結されている。
【0063】
天板部81は、ストッパ部材70に沿ってその上方を前後方向に延びており、その前端部は、前方に向かうに従って下方に向かうように傾斜して斜面状の被押圧部81aを形成する。被押圧部81aはロックレバー30(天板部34)の後端部上方にまで到達している。そして、天板部81の前端は、縦壁部82の下端よりも下方に突出する略爪状の押圧部81bを形成する。従って、図4(a)から図5(a)への変化で示すように、メモリリンク80が取付ピン77を中心に図示反時計回転方向(以下、「解除方向」ともいう)に回動したとする。このとき、押圧部81bに押圧されるロックレバー30がロックスプリング50の付勢力に抗して支持軸22の周りにロックプレート39が下降する側、即ち各係止孔39bが対応する係止爪13bから外れる側に回動するようになっている。
【0064】
また、天板部81の被押圧部81aよりも後方の部位には、上側係止孔71aに対向して下方に突出する略舌片状の押圧突部83が固着されている。従って、図4(a)から図5(a)への変化で示すように、メモリリンク80が取付ピン77を中心に図示反時計回転方向(解除方向)に回動したとする。このとき、押圧突部83が上側係止孔71aに挿入される。このとき、上側係止孔71aにメモリピン62の頭部62bが嵌入していれば、メモリピン62は、押圧突部83に押圧されてメモリベース61から下方に突出するとともに、前述の態様で係止プレート63により上下方向の移動が規制される。なお、押圧突部83に押圧されるメモリピン62が係止プレート63により上下方向の移動が規制されるときのメモリリンク80の回動位置では、押圧部81bに押圧されるロックレバー30は、ロックプレート39の各係止孔39bが対応する係止爪13bから外れる回動位置に到達するように設定されている。
【0065】
なお、取付ピン77の周りには、例えば捩りコイルスプリングからなるメモリリンク付勢部材85が巻回されている。このメモリリンク付勢部材85は、一端がストッパ部材70(支持壁部71)に係止され、他端がメモリリンク80(天板部81)に係止されて、該メモリリンク80を図示時計回転方向に回動付勢する。メモリリンク80は、メモリリンク付勢部材85による付勢力でロックレバー30及びメモリピース60(メモリピン62)を解放する初期回動位置を保持するようになっている。
【0066】
アッパレール4の蓋壁部15には、メモリリンク80の前端部に対向して上下方向に連通する略長方形のガイド孔15Aが形成されている。そして、蓋壁部15には、メモリリンク80等の近傍で、スライド部材としての作動用スライダ90が前後方向に摺動自在に支持されている。図7に併せ示すように、この作動用スライダ90は、ガイド部材91と、ワイヤ取付部材92と、押圧部材93とを備えて構成される。
【0067】
ガイド部材91は、アッパレール4の片側の第2縦壁部14の幅方向外側で前後方向に延在する略ブロック状のガイド部91aを有するとともに、該ガイド部91aの長手方向中間部から蓋壁部15に沿って幅方向内側に延出する略平板状の取付片91bを有する。そして、取付片91bには、ガイド孔15Aに対向して上下方向に開口する略長方形の嵌合孔91cが形成されている。この嵌合孔91cの幅方向の開口幅は、ガイド孔15Aの当該方向の開口幅と同等に設定されており、嵌合孔91cの前後方向の開口幅は、ガイド孔15Aの当該方向の開口幅よりも小さく設定されている。
【0068】
ワイヤ取付部材92は、板材からなり、ガイド部材91のガイド部91aの幅方向外側で前後方向に延在する略U字溝状のワイヤ取付部92aを有する。また、ワイヤ取付部材92は、ワイヤ取付部92aの幅方向内側の上端から当該側に延出する略平板状のフランジ92bを有するとともに、該フランジ92bの後端部から幅方向内側下方に延出する略L字状の取付片92cを有する。取付片92cには、嵌合孔91cに対向して上下方向に開口する略円形の挿入孔92dが形成されている。この挿入孔92dの内径は、嵌合孔91cの幅方向の開口幅と同等に設定されている。そして、ワイヤ取付部材92は、取付片92cが取付片91bに載置された状態で、挿入孔92dが嵌合孔91cの中央部に開口可能となっている。なお、ワイヤ取付部92aの幅方向に並設される一対の縦壁の各々の前端部には、幅方向に開口する円形の取付孔92eが形成されている。
【0069】
押圧部材93は、アッパレール4の蓋壁部15と共にガイド部材91及びワイヤ取付部材92に挿設されている。すなわち、この押圧部材93は、上向きに凸となる略鍋形の頭部93aを有するとともに、該頭部93aよりも縮径されてその下端に接続された略円柱状の挿入部93bを有し、更に該挿入部93bの下端に接続された略四角柱状の嵌合部93cを有する。挿入部93bの外径は挿入孔92dの内径と同等に設定されており、嵌合部93cの幅方向及び前後方向の寸法は、嵌合孔91cの幅方向及び前後方向の開口幅とそれぞれ同等に設定されている。
【0070】
また、押圧部材93は、嵌合部93cの前後方向の寸法よりも大きい外径を有してその下端に接続された下向きに凸となる略鍋形の押圧部93dを有する。押圧部材93は、挿入部93bが挿入孔92dに挿入され、嵌合部93cが嵌合孔91cに嵌挿されるとともにガイド孔15Aに前後方向への移動が許容された状態で挿入される。このとき、押圧部材93は、頭部93aが挿入孔92d上端の周縁部に当接するとともに、押圧部93dがガイド孔15A下端の周縁部に当接することで、ガイド部材91等に対して抜け止めされる。なお、押圧部93dの上下方向中間部には、内周側に向かって凹む環状の支持溝93eが形成されている。
【0071】
以上により、作動用スライダ90は、押圧部材93の嵌合部93cがガイド孔15Aの前端に当接する状態から後端に当接する状態までの範囲で蓋壁部15に対して前後方向に摺動可能となっている。図4(a)に示すように、嵌合部93cがガイド孔15Aの前端に当接する状態では、押圧部材93(押圧部93d)の下端は、初期回動位置にあるメモリリンク80の前方でその前端に当接又は近接している。従って、図4(a)から図5(a)への変化で示すように、作動用スライダ90がアッパレール4に沿って後方に移動すると、押圧部93dの下端に押圧されるメモリリンク80がメモリリンク付勢部材85の付勢力に抗して取付ピン77の周りに前記解除方向に回動する。
【0072】
アッパレール4の蓋壁部15には、ガイド孔15Aの前方で上下方向に連通する略円形の取付孔15Bが形成されている。そして、取付孔15Bには、スプリング支持部材95が取着されている。このスプリング支持部材95は、上向きに凸となる略鍋形の頭部95aを有するとともに、該頭部95aよりも縮径されてその下端に接続された略円柱状の挿入部95bを有し、更に該挿入部95bよりも拡径されてその下端に接続された下向きに凸となる略鍋形の支持部95cを有する。挿入部95bの外径は取付孔15Bの内径と同等に設定されている。スプリング支持部材95は、挿入部93bが取付孔15Bに挿入され、頭部95aが取付孔15B上端の周縁部に当接するとともに、支持部95cが取付孔15B下端の周縁部に当接することで、蓋壁部15に対して抜け止めされる。なお、支持部95cの上下方向中間部には、内周側に向かって凹む環状の支持溝95dが形成されている。
【0073】
押圧部材93の支持溝93eには、板材からなる環状の可動側係止プレート96が固定されている。この可動側係止プレート96には、押圧部93dが挿通可能に上下方向に連通する挿通孔96aが形成されるとともに、該挿通孔96aの前端中央部から前方に凹む湾状の係止溝96bが形成されている。可動側係止プレート96は、挿通孔96aの後端周縁部が支持溝93eに嵌着されることで押圧部材93に固定されている。
【0074】
一方、スプリング支持部材95の支持溝95dには、板材からなる環状の固定側係止プレート97が固定されている。この固定側係止プレート97には、支持部95cが挿通可能に上下方向に連通する挿通孔97aが形成されるとともに、該挿通孔97aの後端中央部から後方に凹む湾状の係止溝97bが形成されている。固定側係止プレート97は、挿通孔97aの前端周縁部が支持溝95dに嵌着されることでスプリング支持部材95に固定されている。
【0075】
可動側係止プレート96の係止溝96b及び固定側係止プレート97の係止溝97bには、例えばコイルスプリングからなるスライダ付勢部材98の両端末がそれぞれ係止されている。このスライダ付勢部材98は、可動側係止プレート96等を介して作動用スライダ90を前方に向かって付勢する。従って、作動用スライダ90は、スライダ付勢部材98の付勢力により、基本的に押圧部材93の嵌合部93cがガイド孔15Aの前端に当接する状態(メモリリンク80を解放する初期位置)に保持されている。
【0076】
ワイヤ取付部材92には、両取付孔92eにおいて解除ケーブル99の一方の端末99aが係止されている。すなわち、端末99aは、取付孔92eの内径と同等の外径を有して幅方向に中心線の延びる略円柱形状を呈しており、各先端が取付孔92eに挿入されることでワイヤ取付部材92に係止されている。
【0077】
解除ケーブル99は、取付孔92eから後方に延びており、その他方の端末はシートバック8に連結されている。解除ケーブル99は、シートバック8が着座状態から前傾した状態(以下、「前倒し」ともいう)にあるとき、ワイヤ取付部材92(作動用スライダ90)を後方に引っ張ることで、スライダ付勢部材98の付勢力に抗して作動用スライダ90を後方に移動させる。このとき、押圧部93dの下端に押圧されるメモリリンク80がメモリリンク付勢部材85の付勢力に抗して取付ピン77の周りに前記解除方向に回動することは既述のとおりである。
【0078】
ここで、図4(a)、(b)に示すように、シートバック8が前倒しされておらず、作動用スライダ90がスライダ付勢部材98による付勢力でメモリリンク80を解放する初期位置に保持されているものとする。そして、メモリリンク80がメモリリンク付勢部材85による付勢力でロックレバー30及びメモリピース60(メモリピン62)を解放する初期回動位置に保持されているものとする。また、メモリピン62が第1付勢部材65の付勢力によりメモリベース61から突出してストッパ部材70(アッパレール4)と係合するとともにロアレール3との係合を解除しているものとする。このとき、メモリピン62(係止部62c)の下側に複数の下側係止孔12a(挿通孔27)のいずれか一つが開口することは既述のとおりである。
【0079】
この状態で、解除ハンドル6の操作力が解放されていれば、前述の態様でロックレバー30によりロアレール3に対する相対移動が規制されるアッパレール4と共に、メモリピン62(メモリピース60)の移動も規制される。
【0080】
一方、解除ハンドル6が操作されると、ロックレバー30によるロアレール3に対する相対移動の規制が解除されるアッパレール4と共に、メモリピン62(メモリピース60)が移動可能となる。つまり、解除ハンドル6の操作を経てアッパレール4を前後方向に移動させる際には、メモリピース60も一体で前後方向に移動する。
【0081】
すなわち、シートバック8が着座状態にあるときには、メモリピース60はアッパレール4と一体で前後方向に移動する。
次に、図4(a)、(b)に示す状態で、シートバック8が前倒しされると、図5(a)、(b)への変化で示すように、解除ケーブル99に引っ張られる作動用スライダ90がスライダ付勢部材98の付勢力に抗してアッパレール4に沿って後方に移動する。このとき、ガイド部材91のガイド部91aが第2縦壁部14の外側面に摺接することで、ガイド孔15Aに沿う押圧部材93の後方への移動がより安定化される。そして、後方に移動する押圧部材93の押圧部93dに押圧されるメモリリンク80が前記解除方向に回動する。
【0082】
これに伴い、メモリリンク80の押圧部81bに押圧されるロックレバー30がロアレール3に対するアッパレール4の相対移動の規制を解除する(ロック解除)。同時に、メモリリンク80の押圧突部83に押圧されるメモリピン62がメモリベース61から下方に突出することで、ロアレール3と係合するとともにストッパ部材70(アッパレール4)との係合を解除する(メモリ作動)。このとき、アッパレール4は、メモリピン62(メモリピース60)をロアレール3に残置したまま前方に移動可能となる。
【0083】
なお、ロックレバー30は、シートバック8が前倒し状態にある限り、メモリリンク80の押圧部81bに押圧され続けることになり、従って、ロアレール3に対するアッパレール4の相対移動の規制の解除状態を維持する。つまり、シートバック8の前倒し状態では、アッパレール4(シート5)は、周知のストッパ機構により前方への移動が規制されるまで、当該方向の移動が許容される(いわゆるウォークイン動作)。また、アッパレール4が前方に移動する直前の状態又は前方に移動した任意の状態で、シートバック8が引き起こされて前倒しが解消されると、ロックレバー30は、初期回動位置に復帰するメモリリンク80の押圧部81bから解放されて、ロアレール3に対するアッパレール4の相対移動を規制する。
【0084】
シートバック8の前倒し状態のまま、前方に移動していたアッパレール4がその後に後方に移動してくると、まず、ストッパ部材70の押圧片72が係止プレート63(被押圧部63b)に接触する。この段階では、ストッパ部材70の両ストッパ片75及びメモリベース61は前後方向に離隔されている。
【0085】
その後、アッパレール4が後方に更に移動してくると、ストッパ部材70の両ストッパ片75がメモリベース61に当接することで、アッパレール4の後方への移動が規制される。すなわち、シートバック8が前倒し状態にあるときに、シート後方に移動するストッパ部材70の両ストッパ片75(アッパレール4)がメモリベース61に当接するようになっている。つまり、アッパレール4は、シートバック8の前倒しに伴い前方に移動する直前の位置(記憶された位置)で停止する。同時に、ストッパ部材70の押圧片72に押圧される係止プレート63が後方に移動することで、該係止プレート63によるメモリピン62の上下方向への移動規制が解除される。ただし、これに代わってメモリピン62上にメモリリンク80の押圧突部83が進入してくることになり、該押圧突部83によりメモリピン62の上方への移動が規制される。
【0086】
その後、シートバック8が引き起こされて前倒しが解消されると、図4(a)への変化で示すように、スライダ付勢部材98に付勢される作動用スライダ90がアッパレール4に沿って前方に移動し、初期位置に復帰する。また、押圧部材93(押圧部93d)から解放されたメモリリンク80も初期回動位置に復帰する。
【0087】
これに伴い、メモリリンク80の押圧部81bから解放されたロックレバー30は、ロアレール3に対するアッパレール4の相対移動を規制する。同時に、メモリリンク80の押圧突部83から解放されたメモリピン62がメモリベース61から突出することで、ストッパ部材70(アッパレール4)と係合するとともにロアレール3との係合を解除する。
【0088】
以上により、シートバック8の前倒しに伴いアッパレール4が前方(シート前方)に移動した後にシート後方に移動した際に、シートバック8の前倒しの解消を経て移動前の状態が復帰される。
【0089】
次に、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態では、シートバックの前倒しに伴うロック解除及びメモリ作動に際しては、作動用スライダ90が前後方向に移動することになり、ロック解除及びメモリ作動のために要するスペースがより縮小される。
【0090】
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、シートバックの前倒しに伴うロック解除及びメモリ作動のために要するスペースをより縮小することができる。
【0091】
(2)本実施形態では、作動用スライダ90の押圧部材93がガイド孔15Aに前記相対移動の方向(前後方向)に移動可能に嵌挿されることで、作動用スライダ90は、押圧部材93によりメモリリンク80を解除方向により円滑に押圧することができる。
【0092】
(3)本実施形態では、ガイド部材91がアッパレール4に摺接して押圧部材93の移動を案内することで、ガイド孔15Aに沿う押圧部材93の移動(作動用スライダ90の移動)をより安定化することができる。
【0093】
(4)本実施形態では、解除ケーブル99は、前記相対移動の方向(前後方向)に作動用スライダ90からシートバック8に向かって後方に延びることで、解除ケーブル99をアッパレール4に近傍に集約して配索することができる。
【0094】
(5)本実施形態では、作動用スライダ90の初期位置への復帰に係るスライダ付勢部材98の一方の端末が、メモリリンク80の押圧に係る押圧部材93に可動側係止プレート96を介して係止されることで、メモリリンク80から押圧部材93をより確実に離脱させることができる。
【0095】
(6)本実施形態では、ロックレバー30、メモリピース60、メモリリンク80、ストッパ部材70及びスライダ付勢部材98は、ロアレール3及びアッパレール4の形成する空間S内に収まって配置されている。従って、基本的に作動用スライダ90及びスプリング支持部材95の一部のみがロアレール3及びアッパレール4の外部に配置されることになり、レール外部に要する配置スペースをより縮小することができる。
【0096】
なお、メモリピース60は、アッパレール4と係合等する状態にあればその下方に収まって外部に露出することはない。一方、メモリピース60は、ロアレール3と係合等する状態にあれば、シート前方への移動に伴いアッパレール4がメモリピース60を通過すると、その上方で外部に露出することになる。つまり、メモリピース60が「ロアレール3及びアッパレール4の形成する空間S内に収まって配置される」ことは、厳密には「ロアレール3及びアッパレール4をそれらの相対移動方向に投影した空間内に収まって配置される」ことを意味している。
【0097】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記実施形態において、スライダ付勢部材98の一方の端末は、押圧部材93以外の作動用スライダ90の適宜箇所に係止されていてもよい。ただし、スライダ付勢部材98は、アッパレール4内に配置されることがより好ましい。
【0098】
・前記実施形態において、作動用スライダ90からシートバック8に向かって延びる解除ケーブル99は、前記相対移動の方向に沿っていなくてもよい。
・前記実施形態において、ガイド部材91(ガイド部91a)は、アッパレール4の外側面に摺接していなくてもよい。この場合、ガイド部材91を省略してもよい。
【0099】
・前記実施形態において、押圧部材93が後方への移動に伴って解除方向にメモリリンク80を押圧できるのであれば、ガイド孔15Aによる押圧部材93の嵌挿構造を省略してもよい。
【0100】
・前記実施形態において、ガイド部材91、ワイヤ取付部材92及び押圧部材93のいずれか二つ以上を一体に形成してもよい。この場合、部品点数を削減することができる。
・前記実施形態において、メモリピース60及びその周辺構造は一例である。例えば、係止プレート63及び第2付勢部材66を割愛してもよい。この場合、特許文献1のようにシートバック8の前倒し後にアッパレール4がシート前方に移動する際にメモリピン62の上方に進入可能なメモリ保持ブラケットを設け、該メモリ保持ブラケットによりメモリピン62を下方に押圧し続けてロアレール3との係合状態等を保持すればよい。
【0101】
・前記実施形態において、ロアレール3又はアッパレール4と係脱する際のメモリピン62(メモリピース60)の移動方向は、上下方向に限定されるものではなく、例えば幅方向に一致していてもよい。
【0102】
・前記実施形態において、メモリリンク80は、アッパレール4に直に支持される取付ピン(77)周りに回動自在に連結されていてもよい。
・前記実施形態において、ロアレール3は、複数枚の板材を溶接などで結合した構造であってもよい。
【0103】
・前記実施形態において、アッパレール4は、複数枚の板材を溶接などで結合した構造であってもよい。
・前記実施形態において、シートバック8の前倒しに伴うアッパレール4(シート5)の前方への移動は、適宜の付勢部材の付勢力を利用して行うものであってもよいし、乗員等により手動で行うものであってもよい。
【0104】
・前記実施形態において、ロアレール3及びアッパレール4(車両用シートスライド装置)は、シート5に対し各1本ずつ配設される構成であってもよいし、各3本以上ずつ配設される構成であってもよい。
【0105】
・前記各実施形態において、ロアレール及びアッパレールの相対移動の方向は、例えば車両の幅方向であってもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
【0106】
(イ)車両用シートスライド装置において、
前記スライダ付勢部材は、前記押圧部材に一方の端末が係止されたコイルスプリングである、車両用シートスライド装置。
【0107】
この構成によれば、前記スライダ部材の初期位置への復帰に係る前記スライダ付勢部材の一方の端末が、前記メモリリンクの押圧に係る前記押圧部材に係止されることで、前記メモリリンクから前記押圧部材をより確実に離脱させることができる。
【符号の説明】
【0108】
S…空間、3…ロアレール、4…アッパレール、5…シート、8…シートバック、11…第1縦壁部、12…底壁部、12a…下側係止孔、13…第1フランジ、14…第2縦壁部、15…蓋壁部、15A…ガイド孔、16…第2フランジ、30…ロックレバー(ロック部材)、60…メモリピース、61…メモリベース、62…メモリピン、62d…被係止溝、62e…段差部、63…係止プレート、63a…透孔、63c…シート後側縁部、64…外れ防止プレート、65…第1付勢部材(メモリピース付勢部材)、66…第2付勢部材、70…ストッパ部材、71a…上側係止孔、74…被支持フランジ、76…取付フランジ、77…取付ピン、79…固定ピン、80…メモリリンク、85…メモリリンク付勢部材、90…作動用スライダ(スライド部材)、91…ガイド部材、92…ワイヤ取付部材、93…押圧部材、95…スプリング支持部材、96…可動側係止プレート、97…固定側係止プレート、98…スライダ付勢部材、99…解除ケーブル、99a…端末。
図1
図2
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図9