(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
空気が流れる空気通路を構成するとともに、空気流れ最下流部にデフロスタ開口部(11)、フェイス開口部(12)およびフット開口部(13)が順に並んで設けられた空調ケース(10)と、
前記空調ケースに収容され、前記デフロスタ開口部、前記フェイス開口部および前記フット開口部を選択的に開閉するロータリー式のモードドア(50)とを備え、
前記空調ケースは、前記モードドアの空気流れ上流側に、前記モードドアの内部に向かって冷風が流れる冷風通路(14)と、前記モードドアの内部に向かって暖風が流れる暖風通路(15)とが形成されており、
前記冷風通路は、前記空調ケースのうち前記デフロスタ開口部、前記フェイス開口部および前記フット開口部の並び方向における前記デフロスタ開口部側に配置されており、
前記暖風通路は、前記空調ケースのうち前記並び方向における前記フット開口部側に配置されており、
前記モードドアは、その内部空間を、前記モードドアの回転軸(54)の軸線方向に並ぶ複数の空間部(61、62)に仕切る仕切壁(57、58、59)と、前記複数の空間部のうち一部の空間部(61)に設けられたバッフル部(71、73)とを有し、
前記バッフル部は、前記モードドアが前記フェイス開口部と前記フット開口部とを開き、前記デフロスタ開口部を閉じる第1モードのとき、前記冷風通路からの冷風と前記暖風通路からの暖風との混合が可能な位置に配置されているとともに、前記モードドアが前記デフロスタ開口部と前記フット開口部とを開き、前記フェイス開口部を閉じる第2モードのとき、前記一部の空間部への冷風の流入を抑制し、暖風が前記一部の空間部を通って前記デフロスタ開口部に導かれるように配置されていることを特徴する車両用空調装置。
前記バッフル部(73)は、前記第2モードのとき、前記エアミックスドアと前記空調ケースとの間に形成される前記冷風通路に連なる開口部から前記一部の空間部への冷風の流入を阻止するように、前記エアミックスドアに近接して配置されていることを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。
前記空調ケースは、前記第2モードのとき、前記一部の空間部に連通する前記デフロスタ開口部の開口面積が、前記複数の空間部のうち前記バッフル部が設けられていない他の空間部(62)に連通する前記デフロスタ開口部の開口面積よりも大きくなるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
前記空調ケースは、前記複数の空間部のうち前記バッフル部が設けられていない他の空間部(62)のみと連通するように、前記フット開口部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】第1実施形態における車両用空調装置の室内ユニットの構成を示す断面図である。
【
図5】
図4B中の複数の仕切壁およびバッフル部の斜視図である。
【
図6A】第1実施形態の車両用空調装置のフェイスモード時における第1空間部での断面図である。
【
図6B】第1実施形態の車両用空調装置のフェイスモード時における第2空間部での断面図である。
【
図7A】第1実施形態の車両用空調装置のバイレベルモード時における第1空間部での断面図である。
【
図7B】第1実施形態の車両用空調装置のバイレベルモード時における第2空間部での断面図である。
【
図8A】第1実施形態の車両用空調装置のフットモード時における第1空間部での断面図である。
【
図8B】第1実施形態の車両用空調装置のフットモード時における第2空間部での断面図である
【
図9A】第1実施形態の車両用空調装置のフット/デフロスタモード時における第1空間部での断面図である。
【
図9B】第1実施形態の車両用空調装置のフット/デフロスタモード時における第2空間部での断面図である。
【
図10A】第1実施形態の車両用空調装置のデフロスタモード時における第1空間部での断面図である。
【
図10B】第1実施形態の車両用空調装置のデフロスタモード時における第2空間部での断面図である。
【
図11】第2実施形態の車両用空調装置のフェイスモード時における第1空間部での断面図である。
【
図12】第2実施形態の車両用空調装置のデフロスタモード時における第1空間部での断面図である。
【
図13】第2実施形態の車両用空調装置のバイレベルモード時における第1空間部での断面図である。
【
図14】第2実施形態の車両用空調装置のフットモード時における第1空間部での断面図である。
【
図15】第2実施形態の車両用空調装置のフット/デフロスタモード時における第1空間部での断面図である。
【
図16】第3実施形態におけるモードドアの斜視図である。
【
図19】第3実施形態の車両用空調装置のフェイスモード時における第1空間部での断面図である。
【
図20】第3実施形態の車両用空調装置のデフロスタモード時における第1空間部での断面図である。
【
図21】第3実施形態の車両用空調装置のバイレベルモード時における第1空間部での断面図である。
【
図22】第3実施形態の車両用空調装置のフットモード時における第1空間部での断面図である。
【
図23】第3実施形態の車両用空調装置のフット/デフロスタモード時における第1空間部での断面図である。
【
図24】第4実施形態におけるモードドアの斜視図である。
【
図25】第4実施形態のモードドアにおける複数の仕切壁およびバッフル部の斜視図である。
【
図26】第4実施形態の車両用空調装置のフットモード時における第1空間部での断面図である。
【
図27】第5実施形態の車両用空調装置のフェイスモード時における第1空間部での断面図である。
【
図28】第5施形態の車両用空調装置のバイレベルモード時における第1空間部での断面図である。
【
図29】第6実施形態の車両用空調装置のバイレベルモード時における第1空間部での断面図である。
【
図30】第6実施形態の車両用空調装置のフットモード時における第1空間部での断面図である。
【
図31】第6実施形態の車両用空調装置のフット/デフロスタモード時における第1空間部での断面図である。
【
図32】第7実施形態の車両用空調装置のフットモード時における第1空間部での断面図である。
【
図33】第7実施形態の車両用空調装置のフット/デフロスタモード時における第1空間部での断面図である。
【
図34】他の実施形態における複数の仕切壁およびバッフル部の斜視図である。
【
図35】検討例の車両用空調装置のバイレベルモード時における断面図である。
【
図36】検討例の車両用空調装置のフットモード時における断面図である。
【
図37】検討例の車両用空調装置のフット/デフロスタモード時における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
【0021】
(第1実施形態)
本実施形態の車両用空調装置1は、上記課題の欄で説明した車両用空調装置と同様に、空調ケース内部のモードドア領域とエアミックス領域とが一体化された構成のものである。
【0022】
具体的には、
図1に示すように、この車両用空調装置1は、空調ケース10と、エバポレータ20と、ヒータコア30と、エアミックスドア40と、モードドア50とを備えている。なお、
図1中の上下前後の矢印は、車両用空調装置1が車両に搭載された状態での方向を示している。
【0023】
空調ケース10は、車室内に向かって送風空気が流れる空気通路を構成している。この送風空気は、図示しない送風機によって形成される。空調ケース10は、エバポレータ20と、ヒータコア30と、エアミックスドア40と、モードドア50とを収容している。また、空調ケース10は、その空気流れ最下流部に、デフロスタ開口部11、フェイス開口部12、フット開口部13が形成されている。
【0024】
デフロスタ開口部11は、ダクト部11aを介して、ガラスの内表面に向けて開口するデフロスタ吹出口に連なっている。デフロスタ開口部11を通過した送風空気は、デフロスタ吹出口から吹き出される。フェイス開口部12は、ダクト部12aを介して、乗員上半身に向けて開口するフェイス吹出口に連なっている。フェイス開口部12を通過した送風空気は、フェイス吹出口から吹き出される。フット開口部13は、ダクト部13aを介して、乗員下半身に向けて開口するフット吹出口に連なっている。フット開口部13を通過した送風空気は、フット吹出口から吹き出される。
【0025】
エバポレータ20は、冷凍サイクルを構成する構成部品であり、送風空気を冷却する冷却手段である。ヒータコア30は、エンジン冷却水等を熱源として送風空気を加熱する加熱手段である。ヒータコア30は、エバポレータ20の空気流れ下流側に配置されており、エバポレータ20通過後の送風空気を加熱する。空調ケース10の内部には、エバポレータ20通過後の冷風がヒータコア30を迂回して流れる冷風通路14と、ヒータコア30通過後の暖風が流れる暖風通路15とが形成されている。
【0026】
エアミックスドア40は、冷風通路14の通路断面積と暖風通路15の通路断面積との比率を調整して、冷風通路14を流れる冷風と暖風通路15を流れる暖風の風量割合を調整するものである。このエアミックスドア40として、ロータリー式のドアが用いられている。
【0027】
図2に示すように、エアミックスドア40は、外周壁41と、第1、第2側壁42、43と、回転軸44とを備えている。外周壁41は、回転軸44の軸線を中心とする円周方向に沿って湾曲している。第1、第2側壁42、43は、扇形状であり、外周壁41の軸方向端部にそれぞれ連なっている。回転軸44は、第1、第2側壁42、43に設けられている。外周壁41が円周方向に移動することで、冷風通路14と暖風通路15の各通路断面積が調整される。
【0028】
モードドア50は、各開口部11、12、13を選択的に開閉することにより、車室内に向けて所定の吹出口から空調風を吹き出す吹出口モードを切り替えるものである。このモードドア50として、ロータリー式のドアが用いられている。
【0029】
図3、4A、4B、4Cに示すように、モードドア50は、外周壁51と、第1、第2側壁52、53と、回転軸54とを備えている。外周壁51は、回転軸54の軸線を中心とする円周方向に沿って湾曲している。外周壁51は、基材51aと、基材51aの外側に積層されたシール材51bとを有して構成されている(
図1参照)。基材51aは、剛性が高い合成樹脂で構成されている。シール材51bは、ウレタン等の柔軟性を有する合成樹脂で構成されている。第1、第2側壁52、53は、円盤形状であり、外周壁51の軸線方向端部にそれぞれ連なっている。回転軸54は、第1、第2側壁52、53から外側に突出して設けられている。第1、第2側壁52、53および回転軸54は、剛性が高い合成樹脂で構成されている。
【0030】
図3、4B、4Cに示すように、モードドア50は、第1側壁52と第2側壁53との間に、仕切壁57が複数配置されている。複数の仕切壁57は、モードドア50内部の空間を回転軸54の軸線方向に並ぶ複数の空間部61、62に仕切っている。複数の空間部61、62は、バッフル部71が配置された第1空間部61と、バッフル部71が配置されていない第2空間部62とによって構成されている。第2空間部62には、冷風と暖風の混合促進用の第1、第2ガイド部81、82が設けられている。本実施形態では、第1、第2空間部61、62が交互に配置されている。なお、バッフル部71および第1、第2ガイド部81、82の詳細な説明については、後述する。
【0031】
図1に示すように、外周壁51には、第1ドア開口部55と、その反対側に位置する第2ドア開口部56とが設けられている。第2ドア開口部56は、外周壁51が円筒形状であると仮定したときに、円周方向に沿った方向での開口幅が第1ドア開口部55よりも大きく形成されたものである。本実施形態では、外周壁51は半円筒形状であり、半円筒の円周方向両側端部511、512の間が第2ドア開口部56である。また、第1ドア開口部55は、外周壁51の円周方向中央よりも円周方向一側端部511側に配置されている。外周壁51が円周方向に移動することで、空調ケース10の各開口部11、12、13が開閉される。
【0032】
エアミックスドア40とモードドア50は、同軸上に配置されている。モードドア50は、このため、モードドア50内部に、冷風と暖風とが混合することなく直に流入し、モードドア50内部で冷風と暖風とが混合するようになっている。
【0033】
本実施形態では、エバポレータ20は、空調ケース10のうち車両前側に配置されている。ヒータコア30は、空調ケース10のうちエバポレータ20に対して車両後側かつ下側に配置されている。冷風通路14は、空調ケース10のうちエバポレータ20に対して車両後側かつヒータコア30の上側に形成されている。エアミックスドア40、モードドア50および各開口部11、12、13は、空調ケース10のうち冷風通路14、ヒータコア30、暖風通路15の上側に配置されている。
【0034】
そして、モードドア50に対して、上側に各開口部11、12、13が位置し、その反対側の下側に冷風通路14と暖風通路15とが位置する。モードドア50は、車両搭載時に、回転軸54の軸線方向が車両左右方向と一致している。各開口部11、12、13は、車両前側から順にデフロスタ開口部11、フェイス開口部12、フット開口部13が並んでいる。冷風通路14と暖風通路15は、車両前側に冷風通路14が位置し、車両後側に暖風通路15が位置する。したがって、モードドア50の空気流れ下流側において、デフロスタ開口部11、フェイス開口部12、フット開口部13が順に配置され、モードドア50の空気流れ上流側において、デフロスタ開口部11側に冷風通路14が配置され、フット開口部13側に暖風通路15が配置されている。
【0035】
次に、バッフル部71および第1、第2ガイド部81、82について説明する。
【0036】
図5に示すように、複数の仕切壁57は、全て、略半円形状である。この略半円形状とは、半円の円弧よりも長い円弧571と、円の中心よりも外側を通る弦572とを有する形状である。バッフル部71は、仕切壁57の端部である弦572と連なっている。バッフル部71は、横断面がU字形状であって直線状に延びた樋形状である。
【0037】
図6Aに示すように、バッフル部71は、モードドア50内部のうち第1ドア開口部55よりも第2ドア開口部56に近い側であって、回転軸54の軸線位置54aよりも径方向外側に配置されている。バッフル部71は、長手方向一端部711とそれに近い側の外周壁51の円周方向一側端部511との間に開口部を設け、長手方向他端部712とそれに近い側の外周壁51の円周方向他側端部512との間に開口部を設けるように配置されている。
【0038】
図6Bに示すように、第1ガイド部81は、外周壁51の円周方向一側端部511から回転軸54の軸線位置54aに向かって延びている。第2ガイド部82は、外周壁51の円周方向に沿った延長線上の位置であって、外周壁51の円周方向一側端部511よりも円周方向他側端部512に近い位置から回転軸54の軸線位置54aに向かって延びている。このため、第1、第2ガイド部81、82は、ハの字状に配置されている。
【0039】
バッフル部71およびガイド部81、82は、下記の通り、各吹出モードにおいて所定の機能を果たすように配置されている。なお、バイレベルモードが特許請求の範囲に記載の第1モードに対応し、フットモードとフット/デフロスタモードが特許請求の範囲に記載の第2モードに対応する。
【0040】
図6A、Bに示すフェイスモードのとき、モードドア50は、外周壁51がデフロスタ開口部11とフット開口部13を閉じ、第1ドア開口部55がフェイス開口部12に連通し、第2ドア開口部56が冷風通路14および暖風通路15と連通可能な位置とされる。なお、
図6A、Bでは、エアミックスドア40は、冷風通路14の通路断面積を最大とし、暖風通路15を閉じる最大冷房位置とされている。このため、
図6A、Bに示す状態では、第2ドア開口部56と冷風通路14が連通している。
【0041】
このとき、
図6Aに示すように、第1空間部61では、バッフル部71が、冷風通路14からフェイス開口部12に向かう冷風流れを阻害しない位置に配置されている。具体的には、バッフル部71は、冷風通路14のデフロスタ開口部側端部141と暖風通路側端部142の間の位置からフット開口部13に向かって延びるように配置されている。これにより、図中の矢印のように、冷風通路14からの冷風C1がフェイス開口部12に向かって流れる。
【0042】
一方、
図6Bに示すように、第2空間部62では、第1、第2ガイド部81、82が、冷風通路14からフェイス開口部12に向かう冷風流れを阻害しない位置に配置されている。第2ガイド部82は、冷風通路14からフェイス開口部12に向かう冷風流れC2に沿った方向に延びている。第1ガイド部81の回転軸54の軸線位置54a側の端部は、冷風通路14からフェイス開口部12に向かう冷風流れを妨げない位置にある。これにより、図中の矢印のように、冷風通路14からの冷風C2がフェイス開口部12に向かって流れる。
【0043】
この結果、冷風通路14からの冷風C1、C2が、フェイス開口部12を通過して、フェイス吹出口か吹き出される。
【0044】
図7A、Bに示すバイレベルモードのとき、モードドア50は、外周壁51がデフロスタ開口部11を閉じ、第1ドア開口部55がフェイス開口部12およびフット開口部13に連通し、第2ドア開口部56が冷風通路14および暖風通路15と連通可能な位置とされる。エアミックスドア40は、冷風通路14と暖風通路15の両方を開く位置とされる。
【0045】
このとき、
図7Aに示すように、第1空間部61では、バッフル部71が、モードドア50の内部への冷風と暖風の流入を阻害しない位置であって、モードドア50の内部に流入した冷風と暖風とを分離せず、冷風と暖風との混合が可能な位置に配置されている。具体的には、バッフル部71は、回転軸54の軸線位置54aとエアミックスドア40との間の位置に配置されている。これにより、図中の矢印のように、冷風C1と暖風H1とが衝突して混合し、混合風M1がフェイス開口部12およびフット開口部13に向かって流れる。
【0046】
一方、
図7Bに示すように、第2空間部62では、第1ガイド部81が、暖風通路15からの暖風H2をモードドア50の中心に向けて曲げて冷風と衝突させるように配置されている。第2ガイド部82は、冷風通路14からフェイス開口部12およびフット開口部13に向かう冷風C2に沿うように配置されている。これにより、図中の矢印のように、冷風C2と暖風H2とが衝突して混合し、混合風M2がフェイス開口部12およびフット開口部13に向かって流れる。
【0047】
この結果、冷風と暖風の混合風M1、M2が、フェイス開口部12およびフット開口部13を通過して、フェイス吹出口およびフット吹出口から吹き出される。
【0048】
図8A、Bに示すフットモードのとき、モードドア50は、外周壁51がデフロスタ開口部11の大部分とフェイス開口部12を閉じ、第1ドア開口部55がフット開口部13に連通し、第2ドア開口部56が冷風通路14および暖風通路15と連通可能な位置とされる。エアミックスドア40は、冷風通路14の通路断面積を小さくし、暖風通路15の通路断面積を大きくする位置とされる。
【0049】
このとき、
図8Aに示すように、第1空間部61では、バッフル部71が、冷風C1の第1空間部61への流入を抑制するとともに、暖風H1を第1空間部61へ流入させてデフロスタ開口部11に導くように配置されている。具体的には、バッフル部71は、冷風通路14の暖風通路側端部142よりも冷風通路14のデフロスタ開口部側端部141に近い位置から暖風通路15側に向かって延びるように配置されている。このため、バッフル部71は、第1空間部61のうち冷風通路14側を塞いでいる。これにより、図中の矢印のように、冷風C1は第1空間部61への流入が抑制され、隣りの第2空間部62へ流入する。暖風H1は第1空間部61に流入し、デフロスタ開口部11およびフット開口部13に向かって流れる。
【0050】
一方、
図8Bに示すように、第2空間部62では、第1、第2ガイド部81、82は、暖風通路15から流入した暖風と冷風通路14から流入した冷風の両方を曲げて衝突させるように配置されている。第1ガイド部81は、暖風H2を軸線位置54aに向けて曲げるように、配置されている。第2ガイド部82は、冷風C2を軸線位置54aに向けて曲げるように、配置されている。これにより、図中の矢印のように、冷風C2と暖風H2が混合し、混合した混合風M21、22がデフロスタ開口部11およびフット開口部13に向かって流れる。
【0051】
この結果、第1空間部61からの暖風H1と第2空間部62からの混合風M21とが、デフロスタ開口部11を通過し、第1空間部61からの暖風H1と第2空間部62からの混合風M22とが、フット開口部13を通過する。
【0052】
図9A、Bに示すフット/デフロスタモードのとき、モードドア50は、外周壁51がフェイス開口部12を閉じ、第1ドア開口部55がフット開口部13に連通し、第2ドア開口部56が冷風通路14および暖風通路15と連通可能であるとともに、デフロスタ開口部11と連通する位置とされる。エアミックスドア40は、冷風通路14の通路断面積を小さくし、暖風通路15の通路断面積を大きくする位置とされる。
【0053】
このとき、
図9Aに示すように、第1空間部61では、バッフル部71が、フットモードのときとほぼ同じ位置に配置される。これにより、図中の矢印のように、冷風C1は第1空間部61への流入が抑制され、隣りの第2空間部62へ流入する。暖風H1は第1空間部61に流入し、デフロスタ開口部11およびフット開口部13に向かって流れる。
【0054】
一方、
図9Bに示すように、第2空間部62では、第1、第2ガイド部81、82が、フットモードのときとほぼ同じ位置に配置される。これにより、図中の矢印のように、冷風C2と暖風H2が混合し、混合した混合風M21、M22が、それぞれ、デフロスタ開口部11、フット開口部13に向かって流れる。
【0055】
この結果、第1空間部61からの暖風H1と第2空間部62からの混合風M21とが、デフロスタ開口部11を通過し、第1空間部61からの暖風H1と第2空間部62からの混合風M22とが、フット開口部13を通過する。
【0056】
図10A、Bに示すデフロスタモードのとき、モードドア50は、外周壁51がフェイス開口部12およびフット開口部13を閉じ、第2ドア開口部56が冷風通路14および暖風通路15と連通可能であるとともに、デフロスタ開口部11と連通する位置とされる。なお、
図10A、Bでは、エアミックスドア40は、冷風通路14を閉じ、暖風通路15の通路断面積を最大とする最大暖房位置とされている。このため、
図10A、Bの状態では、第2ドア開口部56と暖風通路15とが連通している。
【0057】
このデフロスタモードのとき、
図10Aに示すように、第1空間部61では、バッフル部71が、暖風通路15からデフロスタ開口部11に向かう暖風流れH1を阻害しない位置に配置されている。具体的には、バッフル部71は、デフロスタ開口部11の冷風通路側端部111から暖風通路15側に向かって延びるように配置されている。これにより、図中の矢印のように、暖風H1が、デフロスタ開口部11を通過して、デフロスタ吹出口か吹き出される。
【0058】
一方、
図10Bに示すように、第2空間部62では、第1、第2ガイド部81、82が、暖風通路15からデフロスタ開口部11に向かう暖風流れH2を阻害しない位置に配置されている。
【0059】
この結果、暖風通路15からの暖風H1、H2が、デフロスタ開口部11を通過して、フェイス吹出口か吹き出される。
【0060】
ところで、発明が解決しようとする課題の欄での説明の通り、従来のガイド部を適用した検討例では、
図35に示すように、バイレベルモードのとき、ガイド部J2が、モードドア50の内部に直に流入した冷風Cと暖風Hとを分離する。このため、フェイス吹出口からの吹出空気とフット吹出口からの吹出空気との温度差、上下温度差が目標値よりも拡大してしまう。
【0061】
これに対して、本実施形態では、バイレベルモードのとき、第2空間部62において、第1、第2ガイド部81、82が、冷風C2と暖風H2とを衝突させて混合させる働きをする。さらに、第1空間部61において、バッフル部71が、モードドア50の内部に流入した冷風C1と暖風H1との混合が可能な位置にあり、冷風C1と暖風H1とを分離しない。このため、第1空間部61に、バッフル部71が配置されていても、冷風C1と暖風H1とが混合してフェイス開口部12とフット開口部13とに到達する。したがって、本実施形態によれば、上記した検討例と比較して、上下温度差を縮小でき、上下温度差を目標値に近づけることが可能となる。
【0062】
また、
図36、37に示すように、検討例では、フットモードやフット/デフロスタモードのとき、ガイド部J2は、暖風Hの流れを曲げて冷風Cと衝突させる働きをする。しかし、この場合、冷風Cと暖風Hとが衝突するため、デフロスタ開口部11に届く暖風が少なく、デフロスタ吹出口からの吹出空気とフット吹出口からの吹出空気との温度差、すなわち、上下温度差が目標値よりも拡大してしまう。
【0063】
これに対して、本実施形態では、フットモードやフット/デフロスタモードのとき、第2空間部62において、第1、第2ガイド部81、82が、冷風C2と暖風H2とを衝突させて混合させる働きをする。さらに、第1空間部61において、バッフル部71が、冷風C1の第1空間部61への流入を抑制するとともに、暖風H1を第1空間部61へ流入させてデフロスタ開口部11に導く働きをする。このため、第1空間部61では、暖風通路15からの暖風H1を冷風C1に邪魔されることなく、デフロスタ開口部11に導くことができる。したがって、本実施形態によれば、検討例と比較して、デフロスタ開口部11に届く暖風を増やすことができ、上下温度差を目標値に近づけることが可能となる。
【0064】
(第2実施形態)
図11〜15に示すように、本実施形態では、第1実施形態に対してガイド部72を追加している。その他の構成は、第1実施形態と同じである。ガイド部72は、第1空間部61に設けられており、仕切壁57に連なっている。ガイド部72は、第1ドア開口部55のうち円周方向一側端部551から回転軸54の軸線位置54aに向かって延びるように配置されている。この第1ドア開口部55の円周方向一側端部551は、第2開口部56に近い側の端部である。
【0065】
このガイド部72は、各吹出モードにおいて所定の機能を果たすように配置されている。
図11に示すフェイスモードのとき、ガイド部72は、冷風通路14からフェイス開口部12に向かう冷風流れC1を阻害しない位置に配置されている。
図12に示すデフロスタモードのとき、ガイド部72は、暖風通路15からデフロスタ開口部11に向かう暖風流れH11、H12を阻害しない位置に配置されている。
【0066】
図13に示すバイレベルモードのとき、ガイド部72は、暖風通路15からの暖風H1を冷風通路14側に曲げて冷風C1と衝突させるように配置されている。これにより、ガイド部72を設けていない第1実施形態と比較して、冷風と暖風の混合を促進でき、上下温度差をより縮小できる。この結果、上下温度差を目標値により近づけることが可能となる。
【0067】
図14に示すフットモードおよび
図15に示すフット/デフロスタモードのとき、ガイド部72は、暖風通路15からの暖風H1をデフロスタ開口部11側に曲げるように配置されている。これにより、暖風H1は、その一部がデフロスタ開口部11に向かって直線的に流れるとともに、その残部がガイド部72を回り込みながらフット開口部13に向かって流れる。このため、ガイド部72を設けていない第1実施形態と比較して、デフロスタ開口部11に届く暖風を増やすことができる。この結果、上下温度差を目標値により近づけることが可能となる。
【0068】
なお、本実施形態では、ガイド部72は、外周壁51の第1ドア開口部55の端部からモードドア50の中心位置に向かって延びるように配置されていが、モードドア50の中心付近に向かって延びるように配置されていればよい。
【0069】
(第3実施形態)
本実施形態では、第2実施形態に対して、バッフル部の形状および配置や、仕切壁の形状を変更するとともに、第1空間部61のガイド部72の長さを変更している。その他の構成は、第2実施形態と同じである。
【0070】
図16、17A、17B、17C、18に示すように、複数の仕切壁58は、全て、円盤形状であり、第1、第2側壁52、53と同じ大きさである。
図17B、18に示すように、バッフル部73は、仕切壁58の端部に連なっており、モードドア50の最外周位置に配置されている。第1空間部61のガイド部72は、仕切壁58に連なっている。バッフル部73および仕切壁58が、第1、第2実施形態のバッフル部71および仕切壁57に対応する。
【0071】
図19に示すように、バッフル部73は、エアミックスドア40に沿った形状である。すなわち、バッフル部73は、回転軸54の軸線位置54aを中心とする円周方向に沿って一端部731から他端部732まで湾曲した形状である。第1空間部61のガイド部72は、モードドア50の中心位置(回転軸の軸線位置54a)付近に向かって延びるように配置されている。ただし、本実施形態のガイド部72は、第2実施形態のガイド部72よりも長く、第1ドア開口部55の円周方向一側端部551から回転軸54の軸線位置54aを越えた位置まで延びている。
【0072】
バッフル部73は、各吹出モードにおいて所定の機能を果たすように配置されている。すなわち、
図19に示すフェイスモードのとき、バッフル部73は、冷風通路14からフェイス開口部12に向かう冷風流れC1を阻害しない位置に配置されている。具体的には、バッフル部73は、暖風通路15に対向する位置に配置されている。換言すると、バッフル部73は、冷風通路14を開く位置にあるエアミックスドア40と対向する位置に配置されている。
【0073】
図20に示すデフロスタモードのとき、バッフル部73は、暖風通路15からデフロスタ開口部11に向かう暖風流れH1を阻害しない位置に配置されている。具体的には、バッフル部73は、冷風通路14とデフロスタ開口部11との間の位置に配置されている。
【0074】
図21に示すバイレベルモードのとき、バッフル部73は、冷風通路14からモードドア50内部への冷風C1の流入と、暖風通路15からモードドア50内部への暖風H1の流入を阻害しないように配置されている。具体的には、モードドア50内部へ冷風C1と暖風H1の両方を流入させる位置にあるエアミックスドア40と対向する位置に配置されている。
【0075】
図22に示すフットモードおよび
図23に示すフット/デフロスタモードのとき、バッフル部73は、エアミックスドア40と空調ケース10との間に形成される冷風通路14に連なる開口部を塞ぐように配置されている。具体的には、バッフル部73は、エアミックスドア40および空調ケース10の壁10aの両方に対向かつ近接して配置されている。空調ケース10の壁10aは、エアミックスドア40との間に冷風が通過する開口部を形成する部位を指している。空調ケース10の壁10aは、エアミックスドア40が冷風通路14を全閉とする位置のとき、エアミックスドア40と重なるように、エアミックスドア40に沿って延びている。エアミックスドア40とバッフル部73との間には微小な隙間が形成され、空調ケース10の壁10aとバッフル部73との間にも微小な隙間が形成されている。これらの微小な隙間は通風抵抗が大きいので、エアミックスドア40と空調ケース10の壁10aとの間の開口部から第1空間部61に冷風が流入せず、第2空間部62に冷風が流入する。
【0076】
ここで、第1実施形態では、フットモードおよびフット/デフロスタモードのとき、バッフル部71がエアミックスドア40から離れて配置されているので、第1空間部61に冷風がわずかに流入する。
【0077】
これに対して、本実施形態では、フットモードおよびフット/デフロスタモードのとき、バッフル部73がエアミックスドア40と空調ケース10との間の開口部から第1空間部61への冷風の流入を阻止するように、エアミックスドア40に近接して配置されているので、第1空間部61に冷風が流入せず、暖風のみが流入する。このため、第1実施形態と比較して、第1空間部61からデフロスタ開口部11に流入する空気の温度を高くでき、デフロスタ開口部11を通過する空気の温度を高くできる。よって、本実施形態によれば、上下温度差を目標値により近づけることが可能となる。
【0078】
(第4実施形態)
本実施形態は、第3実施形態に対して仕切壁の形状を変更したものであり、その他の構成は、第3実施形態と同じである。
【0079】
図24、25に示すように、複数の仕切壁59は、全て、略半円形状であり、
図24に示すように、第1ドア開口部55側には存在していない。本実施形態の仕切壁59が第3実施形態の仕切壁58に対応する。
【0080】
図26に示すように、具体的には、複数の仕切壁59は、第1ドア開口部55のうち円周方向一側端部551からバッフル部73の他端部732までガイド部72に沿って延びる弦591と、回転軸54の軸線位置54aを中心とする円弧592とを有する形状である。そして、複数の仕切壁59は、フットモードのとき、モードドア50の内部空間のうちガイド部72よりも暖風通路15側の空間のみに存在するように配置されている。なお、
図25に示すように、仕切壁59は、弦591がガイド部72と連なっており、円弧592がバッフル部73と連なっている。
【0081】
ここで、第3実施形態では、複数の仕切壁58が円盤形状であるため、モードドア50の内部空間全体が第1空間部61と第2空間部62とに仕切られている。このため、
図22に示すフットモードのとき、デフロスタ開口部11やフット開口部13を通過する空調風は、第1空間部61で支配的な暖風と第2空間部62で支配的な冷風とが回転軸54の軸線方向で交互に積層された状態となり、回転軸54の軸線方向で不均一な温度分布となってしまう。この結果、デフロスタ吹出口やフット吹出口からの吹出風が不均一な温度分布となってしまう。
【0082】
これに対して、本実施形態では、フットモードのとき、モードドア50の内部空間のうち、ガイド部72よりもデフロスタ開口部11およびフット開口部13側の空間では、仕切壁59が存在せず、第1空間部61と第2空間部62とが連通している。このため、モードドア50の内部で、第1空間部61で支配的な暖風と 第2空間部62で支配的な冷風とが混ざり合うことができる。これにより、デフロスタ開口部11やフット開口部13を通過する空調風の回転軸54の軸線方向での温度分布を均一に近づけることができる。この効果は、フットモードに限らず、フット/デフロスタモードにおいても同様に得られるものである。
【0083】
なお、本実施形態では、フットモードのとき、ガイド部72よりもデフロスタ開口部11およびフット開口部13側に仕切壁59が存在しなくても、第1空間部61からの暖風は直進性があるため、デフロスタ開口部11に向かう。このため、本実施形態によっても、第3実施形態と同様に、デフロスタ吹出口からの吹出風とフット吹出口からの吹出風の温度差、すなわち、上下温度差を縮小できる。
【0084】
(第5実施形態)
図27、28に示すように、本実施形態は、第4実施形態に対してモードドア50の外周壁51に突出部(リブ)51cを追加したものであり、その他の構成は、第4実施形態と同じである。
【0085】
外周壁51は、断面円弧状の外周壁51の円周方向中央部付近に、基材51aの内面からモードドア50の中心(回転軸54の軸線位置54a)側に向けて突出する突出部51cを有している。この突出部51cは、
図28に示すバイレベルモードのとき、モードドア50の内部をフェイス開口部12に向かって外周壁51に沿って流れる冷風C1aをモードドア50の中心側に曲げるように設けられたものである。なお、突出部51cの設置場所は、冷風C1aをモードドア50の中心側に曲げられる位置であればよく、外周壁51のうち中央部以外の位置であってもよい。
【0086】
突出部51cは、基材51aの内面からの長さが、
図27に示すフェイスモードのとき、フェイス開口部12に向かう主流(冷風C1)の流れを妨げない長さとされる。具体的には、突出部51cの先端部の位置は、
図27に示す外周壁51の断面において、外周壁51の円周方向他側端部512と第1ドア開口部55の円周方向他側端部552とを結んだ仮想直線(弦)VL付近の位置までとされる。なお、突出部51cの先端部の位置は、仮想直線(弦)VLをわずかに超えていてもよい。
【0087】
本実施形態においても、第4実施形態と同様に、複数の仕切壁59は半円形状であり、モードドア50の内部空間のうち、ガイド部72よりもデフロスタ開口部11およびフット開口部13側の空間では、仕切壁59が存在せず、第1空間部61と第2空間部62とが連通している。突出部51cは、
図24中のモードドア50の第1側壁52から第2側壁53にわたって、回転軸54の軸線方向に連続して延びている。
【0088】
このような構成の本実施形態では、
図28に示すバイレベルモードのとき、冷風通路14から流入した冷風C1のうちフェイス開口部12に向かって外周壁51に沿って流れる冷風C1aが、突出部51cによってモードドア50の中心側に曲げられる。これにより、突出部51cを設けていない第4実施形態と比較して、冷風と暖風との混合を促進でき、上下温度差をより縮小できる。
【0089】
なお、本実施形態の突出部51cは、冷風と暖風との混合促進だけでなく、外周壁51の基材51aの補強も兼ねている。
【0090】
また、本実施形態では、複数の仕切壁59が半円形状であったが、第3実施形態の複数の仕切壁58のように、円盤形状であってもよい。すなわち、本実施形態は、第3実施形態に対しても適用可能である。さらに、本実施形態は、第1、第2実施形態に対しても適用可能である。
【0091】
(第6実施形態)
本実施形態では、第1実施形態に対して、デフロスタ開口部11の大きさを変更している。その他の構成は、第1実施形態と同じである。
【0092】
図29に示すように、空調ケース10は、バイレベルモードのときに、モードドア50の外周壁51と接する内壁面10bを有している。また、
図30、31に示すように、空調ケース10は、デフロスタ開口部11を構成する第1、第2内壁面10c、10dを有している。
【0093】
第1内壁面10cは、内壁面10bに連なるとともに内壁面10bよりも径方向外側に位置している。第1内壁面10cは、
図30に示すように、フットモードのとき、外周壁51と対向し、外周壁51との間に空気が通過する開口部を形成する。そして、
図30に示す第1空間部61での第1内壁面10cと外周壁51との距離である開口幅d1が、
図8Bに示す第2空間部62での開口幅d2よりも大きくなっている。
【0094】
第2内壁面10dは、第1内壁面10cに連なっている。第2内壁面10dは、
図31に示すように、フット/デフロスタモードのとき、外周壁51と対向し、外周壁51との間に空気が通過する開口部を形成する。そして、
図31に示す第1空間部61での第2内壁面10dと外周壁51との距離である開口幅d3が、
図9Bに示す第2空間部62での開口幅d4よりも大きくなっている。
【0095】
このように、空調ケース10は、フットモードおよびフット/デフロスタモードのとき、第1空間部61に連通するデフロスタ開口部11の開口面積が、第2空間部62に連通するデフロスタ開口部11の開口面積よりも大きくなるように構成されている。なお、デフロスタ開口部11とフット開口部13の風量割合を第1実施形態と同じとする場合、第1空間部61のデフロスタ開口部11の開口面積を大きくした分、第2空間部62に連通するデフロスタ開口部11の開口面積を小さく設定すればよい。
【0096】
本実施形態によれば、フットモードおよびフット/デフロスタモードのとき、第1実施形態と比較して、第1空間部61を通過して、デフロスタ開口部11に流入する暖風の量を増やすことができ、デフロスタ開口部11を通過する空気の温度を高くできる。よって、本実施形態によれば、上下温度差を目標値により近づけることが可能となる。
【0097】
(第7実施形態)
本実施形態では、第1実施形態に対して、フット開口部13の配置を変更している。その他の構成は、第1実施形態と同じである。
【0098】
図32、33に示すように、空調ケース10は、第1空間部61において、フット開口部13を塞ぐ壁10eを有している。第2空間部62には、
図8B、9Bに示すように、フット開口部13が設けられている。すなわち、空調ケース10は、第1空間部61と連通せず、第2空間部62と連通するように、フット開口部13が設けられている。したがって、フット開口部13は、モードドア50の軸線方向に、複数のフット開口部13が所定の間隔で配置されている。
【0099】
これにより、フットモードおよびフット/デフロスタモードのとき、第1空間部61に流入した暖風H1をデフロスタ開口部11のみに導くことができる。したがって、本実施形態によれば、フットモードおよびフット/デフロスタモードのとき、第1実施形態と比較して、第1空間部61を通過して、デフロスタ開口部11に流入する暖風の量を増やすことができ、デフロスタ開口部11を通過する空気の温度を高くできる。よって、本実施形態によれば、上下温度差を目標値により近づけることが可能となる。
【0100】
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、下記のように、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
【0101】
(1)第1実施形態では、略半円形状の仕切壁57を用いたが、
図34に示すように、第3実施形態と同じ円盤形状の仕切壁58を用いてもよい。この場合においても、バッフル部71は、第1実施形態と同様に、各吹出モードにおいて所定の機能を果たすように配置される。
【0102】
(2)上記した各実施形態では、外周壁51の構成を、同じ形状の基材51aとシール材51bが積層された構成としたが、他の構成に変更してもよい。例えば、基材51aの形状をシール材51bと異ならせたり、シール材51bを複数枚の積層構造としたり、シール材51bを省略したりしてもよい。
【0103】
(3)上記した各実施形態では、第2空間部62に第1、第2ガイド部81、82を設けたが、第1、第2ガイド部81、82を省略してもよい。この場合、第2空間部62での冷風と暖風の混合性が低下するが、上記した各実施形態と同様の効果を奏する。また、この場合では、モードドア50の内部空間を占める第1空間部61と第2空間部62との比率について、第1空間部61の比率を高く設定することが好ましい。これにより、上下温度差の縮小効果を高めることができる。
【0104】
(4)上記した各実施形態では、エアミックスドア40をロータリー式のドアで構成したが、モードドア領域とエアミックス領域とが一体化された構成であれば、エアミックスドア40をスライドドア等の他のドアに変更してもよい。
【0105】
(5)上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。例えば、第2、第3、第4、第5実施形態に対して、第6実施形態を組み合わせたり、第2、第3、第4、第5、第6実施形態に対して、第7実施形態を組み合わせたりすることができる。
【0106】
(6)上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。